YUI 20周年シングル回顧~2005-2012~

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高校時代にアルバイトで体調を崩して入院して退院後に中退、地元福岡にあった西尾芳彦(2025年没)主宰の「音楽塾ヴォイス」出身のビアンコネロの路上ライブを見て自身も入塾して指南を受け、2004年にソニーのオーディションに合格。大手スターダスト所属も決まり、いきなり月9主題歌でトップ10ヒットデビューという華々しいデビューを飾った。2作目以降やや低迷し、当時のソニー典型であるアニメタイアップ戦略も見られたがそれ以上に大型タイアップを次々と投入する作戦で聞かれる機会を徹底して増やしていった事で1stアルバムのヒットに繋げ、シングルもトップ10常連、ついには連続1位になるほど登り詰めた。

「音楽塾ヴォイス」や西尾芳彦の存在は後年の絢香や家入レオの初期に作詞作曲で西尾芳彦が提供しまくっていたので、初期代表ヒット曲の作者として広く西尾芳彦の名前と塾名が知れ渡るようになったが、YUIの場合は最初から作詞作曲が自作でプロデュースにもソニー側(現在坂道グループで知られている今野義雄がプロデューサーでクレジット)だったので当初は西尾芳彦がYUIを発掘したという話はマニアック過ぎて世間には知られていなかったはず。インディーズのシングルと1stシングル『feel my soul』のみプロデューサーとして参加していたが、2ndシングル以降は全く関与しておらず、1stアルバムのクレジットでは目立たない位置(下の方のArtist Managementの下)に”Artitst Development:Yoshihiko Nishio(Voice Company)”とひっそり書いてあるだけで2ndアルバム以降は消失していた。YUIの才能が早くに開花して曲提供する必要が無かったのもあるが、デビューの時点で事務所とレコード会社に全部持っていかれてしまい関わる余地が残らなかったというのもありそうだ(西尾サイドとしても絢香、家入レオではこの経験を生かしたともいえる)。

一方でそうした商業的なタイアップ依頼の連発やハイペースでの活動、イメージ戦略に伴う過度に制限のある日々に疲弊してか2008~2009年にかけて1度目の一時活動休止、早期に活動を再開するも結局2012年末をもってYUIとしての活動を終了してしまった。このため一般的に知られている活動期間は2005年~2012年となっている。

翌2013年にはFLOWER FLOWERのボーカルyuiとして再デビュー。当初はトップ10ヒットも放っていたが、2014年にはパニック障害により活動を縮小、2015年以降は結婚、出産(双子)、離婚、再婚、2人出産と続いたため寡作傾向となり、特にライブ活動に関しては行えない時期が長くなり、その間に世界変異に突入してますます活動できなくなってしまった。2020年からFLOWER FLOWERの新作も途絶えている。

2021年2月にはソロデビュー15周年を記念して(といっても完全に1年遅れで16周年のタイミングだったので世界変異の影響で後ろ倒しになったものと思われる)YUI名義を一時復活させ、YUI時代のセルフカバーをFLOWER FLOWERの演奏で行い、YUI名義でミニアルバム『NATURAL』を発売した。しかし初登場9位を記録して一定の懐かし需要は示したものの、あまり大々的にプロモーションされてなかった事や継続しての動きがなかったため、以前のようにあまり大きな話題にはならなかった。

2025.4~6新規執筆
4月末時点で完成間近になっていたがFIELD OF VIEW30周年回顧アップデートのため一旦中断してから完成
凄く若い頃の第1弾対談もなんかあるけどあまり参照はしていない

1st feel my soul

B000793EKW
2005年2月23日
編曲:鈴木Daichi秀行
フジテレビ系月9ドラマ『不機嫌なジーン』主題歌。竹内結子主演、相手役は内野聖陽。大学の研究室を舞台にしたラブストーリーで大学院生の竹内結子と研究者の内野聖陽の10歳以上年の離れたカップルが昔付き合って破局していたのが再会を機に内野聖陽側の猛アプローチで再度復縁するまでが描かれる…かに思われたが…。竹内結子と同世代の黄川田将也が完全にカマセポジションになり、紆余曲折ようやく竹内結子と内野聖陽が思いを通じ合わせたかと思ったら研究者になるために再破局を選択する超絶な直角ターンをぶちかまし、エピローグでは涙を流しているというラストで視聴者を唖然とさせた。現在だったら女性が仕事か結婚かどっちかしか選べないという結末だけで袋叩きになりそうなオチだった。最終回にかけて視聴率が落ちて行って全く盛り上がらなかったが、それでも新人シンガーソングライターがいきなり月9主題歌起用という大型新人感溢れるデビュー、Mステに出たたと思ったら普段のスタイルだというあぐら弾き語りでの楽曲披露のインパクトもあっていきなり初登場9位、最高8位のトップ10ヒットを記録。早速10万越えのヒット作となった。

演奏はアレンジャー1人オケ制作+本人もギター演奏(アレンジャーにもギター表記あり)。コンパクトにまとまったギター中心のライトなサウンドで聞きやすい。アコースティックギター主体の平メロからサビで広がっていくような開放感が気持ちいい。最良のデビュー作にしていきなり出来が良すぎて個人的にこれを越える曲というと案外数えるほどしかないような印象もある。
★★★★★
2ndシングル『Tomorrow’s way』C/W(YUI Acoustic Version)
1stアルバム『FROM ME TO YOU
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP
セルフカバーミニアルバム『NATURAL』(セルフカバー)

2nd Tomorrow’s way

B0009J8HCU
2005年6月22日
編曲:鈴木Daichi秀行、strings arr:弦一徹ストリングス
映画『HINOKIO』主題歌。14歳での本郷奏多初主演作、2番手にブレイク前の多部未華子となっているが、映画のメイン画像では明らかに多部未華子が主演のように大きく映し出されている(この時だけ異様に短髪で少年のような風貌だったので当時でもちょっと誰だか分からない)。さらに堀北真希もチョイ役で出ていた。小学校6年生の設定だったが、既にキャスト陣は中高生であった。あまり話題にはならずヒットもしなかったため、月9主題歌の前作からはさすがに格落ち感は否めず、初登場15位。トップ10常連にはなれなかった。今作よりC/Wには新曲1曲と前作のYUI Acoustic Versionと題したアコースティックバージョンを収録するのが恒例となった。

前作同様に演奏はアレンジャー1人オケ制作+本人もギター演奏(アレンジャーにもギター表記あり)。加えて弦一徹ストリングスが割と大きめに入っているバラードナンバー。初期のYUIのイメージそのままである夢への思いをストイックに綴った強いバラード。“叶える為 生まれてきたの”のサビ頭が強いし、デビューしてある程度成功して時間が経ってからだと説得力が無くなってくるので(身も蓋もないがデビュー5年とか経って成功してる状態でこれ歌われてもいや叶ってんじゃん…ってなる)この時にしか書けなかった究極の1曲だと思う。タイトルが間奏明けのサビでの1回(Tommorow’s way of life)しか出てこなくて、“叶える為 生まれてきたの”の曲と認識されていたのでしばらくタイトルと一致しなかった。
★★★★☆
3rdシングル『LIFE』C/W(YUI Acoustic Version)
1stアルバム『FROM ME TO YOU
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

3rd LIFE

B000B9F2YO
2005年11月9日
編曲:northa+
アニメ『BLEACH』エンディング。ここでソニーお得意のアニメタイアップを持ってきて初登場8位と2度目のトップ10入り。northa+とは鈴木Daichi秀行の変名であり、何故か今作よりYUIにおいては名義を変更した。C/Wは変更前だったのか2曲とも鈴木Daichi秀行のままになっている。1stアルバムを聞いた時は途中で新しいアレンジャーに変わったのかと思っていた。

前2作と違い1人オケ制作ではなく、ベースとドラムのサポートメンバーが招かれた通常の生バンド編成。”子供の頃に戻るよりも今をうまく生きてみたいよ”とか”カンタンに行かないから生きてゆける”とか大人になっていくにつれて生きにくさを感じる中でもこの都会でがきながら前に進んでいこうとする思いが歌われたいわゆるライフソング。初期YUIのパブリックイメージそのままの歌詞、キメの部分でアコースティックギターを生かしつつもエレキギター主体のロック的なサウンドのアップテンポで流れるように聞ける1曲。ただ前2作ほどメロディーの強さが無く、サビも流れていく感じなのでフレーズで引っかかる部分はあるものの意外と覚えにくい。タイアップ効果でヒットはしたもののあまり初期の代表曲のような扱いにはなっていないし、『BLEACH』タイアップなら後の「Rolling star」のイメージの方が強くなった印象。
★★★☆☆
4thシングル『TOKYO』C/W(YUI Acoustic Version)
1stアルバム『FROM ME TO YOU
1stベスト『GREEN GARDEN POP

4th TOKYO

B000CPGWPA
2006年1月18日
作曲:COZZi、編曲:YUI&COZZi、strings arr:Ikoman,岡村美央
上京時の思いを綴ったパーソナルな楽曲。デビュー前にいくつか聞いていた他者のデモ音源の中でCOZZiによるデモとノートにメモしていた上京のときの気持ちや感情がリンクしたためその場で歌詞をつけて弾き語りレコーディングしたとされる。作曲が提供でアレンジが連名になっているのはこのためと思われる。パーソナルな曲だったからなのか不明だが、アルバム先行シングルでもあったためかタイアップ無しでリリースされた。不利な条件の中で初登場15位を記録。ソニーアニメ典型パターンではアニメでトップ10入りしても全く定着せずにアニメじゃないと彼方へ吹き飛んでしまうケースも多かっただけにしっかりファンをつけて大健闘といえる。

初期YUIのストイックに夢を追っているイメージの集大成的なアコースティックナンバー。ほぼ弾き語りのように聞こえるシンプルなサウンドだが、YUIだけでなくCOZZiもギター、ベース、プログラミングを担当しており、簡易な打ち込みリズムも入っており、サビ終わりにIkomanによるピアノ演奏、最後のサビでストリングスも鳴りだしたりと意外と参加者が多い。シングルには地味な曲だがドキュメントのような歌詞もあってどこか特別な響きをもっていてシンプルだけど響く

次回作C/WでのYUI Acoustic Versionは制作されていない。
★★★☆☆
1stアルバム『FROM ME TO YOU
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

5th Good-bye days

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2006年6月14日
編曲:松浦晃久
“YUI for 雨音薫”名義。自身主演映画『タイヨウのうた』主題歌。相手役は塚本高史。なんと映画主演デビューという一大展開となり、映画もヒットし、初登場3位24万枚自身最大ヒットシングルとなった。『世界の中心で、愛をさけぶ』『いま、会いにゆきます』などに代表される映画→キャスト変えた連ドラの当時のTBS黄金ヒットパターンが発動したが、元々映画版は中規模の公開でそこまでヒットを想定しなかったのが想定外のヒットになったもので、なんと1ヶ月でドラマ版が始まるという連続展開だった。連ドラ版は山田孝之主演、沢尻エリカが2番手扱いだったが、沢尻エリカが役名のKaoru Amane名義でタイトルもそのままな「タイヨウのうた」を発売、50万近い大ヒットとなり、『タイヨウのうた』のイメージをほとんど持っていかれてしまった。今作も初々しいYUIの好演と曲の良さで残りはしたものの、YUIの最大ヒット作というよりもKaoru Amaneの半分程度という印象が残ったのか、YUIの筆頭代表曲としては「CHE.R.RY」「Rolling star」の方が印象強く残った感じはある。

確か連ドラを先に見てもうこういうのいいよ…と思って映画版はすぐにレンタルして来なくて少し後追いで見た。映画版を監督した小泉徳宏は監督デビュー作で塚本高史と2歳しか離れていない20代半ばの若手監督だった。演技未経験のYUIの初々しさと若い監督によるフレッシュな感性によるものか、世界の中心で愛を叫んでからやたら流行った症状を都合よく改変したような難病モノのベタな涙の展開である事は映画もドラマも同じではあった。ただ雨音薫の死という悲しい結末を迎えるという決まった結末に対してドスレートに派手に泣きの展開というベタベタなドラマ版に対して、映画版は悲劇性を強調せず爽やかな青春映画色が強くて残された塚本高史らが薫の遺志を胸に前を向いて生きていく終わり方も演出が全体に良かった記憶がある。そして売上ではダブルスコアの大差だったが、雨音薫の歌として好印象だったのも今作だ。“かっこよくない優しさに会えてよかった”というのはまさに塚本高史が演じた孝治のキャラクター端的に示したフレーズで、映画を見た人なら確かに薫から孝治への歌だと分かると思う。

映画に合わせてかは分からないが、ストリングスよりもシンプルなギター、ベース、ドラムの演奏が中心に置かれていて2番以降ストリングスも盛り上がるがだいぶ抑えめ。このバランス感覚も良かった。ストバラの時代だともう最初から流麗にストリングスがバックで鳴ってて終盤にはド派手にストリングスのラインがサウンドを覆いつくして大感動バラードに仕立てる事も出来たんだろうけど、その点はそれ系のアレンジャーを起用していなかったのが良かった。
★★★★★
6thシングル『I remember you』C/W(YUI Acoustic Version)
2ndアルバム『CAN’T BUY MY LOVE
1stベスト『GREEN GARDEN POP
セルフカバーミニアルバム『NATURAL』(セルフカバー)

6th I remember you

B000HOJSPC B000HOJSPM
2006年9月20日
編曲:northa+
売上は下げたが初登場2位を記録し、最高位は更新。タイアップ無しでも1stアルバムと前作のヒットでシングルトップ10常連クラスへとランクアップした。

映画『タイヨウのうた』で塚本高史演じる藤代孝治がYUI演じる雨音薫の事を思い出すような視点で描かれた映画のアフターソング的な内容。正式なタイアップでは無いため扱いとしてはノンタイアップとなる。MVは映画を監督した小泉徳宏が手掛けていたのもあってか初の初回盤DVD付となりMVを収録。以後恒例化するかと思いきや、この後は初回盤ありなしが交互に続く謎ムーブとなった。なお前述のように2位だったが1位はドラマ版のKaoru Amane「タイヨウのうた」であった…(2位→1位→2位→からの返り咲き1位、7000枚差)という偶然だった。エリカ様ェ…

さらっとしたミディアムナンバーでやや地味目なんだけど何故かこの地味な雰囲気のサビが心地よくて2ndアルバムで聞いて妙に気に入った記憶がある(初回対談(2008年)でもなんかそんな事を言っているのが残っている)。今聞くと素直に「Good-bye days」の方に強さを感じるな。今作はあくまでその後、どっぷり浸かった一連の『タイヨウのうた』プロジェクトへの1つの区切りという意味合いが強かったように思う。孝治の目線というのもさらにその上にYUIの目線があるような感じ。
★★★☆☆
7thシングル『Rolling star』C/W(YUI Acoustic Version)
2ndアルバム『CAN’T BUY MY LOVE
1stベスト『GREEN GARDEN POP

7th Rolling star

B000KHX6MM
2007年1月17日
編曲:northa+
アニメ『BLEACH』OP。初登場4位だったが売上16.9万枚で2番ヒットを記録した。YUI単独名義では今作が1番目となる。次回作と同等の売上(16.9万枚は同じ)だが今作の方がわずかに高い。1種発売に戻った。

これまでアコースティックギター弾き語りを基本にバンドサウンドを装飾したようなイメージのシングルが続いていたが、今作でエレキギターを持ってのパフォーマンスとなりロック色を前面に出してきた。とはいえ1stアルバムの時点でジャケットやブックレット写真で掲げていたのはアコギではなくエレキだったし、本人もインタビューで今作は『FROM ME TO YOU』の収録曲の候補にも挙がっていたくらいでここに来てロックモードになったという感覚ではないと語っていた。シングルでロック色の強い曲を出さなかったというだけで戦略的なものだったようだ。

アレンジャーnortha+がギターでベースとドラムのサポートを入れた生バンドでこの時代には珍しいわずか3分10秒で駆け抜けていくシンプルなロックナンバー。ストレートにカッコいい。ロック色は増したがストイックなイメージはより強くなるようなイメージを増強したような1曲だったと思う。今作からの次回作への振れ幅が凄い。
★★★★☆
8thシングル『CHE.R.RY』C/W(YUI Acoustic Version)
2ndアルバム『CAN’T BUY MY LOVE
1stベスト『GREEN GARDEN POP
セルフカバーミニアルバム『NATURAL』(セルフカバー)

8th CHE.R.RY

B000M7XSK0 B000M7XSKA
2007年3月7日
編曲:northa+
au『LISMO』CMソング。着うた全盛期の携帯電話向けの配信サービス(スマホではない)で、このタイアップになるとCMの大量OAでそのCMが半ばPVのサビ部分を流すのに等しい状況だったためタイアップ効果抜群で着うた中心で大ヒットするという一時的ながら最強クラスの大型タイアップとなっていた。初登場2位、売上は前作と同じながらわずかに下回る3番ヒットだったが今作の方がロングヒットした。記録上は3番ヒットだが現在はダントツの代表曲になっていると思われる。枚数が大きく伸びなかったのは着うたに相当持っていかれたのもあるが、アルバム1ヶ月前先行シングルだったのが響いたと思われ、アルバムは70万枚に迫るダントツ最高ヒットを記録している。再び初回盤DVD付を発売。

ラブソングもあるにはあったが、夢を追いかけるストイックさが前面に出ていて基本的に真顔か厳しい表情をしていたのが、今作では思いっきり初々しくかわいらしいラブソングで柔らかな雰囲気になり微笑を浮かべているようなイメージに転換。春のイメージで爽快なメロディを書いて”恋しちゃったんだ”っていうフレーズが付いたことですごく可愛らしい曲になったと語っていた。同系統の路線を全くやらなかったのでそんなに本意ではなかったと思われるが、『タイヨウのうた』での初々しさとは重なる部分もあるし、今回は思いっきりポップに振り切ってみようという戦略的側面が大きかったと思われる。当時一般化してきていたいわゆる“ギャップ萌え”というやつだったのではないか。主に当時の学生男子を魅了してアイドル的な人気も増したような感じはあった。YUIの楽曲の中では最も耐用年数が長く、けっこうカバーされているし、世代じゃなさそうな後年のアイドルが企画やカラオケ等でも普通に歌えていたり(2023年に番組企画で乃木坂46の岩本蓮加がサビを普通に歌いきっていたが発売当時3歳である)と同性ウケもかなり高そうな印象。
★★★★☆
9thシングル『My Generation/Understand』C/W(YUI Acoustic Version)
2ndアルバム『CAN’T BUY MY LOVE
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP
セルフカバーミニアルバム『NATURAL』(セルフカバー)

9th My Generation/Understand

B000PISZS6
2007年6月13日
初の両A面シングル。2ndアルバムの最大ヒットから初登場1位となり、シングル初の1位を記録した…が、売上は13.5万枚で前2作を下回り、ピークアウトの兆候となった。またしても1種発売に戻った。

My Generation

編曲:northa+
内山理名主演ドラマ『生徒諸君!』主題歌。元は70年代後半~80年代前半に連載された漫画で80年代に映画化、ドラマ化、アニメ化と一通りのメディア展開をしていた作品だったが、2000年代になって生徒だった主人公が教師になった続編『生徒諸君!教師編』の連載が開始されていて、今作は『生徒諸君!』のタイトルだが教師編を原作としている。…が相当改変されていたのか“原作”表記が5話から”原案”表記に変わったという。テレ朝金曜21時枠というあまり数字の取れない枠だったのもあるが視聴率は終始一桁だった。

2ndアルバムではベース、ドラムを招いた生バンドサウンドが増加していたが一転して今作から3rdアルバムにかけてはほぼアレンジャー1人オケ制作になってしまった。今作もnortha+がギターベースプログラミング+YUI本人のボーカルとギターと2人だけで制作されている。売れたのに何故こんな省エネになってしまったのかは謎だが、サポートメンバーを呼んでバンドレコーディングする暇もないほど忙しくなり、アレンジャーがほぼ仕上げてきたオケにYUIがギターと歌入れだけすれば完パケという効率性を優先したのだろうか。一応ドラム打ち込みでベースは生ではあるがなんともコンパクトでインスタントにまとまったロックバンドサウンドになってしまったのは正直残念。

曲自体は「Rolling star」に続くアップテンポなロックナンバー。学園モノのドラマ主題歌だったためか、学生目線での夢追いという当時のYUIに期待された方向性で仕上がっている。ただ10代にして既に成功者となり、学校生活からも離れていたYUIのリアルタイムな心情ではなく歌詞中に“Sixteen My Dream”とあるように16歳当時の感情を思い出すような視点で描かれている。もう夢を追いかける事自体がリアルタイムではなくなってきてしまったというミュージシャンとして一定の成功を収めたリアルタイムなYUIが反映されたともいえる。タイアップとして必要なら現在進行形の夢追い10代目線の決意の曲で良かったと思うんだけど、そうしなかったところに“制服脱ぎ捨てた16のアタシに負けたくはないから”とも歌っているような夢を追っていた自分はもう過去として夢を叶えた後の先へ進もうとしている決意が込められているのかもしれない。
★★★☆☆
10thシングル『LOVE & TRUTH』C/W(YUI Acoustic Version)
3rdアルバム『I LOVED YESTERDAY
1stベスト『GREEN GARDEN POP

Understand

編曲:northa+
竹内結子主演映画『サイドカーに犬』主題歌。そんなに話題作ではなかったようなあまり公開された事も記憶にない映画だったが、今作で竹内結子は多くの賞を受賞するなど評論家ウケはいい映画だったようだ。northa+による1人オケ+YUI本人のギター+四家卯大ストリングスという編成。

ゆったりしたアコースティックバラードナンバー。ストリングスも入っているが、派手に盛り上がる事も無くあまりシングル曲っぽくない。C/Wやアルバムにするっと入ってそうなかなり地味な1曲。

次回作C/WのYUI Acoustic Versionは「My Generation」だけで今作は制作されず、3rdアルバムに収録されず、C/Wを集めた『MY SHORT STORIES』に収録されていたが、休止前のベスト盤『ORANGE GARDEN POP』には収録された。今作は当時シングル盤でも聞いていたはずだが全く覚えておらず、『MY SHORT STORIES』『ORANGE GARDEN POP』で聞いた際もそれぞれ初聞きのような感覚で覚えておらず…といった感じで全く印象に残っていなかったのですっかり忘れてしまっていた。
★★★☆☆
C/Wベスト『MY SHORT STORIES
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

10th LOVE & TRUTH

B000UZ4F4M B000UZ4F4W
2007年9月26日
編曲:northa+
初回盤DVD付があったりなかったり交互に繰り返していたが今作より初回盤DVD付、通常盤の2種発売で固定。2作連続の初登場1位、前作を1万上回る14.5万枚で5番ヒットとなった(当時4番)。

沢尻エリカ主演映画『クローズド・ノート』主題歌。『タイヨウのうた』ドラマ版主演だった沢尻エリカの主演作のタイアップというのは狙ったのかなんなのか…。その主演様が映画の舞台挨拶で不機嫌全開な態度で「特にないです」「別に」と返答したのが“別に”騒動として大きく取り上げられ即座に謝罪したものの、ワガママ女王様イメージが定着するなど清純派新人の沢尻エリカがエリカ様へのトランスフォームした大きな転換点となり別の意味で話題作に。なお映画を見た観客からは実際に「(感想は)特にない」「一言で言うなら”別に”」といった感じの発言通りの何でもない凡作だったとする声も少なくなかった。

今作ではnortha+とYUIが担当しているギターにさらにもう1人ギターサポート(古川昌義)を招いているなど謎にギター3人体制にしていてドラムも生(そうる透)だがベースは打ち込み+四家卯大ストリングスという編成。大ストバラ時代の中ではかなりライトなストバラではあるがこれまでの中ではストリングスもやや強め。加えてこれまでよりも重めのラブバラードとなっていてなんか急に大人びて愛を歌い出したのでちょっと驚くレベルで急成長した感じもある。春には初々しく”恋しちゃったんだ”とかかわいらしい曲歌ってたんだぜ?わずか4ヶ月後には””あいのうた”を聴かせてよ”と愛と真実に迫ろうとするなんて…前作で夢追いの10代路線に早々にピリオドをつけて次のステージに入った感じはある。”別に”騒動の印象の方が強く残っていて曲自体は重くてちょっと苦手だなという感じでシングル単位で聞くのは止めてしまうくらいには当時イマヒトツだった印象で今聞いてもどこかしっくり来ない。
★★★☆☆
11thシングル『Namidairo』C/W(YUI Acoustic Version)
3rdアルバム『I LOVED YESTERDAY
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

11th Namidairo

B00127ISUY B00127ISV8
2008年2月27日
編曲:northa+
初登場3位と後退したが今作も10万枚を突破。次回作C/Wの恒例YUI Acoustic Versionがこの後のアルバム曲「Laugh away」になってしまったため今作のYUI Acoustic Versionは制作されなかった

夏帆主演テレビ朝日系ドラマ『赤川次郎ミステリー 4姉妹探偵団』主題歌。原作小説の『三姉妹探偵団』シリーズ(1998年に日テレ土曜9時枠で『三姉妹探偵団』として放送された事がある)を何故か1人増やした新たなるドラマ化だった。1993~1996年までシリーズCM展開していた「ポッキー四姉妹物語」が1995年に映画『四姉妹物語』として原作の要素を混ぜ込んで制作された事があったため、原作と過去の映像化の前例から4姉妹でもありだという事になったのかもしれないが、夏帆、中越典子、加藤夏希、市川由衣と4人もいる必要が無く、事件を解決するのは夏帆だったので3人の姉はほぼセットで描かれる事が多く、完全に持て余していてかなり謎な設定のドラマだった(原作だと夏帆が演じた役は真ん中の次女なのに末っ子になってたので姉3人もいるのが全く機能してないっていう)。

northa+がギターベースプログラミング+YUI本人のボーカルとギター+四家卯大ストリングスという編成。アコースティックバラードナンバー。連続して暗めのラブバラードとは一気に変わってしまったなぁ…という感じでピンと来ない状態が続いたので、ドラマは見てたけど今作はレンタルスルーして3rdアルバムでちゃんと聞いた。前作に続いて失恋ソングではないが順調でもない現在進行形の恋愛に苦しんでいる感じの歌詞なのでまあ切なくしかならない内容ではある。「CHE.R.RY」からの2作連続でこれって悪い男に引っかかったのかみたいな感じの苦しいラブソングが続いたのは何故なのか。今作に関してはタイアップが後付け感があり、ライトな推理ドラマと内容全く関係なかったし。ただ書き下ろしでもなく、デビュー当時のデモテープから作り直した曲と紹介されていたのとそもそも曲自体はフィクションであり、当然ながら当時悪い男に引っかかっていたわけではないだろう。むしろ夢追いイメージと「CHE.R.RY」イメージからとっとと脱却したかったのが本音か。
★★★☆☆
3rdアルバム『I LOVED YESTERDAY
1stベスト『GREEN GARDEN POP

12th SUMMER SONG

B001A4MN3W B001A4MN3M
2008年7月2日
編曲:northa+
夏のCMタイアップでもありそうなものだったがノンタイアップ。3rdアルバム『I LOVED YESTERDAY』リード曲だった「Laugh away」の続編ソングとされており、C/WのYUI Acoustic Versionも前作「Namidairo」ではなく「Laugh away」だった。今作リリース後、8月末に制作に専念するためとして活動休止を発表。メディアでは“リフレッシュ休暇”とも表現されたが、11月には置き土産的にC/W集『MY SHORT STORIES』を発売し、秋に開催が予定されていたFCツアーの中止やFC新規入会と継続受付を停止するなど本格的な活動休止となった。今作は復帰後の4thアルバムに収録されたがその際は何故か表記が「Summer Song」に変更されている。

重いラブバラードから一転して逆に何も考えて無さそうな夏休み楽しみランランラン(超・超訳)というこれはこれで呆気にとられるほどドスレートなサマーソング。てかタイトルもそのまますぎる。あまりにもそのまますぎて逆にあの夏タイトル曲を大量に抱える夏バンドTUBEが手を出していないタイトルそれが「SUMMER SONG」なのであった…。

安定のnortha+がギターベースプログラミング+YUI本人のボーカルとギターの2人編成。今作は軽快さがうまく作用していてもう何も考えずに夏に聞いて夏を楽しもうっていうそんなザ・夏の歌になった。暑さを忘れさせてくれるような清涼感溢れるアコースティックギターも良い。大人になって夏休みが無くなっても夏休みが始まるあの子供の頃のワクワクを思い出してみんなで“lan la lan la~♪”それでいいんじゃないだろうか。

ただこんな軽快さと裏腹に本人マジ休業するほど休みたがってたと考えると少し…この曲の意味合いが…。
★★★★☆
13thシングル『again』C/W(YUI Acoustic Version)
4thアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN』(「Summer Song」表記だが曲に変更なし)
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP
セルフカバーミニアルバム『NATURAL』(セルフカバー)

13th again

B0021MFCCG B0021MFCCG
2009年6月3日
編曲:近藤ひさし
アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』OP。3月26日に活動再開を発表。FCまで休止させた割には意外と早い再開宣言となり、再開発表直後の4月5日からアニメのOPとしてOAされていた。満を持しての初回OAから2ヶ月での発売となり、初登場1位、売上16.4万枚で4番ヒットとなるなど復活作らしい結果を残した。

休業中にはステレオポニーが拠点にしていた沖縄のスタジオでセッションを行い曲提供まで行うなど(4月22日発売「I do it」)していた。制作に専念するためとも言っていたためか、本当に休んでいた期間はそんなに長くなく、実際にはかなり早い段階で水面下で動いていたと思われる。表舞台の活動が無いだけで実際はあまり休んでいなかったのではないか。曲提供した縁でステレオポニーのSHIHOがドラムを担当。またデビュー当初から関わってはいたが直接編曲に参加していなかったプロデューサーの近藤ひさしが自ら編曲も手掛けるようになった。3rdアルバム期のnortha+体制はほとんど1人オケ制作の打ち込みばかりだったが、今作では近藤ひさしはプログラミングのみ、アレンジャー以外のギター、ベース、ドラムと1楽器1人ずつサポートが呼ばれている。これまでよりガツンとしたバンドサウンドに聞こえるのは気のせいではない。

活動再開と原点を思い出そうとするような歌詞の内容はあかさらまにパーソナル全開であまりアニメタイアップで書かれた曲には聞こえない。サビ頭にわざわざ“叶えるために生きてるんだって”「Tomorrow’s way」のサビ頭”叶える為 生まれてきたの”と類似したフレーズを置いてあるところからして、あの頃の思いを再確認しようとしているようだが、その前には“あの頃みたいにって戻りたいわけじゃない”という言及もしているように、戻りたいわけではないが夢を叶えるためにストイックに音楽に挑んでいたあの頃と売れて変わってきてしまった環境の中で次にどこへ進もうかもがいている混沌とした様子がそのまま出ているのかなと。”どうやって次のドア開けるんだっけ?考えてる?”とか”もう引き返せない”とか答えが出ないまま始めるしかない焦燥感も感じられ、同時にそんな状況を”懐かしくなるこんな痛みも歓迎じゃん”と楽しもうとしている様子もあるがちょっとヤケクソ感もある。この後3年でYUIの活動を撤退してしまっただけに、こんな状況ならそんな早く再開しなくても良かったのではないかとも思わなくもない。
★★★☆☆
14thシングル『It’s all too much/Never say die』C/W(YUI Acoustic Version)
4thアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN
1stベスト『GREEN GARDEN POP

14th It’s all too much/Never say die

B002IUBGVC B002IUBGVW
2009年10月7日
2度目の両A面シングル。同じ映画の主題歌/挿入歌となった。3作連続の初登場1位、11万枚の売上。ここからはタイアップはあまり関係なく安定期(ややジリ貧で徐々に10万を割り込む)が続く。

It’s all too much

編曲:近藤ひさし
映画『カイジ 人生逆転ゲーム』主題歌。前作に続いてどうすればいいのかかなりもがき苦しんでいるようなゴチャゴチャした感情がそのまま歌になったようなロックナンバー。前作でも”次のドア”と歌っていたが今作でも“次の場所へと進んでいたい”と歌っていて、次へ向かいたいという思いがありながらもどうすれば次に行けるのか、そもそも”次”とは何なのかで相当もがいていたんじゃないかと思う。前作同様に以前よりロックバンド感が増したサウンドはカッコいいんだけど、迷いが強すぎるせいかシングルらしいキャッチーさが無く印象に残りにくい。1位は取ってるんだけどここまでのシングルで初めて当時のシングルヒットの印象が無く、未だにパッと浮かんでこない曲の1つ。
★★★☆☆
15thシングル『GLORIA』C/W(YUI Acoustic Version)
4thアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN
1stベスト『GREEN GARDEN POP

Never say die

編曲:e.u.Band & 近藤ひさし
映画『カイジ 人生逆転ゲーム』挿入歌。映画の挿入歌というとまあアコースティックなバラードだろうと思うし、過去の両A面もそんな感じだったので今回もおとなしい曲だろうと思ったら2分45秒で駆け抜けるライブ感全開の爽快ロックナンバーだった。編曲に参加しているe.u.Bandというのは復帰以降のライブサポートバンドの名称のようだ(ユイ→逆にするとイユ→イーユーバンド?)。今作の方が思いっきり吹っ切れていて“やんなっちゃうけれどいい事あんのも人生 そうやって続けんだ”とくだけた調子で前向きに爆走していく(“嫌になっちゃう”ではなく”やんなっちゃう”と書かれている)ので明るい雰囲気。今作をもっと前面に出しての両A面でも良かったんじゃないだろうか。挿入歌よりもなんか痛快・爽快系のCMソングでかかっていたらもっと馴染んだヒット曲になっていたかも。

扱いは前回の両A面2曲目「Understand」と同じでYUI Acoustic Versionは制作されず、オリジナルアルバムにはスルーされ、C/W集は出てしまったので『ORANGE GARDEN POP』がアルバム初収録。
★★★☆☆
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

15th GLORIA

B002UGMFWS
2010年1月20日
編曲:近藤ひさし
「進研ゼミ高校講座」CMソング。4作連続の初登場1位、10万枚越えと安定した売上を記録した。

今作も未来に向かってもがく若者目線だが、初期のイメージに回帰したというか目指しているのは”GLORIA”=栄光と比較的ハッキリしていて前2作のように夢が叶った後に何を目指せばいいのかも分からなくなっている様子ではない。また冒頭からのAh Ahパート(表記無し)やサビの”ユメじゃないやいやいやいやい”などインパクトのあるフレーズによって復帰以降の楽曲の中では最も耳に残りやすい。『HOLIDAYS IN THE SUN』収録のシングルの中では休止前の「Summer Song」と並んで2トップでシングルヒットとして記憶されていた。セルフカバーミニアルバム『NATURAL』収録曲の中ではこの曲が最も新しい曲だった。売上で見ると特に抜けているわけでもなく完全に横一線だったのが意外。
★★★★☆
16thシングル『to Mother』C/W(YUI Acoustic Version)
4thアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP
セルフカバーミニアルバム『NATURAL』(セルフカバー)

16th to Mother

B003DRVHBS B003DRVHDQ
2010年6月2日
編曲:近藤ひさし
今作まで5作連続1位(通算7作目)となり、アルバム『HOLIDAYS IN THE SUN』は収録5シングル全て1位、アルバムも1位となった。ただアルバム1ヶ月前先行シングルでもあったためか久々に10万割れとなり、1位もこの後は20th1作のみ。プロモーション的に有利な母の日に向けてのリリースではなく、何故か過ぎ去って約1ヶ月後という逆に1年で最も母の日が遠いタイミングでのリリースとなったため、レコチョクの「母の日に贈りたいうたランキング」で2位になったのは翌2011年であった。

近藤ひさしになってからギターベースドラムをしっかり招いたバンドサウンドが展開していたが、今作ではギターサポートが招かれず近藤ひさしがギターとピアノを自ら演奏、ピアノメインのアレンジとなっている事もあり、ジャケットやMVではなく初めてギターではなくピアノパフォーマンスをしているがクレジット上ではYUIはピアノもギターも演奏せず今作では歌のみに徹している

母への思いを綴ったバラードだが、“あなた”と歌いかけており、タイトルが違えば母親以外でも適用できそうな”大切な人へ”向けたような内容になっている。ややC/Wやアルバムの良曲といった感じであまりシングルとしてヒットしていた印象が無くあまり覚えてない曲の1つ。もっとベタに母感謝バラードになっていたらもっと一般ウケしたかもしれないが、ベタに走らないこの辺りがYUIらしい部分か。

恒例YUI Acoustic Versionは制作されず、次回作C/Wには2ndアルバム『CAN’T BUY MY LOVE』収録曲「How crazy」を引っ張ってきてYUI Acoustic Version化している。
★★★☆☆
4thアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

17th Rain

B0044R87AA B0044R87AK
2010年11月24日
編曲:近藤ひさし
初登場2位となり連続1位が途切れた。松雪泰子主演フジテレビ系ドラマ『パーフェクト・リポート』主題歌。フジテレビがTBS『日曜劇場』に真っ向勝負を挑んだ日曜21時枠に新設したドラマ枠の第1弾。見事なまでの砕け散りっぷりで終始一桁、最終回で5%割れ(全話最低)と大コケした。同枠は翌年春クールで『マルモのおきて』というヒット作を生み出し、TBS『日曜劇場』枠といい勝負を繰り広げられる作品も生まれていったが、2013年冬クールを最後に早急に枠撤退の英断となった。

ギターベースドラムだけでなくピアノのサポートも入れたバンド編成。ロック色強めのダークな雰囲気のアップナンバー。ここに来て失恋ラブソングで一気に作風を変えてきた。クリスマスが舞台になっているが、夜更け過ぎに雪に変わる事無く雨が降り続けている”アナタハコナイ”ひとりきりのSilent Nightという「クリスマス・イブ」の女性バージョンみたいな内容になっているのは意図的なのだろうか。報道局を舞台にしていたドラマの内容とも全く関係なさそうだし…。
★★★☆☆
18thシングル『It’s My Life/Your Heaven』C/W(YUI Acoustic Version)
5thアルバム『HOW CRAZY YOUR LOVE
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

18th It’s My Life/Your Heaven

B004D6PZFW B004D6PZ48
2011年1月26日
3度目の両A面シングル。初登場3位となったが売上は前作と同等。今作の初回盤DVDには「Your Heaven」のMVと関連する「Yui In Sweden Movie」しか収録されず、「It’s My Life」は次回作初回盤DVDに収録された。これにより次回作以降は前作のMV収録に切り替わった。

It’s My Life

編曲:近藤ひさし
ユーキャン2011年度キャンペーンCMソング。新年に習い事を始めようぜ!とばかりに年明けにCMが集中的にOAされるので当時は割と耳にする事は多かったかも。

ブラス風の華やかな音色も聞こえるが基本生バンド編成しかクレジットされていないのでブラス風の打ち込み(近藤ひさしのProgrammingに該当)のようだ。物凄く軽やかな応援歌で“きっと大丈夫”とひたすら明るく背中を押してくれるというザ・J-POPの応援歌。あえてそこは極力避けてきていたようなJ-POP的応援歌に何のひねりもなくドストレートに飛び込んできた辺り、明らかに何か変わった感じはする。キャッチーで聞きやすい曲ではあるが、カリスマとして絶対的なYUI像を抱いているコアなファンは逆に違和感を抱きそうなほど。このままこの路線で問題なく進んでいくなら大人になって変化して受け入れらられるようになったのかという話ではあるんだけど、翌年にはYUI名義終わらせちゃうからなぁ…。
★★★☆☆
19thシングル『HELLO〜Paradise Kiss〜』C/W(YUI Acoustic Version)
5thアルバム『HOW CRAZY YOUR LOVE
2ndべスト『ORANGE GARDEN POP

Your Heaven

編曲:近藤ひさし
SONYウォークマン PlayYou.「キミの知らない音project」CMソング。

これまでの両A面2曲目同様に1曲目に比べるとさらっと流れていってあまり印象には残らないが一応生バンド編成で爽やかなミドルナンバー。誰に歌っているのか、どうも具体的な誰かがいそうなんだけど初回盤DVD「Yui In Sweden Movie」でドキュメントにもなっているようにタイアップのプロジェクトもあってスウェーデンを訪れた際に制作された曲のようで現地で見た風景も歌詞に反映されている模様。その世界観がどこか『魔女の宅急便』っぽい部分もあり、過去インタビューで『魔女の宅急便』を好きな映画として語っていた事もあるので、具体的な誰かというよりその辺りを重ね合わせて制作されたのかもしれない。

前2回と同様に今回もYUI Acoustic Versionは制作されず、オリジナルアルバムにはスルーされ、C/W集は出てしまったので『GREEN GARDEN POP』がアルバム初収録。
★★★☆☆
1stベスト『GREEN GARDEN POP

19th HELLO~Paradise Kiss~

B004U7LKHG B004U7LKE4
2011年6月1日
編曲:近藤ひさし
北川景子、向井理主演映画『パラダイス・キス』主題歌。1999~2003年連載の矢沢あいの原作漫画、2005年のアニメ版は『Paradise Kiss』だったが、この実写版はカタカナ表記をメインに使用していた。映画のために書き下ろしたのでそのままサブタイトルに作品名も使用されたが、この“~Paradise Kiss~”表記はシングル限定。作中には出てこないフレーズで次回作C/WのYUI Acoustic Versionの時点で“~Paradise Kiss~”が破棄され、『HOW CRAZY YOUR LOVE』収録時も「HELLO」に改められ、ベスト盤『GREEN GARDEN POP』でも「HELLO」表記になっている。初登場3位だったが前3作や次2作より好調でかろうじて10.0万枚となった。今作の初回盤には今作のMVが収録されず、前作の「It’s My Life」MVを収録。これ以降最後まで初回盤DVDには前作のMV収録というフォーマットに変わった。

感覚的にはYUI最後のヒット曲らしいタイアップヒット曲という印象。耳馴染みの良い前作以上に明るくポップでキャッチーなラブソングとなっていて、まあタイアップ的にも思い悩む方向性は求められてないし、職人に徹した感じもある。ていうかまずこういう若い女性にターゲット絞ったような恋愛一直線映画のタイアップを受けた時点で今までにない動きであり、随分振り切ってきた感じはある。とはいえ馴染みやすい曲で前後の時期では最もセールス的に好調だったのは納得。本人的にも違和感があっての終了英断だったのかは気になる。
★★★★☆
20thシングル『Green a.live』C/W(「HELLO~YUI Acoustic Version~」表記)
5thアルバム『HOW CRAZY YOUR LOVE』(「HELLO」表記)
1stベスト『GREEN GARDEN POP』(「HELLO」表記)

20th Green a.live

B0056WFORG B0056WFOSU
2011年10月5日
編曲:近藤ひさし
TBS系『CDTV』11月度OP。『to Mother』以来通算8度目最後の1位獲得。しかし売上はこれまでより低く7万枚台に留まった。

ラッキー1位だったものの正直全くヒット曲としては記憶していない。最後のヒット曲は前作だったかな…という印象。軽やか前向きで売れ線キャッチーなシングルが続いた反動か、一転してシリアスなミディアムナンバー。ストリングスも聞こえるが基本のバンドメンバーしかクレジットが無いので、これもシンセストリングスで近藤ひさしのProgrammingに該当するのだろう。『CDTV』タイアップなのでここ最近と違ってタイアップ先を意識せずに自然に書き下ろされた曲と思われる。当時近藤ひさしもこんなコメントを出していたくらいなので相当なものだろう。また東日本大震災以降初めて書き下ろした楽曲とされ、タイトルには“大地の中を生きる“という意味を込め、“運命について考えるきっかけになりました”ともコメントしていた。最後の1ブロックの“十年先、灯す灯りのために oh baby いま明日へとむかうの あなたにも来て欲しい Come a.live”は改めて見るとYUIとしての活動を終わらせる事を見据えていたようにも見える。確かに売れる曲では無さそうだが、必要な曲ではあったんだろうと思う。
★★★☆☆
5thアルバム『HOW CRAZY YOUR LOVE
1stベスト『GREEN GARDEN POP

21st fight

B008CQCBME B008CQCADE
2012年9月5日
編曲:COZZi
2012年度「NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲、NHK「みんなのうた」2012年8月-9月度使用曲。11ヶ月ぶり、アルバムからも10ヶ月ぶりのシングル。以前の活動休止~再開時と変わらないブランクとなった。初登場5位と順位を落とし、売上も5万台まで落とした。

この後11月に年内での活動休止を発表。前回すぐに復帰したし、今回も少し休む程度のニュアンスで戻ってくることを示唆するようなコメントだったためメディアでは”再び活動休止”という前回と同じようなニュアンスでの報道もあった。しかし実際にはベスト盤、ベストMV集も発売して完全に区切りをつけ、YUI名義での活動は完全終了だった。2013年春には確かに早くも復帰したので前回と同じくらいのブランクではあったが、FLOWER FLOWERという新バンドでの再デビューでレコード会社も同じだったが以前の売り出し方を避けるように大型タイアップでの派手な売り出しを行わなくなったためほとんど話題にならなくなってしまった。

久々のCOZZi登板によりバンド編成ではなく、初期のようアレンジャーがほぼ1人でオケを構築する編成に逆戻り。どういうわけかキーボードだけサポートが呼ばれ、ギターベースプログラミングをCOZZi、YUI本二人もギター演奏。キーボードなんか真っ先にプログラミング送り(アレンジャーがキーボード奏者の場合はアレンジャーの兼任)になりそうだが、人力で弾いてもらう事にこだわりがあったのだろうか。ギターとベースと打ち込みドラム中心でキーボード目立たないけど…

いきなり“描く夢が全て叶うわけなどないけど あなただって分かっているはずよ”中学生相手に現実を突きつけるストロングスタイル。その上でのサビ“頑張れ 頑張れ 命燃やして”と来るものだから真剣さが違うというか、現実を踏まえた上でそれでも目指したいものがあるなら死ぬ気で頑張れ(雑訳)という無責任ではない渾身の”頑張れ”のように聞こえる。当時厳しい内容の歌詞と評され、「現実を受け止めることで新しい希望は必ず見えてくる」と本人コメントも出ていた。正直初期の頃なら”描く夢が全て叶うわけなどない”とか絶対言わずに叶えるために生まれたんだから私は頑張るというような構成にしていたと思うんだけど、ここまでYUIとして活動してきて成功もしたけど活動を終える事を決めたところまでトータルで経験してきて大人になって出した答えがコレ…という事なのだろう。

中学時代に聞いていたら正直なんか厳しい事言うなぁ…と思っていたかもしれない。合唱で歌う中学生はどう感じただろうか。

発売時のメディア出演時(休止発表前)には当然新曲として今作がTVで披露されたが結局それっきりで、休止前最終出演としてNHK紅白歌合戦に初出場した際は最大ヒット曲にしてYUI時代に別れを告げるように「Good-bye days」が歌唱された。これ以前の年末特番も休止前最後という事で新曲より代表曲で軒並み過去曲だったため、今作が歌唱される事はなかった。
★★★☆☆
1stベスト『GREEN GARDEN POP

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