槇原敬之 35周年シングル回顧3+~第二次ワーナー時代 2000-2003~

スポンサーリンク

1999年8月26日の逮捕でツアー中止、CD回収となり活動休止。裁判では懲役1年6ヶ月執行猶予3年となった。坂本龍一からの厚意で年末のコンサートにゲストで歌いに来ないかとメールで誘われ、スタッフやファンからも批判の声があったが、槇原本人は自分の意志で出演。坂本龍一にとってもマイナスになりかねない状況なのに誘ってくれた優しさを受け止めたかったためとしている。年明けには矢野顕子のライブにもゲスト出演している。両者はデビュー前の槇原&沢田のコンビでラジオ番組に送られた「HALF」を絶賛していて親交がある先輩ミュージシャンだった。

2000年はデビュー10周年を迎える年だった。デビューは10月25日だったがワーナーは何故かまだ休止中の5月に『10.Y.O~THE ANNIVERSARY COLLECTION~』を限定発売。同作では序盤3曲を沢田知久が新たにミックスし直し、DISC-2にリミックスメドレーを収録するなど本人稼働は無いが新たに手を入れた音源も収録され、トップ10ヒットを記録。

ソニーとの契約は逮捕で終了してしまったが、古巣ワーナーが声をかけてくれた事でワーナーに復帰し、新作の制作を開始。デビュー10周年を1ヶ月過ぎた11月29日にアルバム『太陽』をシングルリリース無しで発表して活動再開となった。この時点では作品のみの復帰で活動は制限していたが、2001年4月にシングル『桃』発売、その次の2001年10月のシングル『Are You OK?』でTV出演を再開、アルバム『Home Sweet Home』リリース後、2002年1月よりツアーを再開するなど段階的に活動が再開されていった。

売上は完全に低迷期となり、復帰直後こそそこそこ話題になったもののかつての勢いを取り戻す事はなく、出すたびに落ち込んでいく状態だった。後半の2002年のシングル群はどれも実験的でヒットを狙いに行くのももう辞めてしまったかのようだったが、2002年にはSMAPよりアルバム曲の提供依頼があった。当初「Wow」を提出するも内容がそぐわず没となり、新たに書き下ろした「世界に一つだけの花」が採用され、2002年7月24日発売のアルバム『SMAP015/Drink!Smap!』に収録された。

「世界に一つだけの花」は当初ファン人気の高いアルバム曲程度だったが2003年年明けに草彅剛主演ドラマ『僕の生きる道』に起用され、ドラマが大ヒット。「世界に一つだけの花」の評判も高まり、最終回前になって新たにストリングスアレンジや冒頭にサビを持ってくる、パート割を変更する(アルバム曲だったのもあって元のパート割ではサビも2人と3人に分かれて歌っていて5人で歌う部分が最後の締め部分とラララ部分しかなかった)などしてシングルカット。これが空前の大ヒットとなった(解散時にファンの運動で大量購入が行われたため記録上314万枚となっているが解散騒動前までは250万程度)。あまりにも大ヒットしたため、作者の槇原敬之にも注目が集まっていく事となった。ただ売上にはまだそこまで影響が出てない状態で3枚のアルバムの後にシングル2作を置き土産にワーナーを再度離れる事となった。

この時代はシングルC/Wに過去曲のリメイクバージョンを収録するのが恒例化。また一部のC/Wは初回盤のみボーナストラックという形だったが、初回盤が入手困難になるほどのヒットにはなっていないため、後追いで中古市場を探ってもボーナストラックが無い通常盤を探す方が困難と思われる。

制作面では自身のクレジットにKeyboardsだけでなくProgrammingが追加され、新たに起用されたシンセ担当の毛利泰士は主にRhythm Treartment(Synthesize、Cymbalsなども併記)と表記されるようになった。しかし槇原クレジットのProgrammingはシングルでは消えてアルバムでは復活していたりと記載に統一感がない。毛利泰士のクレジットは2003年にはSynthesizer Prgrammingへと変化。実際の制作状況が変化したのか、書き方を変えただけなのかは不明だが、徐々に槇原本人が完成版オケの打ち込みにも関与するようになってきていたと考えるのが自然だろうか。

ソニー時代から引き続いて録音ミックスのエンジニアとして沢田知久が関与していたものの、このワーナー時代後半になると新たに飯尾芳史を積極起用しまくるようになり(『太陽』『Home Sweet Home』のDVD-Audio盤を出す際に沢田ミックスだったオリジナルを飯尾ミックスでやり直している)、沢田は録音やミックスから退き、シングル作品のマスタリング担当(オリジナルアルバムで沢田がマスタリングまで担当したのはソニー時代の『Cicada』のみで『太陽』では一旦Bob Ludwigに戻した)として残っていた。またシングルのマスタリングは沢田だったがアルバム『本日ハ晴天ナリ』ではAdam Ayanによる海外マスタリングにしたので沢田は「Wow」の録音のみとなってしまっていた。結果的にこの第二次ワーナー時代のラスト作品「Good Morining!」のマスタリングを担当したのが沢田との最後の仕事となって以降は完全に離れてしまった。沢田が再度起用されたのは2度目の逮捕明け2022年まで20年近い歳月を要した。

この時期のみを総括したベスト盤は存在しないが『Completely Recorded』でのみこの期間の全シングルA面を追う事はできる。これ以外の他のベスト盤には収録範囲に含まれていてもせいぜい1,2曲選ばれる程度の扱いとなっており、ソニーからの『Song Book“since 1997~2001”』、エイベックスからの『Best LOVE』『Best LIFE』には「太陽」と「桃」が選曲されている。ワーナーとしても黄金期である第一次ワーナー期中心の選曲になりがちなので『秋うた、冬うた。~もう恋なんてしない』には「君の名前を呼んだ後に」、『春うた、夏うた。~どんなときも。』には「花火の夜」と共に最終曲として1曲ずつ収録されたのみとなっている。

一方で音質面では恵まれた時期でこの時期のレア盤としては消えたフォーマットDVD-AUDIOで『太陽』『Home Sweet Home』が存在する。CDとは異なる新たなミックスが施されており、エフェクト無しの「太陽」などレア音源がDVD-AUDIO盤には眠っている(1度入手したが手放してしまった…)。ソニー時代の『Such a Lovely Place』SACD盤もそれなりにレアだが、DVD-AUDIOは規格自体がすぐに消滅するほど浸透しなかった規格なので最早幻のアイテムと化している。厄介なのが一般的なDVD-VIDEOとDVD-AUDIOは仕様が別物で、DVD再生機でもDVD-AUDIOには対応していないものがほとんど(当時多くの人がDVD初体験となったPlay Station2でも再生できなかったはず)。幸いこの2作はDVD-AUDIOだけでなくDVD-VIDEO規格でも収録しているため、現代の一般のDVDプレイヤーやドライブでもDVD-VIDEO部分で再生可能だが、DVD-AUDIOを本来のフルスペックで堪能するにはDVD-VIDEOではなくDVD-AUDIOに対応している必要がある。DVD-AUDIO再生対応は当時でも推進していたビクター製品など一部でしか搭載されていなかった機能のため、ビクター製ミニコンポでいうとEX-AR3,AR7,AR9が最後である。今後入手できてもDVD-AUDIO規格としての再生はますます困難となるだろう。

『太陽』『Home Sweet Home』『本日ハ晴天ナリ』は2013年のリマスターBOXには含まれなかったが、ばら売り単品発売のラインナップには含まれたため、3枚とも2013年リマスターで聞く事が出来る。

2014年 『槇原敬之 第二次ワーナー時代 2000-2003 レビュー』として公開
2025.12~2026.2 35周年を記念してブログ移植リメイク

彗星

2000年11月29日
From 10thアルバム『太陽
復帰作『太陽』1曲目を飾った楽曲。静かに何もない所からまた歌い始めたみたいなさりげなくも静かな決意表明だ。“だから僕はもう あまねく風に わざと背を向けたりしたくない”と逮捕から復帰までの思いが込められたような1曲でただ静かに聞き入りたい。

このアルバムより槇原のクレジットは基本的にKeyboards,Programmingとなり、Programmingが追記された。またSynthesistとして参加していた飯田高広、橋本茂昭に代わって新たに起用された毛利泰士はSynthesize(SynthesizerではなくSynthesize)、Rhythm Treartmentという珍しい表記をされている。以前はデモから完成オケを仕上げる際にシンセ担当者に打ち込みは全て任せていたのが、本人も打ち込みを担当するようになり、シンセやリズム周りを毛利氏が仕上げていく…という流れになった感じなのだろうか?毛利泰士にはこれ以外にCymbalsという表記がつく曲もあるので、打ち込みドラムの中でシンバルだけ実際に生で叩いた音を使用しているっぽい。
★★★★☆
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)
4th配信限定ライブアルバム『マキハラボ』(Live)

太陽

2000年11月29日
From 10thアルバム『太陽
アルバム表題曲。活動を再開するまで保釈後にしばらく大阪の実家に戻って普通の生活を送っている中で改めて色々な事に気づいた槇原はラブソングはしばらくお休みと決め、聴いてくれた人が墓場まで持っていってくれるような歌を1曲でもかければ本望と考えて曲作りを開始。自身と向き合った曲が多いのがこのアルバムの特色だが、最初に書いたのはまさに自問自答そのものな「I ask.」だったという。アルバムのテーマを象徴し、後に“ライフソング”と自ら区分けした方向性で新たなる代表作となったのがアルバム表題曲である今作である。

ボーカルが加工され、暗闇の中にいた逮捕直前までの自分を表現した1番はダークな雰囲気。2番以降はボーカルは元に戻り、霧が晴れたように視界が開けた感覚になる。アルバム全体ここまである程度明るい曲やアップテンポで勢いのある曲もあるのだがどこかモヤがかかったかのような曇り空だったのが、このタイミングで一筋の光が差したかのような体感を得ることができる。単独で聞いても感動するけど、アルバム通して聞くとさらに感動する。

事件があったことによる内省の楽曲ではあるんだけど、落ち込んだところから持ち直していくような内容なので多くの人にも自分の事のように置き換えて聞ける1曲だと思う。

DVD-Audio盤では全曲がDVD-Audio用にリミックスされており、全曲リアレンジしたのかというくらい聞こえ方が違うが、この曲に関しては1番でのボーカル加工無しというレアバージョンな「太陽」を聞く事ができる。DVD-Audio盤の最大の価値はここだろう。それ以外でもオリジナルではあまり聞こえないベース音が随分前に出て楽曲を引っ張っていたりと随分と違いがあった。オリジナルの沢田知久に対してDVD-Audioでは新起用の飯尾芳史がミックスを手掛けており、これがよほど好感触だったのか、以降は飯尾芳史がメインのエンジニアとなり沢田はフェードアウトしていく事となった。
★★★★★
7thベスト『Song Book“since 1997~2001”
10thベスト『Best LIFE
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”』(Live)
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)
4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』(Live)
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live)

Ordinary Days

2000年11月29日
From 10thアルバム『太陽
「太陽」に続くアルバム最終曲。誰かを励ましているようでたぶん自分自身に言い聞かせているようにも聞こえる応援歌。ようやく生きている実感を取り戻したかのように”当たり前さそれが普通さ”と力強く歌われるサビが印象的。
★★★★☆

23rd 桃

B00005HXRL
2001年4月25日
復帰アルバム『太陽』から5ヶ月空けての復帰第1弾シングル。シングルとしては1年10ヶ月ぶりとなる。初登場11位とギリギリでトップ10入りは逃したものの、これといったタイアップも無く、派手な宣伝も無く、シングル復帰作という話題だけで9万枚まで売上を伸ばし、ソニー時代の『HAPPY DANCE』や『STRIPE!』は上回った。TV出演もまだしていなかったのでプロモーションにも制限があった時期だが、それだけ期待が高かったためだろうか。第二次ワーナー時代ではダントツの売上であるどころか、アルバム2作よりも売上が高く、この時代で今作より売れたのは『太陽』だけだったので、復帰時の期待はかなり高かった事が分かる。まあ2001年から全体のCD売上が激減していったので、まだ売れるギリギリの時期に復帰したから最初の2枚だけ高く出たというところもある。ただ”気づき”の曲ばかりのシリアス路線でナンカチガウ…と思われてしまって一気に見切られた感もある。

初回プレスのみ「遠く遠く(桜ヴァージョン)」収録…となっていたが、収録されていない通常盤はほとんど出回っておらず、レンタルでも初回盤で出ていた。Backing Track(カラオケ)の収録は新曲の2曲のみ。4曲+カラオケ2曲の合計6トラックはシングル最多トラック数となる。

事件を経ての心境の変化も受けてラブソングのようでありながらライフソングでもあるような両方の要素をあわせもったような楽曲。”君”の振る舞いを見て”僕”が大切な事に”気づく”というこの“気づき”を歌った曲がここからしばらく続くことになる。桃はあくまで比喩であり、これまでのようにストーリー性があったり、情景が浮かぶようなラブソングではないため、イマイチイメージが浮かびにくく、最初に聞いたときは何を歌っているのかよく分からなかった。

2番にある“そんな事で変わるような気持ちしかない人に”のくだりは事件を経て世間様から必要以上に叩かれ責められ続けた心情が強く反映されているように思う。
★★★★☆
11thアルバム『Home Sweet Home
7thベスト『Song Book“since 1997~2001”
8thベスト『Completely Recorded
9thベスト『Best LOVE
28thシングル『Wow』C/W(2003 飯尾芳史MIX)
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live)
2005年アナログ盤『Home Sweet Home』追加収録(2003 飯尾芳史MIX)

C/W 1秒前の君にはもう2度と会えない

同じくラブソングでライフソング。これまた”気づき”の曲で自分の勝手さを思い知った主人公が当たり前のものを失う怖さに気づき、君を大切に思う、という内容。今作でも“あてのない事”に言及するくだりがあり、事件後の世間の反応から得た考えが反映されているように感じられる。”形のない想い振りかざしながら正しいとか間違ってるとかそんなあてのない事で言い争う内に大事なことを無くすのはいやだから”とかは曲中の2人の関係の事ではあるんだけど、加熱したマスコミとそこに乗っかって好き放題非難の言葉をぶつけにいった世間様へのメッセージなんじゃないかと…。

後年ほど説教っぽくはなくまだそこまでエスカレートしてないから聞きやすいが、それでも当時としてはなんだか説明調でくどい曲だなぁという印象もあった。ただポップなサビメロはかなりグッドメロディーでかつてを少し彷彿とさせる。

ALBUM VERSIONはアレンジがけっこう変わっており、シンプルなバンドサウンド風打ち込みだったオリジナルに対して終始電子音が薄くループして鳴っていたりと全体的に抑えめでシリアスになっている。歌詞を見るとこっちの方が合っているような気もするけど、シングルの方が伸びやかなポップソングとして聞けるので好み。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
11thアルバム『Home Sweet Home』(ALBUM VERSION)
2005年アナログ盤『Home Sweet Home』追加収録(Single Version)

C/W PLEASURE(アルバム・ヴァージョン)

『太陽』からのシングルカット。わざわざアルバム・ヴァージョンなどと書かれているが(配信では表記無し)、要するに何も変えずにそのままシングルカットしたということであり、この表記いらなくね?ラブソングの体裁を取りつつも内省&気づきの曲となっていて「桃」に通じるテーマ性があるから選ばれたのだろうか。ただ前2曲に比べてもシリアスで重たい。

なおこのシングル盤では毛利泰士のクレジットが全曲Rhythm Treartmentだけになっており、『Home Sweet Home』での「桃」は同様だが、少なくとも今作に関しては『太陽』ではCymbals,Synthesize&Rhythm Treartmentだった。何故表記を変えたのかは謎だが、4曲とも槇原と毛利のクレジットを「桃」からそのままコピペしてしまったのだろうか。以降もシングルとアルバムで音源同じなのにこの2人のプログラミング周りのクレジット表記が変わるというのが頻出したので割といい加減だったのかもしれない。

冒頭“僕は運が悪かった”で始まるのが少し引っかかる部分でもあった。歌詞全体の流れからすれば君との関係が主題で自分自身を分かっていなかった的なニュアンスの話で事件の事ではなさそうではあるんだけど、復帰作に入っている曲の冒頭でこの言葉はあまり良い印象を与えず、運が悪かったと思っているのか反省していないのではないか、みたいな声も当時少し飛び交っているのを見た記憶がある(とりま歌詞をちゃんと読めよとは思ふ)。まあ事件の事ではないのは確かではあるんだけど”愛されたいと願うことをあきらめたいと思っているのに君を好きになってしまう自分を分かれなかった”のに自省の第一声が”運が悪かった”という誤解を招くような表現は何故にチョイスしてしまったのかなぁ…というのは今でも少し謎には思う。元々は沢田知久ミックスだったが、『太陽』DVD-AUDIO盤で飯尾芳史によってリミックスされてだいぶ音像が変わっていたのに、その後自身でさらにもう1度ミックスをやり直したり、わざわざ20周年ベスト『Best LIFE』でライフソング代表曲の1つとして自選(選んだのはオリジナルの沢田ミックス)している事からもかなりお気に入りかつ色々試したい曲だった様子。
★★★☆☆
10thアルバム『太陽
28thシングル『WoW』C/W(2003 槇原敬之MIX)
10thベスト『Best LIFE
2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”』(Live)
2005年アナログ盤『太陽』追加収録(2003 槇原敬之MIX)

初回盤のみC/W 遠く遠く(桜ヴァージョン)

3rdアルバム『君は僕の宝物』収録曲のリメイク。第二次ワーナー期のシングルC/Wにおいては第一次ワーナー時代のリメイクバージョンが続く。槇原がKeyboatrds,Programming、毛利泰士がRhythm Treatmentを担当しており、この2人で打ち込み直したバージョンとなる。

リアレンジは聴感的にほとんどされていない印象で随所で原曲には無かったような音も聞こえるものの文字通りに本人と毛利氏の2人で原曲アレンジを打ち込みし直したといった趣き。しかしこれ原曲にあった間奏のサックスソロもそのままあるように聞こえるんだけど、クレジットが無いので打ち込みで再現?原曲の佐橋佳幸のギターやジェイク・H・コンセプションのサックスは表記してないだけでそのまま使用しているのだろうか。内省の曲が並んだシングルだっただけにかつての曲の方がまだ無垢な頃というかなんというか…ポップで輝いて聞こえた

『秋うた、冬うた。~もう恋なんてしない』収録曲をアンケートで募集したところ何故か春の曲にも関わらず原曲が5位ランクインで収録されてしまったため、本命の『春うた、夏うた。~どんなときも。』が続けてリリースされる際には重複させない苦肉の策としてなのかこの桜ヴァージョンが収録され、このバージョンでのアルバム初収録となった…が多くのライトリスナーはどこが違うのか分からず同じ「遠く遠く」として聞いたのではないか。
★★★★★
12thベスト『春うた、夏うた。~どんなときも。』(桜ヴァージョン)

24th Are You OK?

B00005OOIF
2001年10月24日
今作リリースよりTV出演が解禁され、逮捕直前の「Hungry Spider」以来となる「ミュージックステーション」に早速出演。メディア露出で復帰がさらにアピールされたが、初登場16位で売上3.7万枚と前作の半分以下にまで低迷。アルバム先行だったので売上が悪かったのかと思いきや肝心のアルバム『Home Sweet Home』は前作『太陽』の半分以下どころか、シングル『桃』の売上も下回るなど一気に低迷してしまった。このためか「ミュージックステーション」出演は今作を最後に6年近く途絶え、次に出れたのはエイベックスへの移籍1発目にして久々のトップ3ヒットを記録した「GREEN DAYS」だった。

過去曲リメイクの「Witch hazel(French Disco Version)」は初回プレスのみ収録

前作同様にこのシングル盤では槇原のクレジットがKeyboardsのみ、毛利泰士がRhythm Treatmentしかないが、『Home Sweet Home』では槇原にProgramming、毛利泰士にSynthesizeが追記されている。

Are You OK?

復帰後は内省的で真面目なミディアム~バラードの連発だった中でようやくの明るい曲調。ビッグバンド調の陽気な楽曲で本格復活がアピールされた。Mステで楽しそうに歌っていたのが記憶に残っている。ブラスもシンセであり、基本的に打ち込みで構成されているが、意外と今まで無かったような華やかなサウンドに聞こえる。

歌詞は相変わらずの“気づき”路線。雨の日自転車で転んだ主人公を誰も助けてくれず、そのことから主人公は自身も困っている誰かを助けようなんて思ったことがなかった事に気づき反省。今日してもらいたかったことを誰かにしようと決意→同じように転んだ子を助けてあげる→凝りもせずまた転んだ僕を今度は助けてくれる人が!という道徳の教科書のようなストーリーが展開する。『太陽』や前作、後の「僕が一番欲しかったもの」に比べるとかなりコミカルかつライトなタッチで描かれている上にストーリーとして展開していくのででだいぶ情景がイメージしやすく聞きやすくはなったし、実際手探りで始まったこの路線をより広く届けるようにするための試行錯誤の中でそういった部分を意識したのだと思われる。
★★★★☆
11thアルバム『Home Sweet Home
8thベスト『Completely Recorded
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live)

C/W ファミレス

日常の大切さを歌った“気づき”食事編。ファミレスそのものを題材にしたわけではなく、ケンカした君と仲直りするためにファミレスに行こうと持ち掛ける。「Are You OK?」同様に具体的なシチュエーションを用意する事で前作までよりも情景が見えやすくなり、聴きやすくなっている。加えて楽曲の暖かさもだいぶ戻ったような印象のシングルになった。
★★★☆☆
11thアルバム『Home Sweet Home

初回盤のみC/W Witch hazel(French Disco Version)

4thアルバム『SELF PORTRAIT』収録曲のリメイク。基本的には原曲イメージを大きく逸脱していないが、前回よりもリアレンジっぽさがあってタイトル通りにフレンチディスコっぽいリズム感があるし、締まった音色になっているように聞こえる。また何より分かりやすいのは間奏が長くなっていて80年代半ば~後半にかけてのバージョン名で言うところのExtended Version的な要素もある。

今作リリース時は原曲はベスト盤でまとめて聞いて多少耳に残っていた程度だったので、リアルタイムで改めてこの曲を聞く事でいい曲だなと認識したのを記憶している。個人的にはベスト盤で後追いで聞いた曲たちを改めてしっかりリアルタイムで聞く事ができたこの時期のリメイク展開は好きだった。まあこの第二次ワーナー期は今作まではともかくこの後のシングルでは完全にマニアックに走るので、過去曲リメイクを入れられると当時はどうしても前の方が良かったという印象も強まってはしたまっていたけど…。
★★★★☆
French Disco Versionアルバム未収録
2005年アナログ盤『Home Sweet Home』追加収録(French Disco Version)

Happy Birthday Song

2001年11月21日
From 11thアルバム『Home Sweet Home
単純な誕生日おめでとうソングではなく、人生色々あるけど誰かに何かすれば自分にも返ってきて人生は豊かになる、最後の日に生まれた事に感謝できるといいよね(超訳)という「Are You OK?」でも歌っていた内容の延長にある他者に何かすることで自分にも返ってくるという考えの教訓を歌ったバースデーソング。歯切れのいいギターのカッティングなどポップなアレンジが気持ちよく、このあたりの明るさは前作ではまだなかったものだったので、今作でようやく“マッキー”が帰ってきた感覚があった。
★★★★☆
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”』(Live)

天国と地獄へのエレベーター

2001年11月21日
From 11thアルバム『Home Sweet Home
考え方次第で天国にも地獄にもなるというこの時期の内省の集大成的なロック調のナンバー。ひたすら説教調の教訓が綴られていて耳が痛いが、楽曲自体はかなりノリが良い。これからは耳が痛いことも歌わなきゃいけないと本人もコメントしていたので、楽曲の明るさで耳の痛い歌詞の内容をカバーしたのかもしれない。

この時期に言いたかった事がぎっしりと詰まっている上に、ライブでも盛り上がるノリのいい曲調であったためか、発売以降の数年間ライブの盛り上げナンバーとなり、2005年までの3作のライブアルバムに連続で収録された。特に『cELEBRATION』ではWアンコールでもう1回歌ったため、DISC-2に2回も収録されるなどしたため、個人的にはしつこい曲という印象が根付いてしまった(Wアンコール用の曲を準備していなかったためと思われ、『cELEBRATION』では2005年は普通にWアンコール用に今作を準備していて最後に演奏したが、2010年はまたもWアンコール用の曲を準備してなくてメドレーをもう1回やった)。この印象があったため、2009年のクリスマスコンサート、2010年のcELEBRATIONの2本を見に行ったことがあるんだけど、この曲絶対来るんだろうなと思っていたら2回とも来なくて、その後の『Best LIFE』にすら選曲されなかったので逆に驚いた。この時期の筆頭曲として連続披露していたのに一時期を過ぎてからは本人の中でも重要度が急速に下がってしまい、『Best LIFE』というライフソングの代表作を並べたベスト盤にも選抜しないとは、そんなに伝えたい内容では無くなってしまったのだろうか。
★★★☆☆
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”』(Live)(アンコールでもう1回披露したので2回収録)
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)

Home Sweet Home

2001年11月21日
From 11thアルバム『Home Sweet Home
“気づき”我が家編。我が家の暖かさに気づく楽曲。気づくだけで終わらずに”ここがそうじゃないならそうなるようにすればいいんだ”と我が家が暖かくない人向けにも前向きな言葉が繰り出される。さらに「Happy Birthday Song」の最終フレーズをラストでリフレインする事でこのポジティブさをさらに強調。今作がもう少し売れていたらこの段階で世間的にも完全復活と言われていたんじゃないかと思う。
★★★★☆
1stライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』(Live)
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)
2nd配信限定ライブアルバム『槇原敬之 Concert Tour 2022~宜候~』(Live)

25th 雨ニモ負ケズ

B000065EMZ
2002年5月22日
年明けに『Home Sweet Home』を引っ提げてのツアーでライブにも復帰。5月9日にはその模様を収録した初のライブアルバム『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』もリリースし、2週間後にリリースされた。シングルでも完全にポップ路線から離れて非売れ線の方向性になった事もあり、初登場25位とついにトップ20落ちで売上は1万台半ばまで低迷。しかしここから3作連続で1.5万枚前後の売上で下げ止まった。

今回も過去曲リメイクの「PENGUIN(North Pole Version)」が初回プレスのみ収録。公式サイトの記載によれば今作は初回盤と通常盤の品番が分かれていたようだ。当時のレンタル屋には何の問題も無く、オール初回仕様(全曲収録)で入荷されていたのであまり意識していなかったな…。

今作では槇原のクレジットはKeyboards、毛利泰士はSynthesizer Prgrammingとなり、アルバムでもそのまま同じ表記で統一されている。

雨ニモ負ケズ

シングル盤歌詞カードにはひっそりと(歌詞とクレジットの後に)「この曲は、ボクが敬愛する宮沢賢治さんの作品にインスパイアされたものです」というコメントが記載されていた。宮沢賢治の「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」で始まる詩として有名だが実際には没後に発見されたメモで亡くなる2年ほど前に書かれたものとされているらしい。今作ではサビで”雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ”とマを漢字に変えて引用して”自分ニモ負ケナイ”と続けている。宮沢賢治風にカタカナを駆使しているのはこの部分のみである。

珍しく生のバンドサウンドで制作されており、ギターは山弦(佐橋佳幸・小倉博和)が揃って参加、ベースは松原秀樹、ドラムは沼澤尚、パーカッションはまたろう、復帰ツアーとなった『THE CONCERT CONCERT TOUR 2002~Home Sweet Home~』のバンドメンバーが揃ってレコーディングに参加している(ツアーには小倉博和だけで佐橋佳幸は不参加)。

『Home Sweet Home』期の明るさから一転して、この時期はシングルをシングルとして売る気が全く感じられない実験的というか地味な楽曲が続くことになり、セールスも低迷していった。この曲では延々と教訓が繰り返されるばかりで、A→B→A→B→間奏ギターソロ→B→サビ→間奏”べきだ”→サビ、とサビがなかなか来なくてようやく来たサビもそこまで盛り上がるわけでもないというパッと聞きではかなり分かりにくくシングル向きではない。そんなわけで最初はナンダコレ…と全く良さが分からなかったんだけど、何度か聞いているうちにメッセージもだんだん入ってきて意外と悪くない1曲に印象が変わった。打ち込み基本の槇原ソングでは珍しいツアーメンバーによるバンドアンサンブルが聴きどころか。

Album Ver.はツアーメンバーの生バンド演奏はそのままで録り直した感じでも無いのでミックス違いといった印象。シングルはもっとジャカジャカとしたリズム感が強調されているように聞こえたが、Album Ver.はアルバム全体の流れを考えてもう少し角を削って丸くしたような音像。
★★★☆☆
12thアルバム『本日ハ晴天ナリ』(Album Ver.)
8thベスト『Completely Recorded

C/W 縁

ずっと一緒にいてくれた相手に対して感謝するのではなく、サビに持ってきたのは神様にこんな縁をくれてありがとうと感謝するというやや地味目の神様系ミディアムナンバー。こういった系統の曲だと出会えて良かったとか相手に対して自分と出会ってくれてありがとうと感謝する形式が多いけど、今作はあくまで「縁」についての曲という事もあるからか相手ではなく神様への感謝を押し出すというのはこの時期ではまだ珍しい。神様連呼が多い印象のある後のエイベックス期っぽさがある1曲。
★★★☆☆
12thアルバム『本日ハ晴天ナリ

初回盤のみC/W PENGUIN(North Pole Version)

7thアルバム『UNDERWEAR』収録曲のリメイク。前2作と同様で原曲当時は参加していなかった毛利泰士が今作ではシンセプログラミングで参加している。加えてこの曲では前2作と違ってトップクレジットがRe-mixed by YOSHIHUMI IIOになっており、このシングル以降、沢田知久に代わって録音ミックスのエンジニアとしてメインで起用されるようになった飯尾芳史によるリミックスが施されている。よって今作は前2作同様に槇原と毛利の2人で打ち込み直したリメイク音源を飯尾がリミックスした、という事になるのだろうか。

原曲のイントロや間奏にあったロングトーンの民族的なコーラス(アァァァイェエェェェェ~みたいなやつ)がリミックスにより強調・引き延ばし・連発されており、語尾を繋いでスーパーロングトーンにしたかと思えばモールス信号の如く切り刻んでみたりとアァァァイェエェェェェコーラス1パートで遊び放題の引き伸ばしが施されておりこの部分こそが飯尾によるリミックスが強く出ている部分だろう。これだけで1分20秒近く消費、そこからようやく本イントロが始まっていく。このため楽曲の尺も原曲より長くなっている。間奏やアウトロでもそこまでではないがやはりこのコーラスパートだけリミックスでいじりまくっているのは前2作と異なる部分だだが、逆にそれ以外は原曲を打ち込み直しつつも原曲より落ち着いた感じのシンプルな仕上がり。発売当時はいかんせん上の2曲が地味だっただけに、ベスト盤でなんとなく聞いていた程度だったこの曲の印象が格段に上がったのを記憶している。
★★★★☆
North Pole Versionアルバム未収録

26th 花火の夜

B00006AV3E
2002年8月7日
初登場23位と少し上昇したが3連続1.5万枚前後の中で今作が1番売上が低い。これまでと異なり、新曲のC/Wが収録されず、過去曲リメイク枠のみとなったため今作では「TWO MOONS (go home version)」は通常のC/W枠となった。またリメイクのカラオケは収録されないので今作はカラオケ(Backing Track)は表題曲のみと曲数も減っているため、律儀に今作のみ1260円(5%当時)→1050円(5%当時)に値下げされていた。

初回プレスは限定特別ジャケット仕様+アルバムとのW購入特典プレゼント応募券封入となっていた。

通常盤がそもそもほぼ出回ってないと思われ、何がどう特別ジャケットだったのか…正直印象が無い。

今作では再度槇原のクレジットにProgrammingが追記され、毛利泰士はSynthesizer Prgrammingのままとなった、次回作でも同様だが、『本日ハ晴天ナリ』では前作に準じて槇原のクレジット全曲にProgrammingは無い。統一感なさすぎるだろ

花火の夜

ラテンを基本にしてなんかそれっぽい民族感が混ぜ合わさったようななんとも形容しがたいサマーソング。『地球音楽ライブラリー』のシングル解説では“ラテン路線”としながらも“フラメンコとサルサとサンバの混じった派手なアレンジ”と紹介しているほどで、一言でジャンル分けするのは難しい。タイトル通りに花火の夜の日を歌っているが、基本的に回想のような形で”君”が描かれており、現在の情景は花火が上がっているのを見ているということだけ。

この時期の楽曲にしては”気づき”要素が少なめではあるがそれでも”気づき”路線の要素も混じっているため過去の”君”との描写にはかつてのようなノスタルジックな切なさも感じられず、とにかく色々混ざりすぎててどういう曲なのか形容しがたい何とも言えなさがある。逆に地味な印象の曲になってしまっているように思う。
★★★☆☆
12thアルバム『本日ハ晴天ナリ
8thベスト『Completely Recorded
12thベスト『春うた、夏うた。~どんなときも。』
3rdライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2005”~Heart Beat~』(Live)

C/W TWO MOONS(go home version)

11thシングル「2つの願い」C/W及び5thアルバム『PHARMACY』収録曲のリメイク。これまでと違い新曲C/Wが無く、さらに初回限定トラックでもない。さらにこの時期の他の原曲アレンジ準拠のリメイクバージョンとは違い、今作のみ小倉博和のアコギを生かしたシンプルな編成による完全なリアレンジになっている。原曲のアカペラで始まっていた部分に関してはそっちの方がよかったと思うけど、全体通してシンプルに貫き通す今バージョンはアコースティックコーナー的な味わいがあってこれも悪くない。
★★★☆☆
go home versionアルバム未収録
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録(go home version)

27th これはただの例え話じゃない

B00006GJNB
2002年9月26日
2ヶ月連続リリース。11月7日の『本日ハ晴天ナリ』への先行シングル。今作には恒例になっていた過去曲リメイクが収録されず、代わりにサポートギタリストの小倉博和のカバー「モグラの詩」が初回プレスのみ収録となった。今作も初回盤と通常盤で品番が別となっている。初登場18位とトップ20復帰したが売上は変わらず。

これはただの例え話じゃない

シングルの中でも特に実験性が高く、全くシングル曲のようには聞こえない攻めすぎた1曲。終始エフェクトがかかったようなボーカルでイライラしてコップを割りその破片で血を流す”彼”、目の前の汚い格好をした子供を追い払った”彼女”だったが子供は似顔絵を描いて渡そうとしていただけだったといった悲劇の”例え話”を出して悲しみを提示し、こういう行動をとっていればその報いはくるので正しくあらねばならないと淡々と告げる。”気づき”というよりも警鐘、警告の域に進んでしまったような教訓ソング。キャッチーさは皆無でひたすら”警告”し続けるシリアスさが重い。

先行シングルがこれはさすがにマズいって…。という事で『本日ハ晴天ナリ』自体は暖かい部分もあり、シングル3作からすると意外なほどにポップさもあるアルバムだったんだけど売上はすっかり低迷してしまった。先行シングルが今作じゃリスナー遠ざけるよなぁ
★★★☆☆
12thアルバム『本日ハ晴天ナリ
8thベスト『Completely Recorded

C/W Turtle Walk

いやこっちがシングル表題曲でしょ!と誰もが思うであろう前向きでポップな槇原節がだいぶ戻ってきたような印象のポップソング。自分のペースでゆっくり歩いて行こうと決意し、さらに誰かと争うことをやめたと宣言する歌詞からは前年に起きた911テロ以降の世相の影響も感じられる。

アルバムでは前曲にしてタイトル作「本日ハ晴天ナリ」で“事件後”の禊を終えた槇原がここからさらに幸せになるために新たな道を進んでいき、その去っていく後ろ姿を”僕の背中だと分かるように”リスナーに示しながらComing Soon!!みたいな物凄く前向きなイメージ。C/Wという立ち位置ではさほど実感できなかったがアルバム最終曲になった事で非常に輝きを見せた1曲だ。この際はAlbum Ver.になっているが、シングルでは前述のように槇原のクレジットにあったProgrammingが消えており、代わりにHammond Organが追加されている。パッと聞きほぼ同じで明確な変更点は見当たらないが響きは変わっており全体のミックス変更といった印象。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
12thアルバム『本日ハ晴天ナリ』(Album Ver.)
4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』(Live)

初回盤のみC/W モグラの詩

作詞作曲:小倉博和、編曲:槇原敬之
ギタリスト小倉博和が1996年SMAP香取慎吾主演の日本テレビ系土曜9時ドラマ『透明人間』サウンドトラックアルバムへ収録していた楽曲のカバー。当時たまたまドラマを見ていて何故かサントラも手に取っていたので原曲を知っていた。サントラ盤の最終曲でおじさん(小倉博和)が「1曲うたいま~す」とかのほほんと歌い始めたんだけどこれがとてもピュアな名曲でテープに録音してたぶん1996年の間に数回聞いただけ、既にカセットの時代も終わって6年ぶりに聞いたとかだったのに妙に記憶に残っていた曲だった。

こういう形でまさか再び世に出るとは思わなかったが、この当時の槇原が歌うことでより説得力を増したと思う。1996年時点で既に槇原のサポートもやっていたとはいえ、ここまで違和感なく槇原敬之の曲として聞こえてくるのも凄い。このシングルで最大の名曲
★★★★★
アルバム未収録
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録

さよなら小さな街

2002年11月7日
From 12thアルバム『本日ハ晴天ナリ
2001年に解散したピチカート・ファイヴのボーカルで解散後最初のソロ作品となった野宮真貴のアルバム『Lady Miss Warp』へ提供した曲のセルフカバー。『Lady Miss Warp』は今作と同日発売で提供とセルフカバー同時発表となったが、アレンジがかなり違うので同じ曲には聞こえない。

家出して高い煙突から街を見下ろして世間の広さを知り外の世界へ飛び出していく事を決めるという昔ながらの冒険活劇アニメの第1話のような“始まり”を感じさせるポップナンバー。さらっと聞ける小品のような曲だがベースとウッドベースを別々に起用したり、パーカッション、ホーンなども打ち込みで済まさずに人員を大量に動員して生音で構成しているのが珍しい。
★★★☆☆

本日ハ晴天ナリ

2002年11月7日
From 12thアルバム『本日ハ晴天ナリ
冒頭で反戦の意志を明確に示し、平和を願うかのように穏やかな晴天の時が描かれる穏やかだけど強い決意を感じるアコースティックバラード。ラストに配置されたフレーズは1stアルバムに返っていくように“君が笑うとき君の胸が痛むようなことなどないように”と歌われる。微妙に言い回しがややこしくなっ

デビューから干支が1周し、逮捕から3年。随分遠くまで来たけど変わらないものもある。復帰三部作と言われたこの3枚のアルバム、この曲を持って事件以降の禊が本当に終わったようにも感じられる。事件後の厳かなモードのまま静かにこの曲を歌い切った後に、これに続くのが自分のペースで明るく前を歩いていくポップな「Turtle Walk」というのが象徴的だ。
★★★★☆

28th Wow

B00007M8TY
2003年2月13日
『本日ハ晴天ナリ』からのシングルカットと直近の楽曲の別ミックス2曲を収録した新曲無しのシングル。このため初登場57位と超低迷し、0.6万枚と売上も半減した。『桃』以降リメイクとカバーを除く表題曲とC/Wにカラオケ(Backing Track)が収録されていたが、今作は何故か「Wow」のカラオケが収録されていない。カラオケの有無では値段も変わらないようで一応歌入り3曲なので値段もそのまま(1260円)だった。

2002年よりシングルの録音ミックスは飯尾芳史となり、沢田知久はマスタリングに回っていたが、『本日ハ晴天ナリ』のマスタリングはAdam Ayanに海外委託されてしまい、沢田のクレジットは「Wow」録音のみにまで縮小してしまっていた。しかしまだフェードアウトにはならず、このシングルでは引き続き沢田知久のマスタリング表記があり、シングルのマスタリングでの沢田起用は継続した。シングルカットの際に一応リマスターされているという事になる。

Wow

『本日ハ晴天ナリ』からのシングルカット。SMAPのスタッフから『SMAP015/Drink!Smap!』への提供依頼があり(締切2週間)、事務所と相談したところスタッフから木村拓哉さんに子供が生まれたばかりだから生まれた喜びや言葉に出来ない感情を歌ってもらうのはどうだろうという提案があったので今作が制作されたと『歌の履歴書』で経緯が明かされている。この提案をしたスタッフが槇原の事務所スタッフなのかJニーズ事務所のスタッフなのかは不明(読み取れない微妙な書き方…)。前半1週間で提案ほぼそのままの曲として仕上げた今作は直接言われたわけではないがちょっとこれは違うらしいという反応だったそうで行き違い状態となり、一旦提供話自体をあきらめたが別のもう1曲を期待されていたので「世界に一つだけの花」が出来たとされる。

SMAPに没にされた曲だったがアルバム制作中で気に入っていたのでそのまま自分の曲として仕上げて『本日ハ晴天ナリ』では1曲目の「AMAZING GRACE」カバーに続く実質的なオリジナル新曲のOPチューンとして2曲目に収録。前述のように沢田が録音を担当して飯尾がミックスしている模様。先行3シングルのマニアックさから一転して90年代のポップさに回帰したような1曲でアルバムを聞いた当時は驚いた。年明けになってシングルカットしたのは意外だったがでもこれはザ・シングル曲だと思う。第二次ワーナー期シングルの中では最も一般受けがよさそうな曲で然るべきタイミングでリリースすれば代表ヒットの1つに持って行けたのではないか。

子供が生まれた喜びを歌った曲で、先のエピソードからしてもマジで提案そのままの曲。でもこれは提案者が悪いまでは行かないけど少し考えれば採用されるわけないだろうなんでそんな提案したんだとは思う。子供が生まれたばかりだった木村拓哉にしかリアルな実感が無いし、Jニーズ的にも結婚は一大事、木村本人は堂々会見を開いて発表したが内部は大変だっただろうし、その後続いた既婚者たちも基本的に家庭の空気をトークする事はほぼ無く、色々な職業を演じていた木村拓哉は1作1作が話題になっていたあの全盛期に他のメンバーはけっこうあっさり父親役をやり始めたのに父親役は避けているのかというほど徹底してやらなかったくらいだしなぁ…。

槇原が『SMAP×SMAP』の歌のコーナーにゲスト出演した際は「世界に一つだけの花」と一緒に「Wow」も歌唱。この共演の際に中居正広にこれもとてもいい曲だと言われた槇原は報われた気持ちになったと後に振り返っている。2014年に「BISTRO SMAP」に出演した際にはSMAPに提供しようとして没になった曲はあるのかという話になった際に一緒に歌った事もある曲で中居にいい曲だと言われて嬉しかったエピソードと共に「Wow」だったと槇原が明かし、中居が驚く場面もあった。TV的なリアクションをしただけかもしれないが、スマスマで歌唱した時点では没になった曲だとSMAPメンバーには伝わっていなかったと思われる。中居が今作を気に入ってくれたという話は『歌の履歴書』にも書かれているのでよほど印象的で嬉しいエピソードだったようだ。
★★★★☆
12thアルバム『本日ハ晴天ナリ
8thベスト『Completely Recorded
4thライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』(Live)

C/W PLEASURE(2003 槇原敬之MIX)

10thアルバム『太陽』及び23rdシングル『桃』C/Wのミックス変更。オリジナルのミックスは沢田知久、DVD-AUDIO版では飯尾芳史で飯尾ミックスの時点でもかなり変わっていたが今回は槇原本人によるミックス。音のバランスがさらに変わっていて、原曲ではあまり聞こえなかった電子音などが随所で聞こえたりしている。全体的に原曲よりもトゲトゲしさが無くなってスッキリした感じになった。
★★★☆☆
2003 槇原敬之MIXアルバム未収録
2005年アナログ盤『太陽』追加収録(2003 槇原敬之MIX)

C/W 桃(2003 飯尾芳史MIX)

23rdシングルのミックス変更。こちらもオリジナルのミックスは沢田知久だったが前年より沢田知久に代わってエンジニアに起用され始めていた飯尾芳史がミックスしている。イントロ直後にサビを持ってきたりという構成に手を加えた部分もあるが、全体的に原曲で漂っていた中華風の雰囲気をより強調した仕上がり。

沢田ミックスだったわずか数年前の楽曲をわざわざ槇原本人&別のエンジニアでやり直したというのは槇原が求めるようになった音と沢田の仕上げる音に大きな違いが生じるようになっていたかのようでなんだか複雑な気もした。
★★★☆☆
2003 飯尾芳史MIXアルバム未収録
2005年アナログ盤『Home Sweet Home』追加収録(2003 飯尾芳史MIX)

29th 君の名前を呼んだ後に

B000095YLJ
2003年5月22日
前年SMAPのアルバム『SMAP015/Drink!Smap!』に提供した「世界に一つだけの花」が冬クールの草彅剛主演ドラマ『僕の生きる道』主題歌に起用され、最終回前の3月にストリングスアレンジ&サビ始まり&歌割変更でリメイクして『世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)』としてシングルカットしたところ、SMAP史上最大規模の大ヒットとなっていた。作者があの槇原敬之だという事でヒットから遠ざかる中で再注目を浴びるようになる中でリリースされた。

前作に収録されなかった表題曲のカラオケ収録が復活したが、名称が何故かBacking Trackからカタカナ表記のインストバージョンになっていた。今回は収録内容が『花火の夜』と同様(新曲+過去曲リメイク+カラオケの計3曲)で値段も同様に1050円(5%当時)に値下げされた。

後述の松嶋菜々子CM&MV出演効果もあって初登場11位とトップ10目前まで回復し、売上6.1万枚と「桃」に続くヒットを記録。C/Wは新曲無しで90年代の過去曲リメイク枠に戻ったが、方向性は前作のリミックス2003 飯尾芳史MIXを引き継いでおり(そのままフルネーム表記だったのをIIOに変えた)、新エンジニアとして起用していた飯尾芳史によるもの。

君の名前を呼んだ後に

住友生命「らぶ30」CMソング。CMに出演していた松嶋菜々子がMVにも出演した事で話題になった。楽曲自体はファルセットを多用したアコースティックな質感のスローバラード。久々に”気づき”や教訓の要素がほぼ無くてラブソング色が強かったのは好調の理由の1つだったのかもしれないが、どうもまったりしすぎていてそんなに好きになれない曲という当時の印象のままあまり変わっていない。

アルバム『EXPLORER』の作風に合っていたためかEMI移籍後のオリジナルアルバムに持っていって収録されたが、ただでさえゆったりした曲が多かったアルバムだけにまったりさを増幅させるこの曲は収録しなくても良かった気がしなくもない。なお権利の関係発動でST配信版『EXPLORER』ではカット(配信サイトによってグレーアウトか最初から無いかに分かれる)されている。DL配信では『EXPLORER』からの単曲購入不可だがアルバムとしては全12曲まとめて購入可能となっている。
★★★☆☆
30thシングル『Good Morning!』C/W(英語詞「After calling your name」)
13thアルバム『EXPLORER
8thベスト『Completely Recorded
11thベスト『秋うた、冬うた。~もう恋なんてしない』
30thシングル『Good Morning!』C/W(英語バージョン「After calling your name」)
2ndライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA“cELEBRATION”』(Live)
4th配信限定ライブアルバム『マキハラボ』(Live)
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録

C/W 9xForever(2003 IIO MIX)

6thアルバム『THE DIGITAL COWBOY』収録曲のリミックス。IIOというのは飯尾芳史のことで、「桃(2003 飯尾芳史MIX)」に続く飯尾によるリミックス。リメイクでは無く、今回はシンセプログラマーも原曲当時の飯田高広のままになっているので、前作の「PLEASURE(2003 槇原敬之MIX)」「桃(2003 飯尾芳史MIX)」と同種で当時の音源をそのままミックスし直しただけと思われる。それだけ飯尾氏のミックスにご執心だったということだろうか。「桃」同様に中華色を強調した仕上がりになっている。「桃(2003 飯尾芳史MIX)」に続く傾向だが、サウンドにハマっていて強調するのを要求してこうなったのだろうか。
★★★☆☆
2003 IIO MIXアルバム未収録
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録(2003 IIO MIX)

30th Good Morning!

B00009PN5K
2003年6月25日
新曲は「Good Morning!」だけだが英語バージョン、前作の英語バージョン、恒例過去曲リメイクで歌入りの曲が『Secret Heaven』『COWBOY』『桃』と並ぶ4曲の最多タイ。今作を最後に2曲+カラオケ2曲の4曲編成が基本になるので曲数の更新は無くなった。加えて「Good Morning!」のカラオケが収録されているが、今作ではInstrumental Versionと表記された。前作が”インストバージョン”表記で今回は英語詞が並ぶシングルになったので英語表記にしたものと思われるが、次回作以降はBacking Trackに戻っており、ワーナー最後の2作だけ名称を変えたのは何故だったのか…。

前作から一転してあまり話題にもならず、初登場20位売上1.2万枚と2002年の水準に戻ってしまうどころか2002年の3作をも若干下回った。

ワーナーでの最終新作。今作以降楽曲提供や秋に単発のライブは開催されたものの、新作リリースが翌年4月まで止まり、10ヶ月のブランクが生じた。再度の他社への移籍に伴う空白期間だったのかは不明。

あかさらまに飯尾芳史を積極起用して過去曲のリミックスまで任せるくらいなので、すっかりミックスは飯尾に完全に取られてしまい、かろうじてマスタリング担当として残っていた沢田知久は今作のマスタリングが最後の仕事となり、移籍と同時に完全にフェードアウトとなってしまった。沢田との再合流は2度目の逮捕以降まで20年近い歳月を要した。

Good Morning!

何故かコーラスに格闘家の角田信朗を招いた実験的なデジタルナンバー。一聴しただけでは槇原敬之の曲だと分からないくらいエレキギターで引っ張るデジタル全開なサウンドになんだこれは…という衝撃を受けたのを機多くしている。MVにも角田信朗が出ていたが、声が加工されているのもあってイマイチ角田信朗の声が判然としないっていう。MVではサビのGood morning,Good afternoon,Good night,and Good-bye!を角田、日本語部分を槇原が歌っていて掛け合いのようにしているが…この加工されたような英語詞部分が角田氏の声という事なのだろうか。

誰の心の中にも天使と悪魔がいて、天使を呼び起こすにはまずは挨拶からだ!(雑訳)という挨拶推奨ソング。”天使は君の人間らしい行いで目を覚ます”と対になる形で”悪魔は君の人間らしくない行いが誰よりも大好き”という理論が展開しているんだけど、一体何をもって人間らしいとからしくないとか判断しているのかは不明瞭。この後だんだん”正しさ”の主張に意固地さが感じられるようにもなってくるがその片鱗が少し出てきているように思う。

今作はEMI移籍後の『EXPLORER』には収録されず、「まだ生きてるよ」以来のオリジナルアルバム未収録曲となったが、その後も不遇が続き『Completely Recorded』にしか収録されていない。
★★★☆☆
8thベスト『Completely Recorded
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録

C/W Good Morning!(English Version)

「Hungry Spider」に続いてセイン・カミュ訳詞による英語バージョン。元々サビで英語を多用しているだけあって、いっそ全部英語詞の方がしっくり来る。英語になってれば歌詞もそんなに気にならない。It’s so so good!
★★★☆☆
English Versionアルバム未収録
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録(English Version)

C/W After calling your name

前作「君の名前を呼んだ後に」の英語バージョン。タイトルも英訳されたが、英語になった以外はアレンジはそのまま同じ。これまた英語の方が逆にメロディーの良さが引き立つかもしれない。特にサビ部分の言葉のハマりは英語の方がなんとなく好き。
★★★☆☆
アルバム未収録
2005年アナログ盤『本日ハ晴天ナリ』追加収録

C/W Cowboy(’03 IIO MIX)

14thシングルのリミックス。3曲連続の全英語詞となった。これまた飯尾芳史を起用し、前作「9xForever(2003 IIO MIX)」同様にクレジットは基本的に原曲のまま。ボーカルが原曲よりも加工処理された感じになっており、別ミックスというより一般的な意味でのリミックスっぽさが強い。それでも普通にこのシングルの中で1番いい曲。
★★★☆☆
アルバム未収録

コメント

タイトルとURLをコピーしました