ベストアルバム『THE BEST Love Winters』と続けて出たシングル『ストロボ』が大ヒットしたが、年明けのシングル『I Wish』はあまりヒットしなかった。しかし年明けのシングルが年内のシングルに押されて売れないのは例年通りであった。異変が起きたのは1999-2000シーズンだった。『I Wish』まで編曲を担当していた本間昭光が離れ、本間昭光はポルノグラフィティのプロデューサーak.hommaとして超覚醒してヒットを連発。新たに井上ヨシマサをアレンジャーに迎え、さらに世紀末の混沌モードに乗っかって作家性を押し出したという事で実験的なサウンドマニアックな方向性に走ったシングル『恋のベスト10』ではシーズン始めのアルペンタイアップとしては大コケに終わってしまう。その後もアルバム『MUSIC D.』、バラードベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』でかろうじてトップ10入りは果たしたものの、シングルは全くヒットしなくなり、アルバムのトップ10入りも『THE BEST Love Winters-ballads-』が最後になってしまった。
元々固定ファンが極端に少なく、季節モノとして冬が来て新曲が耳に入ってきてそれが良ければ広がるように流行っていくという売れ方だっただけに、スキーブーム終焉に伴うアルペンのCM激減やアレンジャー変更に伴う方向性の変化も大きく響いたものと思われる。
2001-2002年にかけてはこれまでレコーディングアーティストでいたいとして拒否してきたライブをついに開催。高音の維持ができずキー下げしてのライブツアーで自身を見直す事にしたのか、その後休業を宣言すると肉体改造に挑んで歌唱方法を徹底的に見直して歌い方を変えて2004年に復帰。2007年以降は毎年ライブを開催するようになった。
休業の間にアルペンタイアップからも離れていたが、2007年より復帰。ヒットはすっかり出なくなったがアルペンタイアップ復帰に伴い新曲は毎年発表されるようになった。また2009年にはTwitterをいち早く開始。ビバ☆シリーズを開始したり、配信も積極活用するようになった。シングルCDのリリースは2009年が最後。以降は配信とベストアルバムを中心としたリリースが続く。
15th I Wish
1999年1月21日
編曲:本間昭光
「アルペン」CMソング。前作が16位に残っている週に初登場15位と1つ上にランクイン。23位→22位→24位とやはりそう簡単には落ちない推移を見せるも2週目23位の時には「ストロボ」19位で逆転されており、そのまま「ストロボ」の方が上のまま7週ランクインで8万台の売上。今回はアルバム発売は無かったが2年連続年明けのミディアム~バラード系のシングルで似たような動きとなった。しかしこれでさえもヒット曲らしい最後のヒット曲となった。ベスト盤の新曲よりアレンジが本間昭光単独となっていたが、アルバム制作に至らないままに今作が本間昭光との最終作となった。本間昭光は同じ田村充義プロデュースである新人ポルノグラフィティの作編曲サウンドプロデューサーak.hommaとして広瀬香美でのアレンジ仕事での成功を存分に生かして大覚醒。ポルノグラフィティの一連の大ヒット曲で作家人生のピークを迎える事となっただけに…ここで離れていなければもう少しヒットは続いたのか、それとも同路線を続けても翌シーズンから人気は落ちる運命だったのか…。
「ピアニシモ」に続くようなミディアム系だが今作の方がもう少しテンポ感がある。「ストロボ」の後だと地味に聞こえてしまうのは仕方ないがこれもなかなか味わい深い良曲だし、以降バラードって言うとマジで聞かせる本格バラードばかりになってしまい、意外とこういう曲がなかったりもするのでもう少しこういうのも聞きたかった。
★★★★☆
2nd(バラード)ベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』
3rdベスト『Alpen Best』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
I Wish(a cappella)
1999年12月16日
From 8thアルバム『Music D.』
編曲:広瀬香美
『Music D.』では同じ本間昭光の編曲だった「ストロボ」がリミックスになった一方で今作は1人多重アカペラバージョンへとリアレンジされた。既にアレンジからほぼ撤退してアレンジャーに任せるようになっていたが今作では初期から単独で行っていたアカペラアレンジという事もあってか自ら担当。オリジナルよりスローでよりバラードみが増しているが、アルバム途中に入っている音源としてはやや浮いており、カオスなこのアルバムだから成立している感じ。本来ならC/Wの別バージョンとかボーナストラックといった感じ。
★★★☆☆
16th 恋のベスト10
1999年11月20日
編曲:井上ヨシマサ
「アルペン」CMソング。アルペンとのタッグは変わっていないが、今作より本間昭光が離れアレンジャーを井上ヨシマサに変更。当時もそこそこのベテラン作家として名が知れていた井上ヨシマサだったが、10年後くらいのブレイク期のAKB48のメイン作家として再注目された際が作家としてのピークだった感があり、この時期は特に目立ったヒット曲への関与は無かった。正直なところポルノグラフィティで作家生活のピークを迎えようとしていた本間昭光からの変更は格落ち感があったというか…。作風の変化に伴ってか前年までで完全に区切りになってしまったのか、初動7000枚台で初登場33位に沈み、2週目は1.2万枚に伸ばすも1万台がズラリ並んでいて36位と下げてしまい、3週目は47位。これも6000枚台で急落こそしなかったものの5週ランクイン3万台の売上に終わってしまい、ブレイク以来初の真っ向勝負のアルペンCMソングで売れなかった。
本間昭光がak.hommaとしてポルノグラフィティ「アポロ」を大ヒットさせている中でリリースされ、アレンジャー変えた途端複雑化、実験に走って一瞬でヒットチャート上位から消え去ってしまったとなると…やはりこの変更は失策だったといえる。世紀末の混沌とした空気に乗っかって作家性を押し出して複雑な事をやってみたとか少し後に語っていたのである程度狙ってやっていたとは思うし、これまでの経緯からも曲さえ良ければ1回コケても巻き返せるという考えもあったんじゃないかと思う。
当時はナンダコレ…だったんだけど、これはこれで意外と面白く複雑さに聞き応えはあるし、サウンドマニアックなだけではない一定のシングル曲らしいキャッチーさもある。気がつけば経年効果でけっこう個人的には残る曲になった。
ただ何がベスト10なのか全く分からないこの歌詞は一体…。20世紀のNo.1しか明かされないのに何故ベスト10なのか。実質「恋のNo.1」じゃないのかこれ。しかも1番と2番で”君と出会えたコト”、”君を愛したコト”って言ってること変わってるし、最後のサビは1番と2番のサビを連続して歌うしで、結局出会えたのと愛したのどっちがNo.1なんだよ!
★★★★☆
3rdベスト『Alpen Best』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
6thベスト『Winter High!!~Best Of Kohmi’s Party~』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
恋のベスト10(curtain rise)
1999年12月16日
From 8thアルバム『Music D.』
編曲:井上ヨシマサ
アルバムバージョン。シングルがことごとく大きく別物に変更されたこのアルバムの中で唯一曲本編自体は大きくは変わっていないが(ちょいミックス変更程度?)、冒頭にアカペラコーラスが、エンディングがフェードアウトではなく歌終わりになっているという違いがある。
★★★★☆
リバース
1999年12月16日
From 8thアルバム『Music D.』
編曲:井上ヨシマサ
「恋のベスト10(curtain rise)」直後に収録された音源。同じ曲のショートバージョンをリプライズと称して収録するというやり方がたまにあるが、今作はリプライズを激しくリミックス加工を施して行ったような内容でサビ頭で「恋のベスト10」だとリスナーに認識させた以外は呪文のような音声が入っておりこれは逆再生しているようだ。まさに文字通り「リバース」。
★★☆☆☆
BEGIN~1999’s style~
1999年12月16日
From 8thアルバム『Music D.』
編曲:井上ヨシマサ
シングルより先に発表された初出のバージョン。シングルとしての別バージョンが最初から決まっていたためか、最初からバージョン名1999’s styleがついていた。軽めの打ち込みリズムとチルい感じのキーボード、ブラスサウンドを導入したムーディーな雰囲気でシングルバージョンよりもゆったり進行する。まあ実験的なアルバム曲だな…という感じでこれがシングル曲という感じは正直あまりしない。
★★★☆☆
17th BEGIN~いくつもの冬を越えて~
2000年1月13日
編曲:井上ヨシマサ
「アルペン」CMソング。初のマキシシングル。8thアルバム『Music D.』から1ヶ月程度での「BEGIN~1999’s style~」のリメイクシングルカット。当初からシングルカット前提、1999年→2000年を跨いでのリリースを意識してサブタイトルがつけられていたと思われる。C/Wには同じくアルバムから「ムーンライト」の英語バージョン「Moon-Rocket」、そして初めてとなる2曲のリミックスも収録されていた。初動は9000枚台を記録し、シングルカットとしては健闘したと言えるかもしれないが初登場26位から3週ランクインに留まり、2万枚に届かなかった。2週目に1万台を出したのにトップ30にも入れなかった最高位は前作より高いが、前作が売上の割に順位が低すぎた感はある…。
1999’s styleからテンポアップして複雑ながらもシングルらしい勢いがあるほか、サビ以外は全面的に歌詞を変更。またAメロとサビの間にBメロ(英語詞のNobody knows my heart~の部分)が追加されるなど、けっこうガッツリと追加変更されていて割と別の曲。高低差の激しい複雑な楽曲という印象でサビで高音張った後の急降下が凄い。近年のキャラ開放後のメディア出演を除くとTVで新曲を歌っているのを見たのって今作を最後に途絶えるんだけどそれをちらっと見ただけでなんかスゴイ曲だなと感じたのを記憶している。
★★★☆☆
3rdベスト『Alpen Best』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
BEGIN~いくつもの冬を越えて~(Quiet Driver*2 Over Grund XXX Mix)
シングルC/W
編曲:野崎貴朗
1分以上長いリミックスバージョン。シングルC/Wにリミックス音源という時流に乗った展開となったが、これまたいかにもな打ち込みトラックとボーカル加工によるザ・リミックスな仕上がり。曲自体が世紀末から世紀始の混沌がさらに複雑に音で表現されている…のかもしれない。
★★☆☆☆
18th Only One~オンリー・ワン~
2000年3月23日
編曲:吉俣良
サンリオピューロランド10周年記念で制作されたショー「ハローキティ ドリーム レビューワン」テーマ曲。珍しい時期のリリースとなったが、演出を手掛けた宮本亜門とは5年前にミュージカルの音楽を担当した縁から依頼を受けて書き下ろしたとされる。C/Wにはインスト、カラオケがわざわざ別に収録され、オルゴールバージョンも収録されている。初登場78位の1週ポッキリランクインとなった。
キティ賛歌。2分40秒の短さとパレードのようなゴージャスな雰囲気でド派手にキティを称えるというキティオブキティ、タイアップオブタイアップ。それゆえ企画色が強い。雑誌でジャケットを見て企画シングルが出ているのかと思った記憶はあるがシングルの現物を見た記憶がない。
そんな感じでキティソング色が強すぎるためか、10年以上アルバム未収録のまま放置され、機械的にシングルを全部並べた後年の2作のベスト盤にのみ収録された。
★★★☆☆
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
19th More More Love Winters
2000年11月22日
このシーズン前半は新曲ではなく、リミックスメドレーCDを発売。1998年のベスト盤『Love Winters』に引っかけているが、その後のシングル4曲も使用された。3作のメドレーをそれぞれ別のリミキサーが担当。収録時間は40分に及ぶがあくまで“3曲入り”なので普通にシングルとして扱われている。一応1曲目が表題作にしてアルペンCMソング扱いとなる。
お手軽な簡易ベスト的な需要が発生したためか、ここ数作のシングルよりは好調で初動で2万枚を突破、初登場18位となりベスト20に食い込んだ。31位→40位→38位→37位と年明けにかけて推移したので以前ほどではないが、発売が周知されてから浮動層が少し動いたものとみられ、累計で6.9万枚に達するなど、ヒットから遠ざかった『恋のベスト10』以降のシングルではトップの『恋のベスト10』『Search-Light』の2倍前後の売上を記録しており最も売上が高い。
ST配信では何故か2曲目の「Crystal Winters」しか聞く事が出来ない。DLでも単曲DLは「Crystal Winters」のみ、3曲バンドル購入する事で残り2曲もDL購入は可能となっている。何故そんな事になっているのかは謎だが、「Crystal Winters」を手掛けているのは海外のリミキサーだが、「More More Love Winters」を手掛けているGTS、「Winter Love Songs」を手掛けているピストン西沢は共に国内のリミキサーで所属会社が他社で権利関係に問題があるという事なのだろうか。
『Music D.』の頃から世紀末の混沌に乗じたかのように続いていたリミックスサウンドへの系統だったが、今作を最後に途絶えた。また2001年4月にはウルフルズが『ナニワゲノム〜ウルフルズ・メガミックス・メドレー〜』という同種の企画シングルを発売していたが、あちこちでリリースされまくるほどのブームにはならなかった。
More More Love Winters
(使用楽曲:BEGIN/恋のベスト10/promise/幸せをつかみたい/ゲレンデがとけるほど恋したい/ロマンスの神様/愛があれば大丈夫/ストロボ)
Remix:DJ GEE & DJ TURBO from GTS
メイン曲扱いの表題作。一応これがこのシーズンの「アルペン」CMソング。『CDTV』ランクイン時はとりあえず1番有名な「ロマンスの神様」のサビ部分を主に流していた記憶があるが…CMで使われたのは「ゲレンデがとけるほど恋したい」と「ロマンスの神様」のサビ部分だったようだ。19分44秒もあるリミックスメドレーのどこか1曲のサビ部分だけって何かCMソングとしては決定的に違うような…。この年はCMの内容もお見合いスキーギャグをぶちかまして完全に迷走してしまっており、時代の変化というかスキーブーム終了に伴う深刻な客離れで色々とトチ狂っていた感がある。
他の2作の倍近い長さで8曲なので1曲辺りは1コーラス~TVサイズくらいの長さがありつつ、延々トラックが続く場面も無いので文字通りにヒット曲のメドレーっぽくなっていて3曲の中でも正しく表題曲になるにふさわしいといえる仕上がり。
一応MVも制作されているが6分半の大幅なショートサイズとなっていてヒットしなかった直近2シングル部分の冒頭2曲を削って「promise」からなのが露骨だ…。歴代のMVを繋げ、MVの無い「愛があれば大丈夫」は別映像を引っ張ってきて文字加工とか入れてMVのように擬態させているが…いやこれ「恋のベスト10」MVの映像じゃねぇかよ…「恋のベスト10」の曲は使わずに何この仕打ち。
なおその時点でのアルペンタイアップ曲を網羅した2007年の『Alpen Best』に容量不足で収録できないため外されているが、広瀬香美以外のアルペンタイアップ曲を抜粋した同時発売のコンピ盤『Alpen Best Another Edition』に回されて唯一のアルバム収録を果たしている。
★★★★☆
コンピ盤『Alpen Best Another Edition』
C/W Crystal Winters
(使用楽曲:DEAR…again/ゲレンデがとけるほど恋したい/ロマンスの神様/promise)
Remix:JUNIOR VASQUEZ
前述のように唯一ST配信されている音源。3作の中で最も使用曲数が少なくて短いがそれでも10分。イントロが異様に長く冒頭2分延々トラックメイカーしていて歌が始まらない。厳密には途中から「promise」のラララパートが使用されているんだけど歌詞のある部分は登場せず、「DEAR…again」のサビに変わってしまう。「DEAR…again」→「ゲレンデがとけるほど恋したい」共にサビのみなので実質1分程度しか使用せずにまた長いトラックが延々続き今度は3分近く歌が始まらず(歌突入前の終盤はWaiting for youコーラスなど「ロマンスの神様」要素は出てくる)、「ロマンスの神様」は1コーラス→「promise」はサビのみという事で結局10分のうち半分はトラックが延々続くという趣味性の強いリミックス。よりによってこれだけしかSTで聞けないのはキツイ…。ほとんど聞かれないのではないか。
★★★☆☆
C/W Winter Love Songs
(使用楽曲:ピアニシモ/I Wish/二人のBirthday/promise/ロマンスの神様/ゲレンデがとけるほど恋したい/幸せをつかみたい/愛があれば大丈夫/DEAR…again)
Remix:ピストン西沢
10分40秒程度だが3曲の中で最多の9曲を使用。しかしサビではない平メロの部分を一部だけリフレインしまくったりと切り取り使用が目立つ。「ピアニシモ」「I Wish」と冒頭からサビ使われないし。「I Wish」なんか”時間よ止まって I wish”の歌い出しをループするだけで終わるし。1曲ごとにトラックの方向性や加工の方向性ががらりと変わるのが特徴だが、全体にはボーカルパートを生かしてバックの音数は少なめに仕上げている印象。
なお今作を担当したピストン西沢氏、今作より10年後の2010年のTUBEのリミックスアルバム『MIX TUBE-Remixed by Piston Nishizawa-』を手掛けていたりもする。その5年後に広瀬香美がTUBEに「おかげサマー」を提供し、翌年「ゲレンデがとけるほど恋したい 2016」をTUBEとコラボでセルフカバーしている。
★★★☆☆
20th Search-Light
2001年1月24日
編曲:野崎貴朗
「アルペン」CMソング。年明けは通常の新曲を発売。初動2万に乗せるも前作を全体に下回り初登場23位から普通にランクダウンしていき4週ランクイン3.5万枚に留まった。『More More Love Winters』の半分程度ではあるが、『恋のベスト10』をわずかに上回り、一気に落とした『恋のベスト10』以降では『More More Love Winters』に続く2番目、新曲シングルでは最も売れたシングルとなった。リミックスのような世紀末の混沌に乗っかった複雑なサウンドへの傾倒には前作で区切りをつけ、21世紀を迎えた今作からは一転して歌をじっくり聞かせるバラードへ傾倒。当時『Music D.』は作家性を前面に出したと言っていたが、今作では今更ながらシンガーとしての自分に目覚めたと語っており、バラードモードへ突入した。同年末にはバラードベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』へと繋がっていく。
R&B系のシンプルなリズムトラックが流行っていた時流にも合わせて歌い上げる歌唱力R&B歌姫風バラード。バラードの到達点、金字塔となり、これを越えるバラードはもう出せないというくらい渾身の1曲だと思う。当時5オクターブと祭り上げられていたMISIA辺りに真っ向勝負するかのように存分に歌唱力を前面に出し、特に間奏での超高音域を駆使しての超音波歌唱には圧倒される。一応この時期としては売れた方ではあるので少しは世間に届いたものとは思われるが、それにしても広瀬香美の歌唱力が凄いというプロリスナー的評価が出回る事は無く、何故こんなにスルーされるのだろう…と当時虚しく思った記憶がある。
★★★★☆
2nd(バラード)ベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』
3rdベスト『Alpen Best』
4thベスト『タイアップコレクション~広瀬香美のテレビで聴いたあの曲達~』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
8thベスト『WINTER TOUR 2020 “SING”+Live at Blue Note Tokyo』(Live at Blue Note Tokyo)
9thベスト『Kohmi30th』
Search-Light(Live at Blue Note Tokyo 2019.10.06)
2019年11月27日
From 8thベスト+ライブアルバム『WINTER TOUR 2020 “SING”+Live at Blue Note Tokyo』
編曲:鳥山雄司
ベスト盤とセットで収録された『AUTUMN TOUR 2019 “Vocal Unlimited vol.8” Live at Blue Note Tokyo 2019.10.06』のライブ音源。
ギター1本のアコースティックバージョン。間奏の超音波歌唱に真っ向勝負して齢50代前半にして再現しているが…おいまだ3曲目だぞ…マジか。元より限界突破しているような超音波歌唱だったのを50代になった2019年現在でもやれるのは単純に凄い。とはいえさすがに少し苦しい感じではあり、出せるのと聞いていて気持ちがいいのはまた少し違うかもしれない。たぶん還暦に向かっていく中で1番最初に無理になるのって全楽曲の中でも最高音と思われるこの超音波パートだと思う。
★★★☆☆
21st 黄昏
2001年9月21日
編曲:h-wonder
タイアップや企画無しで例年より少し早めの秋リリース。初のツアー開催を発表し、そこに向けてコール&レスポンスで合唱できる曲というのを念頭に置いて制作したとされる。初登場47位からの2週ランクインで7000枚に届かなかった。バラードベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』の先行シングル的な役割にもなった。
サビでコール&レスポンスするのを念頭に覚えやすい繰り返しと男性でも女性でも歌いやすいキー設定を心掛けた…と言っていたが最初に聞いた時からいやこれ合唱しても盛り上がらなくない?なんか暗くない?とかなり謎だった。なんかもっと分かりやすくラララパート、それこそ「promise」のバックでリフレインしているラララとかあんな感じのやつがライブで自然派生的に盛り上がるんじゃないの?と思ったんだけど、ライブを開催した事が無かったのでイマイチどうなるのか読めなかったのだろうか。前作から続くバラードモードの中でそこそこ印象には残るが覚えやすいようにしたサビがなんともかったるくなってしまい、長さを感じてしまう。
★★★☆☆
2nd(バラード)ベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
9thベスト『Kohmi30th』初回限定盤BOX SET
22nd Velvet
2001年12月5日
編曲:h-wonder
「アルペン」CMソング。11月のバラードベスト『THE BEST Love Winters-ballads-』から一転してアルペンタイアップではアップテンポな曲となったが、初登場42位となり、3週ランクインと全く粘れなくもなった。かろうじて1万枚を越えているので一応最も売れるタイミングでのリリースは効いてはいたようだが…。
謎のハイテンションデジタルスカナンバー。冒頭から広瀬香美ではない誰か?の謎のささやきチキチキパァが炸裂。ささやきなので意識しないと流れていってしまうが1度気づいてしまうとチキチキパァがあまりに絶妙すぎてチキチキパァがチキチキパァし始め、思考がチキパってくるという謎の魔力を持つ魔曲。間奏でジャブ!ジャブ!言ってるのも含めて前回対談でも大いに盛り上が
サビ頭が“して して いっぱいしてよ”っておいおいそりゃないだろって感じなんだけど、一応何をして欲しいのかは詳しく言及されておらず、さらに今まであまり直接出していなかった“冬が好き”という言葉も唐突ながら登場。謎スカチキパサウンド(略すな)で愛欲に狂った歌詞でマジで何の曲なのか分からなくなるところ、”冬が好き”のフレーズで一応冬の曲という事になるので必要な言葉ではあったかも。
★★★☆☆
3rdベスト『Alpen Best』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
23rd 月の下で逢いましょう
2002年1月23日
編曲:井上ヨシマサ
「アルペン」CMソング。初登場44位、2週ランクインで7000枚割れと例年の年明けシングルの傾向をなぞって前作を下回る推移に。
ディープスカとも形容されていたが何とも言えない…しかし前作に続いて濃厚な雰囲気だけは伝わる楽曲。少なくとも真冬にリリースされるような曲ではない変な暑苦しさがあるし、対談時も物議を醸した(?)この異様なジャケット写真は何なのか。売れなくなりにいったとしか思えないというか、これどうやって売るつもりだったんだというくらい売れ線ではないし、アルペンの人も困らなかったのかな…と余計な心配をしてしまうほど。
冬とかアルペンとか抜きにして少々変わった攻めの1曲として聞けばまあ…いやでも好きにはなれないかなぁ…。
このままアルバム制作には至らず、今作とツアーを最後に活動休止を発表。これに伴い1993年から続けてきたアルペンタイアップからも離れた。これに伴い前作共々アルバム未収録のまま放置され、2007年の『Alpen Best』で初収録となった。
★★★☆☆
3rdベスト『Alpen Best』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
24th 日付変更線
2004年11月17日
編曲:村山晋一郎
2年10ヶ月ぶり、3シーズンぶりの活動再開作。初めて行ったツアーで高音の維持が出来なかった事から(ライブ1本原曲キーで歌えないのでガッツリキー下げの英断を下されていたという事か?)徹底的に肉体改造を行っていたとしてその成果を発揮したニューボーカルを聞かせるバラードシングル。確かに声の出し方が変わっており、パワフルさが増しているが妙にゴツゴツしたような感じもあり、以前のような明るさや表情豊かな感じがごっそり消え去ってしまったようにも…。なんと形容すべきか…生真面目マッスル化?みたいな。
穏やかに始まり、サビではパワフルになった歌声を存分に響かせる歌い上げバラード。6分10秒もあるのでかなりじっくりしていて長い。アコースティックサウンドと軽めのチキタカリズムによるシンプルなサウンドも時代には合っていたようには思うが…復帰作としての”掴み”は正直皆無。とりあえず明るい曲で掴んでから2作目とか両A面2曲目で鍛え上げたニューボーカルをがっつり聞かせます的な立ち位置ならもう少し映える曲だと思う。続けて発売されたアルバム『LOVEBIRD』はもっと充実している印象で今までのようにこの曲がシングルという気が全くしない。ただ『Kohmi30th』トップ10枠のDISC-1に見事に選曲されている事からファン人気は「Search-Light」「DEAR…again」と並ぶ三大バラード扱いになる…のか?マジか。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVEBIRD』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
9thベスト『Kohmi30th』
日付変更線(中国語バージョン)
日付変更線(韓国語バージョン)
編曲:村山晋一郎
アジア圏での活動を意識してなのかC/Wには中国語バージョンと韓国語バージョンを一緒に収録。言語が変わっただけでオケもサイズも全く同じ。そしてC/Wの新曲「涙腺のバルブ」はこの後に収録されているので6分10秒の言語違いなだけのこの曲が3連続、18分半である。きついって。さすがにきついって。なおようやくたどり着く別曲「涙腺のバルブ」も地味アコースティックで、かなりしんどいシングルだった…。
★★★☆☆
日付変更線(acoustic version)
2004年12月16日
From 9thアルバム『LOVEBIRD』
編曲:広瀬香美
よほど気に入っていたのか、シングルバージョンで4曲目に収録し、アルバムの最終曲ボーナストラックとしてこのバージョンでも収録。acoustic versionというとギターを想像するが、本人単独演奏によるピアノ弾き語りバージョン(原曲にも一応本人演奏のピアノがクレジットされていたが原曲はアコースティックギターの方が印象的に鳴っていた)。6分10秒あったオリジナルから2番カットで4分50秒程度まで短縮されている。元が長かったのがようやく普通サイズになったという感じ。1コーラスがA,B,サビ,Cで構成されているため1コーラス終えるだけで2分40秒近くかかってしまい、そこから間奏+ラストサビでも5分近くなってしまう。2番もやってればそりゃ6分越えになるわ…。
★★★☆☆
25th GIFT/愛は特効薬
2006年2月15日
前作で活動再開したと思ったら2005年はリリースが無く、1年3ヵ月ぶりのシングルで唯一の両A面。リリース直前の2月10日に『広瀬香美 presents HAPPY VALENTINE CONCERT with 東京フィルハーモニー交響楽団』を開催。2001~2002年のツアー以来となるライブとなり、結果的には2004~2006年にかけてのスローペースな始動っぷりは2007年以降本格的なライブ活動開始への布石となった。
例年より遅い冬終盤のリリースとなったがこのシーズンは今作ポッキリ。11月に今作を収録したアルバム『Gift+』がリリースされ、これを引っ提げて2007年2月より『広瀬香美コンサートツアー2007「GIFT+♪幸せは冬にやってくる♪」』を開催してツアー活動が本格スタートした。以降は毎年何らかのライブ、ツアーを冬の時期に開催するようになった。
そしてジャケットのペンギンは一体何を意味するのか。
GIFT
編曲:井上ヨシマサ
2006年2月14日放送の日本テレビ系DRAMA COMPLEX(火曜21時からの単発2時間ドラマ)枠「時代屋の女房」エンディング。一応OAにピッタリ合わせてきたリリースではあったが2時間ドラマのエンディングで1回流れただけじゃ…ねぇ…?
前作とほとんど印象同じじゃね…?という歌い上げバラード。井上ヨシマサの1人オケ制作+ストリングス編成。シンプルなサウンドだった前作よりもストリングスが前面に出て打ち込みドラム音がどっしりしているほか、全体に妙にボワンボワンした音像なのが特徴。じっくり聞けばそれなりの良曲ではあるが、待望の新曲がまたバラードなのと力作ゆえにやはりじっくり構えて聞かないと良さが見えてこないのもあって…。多くのリスナーがそもそも知らない…というのは置いておいてベスト盤で「日付変更線」と一緒に聞き流してしまっていそうな気はする。「日付変更線」ほどではないが今作も『Kohmi30th』で初回限定盤BOX SETのDISC-2の序盤に収録されており、上位人気曲らしいが…マジか。
★★★☆☆
10thアルバム『Gift+』
4thベスト『タイアップコレクション~広瀬香美のテレビで聴いたあの曲達~』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
8thベスト『WINTER TOUR 2020 “SING”+Live at Blue Note Tokyo』
9thベスト『Kohmi30th』初回限定盤BOX SET
愛は特効薬
編曲:鈴木Daichi秀行
TBS系愛の劇場(昼ドラ)枠ドラマ『病院へ行こう!』主題歌。これも2月6日から3月24日まで放送されていたのでリリース時期としてはピッタリなシングルであった。
久々に明るいノリのアップテンポ。病院のドラマに合わせたのか普段の陽気なラブソングにドラマの要素を加味させて愛を特効薬に見立てたラブソング。キャッチーなメロディーもあるが、ギミック的にTaka×3、Chiku×5、Sick×5、Catch×3、特に前者2つのテケテケテケ、チキチキチキの早口パートにはインパクトがある。
★★★☆☆
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
愛は特効薬(type2)
2006年11月22日
From 10thアルバム『Gift+』
編曲:鈴木Daichi秀行
アルバムバージョン。別アレンジというより一部の音をカットしたミックス変更といった装い。最初と最後のラテンっぽいギターが消えてコーラスだけになっているほか、メインの演奏部分もガチャガチャ鳴っていたのが整理されてシンプルな聴感に変わっている。
ここから先は2010年の『名曲アルバム』や2016年の『25th プレイリスト』のような90年代の楽曲のリメイクはあるが、シングル曲のアルバムバージョン及びリメイクの類が制作された楽曲としては現時点で今作が最も新しい曲になると思われる。
★★★☆☆
配信 サタデー☆ラバーズ
2008年1月30日/2013年3月26日(再配信)
編曲:h-wonder
初の配信シングル。当時の配信は前述のように着うた切り売りがまだ主流でフルPC配信としてはiTunesのDL配信のみに出していたようだ。そしてPC配信市場が整ってきたタイミングで2013年『ストレートに好きと言おう』の前後の時期に他のDLサイトに出し直したようだ。ただ2008~2012年に配信を積極活用してリリースした作品群はiTunes限定のまま放置してディスコグラフィー非掲載になった配信作品、他サイトでも配信開始した配信作品の2つに別れた。iTunes限定のままの配信作品はApple MusicのST配信にも残されている。よってApple Music利用者とそれ以外では見える景色が少々違う。なおさらに他サイトでも配信開始した配信作品の中でもディスコグラフィー掲載の作品と非掲載の作品に別れる。もう少し整理してほしい…。
ディスコグラフィー掲載の配信作品はこれ。非掲載ながら広く配信されている作品としては他に「ビバ☆ベスト」(2009)がある。
「笑顔の女神様」(2011)
「Friday Kohmi 1st Year Compilation」(2011)
「friends」(2012)
この3作品はiTunes限定のまま放置され、他サイトでのDL配信なし。STもApple Musicのみとなっている模様。「笑顔の女神様」は『SINGLE COLLECTION』にも収録されているが他サイトのST配信ではこの曲だけカットされている。
今作はディスコグラフィー掲載の最古の配信作品。C/Wには何故か前シングル『GIFT/愛は特効薬』C/Wだった「甘いお話 part3」がもう1度そのまま収録されている(いきなりpart3で1と2は無い)。今作は年末のオリジナルアルバム『Making My Life Better』に収録されるもその1回ポッキリでベスト盤にもスルーだが、「甘いお話 part3」は本人が相当お気に入りのようで妙に扱いが良く『Kohmi30th』上位30曲に入らなかったのでファン人気はそうでもないにも関わらず本人選曲のアナログ盤ではしっかり選曲したりしている。
フジテレビ系『めざましどようび』1-3月テーマソング。朝のテーマ曲という事でもうそのまま土曜日=週末=休日のウキウキを歌ったポップナンバー。歌が始まる前からコーラスが「Wake up」だし、歌い出しも「サタデー」だし、朝から始まるし、土曜日の朝の歌としてタイアップオブタイアップソング。往年の広瀬香美らしい明るさもあるし、非常に”らしい”楽曲だが、配信移行の判断が早すぎた一方で世間の移行が遅くて着うた中心となっていた中での配信フォーマットとのかみ合わせはあまり良くなかったように思う。かといってシングルCDで出すにはなぁ…。
★★★☆☆
11thアルバム『Making My Life Better』
冬のモチベーション
2008年12月3日
編曲:h-wonder
From 11thアルバム『Making My Life Better』
「アルペン」CMソング。2007-2008シーズンに「ロマンスの神様〜弾き歌いVersion〜」で復帰してからは再度毎年担当。CMが自然消滅した2016-2017シーズンまで毎年1曲となり、2008-2009シーズンは新曲であるこの曲が起用されたがシングル発売されずアルバムリード曲で済まされた。
休業直前シーズンのやりたい放題っぷりから、回顧路線で「ロマンスの神様〜弾き歌いVersion〜」にて復帰したためか、今年は素直に冬の曲を用意。しかも今まで格段に意識していなかったのにアルバムジャケットも冬を意識しまくっていた。年月を重ねて落ち着いた感じの冬のポップス。ヒット期ほどのインパクトはないが普通にいい曲。ターゲット層になっていたと思われる一緒に年齢を重ねた当時の若者、この時点での30代にはフィットする部分もあったのではないか…と思われるがCMもほとんど目にする機会ないし、アルバム売れないしでその層に届かなかったような気が…。
★★★☆☆
4thベスト『タイアップコレクション~広瀬香美のテレビで聴いたあの曲達~』
26th とろけるリズム
2009年12月16日
編曲:川嶋可能
「アルペン」CMソング。現時点でも最終シングルCD。タイアップベスト盤『タイアップコレクション~広瀬香美のテレビで聴いたあの曲達~』、配信ミニアルバム『ビバ☆ベスト』と同時発売。「とろけるリズム」は『タイアップコレクション~広瀬香美のテレビで聴いたあの曲達~』に、C/W「ビバ☆クリスマス~君への贈り物」は『ビバ☆ベスト』にそのまま収録されており、「ビバ☆クリスマス~君への贈り物」CD化にしか価値が無いという謎シングル。この結果、初の200位圏外となり、この結果を受けてなのか、シングルCD発売がこのまま終了してしまった
ビバシリーズの方は当時流行り始めていたTwitterにいち早く参入、Twitterのロゴの“t”が”ヒ”に見える旨をツイート、ヒゥィヒヒィーに読めますねというリプライに対して、決定!twitterの源氏名は、、、、、ヒウィッヒヒー に、決定!とツイート。これによりネットユーザーの間で祭りとなり、これに便乗して8月に「ビバ☆ヒウィッヒヒー」という曲を配信販売ではなくブログで無料公開。前述のように既に”冬の女王”も過去の称号となり、長くヒットから遠ざかっていた中で新たなるプロモーション展開となり、続けてビバ☆シリーズを発表していてそれらをまとめたのが5曲入り配信ミニアルバム『ビバ☆ベスト』であった。商業的にはそれ以上の盛り上がりはなく、Twitterビバ☆シリーズもこれっきりとなり、CD化されたのは今作C/Wでの1曲ポッキリとなっている。どれもさっと作ってさっと公開したようなヘンテコなフレーズ連発でインパクトを取りに行くような曲ばかりで、正規の新曲とは少し毛色が異なる楽曲だったためか、『ビバ☆ベスト』でまとめたっきり終了となった。
今作はアルペンタイアップなのに”とろける”とあるようなサンバ曲。…いや…普通にサマーチューンでしょ…。直接夏と言ってはいないが正直「夏だモン」より夏じゃないかこれ。最強ウェーブにまで乗ってしまう始末でちょっとこれはないんじゃないかと(最強ウェーブって何?)。ゲレンデを滑走するリズムじゃねぇぞ…これ…。前作に続く動物ジャケットでは何故か動物たちがサンバカーニバルでもしているかのような謎絵となっている。何故これをシングルCDにしたのか。謎が謎呼ぶ謎最終シングルCDであった。
★★★☆☆
4thベスト『タイアップコレクション~広瀬香美のテレビで聴いたあの曲達~』
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
6thベスト『Winter High!!~Best Of Kohmi’s Party~』
7thベスト『THE BEST “1992-2018″+”雪” Set List Non-Stop Mix』
9thベスト『Kohmi30th』初回限定盤BOX SET
LOVE-MEETING
2010年12月15日
From セルフカバーアルバム『名曲アルバム』
編曲:h-wonder
「アルペン」CMソング。シングル発売は無く、アルバム曲を対象に当時のオケを使用してボーカル再録音したセルフカバーアルバム『名曲アルバム』のラストに新曲として収録された。シングルに準ずる扱いで翌2011年の『SINGLE COLLECTION』にも収録されたが、その後のベスト盤では特にシングル扱いされていない。
この年のCMのキャッチが「雪婚しよう」だったので迷走しすぎェそれに合わせてゴールイン感のあるラブソング。往年の広瀬香美らしい明るいノリでキャッチーだったので、90年代のシングル曲と並ぶとさすがに不利ではあるが、アルバム曲が並んだ『名曲アルバム』の最後に収録されているとシングル曲っぽい存在感は確かにあったように思う。徐々に戻りつつあったが今作は特にヒット期のイメージの広瀬香美が”戻ってきた”感がある。
★★★★☆
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
配信 笑顔の女神様/広瀬香美 with Friday Kohmi合唱団
2011年4月22日
編曲:安部潤
iTunes限定の配信となり、現在もApple Musicでしかシングル(EP)としては配信されていない。配信シングル(EP)には広瀬香美 with Friday Kohmi合唱団によるオリジナル、Friday Kohmi合唱団 with 広瀬香美に名義をひっくり返したバージョン、弾き語り、カラオケが収録されていた。現行ディスコグラフィーからは抹消されており、Apple以外では『SINGLE COLLECTION』でもこの曲だけカットされていて聞く事ができない。
大合唱をバックにみんなで盛大に歌い上げるハッピーパーティーチューンといった装い。音楽学校を開校して校長になっていたものの、特にプロを輩出したわけでもなく、デビューへの道が開けるでもなく、あくまで趣味の領域で歌にお金払って学びたい人向けというのが実情だったが、この時期はこの学校の生徒たちを自身の新曲のコーラス合唱団に起用する試みを行っていた。なお広瀬香美の独立と共に閉校となった。
★★★☆☆
5thベスト『SINGLE COLLECTION』
フリーダム
2011年11月23日
From 5thベスト『SINGLE COLLECTION』
編曲:朝本浩文
「アルペン」CMソング。『SINGLE COLLECTION』に新曲として収録。2011年発売だったが表記上は”2012″扱いとなっている。これはデビュー20周年を記念してのベスト盤だったがデビューは1992年なので実質半年ほど前倒しでのリリースとなっていてその辺りの調整のため+CMソングとしては2011-2012シーズンで年をまたいで使用されるので2012扱いでもいいでしょという事と思われる。
「悲しみジョニー」などUAの一連の代表曲の作曲編曲やTHE BOOM、THE YELLOW MONKEYといったバンド勢のサウンドプロデューサーとしても経験のある朝本浩文をアレンジャーに起用した新機軸的ナンバー。当時流行とされていたEDMっぽいキビキビとした電子サウンドで構成されており、いつになくクールでシリアスでカッコいい。路線変更や肉体改造を経て徐々に広瀬香美っぽいよねという範疇の曲が続いている中では割と異色で攻めた曲だったので、新鮮でけっこう印象に残っている1曲になった。朝本浩文とはこの1回限りだったが、3年後の2014年に自転車で走行中に転倒して意識不明となりそのまま2016年に亡くなってしまった。
★★★★☆
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