2023年春クール、読売テレビ製作日本テレビ系「木曜ドラマ」枠(23:59~0:54)。
志田未来(5月生まれ)、 風間俊介(6月生まれ)それぞれ20代、30代で最後の出演作で放送中にOVER 30’s、OVER 40’sを迎える。志田未来がついにOVER 30’s…遠くへ来たものだ…。
1話
元子役で「小さな弁護士コラン」という主演ドラマが当たった事もある神楽蘭(志田未来)は芸能界は子役で引退して弁護士になっていたが、1年前に親友の早乙女花(北乃きい)の夫が殺された事件の弁護を担当したところ、証言者に証言を変えられてしまい冤罪で懲役12年となって親友を冤罪で刑務所送りにするという大敗北をしてしまい、ふぬけた生活を送っていた。元後輩の流川蒼(髙橋優斗)が訪ねてきてブログを始めて弁護士活動を再開したんですね!と身に覚えのない事を言ってきたので、偽者の元へと向かった蘭はそこで自称脚本家だという偉そうな黒澤仁(風間俊介)という男に出逢う。黒澤はブログはあくまで架空の「神楽蘭」の物語だと主張しつつも蘭の事も調べ上げていた。そこに依頼人でウェディングプランナーのダブルブッキング問題で誹謗中傷にあっている美咲(森カンナ)が相談に来てしまい、そのまま相談に乗っているうちにそのまま裁判に挑むことになってしまい、なし崩し的に弁護士活動を再開することになってしまう。相手の弁護士は元所属事務所で先輩の藤堂(遊井亮子)だった。所長流川(升毅)の息子が蒼で、蒼も同行していたが事務所や父の勝てばいいという考え方には反発しており、密かに蘭に期待している模様。
裁判に踏み切ったのは同僚で友人だった遥(小島藤子)が会社の命令だったと証言してくれるという事からだったが、遥に裏切られてしまい、1年前の悪夢が蘇った蘭は対応できずに1回目の口頭弁論はおしまい。依頼人が絶望してあきらめてしまったので、あきらめようとした蘭だったが黒澤にそそのかされて再度奮起。遥が息子の病気と入院費を理由に会社に従っている事を突き止めるなど情報は取りそろえた。しかし相手の反撃に対する対応力には難があるのを見抜いていた黒澤は情報を基にして2回目の口頭弁論当日に台本を渡す。
相手の反論や証言など驚くほど台本通りに進行し、元子役の演技力を発揮してスラスラ進行していた蘭。しかし遥の反応が台本通りに行かずにフリーズ。そこは何とか乗り越えてアドリブで台詞を追加して台本通りの言葉を引き出して台本の筋書きに再度乗せて完走。無事に裁判に勝利した。
蘭はこれを機に弁護士本格再開を決意していたが、黒澤が勝手に事務所設立をブログにしてしまい、さらに蒼が事務所を辞めて働かせてくれと言ってきてなし崩し的に蘭の地道な証拠集め+黒澤の脚本で固めての裁判物語が始まった…。
蘭がいい人すぎるのか信用しすぎて裏切られて追い込まれる『女王の教室』の頃から変わらない志田未来ゆえのキャラ設定なのか黒澤の事はほとんど流されるままに従って調べもせずに信用しちゃって大丈夫なのかこれ…。ラストでは黒澤が5年前に殺人事件で大切な人(?)を殺害され、どうもその事件の弁護に新人時代の蘭が関わっていた?裁判結果を巡って蘭に恨みを抱いていた?と思わせるような意味深なカットが挟まれるなどやっぱり裏がある模様。ていうか風間俊介のこの有能だけど偉そうで裏がありそうな感じは同枠で2019年秋クールに放送された『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』とほとんど同じようなキャラ。『チート』では怪しいどころかマジで黒幕というオチだっただけにさすがに同じ事にはならないと思うが、しかし偉そうな演技がそのままだし、裏があるのも確実だからなぁ…。
役柄自体はそんなわけで志田未来も風間俊介も少し前に見た事ある感じのキャラであんまりイメージは変わらない。志田未来は連ドラレギュラーで見るのは2016年の『レンタル救世主』以来で、直近の連ドラレギュラー作は見ていなかったんだけど、ここ数年でも『バイプレイヤーズ』での本人役、「レンタルなんもしない人」1話ゲスト、ドラマ「家、ついて行ってイイですか?」1話ゲストとで見ていたので2年ぶりくらいか。大体子役上がりでは成長により主演級ではなくなるか(大後寿々花とか福田麻由子とか最近だと鈴木梨央もじわじわこっちのコースに入ってきてるかな…)、逆に主演級に成長するか(伊藤沙莉や桜田ひよりは子役時代から評価は高かったけど近年の方が主演級が増えてきている感じ)というのが多いのに、子役時代から20代までイメージほとんど変わらずに主演級で駆け抜けてるんだから凄いよな。
2話
父である流川(升毅)の事務所を辞めて蒼が転がり込んできてそのまま黒澤の家が「神楽法律事務所」になった。早速、蒼の大学時代の友人でフードデリバリーをしていた速水(泉澤祐希)がストーカーとして訴えられた案件を持ってきた。配達の際に結衣(生駒里奈)が夫からのDV被害に遭っているのではないかと察した速水はその後も助けようと色々していたが、ストーカー扱いされて夫(白石隼也)に裁判を起こされてしまったという。しかも相手の担当はまたしても流川の事務所で担当弁護士もまた藤堂(遊井亮子)。ほとんど嫌がらせ目的じゃねーか…。
既に近所の住人にも根回しされておりいい評判しか出てこない…が、全員が口を揃え過ぎていたので逆に怪しく、結衣の友人の証言(リモートで話した際にDVサインを出していた)を軸に今回は1回目の口頭弁論から黒澤の台本が用意された。夫を挑発する事で激怒させDV気質を見せつけることには成功したが、藤堂は6年前まで結衣が地下アイドルをやっていて速水がそのファンだった事を暴露。何故そんな大事な事黙っていたんだよ案件となり窮地に。
蘭が改めて問いかけたところ、速水はパッとしなかった大学時代に地下アイドルグループのメンバーの中でも最もパッとしなかった結衣が努力の末にセンターにまで成長した姿を見て尊敬の念を抱き、彼女を目標として自分も頑張れるようになったと語る。いわゆるガチ恋勢ではないという事で、もう1度あの頃の輝きを取り戻してほしい一心だったという思いを信じた蘭は新たな証拠を探し始める。
蘭は近所の住人の中でも最も重要な防犯カメラが結衣の家の玄関周辺まで広範囲に思いっきり映し出している向いの家の住人をなんとか説得して防犯カメラ映像を入手することに成功(住人もDV被害を察していたため同情心に訴えかけられて協力してくれた)。このカメラの映像は実に都合よく当人の家よりも向かいの家の防犯をしているんじゃないかというくらい結衣の家の訪問者を確実にチェックできる代物で徹夜での確認作業となったが(蒼はDV治療の病院探しに奔走しDV治療の証拠をゲットしてDV被害もバッチリ抑えた)、この際には黒澤も一緒に徹夜状態で確認作業を一緒に行っていた。涼しい顔して情報だけ聞いて台本を書いているわけではなく、1話に比べると偉そうなのは変わらないながらも一応けっこう調査にも協力的だったな。
これにより得られた情報からは結衣とそれを知ってしまった速水が隠していた衝撃の事実も明らかとなったが、蘭はあえて裁判の場で速水の口から事実を告げられるような流れでの台本作成を依頼。
速水の配達も全て置き配にされてしまっていたが、1人だけ家に入れている配達員がいた。それに気づいた速水は尾行して奴が売人である事を知ってしまった。結衣はDV被害の苦痛から逃れるために覚せい剤に手を出して売人から頻繁に買っていたという。あえて速水の口からその事実を明らかにさせ、速水が心から尊敬していた事と立ち直れると信じている事を伝える事で結衣の心も少しは救済しようという配慮だった。
覚せい剤事件が発覚した事で、DV夫は茫然、藤堂も唖然としたまま裁判は終結。売人は見つかって逮捕され、結衣は初犯なので執行猶予がつくだろうという蒼の解説はあったが、速水がスッキリとお礼を言いに来ただけでDV問題や夫がどうなったのかは触れず…。
一方で最初と最後には蘭が花(北乃きい)と面会して再審請求をしようと告げるも心が死んでいる花は拒否するという場面も。またその当時の事件の概要が少し明らかになり、殺された花の夫は連続殺人犯だったらしい、その被害者の1人に黒澤の知人女性がいたらしい事まで判明(蘭が駆け付けて花が連行されて行く時の蘭の背後に黒澤も来ていた)。さてどうなるか…。
生駒里奈が元地下アイドル役という事でアイドル時代のステージ映像とソロ歌唱シーンが差し込まれまくるという展開に。昨年の乃木坂46の10周年ライブにゲスト参加した時はまだ当時の面影があったが、今作ではだいぶ長髪になっていたのでアイドル時代のシーンでも乃木坂46時代の生駒とはだいぶイメージが変わっていた上、現在のシーンではDV被害者+覚せい剤に手を出した事によるやつれっぷりという役だったのでマジでかなり病的な雰囲気に…。役者になったなぁ…といえばそうだがなかなかぶっ飛んだ役どころだった。
3話
立花光(福山翔大)が母・洋子(宮崎美子)の傷害事件の弁護を依頼してくる。亡くなった夫と経営していた老舗の洋食店「コトブキ」を老齢と目が弱ってきた事から誰かに引き継ぎたいとして、M&Aサービス会社「コネクトエア」を通じて清水(草野イニ)という料理人に売り渡す契約を進めていたが契約した途端に土地ごと売り払うと豹変され口論の末に突き落としたとされていた。さすがに3連続で敵弁護士が同じということは無く(そもそも今回は被害者裁判に出てきてないし)、今回は彼らの出番はなかった。
情状酌量を狙うため、清水が詐欺師だった証拠を探す蘭と流川。清水が働いていたとして案内したコトブキの従業員も同行したという店は1日限りのセットだった事が判明し、流川が同じような手口で清水に騙された事がある不動産業者社長の綿貫(高久慶太郎)を見つけた事で1回目の裁判は清水が詐欺師だった事を暴く事にはほぼ成功したが…。目の弱っているはずの洋子が落下した清水の怪我の具合を見えないはずなのにコメントした事で蘭は違和感を抱く。
その後、どうも息子の光がやったのをかばっているのではないかという疑惑が深まるが確証が持てない一行。とりあえず黒澤は蘭が子役時代に「コトブキ」が撮影現場に来ていた事があり、今は亡き主人からクラムチャウダーをもらった事があるというのでそれを生かして泣き落としで洋子に法廷で証言させる台本を書くが…。
黒澤は以前から追っている事件を調べさせている部下に今回の一件も調べさせていたらしく、裁判当日に部下が突き止めた新事実を持ってきた。黒澤は即座に現行台本の途中で蘭に腹痛を起こした演技をして一時休廷させるよう指示。台本には書いていないが入室時点でちょっとお腹イテテ風なそぶりを見せながら着席したり、途中で腹痛で言葉に詰まったりと細かい前フリ演技を入れてくる辺りが元子役…。
結局、30分休廷となり、控室に戻ったところで改変台本が到着したが、部下が新情報を持ち込んでから裁判まででは新台本を書き上げる時間が足りなかったって事?
洋子はやはり息子の光をかばっていたが、息子が犯人だと思い込まされていただけで光は無関係だった。光が突き落としたと言ってきたのは「コネクトエア」社長の前田(田野倉雄太)で詐欺実行犯の清水と組んでいる超悪徳業者だった事が判明。しかしやり方を巡って清水と揉めて前田が突き落としてしまったという。ナンダソレ…。息子をかばっていたつもりが騙されていた事が発覚して当然無罪放免。裁判がどうなかったかは不明だが、エピローグでは以前被害に遭ったと証言した綿貫が引き継ぎを引き受けてくれる事で決着していた。割と暖かく終わったものの、清水に騙され、息子が犯人だと前田にも騙されていて、無関係の罪で逮捕&拘留生活&裁判という怒涛の人間不信案件じゃないか。よく精神病まなかったな…。
これまではあくまで調査は蘭と流川で黒澤は判明した事実から真相を浮かび上がらせるための台本&推理少々という担当で描かれていたが、今回は2人が知らない部下を使って黒澤が調査をしているのも判明。当日にけっこうな真相判明だったが、蘭もさすがに奇妙に思わなかったのか。そして回想シーンで殺されていた女性・黛十和(入来茉里)は黒澤の婚約者だった事が正式に明らかに。
4話
詐欺の受け子をやっていた村山(奥野壮)が逮捕され、蘭が弁護を引き受けることに。村山は闇バイトと知らず一般求人サイトで見つけた仕事だったとして詐欺だとは知らなかったと主張。蘭、流川、黒澤はその線で戦略を練り、とりあえず過去の判例から求人が本当に怪しいものではなかったという線で1回目の裁判を進めることにした。しかしその場で担当検事の堀内(阪田マサノブ)から詐欺の指示役をしている通話音声が流され、詐欺師のグループの一員だった事が暴露されてしまう。投げやりな態度で黙秘する村山。
この様子を女性の遺影っぽい写真を持ちながら傍聴していて怒ったように出て行った男性に目を付けた黒澤が追いかけて話を聞くと男は3年前にモデル詐欺に遭って自殺した女性の兄(原(岩井拳士))だという。そして当時付き合っていたのが村山だった。ニュースで村山が逮捕されたと聞いて傍聴しに来たら詐欺グループの一員だったっぽい事が暴露されており、妹・菜月(竹野留里)を騙した詐欺グループの一味だったのかと怒り狂っていた。黛十和の件から原の怒りを理解し、復讐でしか恨みを晴らすことはできないみたいな呪いの言葉をかける辺りに黒澤の闇も垣間見える…。
原にも理解を示したがむしろ恋人を失った村山に共鳴した黒澤は原に頼んで妹のスマホを拝借して電源を入れてもらうとそこには毎日のように村山からのLINEが届いていた。ここに事件の動機が全て書かれており、原の理解と了承も得た黒澤はこのスマホの情報を基に2回目の裁判の台本を作成。
裁判で蘭が証拠として提示した事で、村山は菜月を自殺に追い込んだ詐欺グループに復讐するために自ら組織に潜入して実態を暴こうとしていた事が明らかとなる。とはいえ分かってて詐欺を働いていたのも事実で有罪にはなってしまったが、傍聴席にいた原とは同じ哀しみを抱えた者同士で共鳴し合えた様子。
裁判終了後、蘭は証言に来ていた村山を逮捕した刑事・北見(淵上泰史)に声をかける。実は既に相手の検事の堀内に捜査を依頼しており、村山が正体を掴めなかった詐欺の黒幕(金主)が北見である事を示す証拠を見つけていた。証拠を突き付けられて待機していた捜査陣に連行されて行った北見だったが…。
黒澤は北見ほどの犯罪者なら捕まらないような策も用意されているはずで簡単には行かないだろうと予言。実際に北見はすぐに釈放されてしまっていた。
一方で前回は出番が無かった流川父は藤堂に裁判の時に蘭と流川と一緒にいた黒澤に目をつけて調査を指示。その結果をもって流川に接触して連続殺人の被害者黛十和の恋人だったという情報を蘭より先に流川が知る事ととなる。
冒頭では「黒澤がたまたま創作していた”弁護士・神楽蘭”と同姓同名の人物がいたので蘭の事を調べ上げた」という明らかに嘘くさかった説明を蘭が特に気にしておらず、それを聞かされた流川がえ!?大丈夫なのそれ!?みたいな反応をしていたほどだった。しかし蘭が開示請求していた蘭が黒澤の元に来るきっかけになった黒澤が勝手に書いていた弁護士・神楽蘭のブログの誹謗中傷の結果が届き、書き込みのほとんどが黒澤自らの自演だった事が判明。
また黒澤不在のまま、蘭は今回の事件の続きの台本の残骸が捨てられているのを発見。半分燃え尽きていたが、そこには黒澤が原にかけた復讐への呪詛の言葉と共に原が釈放された北見を刺殺するという台本が書かれていた。流川が飛び込んできてニュースを見ると原が北見を刺殺して逮捕されたというニュースが流れていた。台本通り…。2人の中で黒澤への疑惑が一気に膨らんで次回へ続く…。
まあ蘭はちょっとここまで疑わなすぎた。しかし怪しかった風間がマジで黒幕でしたという『チート』ルートは勘弁なんだけどなぁ…。今回は疑惑を持ったのが早いから大丈夫か?
5話
蘭は黒澤による復讐殺人が起きる事を予見していた前回の続きの台本、流川は黒澤の連続殺人の被害者黛十和の恋人だった話を父から聞かされた事でそれぞれ黒澤に疑念を抱くも、次の依頼人が来てしまったので互いの情報を共有しないままに保留になってしまった。
妹(田中珠里)に連れてこられたのは蘭の子役時代にエキストラ子役として出ていた紗世(堀田茜)。チャット対話だけで韓国人にのぼせ上って結婚まで決めるも300万も送金しており詐欺臭しかしない案件で妹も絶対詐欺だと主張するも紗世が信じ込んでいるのでとりあえず連れてきたという。蘭からも普通に国際ロマンス詐欺の典型的手口と言われてしまった紗世は犯人をおびき寄せる通話をする事には応じ、黒澤の台本と蘭の演技指導により相手を呼び出すことに成功。
受け取り場所に現れたのは会社社長の近藤(篠山輝信)。微妙に話が噛み合わないものの金だけ受け取ろうとする謎の挙動を見せた近藤にとりあえず名刺だけもらって帰還した蘭と流川。チャットでの韓国人風の人物はAI技術を駆使したもので中身は近藤だったのではないか、という事で会社に乗り込むと紗世がプレゼントした品も置かれておりほぼ確定。それでも金さえ返してもらえればと示談交渉に持ち込んだ紗世だったが、近藤が悪びれない態度だったため訴える事に。相手の弁護士は藤堂再びの登場。
流川が父を見返すため張り切っていたため今回は流川をメインにして台本もなしで裁判に挑む予定だったが…。
他にも近藤の秘書と近藤の不倫判明から近藤が多数の不倫を行っているゲス野郎である事は明らかとなっていたが、黒澤はビデオ通話時の韓国人の謎の手の動きが気になっていた。1回目の公判時に相手一行がやってきた時の挙動と一致している事に気づいた黒澤は急遽台本を作成。入廷直前に駆け付けて台本を渡し、流川が裁判を進めている間に蘭は席で一心不乱に台本を読みこむことに。蘭は読み終えると近藤の妻である馨子(黒川智花)に夫の不倫を知っていたのではないかと挑発。当初控えめな妻っぽく振舞っていた馨子だったが、夫の不倫の事実を改めて説明されると我慢しきれなくなり本性を見せ、自身こそが詐欺師で夫に罪を着せようとしていた事を自白。
訴えは取り下げることになり、藤堂に至っては最早終盤映り込む事もないほど空気と化し、最終的に馨子を相手にして取られた金を取り返せ、紗世が蘭に感謝しておしまい。
急遽だったため、流川にも知らせる事ができず、流川も不満そうではあったが、それでも黛十和の件を蘭に説明。黛十和を殺した連続殺人犯は花(北乃きい)の夫であり、その夫を刺殺したという事で花が犯人にされてしまったらしいことは判明しているが、黒澤に対して比較的呑気だった蘭も花の夫を殺したのは黒澤だったのか?という考えには至ったようでいよいよ疑念が膨らみ始めて次回へ続く。
近藤が元々ゲス野郎だった事も重なり、なんと詐欺師っぽく見えていただけで本当に何も知らなかった…犯人は妻だった…というなかなかの衝撃展開だったが、真相発覚が土壇場となったため、ちょっと時系列には無理があった。黒澤は裁判所にやってきた馨子が髪をいじりながら通り過ぎていった挙動を見て韓国人の動画での挙動と一致している事に気づいた。そして蘭と流川が入廷直前にやってきて製本された台本を渡してきたので、裁判所の入口まで来てから急いで自宅に帰って台本を緊急作成製本して戻ってきたことになるが、そんなに早く台本出来るのか?3話では裁判当日に裁判所の階段を上がっている途中で部下が情報を届けに来たことで、急遽台本の書き足しを行う事になったが間に合わず、一旦蘭に腹痛で休廷させるように指示を出して修正時間稼ぎさせている間に傍聴席で手書きで書き殴って完成させていた。今回は1度帰って製本しても入廷に間に合っているのでけっこう時間に余裕があったのか…。
今回は変則展開で初めて裁判が1回だけ、台本2回はいつも通りだが今回は1回目は詐欺師を呼び出すための紗世用の台本、2回目は急遽制作された馨子が犯人とする真相と手口、途中からの台本という形だったのでイレギュラーではあったんだけど、ちょっと挑発されただけで何の証拠も出てないの馨子が聞いていない事までペラペラ自白し始めた感はあったかな。
6話
医大を二浪している日奈(木下彩音)とその母親(中島ひろ子)、他2名の受験仲間の合計6人が合格圏内だったはずなのに落とされたと疑念を抱いたところ、匿名の採点表が日奈の家に送り付けられていたのも後押しとなり、女性差別で女子だけ落としているのではないかとして医大を訴えたいと依頼してきた。依頼理由が医大側の担当弁護士が流川法律事務所で、ここのところ蘭の事務所は流川のところに裁判でよく勝っているからという理由で蘭に依頼することにしたという。もう噂になってるのかよ…。
匿名の採点表は採点担当の栗原(黒田大輔)の息子で日奈と今でも年賀状づきあいのある中学時代の同級生慧太(小宮璃央)が父の部屋で偶然発見したものだった。勇気が無く匿名で送り付けたが、母親の言いなりっぽい日奈に子役時代の自分を重ねた蘭が友達付き合いもあまりなくて年賀状も来なくてという話をした際に日奈が自分は少しはあると見せてくれた中に「栗原」がいたため、蘭が特定したという奇跡的な流れ。
黒澤が慧太のよく通る場所を流川経由で「勉強しやすい広場」として日奈に教え、2人をしれっと再会させた事で慧太がその気になり裁判で証言するのを決意してくれた。1回目の公判では採点表は作りかけで内申書の内容を得点化して200点満点で加点されると言い訳してきた医大側。内申書にも気を遣って優等生で通ってきた日奈の内申点が半分の100点にも届いてない時点で少々無理があったものの押し切ろうとする医大サイド。栗原親子の関係も悪化するが、昨年の慧太は合格ラインに届いていなかったがコネで合格させた事が栗原から明かされる。慧太は逆に退学覚悟でこれを切り札にして流川に情報を提供。
2回目の公判では親子関係の話でもあった事から途中で流川に交代。台本を読んでいる最中に蘭が黒澤に許可を取ったもので、流川は台本の事も知らされていないので台本なしどころか事前相談なしでいきなり栗原への質問を自分が行う事になり動揺。とはいえ慧太から最初に真実を聞かされていて言うべき事もハッキリしていたためか、台本なしでもほぼ台本通りの展開になったものと思われる。
流川大治郎(升毅)も見守る中、父への思いを語り掛け、泣き落としで栗原を自白させることに成功し、栗原親子の関係は改善された。また日奈と母親についても裁判勝利後に蘭が本当に医大に入りたいのか訴えかけた事で母親がブチ切れるも日奈が考えさせてほしいと自我をもったところで終了となった。
慧太が日奈を明らかに気にかけていた事から2人の間にもう少し何かあるかと思ったら再会した時以外は言葉も交わさずに何もなかったのはあんまりだった。中学時代から年賀状づきあいを続けていたのだからもう少し何かあってもさぁ…。親子関係を蘭(回想)、流川親子、日奈と母、栗原親子と4つも同時に描いたので慧太と日奈でエピソード混ぜている暇がなかったんだろうか。他2組の依頼者親子も完全に背景だったし…。流川の親子関係も流川の訴えを聞いていたものの一直線に出ていってしまい変わらないままだった(また負けたので申し訳ありませんと必死に追いかけている藤堂が最早ギャグ要員)。
黒澤の過去については疑惑を持ちつつもまた今回の一件が来てしまったのでそっちに集中。この間に流川が興信所を使って黒澤の家に出入りしている男の正体がフリーライター椿(市川知宏)だったと判明。連続殺人の犯人とされる早乙女蓮(カトウシンスケ)と同僚だった男だという。その点が謎だったものの蘭はついに黒澤を事件現場(花が逮捕されて連れていかれたアパート)の前に呼び出して、恋人の復讐のために早乙女蓮を殺したのかとドスレートに質問。しかし黒澤は調べた情報を組み立てる能力に欠けると評し、前提が間違っている、早乙女蓮は犯人ではないと告げて次回へ続く。
ようやく黒澤に直接聞いた…。とりあえずミスリードにもなってなかった早乙女蓮を復讐のために殺したんじゃないの疑惑は否定され、信じがたかった花の夫である早乙女蓮が裏でこっそり女性連続殺人事件を起こしていたというのも否定された。こっちの進展はまだじわじわになりそうだけど、チートルートからは外れつつあるかな?
7話
蘭に問い詰められた黒澤は隠していた過去を説明。十和(入来茉里)を殺されて無気力になっていた黒澤の元にこれは連続殺人で十和は2番目の犠牲者と思われるという情報をもってフリーライター早乙女蓮が訪ねてきた。早乙女と黒澤は独自に真相を追いかけようと奔走するが、第3、第4の犠牲者が現れてしまい手がかりはつかめなかった。そんな中、何かを掴んだらしい早乙女の留守電を最後に連絡が取れなくなり、花が夫の早乙女を殺害、早乙女が連続殺人犯という事になってしまったという。花の冤罪を証明できずに沈んでいる蘭の姿が自身と重なったとも言っていたので、蘭に目をつけて利用したのはある程度の同情心もあってのことだったのかも。
黒澤は早乙女の同僚だったフリーライター椿と引き続き事件の真相を追っていた。直後に椿が持ってきた4番目の事件の資料の中になんと流川が聴取を受けていた記録を発見。同時に流川が黒澤の調査と称してしばらく休むと連絡を入れてきたので一瞬で流川が真っ黒な存在に…。2話の依頼人で流川の大学時代の友人だった速水も再登場。聴取を受けた際の事を黒澤と椿に説明してくれたが、同窓会で被害者女性とも会って最後に送っていったのが流川だったという。この事から流川大治郎が息子が犯人にされないように根回ししたのではないかと疑いが向き、黒澤が揺さぶりをかけに流川大治郎の元を訪れると何故か流川が別室に隠れていたり、家で大量の資料を前にしていたりと流川はバックで終始怪しい動きをしているという描写ばかりに…。
今回の依頼は元市役所職員有村(穂志もえか)。理不尽クレーマーに絡まれ、上司の津田(和田聰宏)から土下座するように言われたので土下座したものの土下座のショックで心身不調で退職していた。市役所側の担当弁護士はついに流川大治郎が自ら担当することになり、津田は言ってないと嘘を言い張っていたが流川大治郎は既にそれを見破った上で作戦を立てていた模様。
それに気づかず、何気に調査面でナイスサポートしていた流川不在も響いて調査は蘭1人。クレーマーを探し出してクレーム入れながら撮影していた動画をゲット。そこには土下座するように言っている証拠映像があったので即座に脚本化して裁判に挑むが…。
脚本通りにキメたはずが、動画には続きがあった。クレーマーは既に流川大治郎に動画フルバージョンを提供し、蘭には切り取った映像を提供していた。続きには津田が「愛してる」とまさかの発言。津田は不倫関係にあったと告白し、単にフラれた腹いせ・ショックで心身不調だったのではないかと言い放つ。嘘がバレて不倫もバレて開き直ったのか妙に冷静に告げる津田に対して反論した有村は取り乱してしまい…。判決がどうなったかは不明なものの、有村を救えなかった、負けたという事になったようで、流川大治郎がさすがのラスボス感を醸し出す形に。ていうかこのパターンなら相手がいつもの藤堂でも同じ結果だった気がしなくもない。まあ証拠集めに定評のある流川がいれば流川が相手より先にクレーマーに接触するのに成功→動画ゲット→不倫発覚→その上でなんとか優位に立てるように考えよう…とはなっていたと思うんだけど、今回それでも厳しくないか。
流川大治郎が喋り出した際の蘭は慌てまくりで台本に続きがあったのかと読み返すけど当たり前のように何も書いてなくてキョロキョロしまくって動揺しすぎ。いつも脚本通りに行き過ぎていたせいか、脚本慣れしすぎた弊害か…。今回は不倫隠してた依頼人も悪いけど。
黒澤も珍しく自分も悪かったと謝罪する中、椿から電話がかかってくる。椿の妻が連続殺人の新たな犠牲者になってしまったという。慌てて走り出す黒澤と追いかける蘭。まだ裁判所の前だったのに何故かそれを見ている流川…とことん流川が怪しいまま次回へ続く…。
一気に急展開になってきたが6話まで無害な後輩キャラで黒澤の正体を怪しんでいたはずの流川が突如として真っ黒クロスケになるとは。前回の親子間での演説は何だったのか。そして連続殺人は早乙女が犯人でその早乙女が殺されて幕を閉じたはずなのに同じ手口(死体の指に指輪5つをはめる)で殺すとは真犯人もまた大胆な…。
レギュラー陣が少ないのでそもそも出ている登場人物の中に犯人がいるなら黒澤、椿、流川親子、部下の藤堂しかいない。風間俊介が『チート』で演じたキャラと被っている事からまた風間俊介が黒幕かと思わせてジャニーズ後輩が黒幕でしたというのは意外性はあるけど…どうなるか。
8話
復活した連続女性殺人犯に妻を殺されてしまった椿だったが、事件の調査をしていた関係で凶器一式を所持していた事や宅配便の不在票からアリバイもなかった事で犯人として逮捕されてしまう。起訴されるまでの拘留期限までに不起訴に出来る証拠を探し出す必要に迫られた蘭と黒澤。蘭は聞き込みを行い、黒澤は失踪している流川を犯人とにらんで調査を続けるが…。
今回は裁判ではないので、担当検事に不起訴の判断を下してもらうため話をしに行く蘭。担当検事の青柳(佐藤玲)は蘭と同い年くらいの若手(実際に志田未来と同じ30歳)で話が通じそうな相手だったが上司の朝烏(竹森千人)は花を殺人犯にした検事であり、邪魔をしてくる。
結局流川の件は何ひとつ掴めず、黒澤と椿が死体から甘い匂いがしたと証言した事から犯人の儀式として胎児のポーズにした死体に赤ちゃんの匂いがする香水がふりかけられている事を蘭が突き止め、この事は警察の資料には無く真犯人しか知らない情報なので模倣犯ではなく早乙女蓮が犯人でもないというところまで確信を持てるも証拠としては弱い。そのまま最終日を迎えてしまう。調査担当としてファインプレイを掴んでくることが多かった流川不在がけっこう重い…。
結局期限当日になって宅配担当者が遅延をごまかすために不在票を入れていて実際には在宅の椿を窓越しに発見して焦っていた事が発覚。運送業者からクレーム入りそうな設定…。土壇場で青柳に訴えかけ、青柳が上司を突っぱねて正しい道を進む人だった事も手伝って椿はなんとか不起訴に持っていくことに成功。
期限残り1時間の段階で事実と宅配担当者の証言を書面で揃えた蘭だったが、この事を青柳に説明するために黒澤の台本が必要だと訴え、黒澤が台本を爆速で仕上げる…というのはお約束とはいえさすがにちょっと強引だった。要点をまとめて10分で話を終わらせることを前提としてさらに朝鳥が邪魔して来た時に追い払う用の台詞展開と青柳の心を動かすための話術として台本を欲したという事だったが、心を動かすための台本は導入部の研修の時に師事した講師が同じだったという思い出話までで後は蘭の自分の言葉で演説しろという内容だったので正直台本が必要な展開にはほとんどなっていない…。
ラストでは大治郎が不起訴と捜査が開始されたのを聞いて、流川にもうあの事務所に近づくなと命令するが、流川は思いっきり黒澤の元にやってきて背後に忍び寄るところで次回へ続く。流川は大治郎の元を出入りしてかくまってもらいつつ、様子を伺っている姿が何度か出てきたが、前回に比べるとミスリード感が強くなってきた。早乙女と椿が出入りしていた出版社の編集長として今回1シーンだけ出てきた矢島健一だったが矢島健一が出番これだけなんて事はあるか…?
9話
椿の妻が殺されるという新たな殺人が発生したのを受けて再審請求に挑むことを改めて花に提案。花は心を殺していて今更再審請求しても…と否定的だったが蘭の必死の訴えや意外としっかりものの息子陽斗(市野叶)も母の無実を信じていた事から乗り気に。
一方で黒澤の背後に出現した流川だったが、流川は黒澤が犯人だと思い行動していたという。雲行きが変わってきて謝罪の意味も込めて姿を見せたようで双方犯人と思い込んでいたがどうも違うようだという事で2人は協力関係を取り戻し、遅れて蘭とも合流。椿も加わって動き回った事であっさりと重要証言者のタクシー運転手を確保。さらに犯行時刻22分前に自宅まで20分くらいかかる地点で陽斗を乗せたタクシーの元に花が駆け付けてきて花と陽斗の再会2ショットが綺麗に時刻スタンプ付ドラレコ動画として残されていた。花が犯人なら帰宅後2分でお前が連続殺人犯だったのかと口論→ザクザク刺殺とハイテンポでこなす必要があり殺すのは無理だろうという事に。
台本通り、再審請求1発目でこれを突き付けた一行だったが…。
裁判からの帰り道、陽斗が歌っていた曲は2話で登場した元地下アイドル結衣(生駒里奈)の地下アイドルグループ時代のオリジナル曲だった。地下アイドルなので一般的ではなく何故知っているのかと言えば父が前日に聞いていたと。父が結衣のファンだったというよりもジャーナリスト早乙女蓮は取材対象のあらゆることを調べつくす取材方針である事は椿も語っていた。早乙女蓮は死ぬ直前まで速水(泉澤祐希)を調べていて速水が推しの地下アイドルソングを聞いていたという事は真犯人って速水?と考えに至った黒澤は猛ダッシュで速水の家へ。
自宅で速水は殺された女性と同じポーズで寝転がるというサイコな姿でお出迎え。遅れて駆け付けた蘭の前では速水を刺した事後のような黒澤という衝撃構図が…。最終回目前にして傷害事件の容疑者(黒澤)が増えてしまったようで、最終回は引き続きの花の再審、黒澤の無罪照明、速水真犯人説提唱、大治郎は何故真相をもみ消そうとするのか…と片づけなきゃならん話が大渋滞だがまとまるのだろうか。
しかしまさか2話のゲストで流川の友人だった速水が真犯人で(7話から再登場していた)、地下アイドル生駒里奈のソロ歌唱シーンが真相発覚のキーとして本人不在(結衣は2話の事件で覚せい剤使用が発覚して檻の中へ…)のまま再使用されるとはすげぇ展開だな…。
10話
真犯人だった速水を刺した事で黒澤が逮捕されてしまう。黒澤は刺そうとしたが刺せなかった、速水は自らナイフに飛び込んできたと蘭に証言するも無気力になってしまう。流川も親友だった速水が連続殺人犯と知って動揺するも、蘭と流川は花の再審で速水の犯行を立証して黒澤の無実を証明しようと決意。しかし調べ上げた情報だけではどうにもならないため、蘭の説得で活力を取り戻した黒澤が獄中から作戦を考え、自身の裁判であれば被害者側なので速水を法廷に引きずり出せるとして、刺してないではなく、刺したことを認めて情状酌量で争う方向へ持っていきつつ速水を挑発して犯行を自白させるという方向で獄中手書き作文台本を完成させる。
速水の父である芳野(矢島健一)が妻への精神的暴力を続けて妻が精神を病んだのが離婚原因で、速水と母で暮らしていたが結局母親は回復せずに自殺した事は椿が調べ上げていた。また出版社に勤める芳野と大治郎が繋がっていたのではないかと流川が疑い、大治郎に連続殺人犯は芳野の息子の速水だったと告げたところ、そこまで知らなかったらしく、大治郎は芳野に脅されていたという事を藤堂を使って流川にリーク(流川は藤堂が急に大治郎を裏切って証拠をくれたと思っていたが大治郎の指示だった)。まず黒澤が連続殺人犯が速水だと確信したと証言し、流川が大治郎に脅されていた事を証言させる。
ラスボスのように振舞っていて何でも知っているかのようだった大治郎だが、過去の裁判で某病院と懇意にして診断書捏造を繰り返していた事がバレて芳野に脅され、ちょうどその時やっていた裁判で花が犯人になるように仕向けると指示されただけで何故そんなことをさせたのかは分かっていなかったらしい…。流川に連続殺人犯が速水だと知らされて合点がいった(ので証言した)と言い出すなんてなんか一気に小物臭が…。結局裁判の終わりを見届ける事もなく、そのまま捏造の件で連行されて行ってしまい出番終了。
速水は犯行を否定し、検察側も早乙女蓮殺害時間に速水は店の防犯カメラで働いていた事が分かっているので早乙女蓮殺害犯ではないと突き付けてくる。黒澤は動揺した振りをして暴れ、蘭が休廷を申し出て、休廷中に合流(今までと違って被告なので同室に自由に出入りできずアクリル板越しの面会の形式)した2人は早乙女蓮殺害は芳野という方針に切り替えて示し合わせる(速水のアリバイには驚いていたのでそこまで調べてはいなかったが事前に両パターン想定していたっぽい)。
母親の自殺で芳野の事は恨んでいた速水だったが、蘭(黒澤の台本)では母親を失った悲しみは一緒で2人は支え合いかばい合って生きてきたとして挑発。これに動揺し激高した速水はあいつが勝手にやった事だと自白。芳野は早乙女蓮の調査経由で息子が連続殺人犯だと知ると自身の立場が危うくなるために勝手に早乙女蓮を殺害したという。そしてその時握っていた大治郎の弱みを使って花に罪を着せるように仕向けさせた。連続女性殺人に関しては母が自殺前に「人生をやり直したい」としきりに言っていたので、なんか似たような雰囲気の女性を見かけると勝手に同じだと判断して「生まれ変わらせる」目的で殺害し、一連の儀式(胎児の姿勢、香水、エンジェルナンバーを意味する5つの指輪)を行っていたと言いだした。
瞬間の表情を勝手に解釈しただけで殺してしまっていて、誰も救っていないと蘭に断罪された速水は少しは堪えた…のかどうなのか…。十和を殺した動機なんか速水の店の常連で黒澤が少し遅くなるとLINEしてきたのを見て残念だなぁって顔してるの見ただけで「人生をやり直したい」顔をしていると判断、椿の妻にしても結婚記念日でウキウキしていたっぽいのにたぶん椿が多忙ですれ違っていそうだし「人生をやり直したい」顔をしていると判断…って速水の「母に似た人生やり直したい顔」判断検知機能死んでるじゃないか…。ていうかこんだけ検知機能ぶっ壊れているから覚せい剤でボロボロでそれこそ「人生をやり直したい」顔しかしてなさそうだった元地下アイドル結衣は救済のために殺すっていう考えにならなかったのだろうか。
そんなわけで速水が大犯罪者である事を自白した事を受けて花の裁判は1発で無罪確定。裁判全カットで判決が言い渡されるところしか放送されない始末。
ただこのやり方をするため黒澤が刺していないと証明するのはあきらめたためか、その後も黒澤は普通にこれまで通りに裁判と台本制作をする活動していたものの執行猶予の身である事が明示された。また蘭の子役時代の主演作「小さな弁護士コラン」の脚本家は黒澤の父で、父に用事があって現場に来た黒澤(高校生くらい?)は当時の蘭(子役)に遭遇。俺も脚本書いてみるかな…とつぶやいた黒澤にそしたら演じると約束していた事も明かされた(蘭は覚えておらず黒澤が思い出しただけ)。黒澤が蘭に目をつけて弁護士復帰までするように焚きつけたのは花の事件の関係者だったというだけではなかった、というのは説得力あった。
なお黒澤が蘭に渡した次の裁判の台本だが流川がたまたまやってきてなんですかそれ?と言い、蘭が隠そうしていた事と黒澤が流川は大根(役者)だからと告げた辺りから、未だに流川は台本の事を知らされておらず、1人アドリブ対応を続けている事が判明した(大治郎に証言させるところも台本上は流川に任せるとしか書いてなかったので説得できると信じてはいたようだが…)。
全部終わっての感想
引っ張った連続殺人事件の犯人が1度ゲストで出てきた主要キャストの友人というのは意外性はあったんだけど、大治郎の件にしても一時期の真っ黒クロスケ流川とか少々引っ張りすぎた感はあった。その結果、最終回はややあっさりめになってしまい、大治郎は急に改心観念して退場してしまうし、矢島健一がやはり数シーンゲストで終わるわけないよね的に早乙女蓮殺害犯だった事が判明したものの、本人不在の中で明かされ、回想シーンでの殺害シーンと警察が来て観念するダイジェストシーンはあっただけで本人が直接動機や犯行について語るシーンは無し(速水が喋った内容で合ってはいるんだろうけど)。どうしても駆け足ではあった。
終わってみれば実はそんなにハッピーではない。花・花の息子・黒澤・椿にとっては失った者は戻らない状態だし、流川も父親逮捕、藤堂もどうなったのか不明で、弁護士復帰して失ったものも取り戻せたのは蘭だけだったりする。とはいえ、当初は『チート』パターンも想定されただけに各自最低限の無念は晴らせたのは良かった。
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