デビューから3年経たずにリリースしたベスト盤『KinKi Single Selection』が125万枚を越えてアルバムでは最大のヒットとなり、引き続きの大ヒット期の後半。2001年より一気に全体のCD売上が激減し始め、人気自体も落ち着いてきたので売上は大激減し、2002年以降は30万枚をボーダーラインとした売上を連発する安定期に突入した。
2人のゴールデン枠での連ドラ出演の連発は概ねこの時期までとなった。2002年には剛がシンガーソングライターとしてソロデビューした。
デビューからの連続1位記録はスタッフサイドがかなり意識していたようでシングルは問題なく1位を重ね続けていたが、アルバムでは『F album』リリース時に年末年始の合算週となるタイミングで発売、浜崎あゆみ『RAINBOW』の2,3週目(合算)を甘く見ていたようで、大差で及ばず初登場2位に終わり、アルバムでの連続1位記録を早々に途絶えさせてしまう大失態となってしまった。現在でもこれが唯一の2位である。
リメイクのため公開終了したもののタイミングを逃し続けたままとなっていたが、サブスク解禁&改名タイミングで2025.7~8全面リメイク
10th 夏の王様/もう君以外愛せない
2000年6月21日
両A面シングル。今作よりマキシシングルへ移行。ベスト盤『KinKi Single Selection』から1ヶ月でのリリース(このため当時一緒にレンタルしてきてCD-R保存の際に今作も一緒に収録した)。
これまでの両A面と異なり、何故か3種用意せず、「もう君以外愛せない」メインジャケ写を初回盤、「夏の王様」メインジャケ写を通常盤とした2種発売(曲順は今回も同じ)。マキシシングルに移行したので過渡期だったのだろうか。2人のそれぞれの主演ドラマ主題歌の両A面という初のパターンだったため、売上は好調で前作と同じ初動から前作を30万以上上回って87.5万枚まで引っ張る大ヒットとなった。しかしこれでもミリオンは遠かった…(改めて「フラワー」が凄ぇ…)。
夏の王様
作詞:康珍化、作曲:羽田一郎、編曲:船山基紀
堂本剛主演の2000年夏クールTBS系ドラマ『Summer Snow』主題歌。7月7日スタートだったので放送開始前の発売となった。『若葉のころ』『青の時代』『to Heart 〜恋して死にたい〜』に続く小松江里子脚本のドラマとなったが、今回は過去3作のようにバラード系ではなく陽気120%なアップテンポアイドルサマーポップナンバーとなり、全くの別系統。ドラマは別にそんなに明るい展開では無かった上に、相手役の広末涼子が心臓病を抱えているというあからさまなフラグが立っており、フラグ通りに終盤死にそうな展開となり最終回ではいよいよ移植しかないという展開になり、主人公の堂本剛が直前にバイクに轢かれそうな少年をかばうシーンが…と、唐突な別死亡フラグがぶち上げられる。広末は手術成功で生還。剛も何度か見舞いに登場するが剛以外の周囲の様子がおかしい。やがて完全回復した広末は周囲から剛が交通事故で死んだと聞かされ、今まで見舞いに来ていた剛は幻(亡霊)、移植された心臓は死んだ剛のものだったと発覚する…という世にも奇妙な超展開となり、視聴者が唖然とする中、陽気なブラス音がプァーーー♪テコンピコン…(略)テッテッテレッテッテッテーオッエオッエー!ワッツァッカモー!オッエオッエー!と悲しみを飛び越えすぎなオッエオッエーが鳴り響くというあんまりな結末で物議を醸したのだった…。
このようにドラマの当たり外れが激しくなってきた感じもあり、主演作が毎回面白いという時期は過ぎ去りつつあったように思う。今作はCMソングくらいが妥当で、ドラマ主題歌になるタイプの曲ではないと思う。明るいラブストーリーでハッピーに終わるならまだしも、亡霊ENDでオッエオッエーは無いって。
楽曲自体は限界ギリギリのキーの高さが印象的でサビはとにかく高音続き。サビ後半でダメ押しの如く高音を伸ばすという鬼のような構成でカラオケ殺しであったが、歌っている当人たちも相当きつかったようだ。サビはほとんど剛の突き抜ける声しか聞こえな
KinKi Kidsとしては当時としても明るすぎたため「フラワー」でも抵抗があったような2人にとっては当然こんな明るいキャラじゃない…という感覚があってか、ヒット作の割にライブではほぼ封印状態の曲となっていった。キーが高すぎるからという事も長年言われていたが、キーの高さについては2022年8月のYouTubeでの生演奏ライブ収録で散々語っており、(40代となった今でも)歌えないわけではないとして見事に歌いきっている。この際にキー下げしたバージョンも急遽演奏してもらうなど特別待遇で扱われた。光一によればこんな高いキーになったのは最初のブラス音(ド頭のプァーーー♪)が1番気持ちよく響くキー設定になっているからだという。
これが少し話題になった影響なのか翌2023年夏にはマクドナルド「スパイシーベーコンポテトパイ」CMソングに起用されてまさかの発売23年後の夏を彩る事となった。CMソングの方がやっぱり合ってた。
★★★★☆
4thアルバム『D album』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
もう君以外愛せない
作詞作曲:周水(canna)、編曲:重実徹
堂本光一主演の2000年春クール日本テレビ系ドラマ『天使が消えた街』OP。こちらは既に放送中で最終回1週前のリリース。藤井フミヤが自閉症の兄という難役に挑み、エンディングは藤井フミヤ「INSIDE」だったが、何故かOP/ED両方とも大バラードというバラード被りだった。双方主題歌は条件だったと思われ、それでOP/ED両方枠を用意したんだと思うけど、まさか双方バラード用意してくるってけっこう内部がドタバタしてそうな…。最終回ではOP/EDをひっくり返して使用したのでドラマの締めは今作となった。今回はcannaではなく周水単独での提供。今作時点ではまだ周水(canna)という表記だったが、ブレイクに至らず活動休止に至って以降は周水は単独の作家として外部提供メインとなっていった。
光一が演じたのは殴られ屋をやって友人の肩代わりの借金を返済しているという青年。自閉症の兄に振り回されながら成長していく…というやりようによってはもっとハートフルな話になりそうなものだったが、拳銃、麻薬やら裏社会中心のきな臭い展開となり、終盤は同時に藤井フミヤ演じる兄が白血病になるという病気要素まで盛り込んでますます金策で裏仕事に走ろうとする…と追い込まれるばかり。ヒロインの内田有紀が殺されてしまい、直後に光一も撃たれて死んだBAD ENDに見せる演出もあり、そこから光一だけ実は生きてましたENDがとってつけたようだった記憶(内田有紀はマジ殺されてヒロイン死亡で終わったため消えた天使=内田有紀?)。王子様・好青年イメージが強かった当時の光一にチンピラみたいな役で新境地を…という事だったんだろうけどやはりどこか上品だった。この手の役はやはり当時尖った若者な雰囲気全開だった長瀬智也とか森田剛とかが合ってたよなぁと思った記憶。まあ境遇の割にはのほほんと明るい部分もあって暗いだけのドラマにはならなかったのは光一ゆえだったんだろうけど…。
曲自体はそういう要望があったのかというくらいに「青の時代2」みたいなcannaバラード。最初はまたも名バラードが来た!と思ったんだけどけっこう早い段階で飽きてしまいあまり聞かない曲になってしまった。
★★★☆☆
4thアルバム『D album』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
14thアルバム『M album』side Memories(リメイク)
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection』
5thベスト『The BEST』
11th ボクの背中には羽根がある
2001年2月7日
作詞:松本隆、作曲:織田哲郎、編曲:家原正樹
堂本剛主演の2001年冬クール日本テレビ系土曜ドラマ『向井荒太の動物日記〜愛犬ロシナンテの災難〜』主題歌。直球勝負の1種発売ながら初動40万越えの時点で好調、そこからロングヒットして91万枚を突破。前年は逃した年間トップ10入りも果たした(8位)。この時期はまだミリオン連発期の晩期であり、夏以降にかけては桑田佳祐しかミリオンを出せない状況に陥ったのでミリオン出すならラストチャンスのタイミングだった。残念ながらミリオンに到達しなかったが6番ヒットとなり、21世紀以降ではダントツヒットとなった。まさにここで両A面複数発売をぶちかませばミリオン間違いなかったと思われるが…両A面も連発気味だったし、ミリオンまで狙っていくのはもう無理だろうという事で単独A面の判断になったのかも…。突き抜けて大ヒットという意味では結果的に今作が最後となり、これを最後に概ね固定ファンによる固定ヒット中心になっていってあまり広がっていく感じではなくなっていく。
ドラマは大学の獣医学部を舞台にした青春ドラマだったが、剛演じる主人公が終始超絶のんびりまったりとしたフワフワした役どころで見た目もややふっくらしていたのでこれまでと別人のような変貌ぶりに衝撃を受けた。どちらかというとキリッとした熱血な役どころが多かっただけに終始スローで喋る姿にイライラしてくるレベルでストーリー自体もあまり面白くなく、ほぼ覚えてない。ただただ剛の変わり果てた姿に驚愕した事しか覚えていない。
一方で主題歌は当初から好印象で迷わずフラゲ日に買いに走った。フォルクローレを導入した民族的な雰囲気と圧倒的なメロディーの良さで唯一無二の輝きを放つ名曲。織田哲郎は1998年を最後にビーイングを離れ、相川七瀬での大ヒットも落ち着き、大ヒットが途絶えていた時期だったし、未だビーイングのイメージが強かったのでKinKi Kidsの作曲で久々の大ヒットは意外な印象もあった。といってもJ-FRIENDS「明日が聴こえる」の作曲をしていたのでKinKi Kidsとは2度目の関与だったりはするんだけど。織田哲郎本人もフォルクローレを意識した曲を書いて提出したが、アレンジは別だったのでアレンジ次第では全く違う方向性になっていた可能性もあるが、織田哲郎がイメージしていた通りのフォルクローレの方向性のアレンジを家原正樹が手掛けてくれたため嬉しかったらしい。
シングルでは軽めでいかにも打ち込みっぽいドラム音だったのが、E editではある程度しっかりしたドラムの音に変わっている。シングル盤には演奏表記が無かったがシングルバージョンを収録した『KinKi Single SelectionⅡ』では演奏クレジットがある。これとE Editの演奏クレジットを見比べるとシングルにはドラムが無いが、E Editにはドラムのクレジットが追加されており、E editはドラムを生に差し替えた追加録音バージョンとなっている模様。
織田哲郎バージョンもフォルクローレの要素を生かしたアコースティックバージョンっぽいアレンジだがかなり渋い仕上がり。
★★★★★
5thアルバム『E album』(E Edit)
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
3rdベスト『39』
5thベスト『The BEST』
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』
12th 情熱
2001年5月23日
作詞:Satomi、作曲:Boris Durdevic、編曲:松本良喜
堂本光一主演の2001年春クールフジテレビ系ドラマ『ルーキー!』主題歌。初回盤はスリーブケース付だが、写真が全く同じ。初動37.5万、累計59.5万と一気に落としたがこの時点でも最低売上ではなく、次回作からはこれまでの初動で出していた30万台が累計になるほど一気に落としたので、結果的に今作以降だと突出した売上であり、過渡期のような1作となっている。
ドラマは新米刑事の活躍を描くポップな雰囲気の刑事ドラマだった…と思うんだけど、つまらなくてリタイアしてしまったのか初回を見た後の記憶がない。デビュー前から主演作ドラマは必見という感じで見てきたのもこの辺りから徐々に離脱してしまう事が増えていったなぁ…。
当時何のアナウンスも無く、日本での知名度が皆無だったためかバー曲だとリスナー間で認識が広がる事すら無く、未だWikipediaにも記載が無いが、前年2000年にクロアチアでリリースされていたColonia「Deja vu」の日本語カバー。Boris DurdevicはこのColoniaのメンバーでメインライターであった。この少し後からスウェーデンに目をつけたJニーズはスウェーデン作家を一挙起用しまくるようになって横文字作家がクレジットに並びまくる時期に突入するが、ラテンっぽい曲をやるなら本場の作曲家を起用しようみたいなノリでせいぜいその先駆けで海外作家の発掘でも行っていたのだと長年思っていた。今や原曲も手軽に聞けるのだからこういう点でのサブスクは確かに便利ではある。
そんなわけでストレートなラテンダンスナンバー。MVもストイックにダンスし続けるのがメインで構成されていてダンス色をいつもよりも強く押し出していて硬派な雰囲気。ここで一気にアイドルからアーティスト化が進んだような感覚はある。
『E album』では本編にシングルバージョンが収録され、ボーナストラック的に最後にAcoustic Versionも収録された。
★★★☆☆
5thアルバム『E album』
5thアルバム『E album』(Acoustic Version)
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
13th Hey! みんな元気かい?
2001年11月14日
作詞作曲:YO-KING、編曲:F.L.P
堂本剛主演の2001年秋クールTBS系ドラマ『ガッコの先生』主題歌。今回も小松江里子脚本だったが初回から15%を割るなど20%弱は取っていたこれまでよりも不調だった。全体のCD売上が急降下した時代を象徴するように初動26万まで一気に落ち込み、累計41.8万枚と前々作の初動売上と見間違うような累計売上になってしまい当時は驚いた。初の収録内容違いでの発売となり、初回盤には剛がソロで歌唱した「見上げてごらん夜の星を」カバーが追加収録されている。C/Wとカラオケと合わせた全5トラック仕様。通常盤は今まで同様にC/Wとカラオケの4曲仕様。
教師モノのドラマ…という事だったが初回チラッと見ただけでエスケープしてしまったので全く覚えていない。個人的には主演ドラマ視聴離れな1年になってしまった。
今までにない陽気なギタージャカジャカ系のカラッとしたポップナンバー。ソロパート回しとユニゾンというよりもBメロやサビなどこれまで以上に2人のハーモニーを生かした曲になっていたのが印象的。変わった曲だなと思いつつも最終的にはけっこうクセになる1曲だった。
当時は真心ブラザーズのYO-KING提供、MVが台詞や効果音も含まれたドラマ仕立てで話題性がそこそこあり、翌2002年に堂本剛がソロデビューした際には1stアルバム『ROSSO E AZZURRO』初回盤ボーナストラックとしてセルフカバーしたりとトピックが多い曲だったが、後述のC/Wが偉大過ぎたせいかすっかり霞んでしまった。今ではこの辺りから一気に記憶が無いとかこれどんな曲だったっけ?という人も多いかも…。
★★★★☆
6thアルバム『F album』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
C/W 愛のかたまり
作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:吉田建
2人で出演していた森永製菓『ダース』CMソング。2人の共作であり、楽曲の良さもあって当時からファンの間での評判は良かった。ただ前述のように当時は表題曲の話題性も高く、あくまでファン人気の高いC/Wというポジションだったが、2002年の『F album』ではC/Wからは異例のアコースティックバージョンにリメイクしてのオリジナルアルバム収録を果たし、2004年の『KinKi Single Selection Ⅱ』で例外的にC/Wから唯一選曲され(C/Wアルバム曲は初期以外は個別にピックアップして取り上げるのが難しいので今回初期4曲と表題曲のみでやっているがこの曲はこのベストへの選曲に基づいて取り上げている)、2007年の『39』投票堂々の1位となるなど、あっという間に表題曲の知名度を追い抜いていった。後年は歌詞にクリスマスが出てくる事からも年末特番で披露される機会も多々あり、すっかり筆頭代表曲の1つにまで上り詰めている。『39 Very much』でも不動の人気を見せて再度1位となった。
女性言葉による切ないクリスマスナンバー。女性目線というのがファンウケが良い理由になったのかは個人的には分からないがそういう部分もあったのかな。この繊細さに共感できる的な。個人的にそこのところが全く分からなくて同系統の曲も含めてそこまで…という感じではある。当時確かにいい自作曲だなと思った記憶はあるがまさかここまで代表曲になるとは。
★★★★☆
6thアルバム『F album』(Acoustic Version)
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
3rdベスト『39』
14thアルバム『M album』side Memories通常盤のみ(リメイク)
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection』(M album Ver.)
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』
14th カナシミ ブルー
2002年5月2日
作詞作曲:堂島孝平、編曲:CHOKKAKU
2人で出演していたUCカードCMソング。初回盤、通常盤でジャケ写が違うが値段も内容も同じ。初動20万まで落として累計33.0万枚。連続で大幅ダウンが続いたが、この累計30万のラインで一旦落ち着き、2006年までこの状態が続く超安定期に突入した。堂島孝平のシングル初提供曲。2000年の『D album』に曲提供して以降KinKi Kids側に気に入られて重宝された。2016年になると常に共同プロデューサーとして固定クレジットされるようになり、第3のメンバーと言っていいほどの共同作業者として深く関わるようになっていく。1995年にシンガーソングライターとデビューしていた堂島孝平は自身のブレイクには至らなかったが(アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』OP「葛飾ラプソディー」もヒットはしていない)息の長い活動を続けている。
エレキギターを強調したスピード感のあるロックナンバー。意外と複雑なアクセントで歌おうとすると聞いて思うよりも難易度が高い。アレンジ・歌唱共にカッコよさを極めたような仕上がり。この曲の印象が強すぎてしばらく堂島孝平ってロック系のシンガーだと勘違いしていた。実際にはポップにしかならないようなポップな歌声のポップシンガーであり、後年本人がセルフカバーした今作もKinKi版とは全くイメージの異なる仕上がりになっていた。
“悲しみにくちびるよせて”のサビを筆頭にして歌詞は全体に意味が良く分からない。語感を重視してアートな感じにしたのかなとは思っていたが、元々デモの段階でメロディーを伝えるための仮の歌詞として乗せていたものが修正なしでそのまま採用されてしまったためで、堂島孝平本人も”悲しみにくちびるよせて”って何?と聞かれても意味を説明できないと後に語っている。
シングルバージョンはとにかくエレキギターを前面にひたすら押し出したようなサウンド作りになっているが、New Mixではギター主体ながらも他の音ももう少しバランスよく聞こえるように整え直したような印象。シングルバージョンはとにかくギターのエッジが効きまくっていたのが、New Mixではギターサウンドがマイルドになっている。
★★★★★
6thアルバム『F album』(New Mix)
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
3rdベスト『39』
5thベスト『The BEST』
15th solitude〜真実のサヨナラ〜
2002年10月23日
作詞作曲:K.Dino、編曲:ha-j
初回盤は自作曲「5×9=63」追加収録(作詞はKANZAI BOYA RED、作曲はKANZAI BOYA BLUE名義となっていて光一作詞、剛作曲の変名)、通常盤は代わりに表題曲カラオケ(Instrumental)収録と複数購入しないと音源が揃わない複数商法を初めて決行した。ただしこの時点ではカラオケをあきらめれば曲自体はまだ1種で揃うようになっていた。またこれまで基本的にC/Wまでカラオケを収録していたが共通C/W「太陽の扉」はカラオケ収録されず、以降カラオケ収録はマストではなくなり、曲違い商法に利用されたり、C/Wはそもそもカラオケ無しとなった。
堂本光一出演の2002年秋クール日本テレビ系土曜ドラマ『リモート』主題歌。主演は深田恭子単独で、光一はキャストクレジットの1番最後の特別枠の助演扱いだった。交通課巡査で2年務めて寿退社するはずだった深田恭子が異動を命じられてある事件をきっかけに引きこもりになった警視の堂本光一の元で携帯電話で指示を受けながら捜査する事になる…というストーリー展開。光一は引きこもりで部屋から指示を出しているだけなので走り回るのは深田恭子。ドSなら光一の指示に深田恭子がキャーキャー言いながら危険な現場に突っ込んでいって銃をパーンパーンとかやってたので、初回からうるっせぇな…と挫折しかけたが久々に最後まで完走できて終わってみればいいドラマだった印象はあるがどんな話だったかはあまり記憶にない。サポート役が何故か小錦だったのと、最終回では危機に陥った深田恭子のために光一がついに現場に…(深田恭子、気絶でよく覚えておらず)という展開だったところは覚えている。なお2002年なのでガラケーなのは当然として着うたも無く、着メロの時代であり、現代の”リモート”とはだいぶ異なる。
秋っぽい切ない雰囲気のミディアムナンバー。ちょっと地味かなと思いつつも徐々に馴染んでくるような1曲だった印象。年明け元旦のコンサートにてK.Dino=堂本光一本人であったことを公表。先入観無しで聞いて欲しかったという理由でこうしたという。『D album』よりProduced by KinKi Kidsとなり、剛はこの年の5月に自身主演ドラマ『夢のカリフォルニア』主題歌を自ら手掛けた「街」でシンガーソングライターとしてソロデビュー。剛が主題歌を自分で書いたので次は光一も自分も主題歌を書いてみたらという流れでこうなったのかもしれない(ソロデビューは2006年)。
『F album』ではソロ以外の自作も増えていよいよ本格的に自作曲メインへ移行していくかにも思われたが…。逆にKinKi Kidsはプロフェッショナルに徹する方針となったようで、アルバムのソロ枠で自作どころかソロ曲の枠事態を無くしてしまい、ここぞという時以外は自作せず、それぞれの自己表現はソロ活動の場で行われるようになった。また光一は『SHOCK』シリーズに傾倒していき、剛ほど日常的にシンガーソングライターとして曲を書き続ける事はなく、2006年に開始したソロ活動でも自作にこだわらない方向性となった。そういう意味ではお互いのスタンスが確立する直前の時期だから実現したかなり特例的なシングルだったのかもしれない。
シングルは最後がフェードアウトだが、New Editではちゃんと演奏が終了する。ただいずれにしてもアウトロが妙に長く、シングルのフェードアウトもかなり遅いので歌い終わってからアウトロが1分もある。New Editはきっちり演奏終了するものの6秒程度長くなっただけでさほど変わらない。シングルの方はもっと早くフェードアウトさせていればもう少し差別化できていたと思うんだけど…。
★★★☆☆
6thアルバム『F album』(New Edit)
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
16th 永遠のBLOODS
2003年4月9日
作詞:浅田信一、作曲:堂島孝平、編曲:ha-j、ストリングスアレンジ:村山達哉
前作とは逆、初回盤はC/W「Funky Party」のカラオケも含んだ2曲+カラオケ2曲収録の4トラック、通常盤はカラオケ無しでC/Wにもう1曲「その花を見るな」を追加収録した3トラック。初動、累計共に前2作を少し上回り35万枚を突破した。この年のシングル3作はMVをストーリー仕立てで繋げており、剛が1970年にタイムスリップして1970年の光一と交流を深めるという内容になっているが、当然一気に撮影されたのではなく、飛び飛びで撮影されたと思われ、さらに各曲の繋がりと次の展開がビミョーに繋がっていないようなほのかな違和感が残り、途中経過を飛ばして見ているような結局どういう話なのか分かりにくかったりはした。また実際にはシングル3作の次に『G album -24/7-』収録曲「Bonnie Butterfly」を加えたショートムービー『鏡の中の六月』が完成版でこれは2004年のMV集DVD『KinKi KISS2 Single Selection』(1と2をDVD化した際に1作にまとめたのでDVD版は『KISS2』だが、この時期ギリギリでまだリリースされていたVHS版は同じ内容で『KISS3』)でしか見る事ができないようだ。
光一出演の『No Reason! Coca-Cola 2003』CMソング。ドラマでも学生役から社会人役へとシフトしてきて、デビュー当初よりも一気に大人になってきていて楽曲も大人っぽいものが増えていた時期だが、久々に青春っぽい爽やかナンバー。No Reason!を掲げていたコカ・コーラだが前2年の桑田佳祐からこの年は東山紀之・堂本光一・井ノ原快彦・岡田准一・山下智久が出演していて、今作に続けて光一と嵐が出演するバージョンで嵐「ハダシの未来」が真夏の時期にかけて使用されていた。「ハダシの未来」の方がコカ・コーラっぽい歌詞になっていたが(No Reasonとかはじけるとかそのまま歌詞に入れてたし)、青春っぽい雰囲気は共通している。個人的にも大学1年生になった頃で実際の学生生活はそうでもなかったが、“自由を探しに行くよ”とかっ全体の雰囲気に新たなる大学生活のイメージが重なるところもあった。そして当時はあまり意識していなかったが、歌詞の内容からも最後のサビの”やがて季節変わって”に該当するようなすっかり過去になって改めて聞くと若きあの頃を映し出したような1曲だったなと聞くたびに妙に懐かしい気分になるようになった。
G-mixは同じアルバムの「カナシミ ブルー(New Mix)」と並んでパッと聞き違いが分かりにくい(分かりにくいアルバムバージョン2トップだと思ふ)が、やはり全体のバランスを整え直したようなミックス変更の類。シングルではサビなんかは特にドラムが1番強く響いていたが、G-mixではストリングスを中心に他の楽器も持ち上げて相対的にドラムが引っ込んでストリングスが目だって細かいギターの音色なども前に出ている…ような感じ?
★★★★☆
7thアルバム『G Album-24/7-』(G-mix)
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
17th 心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ
2003年6月18日
ジャケットにはKinKi Kidsというロゴと”KinKi Kids 2003″の文字しか無く、初回盤も通常盤もタイトルの表記が無いが、しれっと帯のタイトル表記が両A面表記になっている両A面シングル。帯の背文字部分はC/Wでも両A面表記にする慣習があったので理由にならないが(8センチ時代は毎回そうだったがマキシ以降でも例えば『ボクの背中には羽根がある』は帯の背文字部分では『ボクの背中には羽根がある/いつも僕は恋するんだろう』と書かれている。ただし複数商法で3曲目が収録されるようになったためかこの慣習は無くなった)、帯のジャケット側が『心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ』表記で確かに両A面である。
「ギラ☆ギラ」は『G Album-24/7-』には未収録だったものの、ベスト盤には2回ともA面曲としてしっかり並んで収録されている。
前作同様に初回盤はカラオケ収録の4曲、通常盤はカラオケ無しで剛作詞作曲「この恋 眠ろう」を収録(ほぼ剛ソロで光一はコーラス参加)。
2003年度より200位集計に切り替わったためかろうじて累計30.1万枚に達したが100位集計であれば30万にギリ届いておらず、23rd(夏模様)までのシングルでは1番売上が低いままだった。
心に夢を君には愛を
作詞:Satomi、作編曲:松本良喜、ブラスアレンジ:下神竜哉
この時期ににしては妙に浮いている明るいアイドルポップナンバー。”作詞:Satomi、作編曲:松本良喜”ってRUI「月のしずく」を大ヒットさせていた組み合わせだったのでイメージ違い過ぎて驚いた。同年秋には中島美嘉「雪の華」も手掛けており、しっとりとしたバラードで同じ年に2つもヒットさせており一躍ヒットメイカーとなっただけに今作の方向性が違い過ぎる…。松本良喜は「情熱」のアレンジで作家活動を本格スタートしているのでバラードばかりというわけではないんだけど…。
この曲を聞いて浮かぶのは「フラワー」で、楽曲の親しみやすさでミリオンヒットに達したあの奇跡のロング大ヒットよもう1度…という意識が強くあったのかは分からないが、物凄く「フラワー」に寄せてきたな…という印象が強い。親しみやすく明るい曲調を徹底して最後はラララで盛り上がるところなどかなり踏襲している。ただこの時点でのKinKi Kidsは既にイメージがだいぶ変わってきていて、この時点ではもうこういう曲は本格的に合わない感じにはなってきていたように思う。狙いが露骨過ぎてもうまくいかないもので、結果的にこの年の3シングルの中で最低の売上になってしまい、「Harmony of December」までは今作がずっと最低売上のままだった。
今作のMVは連作の中でも1つだけ飛び抜けて意味が分からないというか前後との繋がりが良く分からない事になっていて、前作では剛が1970年代にタイムスリップして光一と交流した後に現代に帰った…という話だったはずなのに、今作では1970年代の光一が現代でヤクザ組織に拉致されており、剛はその組織を辞めようとしている末端構成員(?)で光一を救出して2人で逃げるという超展開が炸裂。剛が現代で何をしている人なのかは全く描かれていなかったので実はチンピラでしたというのはまだいいとしても、光一は運転できるのか聞かれて「たぶんな」とかノリだけで運転したり、そもそもヤクザ相手にケンカ売るようなそんなキャラだったか?前作ではもっと普通の昭和家庭の青年っぽかったのに。結局光一が何故現代に来たのか、助ける時やラストシーンでなんでここにいるんだと剛が聞いているのに全く答えないまま終わってしまい、次作でも結局不明のままである。
★★★☆☆
7thアルバム『G Album-24/7-』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
ギラ☆ギラ
作詞:Satomi、作編曲:本間昭光
作詞は同じで作編曲はポルノグラフィティでak.hommaとして作家生活のピークを迎えていた本間昭光。ポルノグラフィティ一連の大ヒット曲ほどのキレは無く、タイトル通りにギラギーラギラした蒸し暑さ漂うサマーナンバー。やはり当時のKinKi Kidsのイメージよりは上方向にはじけている感じはある。
ていうかオリジナルアルバムには入らなかったしそもそもこれC/Wじゃないの?と思っていたら『KinKi Single SelectionⅡ』にも『The BEST』にも欠かさず収録されていてしっかりA面扱い。A面曲としてはかなり印象薄いかも…。
★★★☆☆
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
18th 薄荷キャンディー
2003年8月13日
作詞:松本隆、作編曲:Fredrik Hult,Ola Larsson,Öystein Grindheim,Henning Harturng、コーラスアレンジ:三谷泰弘
前作を踏襲して初回盤はカラオケ収録の4曲、通常盤はカラオケ無しで光一作詞作曲「I」を収録(ほぼ光一ソロで剛はコーラス参加で前作の「この恋 眠ろう」と対になっている)。ドラマタイアップ効果で好調で、38.8万枚まで売上を伸ばした。
堂本剛主演2003年夏クールTBS系ドラマ『元カレ』主題歌。またも脚本は小松江里子、『Summer Snow』に続いて3年ぶり広末涼子がまたも相手役。タイトルは広末視点での剛を指しており、主人公(剛)視点では広末が学生時代の元カノ、就職後に出会った今カノが内山理名となる。初回の展開では広末は完全に学生時代の昔の彼女で、剛と内山理名が普通にカップルの状態から始まったのでここから元カノ広末が出しゃばってきて三角関係になって…という展開がなんかこれ嫌だなぁ…と思ってしまい、初回か数回で切ってしまった記憶。
90年代SMAPで鎌田俊哉プロデュース体制で新鋭のソングライターを次々に発掘して成功したJニーズの楽曲制作ネットワークは後輩達にも引き継がれていったが、2000年代になって間もなく国内だけでなく、新たにスウェーデンの作家チームとの関係を深めていったようで、後輩たちのクレジットには今作のような横文字作家の連名というクレジットが良く出てくるようになった。ファンサイトやブログ文化全盛期において自力で打ち込むのが至難な実に迷惑なクレジットが頻出するようになったものである…
サビの歌詞を2人が全て歌唱せずコーラス隊との掛け合いになっているという構成が新鮮。涼しげなトラックメイクも含めて海外制作陣と組んだ成果が存分に発揮されている今までにないタイプ、それでいて馴染みやすい1曲だった。2003年の夏は曇天続きの冷夏であまり前作で予言していたギラギーラギラとした暑い夏にはならなかったのでこの曲の雰囲気が程よくハマっていた。
連作ストーリー仕立てのMVだが、前2作に比べると今作は曲そっちのけでストーリーの音声がメイン。元々この曲自体音数が抑えめでおとなしいというのもあるが、前作の最後で電話を受けた剛が駆け付けたのは危篤の父の元だった、という一応そこだけは繋がって物語がスタート。剛は父の言葉を聞いて再度1970年代にタイムスリップして後に母となる女性に父が当時言えなかった言葉を伝え、光一は2003年の街を彷徨って現代の自分と遭遇する。のっけから台詞メインで曲が小さくてBGM状態になっており、光一が街を彷徨う長いシーンは台詞が無いのに雑踏の音をメインで出す謎演出でずっと曲が小さいまま。さらには33年後の50代老けメイクで登場する2003年現在の堂本光一(今作の光一は1970年の若者)の老けメイクインパクトもあって曲が全く入ってこない。曲のMVとしては台詞に力入れ過ぎて曲が完全にBGMになっちゃダメでしょうという気はした。前作と繋がりがあったのは電話があって剛が駆け付けた、の1点だけで前作で2度聞いても答えずに次作へ持ち越しにするような演出になっていた「光一が何故現代に来ていたのか」には一切触れないままだった。そして結局これどういうストーリーだったの?完成版ショートムービー『鏡の中の六月』はYouTubeで未公開のままだしなぁ…。
なおDOMOTO改名2025年の時点で22年経過しているが光一の容姿はほとんど変わらず若々しさを保っており、今作で描かれたようなしわとたるみで人相が変わるほど老けた容姿まで残り11年で一気にいくかというと…あんなに老けない気はする。
★★★★☆
7thアルバム『G Album-24/7-』
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
3rdベスト『39』
14thアルバム『M album』side Memories(「HAKKA CANDY」英語詞リメイク)
4th(バラード)ベスト『Ballad Selection』
5thベスト『The BEST』
公式通販予約限定ベスト『39 Very much』
19th ね、がんばるよ。
2004年1月15日
作詞:吉田美和、作曲:吉田美和・中村正人、編曲:中村正人・Ike Nelson、ブラスアレンジ:下神竜哉、ストリングスアレンジ:斎藤ネコ
初回盤は通常のカラオケ収録なしで、光一のボーカルだけ抜いたKoichi-less Backing Track、剛のボーカルだけ抜いたTsuyoshi-less Backing Trackの2音源を収録、通常盤はカラオケ無しでもう1曲「Sweet Days」追加収録。
DREAMS COME TRUEによる完パケ提供曲。剛がDREAMS COME TRUEファンで剛の好きな「MARRY ME?」のアンサーソングとされている。1997年の『PEACE!/MARRY ME?』両A面の2曲目でシングル曲ではあるが、海外進出を目論んで後の中村正人曰く日本の音楽業界に不義理な行動に出た事で一気に干されたとの事で人気が急落した時期で収録されたアルバムはそれまでの連続200万から一転してのミリオン割れまで暴落していた。「MARRY ME?」自体も代表曲とは言い難いまったりしたナンバーで、ベスト盤への選出もこの時点で決定盤だった2枚組ベスト『DREAMS COME TRUE GREATEST HITS “The SOUL”』には選曲されず、2003年のバラードベスト『DREAMAGE-DREAMS COME TRUE”LOVE BALLAD COLLECTION”』のみ。2016年に『DREAMS COME TRUE THE ウラBEST! 私だけのドリカム』にも選曲された。
なのでアンサーソングと言われても「MARRY ME?」どんな曲だっけ?と後追いで聞きに行ったリスナーも多かったんじゃないかと思う。主に歌詞の面でアンサーしているようで曲調で似ているところはない。今作の方がキャッチーで遥かにシングルヒットっぽいし、ヒット期のドリカムイメージに近い。「MARRY ME?」よりこれぞドリカムって感じ。ただドリカム全盛期の1995年頃までってリアルタイムじゃないので個人的には90年代半ばよりも1999年の「朝がまた来る」の人たちの提供っていうイメージだったかな。低迷していたドリカムは2月のシングル「やさしいキスをして」の大ヒットで持ち直して再ブレイク状態となってトップクラスへと返り咲いたが、今作も大いに弾みになったと思われる。
話題性+曲の良さもあってももう少し目立ってヒットするかなとも思っていたんだけど、通常ライン(30万そこそこ)で固定ヒットにしかならなかったのはかなり意外だった。
前年凝った連作MVを制作から一転して今作は新規でのMV撮影が行われず、直前に行われていたツアーで披露されたライブ映像を速攻編集加工して仕立てたものとなっていた。
★★★★☆
2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』
5thベスト『The BEST』
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