ライオンの隠れ家 1~5話

2024年秋クール、10月11日~TBS系「金曜ドラマ」枠。

1話

両親を亡くしてから市役所職員の小森洸人(柳楽優弥)はアート事務所で働く自閉症スペクトラムの美路人(坂東龍汰)と2人で美路人がパニックを起こさないように平穏無事な繰り返しの日々を過ごしていた。しかしそこにライオン(佐藤大空)を名乗る謎の男の子がやってきて、トイレと嘘をついて上がりこむとここは安全だから暮らすと言い出す。見知らぬ他人の出現で美路人がパニックを起こすようになり、とっとと警察に連れて行こうと考えた洸人だったが…。

ライオンが持っていたスマホには「あとはよろしく」というメッセージが入っており、この文面とライオンがカレーにやたらマヨネーズをかけまくる様子から洸人は小学生の頃に母の再婚相手の連れ子としてやってきた異母姉の愛生(宮﨑優)の事を思い出す。当時の愛生は高校生くらいでマヨネーズをかけまくる習性があり、数年ほど一緒に過ごしたある日の早朝に洸人を連れ出して自由になりたくないかと家出に誘うが洸人が断ると「あとはよろしく」と言い残してそのまま家出。それが最後に見た姿だった。状況から考えてまさか愛生の子供なのか?と疑いつつも、美路人が他人と暮らすのが困難でパニックを起こすために警察に連れて行こうとした洸人。しかし直前で思いとどまり、また同じ図鑑を持っていて勘違いでライオンの図鑑を奪おうとして破ってカレーまみれにしてしまった美路人が自身の誤解に気づいて自分の図鑑をライオンに上げるという行動に出た事も重なり、とりあえず警察に行かずにしばらく面倒を見る事に決めて次回へ続く。

一方で主人公勢の知らないところで、冒頭と最後には橋の上で心中自殺するかのような空気を醸し出していた現在の愛生(尾野真千子)とライオンの姿、妻と子供が行方不明だと警察に届けに来た橘祥吾(向井理)など不穏な動きも…。

しかし初回では何か事件に巻き込まれることになりそうだ…という予感までしか示さず、具体的に何が起きているのかは伏せてしまったため何も分からないまま終わってしまいどういうドラマになるのかも全くつかめず。初回の限りだととりあえず警察に行きかけて辞めてしまう洸人が急に話の都合でアホになってしまったようにしか見えなくなってしまっていたし、もう少し何が起きているのか明らかになった上で、そういうことなら仕方ないしばらく預かるかと決意するとか自然な流れで警察に行かない結論に行き着けなかったのかとは思った。

公式な年齢設定が無いので不明だが、役者の年齢からしてアラサーの兄弟。愛生は兄弟が小学生の頃、”15歳”でやってきて”18歳”で家出したと公式にあるので宮﨑優が演じていた方の愛生だけは正確な年齢が判明しているが、尾野真千子になると一気に40越えるので7,8歳くらい離れている設定か。しかしまもなく24歳になる宮崎優が女子高生役やってたのって4年前の『女子グルメバーガー部』の頃だし、15~18だけ演じるんだったら10代の役者を起用すればよかったはずで、その後の空白期間回想も出てくるのだろうか。

2話

ライオンが持っていたスマホにメッセージを送っているのは謎の白い男(岡山天音)と視聴者には判明していたが、洸人は姉に会えるかもしれないと暗号メッセージに従って指定の場所へ向かおうとするが…。しかし休日の行動は自閉症スペクトラムの美路人(坂東龍汰)に合わせてスケジューリングされており、ヘタに変えるとパニックを誘発してしまう。ひとまず予定通りに出かけた先で暗号の回答に行き着いた洸人はなんと美路人とライオンを2人にして予定通りに行動するように要求すると1人で出向いてしまった。

結果、今回ほぼこれで振り回されてしまいほとんど進展なし。最初の指定地で偶然職場の同僚牧村美央(齋藤飛鳥)に遭遇してしまったため、場所を変えられてしまい、美央に車で送ってもらう事になり、ある程度美央にも事情を説明。この間に案の定美路人とライオンははぐれてしまい、バスが走り出してからライオンが乗っていないのに気づいた美路人はパニックになり警察送りに。2度目の約束の場所まで美央に送らせておいて警察からの保護の電話でとっととそっちに向かってしまったため結局謎の男とは会えず連絡も途絶えてしまった。しかし謎の男は美央に接触した様子で…?(車の窓を男が叩くまで)

今後は近所の元定食屋寅吉(でんでん)に日中の仕事での不在時にはライオンをお願いする事にした洸人だったが…今回も最初からそうしてれば…。ていうかそもそもメッセージは1人で来いなんて指示だったっけ?3人で終始行動してればよかったんじゃないの?いや1人で背負うものが多く、美路人の平穏を保つだけでも大変なのにメッセージで振り回されて冷静な判断が出来なかったのは仕方ないとはいえ、全員ストレスフルな行動を取り続けて謎が謎のまま2話の大半を浪費するのはしんどいって。

ラストでは愛生(尾野真千子)の血痕のついたシャツが発見され、いよいよ失踪が全国ニュースに。ニュースで息子の名前が愁人と報じられたため、試しに洸人がライオンを愁人と呼んでみると思わず返事してしまいすぐに真顔になるライオンで次回へ続く。ラスト進んだだけじゃないか…。

3話

愁人と呼んだ声に反応してしまったライオンだったがすぐに我に返り、ライオンだと主張。何かを隠しているようだが聞きだす事はできなかった。美路人の描いた画が飾られる作品展を見に行くのも兼ねて「あさがお動物園」に向かった洸人、美路人、ライオン。美路人の絵を見てみたかったという美央(齋藤飛鳥)も作品展で合流したが、ライブペイントをするはずだった美路人のデザイン事務所の同僚小野寺(森優作)が行方不明になってしまった。スタッフと何故か洸人まで美路人とライオンを美央に任せて小野寺を探し始めたが見つからず、結局トイレに行った美路人とライオンが腹痛でうなっている小野寺を発見。程度は不明だが小野寺も美路人と同じような自閉症のような人物で筆を託されてしまった美路人はステージに上がる事に決める。

しかし司会をしていた事務所CEOの船木(平井まさあき)がマイクをハウらせてしまったため、異音に反応した美路人はパニックになってしまう。ハンディキャップのあるアーティストを積極採用しているという設定の船木CEO、こういう事態の対処も当然心得ていてパニックになった美路人へ何らかのフォローをするのかと思ったら驚いているだけで何もせず、洸人が駆け寄って落ち着かせようとして、ライオンが美路人のゴーグルを差し出して装着を促すと、美路人はこれに反応してゴーグルを装着すると落ち着いてアート活動を開始し、拍手喝采を浴びるのだった…。

ライオンと美路人の関係が深まりつつ、美央にファンだと言われて照れる美路人といういいシーンだったが、職場で美路人や小野寺らが何らかのきっかけにパニックに陥る場面なんて何度も遭遇していそうな船木がマイクをハウらせておいて美路人に何もせずに何のフォローも出来ない役立たずと化したのはかなり気になってしまった。福祉アピールのためだけで普段そういうパニック対応は全部スタッフ任せなのだろうか。

愛生(尾野真千子)の夫でありライオンの父親であると思われる橘祥吾(向井理)に会いに行くことにした洸人は休日に美央を自宅に呼んで丸1日ライオンを任せて会いに行くが…。橘祥吾はたちばな都市建設の次男だが何故か重役ではなく平社員として使われており、都市開発の説明会で司会スタッフとして参加していた。説明会終了後に声をかけた洸人だったが、説明会で記者の工藤楓(桜井ユキ)と部下の天音悠真(尾崎匠海)が橘祥吾に記者だと見破られて追い出された経緯があったため、洸人も記者だと勘違いされて話を聞けなかった。ていうかすぐに愛生が姉だと明かせばいいのに黙ってしまった洸人の歯切れの悪さが原因なんだが…。

これを見ていた工藤に記者仲間と勘違いされて一緒に取材周りをする事になった洸人だったが、やはり立ち回りがドヘタでフリーの記者だと言ったものの、工藤が情報交換と言っているのになんとなく気になって…と相変わらず歯切れの悪い回答しか出来ずに情報を何も出さないので記者ではない事はあっさり見破られてしまった。さらに弟?というあてずっぽうに駆け引きも動揺すらなく「どうして分かったんですか」と即認めてしまい逆に驚かれる始末。

歯切れの悪さはさらに続いてやはりもう1度会いに行こうと思うと今更な事を言い出し、情報屋(入山法子)から橘祥吾の行きつけのバーを教えてもらうと天音と共に客として入り(工藤は電話を繋いだ状態で外で待機)、橘祥吾が来るのを待つことに。しかし既に夜中でこれまた今更になってもう帰らないと…と言い出す。そのタイミングで橘祥吾が来たのでトイレに行ったフリをして様子を伺うが何故か妻子が生死不明行方不明な夫とは思えない笑顔の様子に違和感を抱いて結局そのまま帰宅。美央の好意に甘えて真夜中まで自宅で留守番させるって…。そしてこの行動すべての煮え切らなさ、歯切れの悪さ。優柔不断な人物としてリアルではあるがドラマの主人公としてどうしようもなく地味にイライラさせられるな…。

美央はやけに様子を気にしていたが2話で謎の白い男(岡山天音)が接触しようとした場面があったように様子を報告するように言われているらしく、こっそり様子を白い男に報告していた事が判明。流れ的には美央が悪人にいいように騙された哀れな裏切り者とかでない限りは白い男は非合法的に虐待から守る活動をしている味方であるフラグに近い状況だと思うんだけど、どういうわけかネット記事では内通者のような煽り記事が飛び交っている。なんか話題性振りまくためにドラマ関係者がわざと煽り記事書かせてヤホー載せさせてない?

4話

遺体が見つかり愛生(尾野真千子)ではないかというニュースを目にしたライオンは目に見えて落ち込み、熱を出して寝込んでしまい、洸人は対応に追われる。洸人が聞いた6歳という年齢と美路人が以前聞いた5歳と年齢が異なる事から実は最近誕生日だったのではないかという事で元気づけるために誕生会を開いたりしつつ、記者の工藤の活躍で愛生の目撃情報と警察からDNA鑑定で別人だったというニュースを先行して入手でき、それを聞いたライオンは一気に元気になる。

愛生がどこかの店で働いている現在の様子がようやく出てきたが、謎を振りまいているだけでほぼ進展なし。洸人の歯切れの悪さは相変わらずで工藤に何故疎遠の姉について今頃そんなに気にしているのか聞かれると全く取り繕えず怪しまれてしまう始末。こりゃライオンの存在もバレるな…。

5話

それぞれのムーブが事態を最悪な方向へ急展開させていった回。工藤と天音により愛生生存のスクープ記事が出され、いち早く情報を掴んだXは愛生に逃げるように指示。しかし給料をもらう寸前だったため同僚の財布を拝借して逃げる愚行に及んだ愛生はひとまず窃盗容疑で警察に追われる身になってしまう。Xは手際よくタクシーを手配しておりひとまずホテルに避難させ、この作戦を成功させるには捕まったら終わりだからとにかく動くなと指示するが、追い込まれた状況から精神的にも余裕がなくだいぶ愁人(ライオン)に会いたい欲が高まっており、勝手な行動をし始める。Xの手際の良さは確かで警察がホテルに乗り込んでくると一足先に逃げるように迎えに来るなどかなりの有能さだったが、反発した愛生はXから財布を盗んで勝手に逃走財布盗むのは手癖か…?その後再会したXに愁人に会いに行くと告げると契約終了を言い渡されるも愛生はあきらめていないと言い放ち…?

洸人の歯切れの悪さと立ち回りのヘタさは相変わらずで工藤に記事について会いに行くもライオンの事は言えないので疎遠の姉について今頃そんなに気にしているのか聞かれると全く取り繕えず…と前回と全く同じ挙動不審に陥り、工藤にさらに怪しまれてしまう始末。少しは学習しろよ…。さらに姉に会わせるべきではないかとの考えを強くするが、Xから何かを指示されていた美央に虐待の件からしてもそうホイホイ会わせない方がいいのではないかと言われてそれもそうだけど…と思い悩んだ結果、結局LINEで会いたいと言ってこられたので会わせることにしてしまう。またこの際にライオンがずっと抱えていたライオンのぬいぐるみには愛生からの指示が書かれた約束メモと盗聴器が仕込まれていた事に洸人が気づいた。

そして洸人、美路人、ライオンで約束の遊園地に向かうが…。報道はされていないため洸人は愛生が警察に追われているのを知らないのでそこは仕方ないとはいえ、自身の不自然ムーブで工藤に怪しまれているのにすら気づいていない洸人らは無警戒過ぎて工藤に尾行されてライオンの写真まで撮られてしまっているのにも気づかず…。

愛生を見つけて走り出すライオンを直前で突如登場した美央が抑え込み、この直後に愛生は警察に逮捕されてしまい、後方にいる洸人に後は任せたという口パクだけして連れていかれてしまった。全く動けず呆然としたままの洸人。実に洸人らしいというか、美央とライオンの元にも駆け寄らない呆けっぷりが何とも頼りない…。

取り調べで愛生は息子を殺したと自供して次回へ続く。

さすがにここに来て虐待者が愛生という事は無いだろうから愛生は橘祥吾の手からライオンを守ろうとしているっぽい事は確定か。Xに依頼して何らかの作戦を立てていたっぽいが、工藤の余計な記事で生存を世間に知らされてしまった上に愛生が我慢できなくなって計画が破綻。ただ契約終了と言っていたのに美央が動いていた事からなんだかんだ作戦は継続しているっぽい。事態を把握し、最善の有能ムーブしているのがXと美央しかいないのはしんどい。工藤がライオン生存記事を出したら今度こそ詰みそうだし、そろそろ情報共有して協力していかないと厳しくないか。ただ散々見せてきた洸人の立ち回りのドヘタっぷりからして最初から作戦を教えて遂行しようにも挙動言動全て不自然で見破られてしまうので少なくともここまでは「洸人には何も教えずライオンを預けておいて盗聴で監視」が最善だったのもまた間違いない。

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