シン・仮面ライダー

2023年3月18日公開
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『シン・ゴジラ』(2016年)、『シン・ウルトラマン』(2022年)に続くシン・シリーズ(?)の3作目。1971~1973年の初代『仮面ライダー』と石ノ森章太郎による原作を基にしてこれまでのシン2作同様に新たな設定と物語を構築した作品となっている。同じ制作陣による3作として扱われているが厳密には微妙に異なっていて

『シン・ゴジラ』→庵野秀明脚本・総監督、樋口真嗣監督
『シン・ウルトラマン』→庵野秀明脚本、樋口真嗣監督
『シン・仮面ライダー』→庵野秀明監督脚本

となる。樋口真嗣が今作には関わっておらず、庵野秀明が脚本と監督を1人で担当しているという違いがある。

本郷猛(池松壮亮)はSHOCKERの緑川弘(塚本晋也)にバッタオーグに改造されるが、SHOCKERの方針に疑念を抱いた娘の緑川ルリ子(浜辺美波)に促されて離脱。緑川弘はSHOCKERと共に戦うためにその力を使ってほしいと頼むが追手の刺客クモオーグに殺されてしまう。連れ去られたルリ子を救うためにクモオーグ(人間体は登場せず声のみ大森南朋)と激闘の末に撃破した本郷は仮面ライダーを名乗る。

そこに本名不明の政府の男(竹野内豊)と情報機関の男(斎藤工)がSHOCKERを倒すのに協力してほしいと依頼してきて同盟を結び、以後ルリ子と行動を共にしながらコウモリオーグ(手塚とおる)、ハチオーグ(西野七瀬)を撃破、政府の部隊による攻撃のみでサソリオーグ(長澤まさみ)も撃破される。

第2バッタオーグに改造されたジャーナリストの一文字隼人(柄本佑)は洗脳されて襲い掛かってきたがルリ子のパリハライズで洗脳が解除されるも、横入りしてきたカマキリ・カメレオンオーグ(本郷奏多)によりルリ子は致命傷を負ってしまう。目覚めた一文字隼人によってカマキリ・カメレオンオーグは倒せたもののルリ子は死んでしまう。一文字と別れた本郷は単身でルリ子の兄でありチョウオーグでもあるイチロー(森山未來)の元へ向かう。道中の大量発生型相変異バッタオーグの襲撃に苦戦する本郷だったが、ライダー2号を名乗る一文字が駆け付けて加勢、2人で撃破してイチローの元へ。

イチローの強さはケタ違いで人間体のまま2人がかりのライダーキックでも歯が立たない。戦力差を悟ると即座に本郷がイチローのエネルギー(プラーナ)の供給減になっている玉座をサイクロン号の特攻で破壊。イチローは仮面ライダー第0号に変身して更なるパワーアップを果たすと2人を絶望的に追い込む…が、エネルギー供給源を破壊されて新たなエネルギー補充が出来ないのにさらに消費の激しい変身をしたためか、ボロボロでも粘る2人を倒しきれずにいるうちにエネルギー切れで勝手にフラフラになってしまう。弱ったイチローに本郷はルリ子によるパリハライズシステムが入った仮面ライダーのマスクを被せる事でルリ子の魂と会話させ、妹の意見を聞いたイチローは納得して和解。マスク内に魂が3人存在できないと悟ったイチローは自ら死を選択、さらに力を使い果たしていた本郷も消滅してしまい、一文字だけが残された。本郷のマスクの回収と修理は事前に政府の男に頼まれており、後日そのマスクを託された一文字は本郷のマスクを使って仮面ライダー第2+1号となって新たな戦いへ挑んでいく。

う~ん…悪くはないが駆け足すぎるのと全体に暗すぎる。作風が暗いだけでなく、実際の画面も暗い。大量発生型相変異バッタオーグとのトンネル内でのバトルシーンが顕著でCG丸出しの安っぽい映像をごまかすためなのか、暗すぎて何やっているのか見えんじゃないか…。ヘロヘロになった3人が殴り合いを延々続ける最終決戦もダラダラ長すぎるが、全体にチープなCG合戦が多いのであえて肉体的な戦いに重点を置いたのだろうか。正直今回ばかりは…というのはあるし、『シン・ウルトラマン』の翌年では急ぎ過ぎだ。公開前のドキュメントで監督がムチャクチャな思い付きのような指示を出しまくったり、何度も撮り直しを命じておいて具体的な指示は何一つなくキャストも疲弊、アクション監督も激怒、ドキュメントで撮影していた部分が本編で使われていなかったりと制作現場で試行錯誤している様子を流したことで批判が集まってしまったのもより悪影響だった。

あとゴジラやウルトラマンと違ってベースになっている初代の仮面ライダーって概要だけで意外とちゃんと見たこと無かったので(レンタルビデオとか衛星放送の録画で見てたウルトラマンシリーズと違って夏休みの午前中の再放送で少し見たことあった程度)旧作オマージュが分からなかったのも個人的に大きかったかな…。

★★★☆☆

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