旅の記録 湯西川温泉

6月半ば、父が古希という事で旅行を計画。

色々調べているうちに面白そうなインパクトの旅館を発見したのと意外と行った事のない温泉地だったので行き先を湯西川温泉に決定。そこから逆算して立ち寄る場所を決めていく。

まず向かったのが日光。メイン観光地日光東照宮などは避け、一般的には「日光」の範疇にはあまり含まれない昔の今市市大室にちょっと面白い感じの場所がありこちらはかなりの穴場スポットだ。いつも国道119号か日光宇都宮道路で通過してしまう地点を少し北上すると一気に田舎の田園風景や山が広がる。

そんな中、ここ行くの?というような細い道の先にある神社の入口にある木もれびの里 箏路だよりで昼食。絶妙な田舎感のある風景で食べる蕎麦は格別だ。

この店のすぐ横下からまっすぐに参道が伸びており、これが大室高龗神社。駐車場自体はかなり広いんだけど、中腹にあって道が極度に狭く、先ほどの「箏路だより」までもすれ違いの車が来たら即終了(回避不能・どちらかが幅があるところまで後退する必要あり)するほどの超絶1車線道で山を回り込むように進まないと到達できない。よってこの地図にある1番下にある「一の鳥居」のところにある駐車スペースに止めるのが正解(この地図だと書かれていないが箏路だより側に載っているリーフレットではここも駐車場扱い)。

こんなのがあったり。

さらに奥まで登っていけるが頂上のツリーは老朽化廃止とかで「奥之宮」からは見えなかった。

そして神社の反対側ののどかな田園風景の先には水車小屋の跡地が。

ザ・田園な風景。この水車小屋は検索すると「現役」というブログが多数ヒットするがいずれも2010年代前半~半ば頃までに集中している。2010年代後半に引退になったようで、実際に現地では水車が回っていないどころか本来水車に流れ込んでいたはずの水路が水車を回避するように流れていく形に既に工事されて変えられていた。崩壊しない限りは小屋自体はそのまま開けっ放しで中も見る事ができる。

ただ写真はいいんだけど酷暑となったこの夏、6月梅雨時の晴れ間は既に真夏の様相で神社の時点でもかなり暑く、この田園地帯は日陰も無いのでかなり暑い。その上、ミニカエルがピョンピョコピョンピョコしていて正直あまり下を見たくない。

しかしこの大室地区。今まで知らなかったいいスポットだった。

そこからは鬼怒川温泉や川治温泉を経て北上していく。鬼怒川温泉もそういえば通過したことしかないが、昭和の温泉地といった感じでだいぶ寂れており廃墟らしきホテルも多かった。かなり格安で数千円で素泊まりできる旅館も多いようだが、避暑地としてもあまり機能しないっぽいし、江戸村とか東武ワールドスクウェアとかも夏は酷暑できついんだろうな。

やがて五十里ダムに到達すると西へ伸びていく道があり、その先にまた湯西川ダムがあり、並行して突き進んでいくと湯西川温泉へ到達する。その手前に比較的新しい施設がある。

水車とか吊橋がある水の郷である。新しいと書いてあるのでそこそこ新しいと思われる。吊橋も新しかったがその先の展望台へのルートは割と生い茂っていて誰も進んでいかないし、K・U・M・Aに会いそうなので辞めておいた。

いつの間にか雨が降りそうな天気に変わっていたのもあるが、標高も少し上がってきており、だいぶ涼しくなってきた。

そして桓武平氏ゆかりの宿揚羽~AGEHA~へ到達。趣向を凝らした感じが面白そうなので選んだが入口から凄い

なんだか良く分からないが部屋にはこんなのも飾ってある。

囲炉裏も。ていうか本来は囲炉裏が無い部屋を予約していたんだけどサービスでアップグレードしてくれた。レビューを見るとそんな感じで空いているとアップデートしてくれるらしい。ただアップデートされた部屋は装飾が昔懐かし感マシマシで雰囲気は確かにいいんだけど、明らかに通常の部屋より椅子が座りにくくな…

ユニークなのがこの宿、追加で3300円を払うと貸切露天風呂の利用カード(鍵)をゲットできるんだけど、これは1人ずつではなく1グループ1枚でOK。さらに1回限りではなく帰りに会員カードを渡されるので次回来た時以降も宿が無くならない限りは永続使用可能となる。大浴場はあるんだけど、こういったシステムから普段は貸切露天風呂なんてスルーする人たちもここに来る人たちはみんなこれを利用しているようだった。

まあそのせいで夕食までの夕方の時間は終始利用中でなかなか入れない。全体に温度が高めで長湯が出来ないようになっているのもあって回転はそこそこ早いんだけど、やはり宿についてまずこれ!という人が多いのだろう。ただ夕食の前後(一斉ではなく入れ替え制なので夕食開始以降は客の行動がばらける)からは一気にスカスカになる。夕食後もお酒で仕上がってしまう人が多いのか、終始どこかしら空いていて入り放題になっていた。

6個のうち5個(1つはぼやけてて撮れていなかった)。単に岩風呂なだけのものから1人用みたいな龍の形の風呂、豪快に湯が注がれているの、打たせ湯みたいになっているのが全て川沿いの景色を眺めながら入る事ができる。前述のようにやや熱めの湯なのもあって、あまりゆったりは浸かれないが雰囲気は抜群だ。

夕食はバイキング形式でガッツリしたものはないが、ヘルシーな感じ。かなり好みだった。

かなりインパクトのあるいい宿だったので、また1人でも来たいと思ったら2人以上でしか泊まれない宿なのが残念無念。

翌日はまず平家の里へ。この地は平家…の一族の一部が逃げ延びたという伝承が伝わっているので平家を生かした感じの観光スポットだ。割とあちこちに平家落人伝説があるらしいのであまり確かな感じではないっぽいし、ここでもダントツ有名な平清盛の展示とかもあって便乗している感も否めなかったが…。少なくとも清盛はこの地に来たこと無さそう。

向かいの林をちょっと進むと吊橋。

良い風景。朝でまだそこまで暑くなってきてない爽やかな夏の青空。

古びた地図。21世紀になって間もなく20年ほど前完全閉鎖した「湯西川温泉スキー場」があった事を示す貴重な古地図(!?)だ。

湯西川を離れて来た道を戻りつつ、脇に逸れて2021年にも訪れた霧降高原大笹牧場へ逆側から突入。

前回買えなかったミルクジャムが1つだけ売っていたので確保したが…思いのほか固いジャムでパンに塗りにくく(説明では焼いてから塗るのではなく焼く前に塗る推奨)、う~んこれは…PA/SAでもよく売ってる南ヶ丘牧場のミルクジャムには及ばないか…。

前回霧が降りまくっていたこの地点も本日はいい天気。こんな景色だったのか。

「道の駅 日光」で前回は食べなかったゆばそばを堪能。高ぇ…。

この時点で蒸し暑さがハンパなく、もう少し涼んで帰りたいという事でこのまま高速道路に乗らずに南下していき、大谷資料館へ向かう。昨今のムーブや石川県には松井秀喜氏の記念館もある事から、大谷翔平氏の資料館かと思うが、全く無関係でオオタニではなくオオヤ、そして単にここが宇都宮市大谷町であるというだけである。ここら一帯は大谷石の採掘地で現在は採掘をしていない跡地の超巨大地下空間が観光用に開放されているのである。

周辺はそんな山中ではないんだけど、付近だけ急に岩でゴツゴツしていてるので突如として異世界に迷い込んだような気分になる。また地下からの冷気が漏れているのか、地下に降りる前の資料館付近に来ただけで既に少し涼しい。

すぐ横にはちゃっかり雰囲気のある滝まで。

なおこの地下への入口となる建物の中には少しだけ資料展示スペースがあり、この地での採掘の歴史や石についてなどの資料があるのだが…何故か最後の最後に大谷翔平氏の資料まで一緒に飾ってあった。やはりそこは乗っかるのか。また撮影にもよく使われるようで延々MVが流れていたり、地下空間では使用されたドラマや映画の資料もあった。

当サイトの過去曲回顧や近年のシングル感想で取り上げた楽曲の中ではこの辺りか。他にも多数の撮影が行われており、たぶん撮影が入る時は貸し切り閉鎖になると思われる。なおWikiにはBUMP OF CHICKEN「Gravity」も掲載されているが、大谷資料館に公式に記載が無く完全な間違い「Gravity」や米津玄師「馬と鹿」MVは近くにある現役のKANEHON採石場である。

地下空間に薄明かりなのでスマホでの撮影がナイトモードの性能頼りになってしまい、なかなか難しいところだったがなんか本当にトンデモナイ空間だった。こんだけ掘ったのか(しかも初期は機械の無い時代)というのも圧巻だが、下界との空気の違いも驚いた。30数℃あったのにこの空間15℃くらいしかない。涼しいってレベルではない。ただ湿気も物凄かったのでひんやりしっとり冷たい感じ。

宿も凄かったけど、地下空間も非日常的な空間で視覚的なインパクトの強い旅になった。

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