少し時期がズレるが、ほぼ同時期の金田一、コナンそれぞれの公式スピンオフが始まり(金田一はアプリ連載、コナンは派生雑誌連載)、11月、12月にそれぞれ第1巻が発売された。これがまあ見事に明暗が分かれたというかなんというか…。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿
こちらは実際に原作で描いた事件の犯人視点でのギャグ漫画で、作中で犯行トリックを実現するのに苦心する犯人の苦悩をコミカルに描き、難敵である金田一にどんどん真相に迫られて右往左往するサマが単純に笑えて面白い。オチのつけ方が毎回尻切れ気味になるのと、肝心な部分に突っ込みきれない(初期の金田一があまりに偉そうな態度で真相を暴いて追い詰め、犯人を自殺させてしまうか死に追いやってしまい平然としている)ところはやや気になるが、回を増すごとにギャグの鋭さも増していて今後も楽しい。
今のところ取り上げられる事件は堂本剛主演でドラマ化されていた初期の事件ばかりなので懐かし具合もグッドだ。また絵柄が現在ではなく当時の原作の絵柄に合わせているのも良い。
名探偵コナン 犯人の犯沢さん
こちらは犯人視点といっても全身黒タイツのアイツをネタにした一転特化のギャグ漫画。ネットニュースでも話題になったように1ページ目から犯罪都市米花町が炸裂されるなど絶好調なのでこちらも期待していたのだが…。率直に完全な出オチであった。この漫画、犯罪都市米花町しかネタが無かった。
というのもこの漫画はコナン世界にさほど準じておらず、以降は黒タイツが自動改札も知らないようなド田舎から上京してきた田舎モノだったことが判明し、1話は自動改札の通り方が分からずに右往左往するだけ、2話以降も家探しに苦労するだけという上京物語定番の平凡な話に犯罪都市米花町ネタを絡めて事故物件が多いとか、警察が多発する事件で出払っているので免許更新が長蛇の列だとかやるだけ。これで黒タイツが慌てふためくのがシュール…ということなんだけど、これが全然面白くない…。
そもそもに笑いを取りに行っているコナンネタが色々やっているようで全て犯罪都市米花町ネタの一点集中。コナンはほとんど関係ない。コナンのキャラも出てくるけど、言動行動が全て犯罪都市米花町ネタ優先で別人感が強く、さらに絵も雑すぎるので某国のディズニーランドとかあのレベルでのパチモン感が強すぎる。雑誌「小学〇年生」(休刊後はコロコロ)で連載していて細々と巻数を重ね続けている「名探偵コナン 特別編」はアシスタント勢が書いていて絵柄が明らかに違うけどあれよりも遥かに別物。
これはさすがに無いなぁ…と思ったらAmazonのレビューでもほぼ同様に明暗が分かれていてやっぱりなと思った。
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小学館 (2017-12-18)
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