3rdSg Memories
1993年9月22日
前作から2ヶ月と早いペースでのリリース。ジャケットは池森ソロショット。ソロジャケットは3作目にして初となったが、DEENのジャケットは以降は池森ソロショットである事が多い。裏ジャケットでは前作同様に4人が向き合っているが前作よりも仲の良さを示すかのように4人とも笑顔を見せている。しかし相変わらずこの4人の名前は教えてくれない。
8月一杯で前作が急速にチャートアウトしていってすぐに今作が出てきたような流れとなり初登場4位を記録。初動売上は8万枚と前作を上回った。3週目に1度11位に落ちるも4週目に再度トップ10浮上して合計4週トップ10入り。100位以内は16週で前作同様だったが最終的には45万枚で前作を10万以上下回った。高い売上をキープしていた7thまででは唯一の50万割れ。
Memories
作詞:池森秀一・井上留美子、作曲:織田哲郎、編曲:葉山たけし
初めて池森が作詞に参加。共作しているのはCRYSTAL WARSのボーカル井上留美子で1992年デビューで2枚のアルバムを出すもこの年の7月の2ndアルバムが最後だった。DEENには今作のみだがMANISHの作詞には複数参加していた。
前2作から打って変わってアップテンポでC/Wの方向性に近いブラック風味の楽曲でバンドっぽさもない。毛色が違う曲だけにこの曲から好きになったとか、この曲が1番好きというファンはあまりいないんじゃないかなと思う。織田哲郎の作曲というのも驚きで一連の当時の織田哲郎のヒット曲とも雰囲気がだいぶ違う。バラード2連発の後で少し方向性を変えたという事だとは思うんだけどビーイング王道っぽい爽やか方面に行かなかったのは池森ソロプロジェクトの方向性に少し寄せようとしたのだろうか。
王道ではない毛色の違いを楽しむ曲といったポジションの1曲で正直この路線ばかりだったらどうだったか…。化けるのはライブだったと思う。打ち込み全開のナンバーであったため、バンドでやる際にはかなり大胆にアレンジを繰り返し、セルフカバーが発表される遥か前の90年代のうちからライブでやるたびにアレンジが進化していた。『Power of Love』C/Wに入っている横浜アリーナのライブ音源もなかなかカッコいいが、Break5でもかなり激変したアレンジで演奏していた。
また間奏に入っているラップパート、CDは謎の声が左右に割り振ってラップを展開しているが、ライブでは池森自らやる事になったが譜面が残っていなかったので耳コピしたと後年語っている。それ以外の女性コーラスなんかは大黒摩季っぽいが正式にクレジットはされていない(1stアルバム『DEEN』では一括クレジットで大黒摩季のコーラス表記はあるがどの曲なのかは書いてない)。キー下げ以降はキセキVersion(2005)、2007アレンジが立て続けに制作されたためラップパートを歌う事も無くなり(2007では事務所の後輩にラップを任せていた)、原曲キー復活以後原曲アレンジでの演奏が再度増えてからもラップパートはやらないままになっている。30th Studio Live Ver.でもなんか加工されたボイスでラップが展開しているがこれは池森さんの声を加工したものなのかなんなのか良く分からない事に…。
ライブの最定番曲として2000年代後半まで君臨していたが、2010年の武道館では演奏されず、続くリゾートライブ、Break15ツアーでも演奏しなかった。同年ファン投票を参考にして選出された『ALL TIME LIVE BEST』でまさかの落選となり、実は不人気だったことまで発覚するなど踏んだり蹴ったりな2010年を経て、最定番の位置からは少し外れた感じになった。
★★★☆☆
1stアルバム『DEEN』
1stベスト『SINGLES+1』
20thシングル『Power of Love』C/W(Live at Yokohama Arena 19991211)
3rd(セルフカバー)ベスト『The Best キセキ』(キセキ Version)
4thクラシックスシングル『Classics Four BLUE Smile Blue』(2007)
4th(クラシックス)ベスト『The Best クラシックス』(2007)
5thベスト『PERFECT SINGLES+』
6thベスト『DEENAGE MEMORY』
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~』
9thベスト『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』(Studio Live 30th Ver.)
全音源/映像解説
C/W FOREVER
作詞作曲:池森秀一、編曲:大島康祐
「DREAMIN’」と同じ大島康祐によるスパコン黒森ナンバー。スパコン感はやや弱めだが特有の跳ねた感じは健在。トラック含めて聞けば聞き込みがいがあるけど、「Memories」以外のシングルの印象からすると圏外のような方向性なので馴染むのに時間がかかった。表題曲に続いて今作も失恋ソングとなり、消えやしないMemories♪とか引きずりまくってた直後にFOREVER 信じてたのに♪とかこの流れで聞くと未練増し増しになるという仕様。1stアルバム『DEEN』では「広い世界で君と出逢った」と進行形のラブソング直後にこの曲という落としっぷり、『Another Side Memories~Precious Best~』においては今作の後に「さよならも言わないで~Rain~」と続くため、収録タイミングいずれも失恋をダメ押しするか幸せでも一瞬で突き落とすかしかない。
初期C/Wで今作のみ1stアルバム『DEEN』に収録されたため、恐らく知名度だけなら抜群に高い。1994年の学園ライブではなんとアンコール1曲目で演奏していたらしい。以降は全くやらなくなっていて映像も無かったが発売から20年近く経過してから2011年の「DEEN LIVE JOY-Break15~History~」、2014年「マニアックナイト」、2017年の「DEEN LIVE JOY-Break20~Sun and Moon~」のベストofマニアックナイトでいずれもメドレーの1曲として披露された映像が現在は残されている。
★★★☆☆
1stアルバム『DEEN』
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~』
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