7th ゲレンデがとけるほど恋したい
1995年12月1日
編曲:広瀬香美
「アルペン」CMソング、清水美砂・大沢たかお主演の映画『ゲレンデがとけるほど恋したい。』主題歌。イケイケだったアルペンはついに全編ニュージーランドロケで映画製作にも手を出したが、これっきりであった事や興行記録の情報が出てこない事、何より未配信どころかVHS止まりでDVD化すらされなかった事からもお察しな興行成績だったと思われる。VHSしか視聴手段がない以上、21世紀になって早い段階で視聴困難な状況と化して最早幻の映画である。広瀬香美と大沢たかおはこの縁で1999年に結婚したが2006年に離婚した。
前作の大コケで固定ファンが定着していなかった事が判明し、今作も「アルペン」タイアップをもってしても前年の半分以下となる初動3万台で初登場14位となり、これでブレイクの波は完全に去ってしまったかに思われたが映画が12月9日に公開された効果か、2週目に10位に浮上、7位→6位(合算週)と連続上昇、以降はトップ10から落ちたものの年内~年明けにかけての上昇推移で一定の存在感を示し、13週ランクインで38万枚のヒットとなった。当時は映画も一応それくらいの話題作ではあったようだ。メインキャストの若い男女4人は清水美砂、大沢たかお、西田尚美、鈴木一真だったようで4人とも有名俳優としてその後も一線級で生き残っているし、柏原収史も出ていたし、KenjiとしてDragon Ash結成前年の降谷建志はこの映画で芸能界デビューを飾っているだけにDVD化したらそこそこ需要ありそうなんだけど。
本格的に冬にシフトしてきてついに”ゲレンデ”がタイトルに登場もしたが、タイアップに合わせたのはタイトルだけ。冬の都会が舞台にはなっていて、実際の歌詞中には”ゲレンデが”の言葉は登場せず、”とけるほど恋したい”というフレーズも熱いハートの事である。冬の都会で恋が絶好調な事を歌っているのに何故こんなにゲレンデが見えるのか、タイトルに”ゲレンデ”があるだけでこうなるとは思えず、この声が冬を思わせるのか。制作サイドもこの辺りの事に気づき始めたのか、単に好評だったから連続起用ではなく冬の定番としてやっていこうという姿勢に変わってきたのもこの辺りからだろう。
“ゲレンデ”がタイトルにあるのもあって、筆頭代表曲の1つとして扱われているが、全盛期の売上の中で突き抜けたヒットではないため売上を知ると思った以上に低くて驚かれる事が多いシングルでもある。「ロマンスの神様」に匹敵するヒット曲とか少なくともゲッダン並(5,60万は売れた)くらいの感覚を持たれている感じはある。
元々は5分15秒程度の長さだったが、オリジナルシングルバージョンで収録されていたのは『Winter High!!~Best Of Kohmi’s Party~』が最後で、『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』からは5分6,7秒に短縮されたバージョンで収録されるようになった。元のバージョンでは最後のジャージャ~~~~が最後まで伸びて終わっていたが、短縮されたバージョンではこのジャージャ~がフェードアウト処理に変更されている。全体にもややリバーブ感抑えたり低音強くなったようにも聞こえミックス変更もしている…?
上が『SINGLE COLLECTION』、下が『THE BEST “1992-2018″』。何故2019年のベスト盤になって突如このような変更処理を施したのかは謎。
★★★★☆
1stベスト『THE BEST Love Winters』
3rdベスト『Alpen Best』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
6thベスト『Winter High!!~Best Of Kohmi’s Party~』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』(最後の1音フェードアウト)
8thベスト『WINTER TOUR 2020 “SING”+Live at Blue Note Tokyo』(最後の1音フェードアウト)
9thベスト『Kohmi30th』初回限定盤BOX SET(最後の1音フェードアウト)
ゲレンデがとけるほど恋したい(WHAT AN EXCITING MIX!)
1995年12月16日
From 5thアルバム『Love Together』
編曲:広瀬香美
ミックス変更されたアルバムバージョン。大半はほとんどシングルバージョンと同じだが、このバージョンはシングルバージョンを後年短縮したバージョンよりさらに短く5分2秒程度で終わってしまう。これはド頭のドラムが省略された仕様になっている事と、後年の短縮バージョン同様に最後のジャージャ~~~~の末尾をフェードアウト処理している事による。
ゲレンデがとけるほど恋したい 2016
2016年11月2日
from 13th(25周年記念)アルバム『25th プレイリスト』
編曲:TUBE
夏のTUBEと冬の広瀬香美奇跡のコラボバージョン。元々は1997年のカバーアルバム『Thousands of Covers Disc1』の1曲目でTUBE「シーズン・イン・ザ・サン」をカバーしたという縁があったが、2015年のTUBEの『Your TUBE+My TUBE』で曲提供依頼があり、広瀬香美が「おかげサマー」を提供してこれがアルバムの1曲目となった。「おかげサマー」へのお返しとして今作でのリメイクをTUBEが手掛け、これまた1曲目となった。
アレンジは「あー夏休み」のラテンテイストを導入したようなTUBEっぽいというか「あー夏休み」っぽい夏アレンジ。演奏はTUBEでボーカル前田はコーラスに徹しているが、歌詞中の彼氏のセリフとして「」表記されている2ワード、1番Bメロ「ちょっと太った?」、2番Aメロ「かぜひくよ」のみ前田単独ボーカルにするという細かい遊び心が炸裂している(前田さんに太った?って聞かせるのが高難度である)。季節が逆ながら意外と違和感のない面白いコラボレーションだ。
★★★★☆
ゲレンデがとけるほど恋したい(with 鬼龍院翔<ゴールデンボンバー>)
2021年1月27日
From 14thアルバム『歌ってみた 歌われてみた』
編曲:広瀬香美
ゴールデンボンバー鬼龍院翔をメインボーカルに迎えたバージョン。広瀬香美はピアノ演奏とコーラスに徹している。最後のサビで広瀬香美が単独メインで歌うパートもあるが、聞いたことないような低音キーで、鬼龍院翔にとってもあまり高くもないキーで普通に歌っているので曲本編にはあまり面白味は無い。代名詞である「女々しくて」の連呼をトレースしてイントロや間奏で“絶好調!絶好調!絶好調!”、“ゲレンデが!ゲレンデが!ゲレンデが!”を挟んでいるところに個性発揮を集中している。
★★★☆☆
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