2010年自主レーベルloversoul music&associatesを設立してついに独立を果たした。流通はメジャーに委託して当初2010~2011年はフォーライフ(FLCL)だったが、2012年にはポニーキャニオン(PCCN)へと変わった。ポニーキャニオンはアンリミテッド時代の中期1999~2002年の販売元になっていた(当時はUNLIMITEDの頭文字から品番はPCCU)ので出戻りとなる。
その後も環境整備は続き、自社通販G-DIRECTを設立。G-DIRECT限定販売での43rdシングル『G4・Ⅱ-THE RED MOON-』。ミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』、アンソロジー第1弾『GLAY Anthology』などの発売も行ったが試験的なものだったのか、新作の発売はすぐに一般発売に戻り、一般発売と並行して別にG-DIRECT限定で特典をつけたり、『MUSIC LIFE』からはG-DIRECT限定盤を一般発売初回盤とは別に用意するようになってこれが恒例化して現在に至っている。
これまでもC/Wで一部セルフプロデュースを試みる事はあったが2012年佐久間正英との長年の共同制作体制を見直し、セルフプロデュースへと移行。2013年にはかねてから組んでみたかったという亀田誠治をプロデュースに招いたりもしたが、当初JIROのインタビュー発言にあるように「佐久間さんとやらない理由もない」と明言していて、再度佐久間正英を招く事もあるかのような見解を示していたが佐久間正英の病が発覚してしまったためか結局改めてもう1度組む機会はなかった。生前最後の1曲「Last Days」に呼ばれたメンバーも元JUDY AND MARYのTAKUYA、親類の生田絵梨花(乃木坂46)、ドラムの屋敷豪太、息子の佐久間音哉の4人で佐久間正英が病を公表して以降の一連の最後の活動の中にGLAYとの仕事は含まれていなかった。「DIAMOND SKIN」を病公表後の生前のタイミングでリリースしてこれがGLAY&佐久間正英の最終曲となったが、改めて組んだのではなく前年までに制作されていたストックと公表されている。佐久間正英は2014年1月に亡くなった。
亀田誠治のハッピーな人柄とやり方に好印象を抱いていたメンバーは「DIAMOND SKIN」との3A面の残り2曲「虹のポケット」「CRAZY DANCE」まではセルフで制作していたが、佐久間正英の死後2014年以降は今度は継続して亀田誠治を起用するようになり、現在までメインの共同アレンジャーとして起用し続けている(新たなアレンジャーとして亀田誠治と組んでそのままというのはスピッツど同じで休止前のSOPHIAもそうだったので亀田誠治はこの世代のバンドにとってよほどやりやすい人なのだろう)。スピッツが組んでいた笹路正徳にしても佐久間正英にしても名プロデューサーと呼ばれる人たちでその手腕は確かなものだが基本的に生真面目な音楽人であるが、亀田誠治はかなりハッピーな人柄なようで、亀田誠治と組んだバンドはみんな制作現場が楽しかったというような好印象を語る事が多いので、張り詰めがちな制作現場でもある程度楽しくなるようなそういう環境作りにも長けた人であり、過酷で激動な90年代を経験してきたバンドマンたちにとってはそういうところで新しい発見があるのかもしれない。実際亀田誠治はメンバーと一緒に対談に参加したり、現場で一緒に盛り上がっている特典映像が公開される事もあってノリの良さを見せている。
シングル市場の変化に伴い、複数A面が目立つようになり、収録内容もボーナストラック(別バージョンやライブ音源)が徐々に増えていった。
Apologize
2010年4月1日~21日(着うたフル無料配信)
現公式ディスコグラフィーでは“3rd Digital Single”として扱われている。3月29日にはGLAY mobile会員向けに先行で配信されていたらしいが、4月1~21日までの期間限定で各着うたフルサイトで無料配信されたという。着うたフルだけでPC配信はされなかった。着うた界隈は全く追っていなかったので…正直知らんかった…。
10月13日のアルバム『GLAY』に収録されたので半年も前に配信されていた事になるが、アルバム曲という印象しかなく、取り上げる想定でも無かったんだけど、”3rd Digital Single”と銘打たれている以上スルーするわけにもいかない。春の旅立ちを描いた楽曲でタイトルは謝罪を意味するが、今まで心配をかけた事に対する謝罪と感謝を込めたような内容。あっさりめのアコースティックサウンドにファルセット交じりの歌唱もあって全体にさらっとした仕上がりで、シングルCD表題曲になるような派手さは無いんだけど、さりげない良曲。
『GLAY』では次の曲と曲間無しで繋がっているが、元々のオリジナルは演奏終了後の無音の余白があったようで、『REVIEWⅡ』収録時は6秒ほど長く余白がある。
★★★☆☆
10thアルバム『GLAY』
アンソロジー『GLAY Anthology』(Acoustic live ver.)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT
42nd Precious
2010年9月8日
今作より自主レーベルloversoul music & associatesを設立。2005年以降UNLIMITEDと契約解除になってからも引き続きEMIからリリースしていたが、TAKUROの当時の発表コメントに”僕らのワガママを温かい気持ちと広い視野で受け止めてくれたFOR LIFEの皆さんには本当に感謝します。”とあるように流通はフォーライフが請け負う事となり、品番はFLCLになった。
初回盤はMV&メイキングとライブ映像2曲を収録したDVD付。
Precious
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
6thシングル「Yes, Summerdays」の時にタイアップ取得のために奔走したかつてのスタッフの1人である吉浜泰蔵による闘病の末に亡くなった妻と残された自身と子供達の様子を書いた自伝本「天国の薫 世界で一番キミが好き」を基にして書かれた泣きのミドルバラードナンバー。遺された男性視点で亡き妻への思いを泣きメロ全開で切なく歌い上げるという、最初から最後まで完全に泣かせにかかってくるド級の泣きバラード。15周年を越えて新規レーベルでの第1弾という事もあってか、前後の曲と並べても全盛期並のキレッキレのメロディーが素晴らしい。当時も評判が良く、当サイトの年末投票企画でも1位だった(2007~2018年まで毎年行ってGLAYの年間1位はこの1回限り)。
★★★★★
10thアルバム『GLAY』
アンソロジー『GLAY Anthology』(Ver. 2)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(ROCK AROUND THE WORLD Live ver.)
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
C/W HEART SNOW~心に降る雪~
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
冬の冷たい空気感が良く出ているミドルナンバー。2004年頃のストレートにいい曲路線のC/Wが戻ってきたような良メロ系。「Precious」が名曲過ぎたせいで当時はあまり印象に残らなかったが、このタイミング以外で出ていたらどの時期でも普段よりも好印象な曲になっていたんじゃないかと思う。
★★★☆☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』
C/W 彼女の“Modern…” (再録)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
3rdシングルの再録音。『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』での「誘惑」の再録音と同様にアレンジもほぼそのままで全く勢いが衰えていないパワーアップしたようなリメイク。唯一最後のサビ前のS・D・RをTERUが歌っていない(なんか芯の入ってないようなコーラス処理)ところだけちょっと残念だった。
なお4作リリースされた『rare collectives』シリーズの対象はこのシングルまで。2011年3月にリリースされた『rare collectives vol.3』『rare collectives vol.4』は2004年以降のC/Wとレア音源を集めた内容だったので今作以外のほとんど全ての曲が前レーベル時代の楽曲だったが、権利を全て買い取った後だったため、EMIやアンリミテッドの権利表記も無く、loversoul music & associatesからリリースされている。
★★★★☆
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』
C/W 10th ALBUM『GLAY』 予告編
前作に続いて次のアルバム『GLAY』のダイジェストトラック。前作よりは短く5分でまとめられている。配信ではカットされている。
シキナ
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英&DJ Mass
From 10thアルバム『GLAY』
GLAYのアルバムの1曲目ってけっこう気合を入れつつも新しさも感じる新曲で幕を開ける事が多くて好きなんだけど、前作『LOVE IS BEAUTIFUL』はシングル曲になってしまい、これより後は1曲目であってもあまり変わらず覚えていない曲が続くようになる。そんな中でアルバム1曲目にキラリ輝く存在として印象深い曲としてはしばらくは今作が最後だった。DJ Massを招いていて打ち込み中心のリズムになっているんだけどこのノリが心地よく、さらに流れるような良メロがさらっと乗っかっていくというありそうでなかった新鮮さとGLAYらしさが共存した1曲。『GLAY』というセルフタイトルを15周年を越えた今になって使用しての1曲目としてこの上ない曲だったと思う。
★★★★☆
アンソロジー『GLAY Anthology』(Demo)
アンソロジー『GLAY Anthology』(Jet the phantom mix)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(ROCK AROUND THE WORLD Live ver.)
43rd G4・Ⅱ-THE RED MOON-
2011年10月5日(公式通販G-DIRECT限定)
事務所を独立し、過去の楽曲の権利を自分たちで管理できるように全て買い取り、時間をかけて自給自足の体制を整えていっていたが、前作でレーベルも自主レーベルになり、今作ではさらにCDの流通も自分たちのみで行う形で公式通販G-DIRECTをオープンさせ、G-DIRECTのみでの販売。公式通販ではどうしても送料の問題が出てきて大手通販サイトと違ってDVD/Blu-ray付の作品が割引なしのガッツリ定価販売&送料でかなり割高になり(宅急便配送になって1000円弱かかるっていうコスパ激悪な発送方法、現在はヤマト運輸との契約を整えて330円/690円/875円の3パターンになっている模様)、公式通販で買うメリットが実際のところほとんどなかったがここでしか買えないとなるとここで買うしかない。G-DIRECTでの購入は正直なところ割高で不便なだけだったため、G-DIRECTって“GOLD(金)がDIRECTに懐に入ってくる”の意味なんじゃね?とも一部で揶揄されていた。
結果的にはこの後再度前作と同じ体制でレコード会社と提携する形で新作のほとんどが一般流通する体制に戻り、よほどのコアファンでない限りは利用しない公式通販となった。今作は集計対象外でチャート入りせず、配信でしか一般流通していない作品のままとなっているが正式なシングルとしてカウントされている。また当初公式に初日のデイリーで4.4万売れたと報告するなどO社のような数字を出していた。しかし3週間で5万枚とその後に発表しており、初日だけで4.4万出ていたのに2日目~21日目までで6000枚程度しか上乗せされていない事まで明らかにしてしまったり、「My Private”Jealousy”」の予約数が「Precious」の約11倍という謎な発表をしたかと思えば、最終的なO社の売上では「Precious」の方が売れていたりもしていて結局このような詳細は発表は無くなり現在は消されている。
『G4』に続く第2弾という扱いで4曲の新曲を収録。今回はメンバーが1曲ずつ作曲を担当するという初の試みとなり、前作の『G4』とは4曲入りという点のみが共通している。作曲者それぞれのジャケット4枚(裏が歌詞カード)という仕様で、1曲目がHISASHIの曲のため、HISASHIが単独でジャケ写を飾っている。今作をオークション等で検索するとTERUの「MAD BREAKER」をジャケ写として出品している人も散見されるがやはりフロントはボーカルのTERUだろうという事で入れ替えているのだろう。
今作以降はこの時期のみを対象としたC/W集やベスト盤の類で総括されていないため、当時のオリジナルアルバムに未収録になるとほぼそのままアルバム未収録のままとなっている。
everKrack
作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&佐久間正英
なんとHISASHI曲を1曲目に持ってくるという異色の展開。TAKUROは後に随分前からHISASHIの才能をもっと世間に出していきたいと思っていたとか、自身がメインライターを降りてメンバー作をメインに持っていくことを考えて準備を進めていたようなことを語っていたので、完全独立して自社通販限定という今作はこれは絶好の機会だったと思われる。
『EverQuest』というオンラインゲームの中毒者を意味するというHISASHIの趣味性の強いタイトルの付け方や歌詞も相まってデジタルサイバー感が強く、初期から見せていたHISASHIの趣味性がより磨かれて戻ってきた感がある。オウイエイと繰り返される掛け声、ピャーララピヤラ・ピャーララピヤラ・ピャーララピヤラと繰り返される電子音のリフ…とメロディーよりも奇抜さに耳を奪われるインパクトがある。ヒットはしないだろうし、そんなに好きではないんだけど気が付いたらけっこう覚えているタイプの1曲。確かに今作の中ではこれを1曲目に置きたくなるのは分かる。
『GUILTY』では音の響きがなんとなく違っているミックス変更。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
12thアルバム『GUILTY』(album ver.)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)
キリノナカ
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TAKURO曲は2曲目。初期の「TWO BELL SILENCE」系統の勢いのあるロックサウンド。王道なGLAYっぽさではあるけど、不倫をテーマにアダルトな雰囲気を加味させる事でベテランバンドらしさも垣間見える。それでも単独A面だとまあいつものGLAY…の範囲を外れないところ、今作の2曲目というのはいいポジションだと思う。さすがTAKUROという安心感もあるし、TAKURO以外のメンバー曲とも大きな差が無いとも感じられるし。
これも『GUILTY』では音の響きがなんとなく違っているミックス変更。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
12thアルバム『GUILTY』(album ver.)
MAD BREAKER
作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&佐久間正英
祈りを捧げるようなコーラスのイントロから一転して一直線でノリのいいロックナンバー。勢いが凄いわけでもメロディーがいいわけでもなくどうにも残りにくい。4曲の中でダントツで覚えてない曲になってしまったのはこの曲だけアルバム未収録のままになってしまったのが大きいとは思うが…。『GUILTY』に入っててもどうだったか。
★★☆☆☆
アルバム未収録
Ruby’s Blanket
作詞:TAKURO、作曲:JIRO、編曲:GLAY&佐久間正英
JIROの作曲だが作詞を本人が担当せずTAKUROが担当している。JIROの曲だがTAKUROっぽい爽やかロックな王道系。JIROがお気に入りだったがなかなか採用されなかった曲との事だが、機が熟すのを待っていてあえてなのだろうか。本人が自信作だっただけあってJIROの曲の中でも最もA面っぽい風格のある1曲だったと思う。
★★★☆☆
12thアルバム『GUILTY』
44th My Private “Jealousy”
2011年11月16日
今作はG-DIRECTで販売しつつも再度一般流通もするようになった。品番もFLCL-0001で始まった『Precious』以降の連番を引き継いでいて『rare collectives vol.4』通常盤FLCL-0008の次FLCL-0009、FLCL-0010となっている。DVD付にはMVとライブ映像を収録。
この後12月14日にミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』がリリースされたがまたもG-DIRECT限定となり、3ヶ月連続リリースのうち2作がG-DIRECT限定、今作のみが一般流通となったが、やはりそれでは良くないという事になったのかG-DIRECT限定での新作連投はしなくなった。
My Private “Jealousy”
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
一般発売されるシングル表題曲としては「Precious」以来という事になるが、“GLAYの新たな側面が感じられる作品”、“GLAYファンのみならず新しい世代の音楽ファンを掴む名曲!”と、ここに来てどうしたのかというくらいなかなかな売り文句で発売されたロックチューン。A、Bメロから一旦戻ってもう1回A、Bメロ、さらにCメロを経てようやく”Jealousy”を連呼するサビに到達するというサビ焦らし構成になっていて、サビに行くまでの期待感はかなり高く、徐々に盛り上がっていくんだけど、ようやく来たサビで極上のメロディーが聞けると期待が高まりすぎたせいかサビがフツーだった…。なかなかサビに至らないのが新しいといえば新しいのかもしれないし、何度も聞いていれば馴染んできて良くなってくる「VERB」系統の曲ではあったけど、ちょっと宣伝文句が盛りすぎだったのでは…。
今作では曲よりも流れてきたMVを見てTERUがちょっとずんぐりむっくりしていたのに驚いた。メディア出演も減っていたため久々に見る人が増えており、この頃より太っTERU、老けTERUと言われるようになったが、野菜屋(違)の時のV系っぽいメイクから『GLAY』の頃もちょっと長髪気味で30代になってもまだまだカッコいい雰囲気を保っていただけに1,2年で急に激変してしまったような印象で…(むしろ『GLAY』の頃は長髪で輪郭をごまかしていた?)。まあ年相応と言えば相応のオジサンではあるんだけど、3人はそんなに変わらず普通に年齢重ねてたからなぁ…。
『GUILTY』では事実上のOPナンバーとなり、その前にオーケストラのインスト「Red moon&Silver sun」が収録されているがくっつけて同じトラックに収録されたため、単曲ではアルバムに収録されていない。
★★★☆☆
単独トラックアルバム未収録
12thアルバム『GUILTY』(Red moon&Silver sun~My Private“Jealousy”)
C/W Snow Flake
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
抑えめの爽やか風味のポップナンバー。いい曲ではあるんだけど安心安定以上にならないのは一般発売では1つ前に当たる『Precious』C/Wで「HEART SNOW~心に降る雪~」を発表していたのでまた冬のC/W曲かという印象になってしまったのもあるか。
★★★☆☆
アルバム未収録
C/W 残酷な天使のテーゼ(We ♥ Happy Swing Live ver.)
作詞:及川眠子、作曲:佐藤英敏、編曲:HISASHI
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』OPとしてエヴァンゲリオンを全く知らなくても“エヴァの曲”として知られている高橋洋子(1995)のカバー。7月30,31日にに行われたファンクラブ限定ライブのメンバー1人1曲ずつカバー曲を選んで演奏する企画でHISASHIのリクエストとして演奏されたライブ音源。スタジオ音源は制作されていない。編曲がHISASHI単独になっているようにアニメ好きで知られるHISASHIが主導してライブでカバーする事になったようだ。TAKUROがリクエストしたのは自身提供のNANA starring MIKA NAKASHIMA「一色」、TERUは嵐「Love so sweet」、JIROはJITTERIN’ JINN「夏祭り」だったという。このDVD/Blu-rayは12月にG-DIRECT限定で発売されており映像化もされているようだ。
さすがに有名なリフはギターではなくサポートキーボードに任せているがTERUが歌えば何でもGLAYになるというのを証明するようなGLAY流テーゼ。違和感が無いのが凄い。
権利関係で問題があるのか、この音源は配信ではカットされており、CDでしか聞けない。
★★★★☆
アルバム未収録/未配信
Time for Christmas
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From ミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』
『G4・Ⅱ-THE RED MOON-』に続いてG-DIRECT限定で初のミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』が発売され、事実上の絵リード曲となる1曲目。JUJUがゲスト参加していて、2番では単独ボーカルも取っている。
クリスマスっぽい装飾を足したGLAYらしい爽やかポップな良メロナンバー。年末バラードシンガー(?)枠で頭角を現しつつあったJUJUとのコラボは話題性があり、JULAY(?)として普通に一般シングル発売すればいつもよりはヒットしそうな売れ線の曲だったと思う。何故にG-DIRECT限定でファンにしか聞かせなかったのかは謎が残る。後に『JUSTICE from GUILTY』C/WでClub mixでシングルカットされたが、一般発売がリミックスだけって。
★★★★☆
46thシングル『JUSTICE from GUILTY』C/W(Club mix)
君にあえたら
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From ミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』
アルバム最終曲でMVも制作されたもう1つのリード曲。東日本大震災を受けて書かれた楽曲でMVも被災した気仙沼市と復興に向けて活動する人々の様子が映し出されている。被災して亡くなってしまった様々な人への会いたい思いを切実に綴ったストレートな歌詞と後半にかけてどんどん高ぶっていく感情溢れる演奏に心揺さぶられる文字通りに魂の1曲。メンバーも泣いてしまいレコーディングもしんどかったと語っていた。
時系列ではこの後の『GUILTY』と同時期の「DIAMOND SKIN」が佐久間正英との最終作になったが、その『GUILTY』の最終曲として再度収録されたため、GLAYと佐久間正英の集大成の1曲という印象もある。君のかわりはどこにもいないという言葉など結果的に佐久間さんに対しても当てはまる部分が出てきた1曲になった。
★★★★☆
12thアルバム『GUILTY』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT
45th Bible
2012年5月23日
ミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』を経て今作以降はCDでG-DIRECT限定発売をする事は無くなった(後年アルバムで一般発売初回盤とは別にG-DIRECT限定盤を用意するのは定番化した)。DVD付にはMVとライブ映像、メイキングやインタビュー映像を収録。一方でフォーライフとの提携は今作で早くも最後となった。
Bible
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2009年の日産スタジアムでの伝説のライブ“HOTEL GLAY”の続編「GLAY STADIUM LIVE 2012 THE SUITE ROOM in OSAKA NAGAI STADIUM supported by glico」テーマソングとして書き下ろされた社会派(?)パンク調のロックナンバー。ピアノとボーカルのみで静かに始まり、一気にベテラン感皆無の若手バンドのようなパンク調のロックへと変貌する勢いに溢れた1曲。TAKUROはこの後のアルバム発売時のインタビューで“自分が思う音楽の完成度はこの曲で頂点を極めた”と語るどころかこの後は“なだらかな下り坂になるだろうなと言う予感があった”とまで語るほどの達成感があったという。実際この後本格的にメインライターを降りると公言して積極的に3人のメンバーにシングル表題曲を任せたり、『G4』シリーズを連発したり、しばらくは自身がメインライターにならないような活動方針を本格的に打ち出していた。TAKURO作曲でインパクトのある曲は確かにしばらくないかも…。
といっても当時は2ビートの若いノリをアラフォーのベテランバンドが今更やるの…?という感じはあったし、テロに言及したりと地球規模の社会派なスケールの大きな歌詞に戸惑いもあった。徐々にこれはこれで良かったのかもしれないと思えてきた。
★★★☆☆
12thアルバム『GUILTY』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)
C/W あの日の少年
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
初期のC/Wでもやっていたような良メロ系ミディアムナンバー。いい曲風ではあるが意外と残りにくく、似た系統のもっといい曲が多いので地味な立ち位置にはなってしまう。
★★★☆☆
アルバム未収録
C/W Thank you for your love
2011年5月5日(配信)
作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&佐久間正英
2011年3月11日の東日本大震災の後に被災者に向けてTERUがTwitterで個人で発表した弾き語り曲をGLAYとしてバンドサウンドを加えて完成させてチャリティー配信シングル(4th digital扱い)として配信。収益全額寄付を行い、配信を終了していた。アルバム『GLAY』の台湾盤が発売された際にボーナストラックとして収録していたが、日本国内ではここで初CD化となった。また公式で配信シングルにナンバリングがされているのは今作が最後となり、以降は掲載基準も曖昧(気まぐれ?)になってしまっている(表題曲の先行配信はともかく「元号」のような明確な配信シングルも掲載していない)。
ほぼアコースティックギターの伴奏を中心に進行するが最後のタイトルを連呼する部分で一気にバンドサウンドになる。厳かなチャリティー曲という以上の印象はないがTERUの実直さ、行動力が前面に出た1曲ではあるのかなと。バンドサウンドになる終盤時点でまだ3分に届かないなど基本的にはシンプルで短い曲だが、そこからのタイトル連呼しながらの演奏が長く、さらに演奏終了後にスタジオを出て去っていく音まで延々収録されているので6分20秒に達する。
★★★☆☆
アルバム未収録
46th JUSTICE from GUILTY
2012年12月5日
1998年『誘惑』『SOUL LOVE』以来となる『運命論』との2作同時発売。既にあまり話題にならなくなっていたが、シングルだけでなく、年明け1月の初の2枚同時発売オリジナルアルバムとなる『JUSTICE』『GUILTY』の1ヶ月前先行シングルとなるが2作それぞれの先行シングルではなく、2作とも『JUSTICE』からの先行シングルで、前作までのシングルが『GUILTY』に収録された。
これは佐久間正英からこのタイミングで離れてセルフプロデュースを試したためで、『GUILTY』は従来の佐久間正英プロデュース、『JUSTICE』は初のセルフプロデュースで制作されていた。JIROのインタビューでも他の人と組むのは新鮮としながらも佐久間さんとやらない理由もないと明言するなど、少なくともJIROの見解では完全に佐久間正英を離れるつもりもなかったようでもあるが、佐久間正英はこの頃には大病に侵されつつあったようで、余命いくばくもない状況となっていた事が間もなく判明(2013年4月上旬に発覚したと8月に自身の公式サイトで公表している)。結果的に改めてもう1度佐久間正英と関与することは無かった(「DIAMOND SKIN」も既に作ってあった曲とされている)。
loversoul music & associatesの提携先がフォーライフからポニーキャニオンに変更になり、これに伴い品番はPCCNへと変わった。ポニーキャニオンとはUNLIMITED RECORDSに移動した後の1998~2002年以来となるが、PCCUだった当時に対して今回はPCCNとなっている。PCCUの時の末尾U、FLCLの時の末尾Lはいずれもレーベル名の頭文字だったと思うんだけどloversoul music & associatesなのにどこから”N”が出てきたのかは謎。DVD付にはMV、メイキング、ライブ映像を収録。
JUSTICE from GUILTY
作詞:TAKURO、作曲:HISASHI、編曲:GLAY
ついにHISASHI曲が一般発売・単独A面の表題曲となった。セルフプロデュースによりドラマーも変えてピエール中野(凛として時雨)をサポートドラムに起用。TAKURO作詞で2曲統一しようとしたのかは不明だがHISASHIのぶっ飛んだ歌詞を単独表題曲にするのではなく、珍しい作詞がTAKUROのHISASHI曲となったが、歌詞がぶっ飛んでないだけでだいぶ王道に聞こえるし、安心感がある。A,BメロからまたA,Bメロに行ってサビに届かない「My Private “Jealousy”」のような構成だが、今作はようやく来たサビがサビらしいメロディアスさで展開して期待以上の仕上がり。
正直なところシングル1枚なら本当にシングルで出したかったのはこれだったんじゃないかなというくらいタイトルがそのままアルバム2作のタイトルになっているし、シングルらしいキャッチーさも十分にあると思う。HISASHIの最高傑作にしてこの時期のGLAYのシングルの中でも1つ上に抜けた1曲という印象。なおイントロが特にBUCK-TICK「惡の華」なのは「惡の華」に影響を受けてこんな曲を作りたいというところから制作されたためだとかなんとか…。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
11thアルバム『JUSTICE』(album ver.)
C/W MILESTONE~胸いっぱいの憂鬱~
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
ギタリストが2人いるのにさらにギタリストの佐橋佳幸を起用しているが、マンドリンとバンジョーのサポートを担当。いつもと少し違うサウンドを導入しつつも曲自体は普通のポップロックナンバー。TAKUROの曲がどう聞いても完全にC/Wだもんな…。
★★★☆☆
アルバム未収録
C/W Time for Christmas(Club mix)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&草間敬
G-DIRECT限定のミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』収録曲のリミックス。TERUとJUJUのボーカルをほぼそのまま残しつつ演奏は完全にクラブ仕様の電子サウンド変換されている。これはこれでそんなに不自然ではなくむしろ電子サウンドとメロディーの親和性は高いようには思う。ただ一般発売がリミックスだけというのはどうなんだろう。
★★★☆☆
アルバム未収録バージョン
C/W 11thアルバム「JUSTICE」&12thアルバム「GUILTY」予告編
今回もアルバムの予告ダイジェストが収録されたが『運命論』にも同じ音源が収録されている。
47th 運命論
2012年12月5日
『JUSTICE from GUILTY』と同時発売。初の2枚同時発売オリジナルアルバムとなる『JUSTICE』『GUILTY』の1ヶ月前先行シングル。今作も表題曲は佐久間正英を離れてセルフで制作されているが、C/Wでは佐久間正英がまだ参加している。DVD付にはMV、メイキング、ライブ映像を収録。
運命論
作詞:TAKURO、作曲:JIRO、編曲:GLAY
JIRO初の単独シングル表題曲。HISASHI同様にシングルのつもりでは作っていなかったが、TAKURO判断でA面にしていこうという流れになったらしい。ウォウオ・ウォウオ・ウォウオ・ウォウオの連呼がいきなりちょっと長く感じるし、じっくり踏みしめながら進んでいくようなテンポ感での6分半はけっこうかったるかったりもする。元々がシングル向きではない地味な曲だったのをかなり派手なアレンジにして、生きる事の真理を説いたような深みのある歌詞を載せる事とHISASHIとJIROの2曲を同時発売する事にこだわってシングル曲っぽく仕立てていったような印象もある。
★★★☆☆
11thアルバム『JUSTICE』
C/W 4 ROSES
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
王道の爽やか系ロック。こちらは佐久間正英が参加しているいつものTAKURO曲。そろそろ量産型以上の印象を抱けなくなるくらいいつも通りな感じになってきているので、これだと確かに「運命論」の方がシングルではあるなとは思う。
★★★☆☆
C/W Route 5 Bayshore Line
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
編曲:GLAY(album ver.)
タイトルは阪神高速5号湾岸線の事。これも王道系の爽やかロックだが、「4 ROSES」よりもキラキラとした勢いがある。ただし爽やかさとは裏腹に”アイツの彼女”とドライブしている浮気・不倫の歌詞になっているのがポイントか。
シングルバージョンは王道の佐久間正英プロデュースっぽいポップロックに仕上がっているが、『JUSTICE』収録時はGLAY単独編曲で全面再録音されている。まるっきりアレンジを別物にしたわけではないが、ロックバンドの音をバンドらしさを失わずに整理する事に長けていた佐久間成分がごっそり抜け落ちて全体に荒々しいインディーズ感のある仕上がりになっているのが印象的。わざわざ佐久間さん抜きで荒々しさを出したという事は長年培ってきた佐久間サウンドにそろそろ飽きてきていたというかマンネリを感じて変化したいタイミングではあったのかなと思う。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
11thアルバム『JUSTICE』(album ver.)
C/W 11thアルバム「JUSTICE」&12thアルバム「GUILTY」予告編
『JUSTICE from GUILTY』に収録されているダイジェストと同じ音源。
48th DARK RIVER/Eternally/時計
2013年7月24日
初めて3曲が並列表記された3A面シングル。佐久間正英を離れてセルフへと移行したが今作ではかねてから組んでみたかったという亀田誠治にオファーして「DARK RIVER」1曲のみ招き、2曲はセルフで制作された。ハッピーな人柄でレコーディングを楽しく盛り上げるスタイルの亀田誠治のやり方にはメンバー全員が好感触だったようで、翌年以降本格的に亀田誠治を固定のアレンジャーとして起用するようになった。
結果なんだか生真面目な佐久間正英に飽きて楽しく制作できる亀田誠治に乗り換えたみたいになってしまっ前後して佐久間正英が余命いくばくもない事を公表。4月に発覚して近しい人には状況を話し、8月に世間に公表したがGLAYが一般公表前に知らされていたのかは不明である(本人から4月に知らされていたと公表しているのは当時一緒にライブをしていた早川義夫)。少なくともけっこうギリギリまで普通に仕事していたみたいなので病気を理由に佐久間さん側から断る事は無かったはずで、GLAY側としては単純に離れたばかり、セルフ試し始めたばかりでまだ再度呼ぶ段階じゃないというような時期だったと思われる。『GUILTY』完成後はそのまま会ってなさそうなんだけどどうだったんだろう…。
DARK RIVER
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
NHKドラマ『激流~私を憶えていますか?~』主題歌。中学の修学旅行時に1人の少女が失踪し、20年後35歳となった当時の班員(田中麗奈、桐谷健太、国仲涼子、ともさかりえ、山本耕史)の元に失踪した少女からの
「私を憶えていますか?」というメールが届いたことから再会を果たし、様々な不幸に見舞われていくという比較的重めのドラマ。5人のメインキャストの不幸度合いにはかなり差があり、基本的には抱えていた自身の問題をえぐられる形なので抱えている問題が大きいほど不幸に見舞われるんだけど、実は班員はもう1人いて海外在住になっていたもう1人は黒幕による当時の班員動向監視の範囲外となっていたために1人だけ何もされずに済む、黒幕の同期があまりに身勝手で理不尽…とけっこう後味激流激悪なドラマだった。
初の亀田誠治という事で亀田誠治の指名で村石雅行がドラマーに起用され、エンジニアも工藤雅史を起用(亀田誠治が初めて関わったスピッツのアルバム『三日月ロック』のエンジニア。)。
ドラマ主題歌としてGLAYを聞いたのは『スカイハイ2』以来2作目(途中すっ飛んでる『打撃天使ルリ』含めると3作目)だったので、それなりに印象深いし、あの陰鬱なドラマの雰囲気には合っていた。亀田誠治ととりあえずお試しで1曲だけ一緒にやってみる曲が王道のロックナンバーではなく少々変わった曲で良かったのかというのはあるにしても、ストリングスの使い方含めてまあ当時の時流にも合った仕事っぷりではあったのかなとは思う。劇的に良い!これからも!って感じでもないんだけど。ただまあちょっとドラマのダークな印象を引きずって聞くと気分が暗くなるんだよな…。
★★★☆☆
13thアルバム『MUSIC LIFE』
Eternally
2013年5月8日(配信)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY、Arrangement&Orchestration:島健
先行配信として2ヶ月前に配信されていた。現状の配信ではそもそも2015年頃に全部出し直したり、最初からシングルCDやアルバム枠から開放するだけで単曲配信枠を用意しなかったりとその時ごとに色々あって配信サイトに既にない曲も多い。公式サイトでは既に配信されていない『STARLESS NIGHT / -VENUS』『LET ME BE Live Ver. 2009-2010 at makuhari messe』『Apologize』『Thank you for your love』を4th digital singleまでカウントして掲載しているが、今作以降の配信限定曲は非掲載が多く今作も特設サイトが残るのみとなっている。公式に消され、配信の場でも消されている以上、この辺りの配信曲の過去情報は正直Wikipediaが唯一の貴重な記録の場となっており、Wikipediaが間違えた場合永劫間違えたまま後世に残りそうな現状だ(しかも特筆性警察の編集者が出典が無いからと削除してしまった場合は永劫消えたまま)。
島健を招いた大ストリングスバラード。いかにも2010年前後だなというストリングスっぷり。セルフプロデュースでこれなのだから亀田誠治が持ち込んだのではなく、GLAYも自然とストリングスの時代に呑まれていたという事だろう(そもそも佐久間時代から使っていて年々目立ってきていた)。大ヒット映画やドラマ主題歌にでもなればもう少し一般人気も掴めていたであろうザッツストバラだが、個人的にはストバラ飽和期だったのもあって割とウンザリ気味な印象だけが残っていた。改めて聞くと普通にいい曲。
★★★☆☆
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT
時計
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
NHKドラマ『激流~私を憶えていますか?~』挿入歌。ドラマの最終回で主要5人のうちの1人だったともさかりえ演じるシンガー秋芳美弥がようやく完成させた新曲としてこの曲が使用され、ともさかりえの歌唱バージョンが少しだけ作中で流れた(主要メンバーも一緒に合唱し始めるような展開だったが、あくまでストーリーの流れで曲が完成したから披露したというだけのシーンだったので途中で終わってしまいあまり劇中曲として印象的ではなかった)。秋芳美弥の持ち歌というドラマ用の提供曲のつもりだったのがGLAYバージョンも聞きたいと言われて作ったとされる。
ピアノメインで、エレキギターやベースは入るがドラムは入らず最後までバンドサウンドにはならない音数少なめのバラード。「Eternally」がド派手だったので地味ではあるがシンプルさが際立つ。ライブでドラムも入れたバンドサウンドで演奏した後、2017年の『WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~』で今のモードで演奏したという理由で再録してバンドアレンジになっているので早い段階で少し未完成だった意識はあったのかも。
★★★☆☆
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
55thシングル『55th WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~』C/W(再録)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT
49th DIAMOND SKIN/虹のポケット/CRAZY DANCE
2013年11月27日
前作に続く3A面シングル。今作は再度の佐久間正英プロデュースとセルフ2曲となっている。8月9日に末期がんである事を公表、翌年1月に亡くなり今作がGLAYでの最後の参加作となったが、インタビューでのニュアンスから最期にもう1度組んだのではなく、以前制作したものを取り置きしていたとされ、他の2曲も以前からあった曲を仕上げたもののようだ。
次のアルバムとは流れが違っていたためか3曲全て未収録となり、そのままアルバム未収録のまま放置されている。全曲アルバム未収録のままのシングルは今作が初となる。
DVD付にはMV&メイキング、ライブ映像やインタビューを収録。
DIAMOND SKIN
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
少し前に取り置きしていたという佐久間正英プロデュース最後の曲。いつかのためにとっておいたというけどこのタイミングで出したのは明らかに佐久間さんの病気公表を受けてだったとは思う。“2013年の今、佐久間プロデュースサウンドで日本中に響かせたい、届けたいって思った”、”大病に向き合っている佐久間さんにとっても何か励みになってくれれば”ともTAKUROがコメントしていたし。ただ正直アウトテイクのようなどうにも地味なロックナンバー。2枚同時発売の時のC/WのTAKURO曲の王道なんだけどシングルにはならない微妙なラインをそのまま行っているような…。
全体の雰囲気はGLAYらしいし、セルフよりも安心感があるいつものGLAYっぽさはあるんだけど、間奏にシンセのフレーズを混ぜ込んできたりと少々の違和感もある。「真夏の扉」ほど悪目立ちはしていないが、「真夏の扉」の土屋昌巳と久々に組んだと言われた方が納得できるような唐突な音使いのような…。
このまま佐久間さんが存命で続けていたとしてもこの時期のマンネリは不可避だったかもしれない。末期に録音ミックスを自ら手掛けたり、今作のようなアレンジを試したりしたところには少し変化を意識していた様子が伺える。理想はその時々で組んだり組まなかったり別の人とやったりがベストで、この後の亀田誠治1人に固定になるのはちょっと個人的には避けてほしいなとは思っていた。またこういったストックではなく、佐久間正英との本当の集大成的な1作は聞きたかったとは思う。それが『GUILTY』になってしまい、佐久間正英が最後の1曲として最後に一緒に作りたいミュージシャンを呼んで制作した「Last Days」にも関与しなかったし、最も長く付き合った佐久間正英とGLAYの最後が事実上のアウトテイク蔵出しというのはちょっとあっけなかった印象はある。
久々に聞いても何だかほとんど初めて聞くようなくらい覚えていない曲だったが、極めつけはその後アルバム未収録のまま放置されている事だろう。アルバムで聞く機会があればもう少し残っていたくらいにはそこそこいい曲であったとは思う。EPみたいなシングルが増えてきて1曲1曲の表題曲としての存在感は『G4』以降著しく低下してはいるんだけど、それでもアルバム未収録はデカい。次のアルバム『MUSIC LIFE』が全面的に亀田誠治プロデュースとなり、今作とセルフの2曲は制作過程が違っていて浮くという判断で全部外されたとは思うんだけど、ベスト盤もセレクト系のものしか無いので入る様子が無いまま10年以上が経過してしまった。2010年以降のシングルを網羅したベスト盤なんて今後出そうにないしなぁ…。
★★★☆☆
アルバム未収録
虹のポケット
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
セルフプロデュース曲。10年前には出来ていたとも語られており、楽曲自体は佐久間正英と作り上げたGLAYの集大成のような王道のポップロックナンバー。しかしサウンドがセルフプロデュースでは整理するプロデューサーがいない感じ(?)が出ている曲が多い『JUSTICE』の雰囲気そのままになっていて荒々しい音像になっているのがちょっともったいない。当時の公式インタビューで自身でもそういう「グロリアス」みたいな曲に飽きている、「4 ROSES」「MILESTONE~胸いっぱいの憂鬱~」など直近の同系統の曲も挙げて進化系ではない、“亜流とまでは言わないけど、まあ佳曲”とまで言ってしまっており、もう過去の曲を越えられないであろうことを認めてしまっているような言動が目立つ(ここからTAKUROメロディーを忘れてほしい発言や7割クソ曲でも許してね発言にも繋がっていく)。そういった事からあえて佐久間さん抜きで荒々しく仕上げたものと思われる。『FREEDOM ONLY』以降は過去の未完成曲をもっと素直に仕上げて出す事が増えており、このまま2020年頃まで寝かせておけば『FREEDOM ONLY』や『Back To The Pops』でもっとこれぞGLAYという最良の仕上がりになっていたかもしれない。
「DIAMOND SKIN」よりももっとGLAY×佐久間正英の集大成っぽい楽曲に仕上げるのに最良の1曲だったように思うが、この時期はそういう時期だったのだろう。惜しい。
★★★☆☆
アルバム未収録
CRAZY DANCE
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
3分にも届かない勢い1発なロックナンバー。実質1コーラス+サビの繰り返しのみで、歌詞の9割近くが”CRAZY DANCE”の羅列でひたすら埋まっているという字面が異様。実際CRAZY DANCEを連呼しまくっているだけで、10代のアマチュアバンドみたいなノリだが、実際GLAYを結成して初めて制作した伝説の楽曲だったらしい。結成10周年を記念して1998年に1度ライブで演奏、7月の函館野外ライブでも披露した際に何故かTERUが次のシングルにすると宣言したため、公約を果たす形となった。同ライブのDVD&Blu-rayの公式応援ソング(なんだそのセルフタイアップ)にも決定した。何も考えず勢いを楽しめばいい曲だとは思うけど、A面にまでしてしまうとは自由な…。
★★★☆☆
アルバム未収録
50th BLEEZE~G4・Ⅲ~
2014年7月9日
『G4』シリーズ第3弾。今作より本格的に亀田誠治とのタッグが始まり、全面参加となった。「BLEEZE」を表題曲として当初制作が進められていたが、亀田誠治が20周年記念シングルだしメンバーそれぞれの曲を入れたらどうかと提案した事からだったら『G4』だろうという事で第3弾になった模様。亀田誠治は『G4・Ⅱ-THE RED MOON-』が4人それぞれの作曲だった事を知らなかったとされる。1作目はそもそも4曲入りというだけで全曲TAKUROだったので、前作を踏まえての今作で『G4』シリーズはメンバーそれぞれの曲を入れるというシリーズになったといえる。
DVD付には「BLEEZE」のMV&メイキング、「IVAN による東北六魂祭 in 山形 DOCUMENT & LIVE」、六魂fes!×GLAY 「BEAUTIFUL DREAMER」「SOUL LOVE」「everKrack」を収録。
ローソン、HMV、ミニストップ限定盤『BLEEZE~Loppi・HMV × GLAY EXPO2014 TOHOKU 応援チャリティエディション~』も発売され、CDには「BLEEZE」とそのカラオケのみの収録、DVDには過去3回のGLAY EXPOから90年代代表曲のライブ映像5曲、「BLEEZE」のLoppi・HMV VER.のMVと六魂fes!のライブ映像を収録して1000円ポッキリであった。
BLEEZE
作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治
初のTERUによるシングル1曲目。今回過去2作と異なり、表題曲として今作のみが『G4』より先に表記されるメイン曲扱いとなっているが、前述のように元々単独シングル表題曲の予定だった名残だろう。メインライターを降りてメンバーにメイン曲を書かせようとしていたTAKUROは既にHISASHI、JIRO曲でのシングル同時発売を実現させていた流れもあって、50枚目で20周年でTERUの曲がシングルだったらドラマティックだと言って渋るTERUを説得したとされる。TERUもシングル表題曲という意識があったのは確かだろう。それにしたって40歳を過ぎて20周年を迎えるようなベテランバンドの普段あまり作曲しないメンバーがその気になっただけで急にこんな曲書ける?と驚くような超絶爽やかサマーポップが出てくるなんて思いもよらない。HISASHIやJIROはおろか近年のTAKUROをも軽く越えていくような実にシングルらしいキャッチーさがあり、前後のシングルの中でも格段に残る1曲になった。あまりに若手爽やかすぎるし、こういう曲ばかり続くとすぐに飽きてしまいそうではあるけど、20周年のGLAYが放つこれ以上ない会心作だった。
この後7月29日にファン30名を招いてスタジオセッションを行って今作収録曲を演奏してその音源が次回作に収録されたが、この際に今作はアレンジを大きく変えて最後に歌詞を追加して演奏されていた。Album Ver.では元のアレンジで収録しているがその追加の歌詞を加えており、シングルバージョンはアルバム未収録のままとなった。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
13thアルバム『MUSIC LIFE』(Album Ver.)
外灘SAPPHIRE
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
“ワイタン・サファイア”と読む。ドラムは村石雅行。完全にメインライターを降りた感覚でメロディーよりもギターリフを重視し、TAKUROっぽいとかいつもの感じをなるべく外す事にだけ集中したような1曲。マジでメロディーよりもギターリフの方が耳に残る。
★★★☆☆
アルバム未収録
黒く塗れ!
作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラムはピエール中野(凛として時雨)。疾走系のロックナンバー。HISASHIらしいヘンテコな感じのインパクトの強さは薄めでサビはそれなりのキャッチーさがあり、TAKUROよりはシングルらしい曲を作ろうとして作った曲という感じはする。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)
YOU
作詞作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラムはピエール中野(凛として時雨)。作詞をTAKUROに任せる事が多かったJIROが作詞を単独で担当したのは2001年の『ONE LOVE』以来で、TAKUROとの共作での作詞でも10年ぶりだった。「運命論」の作者が書いた曲だなぁという感じの淡々としたミドルナンバー。
★★★☆☆
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT
51st 百花繚乱/疾走れ!ミライ
2014年10月15日
両A面で『MUSIC LIFE』の先行シングル。2曲ともアルバムにそのまま収録された。C/Wには前作『BLEEZE~G4・Ⅲ~』4曲のスタジオセッションVerが収録された。
DVD付には「百花繚乱」MV&メイキング、「疾走れ!ミライ」Short Movie&メイキング、C/WのStudio Sessionの映像4曲を収録。
百花繚乱
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
ドラムは松下敦(ZAZEN BOYS)だが、MVでは今まで通りにToshi Nagaiが出ている。GLAYの新曲がヤバイとして少し話題になり、聴いた誰もがヤバイ曲だったと感想をつぶやき、当時なりにちょいバズったヤバイ1曲。どうヤバイのかと言えば、YAVAI! YAVAI! カナリYAVAI! YAVAI! YAVAI! カナリMAZUI!とサビで連呼するというもので確かにYAVAI曲以外の何者でもないカナリYAVAI、そしてGLAYだと一瞬分からないようながなり気味のシャウトはカナリMAZUI感じでもあった。世間を風刺したような歌詞も痛快。王道を外してシングル曲を書く気が無くなっていたこの当時のTAKUROとしては振り切った方向性が奇跡的に爪跡残しまくりなインパクトに直結した飛び道具的な一撃。2回目のAメロではTERUではないTAKUROらしきボーカルも一緒にかなりの音量で歌い出して一部では単独で歌っているように聞こえる。劇薬っぽくはあり、同じ方向性でもう1回は出来ない作風だし、メインライター1人だけならカナリYAVAI状況になりかねなかったが、今のメンバーになら作曲を任せられる安心感もあったのだろう。
冒頭サビを経ての最初の歌詞が”東京五輪が決まって”となっているが、決定したのはこの1年ほど前の2013年9月の事だった。言うほど盛り上がっていたかはともかくとしてメディアは盛り上がっていたようには記憶している。
★★★★☆
13thアルバム『MUSIC LIFE』
疾走れ!ミライ
作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治
アニメ『ダイヤのA』OP。アニメ1期の52話~最終75話まで使用された。2作連続でTERU曲が表題曲に採用されたが、元々TERUが『ダイヤのA』ファンだった事とTERUが曲作り覚醒モードに入っていたのが一致してか、以降5連続でTERU曲でGLAYがOPを担当し続けた。いわゆるJ-POPタイアップとしてのアニメ主題歌枠ではなく、この前の51話まではTom-H@ck featuring 大石昌良が2曲連続で担当、エンディングは最後までずっとTom-H@ck、大石昌良や声優陣が担当するなど基本的には外部からのアニメタイアップをしていない作品だったので、TERUの作品愛を知っての指名起用だったと思われる。
「BLEEZE」に続く若手バンドのような爽やかポップナンバー。前作がまぐれでなく、TERUがシングル表題曲を書けるメインライターとして覚醒したのがより確かに感じられる1曲。
★★★★☆
13thアルバム『MUSIC LIFE』
C/W BLEEZE~スタジオセッションVer~
作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&亀田誠治
7月29日に都内レコーディングスタジオにてファン30名を招いて行った初のスタジオセッションからの音源で前作『BLEEZE~G4・Ⅲ~』全4曲が曲順もそのままに収録されている。アコースティックバージョンで披露されたとしているが、実際にはオリジナルよりもアコースティック色は強いもののエレキギターやドラムも入ったバンドサウンドになっている。
冒頭がウクレレのような伴奏で歌わされるサビでのほほんとした雰囲気になっていて驚くが、その後はオリジナルに近い演奏が始まる。今作に関してはキーを下げており、少し落ち着いた雰囲気に変わっているほか、締めの歌詞が新たに追加された。『MUSIC LIFE』に収録されたAlbum Ver.はシングルバージョンのアレンジにこの追加歌詞を加えたもの。
★★★☆☆
C/W 外灘SAPPHIRE~スタジオセッションVer~
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&亀田誠治
こちらはドラムが入らず、簡易なパーカッションっぽいシパシパしたリズムになり、印象的だったエレキギターのリフもベースの方が目立つくらいに抑えた演奏になっている。
★★★☆☆
C/W 黒く塗れ!~スタジオセッションVer~
作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&亀田誠治
一転してこっちはほぼそのままロックサウンドで演奏した感じ。アコースティックバージョンっぽい要素はこの曲には無いと思う。
★★★☆☆
C/W YOU~スタジオセッションVer~
作詞作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
こちらもやや抑えめではあるけどアコースティックバージョンっぽい要素はあまりないほぼ普通のバンド演奏。
★★★☆☆
C/W 「MUSIC LIFE」予告編
発売前のアルバムの5分のダイジェストメドレー。例によって配信ではカットされている。
MUSIC LIFE
作詞:TAKURO、作曲:JIRO、編曲:GLAY&亀田誠治
From 13thアルバム『MUSIC LIFE』
アルバム最終曲にしてタイトル作。歌詞はTAKUROだが、アルバム新曲でタイトル曲の作曲をTAKURO以外が手掛けるのはこれが初めて(「THE FRUSTRATED」がTAKUROとHISASHIの共作Kombinat-12、前作の「JUSTICE[from]GUILTY」がHISASHI作曲というのはあった)。『G4』シリーズでもJIRO曲を1曲目に置く事は無く、「運命論」がシングル表題曲というのもHISASHI曲「JUSTICE[from]GUILTY」との2枚同時発売が前提にあったっぽかったので、JIRO曲がアルバム表題曲に選ばれたのはかなり大きい出来事だったように思う。
カラッとした明るめのポップロック系で聞き馴染みのいいメロディーに乗せて歌われるのはここまでのGLAYの音楽人生。デビュー20周年でもあったためか、函館でのデビューを目指していた奮闘していたバンド黎明期への思いが綴られており、内容は基本的に実話と思われる。“もがく日々ライバル達はあの決断を許しはしないだろう”とか“彼は病みあの娘は消えた”という後半には意味深なフレーズも飛び交い、デビュー前エピソードに詳しいファンの間ではなんとなく察せられるところもあるんじゃないかとは思うんだけど…。歌詞の内容が基本的に函館時代になっている事から、例えばここ10年の間の独立についてを指すわけではないだろう。YOSHIKIからの誘いによるデビューやその際の相次ぐドラマー2人の脱退劇などその辺りの事を歌っているのではないかと思う。
★★★★☆
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