30周年記念番外編 「君がいたから」シングル版ミックス違い検証

シングル本体についてはこちら。

1st 君がいたから
1995年5月15日viewを経ての再デビュー作。viewが知られていなかった事とドラマタイアップで大々的に売り出したのも重なって普通にデビュー作として扱われていて周年起点もここになっている。いきなり初登場3位を記録し、10週に渡ってトップ...

ボーカル浅岡雄也がかねてからTwitterで言及していたように「君がいたから」は3バージョンあると語っており、『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』T-131について“増刷のたびにMIX変わっているので今回が第4版的に考えてくれてもいい”と公式にも明記した。増刷はSingleとその前に書いている事からシングルだけで3種あるような書き方をしていたが、1stアルバム音源がカウントされているのかは定かではない。

浅岡発言以外では1stアルバム『FIELD OF VIEWⅠ』、1stベスト『SINGLES COLLECTION+4』にレコーディングノーツが封入されており、この2作での音源についての主な言及は以下。

1stアルバム記載
・Tempo違いやアレンジ違いなど試行錯誤してレコーディングは進められた。
・TVの主題歌バージョンはTempo=115で最初からドラムが入っている、シングルバージョンはTempo=113で入り、ヴォーカルのみディレイをかけ、ドラムが入ると同時にTempo=115にチェンジする。
1stベスト記載
・シングルリリース時に何パターンもミックスを行ったが最終的には二種類のテイクをつなげたものを採用。今回もシングルリリース時の音源を使用。

シングルリリース時に色々試したことは言及されているが、二種類のテイクをつなげたものを採用かつシングル=アルバムという認識で書かれていて音源は1つしかないかのようである。しかしレコーディングノーツで全く触れていないがシングルとアルバムで一部違うというのは2ndアルバム収録の「Last Good-bye」がそうだし、「突然」も1stアルバムでは触れていなかったのにベストではシングルはハーフインチでアルバムはDATとマスター違いに言及したりはしているので書かれていないけど実は…という事は普通にあるだろう。

というわけで見つけ次第買ってきて確かめるしかない!という事でHARD OFFの8センチジャンクコーナーを巡り、違うロット番号を見つけると買い漁ってきて早数年。この「君がいたから」チャレンジ、略して君チャレを続けた結果、26周年を迎える2021年5月15日時点では筆者の元には6枚の「君がいたから」がズラリ並んでいた。

そして30周年アップデートの2025年5月15日時点では入手したロット番号はOP552COP553BOP553HA016M24M111M17種(4M1は2025年に追記したため写真に入っていない)となった。新たに入手した4M1は6M2とほぼ一致であった。

OP55○○というのが最も多く見かけ、これがダブってスルーした事が何度もあったのでこのOP55○○系が最も出回ったものらしいが、552だったり553だったり、その後のアルファベットが複数ある。

先程1つだけ赤くしたようにこの中で明確に異なっていたのは6M2=4M1。まず6M2=4M1は歌詞カードの(でも)表記が消え去っている。音源は冒頭からタム回しっぽいリズムの音色のバランス(“トットットッティッティティティン”のティッティティティンの部分)が異なり、歌い出しのボーカルがダブって聞こえる、2番でバンドサウンドがインした後のスネアの響きが異なる(4M1/6M2は残響が少ない)、最後の”君がいたから”の後のウォーウォウォウウォーのコーラスが入ってくる(3:32)直前の3:29辺りでヒィー♪と裏声のコーラスのような音がうっすら聞こえる(ただしカラオケ版では聞こえないのでコーラスじゃない?)、などの違いがあった。またカラオケバージョンで聞くと2番Aメロの”ドアを開けて中に~”の坂井泉水のソロコーラス(カラオケだと実質ソロパート)が他のバージョンではクリアに聞こえるのが6M2=4M1だけエフェクトがかかっているように聞こえたりもする。

なお『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』の未発表テイクT-131は先に上げたティッティティティン感とか歌い出しのボーカルがダブっているとかヒィー♪(かなり小さいがわずかにいる気がする)といった特徴面から4M1/6M2とかなり酷似している。T-131はリマスターでクリアになった4M1/6M2とか微調整した4M1/6M2くらいの差のようにも聞こえる。

これで少なくともシングル盤で2つのミックスの存在がある事は確認できたがもう1つが全く分からない。ただ下記のように全部波形にすると聞いて分からなくても波形では何かわずかなズレはある。しかし6M2/4M1だけは微妙なズレどころかガラッと違うので聞いて分かるのはこれくらいだ。波形的には11M1が若干微妙なところか…?

アルバムは大きくなっている以外はOP55○○系他とほぼ一致な形なのが分かる。この中に微細な違いのある3バージョン目に該当するものがあるのか(11M1?)、まだ3バージョン目はまだ未発見なのか。さすがにこれ以上違うロットは見かけなくなってきていて(OP55○○系をもっと精査すべき?)、2021~2025年の間では4M2を新たに発見した程度に留まっており、30周年くらいまでには解明できるだろうという目論見は外れた。他に追求しているファンもほとんど見当たらず、やはり冒頭ボーカルがダブっているバージョン(4M1/6M2)の言及に留まっていて3つ目について明確に言及しているサイト/ブログも発見できなかった。

ロット番号違うという概念の存在を教えてくれたZARDでは作品ごとに一定の法則性があるものが多いが、このシングルは法則性が全く無くて順番も全く読めない。これではそもそも結局どれが初版でどのような順番で出荷されていたのかが分からない。歌詞カードの”(でも)”表記の有無を考えると、1stアルバム以降は”(でも)”無しなんだから、”(でも)”ありの多くのロット番号が先で、“(でも)”なしの6M2=4M1の方が後期出荷と考えられるところだが、音源としては6M2=4M1だけが明確に異なるものでそれ以外と1stアルバム以降ベスト収録音源はほぼ同じに聞こえる。6M2=4M1の方が後期出荷だとシングル後期出荷で変えたミックスをアルバム以降はまた元に戻したことになってしまう。しかし初版から6M2だの4M1だの中途半端な数字のロット番号がつくのか?

果たして幻の3バージョン目とは何を指すのか…。そもそもどれが初版なのか…。30年経っても解明されないのだから永遠に謎のままになりそうだ…。今更になって、1つ目はドラマバージョン(未CD化)、2つ目は4M1/6M2系ミックス、3つ目はそれ以外、以上3つに加えて4つ目T-131でした!なんてオチはさすがにないよな?…でもスタジオこもりっきりで作業してただろうし”納品した”という意味ではドラマ版も同じだろうから、ドラマ版含んで3回を勘違いしていてもそんなに不思議でもないのでは…?

26周年番外編として2021年執筆、2025年に4M1の情報を追加、追記して30周年版にアップデート

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