10周年を経て2014年は下半期になってシングル3枚とセルフタイトルアルバム『スキマスイッチ』を精力的に連続でリリースした。ここに来てセルフタイトルを採用しただけあって自信作であったことが伺える充実の内容ではあったが、この反動なのか2015年以降の新作リリースは停滞気味となり、ライブアルバムばかりが積みあがっていく状況となった。ライブアルバムの枚数はあっさりとオリジナルアルバムの通算枚数を追い抜いていった。新作を出してツアーをやるというルーティンに疑問を抱いたとしてあえて新作が無い状況でツアーを行い、レア曲を織り交ぜた選曲を試みたり、既存曲の現バンドメンバーによるリアレンジで積極的に演奏したりもした。この過程でC/W集『POPMAN’S ANOTHER WORLD』、そして全てのアレンジプロデュースを相手に委ねるリメイクアルバム『re:Action』という斬新な企画作も発売された。
2017年末にはオーガスタがユニバーサルに全株式を譲渡すると発表。これに伴いBMG→Ariolaとソニーと提携していたオーガスタはユニバーサルへ移動することになった。Ariolaに変わって正式にソニー管轄になった2009年以降はソニーお得意のアニメタイアップがよく回ってくるようになっていて、これによりシングルCD発売の継続、通常より売上強化が見込め、タイアップ効果が無い事もあったが主題歌となった曲は後年まで支持されてイベント系への出演依頼等に繋がる…等のメリットがあった。しかしユニバーサルに移動した事でアニメタイアップも途切れてしまう事となる。
2018年に発売された久々のオリジナルアルバム『新空間アルゴリズム』に収録されていた「Revival」にはドラマ『おっさんずラブ』主題歌タイアップがついていたが、テレ朝の金曜ナイト枠(23時15分~0時5分)のあまりタイアップ効果ヒットが期待できず、ドラマ自体もヒットするとも思われていなかったが、ドラマはまさかの尻上がりのブームとなり映画化まで行ってしまった。主題歌にも注目が集まり久々の代表曲になるかと期待されたが、当のスキマスイッチサイドは「未来花」が「奏(かなで)」に匹敵する名バラードが出来たと御執心でこっちを積極的に押し出し、「Revival」が最も盛り上がったであろうタイミングで「未来花 for Anniversary」を配信リリースしていた事も重なって「Revival」自体はあまり注目されないままに流れていってしまった。
2018年は15周年も迎えていたが、この際には「未来花 for Anniversary」からコンセプトを発展させた初のセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』を発売。楽曲を花束に見立てて”大切なあの人にラブソングの花束を”として”記念日に贈りたい曲、記念日に聴きたい曲”をテーマにメンバーが選曲したラブソングセレクションというなんのことはないコンセプトベストアルバムであったが、ベスト盤ではなくセレクションアルバムであり、こういうセレクションアルバムをいつかやってみたかったという事と正直なところ正規ベストを銘打ってこのタイミングで出せる状況ではなく、何らかの意味付けが必要だったものと思われる。
その後は2020年に自粛世界に突入してしまったため、急遽続編として同じフォーマットを使って『スキマノハナタバ~Smile Song Selection~』をリリース。曲を作る気にもならないほど気落ちしていた大橋だったがなんとしてでも今の記録を残したいというあの当時の思いを込めて新曲「あけたら」も制作された。しかしこの辺りからアルバムでもいよいよ1万枚に届かなくなってきてしまう。
以後は創作意欲を取り戻し、2021年に完成した久々のオリジナルアルバムはコンセプトによって2枚に分けた『Hot Milk』『Bitter Coffee』を同時発売。しかし初動売上が完全一致してしまうというO社史稀に見る超珍事を巻き起こし、2作とも同数初登場9位(この週は10位が存在しない)となった。『Hot Milk』の方にシングルやリード2曲を詰め込んでおり、通常であればある程度大差で『Hot Milk』の方が売上が伸びるはずだったが全く変わらないという事は浮動層が全く動いておらず、最初から2枚買う固定ファンしかいなかったという事にもなり、現状、スキマスイッチが新曲を出してもあまり広がっていないのが改めて浮き彫りになってしまう結果でもあった。
迎えた20周年、ベストのリード曲としては旧作リメイクを押し出したため旧作でのTV出演はあったものの、どうも世間的には盛り上がり切らないまま売上も振るわず、不振だった『Hot Milk』『Bitter Coffee』と変わらずまたしても固定ファンしかいなかったという現状が浮き彫りに…。
それよりもスキマスイッチを久々に見た視聴者は「ボクノート」を今更聞かさるよりも人相が変わるレベルでブクブクになってしまった大橋の激太りの方に話題が行ってしまう始末。元々太りやすく(先輩の山崎まさよし、元先輩のスガシカオは年を重ねても細身のままだが、それ以外の事務所オーガスタの後輩は何故か太りやすい人が多い)、ソロ活動前後の頃にもだいぶ顔がパンパンになってきていたのを一念発起して絞り、10周年前後の30代半ばの頃には逆に少し若返る勢いでまだまだ若々しいスマートなイケメンっぷりを見せていたのだが…。徐々にまたリバウンドし始めていたものの、一般的な40代中年男性まあこんなもんだよねレベルで順当に年を重ねていたのは2018年の「Revival」MVまでは確認できる。しかし自粛時期を経て2020年からの数年で人相変わるレベルまで太ってしまわれたようだ。YouTube企画が始まったのは2021年5月だったが今初回放送を見ると当時はだいぶ太ったなと思っていたけどそれでも今よりはだいぶ細い。以後、番組内でも事あるごとに自虐ネタにするようにもなったが、むしろ2022、2023と留まる事を知らず最大幅を更新中となり、ベスト盤のアー写では明らかな修正が入る状態(かなり細くなっている)となっていてここまで来るとちょっと心配…。
売上低下に歯止めがかからず、新規も見込めていない状況が長く続いているのは残念だがライブ規模はさほど縮小しておらず、作品も充実しており、きっかけさえあればもう少し…という場面は多かった。ただYouTubeでの様子から近年ヒットがないのは自覚しているようで初期3部作はよく売れた(けど今は…)と完全に昔売れてた扱いになっている上に、いいアルバムなんだけどな、もう少し届くと思ってた、反響が無かった、YouTube企画の再生数も少ない…と寂しい発言が目立っているところでもある。なんとか作品に影響が出ない範囲での人気は維持してほしいところではある。
20th Ah Yeah!!
2014年7月23日
アニメ『ハイキュー!!』OP。人気アニメタイアップが効いて初登場8位を記録して『ラストシーン』以来のトップ10入り、一桁順位は『アイスクリーム シンドローム』以来となった。売上も2万枚を突破している。
10周年、ベスト盤を経て1年ぶりの新曲。アニメタイアップで力強いアップテンポって2年前の「ユリーカ」と丸被りしている気がしなくもなく、こういうケースって大体二番煎じっぽくなるところだったが…。今作は「ユリーカ」に負けないどころか超える勢いでライブでの盛り上げナンバーとして定着(メンバー発言だと定着には少し時間がかかったが近年はほぼ欠かさずやっているというような認識)、発売以降のライブアルバムにほぼ毎回収録される定番曲となった(収録されなかったのはアンコールがカットされたので映像の方には収録されている『2018″ALGOrhythm”』、新コロ直下で盛り上げ系の曲を全てセットリストから外した特殊な『2020-2021 Smoothie』の2作)。
「ユリーカ」にしてもスキマスイッチのシングルはアップテンポでも大概ストリングスやブラスなどが入って華やかに盛り上げていたが今作はシンプルなバンドサウンドで勝負。バンドが一丸となって盛り上がっていくような雰囲気があり、イントロのギターからなんか始まった感じがする。ストリングスを使用せず、それに代わるようにギターのロングトーンが随所で存在感を発揮しているのも印象的。アップテンポでもシングル曲ではナチュラルにストリングスを入れてくる作風の中でノーストリングスというかつてないシングルであり、バンドだけで聞かせなければならないだけに熱量も高く、そりゃライブでは重宝されるよなと(ライブでは基本的にストリングス隊は入ってなくて、同期も使わないスタイル)。また10周年を経てのこの2014年はシングルCDを3枚もリリースしてアルバムも出すという充実の活動で明らかにスキマスイッチが新たなる最盛期へと達した感じもあった。アルバムタイトルに満を持してセルフタイトルを採用した事からもこの時期の状態の良さが伺える。
★★★★☆
6thアルバム『スキマスイッチ』
2ndセルフカバーベスト『re:Action』(produced by 澤野弘之)
2ndセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Smile Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
夏のコスモナウト
20thC/W
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)応援歌。実験曲ではない王道路線のC/Wの1つ。
C/Wとしては「スフィアの羽根」「石コロDays」「雫」と同様にシングル表題曲と並ぶか越えていくような存在感。曲調自体が似ているわけではないが「スフィアの羽根」と立ち位置が似ている感じで、詩曲アレンジ含めてのトータルのポップ感が何もかも絶妙でど真ん中な完成度の1曲といった印象。実際に20周年ベストで常田が選曲した際もすごく良く出来たからだとシンプルに完成度の高さを選曲理由としていたほど。
『スキマスイッチ』ではイントロ部分がラジオのザッピング風にやや改変されたバージョン。C/Wベストに収録され、コンピ盤に選曲され、20周年ベストでは常田セレクション…と後半10年のC/W出身曲としてはダントツの扱いの良さとなっている。
★★★★☆
6thアルバム『スキマスイッチ』(Album ver.)
3rdベスト(C/W集)『POPMAN’S ANOTHER WORLD』
2ndセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Smile Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
21st パラボラヴァ
2014年11月19日
ヨコハマタイヤ「アイスガード ファイブ」CMソング。アルバム2週前先行シングルだったのとアニメタイアップ抜きでのシングル売上はかなり厳しくなってきており、初登場21位とトップ20落ちして累計売上も1万割れになるなど低迷した。
ラブソングのシングルは意外と失恋だったり重い愛が多かったりしていたが、今作はドスレートにラブラブなラブソング。中途半端な直球さだと逆に恥ずかしい感じにもなってしまうがここまで突き抜けると清々しさすら感じるようなポップに突き抜け、青空しか見えないようなスキマ史上たぶん最も明るい雰囲気の1曲。
一方でドポップでキャッチーに聞こえるものの、サビでは複雑ななメロディー展開を見せ、特に歌詞上は”あい”とか”ah~”だけになっている部分が予測不能にグワングワン動き回るので実際に歌おうとすると喉がついていかずにかなりの高難度である事に気づく。Mr.Children「PADDLE」(2004年『シフクノオト』リード曲)を聞いた当時の衝撃を忘れられず対抗する意識で制作したと語られている。なるほど確かにあの感じはあるかもしれない。
MVもアクション主体でかなり見ごたえがあった、しかし久々に見ると10周年前後の頃はソロ活動前後の時期までに丸々としていたのを一気に絞って1度ダイエットに成功した大橋がスリムに若返っていてカッコいいな…。
★★★★☆
6thアルバム『スキマスイッチ』
1stセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
22nd 星のうつわ
2014年12月3日
映画『THE LAST-NARUTO THE MOVIE-』主題歌。前作からわずか2週間でリリースされ、アルバム『スキマスイッチ』と同時発売。『スキマスイッチ』にはAlbum ver.で収録され、C/Wはアルバム未収録、さらに「スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!!」というラジオ番組のような長尺トークトラックを収録する事でシングルにも大きな価値を持たせた。『NARUTO』効果が大きかったと思われるが(期間生産限定盤(アニメ盤)は生産期間が終了後に売り切れて一時期高騰していた)、アルバム同発の条件で前作を軽く上回って初登場16位を記録して1万枚を突破した。
『NARUTO』の世界観に合わせるような要望もあったようだが、命を受け継いでいくことがテーマとなっており、その点に共通点を見出したようだ。テーマの深さに響いてくるものがあり、“生きるっていうこと それはきっと 少しずつ手放していくこと”というフレーズも印象的だった。続く”最後の一つを失うその時 そばにいて 涙をくれる人がいる それで嬉しい”という1つの答え、個人的に翌年祖父が他界した事も重なって強く印象に残る1曲になっている。
シングルでは最後まで演奏されるが、Album ver.ではフェードアウトに変更された。普通はシングルがフェードアウトだったのをアルバムで最後まで演奏するっていうパターンだと思うんだけど逆という珍しいパターン。例によってYouTube企画では2人ともすっかり失念しており、これに関しては全く思い出せずに常田がミックスじゃないかな?もう少しエモーショナルにした記憶がある…というとりあえずミックスって言っておけばいいピントのズレた言及だけで終わってしまった。
セルフタイトルでアルバムを出すほど充実の最高傑作を送り出した事もあるが、時代の変化と率直にシングルCD出しても売上が見込めなくなってきた事、以降ますます新曲の発表ペースが緩やかどころか2015~2016年は停滞状態になった事も重なり、結果的にシングルCDを複数枚リリースしたのはこの2014年が最後となっている。
★★★★★
6thアルバム『スキマスイッチ』(Album ver.)
2ndセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Smile Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
23rd LINE
2015年11月11日
アニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』オープニング。11ヶ月ぶりのシングルで2作連続『NARUTO』タイアップ(今度はTV版)となった。初登場16位を記録。前年の充実の反動か上半期は前作を引っ提げてのツアーを半年かけて行っていたが下半期はライブ盤発売と今作のみに留まり、結果2015年唯一の新作となった。
3連リズムのロックナンバー。ノーストリングス、ノーブラスのバンド編成だがベースは打ち込み処理しているので「Ah Yeah!!」よりも参加メンバーが少なくメンバー含めて4人のみだが音は分厚い。ここまでエレキギターを重めに響かせて音の壁みたいに仕上げるのは珍しくロック色がかなり強い。そして相変わらずの音程の取りにくさが凄い。”余所見をすれば”の語尾の”ば”だけでメロディーが動いてるし、予測不可能なメロディー展開で相変わらずカラオケユーザーに挑戦しまくり。このため好印象なのに覚えるのにかなり時間がかかったし、今でもちゃんと覚えているのか自信が無い。『スキマスイッチ』というセルフタイトルアルバムの次という難しい場面で迷って遅れた感もあるが、強い存在の1曲にはなったと思う。聞かれさえすれば…。
shinku-kan mixでは音の響きが変わっているが、他の曲に合わせてややマイルドになったような印象。
★★★★☆
7thアルバム『新空間アルゴリズム』(shinku-kan mix)
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
ハナツ
23rdシングルC/W
「第95回全国高等学校ラグビーフットボール大会」テーマソング。1993年よりハイライト番組等のTV放送用のエンディング曲としてテーマ曲をJ-POPミュージシャンが担当するようになっていたが、これまでは過去2回2年連続起用があるのみだった。しかし今作は好評だったのか、翌2016年にはリメイク版「ハナツ premium ver.」で変則的な連続起用となり、2017~2020年まではオリジナルに戻されて連続起用され、結局5年間という最長期間で使用された。…が、2019年のラグビーW杯で盛り上がった2019年も高校ラグビーテーマ曲であるこの曲は特に関連曲として取り上げられる事が全く無かった…というハズシ具合であった(WBCが盛り上がっても熱闘甲子園のテーマ曲が盛り上がるわけないのと同じ)。
「LINE」が収録された『新空間アルゴリズム』よりもC/W集『POPMAN’S ANOTHER WORLD』の方が先に発売されたため、表題曲より一足先にアルバム収録された。一方で翌年のC/Wに収録されたpremium ver.はアルバム未収録でシングル自体が期間生産限定盤のみの発売だったため、CD音源の生産は早期に終わってしまう事態となっている。
シングルCDを年に複数枚出さないようになったのでC/Wを実験の場とする以前の方針も無くなってきていて今作も普通に王道的なバラード。「J-POPのバンドのバラード」のイメージで制作し、演奏メンバーはドラムを吉田佳史(TRICERATOPS)、ベースを三浦淳悟(ペトロールズ)、ギターをフジイケンジ(The Birthday)といういつもとちょっと違うメンツに。これだとJ-ROCKなのではないかと思うが、当時のインタビューではメンバーにとってフジイケンジはMY LITTLE LOVER時代の藤井謙二というイメージでバラードでいいギターを弾いてくれる印象があったという。本人は否定したそうだがマイラバのイメージだと伝えたら「今日はマイラバに戻るか」と言ってレコーディングに挑んだとかなんとか。
広く若い世代に向けたメッセージソングとして「スフィアの羽根」の頃からさらに磨かれたメッセージが並んではいるんだけど個人的にはあまり目立つ曲ではなく、フツーなバラードという印象であまり残ってくる曲にはなっていない。「J-POPのバンドのバラード」が飽和していた末期の頃だったのもあるか。
★★★☆☆
3rdベスト(C/W集)『POPMAN’S ANOTHER WORLD』
24thシングル『24th 全力少年 produced by 奥田民生』C/W(premium ver.)
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
24th 全力少年 produced by 奥田民生
2016年11月30日
アニメ『ALL OUT!!』エンディング。4thシングルの奥田民生プロデュースによるリアレンジ。他者にプロデュースを完全にお任せする企画盤『re:Action』の先行シングルとなる。期間生産限定盤(アニメ盤)1種のみのリリースとなり、初回盤も通常盤すらも発売されなかった。タイアップが決まったのでアニメ盤だけ出したけど、無ければ先行配信くらいしかするつもりがなかったのかもしれない。
ギターベースドラムコーラスを奥田民生本人が手掛けており、ピアノとウーリッツァーも斎藤有太が演奏しているので常田が演奏しているのはオルガン(『re:Action』では相手に完全お任せなので曲によっては常田不参加で「Watch」という見ているだけのクレジットがされていた)。民生感全開のざっくり、どっしりとしたロックナンバーに生まれ変わった。オリジナルとは全く違うイメージの楽曲になり、さらに「全力中年」感が醸し出されるような味わい深さもある。
『POPMAN’S WORLD-Second-』では期間中のシングルCD表題曲で唯一DISC-1から外されてしまう憂い目に遭ったが、大橋が必要だとしてこのバージョン指名で選曲した事でTKY selectionで収録を果たした。
★★★★☆
2ndセルフカバーベスト『re:Action』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』TKY selection
さよならエスケープ
2017年1月16日(配信、既に単曲配信終了)
25thC/W
現在のディスコグラフィーDigital枠に掲載されている最古の配信曲(これより前は削除)。今作が配信されたのは2016年末に事務所オフィスオーガスタがユニバーサルとの提携(全株式をユニバーサルに譲る)を発表、オーガスタのレーベルは長年BMG→Ariolaと提携していたのがユニバーサルへレーベルごと事まるっと移動することに強制的に決定して権利を移動させている過渡期中の過渡期であった。2月15日に発売された『re:Action』はAriolaからの最後の作品となったが、初回盤収録の原曲音源には既にユニバーサルの権利表記がつけられていた。2018年になると旧作も全てユニバーサルから再発された。BMGがAriolaになり完全にソニーレーベルになった事でスキマスイッチは2009年以降ソニーが抱えていたアニメ枠のタイアップを頻繁に回してもらえるようになっていたが、ユニバーサルはソニーやビーイングのように複数のアニメ主題歌枠を確保してレーベル内で回す手法を取り入れていない。今回のユニバーサル移籍でアニメタイアップが途絶えることとなった。
今作は9月のシングル『ミスターカイト/リチェルカ』C/Wに収録されたためか、単独配信シングルとしての登録は配信サイトから抹消されてしまった。公式サイトに掲載されている配信ジャケット写真は唯一残された記録という事になる。
新曲としては『POPMAN’S ANOTHER WORLD』収録の新曲「フレ!フレ!」以来9ヵ月ぶりで、シングルとしては「LINE」とC/W「ハナツ」以来1年2ヶ月ぶり。リアレンジを多く盛り込んだツアーや『re:Action』でのリメイク展開など既存曲を手直しする事が多く、オリジナルアルバムどころか新曲がとにかくなかなか出てこない停滞していた時期の久々の新曲だった…が、当時の稼働は発売を控えている『re:Action』のプロモーション中心だったので、正直この曲が配信新曲として出ていたのは当時知らなかった。普通に『ミスターカイト/リチェルカ』のC/Wとして初聞きだった。
期待通りのワクワクするようなポップチューン…ではあるんだけど期待通り以上ではないかなという…。C/W扱いになりつつもアルバム収録までは果たせたものの、20周年ベストでは完全に無視されてしまい、メンバーセレクトでも選出されなかった。どうもそんなに頻繁には出てこない明るいポップチューンというところで「リチェルカ」と少々被るイメージになってしまい、近い時期に立て込んだ事で相殺し合ってしまった感はある。
★★★☆☆
7thアルバム『新空間アルゴリズム』
奏(かなで)for 一週間フレンズ。
2017年2月2日(配信限定)
実写映画版『一週間フレンズ。』主題歌。2014年のアニメ版ではヒロイン役の雨宮天がソロデビュー前に役名でカバーしてエンディングとしてシングルリリースもしていた。実写では御本人起用となり、映画用にリメイクしたもの。『re:Action』の制作も進んでおり、そちらではこの曲のみセルフリメイクのre:produced by スキマスイッチとして完全に作り直していた。20周年ベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』には今作ではなく『re:Action』収録のre:produced by スキマスイッチが選曲されており、このバージョンは配信限定のままとなっている。
このバージョンは当時の自分たちと今の融合という趣旨で、ボーカルは当時のものを使用して演奏だけをリメイクしたバージョンとなっている。オリジナルでは当時打ち込みだったドラムとストリングスも生音となっており、途中までのアレンジはほぼ同じものだが、大サビ部分で演奏がオフになったり、最後のサビを歌い終わると残りのフェイク部分は全カットですぐに演奏が終わるという違いがある。
言ってみれば原曲のフル生演奏バージョンみたいな感じ。これはこれでありだと思うし、re:produced by スキマスイッチにしてもそうだけど、今作ってドラムとストリングスを打ち込みで済ませたライトな感じが逆に魅力にもなっていたのかなと少しこってりした生音バージョンを聞いて思ったりもした。
★★★★☆
このバージョンではアルバム未収録、未CD化
25th ミスターカイト/リチェルカ
2017年9月13日
配信を挟むようになりシングルCDのリリースから徐々に遠ざかっていく中でシングルCDのフォーマットも変わり、今作はインスト曲無し、カラオケ無し、リメイク無しでオリジナル4曲(配信先行含む)で2曲をA面とする両A面シングルとして発売。
ミスターカイト
音数の少ない静かな平メロが延々続き、サビで急に爽快アップテンポにはじけると再び静かになって終わる特殊な構成の1曲。さらっとかかる爽快なサビと1曲通して聞いた時の印象が全く違うような曲を作りたかったと意図を語っていた。サビだけさらっとかかるチャート番組が崩壊しつつあり、現状のスキマスイッチではトップ10入りも際どい上に、2週目には垂直急降下してしまい、チャートで存在感を示すのが困難な時代だけにこの曲のサビだけを聞く機会…というのはヒットチャート上ではほぼ無かった。
それでもシングルとしてこの曲を狙ったのは大成建設CMソングに起用され、サビが一定以上TVで流れる機会が確約されていた事と『君の名は。』の大ヒットで一般人にも広く名の知られたアニメーション監督となった新海誠によるアニメーションCMでコラボという形でMVも新海監督が担当するなど大きな話題性があるのでやるなら今しかないという事だったと思われる。しかし『君の名は。』は前年、次の『天気の子』は2019年。隙間の時期だったため話題にならなかったとメンバーも期待した反響を得られなかったように振り返っている。ただ『天気の子』『すずめの戸締まり』で新海監督=RADWIMPSのイメージが固定されてしまったのでますます隙間に入り込む余地はなくなっていったしなぁ…。
停滞したかのような平メロではいつもの日々、通勤通学の日常、限界もとっくに把握したうえで息を潜めるように日々をやり過ごしている、かくれんぼで言うところの「まだだよ」の状態で隠れている主人公の心情が描かれる。しかしこれでいいとは思っておらず”頭の奥で誰かの声がする”の直後に爽快アップテンポ化。以降のサビ部分は全てこの“声”が綴られていて全て「」で括られ、前向きな言葉が並んでいる。脳内で何かが変わり世界が開けるような感覚。そして最初と同じ静かな平メロへと戻るが、戻ってきた主人公は以前とは違い「もういいよ」とかくれんぼを辞めて強いまなざしで歩き出す…と殻を破って繰り返しの日々から抜け出していくような開放感が得られる1曲。
shinku-kan mixでは序盤で鳴っている軽い打ち込みのリズム音やピアノの響きなどが変更されている。
★★★★☆
7thアルバム『新空間アルゴリズム』(shinku-kan mix)
2ndセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Smile Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
リチェルカ
1曲目が特殊な曲だったためか、こちらは音数も多く、分かりやすくて明るいノリの1曲。久々のシングル1曲目がサビ以外攻めすぎていたので今作には安心感がある。転がるようなピアノと陽気なブラスサウンドが印象的な勢いに満ちたポップチューン。前向きな歌詞の内容は「ミスターカイト」で覚醒した後の覚醒の続きのようでもある。「パラボラヴァ」のサビ途中もそうだったが、今作でもサビ終わりのウォウウォウは予測不能に動き回り、お気軽に口ずさんだりカラオケで若干うろ覚えで歌おうとするリスナーを軽く粉砕していくような複雑さ。らしいっちゃらしいんだけど。
★★★★☆
7thアルバム『新空間アルゴリズム』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
Revival
From 7thアルバム『新空間アルゴリズム』
2019年8月13日(期間限定配信『Revival-おっさんずラブEdition-』)
ドラマ『おっさんずラブ』主題歌、映画『劇場版 おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』主題歌。オッサン同士のラブストーリーという事で当初あまり注目もされておらず、主題歌決定の報も4月になってからだったので放送開始1ヶ月前に既に発売済みでアルバム収録曲が主題歌になったという扱いだった。よって当初アルバムに貼られていたタイアップ情報にも発表前なので掲載されていなかった。ドラマは放送中に話題が沸騰。視聴率は最後までさほど伸びなかったものの、SNS中心に大反響となったほか、メインキャストの田中圭、林遣都、吉田鋼太郎と以前からそこそこ人気でそこそこドラマにも出ていたものの主演級からはやや遠ざかり気味になっていた面々がいずれもブレイク(再ブレイク)してステップアップする出世作となった。田中圭は若い頃は友人役など脇に回る事が多かったが30代半ばにして主演作が一気に増えたし、林遣都も10代のキャリア初期の頃に主演していた『バッテリー』や『ラブファイト』などとっくに生産が終了していたような映画のDVDや写真集などが今作以降しばらく高騰しまくる現象が見られた。
今作もそこそこ注目され、TV出演もあった…もののそれでもあくまでアルバム曲扱いのままで、スキマスイッチとしては『おっさんずラブ』がどんどん話題になって最終回を迎えるまでの5月~6月は「未来花 for Anniversary」の猛プッシュに御執心であった。結果的に立ち回りに大失敗してしまい、ドラマだけでなく出演者人気も押し上げるほどの勢いだったのに主題歌だけさほど盛り上がり切らないままにブームが終わってしまった。田中圭出演でMVが公開されたのは9月11日…と最早遅すぎるタイミングだった。ただこれは一応『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』発売に合わせてのプロモーションとしてだった(メンバーが揃って花束抱えているのもたぶんそれ)。
1年後の8月に映画『劇場版 おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』が公開され主題歌も続投。この時は満を持して今作を配信限定EP『Revival-おっさんずラブEdition-』としてシングルカット。サントラ盤に入っていた主題歌サイズ(short ver.)、前年のライブ音源、初収録のカラオケ(Instrumental)などこの曲の全てを詰め込んでの配信シングルカットだったが、2019年8月13日~9月30日までと超短期間かつApple限定でヒットしようがなかった。
全く便乗しなかったわけではないが、終始波に乗り切れない中途半端対応を繰り返してしまい、20周年時のYouTubeではドラマは大ヒットしたのに主題歌には注目してもらえなかったという扱いになっていた。最も話題になっている時に単なるアルバム曲のまま放置して、別の曲(「未来花 for Anniversary」)ごり押ししてチャンス逃したせいだと思うんだけどどうなんだろう。アルバム収録曲として単曲でDLする事もSTで聞く事も可能になっているとはいえ、丁寧に配信でもシングルカットして単独作品として配信する、早急にMVを制作してYouTubeに出すくらいのアピールはしていれば回転しまくってもう少し違っていたんじゃないかと。久々の代表的ヒット誕生のチャンスだったのになぁ…。普段そこまで1曲をゴリ押ししないメンバーが新たなる代表曲になるだろうとして「未来花」に手ごたえを感じすぎていたというタイミングの悪さ、ここで致命的なズレが出てしまったのは惜しかった。
楽曲自体はストリングスやブラスの装飾音無しのバンドサウンド主体で良メロを聞かせるというシンプルなんだけど最良の仕上がり。スキマスイッチらしい王道のポップ感、サビメロの強さにしても衰え知らずのキャッチーなメロディーに底力が見える。ドラマ主題歌として大ヒットするポテンシャルはしっかりあった曲だと思う。また忘れられない君への思いが蘇る心情を歌っているが季節は暑さの残る9月末から夏が本当に終わっていくことを感じていく内容にもなっていて、偶然にもアルバム発売時、ドラマ放映時よりも『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』発売時がドンピシャのタイミングだった。5曲目に今作が配置されていたが、季節がぴったりという理由で1曲目リード曲に置いて全力でアピールしても良かったと思う。
★★★★★
1stセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
未来花 for Anniversary
2018年5月9日(配信)
『新空間アルゴリズム』に収録されていたピアノ+ボーカルのみのバラード「未来花」をバンド編成でリメイクして配信シングルカットしたバージョン。コンタクトレンズ「アキュビュー」CMソング。CMには原曲「未来花」、続けてこの「未来花 for Anniversary」が連続して使用された。歌詞の内容から9月の初のセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』のコンセプトに沿ったリード曲としても再活用された。「未来花 for Anniversary」としてのCD化はこの時のみ。2015年頃からデモで寝かせていて気に入っていた曲とされ、メンバーが自信満々で「奏(かなで)」に匹敵するような名曲が作れたとまで豪語。1997年槇原敬之「素直」はシングルには異例のピアノ伴奏のみのバラードだったが、当時のこの衝撃をいつかやりたいとも考えていたようだ。
そんなわけで思い入れは強かったみたいなんだけど、ここまで発表してきたバラードシングルを越えるとも越えないとも言い難いというか…まあバラード、うんバラード、やっぱり…バ ラ ー ド …と正直あまりこれといった印象が出てこないような…凡作ではないんだけど、普通にいいバラード以上でも以下でもないというか…。「未来花 for Anniversary」でバンドサウンドになったらますます普通の長いバラードでしか無くなんともいえない感じ。
メンバーの自身たっぷりな態度とのギャップをかなり感じてしまい、正直この曲をそんなに擦りまくっても何の結果も出ないんじゃないかなとは思った。特にこの時期は前述のように『おっさんずラブ』がヒットして主題歌の「Revival 」にも注目が集まっていただけにねぇ…。
リスナーの間でも割と似たような印象でさほど支持は得られなかったのか、20周年のYouTubeトークでもこの曲はイマイチ世間の反響が得られなかった届かなかったと語っていたので後々にハズしたという自覚はあったようだ。ただコブクロ黒田からは凄い曲作ったねという絶賛の連絡があったという。コブクロは近年も同じようなアプローチのバラードに挑みまくっていたのでそりゃここに共鳴するだろうなぁ(世間には届かないところ含めて)というのは凄く納得だった。
『POPMAN’S WORLD-Second-』ではピアノ1本の原曲「未来花」で収録しており、改めてもう1回聞いてくれという執念もちょっと感じた。槇原敬之の「素直」がピアノ1本でシングル曲として成立したのはあまり長くないシンプルな構成でとても覚えやすい曲だからでもあった。この曲はどうにもいつもの長いバラードをただピアノ1本にしただけのような感じで普通に6分ある(5分57秒)。「素直」は3分44秒でコンパクトにまとめて濃縮して聞かせていたのだ。致命的にそこだったと思う。
★★★☆☆
7thアルバム『新空間アルゴリズム』(原曲)
1stセレクションアルバム『スキマノハナタバ~Love Song Selection~』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』(原曲)
クリスマスがやってくる
2018年12月5日(配信)
2019年10月31日(通販限定CD)
イオン「AEON MORE CHRISTMAS」CMソング。クリスマスシーズンのタイアップ曲として使用されて2018年に配信限定で発売。1年後の2019年にFC通販&ライブ会場限定で『クリスマスがやってくる~Christmas Edition~』としてCD化。C/Wには新たに「This Christmas」「The Christmas Song」「Crazy Love」(2012年のライブ音源)の3曲の洋楽カバーを収録。一般には出回っておらず、現在の公式サイトのディスコグラフィーでは配信シングルとしては非掲載となり、OTHER枠で『クリスマスがやってくる~Christmas Edition~』を掲載している。
これでもかというくらい華やかなザ・クリスマスソングというべきド王道のクリスマスソング。これはもうひねりもなしでストレートにワクワクするハッピーでポップなクリスマスの曲を作ろうとしたんだなという。そんな潔さが気持ちいい1曲だ。
一般入手可能なCDに収録されていなかった事もあり、20周年ベストではそれを気にした常田により選曲されてSNT selectionで一般発売CDへの初収録を果たした。
★★★★☆
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』SNT selection
26th 青春
2019年7月3日
コンタクトレンズ「アキュビュー」CMソング。「未来花」、「未来花 for Anniversary」に続いて1年後の新シーズン向けで再度起用された。元々新学期・新学年・進学する学生向けにコンタクトデビューを勧めるような内容で打ち出しているだけに今回はその世代に合わせたそのままズバリ「青春」。40代に突入したメンバーが人生の半分近く前のあの頃を思い歌にするという、年を重ねて描く「青春」感が今作にはあるように思う。なので20代のミュージシャンが描く青春の瑞々しさとは異なってどこかノスタルジックな感じがある。この優しく見守るような雰囲気が、いい大人から青春世代への優しいメッセージでもあるような…。
そういう意味で意外とありそうでなかったミディアムナンバーではあったかなと思う。
★★★☆☆
8thアルバム『Hot Milk』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
東京
26thC/W
早口でまくしたてるような1ブロックのメロディーをひたすら繰り返していく全盛期の吉田拓郎ばりのフォークロックチューン。主人公が僕ではなく俺だったりと全体に泥臭さがあり、イメージに無い新しい方向性だったので驚いたが、その後もやっていないオンリーワンな作風な事もあってけっこう存在感のある1曲になった。
C/Wから『Hot Milk』に収録されたが、この曲はどちらかといえば実験性の強い『Bitter Coffee』寄りで「風がめくるページ」とイメージ的には逆だった気がする。20周年ベストでは大橋がセレクトして収録されたので、C/W初出の曲の中では扱いが良い。
★★★★☆
8thアルバム『Hot Milk』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』TKY Selection
吠えろ!
2021年4月14日(配信)
自粛元年を乗り越えた2021年最初にリリースされた新曲。ライブでは声出しが深く禁止されて終わりが見えない状況の中での心の叫びを具現化したようなメッセージ性が突き刺さった1曲。アレンジがOasis「Whatever」を彷彿とさせるなど洋楽的なアプローチで作られているように感じる。素顔で気兼ねなく観客と歌い合えるようになった時に本当の意味での完成形となるのだろう。
ジャケットとMVはアニマル浜口とオラキオの2人が出ていてインパクトが凄かった。MV本編では何をやってもダメなオラキオをひたすらアニマル浜口氏が気合を入れて応援しているという内容で設定上はアニマル浜口は妖精である。すげぇ暑苦しい妖精だな…。
★★★★☆
8thアルバム『Hot Milk』
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
茜
2021年6月29日(配信)
テレビ朝日系『スーパーJチャンネル』お天気コーナーテーマソング。唯一インストでの表題曲として配信された。元々普通に歌モノとして制作が進んでいたがインストでのタイアップの話があってチェロを主旋律にして微調整して完成させた。大橋はアコースティックギターも演奏しているが後半にはコーラスで声も入っている。軽快なインストナンバー。天気予報のバックでかかるBGMとして確かに適した感じの曲だと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録、未CD化
風がめくるページ
From 9thアルバム『Bitter Coffee』
2021年11月24日
その後「茜」は改めて歌詞を入れて完成し、「風がめくるページ」という曲に生まれ変わって『Bitter Coffee』に収録された。『Bitter Coffee』の中では比較的『Hot Milk』寄りの楽曲だと思うが、全くと言っていいほどピックアップされずにただのアルバム曲として扱われてしまったので物凄く影が薄くなってしまった。しかし実際に歌が入ってみるとインストの時ほどでもなかったりもして…。
★★★☆☆
OverDriver
From 8thアルバム『Hot Milk』
2021年11月24日(10月25日先行配信)
2作同時発売となった『Hot Milk』『Bitter Coffee』の先行配信にしてリード曲の1つ。「全力少年」のようなリスナーを励ます方向性での新たなアップナンバー。厳密には「Ah Yeah!!」以来のガツンとした前向きアップナンバーといった趣き。自粛の影響を受けたような時期をようやく抜け出して楽曲面では通常営業、ここからまた上げていくよという精神性にようやく戻ってきた感覚もあった。あからさまにうねりまくるような部分は無いが、相変わらずキャッチーで覚えやすそうに聞こえてメチャクチャ歌いにくいという難度の高そうな1曲であるが、やはりこういうのを求めていた!という感動はあった。
★★★★☆
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
されど愛しき人生
2021年11月24日(11月10日先行配信)
From 8thアルバム『Hot Milk』
2作同時発売となった『Hot Milk』『Bitter Coffee』の先行配信にしてリード曲の1つ。完全に後付けっぽく年明けにドラマ『鉄オタ道子、2万キロ』エンディングに起用された。
「OverDriver」とは別のアプローチからのリスナーを励ますバラード。とはいえ歌詞中に一切の救いがなく、全く報われる気配が無い世知辛い人生がひたすらに歌われる。サビなんかド頭から“生きるって辛いねベイベー”だし。最後に向けて前向きさを見せるのかと思いきや最後まで嘆きっぱなしで救いがなく、“終わらない哀歌(ブルース)”は終わっていく。今作の意図は救いのない歌詞をタイトルだけで救い上げるというもので、それでも人生は愛しいものだと、「されど愛しき人生」のタイトル1つで提示している。実際、散々な歌詞なのに曲やアレンジの良さもあるが、このタイトルがついているとそれでも確かな救いになっているような気がして不思議なものだ。
ドラマ『鉄オタ道子、2万キロ』に合っていたのかはかなりビミョーで少なくとも主人公に歌詞のような状況は微塵もなかったので、あくまで旅を締めくくるバラードとして雰囲気がなんとなく合っているというだけのエンディング起用だったのではないか。エンディング映像の時間が短く、1コーラスだけでもはみ出してしまうため、Bメロとサビを半分にしてしまうという強制エディットが施された。これにより“夢を描けって大人は言うけど(真ん中2行ぶった切り)この街に溢れてるの?”という意味不明な歌詞で毎週流れる珍妙な事態となった。なんでそこまでして起用したんだよ…。
★★★★★
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』TKY Selection
OverDriver(すりぃRemix)
2022年6月15日(配信)
ボカロPのすりぃがリミックスを担当。スキマスイッチ初の既存曲のトラックメイカーによるリミックスとなったが…。まあ興味が無かったというのもあったと思うんだけど今までやってこなかったジャンルに手を出してみるという事だったのか。別ジャンルとのコラボとしてはありなのかもしれないが、いかにもなトラックメイカー系リミックス(複雑な電子オケ+加工ボーカル)だなぁとしか。
★★★☆☆
アルバム未収録、未CD化
up!!!!!!
2022年7月9日(配信)
2022年8月24日(FC限定CD+Blu-ray)
2022年9月7日(FC限定CD部分の配信)
単曲で7月9日に配信した後に、8月24日にFC限定でシングルCD化、9月7日にそのCDの内容(C/Wリミックスとインスト)で改めて配信された。
ひたすらのギターのカッティングとストリングスが絡んでいく昨今だとシティポップ括りにされそうな雰囲気のオシャレなポップス路線。これもありそうで意外となかった新たなアプローチだったと思う。ついにシングルCD一般発売ではなく、FC限定になってしまったのは残念。
歌詞サイトで歌詞は見れるものの、印字されたブックレットとして初めて歌詞を見たのは20周年ベスト収録時だった。サビで2回ずつ登場する“up”はサビ3回で合計6回登場するんだけど“!”が1つから始まって1個ずつ増えていって最後にはタイトル同様の6個になる…っていう仕掛けが施されていた事にもその時に気づいた。これはボートレースのCMタイアップなのでレースの6艇に合わせたもの。配信メインになってくると超お気に入りの曲であってもこういう仕掛けに全く気付かないままなんて事例がいっそう増えるんだろうなぁ…。
★★★★☆
4thベスト『POPMAN’S WORLD-Second-』
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