5thアルバム『CAPSULE MONSTER』

B00005EPN2
2000年3月29日
デジタル&クラブサウンドを導入した初のコンセプトアルバムと銘打たれた作品。25周年ベストでの浅岡ライナーではバンドとテクノの融合とも語られている。

実際には前半は意欲的にデジタル&クラブサウンドしまくっているが後半はコンセプトが薄れていく…という流れになっていて、これは最後がバンドとオーケストラの融合である「Beautifl day」であるのもあって、そこに至るまでに徐々にデジタル&クラブサウンドを薄くしていくという意図もあった…のかもしれない。

TRADING CARD RALLY 2000キャンペーンとしてトレカ封入。前述の一致すればプレゼントな応募券が封入された。外れたので応募券もそのまま手元に残されている。

片面に多数のパンチ穴が開いたスリーブケース仕様になっていて一応これが初回盤限定パッケージ仕様。通常盤の方がレアだが、通常盤はスリーブなしでがついていて、プラケースの裏ジャケが初回盤スリーブの裏ジャケと同じデザインに差し替えられているという違いがある(初回盤のプラケースの裏ジャケはどぎつい蛍光色)。そして何故か初回盤スリーブケース、わずか数年で内部が錆びて茶色くなるという謎素材となっていた…。現状の中古品で内部が綺麗で白いままのものは見た事が無い。

今作を引っ提げてのツアーはこれまでのホールツアーLive Horizonとは異なる『LIVE D.N.A-ID 001-“CAPSULE MONSTER”』と銘打たれた新シリーズで初のクラブハウスツアーとなった。サポートメンバーもキーボードがいなくて代わりにインパクトありまくりなツンツン頭の金髪DJ中川寛之が中央背後に陣取っていて、既存の曲もかなりリミックスっぽい変更が施されていた模様。DJ中川寛之がノリノリで既存曲のリミックスメドレーを流したり、小橋がドラムパッドを叩いたり、新津がシンセベースを弾く場面も見られた。

001とは銘打たれてはいたが002は無く、結果的に最後の全国ツアーとなり、最後のオリジナルアルバムとなった。

1.SPECIALLY

作詞:浅岡雄也、作曲:多々納好夫、編曲:中川寛之&FIELD OF VIEW
冒頭からデジタルサウンド全開でコンセプトが前面に出た新機軸楽曲。脳天チョップが炸裂したりと少し前から取り組んでいた優等生イメージ、王道を壊していこうとする意欲全開で歌詞の方向性も振り切ってぶっ飛んでいて当時は衝撃だった。ソロ活動以降だとはじけた歌詞の浅岡さんとかデフォすぎて意外でもなんでもないが

ファンになって最初のアルバムがこれだったので驚きではあったけど後のtheがついて以降の路線変更に比べればいい意味での期待を裏切ってくれた感じで、とにかくカッケェェェェェ!!!(当時中3の最後)と興奮し通し。このデジタルサウンドはけっこう普通に受け入れられた。

前作から一転してアルバム曲のPVが今作しか作られず、しかも簡易イラストが走っているだけでメンバーはアーティスト写真が表示されているだけという手抜き仕様。当時PVどころか宣伝も全く見なかったしな…。
★★★★★

2.奇跡の花

作詞:浅岡雄也、作曲:浅岡雄也&小田孝、編曲:池田大介、中川寛之&FIELD OF VIEW
従来のFOVサウンドとデジタル&クラブサウンドの融合という意味では今作の中でも最もうまくいったような融合のど真ん中のような印象の楽曲。実際これまでのアレンジャー池田大介と今作でのクラブサウンドをリードした中川寛之の両名がアレンジに参加している。25周年ベストに選曲され、もう少しテクノに寄せても良かったと振り返られていたがこの曲に関してはこれがベストだったと思う。このアルバムの中から1曲バランスの良い曲を選ぶならやはりこの曲だと思うし、『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』選曲は大いに納得。

大学受験当日、この曲を起床ソングにチョイスし、浪人覚悟しつつも”奇跡の花 咲いたならゼロから始められる”のサビを噛み締めながら挑み、見事合格したのも思い出。
★★★★★
6thベスト『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020

奇跡の花
FIELD OF VIEW
2020/05/13 ¥255

3.愛のカケラ

作詞:浅岡雄也、作曲:小田孝、編曲:中川寛之&FIELD OF VIEW
一転してデジタル&クラブサウンド寄りのナンバー。ワイサーチフォードリーム♪と突き抜けるサビが最高に気持ちいい。間奏で加工されたラップみたいなのが聞こえるがCDではほとんど聞こえない。ライブではもっとちゃんとやったらしくその様子が解散ライブDVDの特典で入っている当時のライブダイジェストで見る事ができる。
★★★★☆

4.Tomorrow

作詞:浅岡雄也、作曲:小田孝、編曲:泉隆則
浮遊感漂う電子音に乗せた完全に非バンドスタイルによるスローな浮遊系ナンバー。FOVのイメージからして「Tomorrow」というタイトルでこういう曲を持ってくるとは思わなかった。正直これは初めて明確に苦手だなと思った。アルバムに1曲とかC/Wに入っている程度ならいいけどこれ系が連発だったらきつかった。
★★☆☆☆

5.冬のバラード

14th 冬のバラード
1999年12月22日8センチシングルとしては最終作。ここから『CAPSULE MONSTER』まで謎のトレカ押しが始まり、今作に関しては応募者全員プレゼントという形でトレカがプレゼントされた。応募者全員プレゼントトレカの写真はジャケット写...

6.僕らはもう一度やり直せるから

作詞作曲:浅岡雄也、編曲:D-STYLE
ドラムだけやたら正統派にドッシンドッシン鳴り続けていて中心になっているが、ベースはあからさまに電子音でドラム以外は全体にデジデジしているデジタルナンバー。アレンジャーが異なるせいか序盤の楽曲群とはやや毛色が異なる感じも。
★★★★☆

7.I Want…

作詞:浅岡雄也、作曲:小橋琢人、編曲:徳永暁人&FIELD OF VIEW
かつてのようにまっすぐ素直なままではいられないかのような何もかも求めてしまうけど枯れている苦悩というかヤケクソ気味な心情が歌われる異色楽曲。この曲ではアレンジャーもいつもの面々が戻ってきているが、歌詞がやさぐれているのと実験性は継続していてデジタルサウンド寄り。ベタベタビタビタした感じのリズム周りのサウンド感はこれ以降数年間の徳永暁人の打ち込みサウンドに通じる部分が少しあるかも。
★★★★☆

8.サ・ヨ・ナ・ラとア・オ・ゾ・ラ

作詞作曲:浅岡雄也、編曲:池田大介&FIELD OF VIEW
ここでデジタル&クラブサウンドが一気に消失して従来のFOVサウンド寄りに戻ってきた穏やかなミディアムナンバー。デジタルな曲が続いた中ではかなりホッとできるポジションの曲。エンディング曲っぽくもあるのでアルバムラストがこれでも良かったような。
★★★★☆

9.鼓動

作詞:浅岡雄也、作曲:小橋琢人、編曲:池田大介&FIELD OF VIEW
シリアスで壮大な大作感漂うバラードナンバー。”世界が消えても”とか”新たなれ生命よ”とか今で言うところの壮大なアニソンっぽいワードが並んでいて、世界観が広いのが異色。今作の中で聞くとけっこうハマっている。中3→高1当時の感性をくすぐるカッコよさがあったので、当時はアルバムで最初に気に入った曲。思い出補正位によるところが強く、改めて聞くとちょっとスケールが広すぎるかなという気がする。
★★★★☆

10.夏の雨

作詞:浅岡雄也、作曲:小田孝、編曲:FIELD OF VIEW
ほぼ通常営業なサウンドによるミディアムナンバー。3rdアルバムの2曲以来、編曲がバンド名義のみ。今作を経由することでオーケストラとコラボという最終曲「Beautiful day」へなんとか繋がるという繋ぎの曲っぽいポジション。かなり淡々としているというか地味で暗めだが、夏の雨には濡れていこうと歌うサビだけは毎年夏の雨に遭遇すると脳内で流れ出す。
★★★☆☆

11.Beautiful day

15th Beautiful day
2000年2月23日初のマキシシングル。今作に関してはバンドとオーケストラとのコラボレーションをコンセプトにしたEPやミニアルバム的な要素もある1作。別バージョン除いて唯一の新曲3曲仕様、そして唯一表題曲カラオケ収録無いシングルにもなった。...

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