雪女と蟹を食う 全12話

2022年夏クール、テレビ東京『ドラマ24』枠(金曜深夜0時12分~0時52分)。

原作はGino0808による漫画で2019~2021年まで全8巻。当初『週刊ヤングマガジン』で連載していたが途中からWebアプリ『コミックDAYS』へ移動した。今作の放送に合わせて続編『雪女と蟹を食う 沖縄編』が短期連載開始している。

1話

冤罪で逮捕され、婚約者にも家族にも逃げられて全てを失った元サラリーマンの男(重岡大毅(ジャニーズWEST))は自殺を図るが死にきれず、グルメ番組で北海道の蟹特集を見て蟹を食べた事が無い事に気づき、北海道まで行って蟹を食ってから死ぬと決意。図書館で情報検索していた男は偶然ぶつかった人妻(入山法子)を尾行して金をふんだくろうと家に入る寸前の人妻に声をかけて押し入る。

人妻はさほど動じずに500万用意できると告げるが、何故か寝室に男を通すと服を脱ぎだして下着姿に。欲望のままにラブシーンが始まり、事後改めて北海道まで行って蟹を食ってから死ぬという決意を聞いた人妻は北海道まで同行すると提案。人妻の夫の車を使って北海道までの旅が始まった。偽名で構わないというので男は北海道から取った北(きた)を名乗り、人妻は本名の雪枝彩女を名乗る。

栃木までたどりついた2人は佐野ラーメンをおいしく召し上がってホテルイン。40分枠でまさかの2度目のラブシーンが始まるも北が眠った後に雪枝彩女がノートに『雪女と蟹を食う』とタイトルを意味深に書いて次回へ続く。

テレ東ドラマの飯&ロードームービー系かと思って見始めたら飯&ロードームービーに濃厚ラブシーン付だった。北が背負っているのは痴漢冤罪事件だった事は明かされたが、彩女は強盗相手にベッドインして旅のスポンサーとなって同行するというぶっ飛び謎女っぷり。

明朗快活な好青年キャラだった重岡大毅がこういう重さを背負った上にラブシーン連発なアダルトな役をやるようになったんだなぁ…と思ったけど『ごめんね青春!』の時で既に22歳であれから8年、放送中にOVER 30’s WORLD。若手・後輩キャラ脱却への一歩か。ジャニーズ上がつっかえてて若手イメージの人たちもあっという間にOVER 30’s WORLDの法則通りだな…。入山法子は同い年(85年生まれ)でキャリアもあるが若い頃に見た事が無いなぁと思ったけどいくつか見ていたドラマの1話ゲストとかで出ていた模様。独特な作風だけに果たして最後までついていけるか…。

2話

栃木の佐野から出発した2人だったが北が日航の修学旅行に行けなかったと言った事から日光へ寄り道。寄り道も楽しもうとガイドブックを買って楽しそうな様子を見せつつも全体には暗く淡々と進行。北の絶望的なモノローグは暗い一方だし、やることも観光と買い物とエロ以外にあまりないのでなんと翌日の目的地である福島の会津若松にあっさり移動。翌日山形の銀山温泉に向かう際には彩女が高熱で体調を崩してしまい次回へ続く。

2人の誕生日が偶然同じ8月8日である事と、日光への宿泊が8月7日、会津若松が当日の8月8日、よって物語の開始も8月6日だった事が判明した。

日光と会津若松を1回で済ませてしまうとは…。

3話

銀山温泉に向かうも彩女が体調を崩したままで全く観光模様も無いまま終了。北が痴漢冤罪で家族にも恋人にも信じてもらえずに地獄を味わった回想も描かれたが、同時に彩女を心配する中で本来の優しさや生きる事への希望も垣間見えてきているような…。翌日には回復して一気に青森でフェリー乗り場まで到着。北海道のガイドブックを買うために立ち寄った本屋で北は雪枝一騎の小説を見かける。彩女の夫が小説家だというのを聞いていたのでこんな人気有名作家が夫だったのかと驚くと同時にここに来てようやくついてきた理由に気づく。一緒に死ぬつもりなのか?と。平然とそうだと答える彩女。北の死への思いが薄れている一方でこの事を知ってどう変わっていくか…。

さすがに車移動+少々の食事や宿泊シーン程度で観光模様も無いとなると暗いモノローグばかり。

4話

今回は丸々函館行きフェリーの中。勢いで始まった旅だっただけに彩女も死ぬつもりであったことなど北が改めて始まりを整理して相手を知ろうとしつつ相手を死なせたくないと思うようになっていて心情の変化が見えてきた。また夫で作家の雪枝一騎(勝村政信)もきちんとした形(実は1話のTVの中に…)では初登場し、元々は高校教師で彩女が生徒だった回想も出てきた。頑張ればやってやれないがさすがに高校時代をそのまま演じるのは無理があったためか高校時代の彩女は若い役者(坂口風詩)を起用。ラストでは現在の一騎も登場、表面的には彩女と普通に通話していたが側には愛人がいた。そして本屋で実話を基にしているというヒット小説は浮気した夫が妻に殺される話で…。

旅が無くて内面小出しだとさすがにいつも以上に暗い。

5話

ついに北海道に到着。ほぼ最初に訪れた市場は北がTVで見た中継のところで北海道に行こうと思い立ったきっかけでもあった。それを知らせると彩女の様子がおかしくなり…。実は彩女もその中継番組を見ていた事を明かすが、視聴者にだけその中継のリポーターの背後に一騎と不倫相手が食事しに来ているのが映り込んでいるのに彩女が気づいていた事が判明。

市場のシーンでGLAYのTERUが買い物客として一瞬出演。この後の北が運転する札幌までのドライブシーンでうっすら「BELOVED」がBGMになっていたのはそのせいか。

札幌でも引き続き彩女の様子がおかしいのを気にした北は鍵付き日記帳を一騎の誕生日をPASSにしていると見抜いて開け、中身を見る。「雪女と蟹を食う」と題された北と出会って以降の様子が日記のように綴られた小説風の内容に驚愕して夢中になっていた北は彩女に盗み見がバレてしまう。もっと彩女を知りたいという北に彩女は出会った時は同じ目や感性をしていると感じたが今は違う、死ぬ覚悟が無くなっていると告げる。そういうことじゃないと憤りを感じた北はそのまま外に出て闇雲に歩いた結果迷子になりホテルの場所も分からなくなってしまう。ルームキー(カード)にはホテル名が書いてなくて、チェックインやホテル決めも彩女に任せていたのでマジで分からない。彷徨って警察に職質食らって冤罪逮捕のトラウマから逃走した北はボロボロの状態でコンビニ前で一夜を明かして座り込んでいるところをホステスのマリア(久保田紗友)に助けられる。

マリアはかつて札幌に出て行き倒れていた時に神父に助けられいつか同じように困った人を助けてあげなさいと言われていて今がその時だと思ったという。食事をごちそうになりルームキーからホテルを見つけてくれたマリアに感謝して何も無いのでせめてものお礼として帽子を渡して別れた2人だったが…北が到着するのとほぼ入れ違いで一晩そのまま戻ってこない北を放置して彩女は1人で旅立っていってしまった。完全に離れ離れになってしまった2人で次回へ続く…。

マリアは同僚の涼香(橋本萌花)、美弥妃(ほのかりん)と登場したが…20代の若い子をドカドカ出してくるとやはり彩女さんかなり老けて見えるというか…率直に絶妙なおばさん感が…。

6話

置いていかれてしまった北は自暴自棄に…。元々所持金ゼロで彩女の資金で旅をしていたためマリアにおごってもらって満たされた腹もすぐに空腹になってしまい詰みモード。そのまま蟹料理屋で1番高い蟹を注文して店員を不審がらせるが、彩女と食べる約束だったので1人で食べても虚しいだけだと一口も食わず、食い逃げならぬ食わぬ逃げ(料理を提供させるだけ)をしようとして店主に捕まってしまう。殺してくれ…と自暴自棄なモードだったおかげで警察に突き出されず死にたいなら勝手に死ねと裏から外へ追い出されるだけで済んだ。

彩女は教会を訪れていたがそこでマリアと遭遇して言葉を交わす。マリアが語るさっき助けたありがとうが言える奴が北だとは気づかぬままに別れた2人だったが彩女側の心情はほとんど描かれず。代わりに一騎と突き始めた経緯の回想が描かれ、教師時代の一騎の小説が賞を取ったのと同じ賞に応募していた彩女が声をかけ、文学的に共鳴するものがあってあくまで教師として接していて太宰治の本を貸して感想を問うたところ、彩女が文学的に告白してきたのでそのまま秘密を守れるか?と付き合い始めたらしい。非モテ系おじさん教師(一騎)としては向こうから押して来たのですっかりその気になったみたいな流れだな…。

付近をふらついていた北は倒れる寸前でマリアに発見され、そのままマリアのお店に連れていかれ、店長や同僚とアイツは止めておけと制止される中で、放っておけないとして自宅に連れていくと宣言。衣食、そしてしばらくの住を得た北だが考えるのは彩女の事ばかり…とすっかり彩女に夢中なままマリアが大変だと同僚からヘルプの電話がかかってきて次回へ続く。

北のダメっぷりがこれでもかと…。放っておけないマリアの献身がマジマリア。あっさり北を置いていって自分の次の目的(編集者を呼び出した?)で行動している彩女はまあ…でも回想の感じ、昔からこういう感じなのか。

7話

呼びだされて行ってみるとマリアが酔いつぶれてしまい連れて帰ってくれと言われた北。この際に回想でマリアが過去に妊娠したが相手の男(指輪していたので不倫?)に金を渡され中絶を促された事を示唆する内容と放心していたところ神父に救いの手を差し伸べてもらった事などが明かされた…が北に話したわけでは無いので視聴者に見せただけか。

店のボーイとしてヘルプで入ってくれと言う依頼を断りプー太郎宣言をする不義理を示した上に死をほのめかす北にはマリアも怒るが、どこか放っておけないのか結局優しくしてしまう。そんな中、教会では彩女と雪枝の担当編集である巡(淵上泰史)が落ちあっていた。その場に遭遇したマリアは待っている人と言うのがこの男性の事だと判断したが…(相手が北だと知るのは持ち越し)。巡は雪枝の不倫旅行の予定を彩女に教え、小説のように雪枝を殺すつもりなのかと問いつつ、そんな彩女に興味を示す。

マリアは客の妻に襲撃されてしまうが、スマホを家に置き忘れて届けに向かっていた北が客からの不穏なLINEに気づいて飛び込んできたために凶行を阻止。阻止といっても相手の凶器はカッターナイフで北が駆け付ける前の初撃でマリアの手の甲が切られ、駆け付けた北の抑え込みで抑えきれずに二撃目で北が腕を長めに切られ、結局そのまま三撃目でマリアに正面特攻されてしまった…が、マリアが持っていたバッグで止まったので刺されずに済んだ、相手はそのまま逃走という顛末。カッターだったのでこの程度で済んだが、凶器が包丁やナイフだったらけっこう大惨事だったろこれ…。マリアと北の切り傷は血が止まらないレベルになってただろうし、最後の特効もバッグで防げなかっただろうし。仲間や店長は怖くて動けなかったので北が英雄扱いされ、マリアもさらに北に惚れ直し、その夜ついに2人は結ばれ…。そして同じ頃に彩女と巡もホテルのベッドで向き合っていた。

知的な感じで喋る巡だったが立場と目的が明示されずになるべく分かりやすく提示したからその雰囲気で察してくれ的な描写でちょっと分かりにくい流れ。マリアの過去もマリアが話したわけではないのでやはり指輪とか金の入った封筒とか分かりやすく示したから察してくれ的な描写。

いずれにせよマリアが北を本格的に気に入っていくという流れはこの後を思うとちょっと寂しいところ。今回の流れだとマリアの方が魅力的に描かれているだけにどうもなぁ…。そして最初は真っ白な服装だった彩女は今回は真っ黒な衣装に変わりだいぶダーク感が…。

8話

彩女の心の読めなさに巡は押し倒すことが出来ずに断念。一方で北と結ばれたマリアは幸せをかみしめていたが再度教会で出会った彩女が待っていたという「北」さんと「コタロー」が似ている…というかこれ同一人物だと気付き動揺。分かっているのかいないのか彩女は太宰治の「斜陽」をマリアに渡して去っていった。

北はマリアの店の同僚たちにマリアを幸せにしてあげろよという焼肉パーティーに呼ばれていたが、泣かせたら許さないと言われたそばから…。マリアに開店前の特別接待として呼び出された北は、北が去っていくと察していながらそれでもここに残ってほしいと訴えるマリアに残れないと告げる。北は痴漢冤罪で犯罪者となり自殺を決意するが死にきれずにある人を襲い、その人と北海道に来て死のうとしていることなどほぼ全てを正直に話した。襲ったはずの彩女と一緒に旅する事になった謎過ぎる経緯はさすがに端折っていたが…。北は彩女に自殺を決意させた責任は自分にあるので彩女にもう1度会わないといけないという。マリアも子供を堕胎した過去を明かし、互いが抱えているものを明かし合った後、マリアが懸念していた彩女と再会して一緒に死ぬつもりなのか?という問いに北はついに明確に「俺は死なない。」と宣言。彩女の自殺を止める事を目的として語り、そう思わせてくれたマリアに感謝を告げる。マリアは「斜陽」を渡して教会で彩女が待っていたと告げ、北はマリアの元を去って教会へ駆けつけるが既に彩女はいなくて…。

という事で最後も去っていく北を見届けて泣き崩れてしまうところで出番終了になってしまうなどマリアには苦しい回となったが、それでも北が初めて他人に痴漢冤罪からの過去を話すほどに心を開いた事、既に死ぬ気が無くなってきていてそれが原因で彩女と離れる事になったとはいえそれでもまだ自殺願望寄りで自暴自棄だったのが明確に死なないと宣言できるほどになってそれはマリアのおかげだと最大限の感謝を示してもらっただけ救いはあったか。北が未来を考えたいというメモ書きを見た時に想像したマリアと子供との幸せな日常も、あの北がそんな想像をふとしてしまうくらい心地いい存在だったわけだし。主人公より魅力的なサブキャラが出てきてしまって既定の強制退場となると辛いものがあるが、重要な人物だった。

9話

教会に駆け付けた北だったが彩女はいなかった…と思って叫んだら後ろからやってきて2人は再会。死ぬ覚悟はできたか?と聞かれ堂々出来たと答える北で2人の旅も再開され小樽へ。北はこれまでとは違う感覚で彩女の死を止めるにはどうすればいいかを考えるようになる。…がやっている事は今までと変わらず、彩女の金で観光して夜はホテルで…。

巡から雪枝が稚内入りするという連絡が入ったが、巡は雪枝の元にいて、小説の結末通りに彩女が雪枝を殺しに来るのではないかという懸念を雪枝に語る。雪枝の口から彩女との出会いから過去が初めて語られ、以前回想で出てきた教師時代の雪枝が彩女に小説の才能を褒められさらに一直線な求愛に応えて隠れて付き合うようになった後、雪枝は教師を辞めて上京して小説1本で生きていくと決意。別れようとしていたが彩女はそのままついてくると言い、上京と同時に入籍。しかし小説は売れずに無職まっしぐらで貯金も底をついてしまう。高校時代上京するまでの彩女は坂口風詩が演じていたが東京以降は回想でも彩女は入山法子にチェンジ。小説を辞めて働くという雪枝に小説を書き続けるよう迫り、資金は何とかすると言った彩女は1ヶ月姿を消し、戻ってきた時は1年は困らないという大金をどこかで調達してきていた。驚愕する雪枝に彩女は日記を渡し、この1ヶ月何をしていたかが書いてあるからこれを基にして小説を書くように言う。1ヶ月で何をして稼いだかは明かされなかった(日記に書いたというので小説にも反映されていると思われるが作中でそこまでは明かされていない)。

その小説が大ヒットして人気小説家となり未だに代表作と呼ばれるほどの評価を得られたものの、彩女は喜ばず、もっと高みを目指せると冷たく言い放つのみ。冷たい雪女になってしまったと悟った雪枝はわざと不倫に走るようになるが、彩女は気づいていても何も言わない。ますます苦しくなり…という事らしく、結果的に小説をなぞるような形になっていた。この事から殺しに来る説もありえなくない、もう傑作は書けずにスランプだからいっそ辞めてしまえば殺す価値も無くなるかもしれないとも言っていたが…。結局回想での雪枝は終始押されっぱなしな上に、それでもまだ坂口風詩の時はそこまででもなかったが入山法子になってからは彩女の行動言動に驚愕と脅えのような表情ばかりで軽くホラー。それでも彩女に対する思いは残っているだけに苦悩しているようだが…。見た感じとっくに恐怖の対象になっているのかと思ったけど情もあったんだな。

一方の彩女は次の目的地を最終地稚内にすると宣言。少しでも引き延ばしたい北は反対するが彩女は最後の地なのでそこでゆっくりしたいと言うので稚内行きが決定。彩女の死を止められるのか思案する北で次回へ続く。

ようやく雪枝サイドの心情と残りの回想も描かれたが、思ったより彩女が昔からホラーだった。思い込みが激しすぎるのを放置するとこんなに壊れて仕上がるのか…という壊れっぷり。北がマリアのおかげで自殺を止めるという目的を明確にして行動するようになったのは大きな変化だけどヤッている事は何も変わらんのはな…。

10話

ついに最終地稚内へ到着。ホテルでのウェディングドレスの着付けやドレスに見とれている彩女だったが、雪枝との結婚当時に式を挙げていないので来たことが無かった。察した北は残り1時間の営業時間で予約制なのに店員に今すぐ少しでも着せてくれと懇願。ついにはこの人もう死ぬんです!と泣き落としにかかり、もう1人の従業員が快諾。着付けの最中に彩女があれは嘘だった事を謝罪していたが、従業員も分かっていて咄嗟でもそんな嘘をつく情熱っぷりを評価。

いざ着替えた彩女は今まで見せた事の無い照れた感じの笑顔を見せさすがに嬉しさを隠しきれず、北も感涙気味。どこか不思議な様子の2人を見つめていた最初に対応した従業員は普通にニコニコ見守っていたが、快諾して着付けを担当した方の従業員は彩女や北の様子から、北の言うもうすぐ死ぬという言葉にどこか納得できてしまう何かを感じていた。鋭い…。

今回はやや彩女の単独シーンが挟まれ、北との出会いからを彩女が回想していたりもしたものの内面は明かされず。何か思うところが芽生えつつあるのは確かなようで、ラストで北に生きててよかった事を実感した事は無いのか?と問われた際はいつものように聞いても意味がないと逃げようとしつつもやはりどこか意味深な間が生じるようになっていてマリアと出会う前の一刀両断のように切り捨てた時とは少し様子が違ってきているような…。今回は自分に少しは本心を話してくれてもいいじゃないかという北に対して意味がないと言いつつも北の事は好きだとは言ったし。しかし振り切るように彩女は明日カニを食べて一緒に死のうと宣言

次回予告に続いて今後の予告映像が長めに流れて最終回までをダイジェスト予告。急に尺調整?ややダラダラ続いた感もあるストーリーが最終回に向けてドラマチックに動くので先見せして興味を煽ろうとしているのか分からないが、そもそも全何話なんだ。

11話

ついにカニを食べて死ぬ日が明日に決定。生まれ変わったら何になりたいか?という問いにさらっと電車の無いところに住みたいと回答する北の地味な傷の深さが…。彩女の反応が微妙だったけどマリアにしか直接詳細話してないんだったっけ。自殺を止める方法を必死に考える北は自身が首を吊ろうとした時に何を求めていたか思い出そうとするが全く思い出せない。思い出せないほど自身の思考が生きる方向を向いている事、とっくに救われていた事に改めて気づいた北だったが無策のまま当日へ。

蟹を堪能し、その間は笑顔も見せあう2人だったが食べ終わると一転して海への入水自殺へ。舌を噛まないように24時間拘束くらいしか死なせない方法が浮かばない北は結局考えがまとまらないままに彩女に救われ恩をもらった、今度は自分が返すから生きようと泣き叫びながら説得(締めの言葉だけは落ち着いて綺麗に言い切った)。しかし彩女は恩を売ったつもりはないと冷たく言い放つと海へ向かいながら改めて目的を語り始めた。

書き進めていた『雪女と蟹を食う』と題されていた記録のような日記雪枝の新作小説のネタとして活用させるもので、彩女はまだ雪枝の才能を信じ、この最高のネタで日本一の小説家にまだなれる、自分にできる事はそれくらいしかなく、存在意義も無い(から死ぬ)という。止めようとする北だが彩女の決意は固く、結局彩女はどんどん海に入水していき…。自身の犯罪者という立場から言えずにいた思いを伝えようとする北に彩女は生まれ変わったら何になりたいか?の回答を告げる。北のようになりたい、と。泣き崩れる北の前で彩女は海に消えていく。動くなと言われて動けなかった北は我慢しきれずに飛び込むが…。

この土壇場でスマートに止める方法が浮かばずにメチャメチャカッコ悪いけど訴えるしかない北の迫力は真に迫っていて、これは無気力だった初期の北には無かった感情だったと思う。

彩女は北にやってほしい事があるとして、雪枝を明日ホテルに呼んでいるから『雪女と蟹を食う』の原案を渡してほしいと頼んでいた。という事は彩女は北が一緒に死ぬ事は無いとどこかでとっくに察していたのだろうか。2人で死んでしまった場合を考えるとホテルにおきっぱでも最終的には、行方不明で車だけ残されていた事と痕跡からどうも自殺したっぽい→宿泊先判明→遺品として雪枝の元に渡るみたいな経緯を辿りそうだけどえらく時間かかりそうだし、それよりはコインロッカーでも使って受け渡しできるように仕込んでおく方が早そう。

そして結局次回最終回。先週の最終回までのダイジェスト予告は単なる残り2話分の予告で今回流れた最終回予告もほぼ同じ内容だった。

12話

彩女が海に消えると同時に飛び込んだ北は彩女を引き上げて救助、そのまま彩女は身元不明意識不明の重体で病院送りとなった。彩女に雪枝に渡すように託されていた日記、以前途中まで盗み見したことはあったが最後まで読んだ北は号泣。そこには北への愛情が芽生えつつある様子やそれを見せずにあえて突き放すような態度でいた事や、北が途中から死ぬ気が無くなった事に気づいていた事やそれでいい、生きてほしいと願っている事、自分1人で死ぬ覚悟などが綴られていた。

翌日呼び出されていた雪枝が到着。北は彩女が飛び込んだ海岸まで連れ出すと彩女は死んだと告げる。大して驚かない雪枝に苛立ちを隠せない北だったが、雪枝は小説の結末のように自分が殺されると思っていたと告げる。そして彩女から日記(『雪女と蟹を食う』)を託されているはずだからそれをくれと懇願し始める。てっきりもっと激しいやり取りになるのかと思ったら土下座し始め、あの日記を元にした小説を書けば純文学作家として大衆小説とバカにされた評価もひっくり返して真の作家になれるんだなどとのたまう始末。北は何でも言う事を聞くなら離婚しろ!呪縛から解き放ってくれ!と言い放ち、この言葉から死んでいないことを確信する雪枝はそこでようやく安堵。彩女が持ち歩いていた包丁を砂浜に突き刺した北。視聴者にも小説の結末をなぞらえて雪枝を刺し殺すことを想定して持ち歩いているのかとミスリードさせていたこの包丁だが、日記によれば貧乏時代に雪枝が料理用にプレゼントしたもので唯一の思い出だと書いてあったという。北は日記も渡してその場を去っていった。

病院では身元不明意識不明の彩女に対して警察も来て看護師に話を聞いていた。そんなことは気にせずに病室に向かっていった北は全てが終わった事を告げ、旅の序盤の日光で買ったけど渡せなかった指輪を彩女の指にはめて号泣していたがそこで彩女が覚醒。慌てて騒いだので看護師と一緒に話をしていた警官もやってきて…。

なんか予告では事情聴取されていて名前を聞かれる北という1シーンが放送されていた記憶があるんだけど気のせい?次のカットでは雪枝がもう東京の自宅(?)に戻ってて庭で編集者が日記(『雪女と蟹を食う』)を見てこれは傑作になると太鼓判を押していて、雪枝も同じ見解だったが、しかし彩女の呪縛から生涯逃げられなくなることを意味する、私は自分の手で超える新作を書かなければならないとしてこの日記がそれを教えてくれたとして日記を燃やしてしまっていた

そしてそのシーンの後ではもう聴取が終わった後に飛んでいて彩女の証言があったので大丈夫だったという。そしてこの聴取の際に北の本名が「コヒナタ」だった事を聞いたと彩女が言った事で北の本名が視聴者にも明かされた。ただこれもこれ以上に言及がなく、原作では一応「小日向陽平」とフルネーム漢字で判明したらしいんだけど、ドラマではこの「北さんってコヒナタだったんですね」という一言だけだった。雪枝から離婚届が来て判を押して送り返したというし、さっきのシーンでは雪枝と編集者が北海道から自宅の庭までワープしてるしでけっこう時間経過している?

雪枝を愛していたのでは?と問う北に愛していたと過去形で答えた彩女は意識不明の間に見ていた夢は北の事ばかりだったという。旅の締めくくりをしようと彩女を連れ出して車で向かった先は一面の花畑で、これを見せた北はこの丘には毎年違う花が咲く、生きていないと見れない景色だ、来年の夏も一緒に見に来よう、カニも食べて、と告げる。彩女は約束が守れない時は一緒に死んでくれる?と告げ、いいよと優しく応える北で2人はハッピーエンド

その後も少し描かれ、雪枝は自力で書いた新作『雪女を愛した男』という小説のサイン会を開いていた。結局実体験を強い下敷きにしないと小説書けないのかそこそこ盛況な中でサインをもらいに来た女子高生は高校時代の彩女(坂口風詩)そっくりだった。思わず固まる雪枝だったが笑顔で感謝を告げて吹っ切った模様。

北海道に残った小日向と彩女は小日向が農家となり、一軒家で仲良く夫婦となって暮らしていた。カニ鍋を囲む2人で終了。

彩女自殺以降の展開は原作とはだいぶ経緯を違うものに変更していたようで、あらすじ見る感じだとドラマの方が自然な感じ、
バイオレンスにならないように改変
したようだ。彩女の雪枝への愛情が過去になって北へ向かっていく過程ももしかしたらドラマの方が分かりやすく示していたのかもしれない。また北が雪枝に対して一切の危害を加えなかったのもあって、何も問題を起こしておらず、聴取のシーンをカットしてもあまり気にならない感じにまとまっていた。

最終的にも死なずに救われてハッピーエンドという事で変にひねったアートな終わり方ではなくこうあってほしい結末にたどり着いてくれたのは良かった。

全部終わっての感想

全体には暗い&毎晩毎晩寝てばかりで前半は何とも言えない作風だったが中盤のマリア登場から後半にかけては盛り上がった。絶望していた主人公が生きる方向へ向かい始めた事でカッコ悪くても人間味のあるもがきを見せるようになってきて、終盤にかけての北は熱演だったと思う。撮影時は29歳最後だったと思われるが、放送中にOVER 30’s WORLD突入となった重岡大毅は明るく社交的で元気な後輩感のあるいい奴キャライメージを覆す新たな魅力を見せてくれた。絶妙な情けなさといい加減さで、実のところ北は彩女さん彩女さん言いながらもマリアと寝た挙句に完全にその気になったマリアをその翌日には吹っ切って別れるというけっこうどうしようもない事もしているんだけど、ここまでしても底辺に振り切らない人物像は重岡大毅が演じていたがゆえだったのかもしれない。

マリアが良かっただけにエピローグにマリアが含まれず札幌で幸せにやっている事を示すその後が無かったのと(原作ラストには1シーンあったらしいので)、彩女はちょっと怖すぎ&思ったよりオバサン感強いなぁ…とは思ったんだけど、ハッピーエンド後の様子を見ればこの2人で良かったなとも思えた。終わり良ければ総て良し。いい結末だった。

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