日本テレビ関東ローカル「Zドラマ」枠。土曜14時30分~15時30分という真昼間の放送枠で2022年2~3月にスタートしたがその次は8~9月、そして今作が2023年2~3月で同枠3作目。作中で園宮蓮(八木勇征)が出演しているバラエティ『恋愛デスマッチ『国宝級彼氏オーディション』』がそのままネットドラマとして別途配信された。
生まれながらに色が普通の人の100倍見える色覚を持つギフテッドだったえな(桜田ひより)は幼少期から絵の才能を絶賛され期待されていたが衝動のままに家中絵具だらけにするなど常軌を逸した制御不能な状態になり、母の郁美(遊井亮子)が発狂。今作放送期間中に全3話で駆け抜けていった『#who am I』でも狂った母役だったぞこの人 離婚して家を出て行ってしまい家族は離散した。絵を描かない事を周囲に約束し、彼氏の悠真(豊田裕大)、親友の麻里香(吉田美月喜)やクラスメイトに恵まれ楽しくもあるが色のない日々を送っていた。高校生活も終わろうかという頃、人気若手「完璧男子」タレントの園宮蓮(八木勇征)が高校に撮影に来ると聞いて蓮の推し活をしていた麻里香は興奮。えなも誘って撮影を見に行くが、連を一目見た瞬間にえなの失われていた色覚が蘇り、そのまま衝動的に美術室に飛び込んで連の絵を描き上げてしまう。
SNSにnearアカウントで投稿したその絵がバズるも封印した絵を描いてしまった事への罪悪感と描きたい衝動に葛藤するえなだったが、絵のあまりの評判と素晴らしさは蓮の元にも届き、お礼のDMが届く。マネージャー(岡本玲)も『国宝級彼氏オーディション』で脱落しそうな蓮をバズらせるために絵を描いてもらうのは戦略としてありだと判断。蓮本人から打診を受けたえなは推しの蓮のためならと引き受けるが…。
何故か上半身脱いでモデルになろうとする蓮。その姿を悠真が好きで嫉妬した琴奈(矢吹奈子)が悠真や麻里香を連れてきて目撃させ、さらに悠真がそれでも手に入らないとすると画像を投稿したりと暗躍。2人は一気に窮地に立たされ…。
…と、思ったら4話冒頭では蓮の体調の悪そうな精神不安定な母親が郁美(遊井亮子)だったと判明。当初nearというアカウント名のファンの子としてしか認識していなかった蓮は琴奈が「倉石さん」、悠真や麻里香が「えな」と呼んでいた事から、離婚で離ればなれになった妹えなだったと気付いた。えなだけすっかり忘れており、離婚前に自身が書いた家族の絵を改めて見返していたら折り畳んであってなんかもう1人いた。父(丸山智己)から蓮は兄だと聞かされて初めて知る事に。
まさかの兄妹でした展開となり4,5話からは最早推しの沼でもなんでもない家族と仲間の大切さに改めて気づき、自分の衝動のためだけではなくそんな大切な人達のために絵を描きたいという目的を見出したえなが止まっていた時計を動かしていくという終着点に向かっていった。原因だった発狂母も元々絵を描いていたが娘の才能を当初喜ぶも認められなくなり精神を病んでおり、再会時にも自分のせいで書けないみたいな事にしないでくれる?とブチ切れる発狂っぷりだったが、最終的には認めて和解できた模様(直接2人が和解するシーンは無かったがえなの絵に描かれた自分を見て浄化された感じではあった)。
それはそれでいい話ではあったし、桜田ひよりも期待通り良かったんだけど、まさか沼った相手が忘れていた兄でしたという衝撃展開、そこから禁断の展開でも兄に沼るわけでもなく、やりたい道を素直に進めという推しに沼るのではなく、やりたい事に沼るオチに持っていくとかなかなか高度で複雑なタイトル遊びだった。Z世代向けという事で完全対象外だったのもあるが、新感覚だったな…。
加えて「港区」という最先端感を出すためか高校が私服なばかりかどう見ても大学みたいなオールフリーで放課後どころか外真っ暗の夜になっても自由に出入りできる美術室など自由なキャンバス風景。出演者が基本的に20歳前後くらいで固まっていて現役高校生ではなく、大学生世代だった事もあってか普通に大学生にしか見えなかった。
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