13th Still

B00005EREJ
1999年7月28日
4thアルバム『LOVELY JUBBLY』への先行シングル。8月6日にTBS深夜で放送された一色紗英とロンドンを旅する特別番組内にてアビー・ロードでミックスが行われていた事も判明したが、シングルバージョンでその音源は採用されていない。一色紗英とは事務所が同じ(ボックスコーポレーション)、ポカリのCMに出ていたという縁があった(ただし「突然」の時は中山エミリに代わっていて、一色紗英が出ていたのは織田哲郎、ZARD、DEENの1992~1994年)とはいえ、当時音楽番組にすらもうほとんど出れなかったのによく実現したな…。

この番組、『FIELD OF VIEWと一色紗英のロンドン・ロックまるかじりの旅』だったという記述と『FIELD OF VIEWと一色紗英のロンドン・ロック音楽紀行』だったという記述の何故か2つがある。某所に上がっている番組全編の映像だと「FIELD OF VIEWと一色紗英のロンドン・ロック音楽紀行」とタイトルロゴが表示されており、エンディングで今作のプレゼント応募を告知している際の宛先でも「ロンドン・ロック音楽紀行プレゼント係」宛と表示されていて本放送でそうなっているのだから「音楽紀行」で決まりのはずである。FOVのWikipediaでも長年「音楽紀行」になっている。しかし一色紗英のWikipediaでは「まるかじりの旅」である。そして実は解散時のDVD『VIEW CLIPS~Memorial BEST~』に収録されているディスコグラフィーに掲載されているタイアップ情報では「まるかじりの旅」となっていてFIELD OF VIEW公式でも「まるかじりの旅」となっているのである。「まるかじりの旅」というタイトルは一体どこから出てきたのだろうか…。

ジャケットはスーツではなく革ジャンガラシャツというFOV史上最高にロックなスタイルとなっていて非常にカッコいい。イメージ的には「CRASH」がこれじゃね?

Still

作詞:浅岡雄也、作曲:FIELD OF VIEW、編曲:徳永暁人&FIELD OF VIEW
8月6日放送TBS『FIELD OF VIEWと一色紗英のロンドン・ロック音楽紀行』テーマソング、TBS系『ワンダフル』8月度エンディング。4thアルバムのシールには何故か『ワンダフル』タイアップのみ記載されている。
初にして唯一のバンド名義の作曲だが2012年にA,Bメロが新津、サビが浅岡の作曲だと浅岡さんがSNS上で明かしていた。転がるようなピアノが心地よく印象的だが、メンバーにキーボードが既にいないし、シンセのストリングスっぽい音もけっこう鳴っているので「めぐる季節を越えて」の頃ほど4人でバンドしてますという感じは無いが、この後はバンドサウンドからも徐々に離れていくので、バンドとしてのFIELD OF VIEWの1つの到達点のようにもなった傑作だと思う。

未練の思いを歌った失恋ソングだが、Aメロで主人公を徹夜続きの雑誌編集者(読みはマガジンエディター)と何故か具体的な職業に限定され、続けて”締め切りに追われる日々”と多忙であったのが別れを告げられた原因だとしているが、以後この雑誌編集者設定が生かされるような展開は一切出てこない。何故に職業を限定してしまったかだけちょっと意図が分からない。別に仕事で徹夜続きの多忙設定だけで職業など明確にしない方が広く共感を得られたように思うんだけど…。誰かモデルでもいたのか、別の職業を設定することで明確に歌の中の僕=浅岡ではない、歌詞はあくまで歌詞であり架空の物語だといった事を強調する試みだったのか。爽やかイメージだけじゃない事を示したいという意向は当時からけっこう語っていたしなぁ…。

解散後のat the BEING stuioに前2作が収録されて今作が収録されなかった(確か最初に発表されていた不確定な収録曲のラインナップには入っていた)のは提供曲中心の選曲に切り替えたためと思われるが非常に残念だった。

4thアルバム『LOVELY JUBBLY』の最終曲「Time is gone」終了後しばらく待っているとロンドンの雑踏の音がしばし流れた後にスタジオ内での英語の会話が始まり、ひとしきり喋った後にHere we goの声と共にABBEY ROAD MIXが収録されている。シークレットと言いながらもCDに貼ってあるシールに思いっきり収録されている事が書かれていた。

これはFIELD OF VIEWと一色紗英のロンドン・ロック音楽紀行』の行程の1つでアビー・ロードスタジオで現地エンジニアPAUL HICKSによりミックスされたバージョン。会話部分は主にPAUL HICKSが喋っていてメンバー(浅岡)が応対している部分と思われ、Here we goの声と共に曲が流れる部分は番組で放送されていた。1曲ミックスするのに相当な時間をかけたようで“8時間経過”という衝撃的なテロップがしれっと出てのHere we go、メンバーも満足してこれで行こうと言っているのに何故かさらにそこから“10時間経過”とテロップが出て+2時間でようやく完成。1曲にミックス10時間ってこれでいいって言ってるのにさらに2時間も何してたの?番組企画で来ていて他にも撮影あっただろうにマジで10時間メンバー4人こもりっぱなしでチマチマ続くミックス作業を見学させられてたのこれ?丸1日飛んでるじゃないか(一色紗英は差し入れ持ってきて見守るシーンが少し入った後は姿が消えている)。1999年ってまだそんな時間かかる時代だったのだろうか。なお『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』浅岡ライナーでは19歳だった記憶と書いているが番組内では24歳の若手エンジニアとして紹介されている。

そんな10時間ミックス(違)だが、エンジニアが違うと録音は同じでもこんなに違うのかというのを実感できる。どちらが好きという事ではないが、どこが違うのか分からないような微妙な違いの類ではなく、一聴して違いが分かるくらいに違うのでミックスという作業がいかに重要なのかが分かりやすい例だと思う。

「Time is gone」と繋がったトラックだったので、「Time is gone」を最後まで聞くか早送りしないと聞けない仕様だったが『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』ではこのABBEY ROAD MIXを採用して正式に収録された(雑踏の音からHere we goまでの会話は全てカット、表記はAbbey Road Mix)。
★★★★★
4thアルバム『LOVELY JUBBLY
4thアルバム『LOVELY JUBBLY』シークレットトラック(ABBEY ROAD MIX)
2ndベスト『FIELD OF VIEW BEST fifteen colours
3rdベスト『Memorial BEST~Gift of Melodies~
6thベスト『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』(Abbey Road Mix)

Still
The FIELD OF VIEW
2002/10/09 ¥255

Still
FIELD OF VIEW
2020/05/13 ¥255

C/W サヨナラ~Love is pain?~

作詞:浅岡雄也、作曲:浅岡雄也&小田孝、編曲:徳永暁人&FIELD OF VIEW
徳永サウンドっぽい低音の効いたアップテンポな失恋ロックナンバー。これまでの未練のみの失恋ナンバーとは少し異なっていて原因が主人公の1度だけの過ち(浮気?)であることが示唆されていて、やはり純情爽やかな好青年イメージから脱却しようという試みが垣間見える。この時期のC/Wとしては解散ライブで演奏されるなど扱いが良い。ノリがいいのでライブでけっこう盛り上がるタイプの曲であることが『FINAL LIVE“Live Horizon-SUPERIOR 2002”~Gift of Memories~』を見ると良く分かる。
★★★★☆
アルバム未収録

コメント

タイトルとURLをコピーしました