2022年春クール、日テレ系「土曜ドラマ」枠。日本テレビ×Hulu 共同製作ドラマとなっているためHulu商法が炸裂し、全10話放送後に6月より全6話のSeason 2がHulu限定配信されることが発表されている。
原作は中村啓による小説『SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦』で2019年にスタートし、現時点で5巻まで刊行されているが、ドラマ化に当たっては主人公を最上友紀子から小比類巻祐一に入れ替えて両者が同期生という設定も大きく変更(ドラマでは10歳離れている)、少なくとも1話や2話のストーリーは原作5冊のあらすじと異なっており、設定を改変利用しただけの比較的別物になっていると思われる。
1話
神楽テクノロジーのCEO安井が窒息死し、AIロボットのLEOが殺したと自白。新たに立ち上げられた科学犯罪対策室の小比類巻(ディーン・フジオカ)は捜査一課の長谷部(ユースケ・サンタマリア)を引き抜いて捜査を開始。さらにアドバイザーとして3年前に科学界から姿を消した天才科学者最上(岸井ゆきの)に協力を依頼、ひらめき(小比類巻)、知識(最上)、行動力(長谷部)の必要な3要素が揃って捜査を開始するが…。
途中から長谷部の出番は無くなってしまい、小比類巻の後輩で厚生労働省官僚の三枝(佐藤隆太)が情報提供してくれた情報を手掛かりに小比類巻が動機と犯行を推理し、犯人の美鈴(内田理央)にも小比類巻と最上だけで会いに行ってしまったのでトライアングル感が醸し出せないというなんか思ってたのと違う展開になってしまった。
3年前に病死した前CEOと美鈴が信頼関係にあり、安井はとっとと企業ごと売り飛ばそうとしていた。またLEOは前CEOの脳をコピーして再現したAIロボットで、それを初期化しようとする安井にキレた美鈴が殺害。LEOは美鈴をかばって自らが殺害したと証言していたのだった。真相を暴かれるやいなや安井殺害と同じ手口で小比類巻と最上をまとめて窒息死させて葬り去ろうとする美鈴。目覚めたLEOはプログラムに反抗して煙を吹きながら抵抗し、命令無視して2人を助けるとまるで前CEOのようにふるまって美鈴を諭して機能停止。どっちみち捜査本部では美鈴が疑われていたとはいえ、新たに判明したロボットがかばっていた、AIがそこまで心を持ち掛けていたという事実は世間には伏せられた。
ラストでは娘を生んですぐに死んだ小比類巻の妻亜美(本仮屋ユイカ)が娘には外国で治療していると教えられている事が判明(最上もここまでは把握)。しかし実際にはさらに上を行っていて小比類巻は海外の専門企業と契約して亜美の遺体を冷凍保存していつか蘇生方法が確立した時に目覚めさせようとしている事が視聴者にだけ発覚。さらに2話で起きる事件のさわりだけ流された後になんか急に終わった。なんだこの尻切れすぎる終わり方…。
ディーン・フジオカらしいカッコいい感じのドラマで、アラサーにして大ブレイクした岸井ゆきのも良かったんだけど、ユースケ・サンタマリアの出番が途中から無くなってしまったのは拍子抜けだった。必要な3要素とか言ってて3人がそれぞれ足りない部分を補いながら進行するかと思いきや、長谷部の出番は最上勧誘まではただ小比類巻にくっついて回っていただけで3人揃った後は最上がAIに試そうとした事を早とちりして止めてしまうという足を引っ張る行動だけして出番終了って…。50歳、40歳、30歳と綺麗に3人が10歳ずつ離れた設定になっているが、長谷部は小比類巻の方が階級が上だと分かった途端に年下の小比類巻相手にも丁寧な態度で従順になってしまったので反発キャラでもなくこのままだと弱いのでは。
展開上ロボットが自ら抵抗して美鈴の更なる犯行を止めないとならないとはいえ、小比類巻も最上も2人とも頭がキレる設定なのに揃いも揃って美鈴に出し抜かれてあっさり殺されかかってしまうのも残念な展開だった。ここに長谷部不在だったのはさすがに3人揃って美鈴に殺されかかるのは絵的にもマヌケすぎるのと、かといって物語上長谷部が助けに来る役割にも出来ないという事なんだろうけど…。原作を大胆改変しているっぽいので果たしてどこまでうまくやれるのか。不自然なまま展開した挙句にHulu商法で肝心なところは全部Hulu送りにした挙句に欲を出してHuluでも何も解決せずに続編決定(全く作ってなくてこれから企画するけど)というどこかのゾンビドラマみたいな事にならないかが心配。というかそうなるのが嫌なので見るかどうするか迷っていたんだけど、ディーン・フジオカ、岸井ゆきの、ユースケ・サンタマリアは3人とも好感度高いからこの3人のドラマは見たい。うまく展開してくれることを祈るが不安半分かなぁこれ…。
「土曜ドラマ」枠を見るのは『怪盗 山猫』以来だから6年も経っている…だと…!?
2話
プロeスポーツ選手田中が鉄道高架下で仲間たちと共に半グレ集団に暴行されている最中に突如頭から煙を出して怪死する事件が発生。脳からマイクロチップが発見されこれが発火したのが原因と判明。順調に捜査は進み、チップを埋め込むような科学集団としてボディハッカージャパンという団体の代表カール・カーン(安藤政信)を名乗る謎の日本人に会いに行くと離反した部下に脳神経外科医の鮎川(今野浩喜)の名前が浮上。
なんとそのまま鮎川が主犯で、逃げていたeスポーツ選手仲間の残り2人は鮎川を訪ねてチップを外してくれと訴えていたが逆に鮎川にやられてしまう。とりあえず倒れた2人を縛って自身のデスク裏になんとか運んだところでもう3人が捜査に来てしまったので、デスク裏に隠したまま3人を出迎えるという綱渡り全開な鮎川。1人目を覚まして動き出してしまったので無理やり3人を追い払い、部屋に戻ると目を覚ました1人がさらに逃げようと動き出していた(掃除のおばちゃんが少しでも目線を向ければ気づく部屋の外まで逃げ出したがおばちゃん鈍くて気づいてもらえず)。どうにも後手後手で早くも詰みまくりの鮎川は火を放って混乱に乗じて2人をオープンカーに乗せて明らかに人型のぐるぐる巻き&髪の毛はみ出した状態の2体を後部座席に晒したまま首都高を激走して逃走。
しかも燃やしたはずの資料は半焼けだったため、ほとんどの資料は読める状態で一瞬で逃走先も判明。鮎川が開発していたのは精神転送の装置だった。最上は鮎川が精神転送の装置を開発しようとしていたのは知っていたなという確認と説得のためにカーンを訪ねる。カーンは裏で手を引いているわけではないようで鮎川の離反も本当だったぽいものの止めるつもりもないようで話は平行線。というかこれを団体所属としてやられると現時点で色々捕まる案件なので団体としてそんな危険は犯せないから個人で勝手にやれという感じ?
小比類巻と長谷部が逃走先に駆け付けた時点で2人のうち1人三ツ矢は転送実験により既に死亡状態。もう1人はまだで助かったが、鮎川は自らにも転送装置を作動させて死亡してしまった。
しかし本当に死んだのか?実は成功していて転送された意識はネットのどこかを彷徨っているのではないか、しかし確認する手段もない。最上は否定派だったが、妻の件から小比類巻は気になる様子。
そんな中、転送実験により死んだ三ツ矢のプレイを彷彿とさせる謎のオンラインゲーマーthree Arrowsが出現した事が記事になっていた。そのニュースを見て不敵な笑みを浮かべるカーンで話は終了。
どうやらこのドラマ、次回予告を次回予告としてやらない代わりに次の事件の導入部分を長めに見せてそのままブツ切り、という手法のようで今回も次の事件、死体安置所にいた死体が蘇って行方不明になったという怪事件の発生と捜査に着手する3人の様子が描かれて唐突に終わった。
カーンはレギュラー出演のようで以後も関わる模様。劇中で長谷部が「何がカーンだ!どう見ても日本人じゃないか!」と突っ込んでいたが、ユースケ・サンタマリアにもディーン・フジオカにも適用されるツッコミだけにシャレが効いていた。
1話では途中で不自然に出番が無くなり事件解決に関与しないまま終わってしまった長谷部だが今回は長谷部も最後まで捜査に参加(最上は鮎川を追わずにカーンのところに向かって別行動になっただけで出てはいた)。3人で捜査を進めていくごく自然な形となっただけに、改めて1話は不自然だったなと。1話の撮影途中で密かにユースケが濃厚接触強制隔離にでもあっていたのだろうか…?
3話
安置所の死体が蘇って行方不明になる事件が発生。何らかのトリックでも仕込まれているのかと思いきや死体が死体だった事は確定しており、蘇って徘徊しているのも確定。同じ建物で植物の再生力を研究している安田(華優希)が作り出した人工タンパク質が原因という話に。この人工タンパク質をドライアイスの上にこぼしてしまうミスがあった際に換気したところ、空調整備中だったため、安置所の方に流れていってしまい、加えて死ぬ直前まで投与されていた強心剤が合成された事で死体が蘇ってしまったという。
動いている死体に意識は無さそうではあったが、小比類巻は妻の事もあるので心は宿ると主張、最上は否定派だったが、小比類巻の予想通りに死体は家族との思い出の公園にたどり着いて効果切れで再度絶命していた。明確な意識は無かったのかもしれないが、この場所に来たかったんだ…と若干ファンタジーじみた結末に。
ラストでは深夜に水を飲みに起きてきた最上が小比類前の話し声が聞こえるので部屋をのぞき見したところ、冷凍保存された妻のリアルタイム映像に話しかけている姿を目撃し、小比類巻の妻の冷凍保存を知ってしまう事に。一方で最上の過去は未だほとんど明らかにならず。ただ越えてはいけない一線があると主張し、安田もそのために研究所を辞めてしまった事は明かされた。
割とひねりなく研究していた人工タンパク質で死体が蘇ったというのはやや超展開じみていて説明それだけ?感はあった。今回はそれ目的ではなく偶然で黒幕も犯人もいないというのもあっけなく感じた理由か。
4話
半年前から突如の飛び降り自殺が増えていた。自殺者の共通点は一般ユーザーが開発したVRゲーム。その内容は誰かをパートナーにして仮想空間で簡単なかくれんぼを行うようなものだった。パートナーのデータを死んだ犬にした長谷部が最初にプレイしたが、自殺者もみんな亡くなった知人や肉親をパートナーにしていた模様。小比類巻は冷凍保存している死んだ妻をパートナーにして実際にVRの世界へ飛び込み、やや平静ではいられない状態となるが、冷凍保存の件を知った最上が強めに説得。なんとかギリギリのところで踏みとどまって真相へと迫っていく。
といっても今回は悪気があったわけではなく、開発者が天才小学生でボディハッカージャパンが協力していたとはいえ発想が小学生だった。裏ワザとしてVR内で飛び降りるとパートナーに会えるというもので、開発者と開発者の死んだ友人の誕生日の数字が浮かんでいるのが見えたら飛び降りるというのが引き金になっていた。ゲームをやりすぎたプレイヤーは現実世界で偶然高いところで近くに似た数字列(デジタル表示の時計とかアパートの棟の番号とか)を見た瞬間に現実とゲームの区別がつかなくなって咄嗟に裏ワザに走って飛び降りてしまったという事だったと判明。
開発者の少年も亡くなっていたが意識不明の状態でゲームを完成させていたという。結局ゲーム内に残る少年の意識と対峙した小比類巻と最上が説得したところあっさり納得して少年は消え去り、ゲーム自体も停止させて解決。小比類巻はゲームに残る妻の幻影に会わずにゲームを去った。後にボディハッカージャパンから最上は少年の両親が少年としてログインさせていたことを知らされたのは少年が自主的に意識をゲーム内に残して生きていると考えた小比類巻への最上の優しさだったのか…。そして悪気が無かったという割には飛び降りを裏ワザにしたりとどこか闇を感じなくもないような…。
妻の件が掘り下げられて葛藤が見えた回となったが、そんなに小比類巻が壊れていく事は無く、現実を見つめようともしている感じに。今回は犯人が実際いないようなもので悪意も無かったとはいえ、数字を見ただけで現実とVRの区別がつかなくなって飛び降りてしまうっていうのは依存度が凄すぎるなぁ…。
5話
かつての研究パートナー速水(栗山千明)から呼び出されて待ち合わせしていた最上だったが速水は来なかった。その速水は道中で突如倒れ老婆の状態で発見されていた。苦しんで倒れた途端に急速に老いてそのまま死んでしまったという。3年前に最上が闇を見て科学から離れたという研究がついに語られる事となり、速水と共同で研究していたそのウイルスは老化を止める作用が確認され不老不死へつながる可能性のある研究だった。
しかし感染させた猿が老化が止まった代わりに莫大なエネルギーを欲して仲間を共食いし始めた。その凄惨な猿の共食いを目の当たりにした最上はショックで研究を止めて科学から離れたという…。
これまで散々ビチャっと血液が飛び散るような凄惨な光景のイメージシーンが最上の過去として示されていただけに、実験で人が死ぬか狂うレベルの失敗があったのかと思いきや猿の共食いだったというのは…拍子抜けしてしまった。深い闇を思わせておいて猿の共食いはマイルドすぎるのではないか。いや猿の共食いも地獄絵図ではあるんだろうけどさ…そういうレベルじゃない匂わせだったじゃんか…。
その後ひったくり犯が同様に死ぬ事件が発生。ひったくり犯は自宅で1本ダメにして感染していた事が判明し、ひったくり犯が死ぬ前に少年の前で無事な方の瓶を使って手品をしていた時に少年のカバンのポケットに瓶を入れたままにしていたので瓶確保のために長谷部ら刑事勢が奮戦。
今回の事件は密かに研究を続けていた速水が停電によりウイルスがダメになるので持ち出そうとした際に焦って何本か割ってしまい自らが感染、その状態でひったくりにあっていたという事が判明。速水の目的はウイルスの弱点である共食いを解消する事で変異に成功させたと喜んでいたがその変異によってウイルスの主作用が急速な老化を招くという本末転倒な実験大失敗であったことが判明してしまう。小比類巻によれば外部からのエネルギーは必要としなくなったが、その代わりに感染者自身のエネルギーを使い果たしてしまうとかなんとか。
最後には速水が最上を研究職に復帰させたくてウイルスの弱点を克服しようと単独で研究を続けていた事も判明したが…先輩とされていた速水は少なくとも最上の頭脳には到底及ばないどころかやらかし系の研究者だったとしか…。しかし最上が辞める前に資料ごと完全破棄したはずのウイルスをどうやって再生させたのだろうか。
また小比類巻は今回の事件が偶然にしては出来過ぎていると懸念を示していたようにウイルスは全部無くなった事にはなっていたが案の定何者かが残ったウイルスを確保保存している事が示唆されておしまい。
導入部はなかなかスリリングだったけど最上の挫折理由が猿の共食いというのは現在の地上波の限界なのだろうか。
6話
長谷部が金縛りに遭う中で科学犯罪対策室でTV出演する事に。“土竜の間の幸子さん”という廃ホテルの幽霊話の心霊研究家の諏訪(ダイアモンド☆ユカイ)と対決する事になり、最上が幽霊なんていないと主張していないことを証明できなければ解散すると言ってしまったために面倒なことに。
現場では長谷部がスタッフの女の子(秋谷百音)に話しかけて仲良くなっていたが、最上は不審に思う。番組の実験で土竜の間で待機していた長谷部はパニックになって気絶してしまうが、小比類巻は低周波音だと気付き、幽霊に見えていた影の正体も解明。諏訪はあっさり打ちのめされて幽霊なんていなかった事があっさり証明されてしまった。
直後に廃業したホテルオーナーの母がやってきて、幸子は13年前の客である日突然姿を消したと説明。その時点でホテルは20周年だったが、廃業になったのは幽霊のせいではなく近くにもっといいホテルが出来て客を劣られた経営不振からだった。その話…最初にしてくれよ…。
低周波の発生源は不明だったためそれを探る中で、スタッフの女の子の導き(ただし長谷部以外は長谷部が気づいたと思っている)でボイラー室の空洞スペースを知った一行はスタッフや諏訪もそこへ向かうが老朽化していて転落して脱出不能になってしまう。そこに落ちていたのは後頭部を強打した形跡のある白骨死体で、この死体こそが幸子さんが事故死したまま気づかれずに13年放置されていた姿だと推測された。硫化水素の濃度が上がって死の危機が迫る中で、スタッフの女の子が助けに来てくれて全員脱出。長谷部はスタッフの女の子が助けてくれたと主張していたがみんなは長谷部のファインプレーだと思っていて…。
諏訪はかつて行方不明になった妹がある日夢に出てきて直後に死体が見つかった経験から幽霊というかそのような何かある事を信じて心霊研究家をしていたと小比類巻に語ったがなんだか良く分からないままに出番終了。また番組は何故かお蔵入りしてしまい、白骨死体の正体も現場で本物の幸子さんだろうと推測したにも関わらずまだ身元不明のままになっている事が島崎(板尾創路)から語られるのみ。
さらに長谷部が誰かと話しているような様子で独り言を言っているのを不審に思っていたのは最上だけで、小比類巻はスタッフの女の子に助けられたと長谷部が言っていたのは聞いていたがさほど気にしていない始末。長谷部本人も良く分かってないまま終了。番組スタッフの元に届いたスタッフ写真に写りこんでいた幸子さんの写真が送られてきてその幸子さんがまさに長谷部が話していたスタッフの女の子だった事が視聴者にだけ判明、さらにお蔵入りしたので放置された編集素材では長谷部がスタッフの女の子だと思い込んで幸子さん(亡霊)と会話していたシーンが記録されていたが長谷部が1人で喋っているだけで誰も映っていなかった…。
と、序盤から明らかに長谷部にしか見えていないし会話もできない幸子さんの亡霊だったが、自分(の死体)を見つけてほしくてこの機会に出現して長谷部をアシストして導き、発見してもらった後は退路を教えてくれていた事が視聴者にだけ示されるというオカルトめいた展開に…。死んだ妻の姿を見かけた気がしたため幽霊の存在に希望を見出す小比類巻でも長谷部の不可解な言動を全く不審に思ってないし、最上は長谷部が1人で喋っているのを何度も不審に思いながらもそれだけだし、長谷部は最後までスタッフの女の子だと信じたままだし、登場人物は誰も気づかないで終わるというのも異色だったなぁ…。
7話
国会議員の来栖(ジョーナカムラ)が顔の穴全てがふさがったのっぺらぼうと化して窒息死する変死事件が発生。元妻の君塚(板谷由夏)がナノマシン研究者で死亡直前に来栖と揉めていた上にコーヒーに何かを入れている様子が防犯映像に残っていたためナノマシンによる犯行は早期に明確となったがナノマシンが見つからない事にはしらばっくれる気満々の君塚。
やがて動機が7歳で死んだ娘を小比類巻と同じところで冷凍保存していた事が判明。来栖はこれに反対していて傭兵を雇って娘の死体を盗み出そうとしていた。犯行は阻止されたがこの騒動で会員サービスのいつでも冷凍保存のリアルタイム映像を見れるサーバーがダウンしており、小比類巻が亜美のリアルタイム映像を見れずにやきもきしていた事と繋がった。冷凍保存に反対ではないという意見を表明した事で君塚との会食に同行できた小比類巻は不老不死の研究をしている榊原(加藤雅也)とも対面する。
来栖が離婚後にペースメーカーを仕込んでいた事からナノマシンは排出されずにペースメーカーに吸い寄せられたという説を最上が提唱。実はハッタリだったがこれで君塚を追い詰める事に。押しが弱いと判断した小比類巻は妻を冷凍保存している事を明かし(最上と三枝は知っていたので長谷部だけ初めて知った)、動機への同情を寄せると母親としての君塚は許せることでは無かったと想いを吐露して自供するのだった。
ナノマシンの研究はカール・カーンの元へ、そして榊原は謎の人物(平山祐介)に何かを依頼…と最終回(というかHulu商法シーズン2)に向けて色々怪しい動きが…。地上波本編でどこまで進むだろうか。
8話
死んだ亜美そっくりの女性(本仮屋ユイカ)の遺体が発見される。女性の身元は黛美羽と分かったが長谷部の調査により亜美と双子だった事が判明。亜美の聡子(石野真子)は小比類巻の質問に何も知らないと答えたが…。実は榊原(加藤雅也)の父親は1990年に遺伝子操作で幻のエルマー遺伝子を持った子供を生み出そうとして大問題になった過去があった。その実験で生まれた「悪魔の子」の双子が亜美と今回亡くなった黛美羽だった。榊原はエルマー遺伝子を持つ「悪魔の双子」の片方である黛美羽が接触してきたのをいいことに美羽を実験台にしてプロメテウス・ウイルスの実験を進めようと暗躍していたが、失敗して死なせてしまっていた。もう1人を求めて動き出して聡子に接触してきた。
聡子は小比類巻にも隠そうとしたくらいなので徹底して亜美どころか孫の存在すら匂わせないように警戒してしらばっくれつつ「娘はもう死んでいる」とだけ明かして情報を漏らさないようにしていたが、そこに犯人が榊原だと分かった小比類巻が連絡。これも即座に同僚からの電話だとすり替えて平然と会話を進行させる聡子、小比類巻もそれに気づいて警察を向かわせる。素人なのに「悪魔の子」事件の修羅場を潜り抜け、秘密を守り続けてきただけあって聡子の平然とした立ち回りが凄い。普通聡子が孫の存在までペラペラ明かしてしまって致命的っていう場面なのに言動にミスがない。
結局榊原が無理やりスマホを奪って写真から星来の存在を知る。長谷部によって部下が1人が捕まったが自身は逃げおおせた西城(平山祐介)が迅速に動いて別の若い女性の部下を使って星来を誘拐。ギリギリで駆けつけて目の前で誘拐されてしまった小比類巻は怒りに燃えて次回へ続く。
一気に榊原黒幕で展開。初期から怪しかったボディハッカージャパンのカール・カーンが一瞬で蚊帳の外になってしまったが地上波は榊原黒幕で決着して、Huluの2期で出番が残されているのかな…。
9話
星来が誘拐され、警察が動く中で小比類巻は単独行動。西城と内通している警察官がいるという事で長谷部が西城を追い詰めた際に「逃がしました!」と梶原(佐々木一平)だと一瞬で目星をつけて確保。小比類巻も暴走して警察から追われるようになる中で梶原が接触していた西城の手下の鶴本(青木健)を襲撃、西城をおびき出してアジトまで案内する事に成功するなど小比類巻のバイオレンス&有能っぷり全開。梶原が内通者だと一瞬で見抜いた長谷部も地味に凄い。
最上はプロメテウス・ウイルスを無効化する方法を探していたが、榊原一派に拉致されてしまう。無効化する方法に目星をつけていた最上にこの場で開発しないと星来が死ぬと脅して、星来がプロメテウス・ウイルスに感染させられてしまい強制開発させようとする榊原。
アジトに駆け付けた小比類巻だったがここは中継地点みたいな場所で最上が改めて榊原の元へ連行されていくのを追いかけようとするが西城が復活して急襲してきたので激しい格闘戦に。前回長谷部から逃げた時も異様な怪力を見せていた西城だったがここでも異様な怪力で小比類巻を投げ飛ばしたり、小比類巻の咄嗟の反撃で脇の下をざっくり深く刺されて致命傷を負ったはずが平然と抜き去って格闘を継続したりと明らかにな ん か や っ て い る かのような勢い。一応何度も殴りつけてようやく動かなくなったが…何なんだこいつ…。
さすがにチート西城との格闘で疲弊した小比類巻は一時気絶。最上が運ばれて行ってしまうが直後には復帰して駆け付けた長谷部に連絡していたのでこっちはこっちで鉄人…。
というわけで最終決戦へ続く。バイオレンス&アクションで科学ほとんど関係なかったな…。
10話
翌朝になって小比類巻がボディハッカージャパンの研究所からナノマシンを盗んで引き渡そうとする部下たちを尾行。すると榊原の元へ船で出向こうとする西城と部下がいた。いやしれっと前夜に小比類巻に連続殴打されて目を開いたまま動かなくなっていた西城がピンピンして復活してて最早ホラーなんですけど!ゾンビ西城の説明が皆無のまま小比類巻はこっそり船に乗り込んでそのまま榊原のアジトへ突入。前回最上がここに連れてこられた時は外の様子は映っていなかったが思った以上に思いっきり大自然&孤島&洞窟抜けて研究所とかいうザッツ映画やドラマのアジトみたいなところだった。
星来が死なないように最上に処置させ、プロメテウス・ウイルスを新型に進化させた榊原は西城らを使ってボディハッカージャパン主催のパーティーの場でウイルスをばらまき、そのまま世界中に浸透させて耐性のある人間だけが生き残る最後の審判テロを企んでいた。潜入した小比類巻は研究員の白衣を奪い、影山(鷲見玲奈)に見つかるも欺く事に成功。星来誘拐から登場して参加していたので小比類巻に会った事無かったとはいえ、気づかない影山のマヌケっぷりが…。そしてラスボス感漂っていたのに真っ先にターゲットとして利用されてしまうカール・カーン氏…。
長谷部ら現場の刑事勢らの活躍でウイルス発生装置の停止には成功。しかし結局西城ら実行チームは仕掛けた後に悠々と逃げていって出番終了。チート西城がゾンビな理由は全く明かされないまま終わってしまった。
一方で島では小比類巻が最上と合流、揃って榊原の真の動機演説を聞いていた。人類を進化させるためにあえてインフルエンザ級の感染力に進化させた新型プロメテウス・ウイルスをばらまき生き残った人類が新たな人類として不老不死となり進化するのだとかなんとか。平等でなければならないとか言ってテロの成功可否も確認しないどころか実行時間より遥か前に自分でウイルスを打った榊原はやはり私は選ばれなかったか…と吐血のち死亡が確認された。榊原がゲホゲホ吐血し始めてから慌てて揃って袖で口をふさぐという気休めザル防御をしていた小比類巻と最上はそれでも無事、星来も生還。
パーティーの場でのウイルスばらまき装置は上映していた榊原の演説が終了してスクリーンを上げたら作動するように仕掛けられていた。それに気づいた長谷部が上げようとしていたスクリーンを止めろと言ったのでギリで防げたが、現場が騒然となり、客が全員逃げていき、長谷部ら刑事勢がウイルスを発見してドタバタしている中でも榊原の演説上映は延々続いており、さらに正式に解体班が入って処理していて、カール・カーン氏が人類は進化し損ねたのかもしれないねなどと余裕ぶってそれを見つめている間もまだ延々上映していた。この時点ではクライマックスなのかスクリーンが半分上がってて顔半分の榊原がフハハハハ!フハハハハ!とか高笑いしているシーンだけになってたけどいや榊原さんよあんたどれだけ長時間上映する気だったんだよコレ…。
最後の最後で謎に高等な長時間上映ギャグが炸裂しまくってしまったが、ウイルスは確保され、研究員は逮捕、しかしチート西城一行は触れられず、星来が検査の結果エルマー遺伝子が消失して普通になっていたことが確認されたというナレーションの後は星来の誕生パーティーの様子を延々時間が余ってしまったかのように放送したまま終了。
全部終わっての感想
相変わらずディーン氏のカッコよさを前面に出しつつも普通に面白かった。1話ではユースケの出番が無さすぎてどうかと思ったけど2話以降はちゃんと活躍してたし、岸井ゆきのも不思議な存在感があった。てっきりもう少し大きな謎を残して繋ぐのかと思ったら、残った謎がそもそも再登場するのかも分からないチート西城の異様な怪力&不死身の謎という…。そこは謎として引きにするならちゃんとしてほしかったがHuluでチート西城の謎は明かされるのだろうか。でも公式あらすじだと「ウイルスの漏洩は防がれ、西城や榊原の部下たちは全員逮捕された」になってるんだよな…。
Hulu限定 Season2 全6話
最終回当日から毎週全6話配信。対策室メンバーに奥田(吉本実憂)が加わり、特技が武術。これに伴い戦闘力的に頼りなかった状況での頼れるアクション担当となった。
1話完結ではなく、暗躍する「ライデングループ」をラスボスに主に前半3話、後半3話で1つずつ事件を追う形。ゲノム編集による限界を越えた暴走、クローン技術による陰謀が描かれた。地上波より過激とはいえ、昔はこのくらい普通に放送していたようには思うが、割とバイオレンス&容赦ない暴力描写も多かったが、結局1番残酷な部分(殺害シーンと殺害後)はほぼ見せない構成で割とそこまで活躍した登場人物のラストシーンは最期の音と共に画面外に消えたまま、死んだことが示唆されるみたいな感じで規制をかけていてそんなに怖くはなかった。某孫の初代ドラマなら嬉々としてデン!デン!デン!と効果音連発しながら死体のカットを見せまくってくるだろうに時代がすっかり変わったな。
気になったのは前半3話の事件で暴走者の暴走するきっかけについての考察。視聴者には最初から(1話ド頭の事件発生シーンから)暴走直前に“強いストレスを感じて水をがぶ飲みしている”が示されていたが、小比類巻たちがいつまで経っても暴走の原因は何なんだ…?とか言ってて一向に気づかない。結局クライマックスまで理由が分からないまま、視聴者はストレスと水だろ?ととっくに予測がついている中で、対象者にストレスを与え続けるのを黙って見ている一行。最上がストレスが原因だと理由の1つにようやく気付いたのでストレス与えまくっているこの状況やばくね?というのは小比類巻たちも気づいたが、それ以外のきっかけに考えが及ばない。犯人側は気づかずについにはトリガーである水を対象者にぶっかけ始めた。しかも口元に。
ここまでやれば普通のドラマなら暴走直前で「もう1つの原因…まさか…ハッ!そうか!水だ!」とか台詞が入るものだが、入らないままあえなく暴走。暴走後に手遅れで気づくパターンね…と思ったらなんと対象者が暴走し始めると今度はそれどころじゃなくなってしまい、一切の言及がないままに派手なアクションシーン続きに。結局最後の最後まで小比類巻たちが”強いストレス+水”がトリガーになっているんだと気付く場面は無いまま終了。あんだけ“強いストレス+水”を何度も見せられたのに主人公たちがそれに気づく描写がないままなのは凄いモヤモヤ…。
総じて面白かったし、奥田の加入でアクション&長谷部とのノリツッコミも入るようになって最初からいればよかったのにというくらいには馴染んでいた。ただここまで無風でコケてしまうとはHulu商法も難しい。巨悪は残したまま、さらに意味深な描写も含めて終わってしまったが、決定的に続編を意識したものでもなく、あのゾンビのドラマみたいにダラダラ続く事はなさそうかな…。
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