20th Melody

ZAIN後期( 2001-2002)

20th Melody

02年7月10日
B00006GO4R
前作から1年ぶりのシングル。アルバム制作中という情報はあったが、1年経過してようやく入ってきたのは解散発表であった。事後報告で消えていったビーイングの先人達と異なり、ラストシングル、ラストベスト、初の映像作品(PV集)、東京大阪でのラストライブが年内までに行われる事も同時に発表された。ビーイング史上初の大々的な解散展開であり、ビーイング史上唯一の明確なラストシングルを銘打ってのラストシングルの発売となった。他は大体実はこれが最後だったパターン。

まずその先陣を切ったのが今作で帯には「フィールド・オブ・ビューからの最後のメロディー」(「ザ」が無ぇぞ)と銘打たれた。

また今作に封入されていたハガキに名前を書いて送ると発売予定のDVD内に全員掲載するというキャンペーンも行われた。これは実際に『VIEW CLIPS~Memorial BEST~』内の「FAN LIST」として実現。後追いで見ると一斉に名前がズラリスクロールするという謎のチャプターになっているが、そういう事である。

解散がそれなりにニュースとなり、ラストシングル効果で初登場23位を記録して1万ちょいまで売上が回復した。順位だけなら「めぐる季節を越えて」以降で最高であり、売上も同シングル以降の00年頃までの標準ラインだったので、概ね98~00年辺りまでで離脱していたファンが解散で戻ってきたと言えるのかも。

Melody

作詞:小橋琢人、作曲:小田孝、編曲:新津健二
最後にして浅岡以外のメンバーが分担で作詞作曲編曲を手がけるという新スタイルで発表された楽曲。明確に最後のシングルとして制作されたためか、前2作とは異なりファンが待ち望んでいたさわやか路線と新路線が融合したような不思議な質感の楽曲。「君がいたから」など初期作品へのオマージュかのように初期でよく聞かれたギターサウンド(チャカチャカチャッカチャラ~♪っていうやつ)がアレンジに取り入れられているのは新津氏の計らいと思われるが、しかし最後もやはり打ち込み全開でバンドっぽさが薄い。新津氏そこは譲れないのか。最後くらい4人+キーボード程度でバーンと演奏してほしかったが…それはライブで実現する事となった。儚さと美しさを感じさせる素敵なメロディーで、当時燃え尽きて鬱状態でメンバーに助けられたと回顧している浅岡ボーカルもかつてない響きに聞こえる。こういうどこか達観したような感じの歌い方ってソロ以降でも聞かれないので精神状態も影響していたのだろうか。

歌詞はやや抽象的でラブソングのような体裁を取っているが、基本的にはメンバーからファンへのメッセージソングのようにもなっている。特に2番サビ~Cメロにかけてはもっと明確にリスナーに向けてになっているように聞こえる。

何かを手にして 何かを失って
それでも離せなかった 大切なメロディー
未来へ繋がる扉を開けるために
僕らは立ち止まらない…。

他のサビでは”君”と”僕”の”ふたり”が登場するが2番の歌詞にこれらの恋人同士を思わせる言葉は登場せず「僕ら」となっているので、直接的にバンドからの解散を示唆するメッセージのように聞こえる。

大事なものは so Melody
僕らだけが歌ってた
誰もの胸にも流れてたはず…

続けてのCメロはファンへの直接的なメッセージだ。そしてここからの派手ではないが泣きのギターソロ、そして最後のサビにかけてがまた感動的。ラストライブでも重要な位置を締め、オーケストラと生のバンドサウンドによる迫力はまた違った魅力があって良かった。ただ間奏のギターソロのパートを小田さんは弾かず、ストリングス隊が奏でていたのは謎。

PVでは過去の映像をふんだんに盛り込んでいてより集大成っぽさが感じられるが新たに撮影された自然の中での映像では相変わらず4人とも佇んでいるか遊んでいるかだけでバンドとしての演奏シーンは無い。またラフなスタイルはFOVのイメージとして強かったスーツを最後に脱いだという解散を示唆している演出と思われるが、view時代(特に「迷わないで」のジャケ写)に回帰したようでもあった。
★★★★★
3rdベスト『Memorial BEST~Gift of Melodies~
6thベスト『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020

Melody
FIELD OF VIEW
2020/05/13 ¥255

C/W アンダンテ

作詞:小橋琢人、作曲:浅岡雄也、編曲:the FIELD OF VIEW&池田大介
「愛しき人よ」よりもさらに美しさに磨きをかけたような美バラード。作曲は浅岡さんが手掛けたが作詞に復帰せず引き続き作詞は小橋さん。そしてこれによりメンバー4人全員が作詞作曲編曲に個人名でクレジットされた最初で最後のシングルにもなった。

軽い打ち込みっぽいサウンドはR&Bブーム以降の当時のトレンド感がけっこう全開。キーボードと打ち込みメインという感じであくまで歌を生かしたようなアレンジで歌がいいのでこれでもいいんだけど最後までバンドが戻ってこなかったという名残惜しさもある。B’zやTUBEまでもが一時的に打ち込み多用してたくらいだから当時のビーイング相当そっちに振れてたよなぁ…。解散する、という事実が影響を与えていたのかは分からないけど、このシングルでの浅岡さんのボーカルは以前でもソロ以降でもないこの時だけのどこか達したような雰囲気があると思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Melody~Everlasting version~

前2作のAcoustic Versionとは異なり、音を削ぎ落としまくって、簡易なリズムとギターとコーラス等、最小限シンプルにしたリミックスのような別バージョン。余計にこういう軽いリズムが流行りまくっていた02年トレンドっぽい感じはする。こちらはさらにメロディーの綺麗さが印象に残る。
★★★☆☆
アルバム未収録

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