6th 負けないで
93年1月27日
初登場2位から4週目に1位を獲得。160万枚を越えシングル最大のヒット作となった。PODH品番で発売された最後のシングルでもあるが、今作は特に大ヒットしたためか1年後に再発されたB-Gram盤もそこそこ出回っている模様。今作までのシングルはポリドール盤(PODH)、B-Gram盤(BGDH)と8センチCDが2種ある。
今作から男性メンバー4人の名前が消失。といっても当時他のビーイング系でもシングルではメンバー名が表記されたりされなかったり、ジャケットはボーカルだけだったりすることも珍しくはなく、今作では最後のTV出演もしていたのでバンドという認識は後年よりもまだ強かったと思われる。
最初の品番はPODH-1137だが、CD内周部に書かれているロット番号が「PODH-1137-1M-V」「PODH-1137-2M-V」「PODH-1137-3M-V」までの3種が初期ミックスとされており、それ以外全てのシングル盤(PODH-1137のそれ以外のロット、BGDHのB-Gram再発盤全て)、収録アルバム全てがリマスターの差はあるが差し替え後の現行音源である。
今作ではさらに中の歌詞カードも途中で差し変わったらしく、初期版(左)にはZARDロゴの下に英文が書かれている。後期版(右)にはこれがなく、歌詞が始まる位置も大幅にズレている。
大ヒットしただけに大半が後期版と思われるが、それでも1M、2M、3Mというロット番号からして3度目の増産までは初期ミックスだったと思われ、なんだかんだ数十万以上は出回ってはいたと思われる。根気よく中古を探せば比較的見つけられる…かもしれない。中古屋巡りが趣味でよく8センチCDがある店を複数回っているくらいであれば1,2年に1回くらいは見かけるんじゃないかなーというような体感はある。
負けないで
作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
ドラマ『白鳥麗子でございます!』主題歌。タイアップ先のドラマも当時は人気だったらしく、実際続編も制作され映画化まで行っているのだが、ドラマは語り継がれている気配が全く無く忘れ去られてしまっているようだ。この曲が取り上げられるのは「負けないで」を毎年使う日テレやMステの映像を持つテレ朝ばかりになった。
そんなわけで現在は日テレ系『24時間テレビ』のマラソンクライマックス曲になってしまっている。マラソンランナーのゴールが近づくと必ずこの曲が歌われ、その後「サライ」でエンディングというのが夏の終わりの様式美となって久しく、もはや新たな世代にはZARDより曲が先行して知られている勢い。実際06、07年頃に小学生低学年か、もしくは幼稚園くらいの女の子がこの曲のサビを歌詞も間違えずに完全熱唱しながら歩いてくる場面に遭遇したことがあり驚いた。この子の場合は親がZARDリアルタイム世代だったんだろうけど、やはり語り継がれていくのはこの曲になるのだろう。
応援歌としての印象が強いもののサビ以外の歌詞は正直何を歌っているのかよく分からない。一貫して応援歌という歌詞ではない。今宵は私と一緒に踊りましょと言われてもちょっと困惑…。
なお86年のDaryl Hall「Dreamtime」とは主にイントロのアレンジが酷似しているがあまりにそのまんますぎて隠す気が無さそうなので完全に狙ってやっているものと思われる。ただしデビュー曲が公式にもポリスの曲名まで出して元ネタだと堂々名言しているのに対して今作は公式には何かを参考にしたとは明言していない。下記視聴部分はそうでもないがイントロ部分が割とそのままなのでサブスクある人はイントロ部分を聞いてみるとあからさまな元ネタ感があって面白い。
初期ミックス(1M,2M,3M)は数々の隠れミックス違いの中でも「Hypnosis」と並んで入手しがいがあるというか一聴して違う事が分かるくらいには違う。初期ミックスはまず音量が異常に小さいというのもあるが、音色で最も分かりやすいのはドラム。差し替え後のドラムは全体に硬く機械のような打ち込みっぽいドガドガ音だが、初期ミックスは柔らかくポムポムした響きで生ドラムっぽい質感になっている。一部では初期ミックスは生ドラムだったが差し替えて打ち込みにしたとも言われているが、同じドラムをミックスで音色を変えただけなのか本当に生ドラムを打ち込みに差し替えたかは不明。
個人的に硬い感じのオリジナルよりも初期ミックスの方が好きなんだけどいかんせん音が小さい&こもり気味であまりよろしくないのが惜しい。初期ミックスをリマスターしたやつをいつかレア音源として公式発売してほしい。というかデカい写真集とかP監修で発売しまくるよりそういう音楽的な蔵出し音源をさぁ…。
★★★★☆
4thアルバム『揺れる想い』
1stベスト『ZARD BEST The Single Collection~軌跡~』
ライブアルバム『ZARD Cruising&Live~限定盤ライブCD~』(ライブ)
9thアルバム『時間の翼』(Gomi’s 10th Anniversary Special Mix)
3rdベスト『Golden Best 15th Anniversary』
4thベスト『Request Best~beautiful memory~』(’07 Live Ver.)
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
5thベスト『ZARD Forever Best~25th Anniversary~』
C/W Stray Love
作曲:川島だりあ、編曲:明石昌夫
ダークロック路線からC/Wでも路線変更。かなりド派手なロックバラード。『ZARD BLENDⅡ』で初めて聞いて以降も長らく印象があまりない曲だったのだが、時の経過と共にけっこういいんじゃないかと思えてきた。アウトロでもエレキギターがソロを弾いているし、かなりロック色が強い。ただサビ不在でAメロとBメロだけみたいな印象もあり、その辺がイマイチ印象が薄い理由だろうか。
初期ミックス(1M,2M,3M)と差し替え以降では「負けないで」ほどではないがこれまたけっこうな違いがあり、初期ミックスはかなりドラムサウンドがド派手に響き渡るが、差し替え以降では割と抑えた感じになっている。「負けないで」は差し替え後の方がド派手な印象になっているので逆の傾向で差し替えミックスが行われていたようなイメージ。
★★★☆☆
2ndセレクション『ZARD BLENDⅡ~LEAF&SNOW~』
1stBOX『ZARD PREMIUM BOX 1991-2008 Complete Single Collection』
2ndBOX『ZARD SINGLE COLLECTION~20th ANNIVERSARY~』
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