乃木坂シネマズ~STORY of 46~ 全10話

2019年末にFOD限定配信の全10話、10人のメンバーが各主演で30分弱のオムニバスドラマ。FOD限定とされていたが年明け2020年1月21日からフジテレビ深夜枠で地上波放送も遅れてあっさり開始された。ただし地上波放送は30分枠のCMの都合上多少(数分程度)のカットがされているようで完全版はFOD配信とされている。

1話 鳥、貴族

斎藤飛鳥主演。FOD版が26分、地上波版が23分と表記されているので3分ほどカットされているらしい。鵜人と人間が共存する世界という特殊な世界観で、鵜人とは鼻筋から目元にかけて鳥っぽい装飾がある鳥人間で人間からの迫害が進んでいるという設定らしい。人間の斎藤飛鳥はデザイナーだったがスランプに陥っていて少し人の心が図れないところのある幼馴染、そして創作のヒントを与えてくれる存在となった鵜人が主な登場人物。タイトルが「鳥、貴族」なのは「鳥」以外に何の関係もないがたぶん飲み屋チェーンかよ!っていうギャグなんだと思う。

いつもより長いクリエイター系の個人PVみたいな内容に「サヨナラの意味」MVの設定を組み込んだような世界観をほとんど説明なしに雰囲気だけで見せつけるという非常にクリエイター色の強い内容で特に何の盛り上がりも無く唐突に物語は終了。斎藤飛鳥は創作意欲を刺激された割にはスランプ状態のままだし、幼馴染は鵜人を襲撃、鵜人仲間も駆けつけて3人揃って行方不明になって飛鳥が黄昏ているだけで終わってしまう始末。しかも鵜人(栗原類)のラストカットは謎の舞い、飛鳥のラストカットも謎の舞い…と揃って突然踊り出す超アート展開…。意味不明すぎてだからこういう監督自己満アート系は全く…と言いたくなるようなクリエイター系だった。

ただ斎藤飛鳥の圧倒的な美しさは群を抜いていて近年の中でも屈指。髪形も加入当初から変わってないけどやっぱり一気に大人びてきて孤高の美しさという点で橋本奈々未の最終形態にどこか近いところへも向かっているようなそんな雰囲気の良さはあった。ていうかたぶんこれ話はどうでもよくていかに斎藤飛鳥を美しく見せるかっていうのがメインだったのかも。

2話 Perfect I/パーフェクトアイ

秋元真夏主演。スマホが持っているのが珍しいといわれるほど古くなっている2040年が舞台。友人に誘われてクラブに行った秋元真夏が友人の男友達からパーフェクトアイを勧められて仮想現実世界を楽しむという内容。仮想世界では秋元真夏は黒人マッチョ男性に、男の方は白人女性になっていてハードボイルドな銃撃アクションを繰り広げていた。

しかし現実に戻る際は全く別の場所で別のことをしているところになったり、アクセスしてないのに仮想世界に飛んだり、現実と仮想が入り乱れて自分自身に出会ったりと徐々に「世にも奇妙」な世界になってきたと思いきや、最後は秋元真夏の姿をしたナニカが、意識が真夏の黒人マッチョを銃殺。現実世界に戻ってすっかりあか抜けた秋元真夏が男に告白してハッピーエンド?という超絶投げっぱなしなオチに…。

「世にも奇妙」的な話かと思いきや全部放り投げて曖昧なまま終わるとは…。そもそも物語開始時点で真夏がやっていないはずのSNS投稿をしていたりともう1人別の自分がいるような奇妙な点が描写されていた挙句に、パーフェクトアイでやっていけない禁止事項を最初は男から真夏に、最後は真夏から男に告げる部分も完全シークレットで明かされず、パーフェクトアイが何だったのかも良く分からないまま(仮想世界アクセス時に現実の肉体はどうなっているのか等)。

人格がAIに乗っ取られて本来の意識は殺されたっていうホラーなオチだったのかな…。

3話 超魔空騎士アルカディアス

松村沙友理主演。今作では役名もサユリとなっている。ゲーム会社に就職するも夢をあきらめ事務員として働いていたサユリは行きつけのバーで出会いが無いと愚痴っていたところマスターに13年前に自身が現在の妻と出会ったという黒魔術の本を渡され実践。しかし13年前(2006年設定)当時の理想の相手はサユリが中2全開で趣味で描いていた中2設定まみれ漫画「超魔空騎士アルカディアス」の主人公アルカディアスであったため、アルカディアスが当時の白黒漫画の画風のまま現実世界に召喚されるという珍妙な事態に。

アルカディアスの姿は他人には見えないが、目覚まし時計を真っ二つにするとかサユリに絡んできた相手の服を切り裂く、さらに別キャラの馬を召喚するなどといったことは可能らしい。ほぼ黒歴史そのものであるアルカディアスにうんざりして突き放すサユリだったが、ゲームのシナリオを描きたかったという夢を思い出してコンペに向けて挑戦。その中でオタクながら優秀なシナリオライター同期社員の男の協力も得てシナリオを完成させる(中2のまま大人になった彼にだけはアルカディアスが見えるらしい)。そしてアルカディアスは自分はもう必要ないなとシュレッダーにかけられて消失していくのであった。コンペには落ちたが同期オタク男性とはいい関係を築けたサユリは新たなるシナリオの構成を語る。魔術を紹介してくれたバーはいつの間にか違う店に変わっていた。そして取り残された馬が横断歩道の方に見えてえ!?となったところで終了。

前2回とは全く異なる超コメディだったが、話を投げっぱなしにすることなく、ストレートかつ時間内に綺麗にまとめていたので「世にも奇妙な物語」のコメディ当たり回くらいの好印象だった。松村沙友理はアイドルアイドルしているぶりっ子っぽい印象も強いがドラマに出るとけっこう毎回爪痕を残すし、意外と演技派だと思う。

4話 民主主義定食屋

山下美月主演。役名もそのまま美月。客の注文を民主主義という名の多数決で採用するかしないかを決める下町の食堂を舞台にしてキャラの濃すぎる店員と客がドタバタするだけの滑り倒しコメディ。美月は店員役だが、~でゲスという謎語尾で異様になまったしゃべり方をする。これは東京出身だが孤児院で育ったが施設の職員が全員このような喋り方だったのでこうなったと説明され、途中で飛び込んでくる強盗青年も同じ喋り方で幼馴染だった事が判明、彼を説得する人情話っぽく展開するも最後まで濃いキャラがオーバーにドタバタしまくっているだけ…。謎語尾でキャラ付けしているとはいえ主演の山下美月が何ら話を動かす役割を担ってないので、山下不在で濃いキャラの脇役同士でドタバタやっている場面も多く地獄のような滑り倒しっぷりだった。

個人PVで出演者も絞り込んでやればギリ滑りっぷりがシュールさとしてインパクト勝ちしていただろうけど、なまじ予算も時間も出演者も多い30分枠でやったので決定的に滑り倒した感じ。久々に地獄を見た。

多数決で決めるというシステムも民主主義という言葉への強烈な皮肉でも込めているのか?と逆に勘繰りたくなるほどオモシロとして一切機能してなくて、単に店員が肉モリモリ定食を提供したくない(特に今日は間違えてナスを大量発注したのでナスをとにかく処理したい)だけという。そもそも多数決自体が店員3名(+その子供1人)で4票分を店側が握っているなので、客側圧倒的不利。客側はぶっちゃけ他人同士なので協力してやる義理が無く、仲間5人いないと確実には勝てない。単なる票操作である。こんなワケの分からないシステムで笑えるはずもなく、かといってゆる~い設定として笑いが生まれているわけでもないので、作者はこの不公平な多数決を「民主主義」と強調して民主主義を批判したいのかな?と勘繰るしかないっていうかなんていうか。

5話 結道

北野日奈子主演。いかにして男子に告白するかを競うという結道。さき(北野日奈子)ら4名の結道部は都大会決勝に進出。全国大会への切符をかけて対戦する相手高校のエースは小学校時代にさきが告白しようとした相手を横取りした相手だった。さきはブレーンとして遠隔で状況を把握、3人が相手の男子高校に潜入して事前準備を行って計画を実行するが、相手高校は3人のうち1人を拉致、計画を狂わされ、悠々と相手高校のエースが告白に迫る中でさきが飛び出して現場へ飛び込み、計画を修正し自ら告白して大勝利!

設定が謎すぎるコメディだがそもそもルールが破綻していてメチャクチャ…という。競技なのにターゲット男子はおろか舞台となる高校サイドには舞台になっている事が教師にも周知されていないのか、全員が不法潜入による隠密行動を強いられている上に、ルールとして双方フィジカルコンタクト禁止と明示されていたにも関わらず相手高校は3人がかりで1人を拉致する始末。この時点でルール違反で失格のはずだがそもそも競技全体を監視している審判が存在していない。おい待て誰が判定してんだこの競技。

そしていきなり飛び込んできたさきがメガネ取って美少女顔で「好き!」→「俺も!」って。そして競技という事は別に好きでも何でもない相手だったわけで知らない間に競技のターゲットにされてノセられ、勝利判定と共に捨てられた(?)と思われるこの青年哀れすぎる…。

普段から元気キャラ(元気じゃなくなって一時休業になったが復活後は元気な姿を取り戻している)の北野も気がつけば大卒の年齢ながら高校生役もまだ行ける。ただ知的地味キャラでほとんど動きが無く、チームのブレーンなので終盤まではほぼ部員3人が話を動かしている状態で存在感薄目。そこからの現場突入ダッシュ&クライマックス告白でメガネ外して…というのを見せ場として盛り上げていくのは良かったけどいかんせん前提となる設定が…。

そして告白の舞台装置となった吹奏楽部の演奏が何故にBUMP OF CHICKEN「虹を待つ人」だったのか。

6話 納品ウォーズ

堀未央奈主演。とある制作会社が制作した特番の納品テープが過去何度か何者かに盗まれていた。放送まで時間はわずかで、今回もバイク便を手配していたが何者かに妨害されてしまった。時間が無い中、制作スタッフはスーパーAD凛子(堀未央奈)を起用。凛子は襲い掛かる刺客とバトルアクションを繰り広げながら納品を目指すが刺客に一時テープを盗られてしまい、奪還している間に刺客たちのボスの会社に到達する。ツジと呼ばれるボスは凛子と母を捨てて(母はそのせいで死んだような事が示唆されている)逃げた父親だったが、冷酷無比なツジは刺客を使って凛を撃破するとテープを破壊してしまう。

しかし制作スタッフは念には念を入れてテープをもう1本制作していた。これを持ってスタッフ総出で納品へ向かうがそこにツジと刺客が登場。ピンチの中でバットを持った凛子がツジを背後から一撃で仕留めると、バットアクションで先ほどは敵わなかった刺客も苦戦の末に撃破。無事に納品され、打ち上げムードのスタッフたち、そして仕事を終えた凛子は何処へと去っていくのであった…。

終始シリアスかつカッコいいアクションを繰り広げるシリアスモードながら随所でシリアスにふざけているというシリアスアクションコメディ。漂っている空気感としてはツジの会社が悪事を働いていてそれを暴くような社会派な番組が放送されてはマズいので阻止しにかかっているみたいな感じを醸し出していたが、納品された番組はただのお笑い特番でツジたちの目的も何が何だか良く分からないままという。設定上はツジも制作会社で単に特番枠を争っただけという事みたいだけど…。

初期からシリアス顔でなんか変な事するという少し変わった雰囲気が堀未央奈の持ち味だったけど久々にそれが全面的に出てきたなと。というか確か『乃木坂工事中』でアクション部とか作ってアクションやりたいとか言ってたし、凛子が思考中にするのが高速瞬きっていうのも初期から堀未央奈が特技として披露していたやつだし、これまで特に誰が演じるかとかあまり考えてないような話ばかりだったのに、今回だけ随分と堀未央奈のやりたい事や特技を盛り込んできた話だったのは何故なんだろう。

7話 嗚呼!素晴らしきチビ色の人生

与田祐希主演。役名はユーキとそのままだが苗字は異なる。〇〇(常にピー音が入る)で世界一になることが夢のユーキは自意識過剰な性格でイケイケだったが、チビだからという理由でフラれ、さらに〇〇の甲子園行きを友人に取られてしまい挫折。インフルエンサーになると宣言してチビを武器にしたインスタ配信をして自信を取り戻していくが友人への恨みは消えず、友人がアメリカ行きが決まるとインスタで嫌がらせインタビュー配信を行おうとする。
そこに担任や憧れのインスタスターの青年、インスタフォロワー、家族たちが押し寄せてきて本当にやりたいことはなんだ!と迫る。ユーキは叫ぶがピー音が入ってしまう。自主規制のピー音がユーキ自身がコンプラかけているからだという事が指摘され、決死の覚悟で何度も叫んだユーキはついにピー音を突破し「ジャズダンス」が好きだと宣言。最後は全員で踊ってTHE END!

終始自意識過剰でイケイケな与田祐希がモノローグ連発しまくりのハイテンポでコロコロ移り変わっていくイマドキの若い子感を前面に出したハチャメチャな話だった…。気を抜くと置いて行かれるというか老いて枯れんだというかなんかそんな若い勢いがあった。ピー音と該当箇所のモザイクの連発がちょっとイラッと来たのは『SPEC』や『SICK’S』シリーズでの植田P×堤監督がよくやる手法だったせいもあるが(散々ピー音で隠しておいて物語も放り投げて終わるので視聴者がほとんど何も分からないやつ)、最後に「ジャズダンス」だったと明かされてもちょっと呆気にとられるというか…。てっきり存在しない架空の何かという設定なのかと思ってたらジャズダンスって。与田ちゃんがどこまでも与田ちゃんだったのが唯一にして最大の救いだったか。

8話 ツダモモエ

生田絵梨花主演。就職面接で面接官のおじさん(部長)に一目惚れした恋愛経験のないツダモモエ(生田絵梨花)。数年が経過した24歳の誕生日に好きな人と海に行く夢を叶えるために、特技のイリュージョンで部長を拉致拘束したツダモモエは知人のネジ君を運転手と手伝いに使い海へと出かけ目隠し拘束状態の部長を連れまわしてひとしきりハイテンションで叫び倒す。

帰宅後ケーキを前にハイテンション継続中のツダモモエだったが、ネジ君がやはりこんなのは良くない事だと警察を呼んでいたので確保されかけてしまう。しかしそこで特技イリュージョンを使用したツダモモエはどこかの家の主婦のおばちゃんと自身の位置を入れ替える。どこかの家では夫が突如妻がツダモモエに入れ替わって驚愕していたが、ツダモモエが再度特技イリュージョンを使用したところ、ツダモモエの家に転送されていた主婦のおばちゃんが戻ってきた。

ツダモモエは全く悪びれた様子が無いままに失踪した事が語られ、ツダ宅では突如ツダモモエが消失しておばちゃんが現れそのおばちゃんも消失して警官もろともパニックになったままフェードアウト。

ワケの分からない話は今作全体の特徴だが『民主主義定食屋』を上回る意味不明さ。なんだこのクリエイター系コメディ…。あまりにクリエイター系過ぎてもう本当にこれだから自己満足クリエイター系は…とため息しか出てこないところだが、こんなのが個人PVを飛び出して地上波で放送できるくらいに乃木坂46が大きくなったと前向きな解釈もできなくもないか。

生田のテンションが高いときは本当にヤバいとは昔から言われているのでそのヤバさを変な方向にブーストさせて話を構築したのだろうか。特技イリュージョンが空間転移の特殊能力持ちだったというトンデモなオチも作中では特に触れずに終わる上に、冒頭でナレーションしていたネジ君の姉という女は「本編には関係ない」と言い放った後は本当に出てこないし、終始変なテンションで掛け合いしててテンション高く変なことしてればなんか面白いだろうみたいな笑いな取り方なのでこのセンスが合わないともう救いが無かった。

9話 脆弱性

久保史緒里主演。AIが発展した2026年が舞台で東京オリンピック後の不況で遅れをとっていた日本でも最高峰の生活支援アンドロイド・メシア(久保史緒里)が大々的に発売された。しかしメシアの紹介映像で感謝を伝えていた実際の使用者たちが相次いで発狂・逮捕される事件が発生。先輩刑事(岡部たかし)の指示でこの事件を担当する事になった後輩刑事(森岡龍)は調査の中で、一部では宗教化しているメシアを崇める集会にも参加したところ、すっかりメシアに魅せられてしまい、さらにメシアにより発狂した人々の取り調べの中でおかしくなってしまい、発狂してメシアを連れ出して救い出そうとする。

先輩刑事との電話のやり取りの中で、人間の不完全さとメシアの完全さ、エラーこそが人間の魅力であり、エラーが無い事がメシアのエラーであると説く先輩刑事。後輩刑事は苦悩し続けるもメシアの様子は変わらず。天気がいいので深呼吸しませんか?とか同じことしか言わないメシアに自身がしている事の意味の無さに気づいてしまい発狂してメシアを突き飛ばすと、そのまま自害。後輩を救えず無念の先輩刑事。そしてメシアはスクラップにされて終了。

歌唱力と演技に定評があるという久保史緒里だけに期待していたのだがロボット役なので終始無表情、台詞はもう少しあると思ったらまさかの天気がいいので深呼吸押し。これある程度美しければ誰でも良かったじゃん…。ていうかこの久保ちゃん、髪形のせいか久保ちゃんというより何故かひめたん(中元日芽香)感があったような…。今の公式写真とか現役当時よりメシア感あるし、まだ在籍していたら中元日芽香こそがはまり役だったのではないか。

時系列がやや入り組んでいて何が起きているのかを刑事の捜査とメシア利用者の回想シーンを交互に見せながら進行していくので、話がどうこうというよりも人間と機械の決定的な違いとメッセージ性を強引に打ち出してきたような作風。言っている事は分かるがアンドロイドがなんでもやってくれるから人間が生きる意味を否定されて発狂してしまうというのは個人的に少し行き過ぎている感じでどうもピンと来なかった。何もすることが無くて無気力になってしまう、というなら分かるんだけど狂う方にそんなに向かうかなぁ…。まあそういう哲学的発想に行き着いちゃう奴が今回の事件起こしたっていう話ではあるんだけど。

10話 街の子ら

白石麻衣主演。病院からタクシーで帰宅中の由梨(白石麻衣)はやたら話しかけてくる運転手のおばちゃんに子供を一時預かって水族館で待っててくれと強引に頼まれる。一言もしゃべらないワケあり感のある子供。戻ってきた運転手のおばちゃんはなおも喋りかけてくるが由梨はおばちゃんの子供ではないだろうと指摘。すると街をさまよっていた捨て子だという。すると由梨もまた捨て子同然に育てられた事を告白。どこか少女にシンパシーを感じた由梨だったが、子供がいなかったというおばちゃんもまた由梨を優しく抱きしめ…。と、3者それぞれが謎のシンパシーを感じた後に病院で順番が来るも何かを言いかけたところで終了。

全てが謎のまま雰囲気だけで終わるという設定・背景・その他全部勝手に推測してねという超絶クリエイター系。妙にヤンキー口調(~っす)な白石麻衣のサバサバ感は良かったけど、露骨だったのは頻繁な吐き気と病院のシーンから要するに妊娠していて中絶しようとしているが少女とおばちゃんとの交流からこれを思いとどまったという事。

さらに深読みすれば由梨が少女に過去の自分を重ね合わせたように、またサバサバした感じの由梨がおばちゃんになったらこのタクシー運転手みたいなおばちゃんになりそうであり、これが「世にも奇妙」系な世界なのであればこのタクシーを通じて過去・現在・未来(の可能性)の3人とも全部由梨だったという解釈もできなくもない(おばちゃんは夫は子供がほしかったが産まなかったような事を言っていたので未来に関してはここで中絶した場合の未来で結末により中絶を止める決断により未来は改変される)。これまでのクリエイター系よりはある程度推測できて納得できる部分は多かったので最後を飾る話としては良い方だったか…。

全部終わっての感想

個人PVクリエイター系の拡大版にして「世にも奇妙な物語 新進気鋭クリエいたー×乃木坂46特別編」みたいな作品群だった。それも分かりにくすぎたり、出来が微妙過ぎて本家では採用されないようなボツネタ集みたいなのが並んで新進気鋭のクリエイターの実験場として活用したような感じ。突飛かつ説明不足な世界観ばかりでついていけない話が多かった。終わってみれば割と普通な印象だった松村の「超魔空騎士アルカディアス」が1番綺麗にまとまっていて面白かったという…。

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