2025年4月5日~、日本テレビ系列土曜17:30~18:00。18:00~の『名探偵コナン』と並んでの放送。
『名探偵コナン』の前の青山剛昌による連載作で1988年~1993年まで全24巻。当時先に『まじっく快斗』が連載されていたが『まじっく快斗』は不定期掲載となって今作が連載作となった。
1993年~1994年まで1年間テレビ東京系で『剣勇伝説YAIBA』としてアニメ化。16巻(かぐや編)までほぼ原作通りに放送されて終了となり、17巻以降はアニメ化されていなかった。その後『コナン』世界での登場等はあったが、ここに来てまさかの原作者監修による完全アニメ化と銘打たれて『真・侍伝 YAIBA』として2度目のアニメ化となった。主人公の鉄刃のみ高山みなみ(コナン役でもある)が続投、後は全員キャスト一新。
1話
父の剣十郎とジャングル生活を送っていた刃だったがゴリラ軍団から逃走した際に逃げ込んだバナナコンテナに逃げ込んだところそのまま空輸されて日本へ。剣十郎とライバル関係にあった雷蔵が大会優勝で帰国して迎えに来た娘のさやかと偶然再会。そのまま峰家になだれ込んで居候させろと言い出し、道場で1番の実力者を刃が破った事で居候開始。翌日さやかの学校についていった刃は鬼丸と遭遇し…と展開。
基本原作準拠だったと思うけど、刃の仲間の虎のカゲトラが最初から仲間になっているのは原作・旧アニメから変更。回想で仲間になった時が別に描かれたほか、元々刃を襲おうとして自爆&返り討ちにあって空輸ドタバタの流れに巻き込まれてそのまま仲間になったので名前が無く、さやかからカゲトラと名付けられていたのが今作では刃がさやかに何故虎が…と聞かされた際に最初からカゲトラと呼んでいたので命名も刃に変更されたようだ。
また旧アニメでは雷蔵とさやかは剣十郎に刃を預かってもらうよう頼まれて空港に来ていてアジア大会優勝は鬼丸に変更されていて鬼丸が先行して登場していたがこの辺りは原作準拠に戻したようだ。ただ旧アニメが1話で既に鬼丸との街中ドタバタバトルまで突き進んだのに対して学校で出会うまでになったので今作の方が進行はゆっくりだろうか。旧作と同じペースで進行すると最低1年半~2年はかかると思うので後から加速しそうだけど。
絵柄が原作初期の丸っこい雰囲気をかなり忠実に再現しているのが懐かしい。後半になるにつれてどんどん角ばった尖った絵柄に変わっていってコナン初期の絵柄になったんだけど(途中連載の『まじっく快斗』の絵柄も激しく変貌していて3巻の最初と最後で絵が違いすぎ)、終盤のキャラの雰囲気もけっこう変わるのだろうか。
2話
鬼丸と勝負したい刃だったが相手にされないため、防具一式を盗んで様々な罠を張り巡らせて鬼丸を挑発。要約勝負する気になったがお互いの家に入れ違いとなってしまう。刃の家でカゲトラの尻尾を踏んだ鬼丸は激怒して襲い掛かってきたカゲトラを一蹴。一方でジャングルから必死に刃を追いかけてきたハゲタカの庄之助は力尽きそうなところで鬼丸の家のハト小屋から餌を強奪。双方飼っている動物に危害を加えられた事で激怒した刃と鬼丸はついに市中大決戦を喰広げる。一応竹刀メインだが、それ以外のありとあらゆる手段を用いて噛みついたり、強引に鬼丸にトドメの一撃を放った刃だったが道路看板に激突し両者痛み分け(一応刃の勝ち)で決着。今度は剣技で勝つと張り切って修行する刃に対して憎しみを募らせた鬼丸は家の灯篭を破壊。すると地下室への階段が発見され、地下室内で謎の声に導かれるままに剣を手に取った鬼丸は風神剣の魔力により角の生えた鬼に変貌してしまい次回へ続く。
市中決戦が思いっきり浅草舞台になったりと架空の漫画の街の中よりもリアルっぽくなったり、原作ではトドメの前に標識ドカンで決着つかずだったのを旧アニメ同様にトドメの後に標識ドカンのままにしておいたりはあったが、大枠の展開自体は概ね原作通り。しかし鬼丸の境遇と鬼への変化を大幅改変。鬼丸の姉と祖父が写真のみの登場となり2人とも半年前から海外に行っていて鬼丸は1人暮らしという設定に変更。これに伴い風神について説明する祖父の役割は、どこからともなく謎の声が聞こえてくるという形に変更され、さらに原作では剣を手に取ってしばらくは元のままで剣と向き合っているうちにいつしか飲み込まれて鬼に変わっていってしまったが、今作では手に取った瞬間に角も生えて鬼に変貌してしまった。
原作の展開だと姉と祖父はしばらく震えながら生活しており、鬼丸自身も徐々に変貌していったせいか家族への情は残っていたらしくしばらく住んでから危害は加えずに出ていって日本を支配しようと魔王を名乗り始める流れとなり、姉と祖父は震えたままそれっきり出てこなかったが、これだとかなり肩身が狭い。最初から国内にいないならその方がこの2人は幸せだろう。祖父が風神について教えてしまった事を悔いる展開よりも、何者かの声に導かれて鬼になってしまったという誰のせいでもない展開はかなり意識して改変した気がする。謎の声による「やはり血には抗えぬか」という意味深な言葉も今後に活きそうだし、いきなり鬼になってしまった方が最終展開はスムーズになりそうだし、色々踏まえた上での設定変更っぽかった。
ただこの変更により家族不在で孤独で憎しみを募らせていって鬼丸が鬼になってしまう説得力は増した一方でそうさせた刃の過剰な挑発も際立ってしまい、当時はギャグ的だった刃の行動がけっこうえげつねぇ感じに見えてしまうという弊害も…。
3話
鬼と化した鬼丸が学校にいた刃に勝負を挑んできた。これまで通り竹刀で飛び込んだ刃だったが、鬼丸はいきなり風神剣(真剣)で切りかかってきて竹刀はあっさり真っ二つ。鉄パイプで応戦し、鍛えていた心眼で攻撃を防いだ刃だったが、風神剣による波動にはなすすべなく校舎壁に叩きつけられ、校舎も半壊。咄嗟に飛び込んできた庄之助によって空に逃げる事に成功し、鬼丸も相手にならないとして帰っていったのでなんとか助かったが…。帰還した父の剣十郎から風神剣には雷神剣だとして宮本いうジジイが持っていると聞かされた刃はさやかとカゲトラを連れて天狗岳へ。宮本と名乗るジジイは400年以上生きている宮本武蔵本人だった(刃は知らず)。雷神剣はムサシでも抜く事が出来なかったらしいが刃はあっさり抜いてしまう。資格はあったが器はまだ無かったという事で雷神の力に飲み込まれて暴走した刃をムサシが止め、雷神剣を使いこなす事が当面の目標となって次回へ続く。
サクッと進行。前述のように雷神剣の事を教えてくれる鬼丸の祖父が今作ではいないので、鬼丸は地下にあった古い文献から雷神剣の事を知るという流れに。また当初原作も風神に飲み込まれて鬼になった、雷神に飲み込まれて鬼になる(刃が暴走状態の時に自らを雷神と名乗る事もあった)…というような描写だったが、後年の展開(鬼丸が風神剣を手放した後も鬼のまま存在)を踏まえてか、誰もが持っている心の中の鬼を呼び起こされて鬼と化してしまう(=風神や雷神に乗り移られるわけではない)という設定も強調されていたような。ムサシがさらっと「怒り」もその要素の1つのように言っていたのでますます刃のやりすぎな非道行為や挑発が鬼丸を鬼にさせてしまったというのも強調される事に…。
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