映画 イチケイのカラス

2023年1月13日公開。

2021年春クールフジテレビ月9ドラマの続編映画。1月14日にドラマと映画を繋ぐドラマから1年後を描いたSPドラマ『イチケイのカラススペシャル』を放送。映画はこのSPからさらに1年後の物語となる。連ドラの最後でみちお(竹野内豊)が熊本に異動、SPでは千鶴(黒木華)が他職経験制度で何を選択するか迷っていたが弁護士に決める姿が描かれ、この映画ではみちおは岡山県秋名市に異動、千鶴がみちおの隣町である日尾美町で弁護士として働いているところから物語が始まる。

検事の井出(山崎育三郎)はみちおのお目付役として岡山に異動しているので2人と共に現地にいる。1月10日～14日に深夜の10分ドラマとして5日連続放送されたスピンオフ『イチケイのカラス～井出伊織、愛の記録～』にて糸子(水谷果穂)と結婚した設定。東京のイチケイメンバーは駒沢(小日向文世)、浜谷(桜井ユキ)が登場するがその他のメンバーは登場しない。

史上最年少で防衛大臣になった鵜城(向井理)をイージス艦衝突事故で船長の夫を亡くした島谷(田中みな実)が襲撃する事件が発生し、みちおが裁判を担当する事に。不審な点だらけの事故だったものの国家機密に該当するために職権発動による捜査ができず、大きな闇が見え隠れする中、弁護士となった千鶴は地元の人権派弁護士の月本(斎藤工)と地元を支える大企業の土壌汚染の疑惑隠蔽問題を調べ始める。国家規模の陰謀が見え隠れする衝突事故、そして一見関係なさそうながらこっちもこっちで街の根幹が揺らぐ大企業の土壌汚染の疑惑隠蔽問題、並行して2つの事件が進んでいく中で2つの事件に繋がりが見えていき…。

国家規模を思わせておいてそっちはあまり大きな話にならず、地元の問題へと収束していく。このドラマらしからぬ主要人物の死も発生してかなり後味も悪いが真相はなかなかに衝撃的。ただ事件が繋がるまでの謎しかない段階でのダッラダラ展開が前半1時間以上延々と続くのでここがかなりしんどかった。その分後半は目が覚めるような展開ではあったが、結局後味が悪いままで終わるのでちょっとこれは…。まあ映画だとドラマより重みを出してくるっていうのがセオリーなのかもしれないが…。

★★★☆☆