2ndSg 翼を広げて

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2ndSg 翼を広げて

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1993年7月17日
DEENは6月の「果てしない夢を」には呼ばれず前作から4ヶ月ぶり。今作では最初からメンバー4人がジャケットに載っていて4人組バンドである事を強調。裏ジャケットでも4人が向かい合って話し合いをしているかのようなバンドっぽい写真が採用されている。しかし依然としてメンバークレジットが無いので、ギターとドラムの人が誰なのか分からない

一方でスタッフクレジットは丁寧でプロデュースやディレクター、エンジニアやスタジオまでアルバムクレジット並にぎっしり書かれており、「翼を広げて」のコーラスに坂井泉水(ZARD)、生沢佑一(TWINZER)、川島だりあ、大黒摩季、岩切玲子(SO-FI)が参加している事もしっかり記載されている。FEEL SO BADのデビューはこの2ヶ月後であるため、川島だりあにFEEL SO BAD表記は無い。ここまで載っているのに肝心のDEEN4人の名前を教えてくれないのは何故なのか

ディレクターとして寺島良一がクレジットされている直下にAssisted byとして時乗浩一郎の名前が初めて表記されている。1stアルバム『DEEN』ではディレクターになっているがデビュー当時はアシスタントから始まっていたようだ。

ビーイング系が上位を占拠する中で最上位には及ばず初登場5位。2週目は6位だったが初動6万程度から8万枚に数字を上げており、10位となった3週目でも初動売上をわずかに上回り、4週目にまた微増(8位)、5週目でようやく初動をわずかに下回ったが6位まで浮上…と結局7週トップ10に居座り、数字と順位が一致しないようなウロウロとした推移を見せた。最終的に57万枚を突破。前作から半分以下ではあったが、結果的には同年デビュー組のZYYGやREV、MANISHらよりは遥かに高い売上をキープし、ビーイングの中では1位が取れるレベルの最上位勢の次くらいの独自のポジションにつけた感がある。

なお1stミリオン、2ndで50万台というのは1997年にKiroroが再現しており、1stシングル&1stアルバムがミリオンという記録はKiroroも達成していてどこか似たような売れ方だった。

翼を広げて

作詞:坂井泉水、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
日本テレビ系Jリーグ中継テーマソング。1993年サッカーJリーグが開幕してから数年の盛り上がりはすさまじく、野球中継と同じようにけっこうな勢いでTV中継していた。興味がないのになんか急にJリーグとかいうのが始まってオーレーオレオレオレーとかみんな歌い出して盛り上がっているのは小学3年生ながらに感じていた。地元では浦和レッズが盛り上がっていたのもあるかもしれないが商店街がレッズ一色になった上に、当時ダントツ最下位で弱かったために駅前のマクドナルドではデカデカと「レッズ勝ったらコーラ10円!!」とか掲げる始末。10チームから徐々に増えていき、1997年のW杯初出場決定にかけて世間のサッカー熱は盛り上がっていったもののJリーグ自体は野球中継のように定着する事無くあまり放送されなくなっていった印象があり、未だに発足当初の盛り上がりが1番凄かったように感じている。

その日テレ(読売)がバックについていたヴェルディ川崎がジャイアンツのサッカー版みたいな売り出し方で当初連続優勝するほど強く、そんな日テレの中継で使われていたのだから今思うより遥かに大きいタイアップだったのだとは思う。間奏以降のスタジアムを思わせるような派手な盛り上がりや大合唱もなんとなく当時の熱狂を思わせる。ただ当時この曲を聞いた記憶はなく、初めて聞いたのは『SINGLES+1』をレンタルしてきた1998年当時。初のライブ映像作品『LIVE JOY Special 横浜アリーナ』で大々的に扱われていた事もあって、しばらくは「このまま~」よりこっちの方が名曲なんじゃないかと思っていた。

メンバー自らラストのイメージがつきすぎて一時あえて避けていたと語っていたようにAOR期にかけてはライブで全く披露されない時期もあったが、2005年のキセキVersion以降はイントロだけキセキVersion含めて原曲キー下げとキセキVersionの併用で演奏頻度が増していった。それでも武道館公演で締めに使う事は当初は避けていたが3度目2010年で初めてラストに使用、2014~2016年は3年連続武道館のアンコール最終曲として演奏し続けたので(キセキVersionと織り交ぜて変化はつけていたが)、またか…感が強くなってちょっと聞き飽きてきてしまった。

ただ2018年25周年武道館ではまさかの1曲目披露に加えて、衝撃の原曲キー復活でかなり思い出深い。イントロのギターの音がいつもより高くてCDと同じ(っぽい)というだけで驚いたのに歌い出しの声も明らかに高くて原曲なのでタイムリープでもしたのかと思った。

サビの歌詞が旅立ち・卒業ソングみたいな内容だが、全体の歌詞は坂井泉水特有の割と語感重視な歌詞もあってよく見るとなんだか良く分からない。主人公と君は既に別れた後で幸せだった日々を回想しているという内容だが、君が翼を広げて旅立っていく理由についての言及が一切ない。夢を追ったのか、亡くなったのか、それとも単に別れただけの話をロマンティックに君は旅立っていったと詞的に表現しているのか。そして歌詞の内容がJリーグ全く関係ない。

没後2008年に発掘されたこの当時にセルフカバーしていたと思われるZARDバージョンは、実際割と普通のバラード曲といった仕上がりになっていて、DEEN版は派手なアレンジでスタジアム感を出すことでタイアップに寄せた感はある。

前述のように間奏以降の大合唱には坂井泉水(ZARD)、生沢佑一(TWINZER)、川島だりあ、大黒摩季、岩切玲子(SO-FI)らが大挙して参加。ていうか転調してとんでもなくキーが上がっていき、池森さんの音域を突破気味にまで上がるので途中から池森さんの声が聞こえなくなる。ライブでも間奏明け転調しての翼を広げてぇぇぇぇ、誰のためじゃなくぅぅぅぅの繰り返しは全て観客に投げられ(男性客には高すぎてまず歌えないので女性客の大合唱にじんわり男性の低~い地声が混ざる)、CD同様締めの“愛してたよ”のみ歌うというのがお決まりとなっている。CDにおいてはコーラス陣の豪華登場を楽しむ部分といえる。最後の”愛してたよ”直前に出てくる坂井泉水の声は最も分かりやすい。コーラス陣が楽しめるオリジナル・カラオケも必聴。
★★★★☆
1stベスト『SINGLES+1
2nd(1stバラード)ベスト『Ballads in Blue The greatest hits of DEEN
3rd(セルフカバー)ベスト『The Best キセキ』(31stSgキセキ Version)
5thベスト『PERFECT SINGLES+
1stライブアルバム『DEEN at 武道館~15th Anniversary Greatest Singles Live~』(Live/2008年日本武道館)
11thアルバム『クロール』初回特典『ナツベスト~DEEN SUMMER TIME MELODIES~』(31stSgキセキ Version)
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(Live/1999年横浜アリーナ)
13thアルバム『マリアージュ』DISC-2『Triangle Cover Album』(Triangle Cover Version)
6thベスト『DEENAGE MEMORY
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』(31stSgキセキ Version)
9thベスト『DEEN The Best DX~Basic to Respect~

全音源/映像解説

発売30周年記念『翼を広げて』~Again and Again Spread Wing~
発売30周年記念『翼を広げて』~Again and Again Spread Wing~ 2014年Complete Sorasanaide、2016年Always Not Alone、2018年Many Times Negattayoに続

C/W 夢のつづき……Love in my dream

作詞作曲:池森秀一 編曲:葉山たけし
ソロ用に準備していた曲をDEENに転用してC/Wで発表していくというのがこの初期のスタイルで今回も表題曲とは一線を画すR&B、ブラックなノリの黒森ナンバー。ソロプロジェクトは大島康祐がアレンジやディレクションをして進めていてこれも大島アレンジだったものを葉山アレンジで作り直している模様。デビュー前から既に田川伸治ともスタジオであいさつした事があったらしいが、田川はB-BOY系のファッションで固めていた池森を見てファンキーな人だなぁと思った、デビューシングルのジャケットでは誰かと思ったと後に語っていたのでとりあえずDEENとして出る時には格好はだいぶ変えていたようだが中身はそんなすぐには変わらないという事だろう。正直表題曲歌っている時よりこっちの方がイキイキしているというところはあったと思う。1番最後のLove in my dream イィヒィヒィィィヒィィィ超高音裏声も実にファンキーで表題曲では絶対に見せないというか出すなと言われてそうな当時のシン・黒森さん本来の姿が垣間見える。前作よりはクセが強くないが、それでも後追いで聞くほどイメージと違う事には変わりはない。

タイトルの間にある・の数がなんか多くね?と思うのは気のせいではなく、6点あるんだけど、実際には3点リーダーは2つ並べる(6点)というのが校正ルールとなっているので校正ルールに律儀に従ったという事のようだ。

アルバム未収録だったC/Wとしては「DREAMIN’」より扱いが良く、1994年の学園祭ライブ(初ライブ)で早速演奏されているほか、1999年の横浜アリーナ公演でも「Acoustic Medley」の1曲として演奏。レアな4人でのアコースティックアレンジを聞く事ができる(映像化無しで音源のみ)。また2010年の日本武道館ライブのアコースティックコーナーでも唐突に披露。キー下げのアコースティックアレンジというこれまたレアな音源を見る事ができる。時系列ではこの武道館ライブが2010年5月。同年11月に『ALL TIME LIVE BEST』『Another Side Memories~Precious Best~』が同時発売なので原曲のアルバム初収録リマスターと「Acoustic Medley」の1曲としての音源が蔵出しされるなど2010年はやたらと重なった。これだけに留まらず、2014年末のカウントダウンライブ「マニアックナイトW(‘0’)W」でもメドレーの1曲として再度披露され、キー下げながらバンド演奏しているライブ映像が初めて残された。「DREAMIN’」より遥かに扱いが良いのは、一応葉山アレンジで作り直して前作よりもバンドに寄せたのでバンドで演奏しやすいとかアコースティックアレンジにしやすいというのがあったのだろうか。
★★★☆☆
2ndライブアルバム『ALL TIME LIVE BEST』(Live/1999年横浜アリーナ「Acoustic Medley」の1曲)
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~

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