世にも奇妙な物語 35周年SP 秋の特別編

2025年11月8日放送。

5月の前作がたぶんフジテレビスポンサー拒絶問題で制作できずに全編再放送になってしまったが、今作ではかろうじて3本新規制作、1本はまた再放送となり、元に戻しきれなかった。35周年がこんなんでいいのか、35周年なんで傑作選を理由に再放送に逃げられたから35周年で良かったのか…。

止まらなければ生きられないゲーム

山田涼介主演。

友人の会社の保証人になっていたものの倒産して逃げられ、被害者からの暴行で病院送りになってしまった徳永(山田涼介)。1億円の借金を抱える中で病院で謎の「だるまさんがころんだ」ゲーム参加状が届き、参加する事にする。耳の中からランダムに「だるまさんがころんだ」の声が聞こえ30秒静止して成功するとその都度振り込まれていくことが判明。30だった数字がカウントダウン式になっていた事から当初はゲーム回数だと判断していた徳永だったが…。

逃げた友人稲垣(渡辺大知)と再会し、稲垣も参加していた事が判明。稲垣は目の前で失敗した参加者が死ぬのを見たと言い、カウントは参加者の人数、つまり減っているのはそれだけ失敗して死んだからだと真のルールを語る。当初は2人で成功しようと考えていたが、稲垣はまだ10人を割った程度の段階で最後の1人になるまで続くのではと考えて早めに徳永を消そうと「だるまさんがころんだ」コールが入った直後に道路に徳永を突き飛ばして交通事故で殺そうとしてきた。車が回避してくれたので助かった徳永は激怒して掴み合いになるがこの際に「だるまさんがころんだ」コール、ちょうど段差のあるところにいた稲垣はバランスを崩して倒れてしまい失敗。しかし失敗で殺されたというよりそのまま倒れて別の石垣に頭打ちつけて死亡という事故死だった。

逃げた徳永は自宅に帰るが妻のユノ(柳ゆり菜)が離婚を突きつけてきた。感謝を告げて観念した徳永だったが「だるまさんがころんだ」コールが入った直後にユノが重度の桃アレルギーである徳永の口に桃をぶち込んできた。30秒耐えてゲームには勝った徳永だったがアレルギーでそのまま死んでしまう。実は参加者だったユノが勝利して最後の1人となり、棺桶インした徳永でBAD END。

普通に恋人かと思ってたらそうかもう山田涼介も普通に結婚している30代男性の年頃になったのか。離婚届出てくるまで同棲しているだけの恋人かと思ってた。なんか家事している様子も無く、家の中散らかり放題になってたし、1億借金だけが離婚理由じゃないよなコレ。

主催者や判定人が不在、殺し方や他の参加者も出てこなかったのでそもそも最後の1人になるまでというのも稲垣判断でそのルールが本当だったのかも分からない。徳永がもだえ苦しんでいるもののまだ生きているうちに「GAME OVER」表示出ちゃってたし、判定ガバガバなのは…。ていうかユノが30億もらったのかも不明なんだけど…。

一応冒頭で被害者からの暴行を受けていた徳永を見ていた女、徳永を眠らせて耳にカプセルのようなものを仕込んでいた看護師、その後も1度遠くから見ている…という主催側と思われる女(えなこ)は意味深に出てきたが、意味深なだけで最後は出てこないし、何だったのか。

あなた博物館

川口春奈主演。

山中をドライブで彼氏の健介(笠松将)と道に迷った美咲(川口春奈)。ふいに見えた館で道を聞こうとするが出てきた支配人(螢雪次朗)はここは「あなた博物館」だという。美咲は自身の幼少期の資料展示に不信感を抱くが、マイペースに進んでいく健介。健介の過去の彼女展示が出てきた辺りから様子が怪しくなり、健介の隠し部屋では完全に不穏な空気に。健介は連続女性殺害犯であり、美咲との出会いもロックオンしての偽装されたものだった。

完全にサイコさんの本性を見せて仕上げとして殺しにかかってくる健介に抵抗した美咲は決死の行動で逆に健介にナイフを突き立てて倒す事に成功。しかし扉の先は何故か外で(2階だったはずなのに)、車の元に戻った美咲はここで車を出た直後にスタンガンアタックで健介に襲撃された事を思い出す。離れた場所では健介がを掘っており、傍には刺されて瀕死の美咲本人の姿が。支配人が再登場して「人はこうして死の間際に自分の人生を振り返るものなのです。それがあなた博物館。」と走馬灯を言い換えたオチで美咲が死亡、行方不明扱いで健介は逃げおおせたままBAD END。

かなり早い段階で健介の様子がおかしく、出会いの回想(好きな本が一緒で意気投合)の時点でストーカーサイコ野郎確定、博物館の内容が走馬灯なのもミエミエだっただけに逆転を期待していたのだが、まあ走馬灯な時点で死は確定なのか。殺し返すBAD END回避からの結局刺されて瀕死で見た夢でしたBAD ENDはなんともやりきれない。

七階闘争

伊藤淳史主演。

森崎(伊藤淳史)は特にこだわりなく7階に住んでいたがある日市の職員から退去してほしいと言われる。近頃7階で凶悪犯罪が多発した事から政府が全ての7階の撤去を決定、7階を爆破して一段落とすというアホみたいな施策が施行されるという。7階落としたんじゃ8階が7階になるだけなのでは?というまっとうなツッコミも通用しない「国が決めたから」と7階が犯罪者集団と信じ込んだ狂った民衆。それでもさほどこだわりは無かったが会社の隣の席のカワイイ後輩並川さん(与田祐希)が7階にこだわっている事が判明。誘われるままに七階闘争に参加する事になる。様々な工作活動を通じて並川と心通じる楽しい時間を過ごした森崎だったがリーダー格のオッサン(西田幸治(笑い飯))が逮捕されてしまい七階闘争も解散。追い込まれた森崎は10階への転居を決断するが、並川は7階と運命を共にすると宣言し、一緒に生きたいと告白した森崎の言葉も届かず森崎は淡く失恋並川は行方不明になってしまった。

7階がすべて撤去された後、他の階で犯罪が多発し始め、7階再評価ブームへと世論は変化。7階の犯罪率はゼロになったので7階が安全じゃないかと平然と言ってのける市民(7階を無くしたのだからゼロは当然なのに分かってない)。アホな民衆の流されるままの思考停止っぷりを目の当たりにした森崎は静かにあの七階闘争の日々を思い出して1人戦線に復帰、かつて並川と行った工作活動に身を投じ、その姿のバックにどこからともなく並川からの感謝のナレーションが聴こえてきてTHE END。

ぶっ飛んだ設定のコメディだが、いわゆる“世間”への強烈な風刺が効いていてその点では凄く皮肉に描かれていて面白かったとは思う。2020年以降の世界変異やフジテレビ自身も世間に猛烈に批判されたのを踏まえるとブラックジョークが凄い

ただ並川がどうなったのか曖昧なのとなんか終わりそうでダラダラ続いたオチが静かに1人戦いを再開するも中途半端にそのまま終わるというゴールが無いまま終わった感じがなんとも微妙。

ハッピーバースデー・ツー・マイホーム

1991年12月26日放送『冬の特別編』からの再放送。役所広司主演。

坂口(役所広司)、妻(岩崎良美)と幼い子供のために田舎にマイホームを建てた。父の遺品のスケッチブックに何故かこの家が描かれた絵を見つけたり、実家から食卓を再利用して使っていたがそこについていた傷が消しても何故か元通りになる不思議現象が発生。また坂口はやたらと食卓を愛す父(河原崎建三)が苦手でケンカの末に高校時代に家出、直後に父は病死してしまい後悔している事を妻に語る。

新居でのパーティーに遠すぎて友人全員にブッチされた日、消した傷がまた元通りになると同時に窓から風が吹き付け、外を見ると高校時代に死んだはずの父の姿があった。父は家の中には入れず外から見ている事しかできないらしいが、坂口は食卓をそこまで運んで父と対話してわだかまりをなくして父と和解。それから5年後家族も増えて幸せそうに暮らしている姿でEND。

幽霊が出てくる暖かみのある感動話…という事なんだけどなんだか最後までもう1つ世界観が掴み切れなかった。1991年という時代がそうだったのか、演技がヘタというわけではないんだけど、登場人物全員が「台詞を言って演技をしている」わざとらしさ感が強くてなんか自然じゃないというか。

あとタイトルの「ツー」→「TWO」なんで「2」なんだ?と最後まで謎だったんだけどこれもしかして「To」?この時代は「To」を「トゥー」と表記せずに「ツー」だったって事?(Happy Birthday To Youだったらハッピーバースデーツーユー)。1991年当時小学1年生だったけど何だかとんでもなく現代とは違う古い時代だったのを見せつけられた感じがするぜ…。この40代以上に見える役所広司がまだ35歳、岩崎良美なんか当時30歳だっていうんだからアーリー90’s辺りまでの人ってなんでこんなに老けて見えるんだろ。

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