16th あの頃のまま

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16th あの頃のまま

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04年7月28日
04年序盤の大久保ソロ活動を経ての再開作はカバー展開。カバーアルバム『夏唄』の先行シングル。C/W「夏唄」はオリジナルの新曲でそのままアルバムタイトルにも採用された。もう1曲のC/W「夕立ち」はリメイク。

どういうわけかシングルで唯一今作だけが謎に配信されている。しかし配信されたところで3曲中2曲はアルバム『夏唄』に収録されて重複している。ついでに大久保のソロシングル「想」も同様に配信されており、04年のEMI最終年の作品は一貫してシングルまで配信したらしい。

アルバム『夏唄』はCD-EXTRA仕様で回避する策を取ったため結果的に今作がCCCDで発売された最終作品。また直後に東芝EMIとの契約を終了、さらに事務所からも離脱して独立を発表した。メジャーでリリースされたシングル自体が今作が最後となった。

あの頃のまま

作詞作曲:呉田軽穂、編曲:笹路正徳
79年のブレッド&バターのカバー呉田軽穂は松任谷由実のペンネームであり、松任谷由実によるセルフカバーは前年『Yuming Compositions: FACES』で発表されたばかりだった。

今でも気まぐれに街をいく僕=自由に生きている主人公は会社勤めをしている友人に再会して変わってしまった友人、変わらないあの頃のままの自分を思うという曲。原曲当時フリーターという言葉は無かったとは思うけど、わりと現代でも通じそうな時代性は感じない歌詞である。まあ現代の場合は若者の状況が気まぐれでやっていられる感じじゃないくらい厳しいので幅広く共感を得られるかは分からない。

全体的にはやたら切ない雰囲気が漂っていて特にいいとも悪いとも表現されてはいないのだが、主人公の姿に勇気をもらえるような感じでは少なくともない。幸せの形はそれぞれだということを歌っている割には、どちらかというと憂いの空気が強いように感じる。

笹路正徳による安定のアレンジは一応アコースティックサウンドは生かしているものの前年までに確立したサムエルらしいサウンドはすっかり無くなってしまったのは残念。普遍性が高いので、色褪せずに長く聞けるが…。
★★★★☆
6th(カバー)アルバム『夏唄
2ndベスト『ゴールデン☆ベスト Something ELse

C/W 夏唄

作詞作曲:今井千尋、編曲:土方隆行
6thアルバムはカバーアルバムながらタイトル曲である今作と「夏華」はオリジナル曲。契約がこれで最後だったことを考えてもあまり前向きなカバー企画ではなく、会社の命令的要素が強かったと思われるが、オリジナル曲の出来は往年の名曲カバーと並んでも遜色ない仕上がり。地味なバラードではあるが、田舎の縁側の夏のようなノスタルジー感、古き良き日本の夏を感じられる。
★★★★☆
6th(カバー)アルバム『夏唄

C/W 夕立ち

作詞作曲:今井千尋、編曲:Something ELse
3rdアルバム『光の糸』収録曲のリメイク。原曲は『TICKET』にも選曲されていた代表バラードの1つだった。原曲は異色な曲続きだったアルバム『光の糸』4曲目で「サイレン」「びいだま」「磁石」と続いた後にようやく出てくる今までのイメージ通りの安心の1曲といったポジションだった。正しく「さよならは最後に言う」などの1st頃のバラードの進化系のような1曲といえる。

今作ではバンドサウンドだった原曲を3人だけの演奏による弾き語りでリメイク。バージョン表記はないが原曲の河野圭からSomething ELseのセルフアレンジに変更されている。どういうわけか風呂場で録音したかのようなリバーブ全開な質感で仕上げられていてちょっとボワボワしすぎ。味わい深いバラードとはいえ、ボワボワな音質でのシンプルな弾き語りはさすがにちょっと微妙…。
★★★☆☆
★★★☆☆(原曲)
リメイクバージョンアルバム未収録
3rdアルバム『光の糸』(原曲)
1stベスト『TICKET』(原曲)

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