LINDBERG 35周年シングル回顧1+~1989-1991 JAPAN RECORDS~

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渡瀬麻紀はアイドル歌手として1987年にデビューしていたがアイドル的な活動に疑問を感じるようになり、ある日アイドルフェス出演の際にマネージャーの反対を押し切ってフリフリ衣装を拒否してTシャツにボロボロジーンズで出演、当然事務所の社長に呼び出される。胸の内を明かすとじゃあデパートの屋上を辞めてライブハウスにしよう、カラオケを辞めてバックバンドをつけようという話になり(理解のある社長だ…)、バックバンドをつけてライブを行う事になり、そのバックバンドの1人が平川達也(Guitar)だった。

平川達也と意気投合した渡瀬マキが書き溜めていた作詞ノートを見せるとその中の1曲に平川達也が曲をつけてあげると言い「MINE」が完成。ソロアイドルを辞めてバンドを結成する方向に話が動いていったが、正式なバンド結成に至る前にアルバムレコーディングが始まり、平川達也はボーヤ(ローディー)仲間だった川添智久(Bass)、小柳昌法(Drums)に渡瀬麻紀のアルバムを作るから手伝ってくれと声をかけ、2人は手伝いのつもりで参加。制作途中で正式にLINDBERGとしてデビューする事が決まってプロデューサー月光恵亮がこれバンドになるからと男性メンバー3人に告げたという。小柳昌法は既に別のバンドでのデビュー話が出ていたが最終的にLINDBERGを選択。

こうして1989年にデビュー。当初アルバム2枚を制作した段階まではブレイクの芽が出ずに苦戦していたが、2ndアルバムを気に入ってくれたフジテレビのドラマプロデューサーからドラマで使いたいけどイメージに合う曲が無いから1週間で用意してくれないかという打診があって「今すぐKiss Me」が月9ドラマ主題歌となった。これにて大ブレイクを果たした。

この最初期の時期はまさにLINDBERGサウンドの確立と中高生向け応援歌という軸でLINDBERGが確立された時期となる。またこの後の徳間JAPAN内におけるJAPAN RECORDSからPUBLIC IMAGEへのレーベル内移籍に際してリリースされた1stベスト盤『FLIGHT RECORDER』で再録音されなかった4thアルバム以前の楽曲は後の数多くリリースされたベスト盤に収録されなくなるといった事態も発生している。

一方で2004年の『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』はこの時期のみを収録範囲とした唯一のベスト盤(というか選びすぎて最早再編集盤)となっている。

現在は1st~4thアルバムまでST配信されているほか、DLではこの4作のみ2016年ハイレゾリマスター音源が最新音源となる。

過去曲回顧初期に大元執筆、2009年再結成後に改訂していたものをほぼ破棄
2024.2~4 C/W全曲追加&アルバム曲一部追加で執筆
アルバム未収録C/Wがあるシングルはシングル盤を聞いていますが、そうでないシングルは『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』をシングルバージョンとして聞いています。

1st ROUTE 246

1989年4月25日
1stアルバム『LINDBERGⅠ』と同時発売。C/W「BLUE AFTER BLUE」共々1stアルバムにも収録。当時よくあった両方入手する意味がないプロモーション用みたいな発売パターン。しかも今作カラオケも無いし…(初期7作はカラオケ収録なし)。今作もアルバム『LINDBERGⅠ』も共に100位圏外。『LINDBERGⅠ』は約1年後の「今すぐ Kiss Me」でのブレイク時に初ランクインして3~6月にかけて11週ランクインした。

ROUTE 246

作詞:朝野深雪、作曲:森重樹一、編曲:井上龍仁
同時発売の1stアルバムでは3曲目。完全提供曲で作詞の朝野深雪は渡瀬マキの自作詞が軌道に乗る1991年までのA面曲を中心に採用される事が多かった。作曲はZIGGYの森重樹一で当時の所属繋がりでの提供(事務所/レコード会社共に共通)、井上龍仁はプロデューサー月光恵亮の作家名でLINDBERGではプロデューサーとしてはKEISUKE TSUKIMISTUと表記し、サウンドプロデューサー・作詞作曲編曲など楽曲のクレジットでは井上龍仁と使い分けていた。月光恵亮は1978年のビーイングの創業メンバーの1人で副社長だったが早期に退社(TUBEのデビューより前の1984年)してパブリック・イメージを立ち上げていた。

完全提供曲だけあってこのシングルだけ別物感が強い。アイドルを辞めてロックバンドになっただけあってさすがにギターの効いた硬派なロックサウンドにはなっているが全体に古臭い雰囲気の80’sロック。構成が少々変わっていてAメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロと繰り返してようやくサビになり、サビ部分だけは爽快さもあるんだけどサビは1回しか出てこない。ギターソロ含む間奏を経てAメロに戻った後はひたすらBメロをリピートしながら遠ざかっていく(フェードアウト)という…。とりあえずバンドをやってみました!という固さもあるし、明らかに浮きまくるせいか、デビュー曲ながら扱いはイマイチで原点として歌われる事もあまりない。正直演奏されても珍しいだけで盛り上がるとも思…

ただテイチクに移籍してプライベートレーベルを作った際には「246 Records」と命名しているので完全に忘れられたわけではないようだ。
★★★☆☆
1stアルバム『LINDBERGⅠ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
12thベスト『LINDBERG★BEST

C/W BLUE AFTER BLUE

作詞:朝野深雪、作曲:井上龍仁、編曲:下山淳
同時発売の1stアルバムでは2曲目。プロデューサー月光恵亮の作家名である井上龍仁の提供曲。表題曲よりも疾走感のあるロックナンバー。ネームバリュー的にはZIGGYだったのかもしれないが、こっちの方がストレートな感じはする。いずれにせよ最初期らしいとりえあずロックやってみた系なのでらしさはほとんどない。

アルバムではギターのイントロが入る前に先行してアンプの音がサーーッと鳴っているが、シングルではそれが無くいきなりギターから入るという微妙な違いがある。シングルバージョンが聞けるのは『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』のみで、『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』に収録されているのはアルバム音源。
★★★☆☆
1stアルバム『LINDBERGⅠ』(冒頭サー音先行)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(シングルバージョン)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』(『LINDBERGⅠ』収録Ver.)

CRAZY DIAMOND

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From 1stアルバム『LINDBERGⅠ
作詞:みかみ麗緒、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG
1stアルバムでは4曲しかないメンバー作曲のうちの1曲。テイチクでリリースされた大量のベスト盤には4thアルバムまでのJAPAN RECORDSレーベル時代の曲は1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』で再録音した音源しか選曲できないという権利関係の制約が生じているのは明らかで、このため『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』『BEST OF SINGLES』『WORKS COMPOSER’S BEST』『FINAL BEST』『SUPER BEST』『Supporters’ songs』『BEST FLGHT』で1st~4thアルバムからはここでリメイクした10曲からしか選曲できない事になっているっぽい。そんな10曲の中で唯一その後1度も選曲されないのがこの曲である。

オリジナルは冒頭からギャァァァァ!!割とマジっぽい悲鳴から始まるも比較的軽快なノリのロックナンバーで全体の方向性が違う1stアルバムの中ではメンバー作なのもあって比較的2nd以降に入っていてもそこまでおかしくはない方向性の曲だった。

『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』では再録音された曲の中では最も激変。「Dream On 抱きしめて」や「HAPPY BIRTHDAY」もがだいぶ変わっているが比にならないくらいテンポを落とした渋い仕上がりの別アレンジになっていて攻めている(オリジナル2分50秒に対してリメイク4分10秒)。しかし攻めすぎて、今後のLINDBERGの方向性を示しているかも?とか語っていたがさすがにこんな渋い方向に行くことはなかった。2014年の再結成以降40~50代になった彼らがビルボードライブ辺りでこのアレンジで演奏したらハマりそうではあるが…。そもそも他の曲が定番なのに対して全く定番になってない曲が何故ここで選曲されたのかはかなり謎。
★★★☆☆
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

MINE

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From 1stアルバム『LINDBERGⅠ
作詞:渡瀬麻紀、作曲:平川達也、編曲:下山淳
1stアルバムで唯一の”作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也”の自作楽曲。結成前のソロアイドル時代末期に活動に違和感を持っていた渡瀬麻紀の意向を汲んだ社長が生バンドでライブをやろうと提案して集めたバックバンドのギターが平川達也で、以前から書き溜めていた作詞ノートを平川達也に見せたところ、この歌詞いいじゃんメロディをつけてあげるよという話になり本当に次のリハの時に曲を持ってきたというのがこの曲だったという。これこそがやりたい事だ!としてアイドルからバンド結成へと至る事になった。このため厳密には結成前に作られた曲ではあるが、LINDBERG原点の1曲として重宝され、解散ライブでもラストのラストを飾った。

曲自体は正直そこまで大名曲という感じでは無く他に名曲がたくさんあるとは思うんだけど、ファンにとってもメンバーにとっても思い入れは深いらしく、特別な1曲として扱われ、アルバムを全部聞いていくとライブ音源での登場回数が多く、解散ライブのラストを飾った事もあってけっこう特別な印象の1曲になっていく。

スタジオバージョンは3バージョン(1989、1992、2002)、ライブバージョンは4音源(5thシングルC/Wの時期不明、1993、1998、2002)の4つのライブ音源が存在する。1989年オリジナルバージョンはまだLINDBERGのボーカル渡瀬マキとしての歌が確立しておらず、19歳の渡瀬麻紀がそのまま歌っているような拙さがある。序盤の抑えめのボーカルもややか細くなっていて固い。ただこの初々しさこそが原点という意味でのこの時にしか出せなかった良さは確かにある。『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』『LINDBERG★BEST』に収録された際は6分27秒が5分53秒まで短縮されており、演奏がフェードアウトした後に入ってくるキラキラ鳴るSE部分がカットされている。

Lindy Wingding』ではいきなり歌始まりのキーボードとアコースティックギターによる1コーラスのみのバラードバージョンで3分に満たない最短サイズ。’98 LIVE VERSION(=『WORKS』のLIVEと同一)はフルサイズのアコースティックギターとキーボード演奏のみのアコースティックバラードバージョンで終始しっとり歌い上げる。『FINAL FLIGHT』では5thシングルC/WのLIVE VERSIONに続くオリジナルアレンジのバンド演奏で解散公演最終曲として歌う前のMCから涙声だが案の定歌い出しから涙で全く歌えなくなったため観客が大合唱でサポートし、その後持ち直しても特に前半は頻繁に涙で歌唱がブレまくるが万感の思いを込めた仕上がり。

『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』での再録音はLINDBERGのボーカル渡瀬マキとして頼もしさを増した歌い方になっており、演奏も大きく変えていないがブラッシュアップされているのでストレートに完成度が高い。また終盤の連呼は無くなりフェードアウトではなく最後まで演奏される。しかし以後はベスト盤にもライブバージョンで収録されることが続いたため、『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』再録音バージョンがリマスターで収録されたのは『FINAL BEST』の1回ポッキリ。解散時の2002年再録音バージョンは他の曲に比べると声のパワーダウンがあまりなくて深みが感じられる仕上がり。
★★★☆☆
5thシングルC/W(LIVE VERSION)
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Unplugged Disc ‘93.12.24 日清パワーステーション)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(5thシングルC/W/LIVE VERSION)
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』(’98 LIVE VERSION)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(LIVE/’98 LIVE VERSIONと同一)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』(フェードアウト後のSEカット)
12thベスト『LINDBERG★BEST』(フェードアウト後のSEカット)

Listen on Apple Music

10セントの小宇宙(ゆめ)

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From 2ndアルバム『LINDBERGⅡ
作詞:西脇淳子、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG&佐藤宣彦
8曲目というあまりリード曲的な位置には配置されておらず、シングルカットもされていない(LIVE VERSIONが後にC/W化)が以後のLINDBERGの方向性を決定づけた重要楽曲。初期の応援歌路線の代表的楽曲でライブでも長年歌われ続けたという。作詞は西脇淳子(後に西脇唯としてデビュー)。初期の渡瀬マキの作詞の方向性は「今すぐKiss Me」の朝野深雪よりも西脇淳子の作風からの影響で決まっていった感もある。夢と現実の狭間でもがきながらも自分の信じた道を進みたいという10代の葛藤に突き刺さる歌詞が並び、特に“何も恐れない心が少し少しけずられてゆく”というフレーズは10代後半になるにつれて誰もが感じる感情ではないだろうか。

若さゆえの衝動という意味でオリジナル音源にはその時にしか出せなかった勢いがあるが、『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』での再録音ではイントロがギターリフからドラムが入ってくるライブ感のある演奏になり、全体に厚みを増したサウンドでパワーアップした。
★★★★★
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
4thシングルC/W(LIVE VERSION)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(4thシングルC/W/LIVE VERSION)
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』(再録音/1992)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂/LIVE VERSION)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
9thベスト『Supporters’ songs』(再録音/1992)
11thベスト『BEST FLGHT』(再録音/1992)
12thベスト『LINDBERG★BEST

2nd 今すぐKiss Me

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1990年2月7日
前2作のアルバムが全くヒットせず、雲行きが怪しくなってきた頃にフジテレビドラマプロデューサーが2ndアルバムを気に入って次のドラマで使いたいけどアルバムにはイメージに合う曲が無かったので1週間で作ってくれないかという打診をしてきたので急遽候補曲デモを作って提出。5曲のうち3曲目の曲が選出されて見事月9ドラマ主題歌となり、大々的にOAされた結果、初登場3位といきなり大ブレイク。2週目以降も2位→1位→2位→1位→2位→1位→2位→3位→5位→9位…と2位と1位を往復しまくる怒涛のチャートアクションをぶちかました。2位の時の1位は全て違う曲であるほか、同クールのドラマ主題歌で同じようにブレイクしていたDREAMS COME TRUE「笑顔の行方」を最高2位止まりにしたのは今作である。最終的に22週ランクインで61万枚最大のヒット作となった。90年代でこの売上はあまり高く見えないが、1990年はレコードが滅んでCDに完全に切り替わった直後だったのもあってか、まだ売上レベルは低めで61万枚でも年間3位の特大ヒットであった。2位に僅差の米米CLUB「浪漫飛行」が入っていたがこれは2種が別集計されたもので、1位のB.B.クィーンズ「おどるポンポコリン」は130万枚と2倍以上の大差での年間1位でここからミリオン全盛の時代へと突入していく。

今すぐKiss Me

作詞:朝野深雪、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
フジ月9ドラマ『世界で一番君が好き!』主題歌。月9が本格的にブランド化したのは翌年の『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』の大ヒット以降とされているが、このドラマも20%を越える視聴率でこの時期としてはかなりヒットしており(この後の春・夏クールは20%に届かず、秋クールではかろうじて20%を越えたが1990年の4作の中では『世界で一番君が好き!』が最大のヒットであった)、

代表作ではあるし、キャッチーで聞きやすい曲ではあるものの、どんだけキス急ぎたいねん!というツッコミしか生まれないような中身スカスカな歌詞が…(汗)。いかにも一過性のアーリー90’sトレンディーヒットみたいな…。最盛期の人気でもREBECCAやJUDY AND MARYには劣るとはいえ、LINDBERGもアルバムミリオンを1枚持っていて同時期のバンド勢の中でもかなり大きな実績を残しただけに、もう少しレジェンドバンド扱いされてもいいのにいつまで経ってもプロリスナー方面からほとんど無視され続け、どうにも永遠に再評価される様子がないのはこの曲と紅白に唯一出たのが同じように中身があまりない「恋をしようよ Yeah! Yeah!」だった…というのがかなり尾を引いているような気がする(末期が100位圏外まで落ちて解散時を知っている人が少ないのもある)。初期のまっすぐでひたむきな10代向け応援歌という特徴も全く含まれてないし…。1発で耳に残るキャッチーさで名刺代わりの1曲ではあるものの好きな曲をあげていくと個人的には上位には入ってこない。

シングルバージョンは最後のサビの繰り返しの途中でフェードアウトしていく。このバージョンはシングル盤と『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』に収録されたのみ(コンピ盤では採用されているかも…)。

LINDBERGⅢ』ではしっかりエンディングまで収録されたフルサイズバージョンで、2番のサビを4回も繰り返し続けてI Love You Soと同時に演奏も終了する。間奏明けに繰り返されるサビは全て2番の歌詞(“大好きだよと笑ってネ”)で1番の歌詞を歌わないのが特徴。数少ない徳間のベストには2回ともこちらのバージョンが採用されている。

FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』再録音バージョンはライブを意識して全体に厚みを増した演奏に変わっている。最後のサビは1番のサビと2番のサビを連続して歌った後は新たにアウトロが加えられ(ウォウウォウボーカルも追加)て演奏が終了する構成。これまで無かったアウトロがあるもののサビの回数が半分の2回になっているのでアルバムバージョンより20秒短く、フェードアウトのシングルよりも10秒短く、コンパクトになった。『SUPER BEST』収録の2007 New Mixはこの1992年再録音バージョンをミックス変更したものでドラムの響きがややパコパコした質感になっている。

解散前の2002年にも『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』で再録音、2009年限定再結成の際には『LINDBERGⅩⅩ』で再録音されリード曲として大々的にMVも制作されて復活をアピール。2002、2009年リテイクも基本的に1992年再録音アレンジを基本にしている。

2002年再録音は声に明らかに張りが無くBメロの”やめられない”で裏声になってしまうなど往年の元気さも無い枯れた味わいだが重低音の効いた重めのサウンドになっている。
FINAL FLIGHT』での解散ライブでは序盤は観客に合唱させていたが中盤以降は涙で歌えなくなってしまうので結局ほとんど観客の合唱音源になってしまい、3回出てくるBメロをなんとか歌唱出来たのはラストサビ前の1回ポッキリ。この時は裏声ではなく声を張り上げていたので勢い任せで行けば出せないわけではないという状態だったようだ(この解散ライブ音源自体、もうこれで最後なので全体に勢いに任せて歌っているようで直近のCD音源での抜き気味の歌唱よりもガツンと張り上げている)。

2009年再録音では解散時が嘘のように往年の張りのある歌声が復活しており、輝かしい復活を印象付けた。
★★★☆☆
3rdアルバム『LINDBERGⅢ』(フェードアウトしないアルバムバージョン)
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Plugged Disc ‘93.12.2国立代々木競技場第一体育館)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』(再録音/1992)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(再録音/1992)
6thベスト『BEST OF SINGLES』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』(フェードアウトしないアルバムバージョン)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
10thベスト『SUPER BEST』(再録音/1992)
10thベスト『SUPER BEST』(再録音/1992の2007 New Mix)
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT』(再録音/1992)
12thベスト『LINDBERG★BEST』(フェードアウトしないアルバムバージョン)
3rdライブアルバム(ライブ会場/公式通販限定)『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~』(LIVE/2014/4/25 Zepp DiverCity Tokyo)

C/W STEP IN NOW

作詞:朝野深雪、作編曲:井上龍仁
1stアルバムの1曲目からのシングルカット。オリジナルアルバムから聞くと1stシングルの2曲より先に出てくる唯一の楽曲なので今作もまた始まりの1曲という印象がある。とりあえずロックバンドやってみました系統の前作の2曲と基本的には同じ立ち位置にあるような印象のロックナンバー。サビどこ系楽曲でサビに当たる部分がというよりせいぜいBメロくらいの盛り上がりな上に、Aメロに当たるAh・・・・・STEP IN NOW Ah・・・・・STEP IN NOWの繰り返しの方が耳に残る。
★★☆☆☆
1stアルバム『LINDBERGⅠ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

3rd JUMP

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1990年3月28日
2ndアルバム『LINDBERGⅡ』からC/W「Get the Emotion」共々シングルカット。前作がまだ2位にランクインして絶賛大ヒット中に初登場10位を記録し、2週目に9位へ浮上するもそこで打ち止めとなったが20~40位台で粘る推移で14週ランクインで14万枚のヒット。1ヶ月後には次のアルバム『LINDBERGⅢ』リリースが控えており、出すなら先行シングルというタイミングで前のアルバムからのシングルカットだった。

JUMP

作詞:西脇淳子、作編曲:佐藤宣彦
フジテレビ主催の「国際スポーツフェア’90春」タイアップ。これによるシングルカットと思われる。

1stに続いてメンバーが作詞作曲編曲に関与しておらず、サウンドプロデューサーとして参加していた佐藤宣彦による作編曲。アルバムでは9曲目という地味な配置だったが、アルバムの中では最もポップ寄りで明るい1曲なのでシングル向けといえばシングル向けではあるが…。ウキウキなビートに乗せたかなり軽めな雰囲気。わざわざ「10セントの小宇宙」を差し置いてシングルカットするような曲だったとはあまり思えないのが正直なところ。後の「ROUGH DIAMOND」と並んで10代向け、中高生向け応援歌というよりさらに下の小中学生向けっぽいイメージ。

FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』の再録音では新たにイントロが追加されておりこの分だけ30秒弱長くなったほか、全体に音の厚みが増していて軽すぎる感じは無くなった。というかこっちを聞いた後にオリジナルを聞くと軽すぎるというのが正確なところか。
★★★☆☆
2ndアルバム『LINDBERGⅡ
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』(再録音/1992)
6thベスト『BEST OF SINGLES』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
11thベスト『BEST FLGHT』(再録音/1992)
12thベスト『LINDBERG★BEST

C/W Get The Emotion

作詞作曲:井上龍仁、編曲:LINDBERG/佐藤宣彦
アルバムでは3曲目。勢い全開でがなりたて気味の冒頭2曲に続いてまだまだ勢い全開の3曲目といった立ち位置の楽曲。月光恵亮=井上龍仁による提供曲だが、自ら作詞まで手掛けた唯一の曲となっている。がなり気味に声を張り上げて元気いっぱいなボーカルには若さが溢れている。1stアルバムのとりあえずロックやってみました路線からの過渡期で元気全開な初期LINDBERGの方向性が見えつつあるが、1stの雰囲気も残っていて微妙にどちらにも属さないような感じもある。
★★☆☆☆
2ndアルバム『LINDBERGⅡ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

LITTLE WING~Spirit of LINDBERG~

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From 3rdアルバム『LINDBERGⅢ
作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
「10セントの小宇宙」と系統が近いが今回は渡瀬マキ自ら作詞。バンド名の由来となったチャールズ・リンドバーグの事を書いた内容は、そのままバンドのテーマソングのようにもなり、ファンクラブの名前にもなった。ひたむき、前向き、元気にロックに夢に向かってまっすぐに向かっていく歌詞はそのまま10代への応援歌として響き、多くの中高生リスナーを獲得。10年弱遅れてこの曲にたどり着いたが、10代の頃にはやはりこういう曲は本当に響いた。

オリジナルでは冒頭にエンジン音のようなギターノイズ(?)が10数秒入ってからイントロに突入するほかエンディングがフェードアウトだったが、『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』再録音では冒頭がカットされていきなりバンド演奏から入り、演奏もきちんと終了する。全体には他の曲同様に演奏もボーカルもパワーアップして厚みのある仕上がり。

解散前2002年再録音ではキーが下げられていて正直大幅にパワーダウン。間奏明けのアカペラサビの部分をメンバー全員(サポートキーボードも?)で合唱しているという違いがある。1992年、2002年再録音バージョン共にサブタイトルが無くなっており、以後のベスト盤でもオリジナルが収録された『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』以外にはサブタイトルが無いのでオリジナルは「LITTLE WING~Spirit of LINDBERG~」再録音バージョン(1992/2002)は「LITTLE WING」と分けられている模様。
★★★★☆
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』(再録音/1992)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
9thベスト『Supporters’ songs』(再録音/1992)
10thベスト『SUPER BEST』(再録音/1992)
11thベスト『BEST FLIGHT』(再録音/1992)

忘れないで

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From 3rdアルバム『LINDBERGⅢ
作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
わりとさっぱりしつつも疾走感のある平メロからサビでリズムが変わって踏みしめるように歌い上げるという少々変わった構成なのが耳に残る。学生時代の空気がパッケージされたかのような歌詞も良い。ラストではサビのリズムが変わって一気に駆け抜けていく盛り上がり方も秀逸。

すっかり忘れたような頃に『GAMBAらなくちゃね』C/Wでリメイクされているがオリジナルが断然良い。
★★★★☆
19thシングル『GAMBAらなくちゃね』C/W(NEW VERSION)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(NEW VERSION)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

4th Dream On 抱きしめて

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1990年9月26日
前作から半年、「今すぐKiss Me」からは7ヶ月ぶりで、『LINDBERGⅢ』も65万枚と「今すぐKiss Me」と上回る大ヒットを記録して期待が高まる中で初登場2位、22万枚のヒットを記録した。『LINDBERGⅢ』からの5ヶ月の間に新曲を量産していたようで今作以降怒涛の連続リリースが始まる。

Dream On 抱きしめて

作詞:朝野深雪、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
アルペンCMソング。アルペンというと1993年以降広瀬香美、冬!スキー!なイメージだが広瀬香美以前からCMタイアップはあり、後に『Alpen Best Another Edition』に収録されている。

「今すぐKiss Me」と同じく朝野深雪の作詞だが、今作では初期LINDBERG王道に合わせた応援路線。4thアルバムに向けて初期の王道路線が今作で固まった。アルペンCMソングでかかってそうな冬っぽさは全くないが…。

オリジナルは最初からガツンとしたバンドサウンドで駆け抜けていく元気ロックナンバーだが、『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』の再録音では1番のサビ前までのアレンジをガラッと変更。ピアノとボーカルのみで静かに始まり、サビで一気にバンドサウンドになるというドラマティックな展開に変わっている。また間奏明けでバンド演奏がオフになる部分もオリジナルではやたら派手にDream On Dream On…と声が反響しまくっていたが、再録版ではシンセをバックに単独ボーカルのみになっていたり、フェードアウトだったエンディングをきちんと演奏終了させるなどの違いがある。最初に聞いたのが再録音版だったこともあり切なく始まって盛り上がっていく再録音のほうが好き。『FINAL FLIGHT』での解散ライブ音源ではオリジナルの最初からバンドで入るアレンジで演奏されているほか、低い音程でのDream On 抱きしめてをひたすら連呼しまくり観客も合唱するという新たなエンディングとなっている。

20周年『LINDBERGⅩⅩ』ではさらに大幅にリメイクされ、シンセによる浮遊感あるサウンドからピアノとベースが入ってくる出だしとなっている。サビではバンドサウンドになるが、全体に重めな感じで大人のLINDBERG感を醸し出す。ギターソロではサビ以上にオリジナルの名残が見える。オリジナルパターンをやったけどピンとこなかったそうでメンバーにとっては意外とアレンジの耐用年数が短い曲なのだろうか。
★★★★★
4thアルバム『LINDBERGⅣ
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』(再録音/1992)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(再録音/1992)
6thベスト『BEST OF SINGLES』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
9thベスト『Supporters’ songs』(再録音/1992)
10thベスト『SUPER BEST』(再録音/1992)
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT』(再録音/1992)
12thベスト『LINDBERG★BEST』(再録音/1992)

C/W 10セントの小宇宙(ゆめ)-LIVE VERSION-

作詞:西脇淳子、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG&佐藤宣彦
2ndアルバム収録曲のライブバージョン。いつの音源なのかは不明だが次回作の「MINE」と共に最古のライブ音源はこの2曲と思われる。9月5日に行われた初の日本武道館公演は初の映像作品『FLIGHT-001 ~Bound to the Dream~』として11月10日にリリースされているようだがそこからの先行リリースだったのかそれ以前のライブ音源なのか…(今作が9月26日なのでさすがに早すぎるようにも思う)。ただ間髪を入れずに「今すぐKiss Me」のイントロに突入しており、これは『FLIGHT-001 ~Bound to the Dream~』での曲順と同じ。しかし6月に行われた1週間で日清パワーステーション(HOP!)、日本青年館(STEP!)、渋谷公会堂(JUMP!)と会場キャパを引き上げていく「LINDBERGの一週間 ’90『HOP! STEP! JUMP!』」でも「10セントの小宇宙(ゆめ)」→「今すぐKiss Me」の順で演奏していたようなのでこの時の音源の可能性も高い。いずれせによ急成長していた時期だけにオリジナルのスタジオ音源よりもパワーアップしたライブ感溢れる仕上がり。
★★★★☆
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ

5th ROUGH DIAMOND

1990年10月24日
前作から1ヶ月でのリリース。前作が4週連続トップ10入りしていて、入れ替わるように初登場2位、18.6万枚のヒットを記録した。

ROUGH DIAMOND

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,井上龍仁
A面では初の渡瀬マキ作詞が採用された。最初のベスト盤『FLIGHT RECORDER』で外されてリテイク音源がなかったせいか以降ほとんどのベスト盤に収録されなくなってしまった不遇3連続シングルの1作目でもある。

今作もまた応援歌だが、内容がかなり幼い。舞台は学校だが中高生どころか対象年齢は小中学生くらいまで下がるような…。PVもTVから飛び出して少年に向けて歌っているし(応援というより翻弄している感が強いけど)。間奏のディーアイエーエムオーエヌディー!ディーアイエーエムオーエヌディー!(“D・I・A・M・O・N・D”)の叫び連呼もかなり子供っぽい印象がある。初めてこの曲を聞いた2000年頃にはもう高校生になっていたので(発売から10年以上後)、その時点でこれはちょっとなぁ…もっと若い子向けだなと思った。発売当時だと幼稚園だったが、せめて小学生の間に聞いていれば好きな曲になってたかも。

唯一気になるところではイントロから歌い出す直前に何故ガラスが割れるようなパリーン音が入っているのかという…。ダイアモンドって言ってるんだからこんなうっすいヤワな割れ方するはずないし、ガラスのハートが砕けた子を励ます感じでもないから謎なんだよな。夜の校舎窓ガラス壊してまわる人向けの歌詞でもない
★★★☆☆
4thアルバム『LINDBERGⅣ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
12thベスト『LINDBERG★BEST

C/W MINE-LIVE VERSION-

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:下山淳
1stアルバム収録曲のライブバージョン。前作C/W「10セントの小宇宙」に続いてのライブ音源となったが恐らく同時期のものと思われる。この2曲が相次いで最初のライブ音源になった事からもこの時点で1st,2ndアルバムからの代表的な曲が決まっていた感がある。
★★★☆☆
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ

6th OH! ANGEL

1990年11月21日
またも前作から1ヶ月でのリリースとなり、働きすぎな1990年の5作目、3ヵ月連続リリースの最後を飾った。前作が3週トップ10入りして30位まで落ちていた5週目に初登場4位を記録。トップ10入りは1週目のみとなり、さすがに勢いが落ちたのは否めないがそれでも17.3万枚のヒットを記録。

OH! ANGEL

作詞:朝野深雪、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
シングルA面で渡瀬マキ作詞じゃない最後の曲(他は1st~4th)。アップテンポしか無かったシングルでバラードではないがアップテンポではないミドル系。メロディーはポップなんだけど勢い押せ押せだったこの時期ではどうしても印象は薄くなるか。4thアルバム中では最もアルバム曲っぽい曲になってしまったような気も…。ただ似たようなアップナンバーが多い中ではいいアクセントになっているし、意外と飽きずに繰り返し聞ける隠れがちな良作といった印象でもある。この手の曲調のシングルって意外と他に無いし。

テイチクのベストに収録されない「ROUGH DIAMOND」「GLORY DAYS」共にPVは制作されているので『FILMS』『VIDEO CLIP HISTORY』『ALL TIME MUSIC VIDEO HISTORY』と収録範囲を追加して3度に渡ってリリースされたMV集DVDにはオリジナル音源で収録されているが、今作だけPVも制作してないのでますます影が薄くなってしまったところもある。
★★★☆☆
4thアルバム『LINDBERGⅣ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
12thベスト『LINDBERG★BEST

C/W NOBODY KNOWS

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,井上龍仁
4thアルバムでは「BELIEVE IN LOVE」に続く2曲目に収録され、アルバムをさらに加速させる役割を果たしている王道の元気ロックナンバー。答えを考えるよりも突き進め(超訳)な勢いが溢れているが、「ROUGH DIAMOND」のように無邪気に頑張れ頑張れ言っているのではなく、冒頭から嘘を積み重ねたビルの群れにしらけていたり、街が人を変える、悲しい色のこの街、嘘だらけの街…と大人社会をストレートに揶揄するような言葉が並んでいて“君の中の少年だけは”と繰り返されるように既に現実を知ってしまった者に向かってそれでも自分の中にある少年の心だけに従って突き進めと鼓舞しているような構図になっていて意外と深い。
★★★☆☆
4thアルバム『LINDBERGⅣ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

7th GLORY DAYS

B00005GGJH
1991年3月27日
前年の9~11月の3ヶ月連続リリースから冬の間は新曲は無く、4ヶ月ぶりの新作。4月19日の『LINDBERGⅣ』の先行シングルとなった。初登場4位、14.6万枚とやや落としたが『LINDBERGⅣ』は自身唯一のミリオンヒットを記録した。

GLORY DAYS

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,佐藤達也,井上龍仁
全期を見渡してもけっこう珍しいバラード系シングル。青春を謳歌しているような4thアルバムのラストを飾り、青春の終わりのような雰囲気の卒業を歌った切ない楽曲。夢を捨てられず彼と別れてまで旅立つという展開で、夢を追う希望ではなく夢を追うことで失うものがある失うことの切なさを描いているのがこれまでと一線を画す。初めて聞いた時はかったるくて好きじゃなかったんだけど年月を重ねてみると凄くいい曲に思えてきた。このような大人になっていく感傷をもう少し歌っていけばファンの成長と寄り添って行けたんじゃないかと思う。そういう意味ではちょっと早すぎた名曲だったかも。

LINDBERGⅣ』では唯一この曲だけAlbum Mixとなっているが、冒頭20秒程度のバンドが入る前のシンセの音が最初から普通に鳴っているシングルに対してAlbum Mixではフェードインで徐々に入ってくるAlbum Mixの方がバンド演奏が全体に強め(このためバンドが入った後のキーボードのメロディーがシングルだと格段に目立つがアルバムだとシングルほどには目立たない)などじっくり聞かないと分からないような細かいミックス違いが施されている模様。

解散前2002年にも再録音されているがなんと全編ウィスパーボイス、というか掠れ気味のささやき声で歌い続けるというキーボード、アコースティックギターによるアコースティックバージョンに変貌。『FINAL FLIGHT』でもこのバージョンをサポートキーボードのダーリン佐藤と平川達也と渡瀬マキの3人編成で演奏したライブ音源が収録されている。解散ツアーが決まった際に真っ先に歌いたいと言ったそうで思い入れが強かったようだ。
★★★★☆
4thアルバム『LINDBERGⅣ』(Album Mix)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
12thベスト『LINDBERG★BEST

C/W SUNSET BLUE

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,佐藤達也,井上龍仁
4thアルバムでは「GLORY DAYS」の1つ前に収録。こちらはLINDBERGらしさ全開のサウンドだが、これもやはり青春時代の終わりを歌っていて相当切ない。“嫌いだってあの頃言ってたネクタイしめ”とか初めてネクタイ締めた時にかなりくるものがあった。進む道が違ってしまい”ずっと一緒にいてあげたかったよ”と歌われており別々の道を進んで別れた相手との思い出と今ならば…という少しばかりの後悔が歌われる。今作と「GLORY DAYS」は学生時代が終わっていくとなんか胸にしみてくるものがあった。後悔とは違うけどそれに似たような寂しさ。王道の元気サウンドなのに泣ける名曲。

渡瀬マキも思い入れが強かったのか、この曲のその後を描いた「Teenage Blue」は解散決定後のシングルとして発表されており、合わせて聞くと時の流れを感じられる。解散ライブでは出来ればこの曲と「Teenage Blue」を続けて演奏する演出は欲しかった。
★★★★★
4thアルバム『LINDBERGⅣ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

LOOKING FOR A RAINBOW

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作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,佐藤達也,井上龍仁
名曲多すぎな『LINDBERGⅣ』の中でも特に好きな曲。このアルバム、基本的には10代向けの青春応援歌中心で夢は叶う!的な理由なき希望を歌いまくっているんだけど、終盤になると急に青春の終わりの気配、そこに漂う寂しさ、切なさが表現された曲が並んでおり、初期路線を綺麗に締めくくっていく構成になっている。先生や友だち、親が”あの子には近寄らないで”と言うような学校も来なくなってしまい世間的には不良と言われるような幼馴染が抱える孤独に恐らく1人だけ気づいている主人公の思いが描かれている。メロディー、ボーカルも切なく、ラストにかけて感情も極まっていく名作。3連リズムでアクセントがちょっと変わってる部分もアルバム終盤でいい変化になっている。こんなに早い時期にこういう路線の歌詞を書けていたのを思うとやはり末期の迷走が残念に…。

制約によりテイチクのベスト盤に選曲されないが『WORKS COMPOSER’S BEST』ではライブバージョンとして初めて選曲されている。ただオリジナルのパワーが無くなってしまっていて正直ビミョーな仕上がり。
★★★★★
4thアルバム『LINDBERGⅣ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(LIVE)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト

8th BELIEVE IN LOVE

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1991年7月3日
『LINDBERGⅣ』から3ヶ月経過してのシングルカット。アルバムを持っていればカラオケ以外に不要なシングルでタイアップの起用タイミングでも無かったが、かなり待望のシングルカットだったようで、初登場2位を記録すると9週連続トップ10入りするロングヒットとなり、売上は20万近く及ばなかったものの23週ランクインは「今すぐKiss Me」を上回る登場週数で40万枚に迫る売上を記録。現在は4番ヒットで代表曲の1つとなった。

今作より表題曲のカラオケが収録されるようになり3トラック仕様。

BELIEVE IN LOVE

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,佐藤達也,井上龍仁
3月末よりテレ朝のバラエティ『夢で逢えたら』OPとして使用されていた。若手時代のダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコが出演していた深夜の人気バラエティで野沢直子も出演していたが今作が起用される前に降板していた。11月に番組が終了したので最後のOP曲となったが、OPは担当バンドの演奏シーンと出演者の紹介によるオリジナル映像が毎回流れていたらしく、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンのその後の大活躍ぶりからしても末期ほど番組人気が高まっていたのも相まってOPである今作もいつも以上に注目される状態にあったのではないかと思われる。

恋愛応援歌的な曲だがこの曲も勢いがあるし、メロディー・アレンジ全てが完璧な全盛期極まる1曲。「今すぐKiss Me」ばかりがどんどん代表曲として1人歩きしてしまった中で、懐古番組で2番手で出てくる曲があるとすれば大体この曲だろうか。『夢で逢えたら』当時を知る人にとってはけっこう番組OPの印象も強いらしい。

FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』再録音では冒頭がサビから入るバージョンになっていて若干テンポアップしているっぽいが大きな変更はなくストレートに勢いが増した。完成形はこのバージョンだと思う。

2002年再録音はキー下げにより低く重くなっている。2009年再録音でもたぶん同じ下げたキーなんだけど元気さが復活していてその時々のコンディションには左右されているもののアレンジ自体は大きな変更を一貫して加えていない印象。

2007 New Mixでは1992年再録音バージョンをリミックスしているが、追加していた冒頭サビをカットしてオリジナルと同じ構成に変更している。「今すぐKiss Me」同様に全体の音の響きが変わっている。
★★★★★
4thアルバム『LINDBERGⅣ
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』(再録音/1992)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(再録音/1992)
6thベスト『BEST OF SINGLES』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
9thベスト『Supporters’ songs』(再録音/1992)
10thベスト『SUPER BEST』(再録音/1992)
10thベスト『SUPER BEST』(再録音/1992の2007 New Mix)
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT』(再録音/1992)
12thベスト『LINDBERG★BEST』(再録音/1992)
3rdライブアルバム(ライブ会場/公式通販限定)『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~』(LIVE/2014/4/25 Zepp DiverCity Tokyo)

C/W HAPPY BIRTHDAY

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,佐藤達也,井上龍仁
同じく4thアルバムからシングルカット。元気になれるそのままズバリなバースデーソング。シンプルにバンドアレンジだったオリジナルもストレートに元気いっぱいでかなりいい。大人になるにつれてそういえば子供の頃は誕生日ってやたらお祭りだったなぁ…と遠い目になる曲に変わっていく。後年のベスト収録はほとんどシングル表題曲に準ずる好待遇となっていて馴染み深い曲の1つ

FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』再録音では冒頭からサビ頭を合唱しながら盛り上がり、コーラスやパーカッションも咲き乱れてにぎやかなアレンジに変更された。
★★★★☆
4thアルバム『LINDBERGⅣ
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(再録音/1992)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』(再録音/1992)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(再録音/1992)
7thベスト『FINAL BEST』(再録音/1992)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト
11thベスト『BEST FLIGHT』(再録音/1992)

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