旅の記録 黒山三滝

12月に入り紅葉シーズンも終わりかと思いきや、越生町にある黒山三滝がいい感じだという事で行ってみた。

位置的には5月に少し取り上げた毛呂山町の「滝ノ入ローズガーデン」のほぼ真西に位置するが、毛呂山町の西はもう延々と山間部となっていて一山越える林道はいくつかあるが、ルートとしては北部からぐるっと迂回して越生の街中を抜けてたどり着く。秩父へ向かう国道299号から山道を抜けて南回りでたどり着く方法もあるがナビが案内しなかった。

10数年ほど前の暑い夏の日に避暑がてら訪れた記憶はあるが、滝の周辺が少し涼しいくらいで暑いものは暑い記憶しか無かった。ただ黒山三滝に至る15分ほどの徒歩の道のりは完全に山間部で日中も日が入らない。気温が低い時期に来れば寒いし、快晴でも薄暗かったりする。

無料の駐車場から歩いていく。もう少し先に有料の駐車場もあるほか、この後出てくる「根っこ食堂」用の駐車スペースは利用者なら無料というのもあるが、狭い道をわざわざ車で無理に進む必要はない。手前で十分だろう。ただ時期をしくじると満車かもしれない。割とギリギリだった。

途中でクロスして川は左側になるが、駐車場付近では右側に川が流れており、太陽は対岸しか照らしていない。

昭和の香り漂う古い商店が道中にいくつかあるが廃屋状態となっていて営業している気配はない。1つだけ明らかにここだけ比較的新しい建物の「黒山文学館」という喫茶併設で奥にもいろいろありそうな施設があったがこれも閉鎖されていた。どうやら元々は「黒山鉱泉館」という明治の頃から100年以上の歴史があったという古い旅館が2014年に潰れ、そこを改装した2019年頃に出来た新しい施設だったようだが直後の世界変異による営業制限で休業連発となり、軌道に乗る前にあっさりトドメを刺されたっぽい。公式サイトの更新も1年以上止まっていて放棄されているが、現地では既にこの理由による閉鎖ではなく、改装の準備を進めているような事が書かれていた。いずれ別の形で復活するのかもしれない。ていうかこの辺り他に入浴施設無いので黒山鉱泉って絶滅してたって事…?

場違いなモニュメントがまたなんともいえない…。

そのすぐ近くには「迎え滝」なんていう看板もあった。看板が真新しく、日付も令和3年。いい感じに滝と言い張れば滝に見えなくもないところがあったので新たにスポット認定したのかもしれない。その後「根っこ食堂」を抜けて橋を渡って川が左側になるとさらに山間部っぽい道のりを登っていく。

この直前に公衆トイレがあり、外観は綺麗だったが外観を新しくしただけのようで中は昭和のトイレだった(男女の区別ないし、個室は和式で掃除もされてない激臭空間だし1個壊れてるし)。

登っていくと釣り場があるが、ここもやや寂れ気味。10数年前の記憶だともっと観光地っぽく色々売り出されている空間だった記憶があるが…。そこを抜けると三滝のうち1つだけ離れたところにある「天狗滝」が左奥に見える。どうやら手前のちょっと落ちている部分を先ほどの「迎え滝」のように「天狗小滝」と名付けたようだ。

記憶だと少し奥に登っていくイメージだったが…。思いのほか足場が悪く、小さい川を左右に行ったり来たりしながら進んでいっても割と手前で道が終わってしまい間近まで行けない。

奥にある天狗滝本体だが谷が狭まっていて道の終点まで行ってもこの位置からの方がむしろ滝が見えない。近づいたのに先ほどの小滝と一緒の手前からの方が見えるってどういうことだよ…。

見ての通り、道はないが進んで行けるのだが夏ならともかくこんな寒い日にうっかりビチャッとしてしまうと割と詰むのでここまでにしておいた。この道中の先にはさらに細い上り坂があり、その上にあずま屋のようなものも見えた。そこから残り二滝を見下ろせるものと思われるが誰もいなかった。

元の道に戻って進むといよいよ到着。

ここにドーンと三滝と書かれているので三滝あるのかと思ってしまうところだがここには二滝しかない

もう一滝は手前にあった「天狗滝」なんだけどどうもあまりちゃんと説明されていないというか、分かりにくい気がする。天狗滝のところの看板も「小天狗滝」が大きく表示されていたし。

ここでは男滝、女滝が2段になっていて男滝がまあ一般的にイメージされる滝らしい滝、女滝は滝と言うには小さめの滝といった感じか。

こっちが男滝。

これが女滝。

男滝の単独の写真を撮影できているように女滝の上には上がれる

男滝と女滝の間はこんな感じの岩場になっていてこの手前まで遊歩道や橋が渡してある。

よってこのように女滝を上から眺めた写真が撮れる。

そして少し離れたところから見るとこのように二滝が一緒に見える。一般的に「黒山三滝」で検索すると真っ先に出てくるのはこのような構図だろう。この上にも道があったが要補修部分が封鎖されており、行き止まりなのかその脇から登っていけるのか曖昧な事になっていて他にいた観光客もみんな行き止まり判断で誰も進んでいかなかった。どうも登っていくと上で先ほどの天狗滝の脇から急坂を登っていった先に見えたあずま屋が見えるので合流しそうだったが…。

そして見上げるとけっこう頭上でもみじが彩っている。こんな気温低そうな場所にあるのに12月になってようやく色づいてくるほど遅いのも意外と謎だ。

なんとか紅葉と二滝を一緒に撮れないかという事で構図は決まったが、異国の言葉で会話している国外の方々が橋の付近で陣取っておりなかなかどかないのでモザイク処理の形で…。

そろそろちょうどいい時間になったので、帰り道に途中にあった「根っこ食堂」に立ち寄る。

観光地価格ではなく手頃である事と、観光地レトルト(?)ではなく、手打ち手作り感があった。けんちんそばを注文。

具がすっごい。やや薄めの味噌味だったが手作り感があっておいしい。しかしほとんど食べ終わってから気づく。自家製という八味とうがらしをかけると良かったのではないか…。先の写真にあるように55年を越えているようで店主(?)も完全におじいちゃん。座敷の方は人員不足で閉鎖されており、これっていわゆる例の絶メシFOREVER真っ只中なのでは…。

滝を降りた後は近くにあった(越生梅林の奥)「大豆工房 みや」という豆腐屋に寄って帰路へ。

坂戸市を帰る途中、噂に聞いていたTVでも時々出てくるあの建物の前を通った。

時間が時間だったので中には入らなかったが(有料)、急に異国感が凄いインパクトだった。

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