『B’z The Best “Pleasure”』、『B’z The Best “Treasure”』の特大ヒットでアルバム売上記録を塗り替え、10周年を越えるとハードロック色をより強めていった。人気は高く安定していたが、時代も変わりつつあり、シングルでのミリオンヒットは「今夜月の見える丘に」が最後となった。アルバムでは2002年の『GREEN』、バラードベスト『The Ballads~Love&B’z~』まで連続ミリオンを達成していたが、2003年の『BIG MACHINE』でついに途切れ、「OCEAN」のヒット受けて放った2005年の『B’z The Best“PleasureⅡ”』が最後のミリオンとなった。この中途半端な時期に『B’z The Best“PleasureⅡ”』を出してしまったのも影響して、20周年でPleasure→Treasureの再現を試みた『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』、『B’z The Best “ULTRA Treasure”』は10年前から大きく売上を落とす事となり、『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』も98万とギリギリでO社ミリオンに到達できなかった。
この辺りからはソロ活動も活発化し、B’zとしての活動が小休止になる事も増えていったが、期待に応えつつもマイペースにやりたい事をやり続けるような活動が続いた。初めて大々的に各自ソロツアーを展開した2004年はそれでもB’zとしてシングル2枚をリリースしたが、2010年にソロ活動を展開した際はB’zとしての新作発売は行わず、これにより連続1位年数、連続トップ10入り年数の記録は1990年~2009年で途切れた(連続年数記録はとにかく年度内(年によって異なっているが段々ギリギリにはなっており、長年11月半ばくらいで区切っていたのが2007年から12月上旬~中旬になった)にシングルをリリースする必要があるため、活動年数が長いだけでは継続は不可能な記録であり、連続1位年数を明らかに意識して継続しているのは今ではKinKi KidsくらいでGLAYが連続トップ10入り年数をギリ継続中)。
2013年は再度シングルリリースが無かったが、25周年を記念して初めてシングルをリリース順に網羅した『B’z The Best XXV 1988-1998』『B’z The Best XXV 1999-2012』を同時発売。ベスト盤は35周年時点でもこれを最後に打ち止めとなっている(2017年にシングル53枚のBOX『B’z COMPLETE SINGLE BOX』は出ている)。
初期10年ほどの大きな変化は無くなったが、随所で存在感を発揮してヒットも飛ばしており、「ultra soul」→「OCEAN」→「イチブトゼンブ」と全てオリンピックかのように4年おきに代表的なヒット曲も生まれた。
2023.10~12 全面リメイク執筆、一部2nd beat&アルバム曲新規追加
- 26th ギリギリchop
- 27th 今夜月の見える丘に
- 28th May
- 29th juice
- 30th RING
- 31st ultra soul
- 32nd GOLD
- 33rd 熱き鼓動の果て
- 34th IT'S SHOWTIME!!
- 35th 野性のENERGY
- 36th BANZAI
- 37th ARIGATO
- 38th 愛のバクダン
- 39th OCEAN
- 40th 衝動
- 41st ゆるぎないものひとつ
- 42nd SPLASH!
- 43rd 永遠の翼
- 44th SUPER LOVE SONG
- 45th BURN-フメツノフェイス-
- 46th イチブトゼンブ/DIVE
- 47th MY LONELY TOWN
- 48th さよなら傷だらけの日々よ
- 49th Don't Wanna Lie
- 50th GO FOR IT,BABY-キオクの山脈-
26th ギリギリchop
1999年6月9日
前作から11ヶ月ぶり。『Pleasure』『Treasure』の記録更新級メガヒットを経て1999年最初の新作。1ヶ月後のアルバム『Brotherhood』先行シングルとなり、1999年の新作はシンプルに今作と『Brotherhood』のみとなった。また8センチCDは今作が最後。1997年よりビーイングが主題歌枠を占拠し、タイアップ効果でのヒットを連発していたアニメ『名探偵コナン』タイアップについにB’zも参入。初動50万枚からの11週ランクインで80万枚のヒットを記録した。前作がミリオンに迫り、次作がミリオンなので売上的には凹む形となっているが、前々作や次々作が共に69万枚なのでコナンタイアップ効果は一応あったものと思われる。
1997年を最後にライブサポートから外れていた明石昌夫は今作でレコーディングからも外れた。『Brotherhood』にも丸々不参加となった。後任になるかと思われていた徳永暁人だったが一旦離れ、この時期は満園庄太郎がベースサポートのメインメンバーとなっていたが、この曲のみ元BLIZARDの寺沢功一がベースを担当した。ドラムは黒瀬蛙一がしばらくメインで起用されていた。
アニメ『名探偵コナン』OP。5月から使用されていた。過去最高にハードかつワードセンスもキレッキレに突き抜けた1曲。高音続きのボーカルもスゴイがそんな激しさの中でギリギリなチョップなんていう言葉を思いつくセンスもまたスゴイ。正直良く見るとこの主人公テンション爆上がりしているだけでとにかくギリギリなのは分かるが何を言いたいのかは良く分からなかったりするが…。当時はインパクトが凄いだけでいいとは思えずスルーしていたが、友人はやたらハマっていてサビとか高音が全く出ないので最早全音外す勢いなのに何故かカラオケで歌いまくっていた。ギリギリじゃないとダメだったのかもしれないが、ギリギリの向こう側に突き抜けていたゾ。
Version51は5バージョン目の1テイクを意味するとされ、本当に51回もテイクを重ねたわけではないらしい。こちらはリズム隊がMR.BIGのBilly Sheehan(Bass)、Pat Torpey(Drums)(2018年没)に変わって全面的に新録音されている。シングルもド派手だったがさらに突き抜けてド派手なロックサウンドに変貌。当時は苦手だったがいつしかこの突き抜けっぷりが最高だと感じるようになったので感性は変わっていくものなのだろう。
★★★★☆
10thアルバム『Brotherhood』(Version51)
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
ONE
26thシングル2nd beat
映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』主題歌。両A面にもせずにあっさりとC/W(2nd beat)で済ませてしまい、しかも映画公開(4月17日)に合わせる気も全く無い有様であったが、前年のZARDもTV主題歌のシングルに映画主題歌をC/Wに回すどころか9月発売で未発売曲のまま半年近く放置していた。このように初期のコナン映画タイアップはビーイング側も全く重要視していなかった事が伺える。実際のところ当時は3作目にして初めて興行収入20億を突破で喜んでいたような時期だった(2010年代後半から界王拳レベルで爆増して2023年最新作は100億突破である)。
明らかにA面級の風格をまとい、映画タイアップもついた曲を平気でC/W扱いにしてしまうというのも今にしてみれば凄いが、こちらは正統派なロックバラード。映画版主題歌は正直担当するたびにインパクトが落ちていくイメージではあるんだけど、今作はダントツの大名曲だったと思う。ファン人気も高く『ULTRA Treasure』投票では3位だった。仲間との別れを歌っており、卒業ソング的な要素もあって感動的な曲だ。最初にアルバム収録されたのがB’z作品ではなく、ミリオンヒットになった主題歌集『THE BEST OF DETECTIVE CONAN~名探偵コナン テーマ曲集~』だったのでそれを何度も聞いた覚えがある。このアルバムで聞いた人の方がたぶん多いのでは(枚数的には『The Ballads~Love&B’z~』の方が売れている)。
★★★★★
3rd(バラード)ベスト『The Ballads~Love&B’z~』
6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
Brotherhood
From 10thアルバム『Brotherhood』
1999年7月14日
アルバム表題曲。自分たち含めて仲間達との絆とみんなそれぞれの場所で頑張って生きて行こうぜ(超訳)というような内容を歌ったロックバラード。「RUN」にも通じる部分があるが、今回はよりリスナー1人1人に歌いかけているようもであり、またデビュー10年を越えて古くからのファンの多くは学生を終えて社会で揉まれる年齢になっていたこともあってタイムリーにより刺さる1曲になっていたんじゃないかなと思う。
当時はアルバム『Brotherhood』聞いていないんだけど、紹介映像だけでこの曲のサビだけは知っていたし、早くから人気曲らしいという事は認識していた。それが実際に示されたのは『ULTRA Treasure』投票時で中間1位、最終1位と不動のままぶっちぎった事で改めてNo.1人気である事を示した。あれからさらに時が流れたがたぶん今やっても1位なんじゃないだろうか。ウィービーオーライッ♪ってライブでみんなで大合唱するのはさぞ熱いだろうなぁと思うんだけど、キーが高すぎて実際やってみようとするとたぶん無理だこれ。地声でやると低すぎるし困ったキー設定だなこれ…。
★★★★★
6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
27th 今夜月の見える丘に
2000年2月9日
8ヶ月ぶりのシングル。2000年に突入すると一気にマキシシングル化が進行。1月のサザンオールスターズ「TSUNAMI」(初回はケースだけマキシ仕様)やMr.Children「口笛」が8センチCDでの最後の大ヒット曲となり、春が来る頃には8センチCDの新譜はほとんど見当たらなくなっていた。というわけでB’zも今作よりマキシシングルへ移行した。木村拓哉・常盤貴子出演、北川悦吏子脚本のTBS日曜劇場ドラマ『Beautiful Life~ふたりでいた日々~』主題歌。30%越えのヒットドラマを連発していた木村拓哉だったが、1999年は連ドラ出演が無く、1998年秋クールの『眠れる森』以来の連ドラ出演で注目度が増していた上にヒットメイカー北川悦吏子の脚本という事もあって大ヒットが確実視されていたドラマで初回から期待通りに30%越えの大ヒットとなった。常盤貴子が病を抱えており、最終回で亡くなる事が示唆されていた事もあって結末だけ見たい需要が高く、それまで最高で32%台だったのが最終回だけ41%越えという驚異の視聴率を叩き出し、視聴率男キムタクの頂点となった(翌年の『HERO』の方が平均34%で平均は高いが最高は36%台)。
そんな史上最高の好タイアップであったため、当初から久々のミリオンヒットも期待されていた。しかし1月26日発売予定だったところ、「LOVEマシーン」大ヒットの次のシングルとして大ヒットが期待されていたモーニング娘。「恋のダンスサイト」とぶつかる上に椎名林檎の「本能」「ギブス」2枚同時発売など強力な新譜がズラズラぶつかっている事が判明したためか、2月9日へ延期逃走を図る。実際には1月26日発売週はなんかサザン確変1位でスゲー事になった。ここ最近のB’zは好調でも初動50万台がやっとだったので、延期は良い判断だったかと思われた。しかしいざ発売して見ると今作は初動67万枚を記録。延期しなくても1位を取れたばかりか、B’z67万1位、サザン65万2位、モーニング娘。60万3位というスゴイ並びになっていた事になる。
とはいえ初登場1位ではあったものの、2週目は12万まで落とすなど強力タイアップでも往年の勢いはなかった。順位では1位→4位→3位→4位→11位と推移してトップ10落ちした5週目で「Calling」以来となるO社ミリオンを達成。ドラマが最終回を迎えた頃まではトップ20に残留していたものの40%越えで盛り上がった割には最終回で伸びるどころか一気に落ちて行ってしまい、結局100位以内17週ランクインと直近では好調だったものの『HOME』の登場週数には及ばず。累計も112.9万枚となり、「FIREBALL」以降の全てのシングル売上を上回ってはいるが連続ミリオン最後だった「Real Thing Shakes」は下回った(B’zのミリオンシングルの中では最初期の2作「LADY NAVIGATION」「ALONE」と「Calling」の3作は上回った)。
90年代半ばまでのミリオン連発アーティストは2000年代以降になるとどうしても旬は過ぎていてDREAMS COME TRUEはおろかあのMr.Childrenでさえ再ミリオンは達成できなかっただけに今作のミリオンヒットは驚異的な記録ではあったが、他にもヒット曲が数多くあったのでここまでの好条件でも112.9万枚かという物足りなさ…時代は移り変わっていくんだなという印象は少しあったかもしれない。まあ1年後にはミリオン自体が出なくなり、この時期までのCD売上記録というのはほぼ2度と塗り替え不能になってしまって徐々に現在との単純比較が不可能になっていってしまうんだけど。
今作はドラマにもそこそこ合っていたと思うし、見ていたのもあるが当時からずっと好きな1曲。正直150万は売れると思っていたので元々のファンにはそんなに刺さる曲でも無かったのかもしれないが、周囲での評判は上々だった記憶がある。サビの”手をつぅないだら”という“つぅ”ってよく聞くとかなり変なメロディーはこのボーカル以外だとどうしても少し変な感じになってしまいそうなんだけどさほど違和感なく聞かせてしまうところは凄い。
Alternative Guitar Solo ver.でギターソロが変更され、『The Ballads~Love&B’z~』収録時にも無表記でギターソロがしれっとさらに別のものに変更され、収録の何故かギターソロが変わる曲となっていたが、『PleasureⅡ』以降はシングルバージョン固定になった。
★★★★★
11thアルバム『ELEVEN』(Alternative Guitar Solo ver.)
3rd(バラード)ベスト『The Ballads~Love&B’z~』(表記は無いがギターソロが違う)
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
28th May
2000年5月24日
前作から一転してノンタイアップでのシングル。2nd beat「You pray,I stay」にはサントリーのチューハイのCMタイアップがついていてちょこちょこかかっていたので当時表題曲よりも馴染みがあったように記憶しているが、アルバム未収録どころかライブでも演奏せずに埋もれてしまったらしい…。初動45万から70万近くを売り上げ、2000年のシングルの中では2番目の売上。というか出すたび下がったので一応前作のヒットの余波はあったのかもしれない。8週ランクインに留まった「さまよえる蒼い弾丸」とほぼ同等の売上だが今作は13週ランクインしている。
編曲に大島康祐が参加。この頃に大島こうすけと名前をひらがな表記に変更したが今作リリース時は変更直前くらいの時期だったのかな。1998年のツアーのみ増田隆宣に代わってキーボードサポートで参加した事があったが、今作のみアレンジャーとして起用された。1期WANDSやSO-FI、この後のBON-BON BLANCO等、バンドというよりもダンサブルな打ち込みサウンドを得意とするアレンジャーを招いただけあって今作も少し変わった雰囲気の打ち込みナンバー。TUBEが大島こうすけをアレンジャーに招くとかなり分かりやすくザ・大島サウンドっぽくなるが、B’zだとそこまで全開という感じでは無かったし、1度きりだった事からも難しいところもあったのかもしれない。当時のメンバーは世間の人がイメージするB’zの典型的な曲だと今作をリリースしたようだが、前述のようにB’zの中でも新しい変わった曲という印象の方が強い。メンバーが意図したのは『RISKY』『IN THE LIFE』や1993年のミリオンヒットナンバーのような1990年代前半頃のポップなイメージの延長を現代風にアップデートしてやってみたというものだったのかもしれない。
発売当時はロック色が強い曲はあまり好きではなかったので今作の絶妙なハード過ぎないサウンドや淡々としたメロディー展開に何故かドハマりして最強だと思い前作に続いてレンタル屋に走った記憶があるが(そして次回作「juice」だけ華麗にスルーして「RING」以降は全部聞くようになった)、数年後にはどこが良かったのか分からなくなっていた。発売当時は絶妙だと思ったもののなんだかもたついたようなテンポ感といい全シングルの中でもかなり異色な楽曲だったと思う。タイトルも5月発売でそのまま「May」だが、5月病的なイメージはあったようで、歌詞の憂鬱な雰囲気は重なるところもあるのかもしれないが、直接的に5月が歌われているわけではない。
今までだったら容赦なく『ELEVEN』に未収録だったと思うが、アルバム全体にコンセプトが無かった事とヘビーな曲が並ぶ中で完全な箸休めなシングル曲という役割で『ELEVEN』に必要な1曲になったように思う。
★★★☆☆
11thアルバム『ELEVEN』
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
29th juice
2000年7月12日
前作から1ヶ月半程度での連続リリースとなった。「juice」には不参加だったがB+U+M解体で本人曰くクビになり、1995年に編曲から外れ、1997年を最後にライブからも外れていた明石昌夫が唐突に2nd beat「UBU」の編曲に参加。編曲にまで参加したのは『LOOSE』の「敵がいなけりゃ」以来となるが「敵がいなけりゃ」は以前制作されていた曲だと明かされていた。「UBU」は明石昌夫本人がこの時期に呼ばれたと語っており、実際にこの後の『ELEVEN』では編曲には参加していないが4曲でベースを担当している。数年ぶりの起用となった明石昌夫とはこれが本当に最後で、明石昌夫本人はB’zの2人に会ったの、お2002~03年頃に偶然会った時が最後だったと振り返っている。2020年の配信ライブでかつてのサポートメンバーを呼び戻しての時代ごとの配信ライブを行った際もドラムの田中一光、黒瀬蛙一、ベースの満園庄太郎、徳永暁人が久々にサポート参加したものの明石昌夫は呼ばれなかった。
安室奈美恵の久々の話題作「NEVER END」が初動27万と好調だったが全く寄せ付けず初登場1位を記録。5thから始まった連続1位記録は25作連続となり、松田聖子の24作連続を更新した。歴代1位獲得数も松田聖子の25作が歴代1位だったため、今作で並んで次回作で追い抜いた。初動売上は前作同等、登場週数は10週、累計売上は67.4万枚と前作を若干下回る推移だった。
ねっとりした感じのイントロから一転して豪快に突き進んでいくライブ感全開のハードロックナンバー。2番の後のCメロとしてのねっとりイントロが再利用されて今度はそこに歌詞を乗せているところもユニーク。重いサウンドにはついていけず当時はスルーしたが、90年代とは異なる現在にまで通じるロックなB’zの一般イメージを決定づけたのはこの曲だったんじゃないだろうか。当時は売れ線放棄でロックに走ったなと思っていたが、後年になって聞くと最早B’zでしかないド王道のキャッチー&ロックなナンバーに聞こえると思う。なんだかんだ勢いだけでなくメロディーも強い事に時間が経ってから改めて気づいた。今では好きな1曲。なんで当時スルーしてんだ…。
PM mixは若干ギターリフを強調したりボーカルを上げたりしているようだがパッと聞きで他のバージョン違いのような分かりやすくは変わっていない。調整、微調整に近いような感覚。PMというのはてっきり午後に作業を行ったとかなのかなと思っていたら、当時LAレコーディングの時によく行っていた安いメキシコ料理屋の店名「Poquito Mas」から取ったとされる。Poquito Masの意味が”もうちょっと””もっともっと”なので意味は合っていたりする。2012年には全英語詞「Juice」も配信されている。
★★★★☆
11thアルバム『ELEVEN』(PM mix)
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
配信限定ミニアルバム『B’z』(全英語詞「Juice」)
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
30th RING
2000年10月14日
前作から3ヶ月、2000年4作目のシングル。前年の1作から一転して1990年の5作に続く多さとなり、この後4作以上リリースした年は無い(3作も2006年だけ)。6~8月まで開催されていた「LIVE-GYM Pleasure 2000 “juice”」の途中7月の札幌公演以降から未発表曲として演奏されていた楽曲。このため発売時に流れていたCMではMV版と豪雨のライブ映像版でも流れていたという。
ドラマ『明日を抱きしめて』主題歌となり、初回放送日(10月9日)の翌週にリリースされた。アルバム『ELEVEN』まではまだ2ヶ月あったが、アルバム先行が響いたのか、ドラマが視聴率1ケタ爆走で全くタイアップ効果を発揮しなかったためか、初動40万とやや落とした。何故か前作と同様に安室奈美恵の次のシングルとぶつかっていて安室をまたも2位に追いやった(安室は初動27万から9万まで落としたので今回はさらに余裕だった)。トップ10には3週残ったものの100位以内7週ランクインとなったが、これは100位圏外の初期2作、初ランクインの3rdの6週を除いて4th以降、つまりトップ10入りするようになってからの最低記録となる。以後2001~2002年は10週以上に回復し、2003年以降は200位以内に集計拡大となったため登場週数一桁に陥る事は無くなった。累計売上も54.6万枚となり8th以降では最低となったが実は累計50万台を記録したのは30枚目にして初。ブレイク時30~40万台を4作続けた後にいきなり連続ミリオンが始まってしまったので、ミリオンが途切れてじわじわ下がってきた事で90~60万台までをここ数年で初めて記録してきて30枚目にして初の50万台となった。
当時「今夜月の見える丘に」の2nd best候補だったとか、『Beatiful Life』主題歌候補だったとか不確かな情報が飛び交っており、一時期はWikipediaにも記載されている公然の事実のようになっていたが、現在いつの間にかその辺りの情報は削除されている。そのような出典は確認できなかったという事だろうか。メンバー2人とも今作の出来には満足しているようなコメントをしていたが、何故か発売後のツアー「B’z LIVE-GYM 2001 “ELEVEN”」でいきなり演奏されず、結局発売前の「LIVE-GYM Pleasure 2000 “juice”」で演奏したのが最初で最後となり、2度と演奏されることは無いレア曲化したとか…。バラードベストにも思いっきりスルーされた。
どことなく和を感じる重めのロックバラード。というかなんか初めて聞いた時からホラーじみた印象が強い。曲調もそうだが終始相手を追い求めるような歌詞がかなり過剰気味で一方的に重たい愛情を並べ立てるだけで相手が全く見えていない感じというか…。行き過ぎたストーカー男の歌なんじゃないかと思うんだけど、サビとか両手を掲げながらほっしい!全部ほしい!とか狂気で迫っていくような光景がピタリハマってしまうような雰囲気で、ストーカーホラーソングにしか聞こえなくなってしまった。タイトルが「RING」というのも映画『リング』シリーズの大ヒットが記憶に新しく(1998~1999年にかけて映画・ドラマで展開、2000年も『リング0 バースデイ』が公開されていた)、ホラーなイメージに拍車をかけた。
★★★☆☆
11thアルバム『ELEVEN』
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
31st ultra soul
2001年3月14日
マキシシングルになってからもシングル2曲入りを堅持していたが今作は3曲収録され、3rd beatが爆誕した。ただし2nd beat「スイマーよ2001!!」はリメイクであり、新曲は2曲のままであった。『世界水泳福岡2001』大会公式テーマソングだったのでそれに合わせて水泳系かつ打ち込み系でノリが近い楽曲を引っ張り出してきてリメイクしたものと思われる。『SURVIVE』の頃に1度参加して明石昌夫の後任で1998年のライブでサポートベースも担当していた徳永暁人だったがそれっきり一旦外れていて今作でアレンジャーとして復帰、以後しばらくメインのアレンジャーとして継続的に参加し始めた。この年までは1999年から参加していた満園庄太郎がライブサポートを担当していたが、2002年のBilly Sheehanを経て、2003年からはライブサポートも再度徳永暁人へと変わり、数年間アレンジャー兼ベースという重要ポジションで活躍した。
前3作を上回り初動50万枚を記録。2週目以降が好調で2週連続1位を記録。2週目は10万でこの時点で前作累計を突破すると5週トップ10で粘り、以後も急落せずにロングヒットを記録。100位以内23週ランクインとなり、これは「HOME」や「LOVE PHANTOM」を上回り、1994年の「Don’t Leave Me」以降で最長となる。しかもこれより前の「BE THERE」~「裸足の女神」は2003年再発で6週ほど加算されているので、再発抜きの当時の記録で今作以上の登場週数なのは「BE THERE」「太陽のKomachi Angel」「LADY NAVIGATION」くらいである。累計売上は87.6万枚でミリオンにはまだ遠かったが、ロングヒットで存在感を見せたといえる。
以後も主にMステでの扱いの良さ、ライブ演奏回数最多と一般視聴者、ファンと双方で目にする機会が多い楽曲となり、さらにどういうわけか1周回って2013年からは世界水泳テーマ曲として再起用され、「世界陸上」の織田裕二「All my treasures」と同様に世界水泳=ultra soulとして定着。いつしかB’z認知度No.1の楽曲となり、歴代ミリオン曲を置き去りにする圧倒的代表曲へと成長した。売上全盛期はあまりに連続ヒットしすぎて逆に飛び抜けて代表曲が無いという側面もあったが、現在ではB’zと言えばこの曲という立ち位置になっていると言える。
タイトルだけ聞いた時点ではウルトラって(笑)という若干の失笑ムードがあり、実際高校1年生当時のクラスメイト間でも発売前にB’zファンの友人が別の友人に「ウルトラソウル(笑)ダッセェ!!ウルトラって!!ナンダソレ!!」と爆笑されていたのが記憶に残っている。
蓋を開けてみれば全てを吹き飛ばすインパクトがあり、気がつけばウ・ル・ト・ラ・ソー!ハァイ!!はあちこちで多用されるキラーフレーズとなり、曲自体も最大の代表曲にまで成長したのだから分からない。当時もいつもより好調な大ヒット曲という認識ではあったけど(売上では上回る「HOME」「今夜月の見える丘に」と同格かそれ以上)ここまでではなかった。発売10年越えた辺りから本格的に最大の代表曲化していったような感じがある。
MVがプールの上でのバンド演奏シーンでドラマーもいるが、実際には徳永暁人のプログラミングと松本のギターと稲葉のボーカルという最少人数で構成された打ち込みロック。本格的に徳永暁人が重宝されるようになった最初のこの時期は打ち込みのアレンジャー(プログラミング)としての活用が目立っており、この時期特有の打ち込みサウンドだなと今聞くと改めて思う。アルバム『GREEN』~「IT’S SHOW TIME!!」にかけてはこんな感じの打ち込みサウンドが導入された曲が散見される。
次のシングル『GOLD』2nd beatとして収録されたSplash Styleはリミックスに近い別バージョン。冒頭はほぼアコースティックギターと簡易な打ち込みのみで始まり、曲が進むにつれてエレキギターが入り打ち込みも派手になっていき…とどんどん音が増えて元のアレンジに近づいていき、間奏~ラストサビにかけてほぼ元のアレンジへと変貌するというなかなか面白い仕上がり。
『GREEN』収録時のAlternative Guitar Solo ver.ではタイトル通りにギターソロが変わっており最後のギターのフレーズも変更されている。さらに良く見ると徳永暁人のクレジットにBassが追加されており、ベースが生演奏に変わった。
その後2007年の海外向けiTunes配信された『B’z』ではドラムも生になり、先に生音バンドサウンドでリメイクされていたが、国内正規版としては『C’mon』に2011として再録音され生バンドアレンジとなった。この際に世界水泳タイアップに再起用され、以後新曲ではなく世界水泳固定のテーマ曲状態になったのも代表曲化に拍車をかけた。
国内で正式に配信リリースされた方の2012年の配信EP『B’z』では国内で正式に全英語詞「Ultra Soul」が新たに制作されており、バージョン違いも多い。特に間奏が毎回けっこう大胆に変更されている。
★★★★★
32ndシングル『GOLD』2nd beat(Splash Style)
12thアルバム『GREEN』(Alternative Guitar Solo ver.)
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
18thアルバム『C’mon』(2011)
配信限定ミニアルバム『B’z』(全英語詞「Ultra Soul」)
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
32nd GOLD
2001年8月8日
『世界水泳福岡2001』大会テーマソング。2作連続同じタイアップ。というかそもそも実際にこの世界水泳選手権が開催されたのは7月16~29日であり、今作のリリースの方が開催が近い。前作が早すぎたのだ…メインでは前作を使用、曲調に合わせて大会終盤に今作を使用するなど贅沢に使い分けていたようだ。ただ前作とは打って変わって今作は初動40万に低迷、2週連続1位となったもののお盆期間で新譜が途絶えていたためで3週目に9位、そのままストーンと落ちて行ってしまい10週ランクインという通常の推移に留まった。累計56.2万枚はほぼ前作の初動に毛が生えた程度で同じタイアップでもやたらと差がつく結果となった。全体のCD不況も急速進行していた。
2004年にNHKオリンピックタイアップで「栄光の架橋」(ゆず)が大ヒットしてからは選手を称える系の大バラードナンバーというのが本格的に定着したように思うが、この頃はまだ熱いアップテンポな応援歌が主流で壮大バラードがスポーツ応援歌としてウケる土壌が整っていなかったのだろうか。以降テレ朝のスポーツタイアップでこのような壮大バラードを提供することは無くなったが、時代が少し早すぎたのかも。
前作が戦っている最中の応援歌だとすれば今作は戦いの後を称える歌。PVでは誰もいない会場で演奏して歌っている様子に加えて当時のツアースタッフを次々に映し出していて感動的な仕上がりになっている。特に何か思い出があるわけじゃないんだけど高校2年の夏を思い出す。確か最初に聞いた時はピンと来なかったんだけど、PV込みとかで何度か聞いているうちにだんだん好きになってきて気がついたらいつかの10代の頃を思い出す曲みたいなポジションになってた。
「Everlasting」がある(から被る)という理由で次のアルバム『GREEN』に収録されなかったが、その年末の『The Ballads~Love&B’z~』でアルバム初収録を果たした。「HOME」と「ONE」もアルバム初収録だったので当時は重宝するアルバムになった。
★★★★☆
3rd(バラード)ベスト『The Ballads~Love&B’z~』
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
33rd 熱き鼓動の果て
2002年6月5日
10ヶ月ぶりのシングル。2002年のシングルは今作のみとなり、1ヶ月後のアルバム『GREEN』の先行シングル。社名変更によりRoom Recordsが今作からVERMILLION RECORDSになった(VERMILLIONの名称自体はレーベル名として1995年から使用されていた)。3作連続での3曲入りとなったが前2作は2nd beatが既存曲のリメイクだったので新曲3曲収録は初。CD不況がさらに進行しており、ついに初動40万割れ(37万)となったが、ほぼ前作を数万下回る程度の推移となりギリギリで50万枚を突破。50万はあまり取り上げられないが、「LADY NAVIGATION」からの連続ミリオンと同時に始まった連続50万(ハーフミリオン)は今作まで続いた。
『パンパシ水泳横浜 2002』大会公式テーマソングだけでなく『WRC世界ラリー』テーマソングとなったがついには『TV ASAHI NETWORK SPORTS 2002』テーマソングにもなるというテレビ朝日タイアップの重ね掛けで、結局前年の世界水泳から拡大してテレビ朝日の競技系全体のテーマ曲という扱いになり、以後このタイアップが続く。
スペースシャワーTVで見たPVで発売前に聞いたところなんかメチャメチャ気に入ってレンタルを待てず発売日にCD屋に駆け込んだ初めて買ったB’zのCD(基本B’zは全レンタルで聞いていて購入するようになったのはレンタル撤退に伴うここ数年から)。1番アコースティックスタイルでゆったり進行して2番からテンポアップして爽快ロックになる展開と力をくれる歌詞が受験を控える時期にピタリハマったのかもしれない。今でも好きな曲なんだけど当時何故あれほどこの曲にだけ熱狂したのかは分からない。バンドサウンドではあるんだけど、この時期の徳永アレンジ特有の打ち込み感もだいぶ強いので徐々に時代性が強くなってきており、今聞くともう少し生寄りの質感でもいいかなぁとは思うところもある。
PVではスタジオでの1番演奏模様から一旦演奏を止め、屋上で演奏しようかと提案する会話が挟まれて屋上へ移動していくという曲が途絶える場面が挿入されている。屋上で演奏する提案の際にサポメンが昔警察来ちゃってさ…とか言ってるのが地味に気になる。昔何をしたんだ…。
★★★★☆
12thアルバム『GREEN』
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
Everlasting
From 12thアルバム『GREEN』
2002年7月3日
映画『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』主題歌。2度目のコナン映画主題歌となったが、今回はアルバム収録曲で済ませてしまうという相変わらずの対応。映画は4月公開だったが、今回は直近シングルにも収録されず放置されたまま映画公開がとっくに終わった頃合いでのアルバム収録となった。
『ベイカー街の亡霊』は1997~1999年にかけて「青い鳥」「眠れる森」「氷の世界」といったドラマの脚本を手掛けた事でも知られる野沢尚(この2年後に自殺)が脚本を担当し、バーチャルの世界を舞台にした異色の作風となったが、6作目にして最高の興行収入を記録し、13作目『漆黒の追跡者』で塗り替えるまでなかなか抜けない記録となっていたほどのヒット作であった。前回の「ONE」が比較的落ち着いた雰囲気のエンディングらしいバラードだったのに対して今作はド派手に盛り上がるバラード。結末がちょっとしんみりするところがあった中での感情系バラードでなんとなく救いになるようなそんな感覚があったのを記憶している。
B’zの映画コナン主題歌というと未だに「ONE」とこの曲の2トップという印象もある。ただ「ONE」ほど人気は無いらしく、直後の『The Ballads~Love&B’z~』には仲良く2曲連続で収録されたが、『ULTRA Treasure』では30曲の枠に入れなかったのは意外だった。
★★★★☆
3rd(バラード)ベスト『The Ballads~Love&B’z~』
34th IT’S SHOWTIME!!
2003年3月26日
同時発売で4th「BE THERE」~13th『裸足の女神』までの10作をリマスター&マキシシングル化で再発。再発盤としては異例の売上となり、O社デイリーチャートでは今作含めた1~11位を独占。週間チャートでも2位に「世界に一つだけの花」が入った以外は今作が1位、6.5万~7万程度を叩き出した再発10作が3~12位にズラリと並んだ。『CDTV』始め、チャート系の番組はトップ10を流すだけで昔のB’zのヒット特集になってしまうという珍事が発生した。肝心の新曲である今作は初動30万まで落ち込み、累計でも42.3万枚となりついに50万割れとなった。2003年より200位以内集計に拡大したため、登場週数は19週となったが100位集計だった場合は8週+3週圏外のち1週浮上の合計9週であった。101~200位以内に拡大しただけで倍増した上、既にあまりロングヒットしなくなっていたこの時期でもこれだったので全盛期に200位まで集計していたら一体どれほどのことになっていたのか…。アルバムに至っては100位から300位にまで拡大したため、それまでの登場週数記録がまるで役に立たない参考記録となり果てる事態となった。
前年に引き続き『TV ASAHI NETWORK SPORTS 2003』テーマソング。当時の徳永暁人特有のベタベタシパシパした響きの打ち込みリズムを生かした打ち込みロックナンバー。2002年から倉木麻衣でもTUBEでもみんなこんな感じの打ち込みを徳永暁人がアレンジを担当した際に多用していたがどうもピンと来なくて普通のドラムの音でいいのになとは思っていた。また過去シングル10作との同時発売となった事もあって昔の曲の方がメロディーが良かったなぁとも思ってしまい、あまり印象の上がらないシングルになってしまったところがある。
『BIG MACHINE』ではバージョン名の表記は無いが、以後の長年のサポートドラマーとなったシェーン・ガラースによる生ドラムへと差し替えられて迫力あるドラムサウンドを聞く事ができる。打ち込みならではのスピード感は確かにあり、シングルバージョンの方が良いというのも分からなくもないが、個人的には『BIG MACHINE』バージョンの方が好き。またドラム打ち込みのシングル曲は結果的に今作が最後となり、アルバムで生音に差し替えたように『BIG MACHINE』以降は生バンドが基本となり、この特有の打ち込みドラムどころかドラムの打ち込み処理自体がほぼ使用されなくなった。それどころか翌2004年にデビューした徳永暁人が作曲と編曲を一手に手掛けるdoaでの打ち込みドラムは生のドラムに近い質感で仕上げるようになり、B’z以外でもこの特有の打ち込みドラムサウンドは使用されなくなるなど作風が変わったので会社の方針もあったのかもしれない(KANONJI氏がこの音がいいとして2001年頃から多用させていたがこの辺りで飽きたとか)。
★★★☆☆
13thアルバム『BIG MACHINE』(表記は無いがドラムが生音になったアルバムバージョン)
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
35th 野性のENERGY
2003年7月16日
4ヶ月ぶりのシングル。2ヶ月後にアルバム『BIG MACHINE』となったので先行シングルというほど直近ではなかったが、初動23万枚までさらに下がってしまい、1週ズラしていたら浜崎あゆみに及ばないところだった(前作の初動なら上回れていた)。1位→5位→18位と一気に落ちて行ってしまい、累計でようやく30万枚となり、再発で累計売上を伸ばして30万枚を突破した「BE THERE」「愛しい人よGood Night…」も下回り、ついに1st~3rdに続くワースト4位、ブレイク期以下の水準にまであっという間に下がってしまった(以後今作以上の売上は数作しか無く、大半のシングルが今作を下回っているため54th時点で35位となる)。200位以内になったのに10週ランクイン(100位以内では7週+何故か10週目に100位以内に浮上して200位圏外という謎推移で合計8週)
またしても『TV ASAHI NETWORK SPORTS 2003』テーマソング。新曲が出るたび、他にタイアップが無ければ交換みたいな感じになってきた。
冒頭のジャッジャッジャッ、ジャッジャ♪という変てこなリズムが少しマヌケな感じがして使いようによってはコントになりそうな気がしなくもないが、始まるとどっしりとしたバンドサウンドが展開。シェーン・ガラースとブライアン・ティッシーとドラムが2人クレジットされているのでツインドラム編成になっていてどっしりとしているのかなと当時思っていたが別にツインドラムになっているわけではなく、2人のドラマーで試してみてシェーンのドラムをベーシックにしていいところはブライアンのドラムも使用したという事らしい。細かいこだわりが凄い…。どっしりしているのとは関係なかった。
1番では青い鳥がどこから来るだろうと思っているのに何も起こらず、2番になって”君”が現れる事で世界が一変するという復活系の歌詞は好き。特に1番の”何やっても驚くほどまわりについてゆけず”とか”それが普通だった”というフレーズは当時も刺さりまくったなぁ…。曲自体はタイトルのイメージだともっと野性的にガツガツしているのかと思っていたせいか、けっこうどっしり構えた感じだったのがイメージと違っていてピンと来なかった。『BIG MACHINE』では前作同様に表記無しでアルバムバージョンになっているようだが、何か聞こえ方が違うような…という程度で全体にはイマイチ何がどう変わったのかは分からないが、アウトロのギターが異なっているのでここで判別可能。
曲よりももしB’zじゃなかったら?の世界を描き、教師の稲葉、ギターショップ店員の松本GTI(グレート・ティーチャー・稲葉)とGGT(グレート・ギターショップ店員・TAK)が出てくるPVがユニークで印象的だった。
★★★☆☆
13thアルバム『BIG MACHINE』(表記は無いがアルバムバージョン)
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
アラクレ
From 13thアルバム『BIG MACHINE』
2003年9月17日
アルバム『BIG MACHINE』1曲目のリード曲。10月開始のドラマ『あなたの隣に誰かいる』主題歌に起用された。実話を元にしたサスペンスホラーみたいな触れ込みで始まったが、夏川結衣とユースケ・サンタマリアが立ち向かう事になる隣人の北村一輝が殺されても蘇る伝説の蟲男だった…という超怪奇ホラーと化して独自の盛り上がりを見せる怪奇ドラマとなった。協力者の元刑事役に最晩年のいかりや長介が出演していて正真正銘の遺作となった(公開順ではこの後の映画『恋人はスナイパー』が最後)。その前に撮影していた『踊る大捜査線』では映画公開前に入院するも復帰してしばらくはまだ元気な姿を見せていたものの、今作撮影時には既に台詞がまともに喋れない状態(喋っているんだけど声が掠れすぎてフガフガしているだけで聞き取れない)にまで悪化、中盤以降は調査のため出張の名目でほぼ途中退場してしまう。しかし終盤に復帰し、なんと主人公である夏川結衣とユースケ・サンタマリアが倒しても倒しきれずに復活した蟲男北村一輝を唯一倒せる伝説の武器蟲切丸を使用して倒してトドメを刺す大活躍を見せる。ラストカットは事情聴取のシーンとなったが、貫禄の俳優いかりや長介の最期だった。
そんなワケの分からないドラマの主題歌として今作がOPで使用されていたが、挿入歌としては稲葉浩志の声で歌われる沢田研二「勝手にしやがれ」カバーという音源が流れており、これは11月26日に発売されたTAK MATSUMOTO『THE HIT PARADE』の収録曲であった。1曲ごとにビーイングGIZA系のミュージシャンをボーカルに招いており、「勝手にしやがれ」には稲葉浩志がボーカルを担当、という扱いだったのでB’zとしてのカバーではなくTAK MATSUMOTO「勝手にしやがれ featuring 稲葉浩志」という唯一の名義となった。
このように2曲も使用されていた上に夏川結衣とユースケ・サンタマリア演じた主人公の苗字が”松本”だった事から、最終回ラストシーンではこのためだけに特別出演した新たな隣人役の役所広司が「稲葉です」と名乗り、松本と稲葉が隣人同士になるというオチで幕を閉じるというB’zネタも仕込まれた。
正直この年のシングル2曲はどちらもこれまでと比べるとパッとしない印象だったのでアルバムもあまり期待していなかったんだけど、ストレートにアップテンポで駆け抜けていくのもあってそうそうこういうのが聞ききたかったんだよ!というのに期待以上に応えてくれ、1曲目の今作からテンション爆上がりだった。2003年のB’zはダントツでこの曲だろうという勢いに満ちていた。歴代のアルバムリード曲の中でも最も印象的な1曲だったと思う。
『ULTRA Treasure』にも20位で選曲され、結果的に2000年代に入ってからのアルバム『ELEVEN』~『ACTION』から選曲されたのはこの曲だけだったのでこの時期のアルバム曲の中でも際立った存在感を残していたものと思われる。
★★★★☆
6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
36th BANZAI
2004年5月5日
既に2人とも2002年から毎年ソロでの作品も並行してリリースしていたが、まだソロツアーは行っていなかった。2004年は松本はソロだけでなく新バンドTMGとしての活動も行い、稲葉・TMG共に作品だけでなくツアーも開催する事が発表されていたのでB’zのライブは無く、B’zの新作もしばらく無いと思われていたが、緊急リリースと称されて突然発売が発表された。
稲葉は7月にシングル『Wonderland』、7月~9月まで初のソロツアーを経てアルバム『Peace Of Mind』発売を予定しており、松本はTMGとして3月にシングル、6月にアルバムを発売して7~9月にツアー…と思いっきりソロ制作&ツアー準備中だったため、今作はCD発売+ちゃんとMV制作まではしたもののプロモーション活動は行わず、TV出演はしなかった。加速するCD不況も重なり、初動20万割れ(19万)、累計30万割れ(28万)と割っていくばかりとなった。ただプロモーションしなかった割には登場週数は15週と悪くはなく、100位以内でも9週+再浮上1週の合計10週であり、一時期よりこれも悪くはない推移だった。
アサヒビール「スーパードライ」CMソング。緊急で制作してリリースしなければならないほど絶対に受けなきゃいけないタイアップだったのかはかなり謎だが…稲葉ソロやTMGじゃなくてどうしてもB’zでと頼まれたのだろうか。とりあえずテレ朝スポーツタイアップじゃない!!というのが最初の印象でそれ以外はロックナンバーだなぁというくらいで印象薄めだったんだけど、超絶ボーカルによる三三七拍子のようなラップ(?)パートのインパクトがとんでもない破壊力で耳から離れなくなり、気がつけばけっこう好きな1曲になっていた。当時はドラムが生である事にも安心していたが、むしろこれ以降ドラムが打ち込み処理になったことは無くドラムもしばらくシェーンの起用で固定されてパワフルなドラムサウンドが基本となった。
★★★★☆
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
37th ARIGATO
2004年9月1日
稲葉ソロ、TMG共にツアー中にリリースされた。近年シングル1枚の年もあったのにソロ活動中で2枚も出すんかい…というツッコミが入りそうではあったが、今作が引き続きの『TV ASAHI NETWORK SPORTS 2004』テーマ曲タイアップだった事からしても元々リリース予定だったのは今作の方だったようだ。8月13日~29日まで開催されていたアテネオリンピックのテレビ朝日のテーマ曲としても今作が使用されていた。初動は前作とほぼ同じだったが前作ほど伸びずに登場週数11週うち100位以内は7週とブレイク以降の最低記録を更新してしまい、累計は26万枚と前作より下げた。
森山未來が出演していたPVも暗めのトーンだし、スポーツタイアップの連投が響いたかラブソングっぽくなっていてタイアップに合っていない感じは少しあった。ただサビでの”グッと前に踏み出そう”など部分部分では当てはまる部分もあり、着実に踏みしめて進んでいく感じがサウンドでも表現されていて好き。終盤のテンポアップも熱い。結果的に2004年の2シングルはタイトルの付け方だけでなく、最初の印象がパッとしないところからうなぎ上りに好印象に変わったところも含めてタイプは違うんだけどどこか共通したところのある2曲になった。
前作と今作も徳永暁人とシェーン・ガラースのリズム隊で制作されていて演奏陣自体は同じだが、アルバム『THE CIRCLE』とは合わないという事で2曲とも未収録となり、続く『PleasureⅡ』でアルバム初収録を果たした。
★★★★☆
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
38th 愛のバクダン
2005年3月9日
前年のソロ活動を終えてB’zに戻っての再始動作として発売された。アルバム『THE CIRCLE』1ヶ月前先行シングル。初めて初回盤と通常盤の2種用意された(品番も別)。初回盤には「愛のバクダン(TV STYLE)」「愛のバクダン(GUITAR SOLO LESS)」が追加収録されており、5th beatまで収録されたシングルはこれが唯一。TV STYLEはカラオケの事で、GUITAR SOLO LESSはボーカルもそのままで間奏のギターソロだけを抜いたという謎のバージョン。B’zは一貫してシングルにカラオケを収録してこなかったが、カラオケアルバムは1992年『B’z TV Style SONGLESS VERSION』、1995年『B’z TV STYLEⅡ Songless Version』と公式に2作リリースした事があり、TV STYLEの名称はこれを引き継いだもの。TV出演時はほぼアテブリ+生ボーカルなのでTV出演時に使用する音源という意味合いでTV STYLEという事のようだが実際にはいくらB’zであってもMステ出演のたびにフルコーラス歌わせてもらえる事もないので、さらにショートサイズに編集しなければならなかったりはするのでTV STYLEというのも厳密に違うんじゃないのかな…と思わなくもない。
今回突然カラオケを収録したのは歌ってほしいというよりもギターソロ抜きの音源まで用意している事から、特にギターをコピーしてもらいたいという事だったようでギター譜が付属していた。試しに持っていたエレクトリックアコースティックギターでジャカジャカ弾いてみようとしたところコードが複雑すぎて瞬時に挫折した(弾けても高くて歌えないしこの曲挫折しか生まねぇぞオイ…)。
前作よりも好調で初動20万に回復、累計も29.4万枚で伸ばし、登場週数も14週(100位以内は9週)でアルバム先行にしてはいい推移だったのはやはり本人稼働のプロモーションがあったためか。
稲葉節全開な歌詞はユニークで、ハードなサウンドの割りにメロディーはドキャッチーというB’zの旨味が改めて凝縮された1曲。こういう軽くネタのようなノリはやっぱりB’zにしか出来ないと思う。1番では1・2・3(ワンツースリー)と歌っていたサビ前の部分を2番でアン・ドゥ・トロワと突如フランス語(バレエでよく使われるけど歌詞中にバレエ的な要素皆無)になってしまう唐突さが凄い。かなりシングル曲というのを意識して制作されたと思われ、『THE CIRCLE』はストイックな固定バンドによる一直線な作風でこの曲のキャッチーさだけが際立っていてちょっととっつきにくかった…。
全英語詞バージョンはそのまま「Love Bomb」。なんか急に物騒な感じがしてくるが、「爆弾」ではなく「バクダン」とカタカナにした効果は絶妙だった。
★★★★☆
14thアルバム『THE CIRCLE』
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
配信限定ミニアルバム『B’z』(全英語詞「Love Bomb」)
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
39th OCEAN
2005年8月10日
ドラマ『海猿 UMIZARU EVOLUTION』主題歌。前年ヒットした映画の続編。このあと既に映画第2弾も予定されており、翌2006年『LIMIT OF LOVE 海猿-UMIZARU-』が大ヒット、2008年に映画第3弾完結作として『THE LAST MESSAGE 海猿-UMIZARU-』が公開されこれも大ヒットしたため欲を出して今度こそ最終作として2011年に『BRAVE HEARTS 海猿-UMIZARU-』が公開されて完結した。1作ごとに主題歌の繋がりは全く無く、全て別のアーティストが主題歌を担当したのでB’zの関与もこの連ドラ版のみだった。初回から映画のようなスケールで物語が始まり、かなり先の予告映像まで流すなど超大作っぽい雰囲気で始まるも、重厚過ぎた事と伊藤英明演じる主人公の新たなバディとなる仲村トオルがかなり早い段階で死んでしまうっぽい事が予告で示唆されまくって死亡フラグも立てまくっていたのが逆効果だったのか視聴率は13%前後でフラフラしたまま最後まで盛り上がらずに終わってしまった。また『BRAVE HEARTS 海猿-UMIZARU-』の翌2012年に元々権利関係に厳しい事で知られていた原作者がフジテレビ相手に激怒して揉める騒動となり、続編は絶対に許可しないと宣言し、2015年に和解した事で一旦は続編の可能性を示唆するなど態度を軟化させたものの2017年に実写版の全ての契約が終了したので今後テレビで放送される事も配信される事も無いと宣言。事実上の半封印作となってしまい、この連ドラ版が再放送される事も無くなってしまった。海猿シリーズのDVD/Blu-rayも生産終了となっているようだ(追記:作者は2024年1月に改めて当時の思い出を振り返ってまとめている)。
ドラマはあまりヒットしなかったが、それでも久々の大型ドラマの主題歌という事もあって今作は発売前から前評判が高く、初動26.5万枚と好調なスタートを切り、ここのところは3週でトップ10から転がり落ちていったところ1位→3位→3位→6位→8位→10位と6週トップ10に残留、以後も22週ランクイン(100位以内は13週)で50.9万枚と初動の2倍近くまで売上を伸ばした。50万越えは「熱き鼓動の果て」以来だが、実質的には「ultra soul」以来となる4年ぶりの大ヒットといえる爪跡を残した。これに明らかに便乗してか秋には今作を1曲目において「いつかのメリークリスマス」の新バージョンと「HOME」以降の全シングルを投入した『PleasureⅡ』を突如発売してB’z史上最後のミリオンとなったが、目先の利益に走った感は否めず、3年後20周年の『ULTRA Pleasure』が同じ赤色ジャケットで実質仕切り直しみたいになった事と、同作がギリギリでミリオンに届かずに終わってしまったのは『PleasureⅡ』の存在が響いたものと思われる。
映画並のスケールで始まったドラマ主題歌だけに期待に応えるストレートな勝負バラード。ドラマを見ていたのもあるがドラマ以上に印象に残る2005年夏を代表するヒット曲として記憶に刻まれた。サビの“握りしめたこの手ははなさない嵐の中でも”というフレーズは連ドラよりもこの後の映画版『LIMIT OF LOVE 海猿-UMIZARU-』のストーリーとリンクしており(主人公が嵐の中で手を離してしまい救えなかった命があった事が映画冒頭で示され、映画ラストでは今度は絶対手を離さない!と奮闘して全員で助かるという展開)、この歌詞からストーリーを考えたのではないかと思うほどだった。それだけに映画は別の主題歌になってしまって残念だった(なんか主人公を待っている恋人目線みたいな…)。
『PleasureⅡ』自体が今作のヒットに便乗した感があったが、翌年の『MONSTER』にも収録され、ベストに先に収録されたシングルが次のオリジナルアルバムにも収録された唯一の事例となった。『MONSTER』では2006 MiXとしてミックス変更を施し若干ロック度が増しておりそっちの方が好き。B’zバラードの金字塔という印象もあり、これ以降でこれ以上のバラードは無いくらい極まった感じもある。
★★★★★
4thベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』
15thアルバム『MONSTER』(2006 MiX)
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
40th 衝動
2006年1月25日
アニメ『名探偵コナン』OP。「ギリギリchop」以来TV版2作目、映画含めて4作目。こちらを表題曲にした一方で、日本テレビ土曜9時ドラマ『喰いタン』主題歌となっていた「結晶」はC/W(2nd beat)にしてしまった。といっても「結晶」はかなり軽めの打ち込みドラムサウンドになっていて明らかに制作時期が異なっているのは明白な上にメンバーもいつ作ったか覚えてないほど古いストック曲だったらしいので主題歌になったとはいえ表題曲判断は無かったのかもしれない(そもそもなんでそんな古いストックが土9ドラマ主題歌に起用なんて話になったんだ…)。コナン放送開始10周年でいつもより盛り上がっていたとはいえ既に効果が乏しくなってきていたコナンタイアップだったが、今作は比較的好調で初動20万、累計で30万突破となり、トップ10に3週はいつも通りながら登場週数19週のうち100位以内が15週に及ぶなど下位で粘った。
ストバラがヒットの主流になってきて長尺の楽曲が増えていた中で極力余計な事はしないという潔さで駆け抜けていく3分ちょっとしかない勢いに溢れたロックナンバー。シングル40枚目のキャリアで色々工夫したくなるところでこのシンプルなロックナンバーを持ってくるって意外とできないと思うし、しょーうどう!のもう衝動でしかない圧倒的衝動感溢れる締めもインパクトが凄い。しかも書道と引っかけてMVでは書道家の人が書道しているというダジャレを大真面目に繰り広げる始末。この印象が強かったのか、TV番組で書道している時にBGMでこの曲がかかるなんて言う場面も…(先日も『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』でかかってた)。
2番の方がコナンを意識しているためか(“真実ばかり追いかけて”というフレーズがある)、OPでは2番が使用されていた。
MONSTER MiXではボーカルやコーラスも含めて再録音されており、最後の叫びの音程も異なる。
★★★★☆
15thアルバム『MONSTER』(MONSTER MiX)
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
41st ゆるぎないものひとつ
2006年4月12日
映画『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』主題歌。2作連続コナンタイアップで3度目となる映画主題歌。前2作では2nd beat、アルバム曲送りにして発売タイミングも映画に合わせず終わってから発売という有様だったが、今作では映画公開にピッタリ合わせてしっかり表題曲として発売するなど態度が一転した。前2作の評判の良さと反省を生かしてのシングル発売だったと思われるが、どういうわけか思いっきり裏目に出てしまい初動16万といきなり低迷するとその後も伸ばせないまま累計23万と何故か不振に終わってしまった。『探偵たちの鎮魂歌』自体は映画10作目の記念作として気合が入っており、怪盗キッド、服部平次といった毎回は出てこないセミレギュラー陣も含めて当時のレギュラーキャラオールスター(当時なので今見るとかなり少ない…というかこの後レギュラー増えすぎ)として制作されるなど話題作で前2作と後2作を上回る興行成績で好調だったのだが…。
正直「ONE」「Everlasting」ほど映画主題歌っぽい貫禄が無いのに今回はシングルで出してくるなんて余裕なくなってきてるのかな(会社が)?とも最初は思えたが聞き込むと染み渡る1曲だった。当時就職活動でかなり途方に暮れていた心情にドンピシャ、最早これ『探偵たちの鎮魂歌』ではなく「ザ・ルーズ」の大学生があの後本格的に現実に打ちのめされた姿を描いた就活中の大学生の心情を描いた曲なんじゃないのかと。笑いながら別れたけど胸の奥がブルーで言いたい事が言えなかったとか面接そのものだし、心と言葉がウラハラになっちゃうなんてのも本音と建前の葛藤そのものだし、自分がイヤで眠れなかったり、こんなこと何べんくりかえすの?とかグサグサと突き抜けていく心情が次から次へと繰り出されて当時驚いた。ゆるぎないものが1つも無かったからサビも刺さりまくりだったし…。タイミングがドンピシャすぎて、完全に就活ソングのイメージのまま固まってしまい、 なんか犯人が自分大好きでコナンにも最低な人間だと断言されるというオチだった『探偵たちの鎮魂歌』とは切り離された思い出になってしまった。まああの犯人は“自分大好き”というゆるぎないものひとつ抱きしめていたのかもしれない。
未来に怯える就活前夜の学生たちもみんなこの曲を聞いてその時を乗り越えてほしい。
★★★★☆
15thアルバム『MONSTER』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
ピエロ
41stシングル2nd beat
上木彩矢が同日に2ndシングルとして発売。提供ではなくB’zカバーとして話題にしていた。この時確かに上木彩矢へ”楽曲提供”ではなく上木彩矢が”B’zカバー”として売り出していたのと次に提供したのが韓国の人だった事もあり、2023年Adoに曲提供した際に”日本人歌手への提供は初”を堂々繰り出せた…が初期に坪倉唯子に提供していた事はすっかり忘れてしまっていたのだっ上木彩矢バージョンもかなりカッコよくロックしているがあからさまなドラム打ち込みサウンドがどうにも軽い印象になってしまっていたが本家B’zはさすがの貫禄のロックナンバー。上木彩矢バージョンだけしかないならそれはそれでよかったのにナチュラルに叩きのめしにいっちゃってるじゃないですか…。ていうかこの迫力ある生演奏のオケごとちゃんと提供すれば上木彩矢ももっと売れていたのでは…と思ったリスナーも割と少なくなかったのでは…。
上木彩矢のシングル表題曲にして代表曲の1つにもなっただけあってB’zとしてはC/W扱いとはいえやはりこの時期としては際立つ1曲である事は間違いない。『MONSTER』に収録され、2000年以降のC/W&アルバム曲がほとんど選ばれなかった『ULTRA Treasure』に「アラクレ」と並んで選曲されるなど人気も高い。
★★★☆☆
15thアルバム『MONSTER』
6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
42nd SPLASH!
2006年6月7日
前作から2ヶ月でのリリースで半年の間にシングル3作と立て込んでのリリースとなった。ついにシングル初の本格複数商法に手を出し、トールケースサイズのデジパック仕様の初回限定盤DVD付をグリーン、ブルー、イエローの3種用意し、DVDにそれぞれ「愛のバクダン」「パルス」「Fever」のライブ映像を1曲ずつ収録。通常盤は特に特典や追加収録もなく普通のCDケース仕様。この複数商法効果により分かりやすく初動27万枚を記録して初動だけで前作売上を軽く突破した。しかし1位→5位→18位とトップ10に2週しか残留できない急落となり、12週ランクインのうち100位以内は6週と最低を更新。累計は33万に留まった。
アダルティーでギラギラネバネバとしたロックナンバー。「juice」に通じる部分もあるが、「juice」は歌詞を除けば重めだけど爽快なロックナンバーとして聞けたのに対して今作はテーマがテーマだけに生々しさがさらに強め、ドラムなど重さを抑えてギラギラネバネバ感をサウンド面でも重視。発売も梅雨の時期で梅雨のジトジト感も重なってどうにも苦手意識が抜けない。全英語詞「Splash」の方があまり気にせず聞けていいかも。
★★★☆☆
15thアルバム『MONSTER』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
配信限定ミニアルバム『B’z』(全英語詞「Splash」)
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
43rd 永遠の翼
2007年5月9日
2006年は上半期だけで3枚リリースするもそれっきり止まっていて11ヶ月ぶりというかなり久々のシングルとなった。今作では1種発売に戻ったが初動15万、累計20万とついに累計で20万割れ寸前に陥った(トップ10入りは2週)。
映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』主題歌。戦争の特攻隊を描いた内容だったらしく、そこに合わせたかのような盤石のバラード。OCEAN2みたいなバラードでもあり盤石過ぎたためかそれ以上の印象が抱けずいい曲だけどフツーだなぁという印象のままだ。2023年にAdoに提供した「DIGNITY」は映画主題歌タイアップもあってか明らかに「OCEAN」と今作みたいな曲という要望を受けて書き下ろしたっぽい曲になっていてどこか似通った雰囲気を感じた。
MVでは本郷奏多が復活し、本田翼(ブレイクの遥か前で髪もロングの少女なのでパッと見分からない)に会いに行くも最後は消えてしまうというストーリーが展開する。ストーリーがあった方が映える曲かもしれないとは思った。
★★★☆☆
16thアルバム『ACTION』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
44th SUPER LOVE SONG
2007年10月3日
初回盤DVD付、通常盤の2種発売。初回盤には『B’z SHOWCASE 2007 -19-』Zepp Tokyo公演で先行披露していた際のライブ映像を収録。このライブは翌年『B’z The Best “ULTRA Treasure”』のDVD付に収録され、さらに2010年には『B’z LIVE in なんば 2006 & B’z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo』としてBlu-ray化もされているが今作初回盤の映像とは同じライブだが編集が異なっているらしい。複数商法ではなく、タイアップも無かったが初動18万、累計23万と前作をしれっと上回る売上を記録(トップ10は3週だが登場週数は前作14週で今作12週)。
B’zらしいスーパーなラブソング。ただのラブソングではなくスーパーをつけるセンスは「ultra soul」にも通じるものがある。前作といいさすがに王道過ぎてマンネリっぽさを感じるようにもなってきたところではあるけどキャッチーで耳に残るシングルらしいシングル曲といえる。今作からアレンジャーが徳永暁人から寺地秀行に移行するという大きな変化が生じており、この成果が「イチブトゼンブ」へと繋がっていく感じはある。
★★★☆☆
16thアルバム『ACTION』
5thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
45th BURN-フメツノフェイス-
2008年4月16日
20周年を迎える年という事もあって1998年を踏襲した『ULTRA Pleasure』→『ULTRA Treasure』のベスト祭りを展開し、2008年シングルは今作のみとなった。前回と違い、今回は緊急収録とはならずに『ULTRA Pleasure』には選曲されず、投票5位となって『ULTRA Treasure』に収録された。初動は14万まで下がり、1位→6位→7位と少し持ちこたえる推移を見せるも累計もついに20万割れ(19.5万)となった。
KOSE「エスプリーク・プレシャス」CMソング。メイク魂に火をつけろ(FIREBALL)以来となるシングルでの化粧品タイアップ。今回はCMのキャッチフレーズ「不滅のフェイス」をそのままカタカナにしてサブタイトル及びサビ頭に使用するという大胆さが凄い。CMサイドは何かしらで入れてくれれば…くらいのニュアンスでさらっと要望してきたようだが、結局B’zサイドで面白がって全面採用してしまったようだ。メインタイトル「BURN」はサビ終わりに連呼で登場するが、この曲のインパクトポイントはサビ頭にあると思うので結果的に「BURN」よりも「フメツノフェイス」の方がフレーズが残った感じもある。最新作だったので票が集中しただけでその後もそんな上位人気を保っているとは正直考えにくい。曲自体はいつものB’z的なロックナンバーで『ULTRA Pleasure』→『ULTRA Treasure』での過去の名曲群と並ぶと普通な印象にはなってしまったところもある。
★★★☆☆
6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
グローリーデイズ
From 6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
2008年9月17日
2008年9月に開催されていた『B’z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-』のタイトルチューンとして書き下ろされた楽曲。「RUN」「Brotherfood」を始めとしてスタッフやファンを含めたチーム全体を称えるような内容の曲はこれまでもあったが、周年記念でこれまでを総括するような記念ソングはあえて避けているのか、今作は部分的にはそれっぽいんだけどラブソングの色が強くやはり明確に20年を振り返る感じにはなっていない。ベストアルバムに新曲が収録されたのは初だった事もあり、それが20周年というタイミングだった事もあって曲調やタイトルからは20年歩んできた重みは存分に感じられる1曲になった。
★★★☆☆
いつかまたここで
From 6thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』3CD盤のみ
2008年9月17日
もう1曲の新曲だが、CD+DVD盤には収録されず、3CD盤にのみ収録されるという複数商法によるもう1曲だった。特典や映像を使った事はあるが楽曲を複数商法に利用したのは初でB’zがついにそこに手を出したか…とけっこう衝撃だった。当時CD+DVD盤を購入し、この曲は友人に貸してもらって聞いたんだけど、後年買い直してCD+DVD盤を売却、3CD盤が現在手元に残っている。DISC-3にはこの1曲のみが収録されており、期待された隠しトラックも何もなし。歌詞はトレイ下に記載されている。
1ヶ月後の10月から12月まで放送されたテレビ朝日のドラマ『小児救命』主題歌。今作の方が20周年を迎えてのファンへの感謝を主軸に置いた歌詞になっていて歌詞は20周年っぽい。曲調はオリエンタルな雰囲気のミディアムナンバーで同年15周年を迎えていたDEENの新曲「明日へと続く道」もオリエンタルっぽさがあったので、全く音楽性は異なるけど何か2008年に20周年、15周年を迎えた時に作る新曲としてどこか通じるものがあるのかとなんとなく感じたのを記憶している。確かNHKだったかB’zの特番ドキュメントでギターソロの細かいところをどう行くか何度もやり直しているTAKの姿を見た記憶があるんだけどこの曲のギターソロだったような…。
★★★☆☆
46th イチブトゼンブ/DIVE
2009年8月5日
1年4ヶ月ぶりのシングル。『ULTRA Treasure』に新曲2曲を用意していたのでそこからは11ヶ月ぶりの新曲となるがシングルが1年以上リリースされなかったのは初だった。公式に2度目の両A面扱いとなったが、『ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~/MOVE』の時と違い、今回は「DIVE」も比較的扱いが良くA面扱いされていた。またC/W(3rd beat)も収録されている。
先に発表されていたのは「DIVE」だったが、「イチブトゼンブ」が月9主題歌となる事は大々的に発表され、主に「イチブトゼンブ」に引っ張られる形で大ヒットした。
初動18万枚は前作から多少回復した程度だったが1位→3位→2位→4位→3位→4位→5位→5位と8週もトップ5に居座るロングヒットを記録。通常だったら100位以内ランクイン週数になっているような数字である。6~10位にならないままトップ10落ちしていったので、8週連続トップ5入り=8週連続トップ10入りとなり、8週連続トップ5入りは自身最長記録を更新、8週連続トップ10入りだと初期には及ばず『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』以来という事になる。時代が時代だけに数万で刻む形となり、累計は38.0万枚でかつてを思うと数字的なしょぼさはあるものの、2009年の年間チャート6位であり、Jニーズ商法が占拠し始めた時期に最上位級に食い込んだ大ヒット作だった事が分かる。
また2001年「ultra soul」→2005年「OCEAN」→今作と4年おきに大ヒットが生まれるというオリンピックのようなサイクルヒットとなったが、2013年はシングルリリースが無くベスト盤のみに留まった事でこの記録(?)は終了している。
イチブトゼンブ
フジ月9ドラマ『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』主題歌。試合で実力を発揮できずにいるプロバスケ選手の山下智久とバイオリニストを目指す北川景子による当時23,4歳くらいの若者のストレートな王道月9的なラブストーリー。B’z初の月9主題歌としてB’zサイドでも新曲告知の際に公式サイトでド派手に今作のイントロ部分を流す仕様で派手に煽り、ドラマでもバスケしているOP映像に合わせてしっかり主題歌として毎回使用されていた上に、盛り上げどころでも使用されていたので強く印象に残る扱いだった。展開に合わせて挿入歌としてスローな「イチブトゼンブ-Ballad Version-」も使用され、これは次回作の3rd beatに収録された。
今回はいつものバンドメンバーではなくベースはRacer X, the Mars Volta,Marilyn Manson等で知られるホアン・アルデレッテ、ドラムはRed Hot Chili Peppersのチャド・スミスが参加。リズム隊を変えた影響や徳永暁人から寺地秀行にアレンジャーを変えた影響が出たのかは不明だがここ数年の安定感、ややマンネリ感漂ういつものB’z以上になかなかなってこない印象を吹き飛ばすような突き抜けた勢いの1曲。ド頭から印象的な分厚いギターサウンドとキャッチーなメロディーでドラマ主題歌としては完璧だった。間奏部分のギターがリズミカルなのも印象的で、ジャッ・ジャーラジャージャラージャージャージャッ・ジャーラジャージャラージャージャーが普通にジャーンジャーラジャージャラージャージャージャーンジャーラジャージャラージャージャーだったら普通だったと思う。ジャッ・ジャーラだったからリズミカルさが生まれた。B’z健在っぷりを改めて世に示す会心の一撃的なヒット曲になっただけのことはある名曲だったと思う。底力を見た。
今作発売当時はマジでしんどい活動停止寸前の状態だったんだけど、ドラマの爽やかさと今作の突き抜けた勢いはほとんど唯一の清涼剤として印象に残っている。久々にシングルCDを衝動買いしたなぁ…。
★★★★★
17thアルバム『MAGIC』
47thシングル3rd beat(Ballad Version)
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
DIVE
スズキ「スイフト」CMソング。こちらの方が先に発表されていたが、さすがに月9主題歌として派手に宣伝された「イチブトゼンブ」が凄すぎてかなり印象が霞んでしまったのは否めない。それでもやはり今までとは少し違う新鮮な勢いはあると思う。ラララを連発しながら畳みかけるサビのキャッチーさは圧巻。2006~2008年と少し下り気味な印象だったのが一気に持ち直した感がある。
『MAGIC』収録時は冒頭のスローサビ部分がカットされて短くなったが、元々3分18秒とあっという間に駆け抜けていく短い曲だったのにさらに短くなり3分ピタリとなった。
★★★★☆
17thアルバム『MAGIC』(イントロスローサビカット)
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
47th MY LONELY TOWN
2009年10月14日
前作から2ヶ月、アルバム『MAGIC』の1ヶ月前先行シングル。『SUPER LOVE SONG』以来となる初回盤DVD付となり、今回は初めてストレートにMVが収録された。軍艦島で撮影されたMVが話題となるもTV出演等のプロモーションは行われなかった。初動18万と前作と変わらない好調な出だしだったが、8週目には100位圏外といういつもの推移に戻り、累計は23万枚。それでも2008年から大いに持ち直した2009年となった。
大ヒットの後だったが、今作もなかなか負けないメロディアスな部分が際立った1曲だった。みんな1つになろう的な曲がありふれる中で人はバラバラである事を忘れてはいけないだとか笑い合う仲間同士でもわかりあう事は不可能である事に言及して“ひとりずつみんな歩いている”事を歌った歌詞は真理だと思う。
前作に続いて突き刺さる1曲となり、今年のB’zは一体どうしたんだなんか超覚醒しているぞ…と個人的には大いに持ち直した印象の1年になった。2007年頃より徳永暁人を離れてメインアレンジャーが寺地秀行に交代した事による好影響がここで一気に出てきたのかなという印象ではあった。2008年よりライブのベースサポートはバリー・スパークスに代わり、2002年より固定サポートになっていたドラムのシェーンと共に以後2018年まで10年間、歴代最長のリズム隊サポートとして活躍した。
当時行っていた年末投票でも楽曲とアルバムを制覇し、今作に関しても楽曲4位に食い込んでいたので少なくとも当サイト周辺での評判も高かったようだ。
35年ぶりに解禁されたという軍艦島で撮影されたMVだが、この当時よりさらに荒廃が進んでいると思われ、貴重な映像になった。
★★★★☆
17thアルバム『MAGIC』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
48th さよなら傷だらけの日々よ
2011年4月13日
『MAGIC』発売以降、2010年は完全にソロ活動に集中したため、B’zとして初めて一切の新作リリースが無かった。稲葉はソロシングル、アルバム、ツアー、松本はLarry Carlton & Tak Matsumoto名義でアルバムとツアーを行った。久々の活動再開作として3月30日発売予定だったが3月11日の東日本大震災により、CDリリースどころでは無くなり、4月13日に延期された。「ペプシネックス」CMタイアップとして3月1日よりOAを開始。今回はメンバー自ら出演、実質ほぼペプシとB’zのPVのようなCMとなっていてかなり曲が馴染んだ段階でCD発売のはずだったが、震災以降のCM自粛傾向によりCM枠がポポポポ~ンしてしまう事態となり、延期して発売する頃には緩和されていたものの、まだまだ平時に戻り切れない状況の中での発売となった。初動13万、累計17.7万と『BURN-フメツノフェイス-』をじんわり下回る推移となった。
徐々に新作CD発売が再開されて少しずつ動き始めた頃の発売だったので、今作のタイトルや曲調は心情的にとても励みになった。当然最初から意識していたわけではないと思うし、むしろ平時であれば新生活開始のタイミングでちょっと大げさな…傷だらけってほどではなかったよ…っていう人もいたんだろうけど、この時ばかりはこんなに頼もしい言葉はなかった。最初から意識してのチャリティーソングではなく、結果的に偶然にも状況にピッタリハマった“震災以降の世界”の始まりの思い出深い1曲になった。
★★★★☆
18thアルバム『C’mon』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
49th Don’t Wanna Lie
2011年6月1日
前作から2ヶ月のリリース。映画『名探偵コナン 沈黙の15分』主題歌、TV版でも映画公開の少し後4月30日よりOPとして使用されていた。映画は4月16日公開だったが、前作が延期の末に4月13日発売になっていたので映画に合わせて違う曲がリリースされるという珍妙な事態となり、やや遅れたズレたタイミングでの発売となった。
前週にリリースされていたAKB48は総選挙投票用シングルとして猛烈な勢いで売れる事が予想されており、2週目も油断できない事となり、焦ったB′z陣営はなんと発売日当日に初回限定盤、通常盤それぞれの包装ビニールについているシールを送付すると「Don’t Wanna Lie -Ballad Version-」が収録されたスペシャルCDを応募者全員プレゼント、初回限定盤のみのシールを送付するとB’z直筆サイン入り「Don’t Wanna Lie」オリジナルフラッグを抽選で100名にプレゼントという緊急キャンペーンを告知するというなりふり構わぬ手に打って出た。応募券など用意していないのでタイアップシールを応募券代わりにするという緊急っぷりであった。また今作の初回盤は前2作同様にMV収録DVD付というだけだったので初回盤だけ買えば全て揃い、そもそもコレクター以外は2種買う必要が無かったが、「Don’t Wanna Lie-Ballad Version-」入手のためには急遽通常盤を買い足し必須となり混乱を招いた。のんびりされても間に合わないので初動だけに集中させた6月5日締め切りという超短期間募集だったが結局12日まで延期された。
この効果により初動16.9万、累計21.6万と前作を上回る推移となった。AKB48の2週目は心配には及ばず11万程度まで落としていたので、前作の初動でもなんとかなっていて、キャンペーンなしでもなんとかなっていた可能性は高い。さすがに協力してくれたファンに申し訳なかったためか「Don’t Wanna Lie-Ballad Version-」はこの時だけの幻の音源となり、安易に配信やボーナストラック収録等に利用したりもしなかった。
自身の内面での葛藤にケリをつけて進んでいこうともがく歌詞もいいし、曲も迫っていくような勢いがあっていいにはいいんだけど前のコナン主題歌だった「ゆるぎないものひとつ」の焼き直しみたいな印象が強くてなかなか印象が上がってこなかった。(会社側が)必死な商法をやったシングルというイメージの方が強く残った感がある。
★★★☆☆
18thアルバム『C’mon』
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
50th GO FOR IT,BABY-キオクの山脈-
2012年4月4日
前作から10ヶ月ぶりで2012年唯一の新作。初回盤DVDはMVだけでなくライブ映像も3曲収録されてグレードアップされた。今作はアルバムへは続かず、そのまま翌2013年25周年のベスト盤収録のみとなるばかりか、継続してのシングルCDリリースも今作を持って途絶えた。AKB48一派とJニーズがひしめく中で隙間を縫って1位を狙うのはかなり至難となってきていた。初動14万、累計18.7万枚とほぼキープの推移。
前年に続いての「ペプシネックス」CMタイアップで引き続きメンバーも出演。過去を越えて行けというメッセージをキオクの山脈に例える歌詞は秀逸だとは思うんだけど、さすがに安心安定のずっしりとした重量感のあるいつものB’zナンバー以上の印象にはなかなかなってこなくなってきた。大サビではシングル初の松本の単独歌唱が聞けるのは今回の最大のトピックだが、割とナチュラルに歌い出したので驚いた。1999年に歌った時よりちょっとカッコよくなっているような…。
★★★☆☆
8thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1999-2012』
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