12thSg 君がいない夏

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12thSg 君がいない夏

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1997年8月27日
前作から1年ぶりの新作。96年9月に2ndアルバム『I wish』リリース後に初の全国ツアー「LIVE JOY-Break1“I wish”」を開催し、学園祭ライブ含めて1996年11月5日に全ての公演を終えて以降、1997年7月の長野オリンピック記者発表(新曲「銀色の夢~All over the world~」がボランティアの公式ソングになった事を発表)まで表立った活動が半年以上停止していた。今作発売前後の時期にファンクラブイベント「DEEN Special “NEEDay ’97 Summer”」を開催するとそこからは立て続けに活動が続いた。

今作のジャケットは何故か前作「素顔で笑っていたい」撮影時の別の写真をモノクロ加工したものとなっている。つまり1年以上前の写真なわけでそれをよりによってモノクロにしたものに「君がいない夏」なんて書いてあるもんだから、池森さんがいなくなってしまったかのようであった。地味にちょっと不謹慎っつーかさ…しかし歌詞カード部分にはメンバー4人の最新写真がカラーで掲載され、PVも撮り下ろしでちゃんと制作されている。裏ジャケットはタイアップ先の「名探偵コナン」仕様でコナン・蘭・新一が描かれている。放送2年目でだいぶ角ばった絵柄の時期だったので耳がデカかったりアゴがやたら鋭利だったり、改めて見るとだいぶ絵が変わったな…と感じる仕上がり。

1年のブランクが響いたか初動5万台まで低下、初登場10位となった。デビューから12作連続トップ10入りの連続記録も今作まででストップとなる。2週目26位だったが3週目20位、4週目25位と若干粘って100位以内には7週ランクイン、前作をわずかに上回る累計13.9万枚で初動下げながらも2作連続で累計上昇となったのでコナンタイアップ効果もそれなりにあったと思われる。

君がいない夏

作詞作曲:小松未歩、編曲:池田大介
アニメ『名探偵コナン』エンディング。4代目で枠をビーイング占拠以降では2作目。8月~12月頭まで使用されたものの使用回数は13回。この時期のエンディングは25回前後は使用されており、前回の宇徳敬子でも19回だったので13回は異様に少なかった。1998、1999年は25回前後は使用されており、2000年の同時期に使用されたGARNET CROW「夏の幻」で久々に14回と少なくなり、2002年頃からはこれらを下回り、使用回数1ケタなんてのも珍しくなくなってくるものの、ミリオンヒットを記録した『THE BEST OF DETECTIVE CONAN~名探偵コナン テーマ曲集~』の中では最少使用数であった。同年デビューした新人シンガーソングライター小松未歩による提供曲。春にFIELD OF VIEWへ提供、自身もビーイングによるコナン主題歌占拠始まりの1曲「謎」でデビュー、辻尾有紗へ提供、今作、そして翌月には3期WANDSへ提供…と一気に名前が知れ渡っているというか名前を売ろうとしている時期だった。

1番はアコースティックギター、ピアノを中心に進行し、2番からエレキギターやドラムも入ってくる定番構成のバラードナンバー。しかし「このまま~」や「Teenage dream」等の構成が似たような曲の1番では一応ピアノと一緒に鳴ってはいるものの小さめだったアコースティックギターの存在感が増しており、田川さんもここまでアコースティックギターをフューチャーした楽曲は初めてだったと述懐している。小松未歩のメロディーはキレッキレだし、今作より「君さえいれば」まで全曲の編曲を一手に手掛ける池田大介も神がかり的なアレンジを連発。この90年代末期の特に池田大介の編曲はZARDでもFIELD OF VIEWでもやたらとしっくりくる感覚があるんだけど、明石昌夫的な派手なオケヒの連発など主にシンセ周りの使い方を変えてシンプルにギター中心のアレンジにシフトしたからなのだろうか。今作は当時手には取らなかったものの、『CDTV』でランクインしているのを見るようになったのは今作からだったりする。ここからの3シングル+「ひとりじゃない」当時の記憶が『SINGLES+1』のレンタルへと繋がっていった感じだったかな。

ライブでは何故か超絶不遇でBreak2で披露されるもBreak3で速攻セットリストから外れてそのまま声変わり(キー下げ)に突入。2004年の野外ライブでアコースティックコーナーで披露されたのが恐らくBreak2以来の久々の演奏。そのアレンジを基に2006年にacoustic versionが音源化されるもせっかく作ったのにその後も全く披露されず、47ツアーでも夏のリゾートライブでも夏の曲が取り上げられる中で何故かスルーされ続けた。2014年の4度目のリゾートライブでようやく演奏されこれが42ndシングル通常盤のみC/WにLive at Osanbashiとして音源化されている。2017年の田川在籍時最後となった47ツアーでも披露。バンドアレンジでは15周年、20周年、25周年武道館でいずれもメドレーの1曲として演奏された程度。結局Break2以来となるフルで原曲アレンジで披露されたのは2人になってからのBreak21でこれは『SINGLES+1』の14thシングルまでを全曲原曲キーフル披露したためであった。2人になってからは『SINGLES+1』期を重視する傾向があり、2022年の47ツアーでも『SINGLES+1』の+1以外の全曲披露にこだわったため、20周年~30周年の期間に披露頻度が上がっている。披露回数があまりに少ないため、何気に演奏したツアー全部商品化(映像or音源)されているのではないか…。

コナン需要けっこうあったと思うんだけどなぁ…。コナンとテイルズが当時は購買力が無かった子供達に刺さっていてそれなりに後追いリスナーを生んでいたのは後年のライブの客層からも伺えるところはあったがメンバー自身は割と長年無頓着だった感はある。
★★★★★
1stベスト『SINGLES+1
主題歌集『THE BEST OF DETECTIVE CONAN~名探偵コナン テーマ曲集~
2nd(1stバラード)ベスト『Ballads in Blue The greatest hits of DEEN
32ndシングル『Starting Over』C/W(acoustic version)
4th(クラシックス)ベスト『The Best クラシックス』(acoustic version)
5thベスト『PERFECT SINGLES+
1stライブアルバム『DEEN at 武道館~15th Anniversary Greatest Singles Live~』(武道館 Special Ballad Medley、2008武道館ライブ)
11thアルバム『クロール』初回特典『ナツベスト~DEEN SUMMER TIME MELODIES~』(acoustic version)
6thベスト『DEENAGE MEMORY
42ndシングル『君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている』通常盤のみC/W(Live at Osanbashi)
7thベスト『DEEN The Best FOREVER ~Complete Singles+~
8th(ラブソングセルフカバー)ベスト『Ballads in Love The greatest love songs of DEEN』(Ballads in Love Ver.)
8th(ラブソングセルフカバー)ベスト初回盤DISC-2『Premium Instrumental Album』(featuring 名渡山遼)(Instrumental)
9thベスト『DEEN The Best DX~Basic to Respect~』(Studio Live 30th Ver.)

C/W love me

作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:池田大介
間奏部ではブラスのような音色も入っているもののストイックにギター主体で4人組ロックバンドしているロックナンバー。C/Wは実験曲かバラードばかりだったのに急に表題曲級にストレートな曲を持ってくるなんて何があったのかと思うが…。あまりに出来が良すぎるし、1年ぶり久々の表題曲として制作していたのではないかというくらいC/Wの中では存在感がずば抜けている。今までと少し毛色が違うとはいえ、コナン&小松未歩という案件優先の判断でC/Wに回されたかのような…。

結局1年以上先のアルバム『The DAY』でギターベースドラムを再録音してトラックダウンし直して収録(リニューアル以前の公式サイトの各アルバムには楽曲解説が掲載されていて変更があった箇所への言及もされていた)するという異例の扱いで再度ピックアップされた。このシングルバージョンでは他に冒頭に雑踏の音(車の走行音)が入ってからイントロが始まるが、『The DAY』ではカットされいきなりイントロに入る。

Break2~4まで3ツアー連続で演奏されており、当時から表題曲より扱いが良かった。編集により横浜アリーナDVDでは1曲目(実際は5曲目)に収録されていて、初の映像作品の記念すべき1曲目を飾った。キー下げ以降はほとんど披露されていないが、映像化されていないBreak7では演奏されたようだ(2003年当時の声でこの曲は相当厳しかったのではないか…)。良きトレーナーに出会ってキーを下げながらも力強い声が出せるようになったためかBreak13で久々に披露、これは映像化されている。Break22で原曲キーを取り戻しての演奏も映像化された。

聞き始めた当時既に動くDEENをTVで見る事はほぼ無かったので動くDEENを初めて見る事となった横浜アリーナ(2000年初出はVHS)での1曲目という印象は非常に強く、4人組ロックバンドDEENの最高峰な映像ってこの時の「love me」かBreak2の「君さえいれば」だと思っている。
★★★★★
3rdアルバム『The DAY』(ギターベースドラム再録音)
1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~

コメント

  1. Angel don't cry より:

    GARNET CROW「夏の幻」は3年後ではないでしょうか?

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