鉄オタ道子、2万キロ〜秩父編〜 全2話

テレビ東京系「ドラマ24」枠2024年9月5日、12日の前編・後編の2話放送。『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』と『チェイサーゲームW2 美しき天女たち』の間の2週が使用され、「ドラマ24」枠では2023年3月に『絶メシロード 出張編』でこの隙間2週を使った短期復活続編パターンをやっていた。

2022年冬クールテレビ東京系「ドラマ25」枠『鉄オタ道子、2万キロ』の2年半ぶり続編。

前編

埼玉県秩父に向かっている西武秩父線の電車内の様子を早速モノローグと共にじっくり見せ、早速の観光ムービー状態。懐かしく帰ってきた感があるが、モノローグが独白調ではなく「お久しぶりです」と敬語で視聴者への挨拶っぽく始まったのでちょっとぎこちない感じもあった。家具メーカー社員、雑誌『旅と鉄道』にYUI名義で寄稿しているといった基本設定が踏襲され、今回も編集長(六角精児)に記事執筆を依頼されている事が示されたが、六角精児は電話音声のみで後編も同様でクレジットも”声のみ”主題歌meiyo「チャイニーズブルー」のOP映像は連ドラ時代のものをそのまま再利用

西武秩父駅に降り立った道子(玉城ティナ)だったが、いつもの決め台詞「ここどこだよ」の秘境感が無い発展した観光地っぷりに戸惑い、観光地ではないところへ向かうとして「札所」巡りの案内看板を無視してあえて違う方向へと進んでいき、「牧水の滝」へたどり着く。するとそこに駅で見かけたアラフィフくらいの熟年カップルっぽい男女が登場。聖地巡礼ですか?と聞かれるも道子は全く知らず、2人は『心が叫びたがってるんだ。』の聖地巡礼をしているんだと教えてくれたが、タイトルを聞いても全く心当たり無さそうな道子との温度差が…。夫婦かと思ったらこの熟年男女、カップルですらなく、アニメのオフ会で知り合っただけの関係だといい、次の聖地への向かっていった。あえての熟年、あえての夫婦じゃない熟年男女聖地巡礼者を出した事に意味があるのだろうか。そして秩父と言えば「あの花」というアニメらしいと思っていたが、今は「ここさけ」になるのか。さらに「空青」というのも続いたらしいが、「あの花」「ここさけ」に比べるとあまり聞いたことがないな。

その後、西武秩父駅から乗ってきた沿線を戻って横瀬駅まで真夏の炎天下を歩いて移動した道子はそのまま駅前の「ENgaWA 駅前食堂」でカツカレーで昼食。連ドラ時代は冬だったので毎回駅弁を事前調達してしばしの観光の後に適当な場所で頂いていたが、さすがに真夏の秩父では木陰でもそれをやらなかった。駅弁がまずダメになりそうだし、自然豊かな風景に反して真夏の秩父普通にその辺の街中と変わらない35℃オーバーの酷暑世界で日陰で弁当食べられる環境じゃないので、お約束を廃止したのは英断だったとは思うけど、他の旅飯ドラマと同じっぽくもなってしまった。一応地元野菜を使っている程度の説明だけでそんなにうまいうまい飯レポする飯ドラマ化は回避しようとはしていたか。

横瀬駅で今度こそ決め台詞「ここどこだよ」を放った道子は1泊のつもりのようだが既に秩父市街から遠ざかって帰路についていて…?OPはそのままだったのにキャストクレジットのバックには薄いBGMだけになってしまい、エンディングだったスキマスイッチはカットされてしまった。スキマスイッチはエンディング契約切れ?栗原類の名前がクレジットで流れたのに甲斐(栗原類)出てなくね?と思ったら、後編メインで出るらしく、予告寸前の1シーンで歩いている道子が前方に甲斐を発見するシーンで締め。

後編

前回横瀬駅から帰路へついていた道子は予定にないという西吾野駅で突発的に下車。すると何故か甲斐(栗原類)に遭遇。前編ラストで甲斐を見かけたシーンは先行して無理やりねじ込んだシーンだったようで、後編でこのシーンに達したのはOP映像の後だった。甲斐は未だにYUI=道子と気づかずにYUIを追っており、YUIがいつか西武秩父線に乗ってきた時のためという理由で「休暇村奥武蔵」でバイトをしていたという。泊るところを決めていない道子を「休暇村奥武蔵」にバイト割引で宿泊させてくれた。高いんじゃない?と気にしていた道子だったが、一応「国民休暇村」シリーズで実際には1人1泊2万台である。大浴場はあるが温泉では無いし、そもそも秩父でもない(住所は飯能市で飯能の街から秩父へ抜けていく長い山中の国道沿いにある)ので、宿自体は凄く良さそうなんだけど埼玉県民的にはあまり行く機会が無い場所ではある。ていうか突発的に降りなくても、西吾野駅→吾野駅で西武秩父線は終わり、もう飯能に出てしまう。道子はどこに泊まるつもりだったのだろうか。昼食を横瀬駅で食べて、まだ15時にもなってなさそうな時間帯で吾野駅まで戻ってきているならそのまま余裕で日帰りできてしまう時間帯だったんだけど…(途中下車しなければそのまま暗くなる前に都内に戻れるんじゃね?)。

あっさり翌日に飛び、西吾野~吾野間を周辺散歩して鉄道の撮影スポットを甲斐が案内していたが、正直観光スポットはあまり無い…。吾野から飯能まで出れば色々観光地はあるが、ここは車も電車も地元住民以外はほぼ秩父への通過点でしかない場所だと思うし、物凄くニッチな観光ムービーしているなぁ…。

フィールドワークの課題をしていた地元の高校生の男女、柚菜(大平采佳)と三野(高村佳偉人)は甲斐と既に顔見知りで声をかけてきた。甲斐はユイという彼女がいると触れ込み回っていたらしく、道子を芸名YUIの彼女と紹介する甲斐。甲斐は咄嗟の嘘のつもりなんだけど、道子=芸名YUIを見事に当てている偶然が凄い。

そして甲斐は仕事なのか去ってしまい、その後は柚菜・三野と一緒に周辺撮影観光。何故か道子がカメラを渡して自由に撮っていいよと三野に写真を撮らせていたので、カメラは道子が持ち帰るのに連絡先も聞かないでどうするんだろうと思ったら最後の方で後でメールでデータ贈るからといって柚菜のメアドを聞いていた。柚菜は甲斐の嘘を見抜いており、道子が指摘した三野が柚菜を好きなんじゃないのかというのも柚菜は気づいていて勘の鋭いところを見せ、付き合ってもいいんだけど廃校になった学校跡地の朽ちていくシーソーのようになっていく自分を見られるのに怖さがあると深い事を言い出す柚菜に道子が青春を感じて締め。2人と分かれ起点の吾野駅のホームに向かっていく単独カットで終了となった。

吾野周辺だけでトレッキングもバーベキューも川遊びも無しの徒歩移動だけで1日費やせたの凄…。周辺わずかにカフェくらいはあるみたいけど、「休暇村奥武蔵」宿泊から徒歩圏内(1駅区間)に夕暮れまで1日いたのに食事シーン無しというのはいつも駅弁食べてたこのドラマとしても初だったんじゃないか。

今回あくまで「西武秩父線」開通55周年の企画なので、吾野駅~西武秩父駅が対象。よって都内から起点吾野駅までの「西武池袋線」は対象外だし、「秩父本線」も別会社なので、長瀞方面も三峰神社方面も対象外。そしてこの沿線で「秩父市」の街中なのは西武秩父駅だけ。秩父市に向かうための路線なので、前後編通して作中で秩父市に滞在していたのは前編の駅到着から横瀬駅に行く前までのわずかな時間しか無く、横瀬駅に移動した時点でもう横瀬町だし、後編は横瀬町から始まって主に滞在していたのは吾野は飯能市である。実はほぼ秩父じゃなかったが、雰囲気は相変わらず良かった。でも超酷暑の過酷な撮影だっただろうなぁ…。

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