1つのレコード会社に留まらず、数年おきに移籍を繰り返すという落ち着きの無さからけっこう気難しい人なのかなぁ…というイメージが芽生えていく中、ここでついに自主レーベルBuppuを設立。既に第一次ワーナーの頃に事務所は個人事務所を設立、2005年頃には個人スタジオJingumae Buppu Studioも完成し、時々しかやらない大掛かりな大人数のレコーディング以外はスタジオを借りる必要も無く、完全に自宅でPCとにらめっこして制作する自給自足の制作体制に移行していた。ここまで来れば流通網だけ大手と提携できればレコード会社に所属しているメリットもあまり残されていなかったといえるし、むしろ独立は少し遅いくらいだったのかもしれない。なおスタジオ名にもレーベル名にもしたBuppuとは犬がゲップする時の英語の擬音語”burp”をもじったものとされている。
当初は全国流通させる手段が無かったのか、第1弾シングルCD「林檎の花」はサークルKサークス限定販売(当時あったコンビニチェーンで元々はサークルKとサンクスと別のチェーンだったが統合されていた。最終的にファミリマートに吸収されて消滅した)、第2弾「Remember My Name」は配信限定となっていた。作品が全国流通したのは独立後最初のアルバムとなったライブアルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』からとなった。2011年1月にトリビュートアルバム『We Love Mackey』は2番目に所属したソニーからのリリースだったが、そのソニーがBuppuレーベルの流通を請け負う形になったようで、ライブアルバム以降はCD/DVDに限らずグッズまでもがSony Music Shopにて販売されるようになっている。品番はBUP。
制作体制は基本的にEMI時代後半から変化が無かったが、エイベックス期の途中からギターの小倉博和がほとんど参加しなくなってからは佐橋佳幸がずっと参加していたのが途中から石成正人・佐橋佳幸の2人体制になってきて、佐橋佳幸も参加が減ってしまい、気が付けば古くからの参加者がほとんど絶滅状態になっていた。
25周年を過ぎてからの2016年のアルバム『Believer』発売時に唐突に第3章の幕開けと言い出すなどフェーズが切り替わった事を本人が宣言している。
一方で1999年一緒に逮捕された”友人”にしてその後槇原の個人事務所WORDS&MUSIC社長になっていたShuichi Okumura氏が2018年3月に事務所代表を解任され、直後に覚せい剤で再逮捕される事態が発生。2013年より使用を再開していたと供述したと報道され、裁判でも検察側にそのように指摘されたが本人は「会社を解雇されて納得いかない気持ちがあった」と突然の解任にショックで再度手を出したような事を言い放ったらしい(解任数日で逮捕されているので辻褄が合ってないが、所持だけでなく使用の容疑で捕まっているのでその時の使用は解任のショックとしたのかもしれない)。槇原本人は大丈夫なのかという心配する声が多い中で、新たな事務所代表には槇原本人が新たに就任したようだった。
この社長解任逮捕騒動の後、制作体制が変わり、『太陽』~『EXPLORER』頃までシンセプログラマーを担当していた毛利泰士が久々にSynthesizer Programmerとして復帰。槇原のAll Instrumentsはそのままながら1人でひたすら打ち込みをするのを止めて毛利泰士と共同作業を再開させたようだ。以降毛利泰士はブレーン的存在となった(ライブのセットリストへの意見もしている模様)。小倉博和も一部楽曲で復帰、サポートミュージシャンの参加も再度増えた。
しかし2020年2月、槇原敬之2度目の逮捕。結局槇原敬之も1999年一緒に逮捕された”友人”にして前社長Shuichi Okumura氏と一緒に再犯していた事が判明。この件に関して本人は前回と違ってほとんど言及していないが、捕まった時点ではもうとっくにやっていなかったと明言しているので2年前の前社長逮捕時は証拠不足で逮捕に至らなかったものの捜査が続いていてここに来て何らかの確証が得られて踏み込まれたものと思われ、容疑もまさに2018年のものだった。
2021年に復帰。『宜候』では沢田知久がエンジニアとして19年ぶりに復帰したかと思えば沢田の後に一時積極起用していた飯尾芳史までもが復帰した。『宜候』『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』の新曲クレジットはちょっとした同窓会状態となっており、前社長を社長にした前後の時期にそれまでの馴染みの面々が1人また1人と去っていったが、前社長を解雇して完全に関係を断絶した途端に過去の仲間達がどんどん戻ってきて外部参加者も増えたというのはやはりどこか関係しているところはあったんじゃないかとは思ってしまうところだ。
また『宜候』発売時にこれが東京で制作する最後の作品になると宣言しており、都内の自宅を引き払って東京を離れた(新たな居住地は不明)事を明かしている。これに伴い自宅から通うにはかなり遠くなったので2005年より使用していたJingumae Buppu Studioも拠点ではなくなったと思われるが以後の新作発表が途絶えているため、どうなっているのかは不明。『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』での新曲のクレジットでは録音スタジオのクレジットに曲番号付記が無いので分からないが、ミックスやマスタリングは別のスタジオで行われている旨が記載されている。
25周年を迎える2015年に2014年の2シングル追記予定だったがそのまま流れ、30周年は逮捕により中止
2026.1~2 リメイク&2014年以降を新規追加
41st 林檎の花

2010年12月8日(配信)/2011年3月11日(CD)
Buppuレーベル第1弾作品。配信を経て、CDはサークルKサンクス限定販売(同社が経営していたときめきドットコムで通販)という狭い販路での発売となり、O社では対象外扱いとなったためランクインは無く、実売枚数も不明。サークルKとサンクスは元々それぞれ別のコンビニチェーンだったが2004年にサークルKサンクスとなっていた。セブン、ファミマ、ローソン、ミニストップよりもサークルK・サンクス店舗数は少なくどこにでもあるという状況ではなかったため当時店舗に買いに行くのは少し難しかった。一応サークルKサンクスのネット通販サイトでも販売されたがシングル1枚に送料がけっこうかかるのでわざわざ買わなくてもなという結論になり、当時の入手はあきらめ、後日中古で発見して入手した。またそれ以前に発売当日に大震災が発生したため今作の入手どころではなかったのもある。
なおサークルKサンクスは2016年にはファミリーマートに吸収され、順次消滅していき(概ね閉店ガラガラかファミマにリニューアル)、現存しない。
配信版ではシングルとして3トラックきちんと配信されており、現行カタログに入っている。
林檎の花
JR東日本東北新幹線新青森駅開業記念キャンペーンタイアップ。2010年9月から使用され、先行配信もされていた楽曲。奇しくもCDとしての発売日があの2011年3月11日だったため、タイアップ先の青森駅もサークルKサンクスによる入手も関東より北の人たちにとってはそれどころじゃなくなってしまった。
穏やかなバラードナンバーで、“あのこ”のことが本当に好きなんだろうなと“君”を見ているという主人公が傍観者の立場になっている珍しいシチュエーションの曲。あの子でもあの娘でもなく“あのこ”なのはあえて性別や年齢を限定させないための試みなのだろうか。行間を深読みすれば主人公はどちらかに淡い恋心を抱きつつ応援するつもりのようにも思えるがその辺りはハッキリしていない。いくつかの解釈の余地があると思う。
サウンド面ではソニー移籍時の「素直」を思わせるピアノ弾き語りで始まり、後半は音数も増えてくるが最後までシンプルな佇まいでコクのあるメロディーを聞かせる。全盛期と言える時期の楽曲を踏襲するような新曲でもまだまだ衰えていないところも示している。
★★★★☆
18thアルバム『Heart to Heart』
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
4th配信限定ライブアルバム『マキハラボ』(Live)
C/W 素直 2011 Version
1997年の17thシングルのセルフカバー。「素直」を彷彿とさせる新曲のC/Wでまさかのその「素直」セルフカバーに挑んだ。2007年のバンホーテン「ピュア・ココア」CMソング起用、2010年のベスト『Best LOVE』への選曲、同年にJR東日本・東北新幹線全線開通のCMソングにも起用され、2011年1月のトリビュートアルバム『We Love Mackey』でも選曲されて福原美穂がカバー…とここに来て楽曲再起用・再評価の流れが来ていたのも影響してのここでの本家セルフカバーだったのかもしれない。
当時のAlbum Versionも実質リメイクだったのでこれが3バージョン目となるが、シングルを踏襲したピアノ弾き語りで始まり、前半はほぼ同じだが後半以降はストリングスが入っている。同じく静かに歌い上げる「林檎の花」のC/Wというポジションは非常に合っていたと思うけど、新しいアレンジを提示するというよりは今の声でもう1回歌い直してみた感じか。当時の歌声には当時の良さがやはりあったとは思う。
★★★★☆
2011 Versionアルバム未収録
Remember My Name
2011年5月25日(先行配信)
自主レーベル第2弾作品として配信でリリースされた…というより当初から「先行配信」としてiTunesで配信とアナウンスされていたためか、現在公式サイトのディスコグラフィーではシングルとしてもその他枠でも一切扱われていない。
ひたすら相手に友情を伝える優しい楽曲。王道といえば王道だけど、あまり真新しさはなく、あまりシングル曲という感覚が無い…。
経緯としては元々アルバム用の新曲として準備していたのを震災発生の翌週にラジオで流したところ反響があったために配信する事になったもので震災前に完成していた。しかし”君の心が悲しみの海の底に沈むなら”というフレーズがあった事と3ヶ月後に配信した事から震災を受けて書き下ろされた曲と解釈される事が多かったようだ。
★★★☆☆
18thアルバム『Heart to Heart』
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live)
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
二つのハート
From 18thアルバム『Heart to Heart』
2人でいることの幸せをかみしめるストレートで暖かなラブソング。エヴァーグリーンというかエイベックス期に比べると優しさが戻ったような作風が暖かい。最後の3行”具合がよくなったら あそこの神社にいこう 二人でお礼にいこう”が出てくることで実は”君”が現在体調を崩していた(風邪で寝込んでいる程度だと思うけど)現状が明らかになる構成がちょっと不思議な感じ。またさすがにエイベックス期に神様神様連呼しすぎと言われたのを気にしたわけではないと思うが、神社でお礼する相手なんだから神様ではあると思うんだけどここで神様という単語を直接出さずに表現する辺りに今までにない工夫が。
★★★☆☆
犬はアイスが大好きだ
From 18thアルバム『Heart to Heart』
槇原の犬好きは現在ではかなり広く知られる事となった。初期の頃はそんなに歌詞に登場しなかったが、『Home Sweet Home』で犬を見ていて”気づき”に発展するという「君が教えてくれたもの」を発表以降は、定期的に犬から気づきを得た犬ソングが登場するようになり、「赤いマフラー」も普通にラブソングだと思ったら死んだ犬に対してのラブソングだったというほどで、直接出さずとも犬に向けて歌った曲は多数あるのかもしれない。一応あまり犬犬言うのは控えているようではあったんだけど、自主レーベルになり何かが開放されたのか、この曲では犬全開。自分の飼い犬がアイスが好きだというだけで1曲作ってしまったという犬が大好きじゃないと作れない珍作。楽曲自体はさほど印象に残るものではないが、『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』では堂々1曲目に選出されており、槇原犬ソングの全開点(?)としてピックアップしておきたい1曲。
★★★☆☆
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
LUNCH TIME WARS
From 18thアルバム『Heart to Heart』
日本テレビ系『ヒルナンデス!』テーマ曲。OLの昼休みランチタイム戦争ソング。他者への提供以外での女性目線で全面的に女性言葉の楽曲を歌うのは初めて。かなりファンキーなノリで、サビもそのまま番組名を連呼するというものでタイアップには忠実だが一応歌詞中ではヒルナンデスではなく“昼 昼 昼なんです”と表記されている。ある種お遊び曲的な部分もあり、番組出演者が踊る番組用のPVが制作されたり、発売前には「汐留OL編(うそ)」というサブタイトルも付記されていたという。
2011年3月28日の放送開始から使用9周年突破目前まで永続的に使用されていたが2020年2月の逮捕により緊急で使用中止となり、ライブラリー音源で繋いだ後に10月から新テーマ曲に完全に切り替えられた。
ベスト盤に選曲しなかったのは意外だったが、その後Buppuレーベル楽曲だけで構成したツアーでは演奏された。ライブ盤を聞く限り、ミディアム連発の流れの中で「Fall」「超えろ。」に挟まれた本編後半の盛り上げゾーンとして機能していた模様。
★★★☆☆
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
風は名前を名乗らずに
From 18thアルバム『Heart to Heart』
ケルト風味のアレンジによる雄大な楽曲。歌詞的なトピックやシングルであるという点を除くと『Heart to Heart』の中では「林檎の花」と並ぶメロディーとアレンジが響き渡る名曲だと思う。選びすぎな印象もあるベスト盤だがこの曲をしっかり選出していた辺りはさすがだと思う。
★★★★☆
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
軒下のモンスター
From 18thアルバム『Heart to Heart』
主人公の”僕”が”好きになる相手がみんなと僕は違うんだ”という事に気づき、その相手は”彼女もできずに結局夏祭りに僕を誘った君”と明確に主人公とその好きな相手のどちらも男性であることが明記された初の楽曲。このため当時はついにカミングアウトだと少々話題になったりもしたが、現在に至るまで正式に語ったことは無い。『歌の履歴書』では”昨今、マスコミにはLGBTの文字が頻繁に登場するが、槇原は何かの言葉で分類しようというのではなく、一人ひとりの顔が浮かぶように、歌に描いた。”と著者の小貫氏によって説明されている。また後の『宜候』の「虹色の未来」についての本人談でも”虹色”としたのでLGBTに関する歌かと思う人もいらっしゃるかもしれないしその意味でとらえていただいてもかまわない、としながらも自身が込めた本来の意図を丁寧に説明している。本人はあまり”LGBT”を主張して矢面に立っていくつもりはないというか、小貫氏の言う”昨今”の流れとは一線を引いていて大切にしたい事や主張したい事は別のところにあるように思う。いずれにせよここ数年徐々に状況を以前よりも特定してそれっぽいラブソングがチラホラ出てくるようになっていたけど今回は”君”の事をわざわざ”彼女もできずに”と説明する事で同性だと示す形でガッツリ踏み込んだなと思う。これも自主レーベルゆえか。
非常にピュアな恋心が歌われているが、”普通”とは違う事から自身をモンスターと表現し、ややトゲトゲしたサウンドに仕上げた辺りにはマイノリティの苦しさが見える。1番Bメロの”普通に結婚して~”のくだりの部分だけは未婚者全員に裾野が広がる内容であり、飼い猫を病院に連れて行った際に看護師にこの曲が好きだと言われその理由としてこの部分を挙げられたというエピソードが『歌の履歴書』で語られており、本人も個人的な歌のつもりが反響が多くて驚いたという。
★★★☆☆
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
42nd 恋する心達のために

2012年4月25日
アルバム『SYMPHONY ORCHESTRA “cELEBRATION 2010″~Sing Out Gleefully!~』『Heart to Heart』はソニーが流通を請け負う形で従来通りの一般流通販売路を確保、それに続くBuppuレーベル初の一般流通シングルCD。『ムゲンノカナタヘ~To infinity and beyond~』から2年5ヵ月ぶりの一般流通シングルCDであった。
アルバムではトップ10入りを継続していたがシングルヒットはすっかり出なくなっており、初登場32位。以降は30位前後が定位置となる。
恋する心達のために
韓国の舞台「コーヒープリンス1号」日本リメイク版の舞台のために書き下ろした曲。主演した高畑充希が2014年に『PLAY LIST』でカバーを発表している。
舞台の内容にインスパイアされたのか純度の高いラブソング。基本的には主人公単独の葛藤が描かれているように思えるが、タイトルにもあるように”心達”とか”僕ら”とか複数形になっていて、同じ思いを抱えた同志たちと思いを共有しあうような歌詞がちょっと新鮮。自主レーベル移籍以降はアレンジのエヴァーグリーン度が格段に高まって、今作も曲の雰囲気はいいんだけど意外とメロディーが耳に残らなかった。そういう意味ではエイベックス期の「Firefly~僕は生きていく」「WE LOVE YOU.」辺りと同系統という印象。
Album Ver.はリズムトラックの音色が変わっており、シングルでは淡々としていたのがもう少し派手で目立つようになっている。シングルバージョンはアルバム未収録のままでさらに『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』にも外されるというかなり不遇な1曲になってしまった。さすがにそこまで地味ではないと思う。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
19thアルバム『Dawn Over the Clover Field』(Album Ver.)
C/W どんなときも。キャラメルVer.
森永ミルクキャラメルCMソング。キャラメルのCM用にリメイクしたのでそのままキャラメルVer.となったが、原曲よりもマイルドで優しくも、これまでのリメイクの中では最も原曲に寄り添った正当進化版のようなリメイク。特に『Best LIFE』での全編完全加工リメイクはあまりに遊びすぎでやりたい放題だっただけに、今回は真面目に新しいアレンジを作った感じ。
さすがに代表作が無さすぎるためか『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』にはA面を差し置いて収録され、全曲Buppuレーベル内の楽曲のみで構成した攻めまくりのツアー『Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』でも「さあやっとお馴染みのイントロが流れてきました」という正直すぎるMCと共に最後の最後にこのバージョンを演奏するなど最大限に活用された。
★★★★★
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
43rd 四つ葉のクローバー

2012年10月24日
「GREEN DAYS」以来のドラマタイアップシングルとしてそれなりの注目度の中でリリースされるも初登場26位とあまり効果なく久々のヒットには至らなかった。最初から紙ジャケット仕様。
四つ葉のクローバー
阿部寛主演フジテレビ系ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』主題歌。2番手の山口智子は1996年『ロングバケーション』以来の連ドラ、宮﨑あおいも2002年『しあわせのシッポ』以来の連ドラ…と出演者の豪華さと映画監督として有名な是枝裕和が初めて連ドラ監督・脚本をやるという事で火曜22時枠ながら初回2時間SPで映画並のスケールで雄大に始まった…が、起伏のない会話劇が淡々と進むという地味具合で2時間があまりにしんどく1話リタイアしてしまった。同じような視聴者が多かったようで初回は13%だったが2話以降は一桁街道となり、一時5%も下回るなど低調に終わった。また翌年亡くなった名優夏八木勲の遺作ドラマにもなった。この頃から闘病していたようだが初回で見ただけでもかなり痩せてしまっていてこれは…と思ったのを記憶している。
確か公式サイトでもイントロ、ドラマ開始後にタイトルバックでかかった時もイントロ…と何故かイントロばかり使用されていたので、メロディーよりもケルト風味かつエヴァーグリーンなイントロの方が印象に残る楽曲になった。高音ファルセットを生かした優しい雰囲気の楽曲でBuppu移籍以降のシングルでは最もシングルらしい風格の印象深く残る1曲にはなった。
Album Ver.ではトオミヨウによるストリングスアレンジ表記が追加されている。『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』では曲によってアルバムバージョンかシングルバージョンを選択しているようだが今作はシングルバージョンが選択されている。
★★★★☆
19thアルバム『Dawn Over the Clover Field』(Album Ver.)
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live)
4th配信限定ライブアルバム『マキハラボ』(Live)
C/W ゼイタク
タイトルからしてまた真理を説き始めるライフソングか、ゼイタクは敵です的な環境問題にでも切り込むのかと思ったら久々に恋人がいない1人の休日を満喫するもすぐに飽きて一緒にいることのゼイタクさに気づくというゆったりしたラブソング。大きなインパクトは無いが温かみは感じられる1曲だ。
今作もAlbum Ver.ではトオミヨウによるストリングスアレンジ表記が追加されている。またシングルでは歌と共に演奏が終わっていたが、Album Ver.ではカウントと共にアウトロが再開されるため30秒程度長い。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
19thアルバム『Dawn Over the Clover Field』(Album Ver.)
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』(Album Ver.)
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
Boys & Girls!
From 19thアルバム『Dawn Over the Clover Field』
下の世代に向けて恋愛の素晴らしさを説き、恋をしようと啓発するという新境地な恋愛推奨ナンバー。そういえばライフソングは推奨の雨嵐だが、恋を推奨した事は無かったので新しい。Boys&Girlsと言っておきながらも”コンビニご飯1人食べて”などのフレーズから想定されているのは10代よりも20代くらいのいわゆる草食系と呼ばれる独身一人暮らし社会人辺りを特に想定しているといった印象。
1人の方が気楽というのをほぼ1番だけで全否定しているので、一部では恋愛に興味が無いorモテない人達への挑発ソングとも揶揄され、個人的にも右から左へ言葉が突き抜けていった楽曲ではあった。
★★★☆☆
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
44th Life Goes On~like nonstop music~

2014年2月26日
バナナマン設楽統と2ショットという謎なジャケ写となっているが、これはタイアップ先のフジテレビ系情報番組『ノンストップ!』の司会者がバナナマン設楽統で番組スタジオで撮影されたからとなっている。アートワークでのコラボのみで設楽統は音源には参加していない。初登場31位。
Life Goes On~like nonstop music~
フジテレビ系『ノンストップ!』テーマソング。2012年4月の番組開始から使用されていた元気ロケッツ「Heavenly Star」OPと1度交換されていた洋楽のEDに代わってOP/ED統一の2代目テーマソングとして2013年11月4日から2016年9月30日まで使用された(2020年逮捕により『ヒルナンデス!』、関テレ社歌、『じゅん散歩』で使用していたテーマ曲が一斉に強制終了となったが、このタイアップのみ逮捕に関係ない使用期間終了)。以後3代目の星野源「Non Stop」に交換された(星野源とバナナマンはプライベートでも親交があるためかその後テーマソングは交換されていない)。なお使用期間中はフジテレビ系『ノンストップ!』9:50~11:25→日本テレビ系『ヒルナンデス!』11:55~13:55と30分ほど時間をおいて平日帯の番組2本のテーマ曲を続けて担当している事になった。
当時「女性に向けた曲は初めて」とコメントしたことで、案の定今までのラブソングはすべて男相手だったのか!などと曲解がネット上の一部で広がったが、「もう恋愛とかしないのかな、と思っているような人に、もっと勇気を出して恋愛してほしい」ともコメントしており、ラブソングではなく女性全般に向けてのメッセージソング(応援歌)が初めてだという意味と思われる。単なる女性目線だと「LUNCH TIME WARS」の立場はどうなるんだよ…という事になるし、提供曲ならEarly Morning「かみさまでもえらべない。」なんか思いっきり女性目線の曲であったので言葉が独り歩きした感がある。
実際には恋というよりお気に入りだった服が加齢と共に似合わなくなっている事を悩んでいるような年齢を重ねた女性に対して“今の君に一番似合う服を恋を生き方を探すことをどうかやめないで”と人生をもっと楽しもうと優しく歌いかける応援歌。まあ普通に聞いていれば若者と呼ばれる時期を過ぎた女性に向けての応援歌だなという事はなんとなく感じられるものの、”まるで飛べなくなった魔女みたいな気持ち”というフレーズ以外には性別を限定するような表現は無く、若い頃の服が似合わなくなるのは男性でもある事はあるのでそこまでターゲットを年齢を重ねた女性だけに限定しすぎている感じはしない。
ポップで聞きやすい王道的なナンバーで聞いている間はいい曲なんだけどサビでももう1つ盛り上がり切らずになかなか印象に残ってこない…というエイベックス後期からチラホラ出てきた感覚はより顕著になってきているところはある。『Lovable People』で聞いた時点で既にあまり覚えておらず、『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』で聞いた時には聞き覚えはあった…くらいにはなっていたので完全に忘却にはなっていないが…。
★★★☆☆
20thアルバム『Lovable People』
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
C/W 君への愛の唄
当時放送作家の鈴木おさむがミュージカル脚本に初挑戦して演出を宮本亜門が担当、過去の槇原敬之楽曲で全編構成されたミュージカル『愛の唄を歌おう』のテーマソングとして書き下ろした新曲。
ミュージカルの内容に合わせて書いたからこうなったのかは分からないがドストレートなラブソング。ピアノ1本からバンドサウンド風に穏やかに盛り上がっていくが、君が好きだという思い、そして相手への感謝、相手の幸せを願う、この先どんなことがあっても一緒に歩いていこう、と初期から現在までラブソング/ライフソングで描いてきた事を対個人への愛情としてストレートに1曲の中で集約したような唐突ながら槇原ラブソングの集大成的な内容。
今まで歌ってきた事をまとめたような究極と言えるラブソングをC/Wであっさり発表してしまって良かったのか。なんかこう周年記念曲とかせめてアルバム最終曲とかもっとあっただろう(アルバムでは最終曲の1曲前)。
★★★☆☆
20thアルバム『Lovable People』
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
45th Fall

2014年11月19日
平均15%を越えたヒットドラマタイアップでも初登場33位といつもとあまり変わらなかったが、それでも300位以内3週が標準だった中で7週ランクイン。数千枚程度まで落としていた売上は1万枚目前まで引っ張れたのでタイアップ効果はあったと思われる。時代的にDL配信でも多少好調だったと思われるが、レコード協会でも過去のヒット曲数曲以外にDL/STでの認定系の記録は出てこない。
Fall
綾瀬はるか主演日本テレビ系ドラマ『きょうは会社休みます。』主題歌。30歳を越えて彼氏がいた事が無い主人公が恋に落ちるというドラマの内容を反映し、恋を知らない主人公が恋という新しい世界の扉を開ける事を恋に落ちるのと引っかけてFallと少し斬新な表現をした楽曲。明るいというより不穏な感じがするサウンドでサビ終わりの”IT’S TIME TO FALL!”も本当にストンと落下する感じがして少し怖さを感じる。”IT’S TIME TO FALL!”であってFALL IN LOVEにしなかったのは不安や面倒な事もひっくるめて表現するために意図的に入れなかったとされる。
かなり深く考え込まれて作られたのは確かであるが、考えすぎた感はあり、やっぱ普通に聞いてなんか不穏というか不安なんだよな…。それこそ唐突に恋に落ちる様子を描いた「モンタージュ」のような切ない感じが今作には全く無いし、ポップミュージックとしては恋に落ちる曲で不安な感じが漂ってしまうのは致命的な気がする。またドラマの主人公に合わせすぎたため対象が限定的過ぎてあまり広い共感は得られないようにも思う(恋をする気が全く無かったり興味がなかったのに唐突に恋に落ちた、くらいならもう少し広がるが、今作の場合は恋をした事が無いだけでなく恋の1つも知らないで一生を終えるのは嫌だと思っている恋をした事が無い人まで絞り込んでいる)。
考えすぎ…というのと関係があるのかは分からないが、この時期は最早自宅で1人コンピューターに向かってひたすら打ち込み続ける制作スタイルになっており、プライベートスタジオすらサポートミュージシャンを呼んでのセッションの時に使う形だったのでひたすら座り続けて立ち上がったらお尻の形が変形していたというほど座りっぱなしで1人でこもって曲作りをしていたらしい。さすがにもうオペレーターに頼もうと考え始めていたようだ。これが『Design & Reason』以降の毛利泰士復帰に繋がっていく事になったようだ。
★★★☆☆
20thアルバム『Lovable People』
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
1st配信限定ライブアルバム『MAKIHARA NORIYUKI SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT “cELEBRATION 2015”~Starry Nights~』(Live)
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
C/W 新しいドア
MBSがん検診啓発キャンペーン「MBS Jump Over Cancer」テーマ曲。冒頭から健康診断やがん検診に行ってない主人公が大切な人のために考え直して健診に行こうと決意する…というビックリするほど啓発系企業CMそのままの内容なザ・啓発ソング。いやさすがにそのまますぎるっていうかなんていうか。この辺りは諸説ある話でもあるしここまでひねりなく啓発系の曲はどうもなぁ…。
★★☆☆☆
20thアルバム『Lovable People』
言わせて下さい
From 20thアルバム『Lovable People』
25周年記念曲。しかし何故か今までやった事なかった歌謡曲アレンジ(ストリングスアレンジはトオミヨウ)。メロディー自体は王道のポップソングで歌詞は25年の感謝と今後の決意を歌ったオーソドックスな記念曲なんだけど何故に歌謡風なのか。完全にノリノリでこれまたやった事ないようなコブシ効かせた風な歌唱まで披露してるし。インパクトはあって面白い1曲だったが、ベスト盤には選曲されなかった。
★★★☆☆
46th 超えろ。

2015年5月27日
アスリートスタイルの槇原敬之が選手や犬と一緒に陸上のハードルを越えている瞬間という珍妙なジャケットでインパクトをさらった(?)。まあこんな隠れアスリート体型なわけないから普通に顔だけの合成と思われる。初登場27位。
超えろ。
関西テレビ放送(カンテレ・KTV)社歌、同局の帯番組『みんなのニュース ワンダー』オープニング曲。番組は2017年に終了したが、カンテレ社歌としてその他のスポット等でも使用され続けていたようだ。しかし2020年の槇原逮捕に伴い即日強制終了となった模様。
シングルとしては「どんなときも。」以来の句点がついた曲という事で新たなる「どんなときも。」系統の応援歌としても紹介されていた。英語タイトルの「WE LOVE YOU.」にも句点に類するピリオドが打たれていたぞ「WE LOVE YOU.」の立場はどうなるんだここに来て自分の限界を超えていけと力強く鼓舞してくれる応援歌。自身が主人公で“僕”の強い決意を歌った曲はあるが、相手をここまで力強く半ば命令調で鼓舞してくるマッチョなスタイルはかなり珍しく(だから自らマッチョになってハードルを越えるジャケ写になったのか)今までにない勢いが感じられる。久々に数回聞いただけでサビのフレーズが耳に残ったし、相当な気合を入れた勝負作だったのは間違いない。…が、好きかというと…うん…そんなでもない…というのが正直なところ。Buppu時代のシングルの中では個人的に3番手という事で赤★3にはしているが、限りなく★3に近い。
Renewedはファミコンみたいな電子音が全体に渡って追加されているという謎の仕上がり。アルバムバージョンがあれば採用した曲もある『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』では普通にシングルバージョンが選択されているがまあそりゃそうだろうなと思う。
なおAmazon Musicではバージョン名は合っているのにRenewedが明らかにシングルバージョンに音源自動差し替えになってしまっているのを確認。どうやらシングルも『Believer』もHD音源のはずがULTRA HDになっているので『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』の音源で上書きされてしまっているようだ。Amazonでは日常茶飯事のバグなので音源確認はなるべくAmazonではしない方がいい。SpotifyやAppleもしくはCDがあるならCDでしないとダメだな…。
★★★☆☆
21stアルバム『Believer』(Renewed)
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
C/W 5 minutes
NHK BSプレミアムドラマ『ボクの妻と結婚してください。』主題歌。2016年織田裕二主演で映画化もされているが、こちらは初出の舞台版に続いての内村光良主演だった。余命半年の放送作家の男が最後の企画として妻の再婚相手を探すという内容だったようだが…。
今作は電車で遠くへ旅立っていく別れまでの5分を描いたラブソングとなっていて直接ドラマの内容には合わせに行っていないが感謝や愛情の部分で通じるものがあったという感じだったのだろうか。初期の延長戦にある暖かみのあるラブソング。「君への愛の唄」もそうだったけど実は犬でした的なオチも無く、ストレートに初期のラブソングの延長にある大人になったラブソングを再び描くようになっていったのは教訓ばかりだった頃を思うと大きな変化だ。
まあ裏事情的にはこの頃には再犯を開始していたとみられるのであまり正しさの主張とか嘘になってしまう事を書き続ける事は出来なかったという精神的な事情はあったのかもしれないと今になって見れば思う。この次の新曲が自問自答の「理由」だったりするのも後追いでまた聞こえ方が変わってくる部分だ。
Renewedはイントロのシンセの音色から異なっているがなんかヘニャヘニャした瀕死みたいな音になっていて謎な仕上がり。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
21stアルバム『Believer』(Renewed)
配信 No.1(2015)

2015年10月28日
1993年8thシングルのセルフカバー。鈴木亮平主演映画『俺物語!!』主題歌。10月31日の公開直前の配信。ジャケ写は原作漫画の作画担当アルコ氏による原作主人公剛田猛男と槇原の2ショットイラスト描きおろしとなっていた。
主題歌起用に合わせて新録音したバージョン。公式サイトでは区別のため(2015)とつけているが、実際の配信市場では何故かバージョン名が無くタイトル「No.1」だったので原曲とタイトルの区別がつかない。ジャケットだけ変えて原曲を配信し直したようにも思えてしまうため、どう考えても音源納品時にバージョン名をつけなかったのはレーベル側のミスだったと思うんだけど…。
これまでのリメイク楽曲に比べてもかなり原曲そのままに近い。変なポム音が聴こえたりと細部に変なこだわりが垣間見えるものの、明るくポップな雰囲気は変わっていない。やはり全盛期、強いな、曲がとにかく強いな…とはどうしても思ってしまう。
その後、アルバム収録の機会も無く、配信限定のままとなっている。もしかしたら30周年の夏にリリースを予定していたベストアルバムで回収するつもりだったのかもしれない。
★★★★☆
アルバム未収録
47th 理由

2016年8月24日
ドラマタイアップだったが初登場48位まで低迷。2週目126位で300位以内2週ランクインに留まった。売上は0.3万枚で極端に落としはしなかったものの、100位圏外の1st2ndを除くランクインした3rd以降の全シングルの中ではシングルカット「Wow」の57位に続く2番目に低い最高位、売上は最も低い。
理由
尾野真千子主演テレビ朝日系ドラマ『はじめまして、愛しています。』主題歌。視聴率は10%弱でそんなに悪くは無かったがテレ朝ドラマタイアップで他局に比べるとちょっとヒットしにくい印象はあるか…。
1コーラスの間に冒頭で1回、サビで3回も”自分”が出てくるくらいに久々に自問自答系のライフソング。自分を信じ、愛するあなたも信じると歌う2番でそれに続けて”神様を信じてる”と唐突でもしっかり神様出してくる構成は実に槇原敬之らしいところだと思う。今作の文脈の中で神様信仰を唐突に宣言する必要正直一切無い。”信じている”ものの流れで出してくるのでそれだけ神様が同じところにあるんだろうなとは思う。
アップテンポでノリのいい曲ではあるんだけど、延々自問自答というかなんだか疲れている感じがするのはそれだけ混沌とし始めていたのかもしれない。今になってみると再犯していた時期に完全に入っていたと思われるので余計にそう思う。曲調的にもどこか「Fall」の不穏シリアス+「超えろ。」の勢いみたいな感じ。
★★★☆☆
21stアルバム『Believer』
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
C/W 一歩一会
テレビ朝日系列『じゅん散歩』番組テーマ曲。2015年9月28日の番組放送開始から11月20日までは2006年のシングル「ココロノコンパス」が何故か起用されており、11月23日より今作が使用されていた。また「Life Goes On~like nonstop music~」を使用していた9:50~11:25のフジテレビ『ノンストップ!』と9:55~10:25の『じゅん散歩』は放送時間がドン被りしていて『ノンストップ!』は9月30日までで「Life Goes On~like nonstop music~」使用を終了するなどほぼ入れ替わる形だった。続く時間帯11:55~13:55の日本テレビ『ヒルナンデス!』の「LUNCH TIME WARS」はずっと使用されていたので平日午前中帯の2番組テーマ曲を槇原敬之が抱えている状態が2020年逮捕により緊急使用終了となるまで続いた。なお2016年9月29,30日の2日間のみ「Life Goes On~like nonstop music~」「ココロノコンパス」「LUNCH TIME WARS」で3番組であった。
最初に使用されていた「ココロノコンパス」が明らかに既存曲の中で最もイメージに合うものを繋ぎで選んだ感アリアリなのでオファーが急すぎて開始に間に合わなかったのだろうか…(基本的にこの枠は春改編だったようだが前番組の『若大将のゆうゆう散歩』終了は加山雄三の意向で7月に決まり、8月に高田純次の起用を決めて8月末に正式発表だったのでテーマ曲オファーもかなり時間が無かったと思われる)。実際歌詞はほぼそのまま散歩の風景を描いたもので全力で番組テーマ曲として寄せており、明るくゆったりした曲調は散歩そのもの。
Renewedはあまり明確な変化は感じられず、パッと聞きほぼ同じ。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
21stアルバム『Believer』(Renewed)
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』(Renewed)
5th配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary”Showcase the Live!”』(Live)
不器用な青春時代
From 21stアルバム『Believer』
SNS普及後の今はそこまででもないが、本人の世代では特にあまりいい響きで迎えられていなかった“オタク”と呼ばれていた人たちの熱量を青春時代として表現し、その熱量の先に現在があると肯定するロック色の強いアップナンバー。ここに来てこれだけ勢いのあるアップテンポは珍しいが、“妄想や理想を追い続けることをやめた時が青春の終わり”という事を伝えたかったと語っており、何もかも落ち着いてしまっては老いて枯れる事を教えてくれる。この時期(50歳が見え始めた40代後半)にこれを歌う事に意味があったように思う。
★★★★☆
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
48th 記憶

2018年10月10日
2017年は新作リリースが無く、個人事務所WORDS&MUSIC社長Shuichi Okumura氏が2018年3月に事務所代表を解任され、直後に覚せい剤で再逮捕される事態が発生。この間に制作体制を変更。2005年頃より”All Instruments:槇原敬之”の表記になってからSynthesizer Programmerの起用を止めて1人で全て打ち込みを行っており、近年は凝りに凝って自宅PCの前に座りっぱなしになっていたため見直そうとは少し前から考えていた事を『歌の履歴書』でも明かしているがここに来てそれを実行。“All Instruments:槇原敬之”表記はそのままだが、Synthesizer Programmertとして毛利泰士が復帰した。クレジットからして基本的には本人だが打ち込み作業を本職である毛利泰士の手を借りて本人の作業負担(座りっぱなしの時間)を大幅軽減する意図があったと思われる。
C/Wには同じ曲のバージョン違い2曲を収録。リミックスではなく別アレンジ(Strings Version)と英語バージョン(Memories)となっている。初登場22位を記録し、48位まで落ち込んだ前作や近年の30位前後よりも高い順位となったが売上は前作よりは数百枚マシという程度だった。
翌2019年は2月に『Design & Reason』をリリース後は2020年の30周年に向けて1年前倒しで30周年企画を立ち上げて10月に第1弾として『The Best of Listen To The Music』をリリース、2020年3月にセルフカバーアルバム『Bespoke』、夏にベストアルバムリリース予定としてしばらく新作シングルを発表する予定は無かったと思われるが、2020年2月に逮捕された事で『Bespoke』以降のリリースは中止(『Bespoke』は復帰後の2022年に発売)。
復帰後は新作リリース自体が少なく、配信とアルバムCDしか出していない。結果的に今作が最後のシングルCDのままとなっている。
記憶
ニベア花王「NIVEA」シリーズ日本発売50周年記念CMソング。
割とストレートにそのままタイアップ先の内容というのが続いていたが、“言葉を超えた思いの記憶”についてが主題の歌詞の中でその記憶の断片の中にタイアップ先NIVEAに繋がる要素(ハンドクリーム、ほほを包む優しい)を盛り込むという技巧が冴え渡るタイアップナンバー。毛利泰士復帰の影響か音の厚みが変わった気がしなくもないが、曲自体はけっこう淡々としていて思ったよりもクールな印象。化粧品タイアップだともう少し暖かみのあるポップなイメージの曲になりそうなもので少し意外だった。当時はアルバムで老いの視点の曲も歌うようになったし、仙人みたいな風貌になっているし、年齢を重ねての変化の影響かなとも思っていたが…今になってみれば改めて生き方を考え直さければならない時期に差し掛かっていた事も影響していたのかもしれないなぁ…。
Album Ver.は5分28秒→5分16秒にフェードアウトを短縮。元々シングルでは歌い終わってラララコーラスになってからフェードアウトまでが1分くらいあったのでちょっと長かった…と見直して短くした、みたいな。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
22ndアルバム『Design & Reason』(Album Ver.)
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』(Album Ver.)
C/W 記憶(Strings Version)
編曲:Tomi Yo
エイベックス移籍時「GREEN DAYS」での初起用ではギターサポートとしてだったがその後はストリングスアレンジを主に任せ、2014年の『Listen To The Music 3』では全面的にアレンジを任せた事もあるトオミヨウのアレンジバージョン。ストリングス中心でリズムオフのシンフォニックなバージョン。別アレンジではあるが、全く別の雰囲気という事は無く、正しくストリングスバージョンという感じ。リズムオフなのもいつもリズム隊が薄めのトオミヨウの究極系って感じ。
★★★☆☆
C/W Memories
訳詞:Aimee
オリジナルバージョンと同じアレンジでタイトルごと英語に変えた英語詞バージョン。今作の日本語訳は記載されておらず、そもそも“Translation”表記なので別の英語詞ではなく日本語詞を英訳している…と思いきやサビ終わりからして“Time is the music,tender love is our music”と記憶=memoryではなくmusicに変わっておりこれはどこまで意訳しても日本語詞の“言葉を超えた想いの記憶”とはかなり違っているような…。
なおコーラスも英語になっているのでアレンジは同じだが、コーラス残しのカラオケ(Instrumental)なのでこの「Memories」のInstrumentalも別途収録されており、御丁寧に3バージョン全てのカラオケ(Instrumental)が収録されている。
★★★☆☆
宜候
From 23rdアルバム『宜候』
2020年2月に2度目の逮捕。その容疑は2018年3月と4月に薬物を所持していたというもので前回一緒に逮捕された前社長の2度目の逮捕容疑・逮捕時期と同じだった。早くから尿検査の結果は陰性である事、本人もここ数年使っていないと断言していると報じられており、どうやら2018年当時は当然一緒に住んでいたので疑われたが証拠が出ず、何らかの証拠が出ての2年越しの家宅捜査により「こういうものを捨てるときは気を付けた方がいいと聞いたことがあって、とりあえずとっていた」のが発見されての逮捕だったようだ。直後の世界変異・緊急事態宣言騒動により、日常が破壊されてそのニュースばかりになったため槇原逮捕のニュースはあっという間に遠い過去へと押しやられた。
『歌の履歴書』でも既に薬物を絶って数年経過してからの逮捕だったので「自分の心が自分のことをいちばんわかっていた」としていて色々と心も決まっていたようで、前回とは違って淡々と振り返っている。2度目なので全開の逮捕後のような一転して教訓路線に振れる事もなく、逮捕から2年後新作アルバム『宜候』での復帰となった。前回のような反省や気づいた事、正しさの主張を歌われても最早説得力もない。このアルバムでは元々30周年を予定して書かれていたような曲も含めてほとんど2度目の逮捕の影響を感じさせる曲は無い。その中で最も”事件後”を反映した、というか“事件後”はこの1曲にほぼ集約されていると思う。
Bメロで“さよなら さよなら 今度こそさよならだ”と連呼しながら何かにさよならを告げて航海へと出ていく。行き先は心が知っている。珍しい生のバンドサウンドもあって芯のあるサウンドで「太陽」と違って多くを語らずに進んでいくその背中だけで決意を語っているようなそんな佇まい。”さよなら”については警察沙汰はもちろん、自分の歴史の中に関わってくれた人たちの中で申し訳ないけどもういいかなと思った人に対してでもあると明言しており、まあこれは前回一緒に逮捕された前社長の事と見て間違いないだろう。少なくとも見えるところでの制作クレジット上では前社長が離れてからは毛利泰士、沢田知久、飯尾芳史、完全に離れたわけではなかったが明らかに離れ気味になっていたギター小倉博和など戻ってきた人の方が多い。今度こそ大丈夫だと思いたいところだ。何より過去の別れの歌はどちらかというと主人公のいる場所は変わらず、相手が去っていくものが多かった。今作は自分から航海に出て現在地を離れている。実際に東京を離れたと当時のインタビューで明言しており、その辺りも反映されているのかもしれない。
アルバムの中でも全盛期を彷彿とさせるインパクトと勢いに満ちたBuppu移籍以降最大の名曲。
★★★★★
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
2nd配信限定ライブアルバム『槇原敬之 Concert Tour 2022~宜候~』(Live)
配信 うるさくて愛おしいこの世界に

2024年5月1日
編曲:槇原敬之/トオミヨウ
映画『マンガ家、堀マモル』エンディング。シンガーソングライターseta原作で主題歌はseta「さよなら僕ら」。2作のジャケ写はsetaが手掛けていて似たようなデザインとなっている。
2024年唯一発表された新曲。『宜候』以降新作が出なかったが、スランプに陥っていたようで、2022年の復帰ツアーを終えて2023年は新曲もツアー開催も無し。2024年は今作の配信と90年代の曲のみに絞ったツアー「TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season」(1stは逮捕前の2018年に行い2000年代の曲も含まれていた)、新企画のツアー「マキハラボ」を決行。2025年は35周年だったがベスト盤はBuppu15周年を記念した『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』で唯一収録された新曲「You Are the Inspiration」は自身のラジオ用のインストを歌に改作したものだった。新作が出ない代わりにツアーは3本も行い、Buppu曲のみの「Buppu Label 15th Anniversary “Showcase the Live!”」、35周年ツアー「35th Anniversary Concert 2025 “TREASUarenaTOUR”」、前年に続く「マキハラボ」を決行した。
歌詞は作品内容を反映しているようだが、過去に救ってくれて今は会えないところにいる君への感謝の歌で、よくある「醜くも美しい世界」的な表現をオリジナリティを出して「うるさくて愛おしいこの世界に」というのは新しいかも。編曲がトオミヨウと共同名義という完全なる共作は『宜候』の「虹色の未来」に続いて2作目。直近のツアーが90年代の曲縛りの「TIME TRAVELING TOUR」だったのでこの時のアンコールで演奏されたがあの頃の曲と一緒に並んでも違和感がない、歌詞は今なんだけど“往年のマッキー”を思わせるメロディーとサウンドだと思う。
★★★★☆
15thベスト『Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”』
3rd配信限定ライブアルバム『Makihara Noriyuki Concert 2024″TIME TRAVELING TOUR”2nd Season~Yesterday Once More~』(Live)
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