ガリレオ 禁断の魔術

2022年9月17日、フジテレビ「土曜プレミアム」枠で単発放送。

2007年秋クール連続ドラマ、2008年単発、映画第1弾、2013年春クール連続ドラマ、単発、映画第2弾以来9年ぶりの新作。映画第3弾『沈黙のパレード』が16日公開でそれに合わせてのドラマでの新作となったが、映画の4年前の事件とされている。

2013年の連ドラ1話で柴咲コウから吉高由里子に相棒女性刑事が交代になり、SPドラマでは柴咲コウが主演となって最後の事件まで描かれたが、『沈黙のパレード』では柴咲コウが復帰し。しかし今作には柴咲コウも吉高由里子も出演せずに、新木優子が新たに登場している。

事件自体は湯川(福山雅治)の教え子だった早熟の天才科学者の卵である古芝(村上虹郎)が姉の死や科学者だった父が対人地雷を開発した事も重なって闇落ちして政治家(鈴木浩介)を殺害しようとするのを止めるという展開。発端はその過程でフリーライターの殺人事件が発生したというものだったが、実はライターは古柴を慕う由里奈(森七菜)に古柴を止めるために情報提供されて止めようと動いており、ライターとして政治家の不正を暴いて失脚させようとしていたが、その過程で殺されてしまっていた。という事で終盤前に殺人事件は解決。終盤にかけては巨大な超電磁砲を開発して仕留めようとするのを湯川が止めに行くという展開に。

規制規制無駄に規制して苦しさを増していく現代で復讐のために自作で銃を制作して現役政治家を撃ち殺そうとするなんていう話を現実に起きてから2ヶ月程度でやるとはちょっと驚きだったが、今作は断念させてるしな…。結局殺人事件は全く別件の別犯人で古芝は誰にも危害を加えてなくて実験のために発射して倉庫の壁を吹っ飛ばした器物損害くらいしか罪が無いので最後は由里奈と一緒に大学の再受験勉強している平和な終わり方に。

湯川も助手の栗林(渡辺いっけい)も変わっていなかったが、警察ではこれまでほとんど出番がなく相棒女性刑事と湯川の橋渡し役だった草薙(北村一輝)が捜査のメインメンバーとなっていて湯川ともかつてないほど積極的に絡みに行く流れに。一応その部下として新たな女性刑事牧村(新木優子)が登場したが…前述のように草薙も一緒に捜査しているため、湯川と牧村だけでやり取りするシーンが少なく、草薙と牧村が一緒に湯川に接触する、草薙と湯川、牧村と湯川とその時々で3人がローテーションしていてこれまでとはだいぶ印象が違っていた。

登場時はこれ前回の吉高由里子に近い強気な感じの刑事なのかなと思ったらあまり出番がなかった。しかし新木優子抜きにすると、栗林含めて50代オッサン3人ばかりになってしまう。20代女性を入れて画面に華を持たせるくらいの役どころで新相棒という感じでは無かったかな…。前回もそうだったけどOVER 30’sしたら新しい20代女性に交換するというのが露骨でなんだかな。加えて今回は正直2013年の前シリーズで吉高由里子がメチャメチャ不評だったのを気にしているような感じもした。

てっきり柴咲コウが復帰に至るきっかけや吉高由里子がどうなったのかくらいは触れるのかと思ったら2人に全く触れない。流れ的には柴咲コウはいなくなるきっかけが前シリーズで放送されているので説明不要だが、今回はハライチ澤部も続投しているのに吉高由里子に誰も触れない。柴咲コウから吉高由里子に交代する時は丁寧なエピソードを展開して柴咲コウ主演のSPまで作って主題歌のKOH+は続投させるなどしていたし、先輩刑事の祐佑チェンジ(品川→澤部)の時も柴咲コウ主演のSPの方で異動になった説明くらいはしていたと思うんだけど、今回マジで吉高由里子に誰も触れねぇ…。ちょっとくらい現状を示唆する台詞を入れてあげてもいいじゃないか。

吉高由里子も結構良かったと思うんだけどな。湯川に振り回されて特に2013年連ドラでは数式アタックをとんでもないところでやるので途中から吉高由里子が毎回ムンクの叫び状態になったり、病院で数式アタックされた後に「病院の人に怒られながら2時間かけて消したのに!」とか事件よりもそこで笑えたところだけ覚えているくらいは好印象だった。

そして結局この4年後となる映画への伏線らしきものもなく、ラストでは湯川が海外へ行ってしまったという設定で主役不在(いっけい・北村・新木の3人のシーン)で終わってしまった。新木優子もこれっきりで使い捨てで映画ではしれっと柴咲コウが戻ってくるのか…。もうちょっと繋ぎの演出あってもさぁ…。

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