3rdアルバム N
04年2月18日
TOMOKA加入後の新生ZONE1発目の「卒業」を先行シングルとして、前半を新体制、後半を前作以降のTAKAYO在籍時のシングル曲で構成。
初回盤は特殊パッケージでBOXケースに大小様々な形の1枚ずつのカードになった歌詞カードやクレジットがバラバラに封入されている。
04年になってアルバムにもレーベルゲートCD2が導入されたためアルバムでは唯一のコピーコントロール仕様。同年9月に方針一転して撤退したためソニーレーベルでは04年1~9月に運悪くアルバム発売がぶつかった作品が犠牲となった。これらは全て撤退後に通常CDで品番を変えて再発されている。シングルよりは出回っており、今作も通常盤仕様が通常CDで別品番で再発されている。
卒業
Come to myself
作詞作曲:町田紀彦、編曲:高橋KATSU
TOMOKAとMAIKOのツインボーカル。とはいえサビで2人で歌っている以外はTOMOKAのソロのように聞こえる。かなり激しいロックナンバー。今作ではそれぞれがイメージと少し違う曲調にチャレンジと言っていたがTOMOKAは「卒業」のAメロでのボーカルとは全く異なるドスの聞いたけっこうパワフルな歌声を披露していていてけっこう驚く。「For Tomorrow」や「空想と現実の夜明け」といったTAKAYOメインの楽曲もライブでは封印せずにそのままTOMOKAが引き継いだが、しっかり自分のものにしていたし、今後のZONEのロック路線はTOMOKAがリードしていくのではないかという予感を感じさせる1曲。
ただTOMOKAにはソロ曲「ROCKING」があり、さらに「For Tomorrow」をTOMOKAメインで引き継いで披露したので、今作は04年夏のツアーでも披露されなかった。ライブで1度もやっていないのでは…。
★★★☆☆
3rdアルバム『N』
ROCKING
作詞作曲:町田紀彦、編曲:ha-j
TOMOKAソロ曲。タイトル通りこれもかなり激しいロックチューン。2曲連続でTOMOKAのロックナンバーというのは印象がかぶるところはあるが持ち歌の少ないTOMOKAの出番を一挙増やすためだったと思われる。しかし結局「Come to myself」を切り捨ててライブでやらなかったのだから意味が無…。04年夏のツアーでは後にMARIAになるRED WORKER’Zのバック演奏で披露、解散ライブではカラオケで披露され、”10年後の8月”ではソロコーナーでカラオケで披露された。よって今作はTOMOKAの最大の代表曲という立ち位置になるが、前述のようにTOMOKA参加後のライブには皆勤で披露されまくった割にはZONEとして演奏したことは無い。各メンバーのソロはソロコーナーでやる事が多かったためだが、もう少し演奏力が上がっていれば「空想と現実の夜明け」に続く立ち位置交代曲として生演奏で聞けたかも…。
CDでもドスが効いているが、ライブだと気合が入ってさらにドスの効きまくった歌声で披露されるので、シングルやMVでのかわいらしいTOMOKAしか知らない人は驚いたと思う。ただあまりにドスが効きすぎて正直ライブ会場では2回とも(戸田市文化会館、日本武道館)全く歌詞が聞き取れず、解散ライブではこの曲披露時の爆音で耳がぶっ壊れて後に難聴で病院送りになるトリガーとなった。”10年後の8月”での披露時は暴れ馬気味だったパワフルな歌声が安定してすっかりレディーな感じになっていた。
★★★☆☆
3rdアルバム『N』
2ndベスト『ura E~Complete B side Melodies~』
Bible
作詞作曲:町田紀彦、編曲:山原一浩
MIZUHOソロ+コーラスTOMOKA。CDではサビ以外はMIZUHO単独歌唱、サビ部分でTOMOKAが参加していたが04年ツアーではMIZUHOの単独歌唱で披露された。「GO!」とは一転してこれまたロック調のメッセージソング。こういうカッコいいMIZUHOもありだなぁと思っていたがライブでやったのはこの時限り。引退を決意しての最終披露として「GO!」を選択したというのはMIZUHOなりの芸能人生との決別の意味があったのかもしれない。
★★★★☆
3rdアルバム『N』
BeaM
作詞作曲:町田紀彦、編曲:高橋KATSU
結果的に新生ZONE4人全員で歌っている唯一のアルバム曲。北海道文化放送のCMソングとして2003年には使用されていたらしく、TAKAYO在籍時にCMも流れていたそうだが、音源化されないままにアレンジごとリメイクして新生ZONEとして音源化した模様。新曲の中でも格段にアイドルっぽいポップで明るい曲調でビーム!とかガンバ!とかかわいらしい掛け声も入ってくるが、サウンド自体はけっこう骨太なサーフロック調にアレンジされていて前曲までの流れも損なっていない。アイドル派もバンド派も幅広く満足できるような1曲。
当時のアルバム発売抽選イベントという名のラジオ公開収録ではダンス曲として披露していていたが、夏のツアーでは生演奏して練習の成果を見せた。リードギターMIYUの成長ぶりが頼もしかったのを記憶している。なおアルバムイベントの入場直前に集めてラスト前までに集計したアルバムの人気投票で3位と言っていて人気も高い曲と思われたが、『ura E』投票では17位以下で圏外だった。操作だったか。
★★★★☆
3rdアルバム『N』
Like
作詞作曲:町田紀彦、編曲:山原一浩
MAIKOソロ+MIYUがコーラス。他の2人曲同様にサビ以外はMAIKOソロ、サビでMIYUと2人で歌っている。アコースティックギターを生かしつつもフォークロック的な明るいテイストの曲。バラードのMAIKOのイメージから新たなMAIKOの魅力を引き出した良曲で、今作で全体的に絶好調な町田紀彦だったがこの曲は特に歌詞もメロディーもいいと思う。先のアルバム発売抽選イベント会場入り直前にアンケートして、イベント中に発表された投票結果では2位だった(1位が「卒業」という予定調和っぽい結果だった)。『ura E』投票でも2位だったので真に人気曲だったと思われる。
MAIKOは03年のライブでアコースティックギターを披露したいと考えていたが、直前に骨折してしまったこともあり断念。04年夏のツアーで念願のアコースティックギター初披露となり、MIYUとのWアコースティックギター弾き語りでこの曲を披露した。そっちのバージョンもまた素晴らしかった。ただこれによりオリジナルアレンジではライブでやっていないと思われる。
この路線を期待していたファンも多かったはずだし、本人も自分の適性はこれだと考えていたっぽいんだけど、解散後のMAIKOはZONE時代の自分を捨ててMARIAとしてのロック路線を磨いていくこととなり声質もかなりハスキーに変わっていった。
★★★★☆
3rdアルバム『N』
2ndベスト『ura E~Complete B side Melodies~』
prayer
作詞作曲:町田紀彦、編曲:Ocean Born
MIYUソロ。どういうわけか本格的にジャズでムーディーな雰囲気でZONEとはかけ離れた完全ソロ曲。この後の「REAL」ではR&Bだったし、町田紀彦の幅広さにも驚くが、色々な曲調で勉強させたいという親心もあったのかもしれない。ただ…異色すぎてZONEとしては浮いていてソロコーナー以外で使いどころがない…。さすがにこれを生演奏するのは方向性が違いすぎるだろうし。相次いでソロで違う方向性をやらせていたのとこの後のソロデビューも重なって、解散は既定路線だったのではないかとも言われたが、当の本人が抜け殻になってしまって本格ソロ活動を始動できずに1年以上引退状態に陥ってしまったのだからこういったZONEとかけ離れたソロもあくまでZONEありきで考えていたのだろう。
中学卒業寸前の時期でこの曲をこの声で歌っているというのは改めて驚愕。ZONEが続いていて順調に擦れずに成長していたらMIYUはどんな大人のボーカリストに成長できたのだろう。もちろん早熟すぎてそれ以上の伸びは無く失われる部分の方が多くて既にピークが来ていた可能性もあるが、ちゃんと見たかった。少なくとも解散ショックから戻ってきて束の間のソロ活動や”10年後の8月”以降のMIYUは失ったものを取り戻すのが精一杯な感じでZONE現役当時に感じた凄さはあまり感じられなかった。
★★★☆☆
3rdアルバム『N』
白い花<acoustic ver.>
作詞作曲:町田紀彦、編曲:Ocean Born
8thシングルのリメイク。アレンジから完全に別物でボーカルもMIYU+コーラスMIZUHO。元々はTAKAYO在籍時にライブでアコースティックアレンジを披露していたため、そのバージョンを基にした音源化を考えていたものと思われるが、TAKAYOが脱退してしまったので代わってMIZUHOがコーラスを担当したものと思われる。よりしっとりとした切なさが増してなかなかいい感じだが、これまた季節外れだったためか夏のツアーでは披露されなかった。
★★★★☆
3rdアルバム『N』
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