悪夢ちゃん The 夢ovie

2013年7月15日公開。

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2012年秋クール日本テレビ「土曜ドラマ」(土9)枠で放送、2014年5月2日に『悪夢ちゃんスペシャル』としてSP版を放送し、その続編にして結果的にシリーズ最終作。

当時SPまで見て映画を忘れてそのままになっていたが、2024年にHuluで発見して思い出したので視聴。しかしどういうわけか連ドラ版と映画版はあるのに間を繋ぐ『悪夢ちゃんスペシャル』が配信されていないのでこれでは話が繋がらないぞ…。

基本的に連ドラ時代のレギュラーキャラだけでなく、ちょっとだけ出てきた生徒の親とか家族も全員ではないが1シーンだけ登場する場面も多い。メインは新登場の転校生の渋井完司(マリウス葉/当時Sexy Zone)を巡る物語となっていて、SPでも少年夢王子として映画に先駆けて登場していた。

連ドラからSP/映画までは1年半~2年弱の年月が経過していたが、そのまま時系列に沿うとみんな卒業して中学1年生になってしまうためか、この映画版でも“結衣子(木村真那月)が(1話で)転校してきてから半年経って5年生から6年生にそのまま進級した”とされていて半年しか経過していない事になっている。

クラスメイト達との関係や結衣子の夢の能力などは既にクラスメイト全員が認知して協力関係になっており、今作では子供たちはほぼ終始一貫して集団で揃って行動。連ドラ時代を経て子供たちが大人に近づいていく成長を明確に描きつつ、彩未(北川景子)も問題解決に奔走するような展開なので、明確な連続性があり、さすがに連ドラ見てから時間が経ちすぎて分かりにくい部分も多かった。

全体に連ドラよりも悪夢のおどろおどろしさが増しており、元々悪夢の映像は気味悪いものが多かったが映画版は気味悪さがマシマシ。前半ピックアップされることになった生徒の井上葵(鍋本凪々美)の父親(六角精児)は渋井完司の仕掛けた食中毒トラップに引っかかって廃業・自殺(未遂)まで追い込まれてかなり悲惨なまま放置されてしまったり、渋井完司の終盤で判明する過去が思った以上に重い。幼少期に母親(本上まなみ)を浴槽に沈めて拷問していた義父を背後からのハサミ一撃で殺害、ショックで記憶喪失になり、親に捨てられたと思い込んで病んでいた。彩未の施設時代の知り合いだった幸介(佐藤隆太)(連ドラ時代でも名前だけ登場していたが、彩未は実際に会っても幸介くんだと気づかなかった)が近所に住む知り合いで事件直後にも訪れて目撃、自ら死体を処理して完司を引き取って育てていた…という事で最後は連ドラ時代にも出ていた刑事(田中哲司)を呼んで3人揃って連行されていく…と衝撃の展開の代償かのように後味はあまり良くない。そこを結衣子の初恋の失恋っぽくしたり、夢の中でクラスメイト含めて再会してワイワイ大団円っぽくまとめているので締めは暗くはないんだけど、かなり激重な話だった。ていうか完司が抱えている闇に気づいていなかったとはいえ、幸介もとりあえず何も告げずに彩未に丸投げするようなやり方は良くなかったのでは…。

メインストーリーよりも反抗期を迎えて結衣子の心の声が彩未に影響されて毒舌気味になっていたり、全体に子供たちの主体性と成長を描いていたところが主題でもあるのかなとは思った。

一方で死んだと思われるも無人島に流され生還していたとSPで明かされていた志岐(GACKT)は普通に登場するもいるだけで彩未との関係の進展はなし。それどころか結衣子の父親かのように終わっていた連ドラから結衣子はお父さんと完全に信じ込んで呼んでいるものの、本人は曖昧な態度で結局答えを明言しないまま。結衣子の出生にまつわる顛末が顛末だけに(母菜実子は女子高生の頃に病で亡くなっており、幼少の頃に彩未が見ていた予知夢”教師になった彩未の生徒の1人である結衣子は菜実子の娘だが菜実子はもう亡くなっている”というのを実現させるために父親不明の子供を身ごもって出産していた。協力したのが志岐ではないかという疑惑)、曖昧にしたのだろうか…。

精神的な部分だけでなく、作中半年設定でも実際は2年近く経っているため見た目がもう小学生に見えないくらい成長している子が増えてきていて小学生のままの続編としてはギリギリだったなと…。メインの結衣子(木村真那月)もかなり顔が大人っぽくなってきていて、連ドラ時代は無表情でも子供らしい顔立ちだったのがSPや今作では無表情だとクールな印象に変わってきていて舌ったらずな甘えた喋り方との剥離が気になるし、顔立ちが少しでも大人っぽくなると急に結衣子の白髪交じりの髪型がコスプレっぽく見えてしまう。真顔以外の時は相応の子供らしさも残しているんだけど、本当にこれがギリギリのタイミングだったように思う。

結果的に木村真那月はこれ以上の活躍が無いまま数年で消えて引退してしまった(これ以後よりもこれ以前の方が出演作が多かったくらい)。2005年の『女王の教室』や2013年の『幽かな彼女』の生徒役の子たちは躍進した子も多かったが、今作の子役はほとんど子役で引退か、生き残っていても端役であまり見かけず、今作ではあまり目立たないが、大友花恋が1人飛び抜けて出世した感じはある。

★★★☆☆

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