GLAY 30周年シングル回顧4~2006-2009~

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事務所からの独立に向けても本格的に動き出した時期でこれに伴い2005年はほとんどライブも行っておらず、1月のバラードベスト、7月のGLAY×EXILEのシングル以外に新作リリースは無かった。2006年になるとRe-Birthを掲げて復活をアピールして再始動した。再始動はしたもののこの時期もまだ過渡期でさらに水面下で楽曲の権利も含めて買い取って自主レーベル設立という完全独立へ進めていたようだ。

迎えた2009年の15周年では大々的にベストアルバム『THE GREAT VACATION』を時間差で2作発売。Vol.1は『DRIVE』の後の21世紀以降、後から出たVol.2が90年代のシングルA面を網羅した内容であった。ただDISC-3に新作オリジナルアルバムをつけるという太っ腹な3枚組編成や加えてA,Bで特典DVDの内容が異なるコアファン向けの複数商法が仇となったか、ベスト盤にしては売上は伸びず、かつての大ヒットが再現されることは無かった。

ストリーミング配信状況に関しては2018年に「GLAYアプリ」をリリースして自社アプリ内でのみ全曲配信していたが、2021年の『FREEDOM ONLY』発売時に各配信サイトでの全453曲の配信が解禁された。ただし2010年までのシングル盤(自主レーベルになる前まで)については配信されているサイトとされていないサイトがある。AppleやLINE、AWA、タワレコ等多くの配信サイトではシングル盤も1stから配信されているが、Amazon MusicやSpotifyではこの時期までシングル盤としては配信されていない(コラボシングル2作のみ例外的に配信、『Precious』まで無く、『G4・II -THE RED MOON-』以降はシングルも配信)。C/W集4作もあるのでほぼ全曲とはなっているが一部シングルでしか聞けない音源に関しては2010年以前のシングル未配信サイトでは聞けないという状況になっている。

2024.6~9 新規執筆
過去対談参照

33rd G4

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2006年7月12日
2006年2月には11ヶ月ぶりのライブを行っていたが、新作まではさらに5ヶ月を要し、1年7ヶ月ぶりの単独新作となった。東芝EMIのままだが、事務所アンリミテッドを離脱してキャピトルへ移動し、スタッフも一新しての心機一転での再始動作。

初の4A面シングルとなり、作品タイトルと曲名が異なるミニアルバムのような作品となった。4曲入りという意味以外にもメンバー4人GLAY For~等の意味も込められているとされる。発売時のTV出演では番組ごとに異なる楽曲を披露し、4曲全てがいずれかの歌番組で披露された。

後に『G4』はシリーズ化したが、今作は全てTAKUROの曲であり、メンバー4人が作った曲を1曲ずつという構想ではなかった。

『Blue Jean』から長年の録音ミックスのエンジニアだったMichael Zimerlingを離れて別のエンジニアを起用していたが、今作では佐久間正英の元で経験を積んでいて『ONE LOVE』から2作連続でアシスタントで参加、『THE FRUSTRATED』ではMichael Zimerlingと連名で録音ミックスを担当していた競紀行がついに単独の録音ミックスエンジニアに起用され、以降基本的には現在まで競紀行が起用されている。アンソロジーシリーズも『ONE LOVE』以降はリミックスを競紀行が担当しているが、担当外だからとリマスターは専任者に任せており、マスタリングは専門外なのに『SPEED POP』~『HEAVY GAUGE』でマスタリングまで手掛けてしまったMichael Zimerlingとは異なる姿勢を見せている。

ROCK’N’ROLL SWINDLE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
直球のロックナンバー。アルバムではこういうノリのライブで盛り上がるようなロックナンバーはあったが、シングル1曲目、アルバム1曲目としては正直かなり弱い印象でどうにもシングルっぽくない。かつての対談レビューではビーッソーロンリーウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!と掛け合いするという打ち合わせしてないのに驚くほど見解一致で息ピッタリという秀逸な応酬となっていたが、久々に聞き返してもやっぱりほぼ同じ印象である。サビが一直線すぎてAメロの方がカッコいい勢いだし、もうひとひねりほしかった感じも。

album ver.イントロのギターの音色から異なっているので比較的分かりやすい。『LOVE IS BEAUTIFUL』album ver.勢が軒並み『THE GREAT VACATION VOL.1』収録時にシングルではなくalbum ver.で収録されてしまった事と、シングル1曲目であったせいで『rare collectives vol.3』に唯一収録されず(2~4曲目をC/W判定で収録)、まさかのシングルバージョンアルバム未収録のままとなった。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』(album ver.)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(album ver.)

誰かの為に生きる

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
先の対談で『G4』全体のサブタイトルとして、またその後も便利ワードとして使用したサビで出てくるそれも悪く・ないね♪がこの曲そしてこの時期からのGLAYを端的に示した便利フレーズかなと思う。今作もストレートな爽やかロック系のド王道。これまでを越えるような勢いもそれに代わる2000年代になってから見せていたような進化もほとんど感じないが、それでもらしさは存分にあるので悪く・ないね♪という。『LOVE IS BEAUTIFUL』の時期を象徴する名フレーズが生まれた事に価値がある1曲。

『LOVE IS BEAUTIFUL』の時期を象徴すると書いたが、『G4』で唯一今作だけ『LOVE IS BEAUTIFUL』に収録されず、ベスト盤にも選曲されず…と散々な扱いで機械的にC/Wを収録する『rare collectives vol.3』で唯一のアルバム収録を果たした。扱いは到底悪く・ないねとは言えるものではなく普通に悪かった
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2004年の映画『CASSHERN』と宇多田ヒカルとの結婚(2007年離婚)で当時新鋭の映画監督として広く名が知られていた紀里谷和明がPV監督を担当した事でも話題に。4曲の中では唯一のバラード。深いところまでの愛をテーマにしているため、全体に暗く重め。通しで聞くのはちょっとかったるい。

それでも今のファンには人気はそこそこあるんだろうなと思っていたら『BALLADE BEST☆MELODIES』『BALLADE BEST☆MEMORIES』にも選曲されなかった。『REVIEW 2』リリース時に追加でメンバーがセレクトした12曲のうちの1曲として『REVIEW 2.5』には選曲された。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3
配信限定アルバム『REVIEW 2.5』

LAYLA

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
4曲の中では最も人気が高くメイン級の風格がある名曲風のロックナンバー。名曲風であって過去の名曲に及んでいく感じではないものの、“まだ俺はやれるのさ かつてのように器用には上手く振る舞えないかもしれないけれど”という部分にはどこかかつてほどの名曲が出なくなってきたなと感じていた当時の感覚と一致した。挫折からの再起を歌った歌詞の内容は色々な事に当てはまる部分でもあり、当時の背景としては事務所独立問題のゴタゴタからの再起・復活・新体制で新始動という部分での心情が強く反映されているようには思う。

album ver.は他の曲と異なり、ここが違うという部分が特になくどこが違うのかイマイチ良く分からない。機材が違うとか言われていたり、テンポが違うとも言われていて、『THE GREAT VACATION VOL.1』もalbum ver.だというのが定説になっているが確証が持てない。演奏時間ではシングル(5分39秒)、『rare collectives vol.3』=『THE GREAT VACATION VOL.1』(5分36秒)、『LOVE IS BEAUTIFUL』(5分38秒)となるので定説は演奏時間の面からは成立しないんだよな…。演奏時間の差は最後の余韻(無音)部分の差っぽいので関係なさそうだけど。
★★★★☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』(album ver.)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(album ver.?)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3

ANSWER
/GLAY feat. KYOSUKE HIMURO

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2006年8月2日
氷室京介とのコラボシングル。1年前のGLAY×EXILEに続くコラボだが、今回はGLAY feat. KYOSUKE HIMUROというゲスト扱いとなっている。当時のレコード会社は双方同じEMI。

5万枚限定スペシャルトールケース仕様(PV収録DVD+Special Booklet付)
紙ジャケット仕様(PV+メイキングを収録したDVD付)
Pケース仕様(CDのみ)

3種発売でCDは全て表題1曲ポッキリ。なんだか聞き慣れない形態名だがPケースというのはただのマキシシングルケースでありいわゆる通常盤である。今回はGLAY×EXILEと違ってGLAY側からの発売なのに何故コラボすると聞き慣れない形態名つけた変則発売になるのか。

ANSWER

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
氷室京介はゲストボーカルとしての参加で、作詞作曲編曲には一切参加していない。TERUの高音ボーカルと氷室京介の低音ボーカルが絡み合い、キーが異なる2人のボーカルの良さを最大限生かしたようなメロディーが展開する。サビ部分は氷室京介が無理なく1番カッコよく響くようにしてTERUは普段より高めに重ねているような感じだろうか。GLAYのコラボ系楽曲の中ではダントツでこれが1番好印象。

「SCREAN」同様に『LOVE IS BEAUTIFUL』album ver.を『THE GREAT VACATION VOL.1』にも収録したため、GLAYサイドではシングルバージョンアルバム未収録のままとなった。シングルバージョンは2008年に氷室京介が20周年でリリースしたベスト盤『20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN’ ON~ALL THE-S-HIT~』に収録されている。冒頭のSet me free後の激しい演奏部分でalbum ver.ではジャジャジャジャッとリミックスっぽいスクラッチ加工が施されていたり、全体にデジタルっぽさがちょいちょい感じられるのが違いか。シングルの方がストレートにロックしていた感じ。
★★★★☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』(album ver.)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(album ver.)
氷室京介ベスト盤『20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN’ ON~ALL THE-S-HIT~』(シングルバージョン)

34th 夏音/変な夢~THOUSAND DREAMS~

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2006年9月13日
“Re-Birth”を掲げただけあってコラボを挟んでの3ヶ月連続シングルリリースとなって次なるアルバムに向けて一気に畳みかけた。前2作は2位止まりだったが今作では『ホワイトロード』以来の1位を獲得。前述のように2004年12月の『ホワイトロード』は2005年度扱いとなり、2004年は他の3シングルで1位、2003、2002年も1作ずつ1位があったのでこれにて1997年からの連続1位年数は2006年も継続達成となり、これで10年連続となった。

公式のタイトル表記は両A面シングルとなっているが、帯やCDレーベル面は明らかに「夏音」としか書かれておらず、両A面には見えない。「変な夢~THOUSAND DREAMS~」にCMタイアップがついたのでパッケージ完成後に急遽公式のタイトル表記だけ両A面に変えたのだろうか。

夏音

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TBS系『恋するハニカミ!』テーマ曲。夏の終わりのしんみりバラード。2004年のお疲れ気味バラード路線の延長にあるような落ち着いた穏やかな方向性だが、Re-Birth以降の『LOVE IS BEAUTIFUL』の中ではダントツで今作がいいと思う。こういう路線だと必要という事ではあると思うんだけどまたもストリングス使用となり、さりげにGLAYでもだいぶストリングス連発気味になっていたのは時代の流れか。

パッと聞きの印象がちょっと地味なのと、9月半ばだとまだかなり暑かったのでしっくり来なかったんだけど、涼しい風が吹き始めるのと曲に馴染んでくるのが重なってけっこう気に入った曲になっていった…という時間差があったのを覚えている。最近の夏は昔に比べて酷暑だとは誰もが感じているだろうし、2010年代の対談レビューでもサマーソングの時に最近の夏は…的な話題がチョイチョイ出ているけど、それよりもさらに前のこの頃から既にそんな印象だったんだな。
★★★★☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

変な夢~THOUSAND DREAMS~

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
Modern AmusementのCMタイアップ。A面っぽくはないちょっと変な曲というか、あまり歌詞に中身が無いリラックスした感じのロックナンバー。『LOVE IS BEAUTIFUL』封入の超細かい文字での長文ライナーでも“いい意味で肩の力が抜けたナンバー”と紹介されており、“意味がないとは言わないが、聴く方も変に気張らずに聴ける印象”などと書かれているほど。ヘイ!ヘイ!ジャ~ラ~ジャラ~ラ~♪(ギター)ヘイ!ヘイ!ジャ~ラ~ジャラ~ラ~・ラ~♪(ギター)の方が印象的だったほどでなんとも掴みどころがないというか…。聞き直して意外とポップなサビだったのに改めて気づいた。CMタイアップらしい爽快さはあったのかも。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

C/W Lock on you

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&佐久間正英
TERU曲。『THE FRUSTRATED』ではスカパラをゲストに招いた「BLAST」でスカに挑んでいたTERUだが、今作はキャッチーではないが激しすぎるほどでもない「変な夢」以上に掴みどころのないロックナンバー。
★★☆☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3

35th 100万回のKISS

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2007年1月17日
LOVE IS BEAUTIFUL2週間前先行シングル。5万枚限定DVD付きアイテムとしてⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4種を発売。DVDは表題曲MVは共通、2曲目のライブ映像が4種で異なる(「LAYLA」、「ANSWER」、「夏音」、「100万回のKISS」と全て直近の楽曲のライブ映像)。また通常盤にのみ表題曲カラオケ(Instrumental)が追加収録された。初回盤購入者がカラオケ目当てで通常盤まで買うというのははあまりいなかったと思われるが、シングルでの初のDVD付がいきなり4種で『天使のわけまえ/ピーク果てしなく ソウル限りなく』以来となる派手な複数商法には不満の声も…。DVD付4種効果によりアルバム2週前ながら前作より2万枚ほど上昇した。

100万回のKISS

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「BELOVED」「a Boy~ずっと忘れない~」系統の久々の優しい曲調のシングル。アルバムだと2004年の『THE FRUSTRATED』の「あの夏から一番遠い場所」で近い系統の曲をやっていたが、ここ最近は優しい方向だと「時の雫」とか「Blue Jean」など以前とは違う落ち着いた方向性だったので90年代のGLAYっぽい直球勝負のシングルを出してきたなという印象。

「BELOVED」よりは「a Boy~ずっと忘れない~」っぽいし、あの頃には及ばないという感じではあって、発売当時はそこまで印象には残らずに流されていってしまった。さらに年月が経つとこの手の作風ほぼ聞けなくなってしまったので(『FREEDOM ONLY』くらい?)、あの頃がもっと遠く懐かしい過去になった時期ならもっとウケが良かったような気もする(タイミング的には90年代作品群をアンソロジーシリーズで出していた時期とか)。

この頃になるともう周囲にGLAYファンの知人がいなくなってしまい、新たに出会った人たちでもラルクを聞いている人はいてもGLAYはいない…みたいな感じで基本的にGLAYは1人で聞き続けている状態に完全に切り替わってしまった。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

C/W LONE WOLF

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
この時期らしいカッコいいんだけど前後の曲とあまり区別がつかない感じの王道のロックナンバー。『G4』以降はパッと思い出せない曲が一気に増えてくるが、聞けばそういえばこんな曲もあったとまだ思い出せるくらいではある。
★★☆☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3

MIRROR

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL
アルバム最終曲。シングル曲が多く(次のシングルC/Wに「僕達の勝敗」までシングルカットされたのでアルバム曲は5曲)、特に1~4曲目が全部既出シングルだったため、初めて1曲目にアルバムリード曲が置かれないアルバムとなったが、最終曲である今作がリード曲的な扱いとなっている。

曲調自体は割と疾走系でファルセットを駆使した流れるようなサビメロも印象的。歌詞はGLAY史上最も暗く重く、裏切りと絶望と葛藤が渦巻く激動の日々をもがきながら駆け抜けていこうとするような内容。何があったのかといえば著作権をめぐる裁判や独立(による干され)であり、この中で多くのGLAYを取り巻く大人たちの裏切りがあった事は容易に予想される。争った相手にも守るものや正義があり、表裏一体であるからこそあえて今作を「MIRROR」と名付けたのかもしれない。深い1曲だ。

アルバム発売当初とりあえずアルバム曲ならこれが1番いいとは思ったんだけど、その次のアルバムが『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』となり、DISC-2の3~10,12が『LOVE IS BEAUTIFUL』収録曲…と15曲中9曲が最新アルバムからの選曲で埋まってしまった。今作が選曲されていてもちょっともうこのアルバムからはいいよ…という気分になってしまったのは否めない。
★★★★☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』

36th 鼓動

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2007年4月4日
DVD付も継続せずに今作は1種発売に戻った。複数商法によるドーピング効果で売上が増加した前作から一転して、15万前後で推移していた売上は今作で一気に累計10万割れと落ち込んだ。ただこの週は強敵もおらず初動6.7万枚でも初登場1位を記録。これにより1997年度から続く連続1位獲得年数を2007年度も無事更新できた。

鼓動

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英、Strings Arrangement:永井誠一郎
映画『大帝の剣』主題歌。MVも映画の映像がかなり織り交ぜられているが、出演者が揃いも揃ってみんな妖怪扮装というかなりインパクトのある映像だったので映画知らずにMVだけ見るとそっちに引っ張られてしまって曲が入ってこない。なんなんだあれは。

ワルツを意識した重めの3連リズムのナンバー。ストリングスも派手に鳴り響き、歌詞も妙にアニソン的壮大さが漂うのはタイアップ先のSFな世界観に合わせたものと思われるが、ワルツ調なのはなんともモヤついていてかったるい。いつものGLAYとは一線を画すインパクトはあったので覚えている方の曲ではあるんだけど…苦手な印象が残り気味なシングルになった。

あまり進んで聞かなかったのでじっくりまともに聞いたのって前回の対談以来になるんじゃないかという勢いだったが、物凄く久々に聞いたらけっこう響いた。2020年の世界変異を経て歌詞が当時より沁みる世相になったためだろう。
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

C/W 僕達の勝敗

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
『LOVE IS BEAUTIFUL』収録曲のシングルカット。特に変更はなく「春を愛する人」と同じパターンでそのまま収録されている。このシングルの中ではシングルっぽい曲ではあって、負けを認めるところから始めようとするこれまでよりも一歩進んだ重さを感じられる1曲。サビ頭が“答えは僕等の負けだ”というのは潔いし、若い頃には認められなかった部分じゃないかと思う。あきらめたわけではなく、認めた上で進むというのがポイントでやれるやれるやれるやれるさの連呼はサビ頭よりも印象的な部分だ。これも訴訟&独立の渦中の中だからこそ生まれた曲なのかも。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

C/W 棘

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY,原田憲&佐久間正英
GLAY×EXILE「SCREAM」でエイベックス側のアレンジャーとして参加していた原田憲をGLAY単独で改めて共同アレンジャーに招いたロックナンバー。佐久間正英も参加しているので大枠はGLAYなんだけどどこかアレンジの雰囲気に「SCREAM」に通じる要素が感じられ、原田憲を招いた成果が確かに加味されている感じがする。ただ近年のようにゲストを招いたらまるっきりサウンドがデジタル化するとかそこまでの大胆な変化ではない。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

37th Ashes.EP

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2007年10月31日
『G4』以来の4曲入りシングルで初めてEPと銘打たれた。タイトルから「ASHES-1969-」がメイン曲扱いと思われるが「SORRY LOVE」もMVが作られており、この2曲が『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』収録となっている事からこの2曲がA面扱いっぽくはなっている。しかし発売当時は「ROSY」も含めたカバー以外の3曲がA面のようにも扱っていた。

前々作に続いて初回盤はDVD付となり、2曲のMVとドキュメントを収録。複数商法ではなかったがEPという豪華シングルっぽさで購入が戻ったのか再度10万枚を突破した。

ASHES-1969-

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
アポロが月へ行った1969年をモチーフにしたロックナンバー。ただそれ以外は言葉数も多くなくイマイチ何を歌っているのかは良く分からない。いきなり歌から入ったり、Aメロから一気にサビなったりとコンパクトな構成で激しさはあるんだけど比較的さらっとしている。この時期になると何度も聞かないと残らない曲がほとんどで、この曲もしばらくなかなか残ってこなかったが、馴染んできてからはそこそこ普通に好印象。
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

ROSY

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
抑えめに始まりサビで一気にバンドがガツンと爆音全開になって一直線に突き進んでいくようなロックナンバー。シンプルに気持ちいい1曲。TAKURO選曲らしいがこれが何故『BALLADE BEST☆MEMORIES』に選曲されたのかは謎。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』

SORRY LOVE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2000年代以降特有のお疲れ気味バラードの中ではもう少し覇気のあるバラード。「恋」「SORRY LOVE」「I LOVE YOUをさがしてる」の3曲はどれも横一線なこの時期のバラードっていう以上の印象がなかなか…。
★★☆☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES

MOTHER NATURE’S SON

作詞作曲:John Lennon/Paul McCartney、編曲:GLAY&佐久間正英
The Beatlesのカバー1968年『The Beatles』通称ホワイトアルバムに収録されていた楽曲。有名な赤盤・青盤ベストアルバムには選曲されておらず、2023年の追加選曲にも選ばれていない曲なのでビートルズの中では知名度はそんなに高くない方の曲と思われる。

GLAYの洋楽カバーは基本的にほぼ原曲に忠実に演奏するもTERUが歌えば全部GLAYの曲になるというのを改めて再確認できる仕上がり。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

38th VERB

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2008年6月11日
ライブ音源/映像違いは過去にあったが、初回盤DVD付と通常盤で2曲目が異なる初の曲違い複数商法。この2曲は4月に初の配信シングル(両A面)として発売していた2曲のCD化となる。着うたフル/着うた/PC配信だったがまだ着うた全盛期の配信でPC配信にもDRMがかかっていたりと現行配信とは配信方式が異なっていて、PC配信のフォーマットが変わってDRMとか余計な機能を排除して整備された段階で撤収され現在は配信されていない公式サイトでは1st Digital Singleとして今も掲載されている。

初回盤はC/W「-VENUS」収録、「STARLESS NIGHT」のライブ映像と「VERB」MVを収録したDVD付。
通常盤はC/W「STARLESS NIGHT」収録。

複数商法の効果で累計12万枚まで売上を伸ばした。また今作で1位を記録し、これにて2008年度も1位獲得を達成。1位獲得年数を1997年から12年連続まで更新したが今作を最後に2009年以降はついに1位を取れなくなったため(この後のシングル1位は2016年の『G4・Ⅳ』のみ)この記録は1997~2008年で止まった。

VERB

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「誘惑」「口唇」「MERMAID」のシングルでの王道ロック路線をより硬派にロックに、15周年を翌年に控えた大人になったGLAYが改めて提示したようなロックナンバー。パッと聞き「Ashes.EP」と同じようなインパクトのロックナンバーではあるんだけど、この時期のロックナンバーの中ではかなり力が漲っていると同時に痛みも伴うというこの時期の代表曲といえる1曲なんじゃないかなと。”どうして”を連呼しながら過去の後悔を列挙し、誰も死ぬために生まれたわけじゃないと叫ぶように歌う迫力に圧倒される。

ただVERB=動詞であり、タイトルが「動詞」って何なのか。まさか歌詞が重めなので“どうして”の連呼にひっかけたダジャレをタイトルにして中和を試みているのか…?
★★★★☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)

初回盤のみ
C/W -VENUS

2008年4月16日(配信シングル『STARLESS NIGHT/-VENUS』)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
3分半に満たない比較的ゴリゴリのロックチューン。配信とはいえシングル表題曲っぽくはないし、正当に「VERB」のC/Wっぽい感じ。
★★☆☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

通常盤のみ
C/W STARLESS NIGHT

2008年4月16日(配信シングル『STARLESS NIGHT/-VENUS』)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
今作の中では格段に売れ線っぽい爽やかさが漂う明るいポップロックナンバー。サビは全部英語だが、前半はタイトルを連呼するだけなのでライブで初めて聞いてもその場でコール&レスポンスしたり合唱したりできそうな馴染みやすさがある。やはりこういう曲は必要だなと思わせてくれる明るさだ。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

C/W WITH OR WITHOUT YOU

作詞作曲:Paul David Hewson/Dave Evans/Adam Clayton/Larry Mullen
U2のカバー1988年のアルバム『The Joshua Tree』収録曲でシングルカットされて代表ヒットの1つにもなっている楽曲。代表曲との事だがU2は名前しか知らず通ってないので聞き覚えなく…。聞き比べるとこれも原曲のイメージを忠実になぞっているような印象。GLAYとしてはあまりない曲調で新鮮。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

39th 紅と黒のMATADORA/I LOVE YOUをさがしてる

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2008年9月10日
初回限定盤はデジパック仕様/ダブルジャケット仕様。DVDは付属せず収録内容も同じ。Mr.Children『HANABI』が2週連続1位だったため今作は初登場2位となった。

紅と黒のMATADORA

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
韓国映画『宿命』日本公開時主題歌。スパニッシュな雰囲気漂う少し異色なロックナンバー。ストリングスが目立つのが印象的だが、大枠では前2作と似たような残りにくいメロディーラインのアップテンポというところもあって前2作と違って最後まで聞き馴染むことなく終わってしまった。前回の対談の時も「聞かないと思いだせない」とコメントしていたが今回も記憶が曖昧で印象が変わっていなかった。
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

I LOVE YOUをさがしてる

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
テレビ朝日金曜ナイトドラマ『打撃天使ルリ』主題歌。「時の雫」が主題歌だった『スカイハイ2』と同じ枠のドラマタイアップ。かなり特殊な設定のバトル系の内容で、怒りが頂点に達すると相手を打ち抜く事で殺しはしないがほぼ廃人状態へと追い込む“打撃人類”の能力を持つ主人公が悪人を打撃しながら正義とは何なのか葛藤していくというハードな内容。原作は女子高生の主人公が何故か打撃格闘しながら全裸で新体操するというかなりネジの飛んだ漫画で実写どころかアニメにもできない内容だったのを当時30歳の菊川怜を主人公に変更してほぼ基本設定以外はオリジナルで展開。最初と最後の方だけ見たんだけど主題歌は正直あまりかかっていた印象がない…。

「HOWEVER」のアンサーソングだとか10年後を描いた曲ともコメントしていたが、「恋」「SORRY LOVE」に続く近年のかったるい系バラードという横一線の3部作という印象しか無く、アンサーソングとしてもう~ん…。後の扱いが非常に悪いようでライブでも当時やったきりで、「紅と黒のMATADORA」共々シングルとは思えないような全く演奏されない曲になってしまったようだ。
★★☆☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

C/W SUFFRAGETTE CITY

作詞作曲:David Bowie
David Bowieのカバー1972年のアルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』(ジギー・スターダスト)収録曲。B面曲としてシングルカットされた後、1976年にシングルA面としてもリリースされている。今回も知らない曲だったがこれまでの忠実カバーに比べると原曲よりも勢いのあるアッパーなアレンジになっていて少し様子が異なる。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

40th SAY YOUR DREAM

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2009年3月4日
初回盤はライブ映像2曲収録DVD付、MVフルバージョン視聴コードや20ページブックレットが付属する豪華DREAM BOXパッケージ仕様

「THE MEANING OF LIFE」の後にほとんど間を置かずに同一トラック内に隠しトラックでランダムで異なる3曲のライブ音源が収録されている。CD内周部にのみ品番の後にA,B,Cの区別が印字されているため、開封してCDを見ないとどれに当たるかは分からない仕様。TOCT-22296Aに「BE WITH YOU」、TOCT-22296Bに「ROCK’N’ROLL SWINDLE」、TOCT-22296Cに「GONE WITH THE WIND」が収録されているとされる。

当時レンタルしてきたCDで当てたのは「BE WITH YOU」。曲本体のアレンジはオリジナルだがイントロには長いピアノソロが収録されていた。

chronos

作編曲:HISASHI
キーボード主体の短いインストナンバー。前奏的な役割を果たすが、特に「SAY YOUR DREAM」のメロディーを使っているとかでもないので(作曲者違うし)、無ければ無いであまり問題はない。というか『rare collectives vol.4』では「春までは」と続けて収録されたので「春までは」の前奏のようになっていてそれならそれで違和感はなかった。
★★☆☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

SAY YOUR DREAM

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
13分の超大作で完成に8年かけたとも言われている。実際にはアップテンポで爽やかな王道ロック「SAY YOUR DREAM」(勝手に仮題)と近年のバラードが全部霞むような壮大な大バラード「世界の片隅で」(勝手に仮題)2曲を1トラックにしてメドレーにしたような構成(「SAY YOUR DREAM」(仮)の演奏はいったん終了して繋ぎのSEを経て「世界の片隅で」(仮)の演奏に突入するので割としっかり2曲は別れている)。青春期までを歌った瑞々しさ、若々しさに溢れた前半のアップテンポと人生の始まりと終わりまでを歌った壮大なバラードのどちらにも引き込まてあまり長さを感じない。Re-Birth以降のどこかパッとしない曲続きの中で久々に底力を見たような名大作だった。

MVは1945年に捕虜となっていた日本人の青年が命を懸けたサッカー勝負に挑むも反故にされて怒りに震えて脱走を企て、同じ年頃だった敵兵の青年に手助けされるという若き日のエピソードが2009年の現在に繋がるという内容で、大企業のCEOになった当時の日本人青年は企業買収の際に相手企業のトップの外人があの時助けてくれた敵兵青年だと気付き、今度は私の番だと告げて買収を辞めるという64年の時を越えた物語が展開する。第二次世界大戦で兵士になるくらいの年齢だった若者が現代でも存命かつ隠居生活ではなく現役で企業のトップに立っているという設定が成立可能だったのは戦後65年前後のこの時期が現実的にほぼギリギリの時期だったように思う(実際両者ともかなりの御老人であり、当時20歳でも80代半ば)。ここから戦後70年を越えてくるともう当時10歳が80歳という時代になっていったのでもう今作のような戦時中の青年→現代の老人設定での物語は作れない(例えば2015年のコナン映画で60代前半のはずの寺井の戦時中青年の回想エピソードという20年近く設定を間違えたようなエピソードを作ってしまったのは老人=戦時中は青年という90年代にメインで使えていた設定のまま時が止まってしまっていた制作側のミスだろう)
★★★★★
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT

C/W 春までは

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY,永井誠一郎&佐久間正英
トヨタ「プリウス」CMソング。打ち込み主体のシンプルにメロディーを前面に出した春曲。C/Wでは久々に印象的ないい曲。バンド感は薄いんだけど、メロディーがとにかくよかった。
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

C/W THE MEANING OF LIFE

作詞作曲:Bryan Keith Holland
The Offspringのカバー1997年のアルバム『Ixnay on the Hombre』収録曲でシングルカットもされたがシングルはヒットしなかった模様。

何故か今作ではすっかり収録されなくなっていたInstrumental収録が復活しており、4,5曲目には「SAY YOUR DREAM」「春までは」のInstrumentalが収録されていたので今作はその後の6曲目に収録されていた。前述のようにこのシングルでは最終曲の後にシークレットトラックをそのまま繋げて収録する都合から、インストの後ろにくっつけるより歌入りの曲の後ろにくっつけたいという考えがあったのだろう。

一転して今作はGLAYデビュー後の大ブレイク期にリリースされていた同時代性の強いロックナンバー。普段のGLAYよりハードなロックナンバーで忠実なカバーによりいつも以上にロックなGLAYを堪能できる。4作続いたC/Wに洋楽カバーを入れるシリーズは今作で完結となったが、『rare collectives vol.4』にOasis「Don’t Look Back In Anger」が未発表カバーとして収録されている事からも同時期に制作していたものと思われる。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

41st I am xxx

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2009年5月25日
デビュー15周年記念日の発売。このため月曜日発売(たぶん金曜入荷)で初動4万(前2作は7,8万くらい)だったが初登場2位。累計は9万でいつもとあまり変わらなかった。

初回盤はFC限定のメンバープロデュースライブ「GLAY Member Produce Live 2009 THE GREAT VACATION -extra-」4公演から1曲ずつの4曲のライブ映像を収録したDVD付。

前作に続いて通常盤には「THE GREAT VACATION VOL.1(予告編)」の後に隠しトラックでライブ音源が収録されている。今回は2種でTOCT-40261Aに「TWO BELL SILENCE」、TOCT-40261Bに「すべて愛だった -Lavie d’une petite fille-」を収録。当時レンタルで当たったのは「TWO BELL SILENCE」

I am xxx

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
香港・フランス共同制作映画『ラスト・ブラッド』(Blood: The Last Vampire)主題歌。ダークで退廃的な雰囲気漂うヴィジュアル系っぽいロックナンバー。サビでの叫び倒すようにがなりたてる高音も珍しく、かなり異色な印象。MVでは長髪になっていたりメイクまでしているっぽく今作だけ思いっきり見た目もV系に寄せている。すぐベスト盤が控えていたのでシングルとしてはあまり大きな印象を残せなかったものの、視覚的なインパクトはけっこう強かった。15周年30代後半の時期にでヴィジュアル系と呼ばれた初期イメージに回帰しようという試みは面白かったと思う。20周年だとたぶんちょっとキツくなってたし(少々太っTERU状態でこのスタイルは…)

Yes,I am Oh Yes,I am♪のサビが普通に野菜屋ァ!オオ野菜屋ァ!♪に聞こえる事でも有名(?)で通称「野菜屋」。「野菜屋」でこの曲の事だと分かるという。むしろ「I am xxx」のxxxの読み方がイマイチ良く分からないし(実際にはxxxを読まずに「アイアム」で正解なようだが)「野菜屋」という隠語を使った方が早いという説も(無ぇよ)。野菜屋が強すぎてサビ以外がなかなか定着しなかった。
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

C/W 冬のエトランジェ(THE GREAT VACATION -extra- Live ver.)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2004年にTAKUROが提供してTERUがコーラス参加していたMISIAへの提供曲(アルバム『SINGER FOR SINGER』収録)のセルフカバー。スタジオ音源ではなく2009年のメンバープロデュースによるFC限定ライブ4本のうち4月9日NHKホールでの「TAKURO Produce Live 2009 THE GREAT VACATION -extra- 10 Years~あれから10年も、このさき10年も~」のライブ音源(初回盤DVDには同公演から「SAY YOUR DREAM」を収録)。正式なスタジオ音源セルフカバーは行っていない。

アコースティックスタイルのバンドサウンドで昭和歌謡調の切なバラード。MISIAというよりもっと昔の昭和の演歌歌謡歌手のカバーみたいな雰囲気のバラード。勝手なイメージだけど津軽海峡が冬景色な人とかが歌っても似合いそう。そんなGLAYっぽくないコテコテの昭和バラード風だが、TERUが歌えばそれだけですっかりGLAYに…。いやさすがにGLAYとしては妙に昭和過ぎる感じはするか。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4

C/W THE GREAT VACATION VOL.1(予告編)

「I am xxx」のInstrumentalが3曲目に収録され、4曲目に収録。6月10日に発売を控えていた『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』のDISC-3(事実上の新作オリジナルアルバム)を中心としたダイジェストトラック。けっこうしっかり聞かせてくれるので7分50秒近くもある。以降しばらくアルバムのたびにダイジェストが収録されるようになったがさすがに今作は長すぎたとなったのか、次からはこんなに長くはなく、もっと短く編集するようになった

終了後にそのまま1分弱の無音を経て8分40秒辺りからシークレットトラックで「TWO BELL SILENCE」「すべて愛だった -Lavie d’une petite fille-」いずれかのライブ音源が収録されている。シークレット含めてこのトラック自体が配信ではカットされている(Instrumentalも無いので今作は全2曲)。

LET ME BE Live Ver. 2009-2010 at makuhari messe

2010年2月24日(iTunes Store限定)
2009年12月31日に幕張メッセで行われたカウントダウンライブ音源。ベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』収録曲のライブバージョンとなる。公式に『STARLESS NIGHT/-VENUS』に続く“2nd Digital Single”として掲載されていて、当時iTunes Store限定でライブ音源のみ、ライブ音源とベスト収録のスタジオ音源、ライブ音源とベスト収録のスタジオ音源とライブ映像のセット『Let Me Be (Special Set)』と3種で配信されたが、現在は削除されている。ライブ音源自体は『rare collectives vol.3』に収録され(“THE GREAT VACATION at makuhari messeLive ver.”に表記変更)、ライブ映像も2020年にYouTubeでMV扱いで公開されている。

ピアノ+ボーカルで歌い上げるラブバラード。王道のTAKURO節といった感じの良メロ歌い上げ系バラードで『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』に収録された新曲群の中では比較的メロディーが強めの曲ではあるが…いかんせんこの新曲群11曲(DISC-3)は90年代黄金のヒット曲群(DISC-1,2)にくっついていたためオマケCDのような印象になってしまい、どうしたって最初から印象負けしてしまっているところはあってしばらくは意識もしてない曲の1つだった。配信されたのもiTunes Storeとは無縁だったので気づいてすらいなかった

このライブバージョンはライブ音源になって緊張感が増したくらいで印象はスタジオ音源とほぼ同じままピアノ1本で進行してフルコーラス終えた後にバンド演奏が入り2分近くバンド演奏が続く(この間の歌は絶叫しながらサビの一部を繰り返す程度)ので8分を越える。以降も2バージョン発表されたがバンドの参加は無いのでこのライブ音源ならではの特徴はこのラスト2分のバンド演奏部分にあると言える。

かなり気に入っていたのか2010年のホールツアーのライブパンフレット付属CD『THE GREAT VACATION VOL.3 -RATW edition-』に新録音のRATW Ver.として収録。このバージョンではコーラス隊が追加されている。演奏は相変わらずピアノ1本のまま。

2020年には『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECTに選曲されたので再録音されているが、なんとまたしてもピアノ1本でそのまま再録音。この時のTERUの声はやや調子悪めだったのか声が細くなりがちだったのもあって、オリジナル当時よりも掠れ気味になっている。

2016年秋に『乃木坂工事中』で生田絵梨花(かねてからGLAYファンである事を公言していたが佐久間正英が亡くなる直前の2014年末に佐久間正英と共演して姪である事を公表)がバナナマンに好きな曲を紹介するという企画の際に今作を紹介。バナナマンは日村がJIROと同い年、設楽がその1つ下でGLAYと同世代ではあるがリスナーとしてはBOØWYに熱狂した世代であるためか2人ともこの曲を知らなかったが紹介の際に流したのはこのライブバージョンの映像だった。基本的にファンなら知っている人気曲以上ではないと思われるが、この一件もあって当時の乃木坂46ファンと生田絵梨花ファン界隈でのみ全盛期並に知名度が高い1曲となった。
★★★☆☆
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(THE GREAT VACATION at makuhari messeLive ver.)(Live Ver. 2009-2010 at makuhari messeと同一)
ツアー「2010-2011 ROCK AROUND THE WORLD」パンフ付属CD『THE GREAT VACATION VOL.3 〜RATW edition〜』(RATW Ver.)
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』(RATW Ver.)
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)

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