day after tomorrow 20周年シングル回顧~2002-2005~
エイベックスが期待の大型新人として大々的に売り出したday after tomorrow。メンバーはmisono(Vocal)、北野正人(Guitar)、鈴木大輔(Keyboard)の3人。2000年にEvery Little Thingを脱退して以降は細々と曲提供をしていた五十嵐充がサウンドプロデューサーとなりほぼ全面的にアレンジを担当。五十嵐充は最初期は北野、鈴木と共に作曲も担当、中期以降はmisonoが作詞撤退したため全面的に作詞も担当するなどELT脱退以降本格的な活動復帰といえるほどのフル稼働で関与し続けた。
2000年にデビューするもトップ20レベルに留まっていた倖田來未の妹がmisonoだった。しかし当時の倖田來未は知る人ぞ知る存在でしかなくday after tomorrowが一気に売り出されたためしばらくはmisonoの姉が倖田來未と言われることが多かった。倖田來未のブレイクに伴い知名度が大逆転し、倖田來未の妹がmisonoと言われるようになった。
北野正人は90年代半ば頃はV系バンドをやっていたらしくDi;Vulge、She’s Said、GLAD all OVERなどのバンドを経て90年代末期にはビーイングに在籍。98年のZARDのシングル「新しいドア~冬のひまわり~」の作曲を担当したのが特に有名だが、2000年の小松未歩の3rdアルバム曲「雨が降る度に」ではの尾城九龍と共にアレンジャーとしてもクレジットされており、GIZA以降の新たな作家になるかと思われたがそれっきり登場しなくなっていた。いつの間にかエイベックスに流出していたらしい。織田哲郎、明石昌夫が相次いでエイベックスに流れ、柴崎浩が相川七瀬に曲提供するなどビーイングからエイベックスへの人材流出例が90年代後半から00年代前半にかけて目立つが、愛内里菜がデビュー前にエイベックスのコンピ盤に参加していたという逆の例も一応ある。
鈴木大輔は1998年にRubiiのメンバーとしてソニーでデビューしていた。脱退後バンドも解散になっていたがこれまたいつの間にかエイベックスに流出しており、男性メンバー2人は既に他社でデビュー経験のある人材だったようだ。
北野・鈴木がほぼ均等に作曲を担当し、misonoが作詞というのが基本パターンだったが、中期以降misonoが作詞撤退したため五十嵐充の作詞にメンバー2人の作曲というパターンへ移行した。
当初大型新人として売り出すに当たってはシングルを出してシングルヒットを溜めてアルバムを売るというこれまでの売り方とは異なる新しい売り方を実験していくとして、いきなり全曲タイアップのミニアルバムでのデビューとなった。ミニアルバムからリード曲をシングルとしてカットしていくという手法が取られたが当然圧倒的不利でシングルはヒットせず、アルバムの売上も伸ばせなかった。結局アルバムでの最大ヒットは2作目のミニアルバムの20万ちょいで売り出し方を考えるとヘタすれば赤字でもおかしくないような売上枚数だった。
2003年にはシングル中心の売り方へ方針転換し、今度は3曲入りEPのような曲名ではないタイトル作を2作発売。このうち「Starry Heavens」を収録した『moon gate』がシングル最大ヒットとなった。2003年末~2004年始めにかけては両A面シングルに変更、2004年には単独タイトル作を3曲A面として発売。映像を連動させた独自のプロジェクトを展開し、『lost angel』では3曲通したショートムービーのミュージックビデオを制作、続く「君と逢えた奇蹟」「ユリノハナ」、アルバム『day alone』では3部作のオリジナル映画を製作した。
終始新たな売り方を模索しながらの活動となったが、結局売れ行きは鈍る一方となり、2005年に唐突に活動休止を発表。事実上の解散となり以後活動していないが、正式には活動休止のままである。
休止理由は不明瞭で、misonoが太りすぎたのが影響したとか北野正人が当時まだ未成年だったSAYAKA(神田沙也加)と交際して松田聖子と一時関係が悪化したのが影響したとか色々言われていたが噂レベルのものである。北野正人とSAYAKAの交際とそれに伴う松田聖子との一時関係悪化は通称『例の事件』などとも呼ばれているが事件性は無く事件ではない。misonoが後年色々ぶっちゃけキャラになって語っていたところからすると1番の理由は単純に売れなかったから、そして後期はメンバー間の関係もあまり良くなかったような事を匂わせていたような感じはある。
misonoがソロになって活動していた後期の2010年前後の頃にはおバカキャラタレントとしては知名度を上げるも好感度がダダ下がりして歌手活動継続は困難となりつつあったが、「Starry Heavens」を筆頭とするテイルズシリーズとは縁が深かった事から2009年には『Tales with misono-BEST-』、2013年には『symphony with misono BEST』とテイルズ関係のミニベストアルバムをリリース。このうち『symphony with misono BEST』ではdat時代の「Starry Heavens」「そして僕にできるコト」をソロでリメイクしていた。ただ当初発売告知の時点でmisono from day after tomorrow名義と言っていたり、元メンバーによる新曲提供があるなど一定のday after tomorrow再始動需要に応えるような動きも見られたが結局何もなかった。直前には予定が無くなった事に対するmisonoの不満なつぶやきがTwitterに投稿されたりと不穏な感じはあった。
いずれにせよ2014年にmisonoはついに追い込まれて『家-ウチ- ※アルバムが1万枚売れなかったらmisonoはもうCDを発売することができません。』を発売。O社記録で3000枚に届かない大惨敗となり、本当にCDを発売できなくなってしまい4年後にはエイベックスからも離脱。
北野正人は2006年にストロボとして再デビューしたがすぐに活動停止となってしまい、エイベックスを離脱後に2013年に結成したLUV K RAFTメンバーとして活動している。
鈴木大輔は2008年にgirl next doorメンバーとして同じような社運を賭けた売り出し方で再デビュー。girl next doorではギタリストが新人かつ作曲担当ではなかったため鈴木が一手に作曲を担当していた。girl next door末期にはサウンドプロデューサーとして五十嵐充とも再共演している。girl next doorは基本的にday after tomorrowでうまく行かなかったところを修正し、問題を起こさない方向性を狙っての人選やプロデュースだったように思われ、day after tomorrow後期にかけての問題を反面教師にしたとみられる部分も多かった。
1st faraway
02年8月22日
作詞:misono、作曲:北野正人、編曲:石塚知生 五十嵐充
6曲入りデビューミニアルバム『day after tomorrow』のリード曲としてシングルDVDと同時発売されていたが、2週間後にシングルCDとしてもシングルカットされた。C/Wには実に9バージョンものリミックスを収録。Instrumentalと合わせて全11曲入りの豪華シングル。20分強が収録限界の8センチから80分程度まで収録可能なマキシシングルになって浜崎あゆみがC/Wにリミックス大量収録でアルバム並のフル収録時間のシングルを出すようになってからエイベックスでこの手法が流行っていた。それまでやや曖昧だったO社シングル判定基準が明確にオリジナル4曲までシングル扱いと定義され、オリジナル4曲以下ならリミックスやライブ音源を何曲入れてもシングル扱いとハッキリしたのも重なって乱用された。ただCCCD狂騒以降ますますCDが売れなくなりそんな事をしている余裕も無くなっていったのか数年でこのやり方は下火になった。day after tomorrowではこのリミックス大量収録手法を駆使したのは結局今作のみで、それまで大量リリースしていたユーロビートやトランスでのリミックスアルバムもday after tomorrowでは一切発売されなかった。
好評につき…とか予想を上回る反響でシングルカットが決定!みたいに煽っていたが、『day after tomorrow』発売からわずか2週間で大量のリミックスを急造させて詰め込んでCDプレスなんて普通に考えて出来るはずないので最初から完全に仕込んでいたものと思われる。ミニアルバム主体で新しい売り方をしたかったので色々迷走していた感があり、結果的に『day after tomorrow』は2週連続10位から10万枚に乗せた程度、今作は23位2万枚ちょいの売上に終わっており、当時かなり派手に売り出されていた割には明らかに売上枚数が1ケタは少ない印象だった。当時を体感していれば割とこの曲での若さ全開ではつらつとしたmisonoの姿を記憶している人も多いと思うんだけど、2万枚って…。2年前のdreamでデビュー曲10万枚だったし、CD売れなくなってきていたとはいえ派手な宣伝で引っ張ればそのくらいは売れたのでは…。
1曲目にしてこれぞエイベックス王道、これぞあの頃のELT五十嵐サウンドの継承、これぞヒットチューンといった非の打ち所がない明るく突き抜けた1曲。成功はほぼ約束されたような大々的な売り出しでこの時が歌詞通りに最もmisono本人も純粋にキラキラと夢を信じていられたのではないかと思うし、そういう意味ではここが挫折を知らない成功だけを信じていられたピークだったのかもしれない。
PVではキラッキラの若き日のmisonoを全面展開させており、男性メンバー2人は1度もアップにすらならず、ひたすら笑顔ではじけるmisono、misonoまたmisonoという構成。この時確かに最高に輝いていた。嗚呼輝いていた(遠い目)…。
★★★★☆
1stミニアルバム『day after tomorrow』
1stアルバム『elements』初回盤2CD(聴く特典)、通常盤BONUS TRACK
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
2nd My faith
02年12月4日
作詞:misono、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
11月20日にリリースされていた2ndミニアルバム『day after tomorrowⅡ』収録曲のシングルカット。前作から一転して1曲+カラオケの1コインシングルとして発売。
月9ドラマ『ホーム&アウェイ』主題歌として10月からOAされていた超大型タイアップ曲だったが、新しい売り方をしたかったのか、放送後半に差し掛かってからミニアルバム収録曲&シングルDVDとして世に出し、CDでシングルカットされた時はもう最終回目前だった。『ホーム&アウェイ』自体が当時としては大コケしてしまい、主演の中山美穂共々月9もオワコン扱いされるなどマイナス報道が目立つ事態となっていて中山美穂は同年辻仁成と結婚していて今作を最後に日本を離れて活動休止したため、月9がコケて消えたみたいな落ち目イメージになってしまっていた。2017年『貴族探偵』では主演の相葉雅紀に仕える3人組の1人の田中役を熱演し、主演ではない形で存在感を発揮した際には久々に良い評判の記事(悪い記事もあったが…)もけっこう飛び交ったが、その時に15年ぶり月9出演と報道されていたのはまさにこのドラマの事である。
ただ曲自体の評判の良さ、そして猛プッシュによる知名度の上昇もあったのか、『day after tomorrowⅡ』は20万枚を越えてアルバムでの最大のヒット作となり00年代前半で最高売上20万程度って控えめに言って売れてなくね?とか言ってはいけな、今作も12位6万枚を越える売上を記録して、2,3番目には来る代表曲の1つとなった。やはり素直に月9主題歌シングルCDとして出していればシングル単体での20万ヒット、後の「Starry Heavens」と双璧のヒット曲としてもう少し記録に残せたのではないかと思われる。マジでこういうわざと売れなくなるような売り方でどう成功するビジョンだったのだろうか。シングル市場は死んでアルバム主体になる事を見込んで失敗したとしか思えないが…。
前作とは一転して冬の夜を思わせるバラードナンバー。ELTでもバラード「Time goes by」をシングルで出したのは8枚目であってバラードを出すのはここぞという勝負どころという印象だっただけにもう勝負バラード!?というのがやはり今までとは違う売り出し方をしようとしていた前のめりな姿勢ゆえか。この月9『ホーム&アウェイ』自体はなぁ…。90年代半ばまでの全盛期アイドル女優時代は全く知らなかったものの98年の『眠れる森』での好演は記憶に新しく、今作までの間に月9『二千年の恋』、TBS日9『Love Story』と看板枠ドラマでそこそこ成果を出していたものの正直ちょっと昔の人になりつつあった中で月9主演はそろそろ厳しい感じが当時あって、一応1話は見たんだけど馬に携帯食われて家に帰れなくなるという超展開に唖然としてあまりのつまらなさに1話エスケープしてしまった。主題歌だけ良さそうだったというのが当時の記憶。というのも1回しか聞いてないので主題歌として馴染む以前だったがその後「faraway」も耳に残っていたし今作も確か良さそうだったという事でミニアルバム2作を借りてきたのが聞き始めだった。バラードにおいてはやはり今作が1番良かったと思う。
★★★★☆
2ndミニアルバム『day after tomorrowⅡ』
1stアルバム『elements』初回盤2CD(聴く特典)、通常盤BONUS TRACK
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
3rd futurity
03年1月22日
作詞:misono、作曲:鈴木大輔、編曲:石塚知生,五十嵐充&day after tomorrow
年明けに何故かもう1曲『day after tomorrowⅡ』からシングルカット。年末のレコード大賞新人賞にねじ込むも最優秀新人賞は中島美嘉に持っていかれてしまっていたりもしたが、1ヶ月限定生産シングルという限定煽りの効果か、11位に食い込んで3.5万枚と「faraway」よりは結果を出した。また何故かシークレットトラックとしてカラオケの後の3曲目に新曲「High-Spirit」を収録。新曲隠してどうするんだ…という気もするが、この新曲「High-Spirit」は3月のアルバム『elements』の1曲目(実質リード曲)となった。
1枚目2枚目を同じような路線で言って3枚目にバラードというサザンパターンがこれまでなら王道だが、既にだいぶ変化球で2枚目でもうバラードのカードを切った。では3枚目は再び王道ポップチューン…ではなく3枚目ではけっこうシリアスで大人っぽい背伸びしたようなカッコいい一面を提示。アップテンポだが明るさや若さはじける感じは皆無でmisono17歳の明るさを全面に出してのデビューは何だったのか。こういう曲ならもっと後でやればいいのに何故こんなに生き急いでいたのか。ちょっとこれをシングルにするのはついていけない感じではあった。曲自体はいいんだけどもう少し後期で出てきた方がしっくりくるんだよな。
今作のPVは何故か謎に濃厚な内容で海外の高級オカマバーみたいなところを舞台にしている。イメージ的には姉の倖田來未が似合いそうな世界観。引き続きルックスは煌めき全開のmisonoにはちょっと背伸び感のあるステージになっているほか、やたらとゴツイケバメイクのオネエ系外人が映りまくるわバックで踊っているわなんか良く分からんドラマ展開しているわで超絶カオス。確認せずとも迷走しすぎ。
★★★★☆
2ndミニアルバム『day after tomorrowⅡ』
1stアルバム『elements』初回盤2CD(聴く特典)、通常盤BONUS TRACK
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
4th Stay in my heart
03年4月16日
作詞:misono、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
1stアルバム『elements』から3週間でのシングルカット。C/W「naturally」もシングルカット。また結果的に1stのリミックスと3rdのシークレットトラック、7thの別バージョンを除く純粋なC/W曲は全シングルでこの「naturally」のみとなった。1万枚限定生産と謳ったものの、2曲のカラオケ(Instrumental)以外に新しい音源が無く、曲自体に強力なタイアップがあったわけではないので(『奇跡体験!アンビリバボー』、『めちゃ×2イケてるッ!』と2曲ともバラエティのエンディングタイアップ)、前3作のように要望に応えてみたいな煽り文を繰り出すことも無い、ただ1万枚限定と言ったらどれだけリスナーが食いつくか?という実験をしたかっただけのようなシングル発売だった。当時のチャートレベルでは1万枚では完売してもトップ10入りはほぼ不可能であり、最初からトップ10ヒットは狙っていなかったのは確かだ。初登場18位となったがO社200位集計で0.9万枚まで記録されているのでほぼ完売、本当に1万って言えば新規収録カラオケだけでも売れるのかの実験だったとすれば実験は成功だったと言える。
とにかくシングルカットで次々に色々な一面を見せようとしていたのかなんとも中途半端なテンポ感のミディアムナンバー。五十嵐時代のELT的なやり方ではまずもってシングルにはならないようなアルバム曲オブアルバム曲みたいな曲調。改めてシングルになった事で聞いてアルバムで聞いて埋もれていた時よりはけっこういい曲だったんだなとは思えるものの…シングルカットするにはなかなか攻めすぎ。
今作のPVもなかなか意味不明で変なアメコミ風アニメーションやら合成映像やらでカオス。結局シングルカット路線はこれをもって打ち切りとなった。
★★★☆☆
1stアルバム『elements』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
5th DAY STAR
03年7月24日
シングルカットしかしてこなかったが、方針転換。昨今では恐らくEP扱いされるであろうミニアルバム的な豪華シングル発売へと切り替えた。単に曲名を並べるのではなく曲名とは別の作品名をつけるという浜崎あゆみ『A』や『H』を大ヒットさせた実績からより確実な3曲A面スタイルへと切り替えてちゃんとシングルチャートで結果を出すのを重視する方針にしたようだ。そもそもどう考えてもシングルヒット狙いのシングルアーティストなのに何故にここまでシングル勝負から逃げるような手を打っていたのか。
これにより無事にシングル初のトップ10ヒットを達成。初登場6位を記録したが、この週はサザンオールスターズが「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」で1位、この売り方のエイベックス元祖である浜崎あゆみが3度目(曲名での1文字タイトルでは「M」もある)となる夏のアルファベット1文字シングル「&」の3週目で2位、ガンダムタイアップの申し子玉置成美「Realize」が3位、中島みゆき「銀の龍の背に乗って」が4位、2週目B’z「野性のENERGY」が5位でそれに続く6位と上位5組には全く敵わない状態だった。7位に退けたのはカントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)「浮気なハニーパイ」で社運をかけて売り出していて、下り坂まっしぐらのハロプロのモーニング娘。本体ではない別グループをようやく交わす程度というこの結果は正直かなりビミョーだったといえる。最初からシングル勝負でちゃんと売り出していれば…とはどうしても思ってしまうところであった。最終的な売上は「My faith」を1万枚ほど上回る7万枚だった。
CURRENT
作詞:misono、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
「ICE BOX」CMソング。1st「faraway」と同じタイアップで次の夏を彩った…というか1年経ってようやく「faraway」と同じ路線の爽やかヒットチューンをシングルにした…といった感じ。売り方も変えて仕切り直しといった装いでもあるが、色々と遅すぎてなんかもう話題性に乏しくなってしまっていた感はあるが、実質『CDTV』等のランキングではこの曲がランクインする状態(というかPVこれしかまともに作ってなくて「イタズラなKISS」は簡易な作りのおふざけしているやつしかない)。2003年の夏は曇りがちな冷夏だったので、この曲のような爽やかさよりもポルノグラフィティ『音のない森』が似合うような夏だったが、それでもこれぞサマーヒットチューンといった装いのこの曲がかかっているのを聞いて気に入って初めてシングル単位で聞いたので個人的に2003年の夏を彩った1曲になっていて思い出深い。今でも夏が来ると聞きたくなる。
ファン人気はあまりないのか解散後の『Selection Best Album』では11曲のシングル1曲目のうちこの曲だけ落選するという憂い目にあった。どうしてそうなった…。
misonoが太ったというのはよく言われるがスタッフ間で徐々に問題視されるようになったのはこの頃からと思われる。というのも今作のPVからmisonoの映し方がやたらと横顔~右斜めの角度からばかり映し出す事が増え、なかなか正面向いたアップの映像が出てこなくなる。
★★★★☆
2ndアルバム『primary colors』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
イタズラなKISS
作詞:misono、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
アニメ『犬夜叉』エンディング曲。アイドルみたいな明るさ一直線のポップチューン。『犬夜叉』ってこんな明るくはじけたポップなアニメだったっけ…?となる事間違いなしでここまでのエンディングを並べても今作だけ異色である。dream「My will」、Do As Infinity「深い森」、浜崎あゆみ「Dearest」、BoA「Every Heart-ミンナノキモチ-」、Do As Infinity「真実の詩」とここまで切ない・シリアス・バラード系で概ね統一されていたのにOPよりも明るく突き抜けすぎててなんか納品先間違えたんじゃないかという勢い。
曲調が一直線に明るすぎて何か違うというか何度聞いても突き抜けていってしまいあまり残らない曲だなぁという印象が当時から変わらない。デビュー当初のmisonoの明るい側面を最大限に生かした曲でもあるが…いやあの明るく元気でキラキラなmisonoっていうイメージってマジで存在しない幻想だったじゃないですか…。ただ『犬夜叉』タイアップは伊達ではなく、正直day after tomorrowの他の曲は「Starry Heavens」しか知らないが次に知っているのがこの曲なんて人も多いみたいでけっこうな人気曲らしい。『single Best』は1曲目優先で収録されなかった事もあってか、『Selection Best Album』では「CURRENT」を抑えて収録を果たした。
★★★☆☆
2ndアルバム『primary colors』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
Smartly
作詞:misono、作曲:鈴木大輔、編曲:石塚知生&day after tomorrow
TBS系列『J-SPORTS SUPER SOCCER PLUS』エンディング。1曲だけとってつけバラエティ・情報系タイアップな事もあって3曲A面扱いながら影が薄い。『primary colors』にも外されたため休止時の『single Best』で回収されたがそういやこんなのあったっけ?状態だった。
3曲夏らしい明るいポップ路線で統一されていて今作も王道的に明るく爽やかなナンバー。デビューシングルこれで良かったんじゃないかとは思うけど、量産型な王道でもあり、3番手の印象は拭えない。
★★★☆☆
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
6th moon gate
03年9月3日
前作に続く3曲A面で、昼間のイメージだった前作とは対になる夜、月のイメージのタイトルがつけられた。1曲目の「Starry Heavens」が人気ゲームタイアップでCMも大量OAされていたため、ほぼこのタイアップ効果だけで売上が上昇した。4週連続1位だった福山雅治「虹/ひまわり/それがすべてさ」が2週目の1位、嵐「ハダシの未来/言葉より大切なもの」が1歩及ばず初登場2位で今作は初登場3位だったが、2週目に2位に浮上した。3週目以降も4位、5位、7位と刻んで5週連続トップ10入りを達成。最終的に20万枚を突破して最大のヒット作となった。
Starry Heavens
作詞:misono、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
ニンテンドーゲームキューブ『テイルズ オブ シンフォニア』テーマ曲。CMソングとしても大量OAされていた。またチャートでは基本的にこの曲のMVのみ繰り返して流していたので当時のヒットチャートでは「Starry Heavens」の単独ヒットのような存在感だった。こんなことになるなら素直にシングル『Starry Heavens』として売った方がもっと売上が伸びたのでは…。「Starry Heavens」目当てでCD屋に行っても『moon gate』とかいうタイトルしか並んでないのでタイアップシールや店頭ポップでアピールされてないと「Starry Heavens」目当ての客は分からずに帰ってしまいかねない。
ゲームソングっぽいファンタジーさや冒険感のあるような聞いていてワクワクするような世界観の楽曲。流れるようなメロディーもキャッチーでここぞというタイアップできっちり勝負曲を作り上げて見事に代表曲になった…といった感じだろうか。ほぼ策に溺れて失策に続く失策を重ね続けたday after tomorrowの中でも売り方は相変わらず失策気味だったがそれを跳ねのけてでもヒットしたのだから相当なものだったと思う。名曲。
PVでのmisonoはこれまでのショート茶髪からセミロング黒髪風になっていてイメチェンしているがこの時限定だった。
今作の好評を受けてか次のシングル『Dear Friends/It’s My Way』C/WにOrchestra Versionとした別アレンジを収録。そのままオーケストラ風の演奏に差し替えたバージョンになっているがややとってつけで急造した感が強い。全曲集BOX『complete Best』にも収録されていないためC/Wでしか聞けなかったが現在はサブスクであっさり聞く事はできる。
misonoがソロになってから徐々に売上が悪化し、おバカタレント化していく中でday after tomorrowから唯一このテイルズタイアップは引き継いでいてこの縁でソロになってからのテイルズとday after tomorrow時代の2曲を組み合わせた1stミニベストアルバム『Tales with misono-BEST-』を2009年に制作、この時はそのまま収録していた。2013年に新作のテイルズタイアップを担当した際にはday after tomorrowの復活を匂わせていたが結局実現しなかったようでソロで「Starry Heaven ver.2013」としてリメイクしたバージョンが2ndミニベストアルバム『symphony with misono BEST』に収録された。クレジットが当時のままになっていて実際に誰がリアレンジしたのかは不明。
★★★★☆
7thシングル『Dear Friends/It’s My Way』C/W(Orchestra Version)
2ndアルバム『primary colors』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
misonoソロ1stミニベスト『Tales with misono-BEST-』
misonoソロ2ndミニベストアルバム『symphony with misono BEST』(ver.2013)
ネバーランド
作詞:misono、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
特にタイアップは無く、影の薄いシングル曲の1つ。というかこのシングルは「Starry Heavens」1強過ぎた。ミディアムでもアップでもない普通くらいのテンポのやや落ち着いたポップな楽曲で、やや抑えつつも明るい事は明るいんだけど歌詞は夏の終りに大人になっていく中での葛藤のような心情が描かれている。ただ夢を信じて追いかけている季節は過ぎ去った事を感じさせられると同時にソロ以降に顕著になる自問自答の世界観が顔を出し始めていて、misonoらしいといえばmisonoらしい歌詞だ。正直結果が伴っていない、それどころか後のmisonoの証言からすればもっとハッキリ売れない売れないと言われ続けていたそうだし、太った太った言われ始めてもいてなんかデビュー当初の思ってた感じと違うぞ、衝突ばかりで窮屈だぞ…という疑念も抱くようになったリアルタイムの心情が反映されていたようにも思う。
★★★☆☆
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
These Days
作詞:misono、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
『奇跡体験!アンビリバボー』ED。早くもこのタイアップ3度目。1クール仕様で前クール「Stay in my heart」から引き継いで起用されたので半年間datだった。さすがにこれっきりとなった。
卒業後それぞれの道を歩いている中で昔の仲間や学生時代を思い返すミドルナンバー。84年生まれのmisonoの学年で言うと3月に高校卒業して半年くらいしか経ってない時期で、もうここまであの頃を懐かしく思うなんてかなり早すぎる。それほど学生時代が早くも遠い過去になっていたのか、デビュー以前までを思い出しているのか(それだと+1年くらいになる)、それでもちょっと早い。やはり色々激動の日々過ぎて過去が遠く感じていたのか、それとも歌詞のネタが本気で無くなってきてしまい膨らませて無理やり書いたのか。
『primary colors』には収録されたがただでさえシングル過多なアルバムの終盤では正直かったるく、これなら少し違う方向のアルバム曲にしてほしかったなとは思った。
★★★☆☆
2ndアルバム『primary colors』
全曲集BOX『complete Best』
7th Dear Friends/It’s My Way
03年12月17日
またしても方針転換。実質「Starry Heavens」単曲のヒットだった前作を受けてやはり曲名がタイトルに並んでいる方が良いという事になったのか初の両A面でそのまま曲名表記となった。これまでmisonoが単独作詞していたが、いきなり作詞から撤退したためmisonoが作詞に参加した最後のシングルとなった。今作でも早くも2曲とも共作になっている。
C/Wに「Starry Heavens(Orchestra Version)」を収録。そのままオーケストラアレンジが施された別バージョンだが、全曲集BOX『complete Best』もバージョン違いはスルーしているため「faraway」各種リミックスと同様にシングル盤でしか聞けない音源となっている。
Dear Friends
作詞:Yoshi,misono、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
Yoshi作のケータイ小説『Dear Friends リナ&マキ』イメージソング。当時携帯電話でWeb閲覧が普及し始めたがまだガラケーなのでさほど長くない軽い文字のみのテキストサイトが主流でそれに適した文化としてケータイ小説が女子高生中心に大ヒットしていた。いち早く着手して「Deep Love」シリーズを大ヒットさせて界隈では筆頭の有名作家となっていたあのYoshiの新作という事で界隈では話題作だった。というのも映像化されたわけではない小説のイメージソングがタイアップになってしまうくらいなので界隈では相当注目されていたものと思われる。全く分からんかったけど。
作者Yoshi自らが作詞に参加、当時misonoは他者の歌詞を歌う事は勉強になるなどとコメントしていたがこのまま歌詞を書かなくなってしまった。実際にはネタ切れだったのか、この辺りから本来の性格が顔を出してスタッフと揉めるようになってきたのかは不明。なお実際にこの小説が北川景子、本仮屋ユイカ主演で映画化されたのは2007年になってからだったがこの頃にはとっくに休止していたのでdatが関与する事は無く、misono単独でもお呼びがかからなかった。
失った友人へのメッセージソングになっているのでけっこう雰囲気はシリアスで重め。いかにも当時のケータイ小説っぽさはあるんだけど、こういったスイーツ(?)向けな要素って正直misonoはあまり持ち合わせていないと思われるし、作詞の名義が作者が先になっているところからもほぼYoshi氏の世界観なのではないか。
当時も早くも曲調的にマンネリ感があり、何となく耳には残るけどあまり繰り返し聞かずに飽きてしまうというのがこの時期だったなぁ…。『primary colors』では微妙にミックス変更されているようで何となく音の強弱が異なる。
★★★☆☆
シングルミックスアルバム未収録?
2ndアルバム『primary colors』(ミックス変更)
1stベスト『single Best』(『primary colors』収録Ver.)
全曲集BOX『complete Best』(『primary colors』収録Ver.)
It’s My Way
作詞:misono,五十嵐充、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
TBS系「ニューイヤー駅伝」テーマ曲。何故か今作でも五十嵐充との作詞共作になっており、このまま次回作以降アルバム曲まで全てmisonoは作詞せずそのまま撤退。メンバー2人と主に五十嵐充が変わって作詞をすることになった。
歌謡バラードっぽい泣きのギターソロからテンポアップして歌に突入する疾走系ポップロックナンバー。”夢の偶像 未知のステージ 不安が足元をすくうように”と不安の心情ものぞかせているが基本的に前向きに突き進んでいくような歌詞なので(駅伝っぽくはないが)、走っているっぽい疾走感はタイアップに合っているように思う。
これも『primary colors』では微妙にミックス変更されているようで何となく音の強弱が異なる。
★★★☆☆
シングルミックスアルバム未収録?
2ndアルバム『primary colors』(ミックス変更)
全曲集BOX『complete Best』(『primary colors』収録Ver.)
8th 螢火/Show Time
04年2月4日
2ndアルバム『primary colors』2週前先行シングル。2曲ともそのまま収録され、カラオケ以外に価値が残らなかった事もあり、ギリギリのトップ10ヒット(10位)に留まったが売上は「futurity」よりも低い。misono作詞撤退に伴い、五十嵐充がメインで作詞を担当する事になった。
螢火
作詞:五十嵐充、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
シングル曲でもmisonoがあっさり作詞撤退してしまい、プロデューサーアレンジャーの五十嵐充が作詞に駆り出される事に。ELT時代にも女性誌を読んで若者の流行りを研究しながら歌詞を書いていた、時に自分よりも若い女性の間の流行りに詳しかったと持田香織が振り返っているように元来が生真面目で研究熱心っぽい五十嵐充による歌詞はイメージを損なうこともなく、正直クレジットを見ない限りは今まで通り普通にボーカルが歌詞書いてるんじゃないの?と思ってしまうくらいには違和感は無い。
曲自体はベタなウィンターバラード。安心安定王道のエイベックスバラードクオリティにより、サビはすぐに耳に残るくらいの強さもあるが、けっこう早い段階で飽きてしまった。即アルバム収録という事もあって、当時シングル盤はスルーしたのでそんなに回数聞いたわけでもないのに何故かシングルを手に取った「Dear Friends」よりも聞き飽きた感触があるんだよな…。改めて聞き返したらけっこういい曲だったなとは思ったんだけど。
★★★☆☆
2ndアルバム『primary colors』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
Show Time
作詞:五十嵐充、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
ピコピコしたキーボードサウンドも印象的な明るいノリのポップソング。前向きで明るい健全な10代女子目線で書かれている歌詞は五十嵐充作詞ながらこれまでから違和感のない女の子が書いた歌詞っぽい仕上がり。これを自分で書けないというところと、その後の振る舞いから推測されるmisono本来の性格から考えるにこういう要素を本人が正直あまり持っていなかったので期待されるイメージに沿った女の子像で歌詞を書く事に限界が生じていた…というのが作詞撤退の理由なのかなとなんとなく思った。
両A面ながら2度のベスト盤に選曲されず、『primary colors』では次が「イタズラなKISS」でそっちの印象の方が強いので影が薄いシングル曲の1つ。
★★★☆☆
2ndアルバム『primary colors』
全曲集BOX『complete Best』
9th lost angel
04年8月25日
2ndアルバムから半年ぶりの新作。今作から明らかに露出が減り、特にこれまで前面に出していたmisonoのアップや真正面の写真も減る。当時も囁かれていたがソロになってから全部さらけ出してダイエット企画までぶち上げたようにこの辺りでmisonoの顔や体型が以前と違うと多くの人に思われるくらいになってきてしまっていたのでそれの対応含めた方針転換をしたものと思われる。個人的にそんなに気にするほどでは無いと思ったんだけど、デビュー時のスマートな印象をスタッフサイドが引きずりすぎたのでは…と思わなくもない。
今作は単独タイトル作となっているが3曲全てにタイアップがあり、3曲連動した連続ミュージックドラマ『lost angel~あの日、碧にキミがいて~』が制作された3曲A面シングルとなる。『DAY STAR』『moon gate』で曲名じゃないシングルでヒットしても曲名が覚えてもらえない、記録に残らない事を反省し、表に出すのは表題1曲という事にしたのかは不明だがいずれにせよまたしてもの軌道修正であった。
今作に関しては3曲全てが大型タイアップで全シングルの中で最も豪華な3タイアップシングルであったため、2曲もちゃんと表に出した方が良かったのではないかというのはある。実際収録内容の豪華さや「lost angel」という曲自体が浸透したのか、初登場4位から13位→20位とランクダウンした後に23位→22位→20位→27位→35位…と粘る推移を見せてロングヒット。200位以内で19週、10万枚に迫る自身2番ヒットを叩き出した。この売上はこの後の3rdアルバムよりも高い。しかしシングル2番ヒットで10万枚に届いていないという事実は意外でもある。
3曲連動した連続ミュージックドラマ『lost angel~あの日、碧にキミがいて~』は単独DVDとしても9月29日に発売された。主演はメンバーではなく水橋貴己、上地雄輔と普通に俳優を起用。上地雄輔とmisonoは後年おバカキャラとして『ヘキサゴン』で共演を果たした。
発売前後の時期にエイベックスが内紛騒動を起こしており、MAX松浦が社長に交代してCCCD弾力化を発表したため、デビュー以来続いていたCCCD発売は今作で終了した。
lost angel
作詞:五十嵐充、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
フジテレビ系東海テレビ制作昼ドラマ『女医・優~青空クリニック~』主題歌。まさかの昼ドラタイアップでmisonoは”新たな年齢層に聞いて貰い、新境地を開拓出来れば”ともコメントするくらいターゲットの外へ向かった自覚もあったようだ。同じ夏の昼ドラでもTBSの方だったら夏休みの学生が良く見ていたのに…。
これまでとは一線を画す楽曲でこれまではシンセやキーボードが全体を覆っていたが、今作では全面的に分厚いエレキギターがギャンギャン鳴り続けてギターが終始楽曲を引っ張っていく。打ち込みながら力強いドラムが鳴り響き佇まいは完全にロックバンド的なものとなっている。歌詞の世界観も大人っぽいものとなっていて、曲調も相まって重めで、前2年の夏とは全く異なる大人の佇まいの曲調で新たな世界観を提示した末期どころか全期屈指の名曲。当時から好印象だったが、久々に聞いたら再度ドハマりしてほとんどこの曲ばかり聞きまくった挙句にそのまま全曲聞き直して20周年シングル回顧の執筆と相成った。
正面のカットが減ったり、前髪を輪郭に沿ってピタッと被せて顔の輪郭を極力隠すようなヘアスタイルにしたり色々していたが今作ではいよいよ極力misonoの露出を減らすという強制措置が取られるようになった。ドラマメインのPVにしたのもそれが理由の1つと思われ、PVはほぼドラマで役者ばかり映し出され、時々歌っているmisonoの別カットが出てくるのみ。露骨なのはmisonoの出演シーンだけ明らかに画面を縦長加工している事。画面比率の設定を16:9に変更する事でこの映像でのmisonoの本来の姿を拝むことができるが、これをやると今度はドラマパートの人たちが全員横に伸びてしまう。
正直確かに初期のような輝きはなくなっているし、ややずんぐりなさった感じはあるが、そこまで太っているようには見えない。わざわざフード被せて歌わせたり、縦長加工した辺り、制作サイドが言っても聞かないmisonoにだいぶ辟易としていたようにも思うが…いや実際ここまでするかね…?さすがにmisonoの出演シーンだけ縦長加工するなんて不自然すぎるんだよなぁ…。しかも今作だけじゃなくてここから最後の『ユリノハナ』まで全部この仕打ち。
★★★★★
3rdアルバム『day alone』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
そして僕にできるコト
作詞:五十嵐充、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
Play Station2版『テイルズ オブ シンフォニア』テーマ曲。事実上の最大ヒット曲である「Starry Heavens」と同じゲームだが、「Starry Heavens」がテーマ曲だったのはゲームキューブ版で、PS2用に移植した際にわざわざテーマ曲を別の新曲に差し替えた。
わざわざ差し替えた割にはシングル表題曲にしないという前作『moon gate』の愚行を繰り返すばかりか今回は2曲目。さすがにPS2への移植程度ではあまり話題にならないと踏んでいたのかもしれないが、これも後年のテイルズフェスにmisonoが呼ばれた際には「Starry Heavens」と共に盛り上がる1曲となっていて結果的に知名度の高い1曲になった。
中身は同じ内容のゲームなので全然違う曲というわけにもいかず雰囲気はだいぶ似ている。day after tomorrowなりのテイルズ感というものをしっかり継承して、テイルズっぽい感じの曲になっているのはさすが。どうしたって「Starry Heavens」以上というわけにはいかないとはいえ、印象の強い1曲には違いない。
★★★★☆
3rdアルバム『day alone』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
misonoソロ1stミニベスト『Tales with misono-BEST-』
misonoソロ2ndミニベストアルバム『symphony with misono BEST』(ver.2013)
more than a million miles
04年6月9日(シングルDVD)
作詞:五十嵐充、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
映画『デイ・アフター・トゥモロー』日本語吹替版エンディングテーマ曲。温暖化の末に逆に氷河期になるという世界を描いたローランド・エメリッヒ監督によるアメリカ映画で日本でも話題になりヒットした。原題は『The Day After Tomorrow』でTheがついていたが邦題は『デイ・アフター・トゥモロー』でそのままグループ名と同一だという縁で日本語吹替版エンディングテーマ曲というタイアップを獲得。あくまで吹替版限定なので字幕で見た場合はこの曲は一切かからない。日本で発売された映画のDVDでも日本語で視聴するとエンディングで聞く事ができるほか、特典映像として映画の映像を使用した編集のMVも収録されるなど扱いはそれなりだった。
映画が6月公開だったため、CDで出す前に6月にシングルDVDとして発売。初期のシングルDVD同様にクリップとメイキング映像を収録した内容だった。
このように3曲とも作品タイアップがついていたので、それとは別に3作連動したショートドラマを制作となっても正直そっちは把握してなくて各楽曲それぞれタイアップという認識のままだ。この中では昼ドラもゲームもやっていないが映画『デイ・アフター・トゥモロー』DVDは購入したので今作が特にタイアップとの密接な印象になっている。
生のストリングスを導入した雄大なバラードナンバー。映画『デイ・アフター・トゥモロー』もDVD購入で見たので、吹替で視聴した時に長いエンドロールで確かにかかっていて何となく曲調がハマっている感じはあったが、厳密には正直そんなに関係が無い1曲だったと思うし、文字通りタイトルが同じでエンディングっぽいバラードだったというだけだろう。
★★★☆☆
3rdアルバム『day alone』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
10th 君と逢えた奇蹟
05年1月13日
前作から5ヵ月ぶり。エイベックスにしては随分と足取りが重くなってきた感のある微妙な間を開けてのリリースが続くようになっていたが、今作も基本的には前作同様の単独タイトル作だけど3曲A面。ただタイアップが一気にしょぼくなり、CMとバラエティタイアップしかつけてもらえなかったので(まだあるだけマシだが)、前作と同じ初登場4位ながら急速ランクダウンして売上は前作の半分程度だった。
3rdアルバムまでの3ヶ月連続企画として、ドラマ『day alone~マノーラと姫ちゃん~』を制作、1話、2話、最終話と3作の初回盤DVDに連続収録するという連ドラの連続発売みたいな前作の連作ミュージックドラマをさらに発展させたようなドラマ企画を展開した。劇場公開もTV放送もしないためいわゆるOV(オリジナルビデオ)と言われる扱いの作品に該当すると思うんだけど、一貫して「映画」と言っていた。
ずっとCCCDという規格外円盤商品だったため、今作が初の正式なCD作品。ただしレンタルでは最後までCCCDで出荷された。
また当時エイベックスが試験的に次世代メディアでの発売を行っていた流れで今作にはSACD盤、DVD-AUDIO盤も存在し、これらには5.1ch mixが3曲追加収録されていた。
君と逢えた奇蹟
作詞:五十嵐充、作曲:鈴木大輔、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
ドラマ『day alone~マノーラと姫ちゃん~』1話主題歌というセルフタイアップ以外に日テレ『音楽戦士 MUSIC FIGHTER』、ブルボン「プチ」CMタイアップもついていた。
良くも悪くも王道的な楽曲だが、良く聞くとこれまでよりも少し抑えた雰囲気の良さのようなものは感じられる。また冒頭部の冬っぽいコーラスもメンバーではない外部コーラスになっているのでmisonoが歌い始まるまではday after tomorrowっぽく聞こえない。元気一杯な感じから落ち着いた曲調に合わせてmisonoのボーカルも抑えめな魅力を発揮している…など良く聞けば進化と言える要素が見つけられる1曲だと思う。
★★★☆☆
3rdアルバム『day alone』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
追伸
作詞:五十嵐充、作曲:鈴木大輔、編曲:石塚智生&day after tomorrow
ドラマ『day alone~マノーラと姫ちゃん~』挿入歌。MVも制作されたがタイアップはセルフタイアップのみ。ギターとキーボードがバランスの良いポップロック系のバンドサウンドっぽい楽曲。末期はギターの存在感が立って、打ち込みのリズムもバンドっぽいものが増えた印象があるがまさにそれを地で行く仕上がり。
★★★☆☆
3rdアルバム『day alone』
全曲集BOX『complete Best』
せつなさはこの胸の中に
作詞:五十嵐充、作曲:北野正人、編曲:五十嵐充&day after tomorrow
ドラマ『day alone~マノーラと姫ちゃん~』挿入歌。日テレ系『スポーツMAX』タイアップもついていた。ミディアム系のポップロックナンバー。やはりバンドっぽさが強くなっていてピアノとギターを主軸に装飾を加えているようなサウンドメイクはコテコテしていないので聞きやすい。
★★★☆☆
3rdアルバム『day alone』
全曲集BOX『complete Best』
11th ユリノハナ
05年2月23日
作詞:五十嵐充、作曲:鈴木大輔、編曲:石塚智生&day after tomorrow
3ヶ月連続リリースの2作目で結果的にラストシングル。アルバムの先行シングルであると同時にドラマ『day alone~マノーラと姫ちゃん~』を3部作にするための数合わせと言っても過言ではないような1曲+カラオケのみの1コイン500円シングルだったが、『day alone~マノーラと姫ちゃん~』を見るためにはDVD付1890円(当時)を買わないとならなかった。ただし『lost angel』から映像に力を入れていてDVDの収録時間も長くなっていたのに便乗してDVD付が2310円と当時としてはかなり高額なミニアルバムよりヘタしたら高いくらいの価格設定だったので一応1890円でも1曲入り考慮で安くはなっていた。
『day alone~マノーラと姫ちゃん~』も別にメンバーが出ているわけではない末永遥、奥田恵梨華主演の本格的なドラマ作品だったため、そもそも興味がないファンも多かったのか今作は初登場12位となり、トップ10入りも逃した。今作の売上が3万程度なので最高でも『day alone~マノーラと姫ちゃん~』を完走した視聴者は3万人に満たないという事に…。
曲自体はアルバム先行ながら王道を少し外したような不思議な雰囲気の楽曲。「lost angel」以降の落ち着いた雰囲気を継続しつつ、歌から始まったり、サビ終わりにバックがオフっぽくなったりと今回のアルバムこれまでと何か違うっぽいな…と感じさせられた1曲だった。末期的といえば末期的っぽいキレの無さもあるにはあるんだけどこの進化の先をもう少し聞きたかった。
前述のように『lost angel』以降今作まで全部ドラマPVでメンバーの演奏シーンは随所に挟まれるのみだったが、misonoの出演シーンのみ縦長加工も一貫して行われ続け、制作サイドのコイツ太った上にいくら言っても痩せないのでこうさせてもらってま~すという露骨な嫌がらせ感が最後まで酷かった。
★★★★☆
3rdアルバム『day alone』
1stベスト『single Best』
全曲集BOX『complete Best』
2ndベスト『Selection Best Album』
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