LINDBERG 35周年シングル回顧2+~1991-1995 PUBLIC IMAGE~

スポンサーリンク

4thアルバムリリース後に徳間JAPAN内のJAPAN RECORDSからプロデューサー月光恵亮によるPUBLIC IMAGEレーベルへと移動。同じ徳間JAPAN内のレーベル移動ではあったがアルバムの品番はTKCA→TKCPへと変わっている。また原盤権もこの機に移動させたようだが、後にテイチクに移籍した後、テイチクからベストアルバムを選曲する際にはPUBLIC IMAGE移動以降の音源しか使えないという見えない制約が生まれる事になったため、管理が異なっているようだ。

この時代は引き続き人気を維持しつつも、徐々にポップ路線へと転換。渡瀬マキがパブリックイメージとしてついた元気さや応援歌を求められることに疲弊した事もあり、OLの日常的なラブソングが増加し、初期のようなひたむきさ、前向きさを前面に出した楽曲は鳴りを潜めていく。1994~1995年にかけてはさらにおとなしい落ち着いた方向性にシフトしていったが売上が低下していき、1995年になるとついにシングルトップ10入りを連続で逃してしまい、アルバム売上も20万ちょっとまで低迷してきたところでPUBLIC IMAGE時代は幕を閉じる。

過去曲回顧初期に大元執筆、2009年再結成後に改訂していたものをほぼ破棄
2024.2~4 C/W全曲追加&アルバム曲一部追加で執筆
「夢であえたら」「さよならをあげる」はシングル盤、他のシングルは『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』をシングルバージョンとして、最後の『水着とBeachとBoys』は8thアルバムで聞いています。

9th I MISS YOU

B00005GGUU
1991年10月18日
“リンドバーグからの臨時便”と称されたミニアルバム『EXTRA FLIGHT』の先行シングル。初登場2位、23.4万枚のヒット。今作より徳間JAPAN内でのレーベルがJAPAN RECORDSから事務所主導のレーベルPUBLIC IMAGEへと移動。これに伴いどうやら権利の問題が生じたらしく、後年のテイチクからリリースされるベスト盤では基本的にオリジナル音源が収録できるのは今作以降で今作より前の楽曲は『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』で再録音していた曲に限る…という制約が生まれてしまった。

I MISS YOU

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
卒業までの半年を女の子目線で描く中高生感覚の片思いのラブストーリー。元気いっぱいなところは大きく変わっていないが、やや落ち着いた部分や女の子っぽさを前面に出してきたのが少し新しい。これまでショートカットでボーイッシュだった渡瀬マキの髪が伸びたのも今作からでこれにより一気に女の子っぽくなった。今までスタジオ演奏シーンだけだったPVが初めて図書館に撮影場所を移して制作されたのでよりいっそう学校イメージが強い。

応援歌とは違うところでまた青春の傑作が生まれた感じ。最後、告白しようとするところで曲は終わってしまうが果たして結果は…。

FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』ではリミックス(ミックス変更)のみが施されている。1年前の『EXTRA FLIGHT』収録時よりも全体に音が絞られていて(波形で見てもガッツリ縮んでいる)特にイントロやアウトロなどでのキメのジャジャッジャッジャッジャッと鳴っているギターベースドラムがかなり引っ込んでいるのでテレテレテレテレ鳴っているほうのギターが目立って聞こえる。
★★★★☆
1st臨時アルバム『EXTRA FLIGHT
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(remix)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W CASH CARD

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG/佐藤宣彦
SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』の時期(1994年まで)はC/Wでも別バージョン以外はほぼアルバムに収録されていた中で2曲だけあるオリジナルアルバム未収録曲の1つ。CASH CARDじゃ愛は買えないを連呼する勢いのあるロックナンバー。2ndアルバム頃の雰囲気を彷彿とさせる勢い一直線な1曲。『EXTRA FLIGHT』に収録されてもおかしくはなかったが、勢いまくし立て系では「DESTINATION」が1曲目にあるので今作は外れた感じだろうか。
★★★☆☆
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ

Dream Factory

B0000071M7
From 1st臨時アルバム『EXTRA FLIGHT
作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,佐藤宣彦
舞台は工場。ここで働く人がもっと違う自由を見つけたいと思いながらに自分の仕事には誇りと夢を持っているという前向きなワークソング。社会人になれば共感間違いなしと思われる歌で、辛くても誇りを持てたならば自由はなくても幸せなんだろうと思ったものだった。そこに至るのが困難ではあるけど。ベスト盤に選曲されたことはないが、2002年の解散ライブでちゃっかり選曲されているので、「MINE」「今すぐKiss Me」などの重要曲と並んで2作のライブアルバムで皆勤賞を達成。別にライブ映えするようなノリのいい曲ではないが、C/W含めてライブ音源だけで何故か3バージョンも発表されたのだから1度くらいベスト盤に選曲しても良かったのでは…。隠れた人気曲というのもうなずける。

ただなんか間奏の展開が予想外でここだけ全く別の曲みたいに感じられる。
★★★★☆
10thシングルC/W(LIVE VERSION)
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Unplugged Disc ‘93.12.24 日清パワーステーション)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(10thシングルC/W/LIVE VERSION)
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)

10th 恋をしようよYeah!Yeah!

B00005GGUV
1992年4月22日
最高2位止まりが続いていたが「今すぐKiss Me」以来となる1位にして初となる初登場1位を記録。5週連続トップ10入りするなど存在感を見せ、「BELIEVE IN LOVE」と並ぶ39.6万枚のヒットを記録。1992年NHK紅白歌合戦に結果的には唯一の出演を果たして「恋をしようよYeah!Yeah!」を歌唱している。後の渡瀬マキのエッセイによれば年越しライブに比重を置いていたので紅白は目標にしていなかったが、事務所社長は渡瀬マキが紅白のステージに立つことを長年の夢としていたので社長に出てくれと懇願されて年越しライブと掛け持ちで出る事にしたという。結局1回限りだが前2年をオファーがあったのに断ったのか、翌年以降も1993,1994年と復調した1996年は呼ばれてもおかしくなかったが呼ばれなかったのか断っていたのかは不明。

恋をしようよYeah!Yeah!

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,井上龍仁
メンバーも出演したコカコーラCMソング。唯一の紅白歌唱曲なので当時は知名度高い代表曲だったと思われる。勢い1本という感じで曲の半分以上はHello! I Love You 恋をしようよ Yeah! Yeah!と連呼しているだけ。とにかく勢いとノリに任せればいいシンプルイズベストに駆け抜けていく楽曲。

5thアルバムはLAレコーディングで現地スタジオ、エンジニアにより録音ミックスマスタリングまで行われているが、先行シングルである今作は先に日本で録音ミックスマスタリングしたままになっているようでアルバムのクレジットを良く見るとこの曲(Tr7)だけ国内エンジニア陣と国内スタジオとなっている。PVはLAで撮影されている。ただ『LINDBERGⅩⅩ』のライナーではロスで録ったので乾燥で声が歪んでいる、やっと普通の声でレコーディングできたという旨のコメントをしていてクレジットとは矛盾している。その話、次の曲(Over The Top)と間違えてない…?「Over The Top」でよくその乾燥で声が…という話をしていたのに「Over The Top」では全く触れてないし。

勢いはあるんだけど「今すぐKiss Me」と並んで歌詞にあまり中身が無く、そんな曲で唯一の紅白だったのでファン以外にとっては歌詞が軽いノリだけのバンドみたいなイメージが決定づけられてしまった気がしなくもない。

『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』ではリミックスが施されていてやはり音がこじんまりとしているが、イントロから明らかに音の響きが異なり、全体にやや音が軽めになっている。このリミックスはこの時だけで他のベスト盤では全てシングルバージョンを採用している。

2009年再録音もオリジナルを大きくいじらずほぼそのまま再現。2002年の解散ライブよりも普通に声が出ていて復活を感じさせる。
★★★★☆
5thアルバム『LINDBERGⅤ
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(Remix)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
10thベスト『SUPER BEST
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT
12thベスト『LINDBERG★BEST
3rdライブアルバム(ライブ会場/公式通販限定)『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~』(LIVE/2014/4/25 Zepp DiverCity Tokyo)

C/W Dream Factory-LIVE VERSION-

B0000071M7
作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,佐藤宣彦
EXTRA FLIGHT』収録曲のライブバージョン。ベスト盤には選曲されないが、この後もライブアルバム2作に選曲されており、それらとはまた別音源。演奏前に「みんなには今夢ありますか?」と問いかける渡瀬マキが印象的。
★★★☆☆
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ

Over The Top

B08DPX6JCV
From 5thアルバム『LINDBERGⅤ
作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,井上龍仁
LINDBERGⅤ』では前作まででやり尽くしたためか、応援路線の曲は一気に減って落ち着いた曲も増えてきたが、今作は前作までの勢いを継承した曲の1つ。明らかに当時のシングルよりシングルみたいな曲。ベスト盤選出もほぼ毎回だが、ライブ盤、再録音と様々な音源がある。後半しつこいくらいの怒涛のサビ連発は圧巻。

LAレコーディングで音は開放的だが乾いた空気に渡瀬マキが喉を痛めて全体にハスキーな歌声である事も知られており、この曲は特にその後悔が語られることが多い。『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』でボーカル再録音を試みたのはそれもあったようだが、言うほどオリジナルでも声が出ていないわけではなく(声が出てないというなら解散前の時期の方が…)オリジナルでも十分にいいとは思う。またアルバムのクレジットによるとベーシック録音は国内で行われていたようだが、LA行きの前にボーカル録音をしていなかったのだろうか。

『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』ボーカル再録音は確かに声が元通りだが、結局その後のベスト盤ではオリジナルが選曲されている。2002年/2009年でも再録音を試みているが、結局最初の声を痛めているけど全盛期な歌声のギリギリ感のオリジナルがベストかも。あまり余裕が無いオリジナルの方が「Over The Top」している感じがするせいだろうか。
★★★★★
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(Remix/ボーカル再録音)
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Unplugged Disc ‘93.12.24 日清パワーステーション)
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
9thベスト『Supporters’ songs
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT

11thシングル さよならBeautiful Days/千年たっても

1992年11月6日
今作からシングル『Magical Dreamer』、ベスト盤『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』と続いた怒涛の3週連続リリースの1作目。「さよならBeautiful Days」は『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』からの先行シングルとなったがエンディング部分の編集が異なる別ミックス。「千年たっても」はアルバム未収録となり、機械的にシングルを2曲ずつ並べた『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』にしか収録されていない。初登場9位で一気に10万を割り込んだ。

両A面扱いだったためか「千年たっても」のカラオケも収録され初の4トラック仕様。

さよならBeautiful Days

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,井上龍仁
卒業ソングっぽいタイトルだが失恋ソング。主人公は別々の道を行こうとかなり前向きに別れを受け入れている様子が描かれていて引きずっている様子がない。タイトルに反して切ない感じではなくアップテンポで勢いがある。平メロはキャッチーなんだけどサビのメロディーがちょっと変な感じというか独特の雰囲気を醸し出していてなんだかヘンテコな曲だなぁと聞くたびに思う。意外とどこにも属さない系統の曲のような…。

ベスト盤の先行シングルというのは今作以外に存在せず解散までの間ではオリジナルアルバム未収録の唯一のシングル1曲目となった。

シングルバージョンは間奏明けのサビを繰り返しながらフェードアウトしていったと思ったらエンディングのコーラスパートがフェードインして戻ってきてまたフェードアウトで終わっていくというエンディングになっている。『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』でのリミックス版ではこの消えていって戻ってきてまた消えていく小細工が無く最後のサビの後にAメロに戻って歌メロが終了(シングルではフェードアウトフェードインですっ飛ばされた部分)した後に、コーラスパートを繰り返しながらフェードアウトしていき結果的にシングルより40秒近く長い。『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』でのPUBLIC IMAGEレーベル移動後のリミックスされた4曲のうち今作だけは後のテイチクのベスト盤でリミックス版が採用されており、シングルバージョンは『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』のみとなった。
★★★☆☆
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』(Remix)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』(『FLIGHT RECORDER 1989-1992』収録Ver.)
7thベスト『FINAL BEST』(『FLIGHT RECORDER 1989-1992』収録Ver.)
11thベスト『BEST FLIGHT』(『FLIGHT RECORDER 1989-1992』収録Ver.)

千年たっても

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,井上龍仁
一応両A面として公式に扱われているが、『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』にしか収録されていないC/WよりもC/Wのような埋もれ楽曲。キーボードやブラスアレンジも入ったにぎやかウキウキ系な楽曲は当時よりもこれ以降ポップ化していく今後の路線に近い雰囲気を感じる。この時点ではちょっと違う感じの過渡期的な1曲となったが、6thアルバムであれば入っていても違和感は無かったかも。
★★★☆☆
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ

12th Magical Dreamer

1992年11月13日
3週連続リリースの2作目だが今作は新曲ではなくC/W「この空にちかって」も同様に『LINDBERGⅤ』からシングルカット。しかし2曲ともアルバムとは別テイクのシングルバージョンというマニア向け(?)シングルカットとなっていて2曲とも翌週のベスト盤『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』には選曲されなかった。シングルカットながら初出しの別テイクであり翌週のベストにも入らないという実は無駄のない1作であったが、インターネットで情報共有も出来ない時代にこれは状況が分かりにくかったためか初登場17位と一気に低迷した。なんでこんな忙しなくややこしい出し方を…。

前作は両A面だったので収録されたのかと思いきや今作は普通にC/W扱いの「この空にちかって」のカラオケも収録された4トラック仕様。

前作は両A面だったので収録されたのかと思いきや今作は普通にC/W扱いの「この空にちかって」のカラオケも収録された4トラック仕様。

Magical Dreamer

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
元気ロック的な勢いだけではない部分も大いに見せた『LINDBERGⅤ』の中においてはこれまでの方向性に思いっきり沿った元気ロック的なナンバー。LINDBERGらしい曲という事でのシングルカットかと思われるが、さすがにちょっと息切れ感はあり、これまでのシングルに比べるとメロディーもあまりインパクトが無く、サビのマジカルドリマー♪も微妙に音のハマりが悪く、あっさり突き抜けて行ってしまい残りにくい。

最大の違いはシングルバージョンはいきなりバンド演奏が始まらずに20数秒のキーボードのイントロが加わっているのでこれだけでまず判別可能。またシングルとアルバムはテイクそのものが違うようで間奏になると別アレンジ。間奏以外のアレンジはほぼ同じではあるが全体に音の響きも異なる。アルバムのクレジットではベーシックレコーディングが日本という記述があるので日本でレコーディングしてからLAでやり直している事が伺えるのでこのシングルはやり直す前の国内制作時のものなのかも。

またフェードアウトで終わるアルバムに対してシングルはスパッと演奏を終わらせる。前述のようにシングルでは20数秒のイントロが加わっているが、間奏のアレンジが大きく異なっていてシングルバージョンの方が間奏が短く、間奏明けの”もしも今君が~♪”は3分36秒付近でほぼ20数秒のイントロ分の遅れを取り戻す。その後アルバムバージョンはアウトロを長めにとってさらにフェードアウトで終わっていくが、シングルはスパッと演奏を終了させるため、最終的に20秒弱シングルの方が短い

後年のベスト盤ではやや選曲されにくい傾向があるが『WORKS COMPOSER’S BEST』『FINAL BEST』共にアルバムバージョンが採用され、機械的にシングルを並べた『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』でのみシングルバージョンを聞く事が出来る。
★★★☆☆
5thアルバム『LINDBERGⅤ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(SINGLE VERSION)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
7thベスト『FINAL BEST

C/W この空にちかって

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,井上龍仁
ゆったりまったりしたテイストのレゲエ風のバラードナンバー。序盤は音数も少なく軽めの音だが徐々にバンドが盛り上がっていき終盤はバンドサウンドになる。今までにないのんびりさで方向性が変わってきた事を感じる。

アルバムバージョン(下記視聴音源)はキーボードメインでギターやリズムが抑えめでまどろみの中のような感じで演奏が始まる。シングルバージョン(未配信)は最初からギターとリズムが適度な存在感でボーカルももう少し元気でしっかり目を覚ましたような感じで演奏が始まるなど音作りの傾向がだいぶ違う。ドラムの音色も思いっきり違うので聞き比べるとすぐ分かるくらいには別物だ。「Magical Dreamer」同様ベーシック録音が国内になっているのでこれもアルバムの前の国内録音テイクがシングルバージョン?アルバムの方がLAの開放感に身を委ねている感じもする。
★★★☆☆
5thアルバム『LINDBERGⅤ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(SINGLE VERSION)

13th 胸さわぎのAfter School

1993年3月17日
前年11月のベスト盤含む連続リリースを経て冬の間は新作発売が無く、春になってからの1993年年明け1作目。初登場5位だったが初動だけで18万も出ており、さらに3週連続6位→10位と5週トップ10入り、その後は4週で急落したので100位以内9週ランクインに留まったが、初動の高さ+5週目までのトップ10入りで一気に積み上げたことでなんと累計55.0万枚と高い売上を記録。「今すぐKiss Me」に続く2番ヒット作となった。

前作に続いてC/Wまでカラオケ収録。

胸さわぎのAfter School

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
「進研ゼミ中学講座」CMソング。『FLIGHT RECORDER 1989-1992-LITTLE WING-』でリメイクした曲がどれもよりパワーアップしたロックサウンドになっていたので、さらにロックバンドとして進化していくのかと思いきや、バンド以外の装飾音が賑やかに曲を彩り、一気にポップ路線へと転向。歌詞も中学生を応援するような内容ではなく、OLが学生時代を思い出してあの頃は全てが輝いていた…と懐かしく思うもので現在に対しては“何かが足りない”とか“終電の窓にうつる ゆううつな瞳”など割と憂いの気配が漂う。しかし曲調が明るすぎるのであまり気にならず、サビ頭のタイトル部分のインパクトもあって明るい放課後ソングっぽいイメージになっている。しかしこれが進研ゼミ中学講座のCMタイアップで大丈夫だったのだろうか。大人って大変そうだなと大人になるのが正直ちょっと嫌になりかねないし、中学生より親世代に密かにビシバシ突き刺さりそうな歌詞なんだけど…。契約するのは親だからいっか

「今すぐKiss Me」以来の50万越え、2番ヒットにまでなったのは後追いで聞くとかなり謎だし、後々そこまで代表曲にもなっていないように思う。「今すぐKiss Me」に続く代表曲となると「BELIEVE IN LOVE」「恋をしようよYeah!Yeah!」「だってそうじゃない!?」辺りの方が今作より先に来そうだしなぁ…。

6thアルバムではシンセのイントロが省略されド頭からギターが入っていて、全体の演奏時間も若干短くなっている。ミックスもちょっと違うか…な…?以降のベスト盤では全てシングルバージョンが採用されている。『Supporters’ songs』に何故か収録されたが同作が”熱きアスリートに捧ぐ応援歌!!勇気を与えてくれる”というキャッチコピーで応援歌を集めたコンセプトだったので今作はちょっと違った気がしてならない。

2009年の再録音ではけっこうアレンジが変わっていてオリジナルより重めのロックバンドっぽくなっているがキメのフレーズみは聞き馴染みがあったりして適度にオリジナルも残しているのが面白い。
★★★☆☆
6thアルバム『LINDBERGⅥ』(アルバムバージョン)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
9thベスト『Supporters’ songs
10thベスト『SUPER BEST
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT
12thベスト『LINDBERG★BEST

C/W Be My Valentine

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,井上龍仁
後年Tommy february6やHey! Say! JUMPが発表した同タイトルの楽曲は思いっきりチョコレートが出てくる日本のバレンタインを歌った楽曲だが、今作はバレンタインを1ヶ月過ぎたタイミングでリリースされており、冬の曲ではあるがチョコレートは一切出てこない。サビ頭で2回出てくるので1番2番ラストサビ2回で合計8回「Be My Valentine」と歌っているが、“私の恋人になって”、”私の特別な人になって”の意味で使用されており、チョコレートを渡すバレンタインの告白ソングとしては書かれていない、というのが最大の特徴だろう。楽曲自体はこれまでになくまったり落ち着いたバラード系で長いので正直ちょっとかったるい。6thよりも7th、8thアルバムとどんどん落ち着いていく方向性を先取りしたようなバラード。

アルバムバージョンは間奏が少し長い。ギターソロからBe My Valentineコーラスが入ってくる部分がシングル(3分30秒付近)より10秒ほど遅れた3分40秒付近になっており、その分だけ間奏が長くなり曲全体の長さも10数秒アルバムの方が長い。アルバムは6分を越えるシングル収録時は5分台ギリギリ。「胸さわぎのAfter School」も4分40秒を越えていて、2曲のカラオケも収録すると8センチCDの容量が限界ギリギリだったのでどこか削る必要はあったっぽい。
★★★☆☆
6thアルバム『LINDBERGⅥ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(SINGLE VERSION)

14th 会いたくて-Lover Soul-

B00005GGV0
1993年6月18日
6thアルバム『LINDBERGⅥ』と同時発売1曲(+カラオケ)収録のアルバムリードシングル。アルバムを買えばカラオケ以外に用が無いシングルだったが初登場10位を記録。この内容だと速攻ランクダウンしそうなものだったがなんと前作を上回る11週ランクイン。初動5万から28.8万枚まで伸ばし、自身10番ヒットとなった。

会いたくて-Lover Soul-

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,井上龍仁
ポップ路線へ転向したこのアルバムの中では一番これまでのLINDBERGの色を引き継いだノリのいいロック調のラブソング。うまくポップ&ラブソング路線とこれまでの元気ロック的な勢いが融合したバランスの取れた良曲。サウンドもメロディーも程よく爽快。アルバム同時発売でも30万近くまで売れたのだから、前作のタイミングで出ていたらもっと大ヒットしていたのでは…。

公園でゲリラライブ的に演奏する開放感のあるPVも印象的。ただ割と代表的なヒット曲の部類でベスト盤常連でもあるのに、ラストライブ、2002/2009年再録音いずれも機会を逃していたりもする。
★★★★☆
6thアルバム『LINDBERGⅥ
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Plugged Disc ‘93.12.2国立代々木競技場第一体育館)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
10thベスト『SUPER BEST
11thベスト『BEST FLIGHT
12thベスト『LINDBERG★BEST

I Love You

B08DPRFVNS
From 6thアルバム『LINDBERGⅥ
作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,井上龍仁
LINDBERGⅥ』冒頭を飾り、新しいことをやってみようといろいろ試行錯誤しているのが良く出ている曲。今まであくまで補助的な役割だったキーボードサウンドを生かすようになったり、曲調も少々ひねくれていて聞き応えがある。ボーカルもサビでファルセットを展開させるなど攻めており、新たなLINDBERGを感じられる。
★★★★☆
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Plugged Disc ‘93.12.2国立代々木競技場第一体育館)

念ずれば花開く

B08DPRFVNS
From 6thアルバム『LINDBERGⅥ
作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
LINDBERGⅥ』最終曲。初のおふざけソング。陽気なコーラスに呼応してギターのたっちゃん、ベースのともちゃん、ドラムのチェリーと次々にあだ名で呼びかけていくサビはキャッチーで終始渡瀬マキが3人に呼び掛けるような楽屋オチ的なノリが全面展開する。わざわざ担当楽器とあだ名を一緒にしている事から、男性メンバー3人の親しみやすさももっと前に出していこうという考えもあったのかもしれない。ただLINDBERGは結成の経緯からして事務所のバンドとして売り出そうという意識がしっかりしていて初期から渡瀬マキとバックバンド的なビジュアルワークにはせずに、4人が並んだ写真を基本的に使っていたし、ブックレットでもボーカルだけソロカットではなく、1人ずつちゃんとソロカットを載せたりとちゃんとやっていたので、この曲を聞いて初めて”ギターのたっちゃん、ベースのともちゃん、ドラムのチェリー”なのを知ったというリスナーはそんなにはいなかったのではないか(その前から知ってた)と思う。

一部笑ってしまって歌えていないラフテイクが採用されていたりと内輪ノリが凄く、当時はかなり衝撃のネタ曲だったのではないか。「もっと愛しあいましょ」以降を知っている後追いだとこの頃から本性を出したのか…とただ思うところでもある。
★★★☆☆

15th 想い出のWater Moon/君に吹く風

B00005GGV1
1993年8月11日
6thアルバム『LINDBERGⅥ』から2ヶ月でのシングルカット。2曲ともそのままのシングルカットで2曲のカラオケだけが初収録ではさすがに今回は伸びず、初登場18位で10万を割り込んだ。

想い出のWater Moon

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
6thアルバム『LINDBERGⅥ』からのシングルカット。攻撃的なロック感は鳴りを潜め、伸びやかなサウンドとメロディーが堪能できる爽やかサマーソング。思いっきり失恋ソングなので歌詞は感傷的だがサウンドとのバランスで爽やかさの中にも寂しさを感じるような1曲になった。伸びやかなメロディーがこの曲の最大の良さだと思うんだけどこういう感じも今までになかったもので改めて勢いだけでなくメロディーの良さに浸れる曲。地味ながらいい曲でシングルカットするよりは先に出しておいてもよかったような…。
★★★★☆
6thアルバム『LINDBERGⅥ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
7thベスト『FINAL BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

君に吹く風

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
6thアルバム『LINDBERGⅥ』からのシングルカット。シングルカットするならこっちが1曲目じゃないのかというくらいファン人気の高い名曲だが、これまでとはイメージは違い過ぎるので2曲目になったのだろうか。2曲揃って失恋ソングとなったが、今作の方が切なさマシマシ、サビの畳みかけるメロディーラインも聞き手を掴んで離さない。ラブソングは理解できないが、届かなかった思いを”君に吹く風になれたらいいのに”と表現するのは詞的だなと思う。
★★★★★
6thアルバム『LINDBERGⅥ
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Plugged Disc ‘93.12.2国立代々木競技場第一体育館)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
7thベスト『FINAL BEST
11thベスト『BEST FLIGHT
11thベスト『BEST FLIGHT』(’98 LIVE VERSION)

16th だってそうじゃない!?

B00005GGV2
1993年10月22日
前作から2ヶ月、アルバムから3ヶ月での新曲となり、1曲(+カラオケ)のみ3度目の1位獲得シングルにして2週連続1位となり46.9万枚を記録して自身3番ヒットとなった。アルバム(『LINDBERGⅥ』)の売上は前2年を大幅に下回っていたが、結果的には1993年シングルでは2番ヒット、3番ヒットを叩き出した事になる。

だってそうじゃない!?

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一,井上龍仁
ギターサウンドがド派手に鳴り響くガツンとしたロック色強めのナンバー。なんとなくだけど「胸さわぎのAfter School」で憂いていた忘れかけていたがむしゃらな勢いをもう1度取り戻そうとしているかのような歌詞も相まって初期のLINDBERGらしさの延長にあるようなイメージもある。今作は前向きひたむきな応援歌とは違うし、このくらいロックバンドっぽい曲も続けてほしかったなぁ…。あとサビよりもAメロ、Bメロになんか90年代前半っぽさというか懐かしい雰囲気が溢れているように聞こえるのは何故だろう。

EXTRA FLIGHTⅡ』では全曲に英語のサブタイトルがついているので今作も「だってそうじゃない!? Burning down the chain」と表記されたが、犬の鳴き声が消されただけの次回作やミックスが少々変わった次々回作と異なり、今作はシングルで唯一思いっきり別アレンジに変更されている。ギャンギャン鳴っていたエレキギターが無くなりピアノやアコースティックギターが前面に出てエレキギターは抑えに回ったような別アレンジになっていてポップ感が強めになっている。『EXTRA FLIGHTⅡ』のみリアルタイムで当時聞いていてそこから2000年頃に『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』を手に取るまでBurning down the chainがオリジナルだと思っていたのでシングルバージョン聞いてあまりのガツンとしたロックサウンドっぷりに物凄く驚いたのを記憶している。なおEXTRA FLIGHTシリーズ2作は何故か配信のラインナップから外されているため、Burning down the chainは『EXTRA FLIGHTⅡ』CDを中古で探してくるしか聞く手段がない。

3番ヒット作だけあってベスト盤にはマストに選曲される代表曲となっているが、解散ライブでの演奏や2002/2009再録音は無い。Burning down the chainで既に思いっきりリアレンジしているので、更なる新アレンジという発想にはならなかったり、解散前の声の状態だと正直演奏してもかなりパワーダウンは否めなかっただろうから回避されたのかなとは思うが…。
★★★★★
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTⅡ』(別アレンジ/Burning down the chain)
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Plugged Disc ‘93.12.2国立代々木競技場第一体育館)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
10thベスト『SUPER BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

17th 大キライ!/二人きりで行こうよ

B00005GGV3
1993年11月22日
前作から1ヶ月、『EXTRA FLIGHTⅡ』の1週間前先行シングル。2曲ともシングル・バージョン表記があり、アルバムとは一部異なる部分がある(鳴き声の有無とイントロの長さの違いだけなので大半は同じ)。初登場17位と低迷したがかろうじて10万枚は突破。当時は珍しいアニメ主題歌のOP/EDのシングルだったためか、かなり扱いが悪く、2曲揃って機械的にシングルを並べた『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』以外のベスト盤に選曲された事が無い。同ベストは未配信、何故かEXTRA FLIGHTシリーズ2作は配信からハブられて忘れられたままになっているため、一切配信されていないという不遇過ぎる状態となっている。

ジャケットは表を前後2分割にして「大キライ!」「二人きりで行こうよ」を表記、裏ジャケがアニメ仕様。

大キライ!

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
テレビ朝日系アニメ『平成犬物語バウ』オープニング。1年間木曜日の19時30分からの30分枠でゴールデンタイムで放送された犬が主人公のアニメ。90年代までは日曜やテレ東以外でもゴールデンタイムは各局アニメタイムだった。飼い主の少女が人間側の主人公でその家族がバウが巻き起こす騒動に巻き込まれるというような話だった記憶がある。リアルタイムでアニメを見ていたので主題歌のこの曲も馴染んでいてそれで親が収録されたアルバム『EXTRA FLIGHTⅡ』を借りてきたのがLINDBERGとの出会いだった。

子供向けアニメ主題歌なのでエレキギターを抑えめにしてポップなサウンドに仕上げたのか、『EXTRA FLIGHTⅡ』が既にこういう作風で制作が進んでいたので単にアルバムの作風に沿っているだけなのかは分からないが、歌詞に関してはアニメに無関係すぎるのでアニメを意識したわけではなさそうだ。大嫌いと言いながら大好きというのは歌詞のセオリーみたいなところもあるが、今作はマジでほぼ全編に渡って彼氏への文句を連投しまくり容赦がないツンに次ぐツンであり、デレが出るのは大サビで今どこにいるのか何をしているのか不安になるというここだけ曲調に合わせてちょっと弱気になる程度だがその部分さえ締めは電話さえしなさいよという怒りに変えている。本気で嫌っているわけではなく好きの裏返しっぽいんだけど、それにしてもぜんっぜんデレねぇ…という大キライソングオブ大キライソング。子供向けアニメ主題歌でこれって今思うとなんか凄いな…。

ただ作中では飼い主の女の子(実質主人公)だけがバウ大好きでバウも少女には懐いている一方で、他の登場人物は憎たらしい行動ばかりとって小馬鹿にしてくるような態度のバウをみんな嫌っていたので、基本的に主役犬であるバウは嫌われ者であった。そういう意味で大キライ!と歌った後にバウ~と鳴き声が入ってくるのはハマっていたような記憶はある。

シングルバージョンでは冒頭とラストにバウ~バウ~という鳴き声が入っている。これはリアルな犬の声ではなく園部啓一というバイプレイヤー声優が演じていたバウの鳴き声。作中ではバウ~と特徴的な鳴き方をするため「バウ」と命名されたという設定。『EXTRA FLIGHTⅡ』(英語サブタイトルはLove is Blind)ではバウの鳴き声がカットされている。OPでは大キライ!バウ~がセットで締めという感じで毎週聞いていたので『EXTRA FLIGHTⅡ』で聞いた時に大キライ!ジャジャーンと演奏だけで終わるのが何か足りないと感じた記憶がある。『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』ではシングルバージョンで収録され、ちゃんとバウがいる。
★★★★☆
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTⅡ』(バウの声をカットしたアルバムバージョン/Love is Blind)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(SINGLE VERSION)

二人きりで行こうよ

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
アニメ『平成犬物語バウ』前期エンディング。記憶では最後までこの曲だったと思っていたが、エンディングは途中で別の歌手のものへチェンジしていたらしい。バウの最終回だけはおぼろげに話を覚えている(歩道橋の上からバウが長距離トラックの荷台に落ちてしまいそのまま何処へと運ばれて去っていってしまい唐突にお別れというけっこうあっけなくも寂しい終わり方)のだがエンディング変わってた記憶が無かった…。

シングルとアルバムではイントロの長さに違いがある。シングルの方が歌い出しが早く、”日曜のデート急にキャンセル”の分だけ早いので同時再生すると次の”どうせいつもの”の部分とアルバムの”日曜のデート”の部分がちょうど重なる。シングル盤では裏ジャケに「大キライ!(シングル・バージョン)」だけでなく、今作にも「二人きりで行こうよ(シングル・バージョン)」という記載があるのに『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』では今作に何故かシングルバージョン表記は無いがシングルバージョンである。またアルバムでは他の曲同様に英語のサブタイトルWaiting for the shooting starがつけられている。

ミディアムテンポのラブソングでひたすら抑えに徹したポップな楽曲。エンディングっぽい曲調なのでエンディング曲として馴染んで聞いていたが、歌詞はOP以上にバウには一切かすりもしないラブソング。「大キライ!」とは対照的にこちらは不満を全く言わない人が良すぎる主人公がひたすら彼氏ともっと仲良くしたいという健気な内容。彼氏が男友達との遊びを優先して彼女とのデートを何度もキャンセルするような輩だが、彼女はどっちが大事なんだとも聞けないし憎めないし、たまには二人きりでデートに行こうよとこれも言えずに胸中で訴えかける健気っぷりである。しかも最後のサビ前にデートのキャンセルが15回目である事が発覚するため誰もが唖然とさせられる。さすがに無いだろそれは…。

しかしこのシングル収録の2曲がLINDBERGとの出逢いだったのに、機械的にシングル収録した『SINGLES』以外のベスト盤オールスルーって何この不遇っぷり…。
★★★★☆
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTⅡ』(イントロが長いアルバムバージョン/Waiting for the shooting star)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(表記は無いがシングルバージョン)

18th 夢であえたら/とびきりの夜

B00005GGV4
93年12月1日
EXTRA FLIGHTⅡ』から2週間でのシングルカット。2曲ともシングルカットだが2曲ともX’mas Special Remixとなっている。プレゼント包装紙風の8センチCDサイズの紙袋に封入されたクリスマススペシャル限定盤だった事もあってか、初登場8位を記録したが4週でチャートアウト。それでも前作をわずかに上回る売上を記録した。

3曲目に「夢であえたら」のカラオケ、「とびきりの夜」のカラオケは収録されずに4曲目には「ひとつだけのMerry Christmas(’93 Version)」(『EXTRA FLIGHTⅡ』全曲に英語のサブタイトルがついているの合わせて”X’mas Messeage from LINDBERG”はサブタイトル)が収録され、カラオケを除く初の3曲入り仕様となった。この曲のみ『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』に収録されていない。

サブタイトルをつけると長くなりすぎるためか公式のシングルタイトルは『夢であえたら / とびきりの夜』表記で、曲名は「夢であえたら(X’mas Special Remix)」「とびきりの夜(X’mas Special Remix)」とサブタイトルを表記していない。表ジャケットではX’mas Special Remixの表記が無く、「夢であえたら Do you love me?」「とびきりの夜 Holy Night is Lonely Night」となっていて、裏ジャケでは「夢であえたら(X’mas Special Remix)」「とびきりの夜(X’mas Special Remix)」「ひとつだけのMerry Christmas(’93 Version)」の曲名の下に英語サブタイトルを表記。

このようにシングル盤の中で表記が統一されていない。『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』収録時は歌詞部分で「夢であえたら-Do you love me?-(X’mas Special Remix)」「とびきりの夜-Holy Night is Lonely Night-(X’mas Special Remix)」という表記になっていてやはり統一されていない。

夢であえたら(X’mas Special Remix)
Do you love me?

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
EXTRA FLIGHTⅡ』のサウンドの特徴であるアコースティックギターやピアノをふんだんに取り入れてエレキギターを抑えたアレンジで非常にポップな印象の楽曲。メロディーもキレッキレで耳に残る。前述のように発売当時バウ主題歌目当てだったのに1曲目の今作や2曲目(だってそうじゃない!?)が良すぎてこっちの方が思い出深い曲になっている。「BELIEVE IN LOVE」でお世話になったバラエティ番組『夢で逢えたら』のタイトルを持ってきたところに(逢がひらがなになったが)どのような意図があったのかは分からないがたまたま歌詞の内容が呼んでいたというところだろうか。

X’mas Special Remixでの変更は演奏開始前にサビで出てくるコーラスが追加されるなどいきなりオリジナルと違う箇所がある。

2週間でシングルカットしているので最初からシングル曲だと決定していたとは思うんだけど、アルバム1曲目として初出というのは最強すぎる。この後の7th、8thでのおとなしさとは異なるアコースティックサウンドを生かしつつポップにまとめた『EXTRA FLIGHTⅡ』の路線はかなり良かったものの、あくまでEXTRAだったためかその後やらなかったのは残念。

後のベスト盤では『EXTRA FLIGHTⅡ』収録のオリジナルが選曲されており、シングルバージョンは『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』のみ。アルバム収録音源の中で唯一複数のベスト盤に選曲されていてベスト盤での表記は「夢であえたら-Do you love me?-」とサブタイトルも含めたものとなっている。厳密にはオリジナルのエンディング部分は最後のキーボードの演奏の余韻が完全に消えないうちに次の「だってそうじゃない!?Burning down the chain」のイントロに繋げる編集が施されていたため、『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』収録時に被らないように再編集されている。
★★★★★
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTⅡ
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Plugged Disc ‘93.12.2国立代々木競技場第一体育館)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(X’mas Special Remix)
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

とびきりの夜(X’mas Special Remix)
Holy Night is Lonely Night

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
クリスマスソングでタイミングが合っていたのでシングルカットに選ばれたものと思われる。歌詞はクリスマスの夜を描いていて今年は別れてしまい1人、来年こそは!と燃えるOL(?)が主人公。以後こんな感じのOLのラブソングみたいな歌詞が増える。アコースティックサウンドを生かしたバンドサウンドとポップなメロディーが印象的。『EXTRA FLIGHTⅡ』というアルバム、後半のダレてくるような曲群でもポップなメロディーのキレが良すぎる。

オリジナルにはクリスマスっぽい装飾音が全く無かったが、X’mas Special Remixではイントロでシャンシャンシャンシャンといかにもクリスマスソングっぽい音が追加されている。またエンディングではオリジナルでギターのアルペジオだった最後の演奏がシャンシャンシャンシャンに差し変わっている
★★★★☆
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTⅡ
1stライブアルバム『Lindy Wingding』(Unplugged Disc ‘93.12.24 日清パワーステーション)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(X’mas Special Remix)

C/W ひとつだけのMerry Christmas(’93 Version)
X’mas Messeage from LINDBERG

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也
『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』初回特典8センチCDに収録されていた渡瀬マキのボーカルとオーケストラとアコースティックギターで演奏されていた楽曲の新録音バージョン。この曲のみ『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』に収録されていないのでシングルでしか聞けない。

かなりラフなテイクで冒頭ではメンバーがクリスマスについての会話をのんびり展開して談笑しているところから始まり50秒以上経過してからようやく演奏が始まる。アコースティックギターメインでフワフワした音色のキーボードも鳴っているがリズム隊の演奏は聞こえないので川添・小柳が何をしているのかは良く分からない。
★★★☆☆
’93 Versionアルバム未収録
1stベスト『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-』初回特典8cmCD(原曲)

19th GAMBAらなくちゃね

B00005GGV5
1994年3月16日
初登場1位を記録して30万枚を突破。シングル4作目にして最後の1位獲得作品となった。

GAMBAらなくちゃね

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
進研ゼミ中学講座CMソング。既にポップ路線への転向を進めていたが、ブレイク以降&4thアルバムからの応援歌路線を引き継いだ最後のヒット曲で、筆頭には上がらないものの代表曲の1つ。収録された7thアルバムでは一気に落ち着いた曲ばかりになっていたので、良くも悪くも初期の色を残した今作だけ目立ちすぎていた。単曲としては最高なんだけどアルバムでは逆に浮いていて無い方が良かったんじゃないかなというくらい強すぎた。

後年の渡瀬マキがインタビューで触れることが多い楽曲で、当時元気でいつも前向きポジティブなイメージを持たれ、周囲からも前向きな楽曲を求められまくる事に疲弊してきており、そんな中で今作はタイアップサイドから「がんばろう」というメッセージを込めた楽曲と依頼されていたのでもうこれ以上がんばろうなんて言いたくない!という状態になってしまっていたという。そんな状況でディレクターと一緒に悩んだ結果「がんばらなくちゃね」という言葉が出てきてこれなら書けそうだという事になった。結果的には当時の疲弊も含めて等身大の渡瀬マキがそのまま反映された歌詞になっている。

冒頭の行先さえ分からないまま白いエクスプレスにのるくだりはそのままツアーで全国を飛び回る多忙な日々が記録されている。“さがしてたダイアモンド見つけたけれど”と主人公が探すのでも求めるのでもなく既に見つけているのも渡瀬マキ本人の実感としてであればなるほど納得で、LINDBERGとして成功して人気絶頂期を経たタイミングでの思いがとてもストレートに反映されているように思う。まあこれからダイヤモンド見つけにいく中学生相手に見つけた後の曲というのは違う気もしなくもないが、“GAMBAらなくちゃね”というタイトルと締めのフレーズはしっかり進研ゼミ中学講座ユーザーにも当てはまるし、タイアップサイドとしても問題視はしなかったのだろう。
★★★★★
7thアルバム『LINDBERGⅦ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
9thベスト『Supporters’ songs
10thベスト『SUPER BEST
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT
3rdライブアルバム(ライブ会場/公式通販限定)『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~』(LIVE/2014/4/25 Zepp DiverCity Tokyo)

C/W 忘れないで-NEW VERSION-

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG/須貝幸生/神長弘一
3rdアルバム収録曲のリメイク。切ないながらも緩急のあるアレンジで疾走感のある平メロ、サビでテンポが落ちたようにリズムが変わるのが原曲の特色だったが、今作では終始落ち着いたミディアムに変貌。メロディーの良さは変わらないながらもちょっとかったるい感じになってしまった。これはこれで凝ってはいるんだけど、原曲が圧倒的過ぎて完成されていたので触れてはいけない部分だったように思う。
★★★☆☆
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』(NEW VERSION)
3rdアルバム『LINDBERGⅢ』(原曲)
8thベスト『-EARLY FLIGHT-ゴールデン☆ベスト』(原曲)

20th 清く正しく行こう

1994年5月18日
前作から2ヶ月、『LINDBERGⅦ1ヶ月前先行シングル。2曲ともアルバムに収録された。前作のヒットから一転して初登場8位となり、そのまま売上は綺麗に半減、15万枚に届かなかった。ここから翌年にかけて一気に低迷した。

翌年1月の『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』に収録されたシングルは今作まで。もう1年待てば徳間時代の全シングルコレクションになったのに…。

清く正しく行こう

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
“昨日より今日より明日こそもっと素敵になるために”と前進し続けるための歌。前作で少し吹っ切れたところがあったのか、今回も誰かのためにというよりも自身を突き動かすような視点で書かれていて、精神性においては「GAMBAらなくちゃね」の続きのようにも感じられる。

一方でサウンド面ではシンセの音が派手に鳴り響き、ロックバンド感は後退。7thアルバムの中ではこれでもまだ派手な方ではあるが、本当に過渡期のようなサウンド感。前作と7thアルバムの作風を繋ぐ役割ではあるんだけど、ちょっとごちゃついているようにも思う。
★★★☆☆
7thアルバム『LINDBERGⅦ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W Cute or Beauty

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,須貝幸生,神長弘一
フジテレビ系『めざましテレビ』初代(1994年度)テーマソング。初回4月1日から翌年3月31日まできっちり1年間使用された。使用開始から1ヶ月半での音源化となった。キーボードを生かしたポップロックナンバーだが、ポップ化が進んで何故かここに来てちょっとかわいらしい雰囲気にまでなっているこの時点ではかなり異色な1曲。”BeautyよりCuteのほうがドラマでも不思議と勝つでしょ”ということでかわいい女の子っぽさが前面に出ている印象で歌い方もこの辺りから元気良く声を張り上げるよりも抑えめでかわいらしく歌い上げる事が増えていった。7thアルバム1曲目がこの曲なので一気に変わったなという印象も強い。

放送開始当初の我が家は昔から日テレの『ズームイン!!朝! 』派だったので、この頃の朝は福留功男の「ズーム・イン!(チャンチャンチャーチャラララララチャンチャンチャー♪)」という言葉の方が記憶に残っている。ただちょうどいい時間に『めざましテレビ』で占いをやっていたので占いだけ見せてー→いつしかそのままつけっぱなし→『めざましテレビ』固定に…という感じで1996年の森高千里「ララ サンシャイン」の頃には完全移行していたと思う。今作が使用されていた後半~末期頃には占い目当てだけで部分的に見ていてその前後でかかっていればもしかしたら聞いていたのかもしれないがあまり覚えていなかった…。
★★★☆☆
7thアルバム『LINDBERGⅦ
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ

21st さよならをあげる

B00005GGV8
1995年3月16日
1月にリリースしたここまでのシングルをまとめた3枚組ベスト『SINGLES FLIGHT RECRDERⅡ』は10万枚限定ながら初登場1位となり、アルバムでもこれが最後の1位となった。この年最初の新曲となった今作だが1994年後半リリースが無かったので実に10ヶ月ぶりのシングルとなった。前作からさらに低迷、初登場12位と一気にトップ10落ちとなった。圏外の1stを除くとここまでの3度のトップ10落ちはシングルカットかアルバムが翌週リリースなど売れにくい理由があったが今作はそういった理由がない。むしろ待望の新曲で12位と人気低下が如実に表れた結果だったと言える。「GAMBAらなくちゃね」で最後の1位を取ったのはピタリ1年前だし、当時も1年で一気に落としたな…という感覚があったのではないか。ただ累計売上は前作から1万下げた程度の13万枚を記録しており、トップ10入りできなかったシングルの中では最大の売上で唯一10万枚を越えたシングルとなっている。

さよならをあげる

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:JOHNIE FINGERS,LINDBERG,井上龍仁
公式サイトの1995年のところには“バンドとしては初めての長期オフ。その間、マキ・ソロアルバム発表。智久・ソロライヴツアーを行う。”と書かれているが、1994年のツアーが10月に終わってから年明け3月の今作までは新曲もライブも行われていないが、今作が既にロンドンレコーディング体制で制作されている事からアルバム制作は進んでいたか終盤と思われる(6月発売だし)。川添智久ソロツアーは今作の1ヶ月前の2月に行われ、渡瀬マキのソロアルバムは9月発売、そして8thアルバムを引っ提げてのツアー「TOUR ’95-’96 “the moon gets bright tonight”」は10月~翌96年2月にかけて行われているので、”バンドとしては初めての長期オフ”といってもどの時期なのかはやや曖昧だ。ロンドンレコーディングに入る前の年末年始頃の事なのか、アルバム完成後ツアーまでの夏の期間の事なのか。

いずれにせよ『LINDBERGⅧ』では全面的にロンドンレコーディングを行い、先行してリリースされていた今作もロンドンレコーディング。海外レコーディングは5thや11thでも行われているが、今作では初の海外プロデューサーJOHNIE FINGERSを招いての制作となり新風を吹き込んでいる。JOHNIE FINGERSは月光恵亮と繋がりがあったようで、月光恵亮がプロデュースしていた作品ではこの少し前からJOHNIE FINGERSが関与していたようなのでその流れでの起用だったと思われる。

7thアルバムで既にだいぶ落ち着いたおとなしいサウンドに変貌しつつあったが、8thアルバムでは落ち着いた部分をさらに伸ばし、洗練された上質な味わいのサウンドに綺麗にまとめられている。同時に音圧もかなり控えめになっており、8thアルバムは元々のおとなしさに加えて明らかに前後のアルバムより音が小さくまとまっている。相当ガッツリボリュームを上げて聞かないとしょぼく聞こえてしまうところはある。ただボリュームを上げても迫力は無く、綺麗にまとめているので、ギターもベースもドラムも落ち着いた演奏でボーカルも抑えめな余裕のある歌唱。抑えに抑えているのでどうしてもかなり地味なシングル曲という印象になってしまい、長年パッとしない曲というイメージしかなかった。しかし意外と聞き込める曲であり飽きない1曲だ。

正直トップ10落ちは妥当だとは思うし、この方向性が求められていなかったという事だったとは思うんだけど、然るべき時期に自然にシフトとしていけば、例えば再結成後の40~50代以降のLINDBERGでこの路線をやるならもっと自然にリスナーも受け入れられたんじゃないかと思う。早すぎた。

また”さよならをあげる”と自分から別れを切り出そうとウダウダ並べ立て、”大丈夫だから”と強がっていても最後には”憶えていて”と未練を捨てきれていない心情を描いているのも何気に新境地?

MVはロンドンレコーディングでのロンドン映像で制作されたロンドン編と背後に霧がかかっている田園映像の田園編と何故か2つも制作されており、MV集DVD『FILMS』→『VIDEO CLIP HISTORY』→『ALL TIME MUSIC VIDEO HISTORY』で唯一2種収録された曲となっていて映像は違うが同じ曲を2連続で聞かされる羽目になる。田園編の方が先に収録されているのでそっちを先に制作したが、ロンドンレコーディングをちゃんとアピールしようという事でもっと明確に海外なのが分かるロンドン編も制作された、という事?
★★★★☆
8thアルバム『LINDBERGⅧ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
7thベスト『FINAL BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W 上を向いていた方がいい

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:須貝幸生,神長弘一,LINDBERG,井上龍仁
『LINDBERGⅧ』はロンドンレコーディングでJOHNIE FINGERSをプロデューサーに迎えており、先行した2シングルも基本的にその制作体制になっていたがシングル2作4曲の中で唯一この曲だけJOHNIE FINGERSが参加していない国内のアレンジャー陣の参加のみとなっている。これまでに比べて地味で印象に残りにくいところは共通しているものの、8thアルバムよりも7thアルバム寄りな印象。

この時期らしい堅実なポップロックナンバー。相手を終始前向きな助言をして励ますような歌詞が並んでいるが対象となる”あなた”に”メソメソするな男でしょ”と歌っていたのが次に同じパートが出てきた時には”クヨクヨするな女でしょ”に変わっていて性別が限定されていない。聞き手がそれぞれに自分のことだと受け止められるようになっている。近年は男らしさ女らしさを押し付けるなという風潮からこの手の言い方も控えておいた方がいい風潮になっているが、当時の価値観からすればメソメソするなもクヨクヨするなも男に向けられるのが一般的な物言いであり、“クヨクヨするな女でしょ”は当初はここも男だったのを限定しないために女に書き換えたような感じはする。

ボーナス的な扱いだった「ひとつだけのMerry Christmas(’93 Version)」を除くと初のアルバム未収録C/W。元よりバージョン違いを除けば『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』が無くてもここまでアルバム未収録の完全新曲C/Wは「CASH CARD」「千年たっても」の2曲しか無かったんだけど、今作以降はアルバムに収録しないC/Wが増えたのと、続編のシングルコレクションアルバムが出なかった…という事でアルバム未収録、未配信のC/Wが出てくるようになる。
★★★☆☆
アルバム未収録

22nd 水着とBeachとBoys

B00005GGV9
1995年5月2日
LINDBERGⅧ』1ヶ月前先行シングル。2曲ともアルバムに収録。前作に続いて初登場12位、今度は10万枚を割り込んだ。

LINDBERGⅧ』を最後に徳間JAPANからテイチクへ移籍となった。『SINGLES FLIGHT RECORDERⅡ』を出すなら今作の後なら徳間JAPAN時代を総括したシングルコレクションになったのに…。

水着とBeachとBoys

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:JOHNIE FINGERS,LINDBERG
これは一体…と唖然とするおふざけ&かわいらしさ全開の謎ポップ。6thアルバム頃から徐々に声を張らずに抜き気味のかわいらしい声で歌う曲が出てきてここ最近で急増していたがいきなりシングルにする判断が凄い。平メロの一部は喋り調になっており、エンディングではついに”追伸 来年こそは素敵な恋をするぞと心に誓う私です”と完全にモノローグ調の語りまで入ってしまう始末。見事にコケてしまったのもやむなしで、その後ベスト盤全てに完全スルーされているのも納得な謎曲である。

タイトルは”BeachとBoys”になっているが作中では冒頭に夏が来たので“ためしにビーチボーイズかけてみた”と言及し、最後のサビ前には“もう一度ビーチボーイズ God only knows かけてみる Do it again”と今度は2曲も出しているので、アメリカのバンドThe Beach Boysを指している事は間違いない。主人公は基本的に水着でビーチでボーイズにナンパされたい(超訳)という妄想を膨らませているだけで行動に移していないので、特定の恋人がいるわけでもない。Boysと複数形なのもそのためであり(彼氏いる設定でBoysだと別の意味の曲になってしま)、そこからThe Beach Boysを引っかけて登場させているといった感じなので、タイトルの”BeachとBoys”はバンドを指していないが、作中で主人公が聞いているのはThe Beach Boys、というのが正確なところか。なお“キースの本”というくだりもあるがキース・○○という作者やキース・○○という人について第三者が書いた本も含めて複数存在するためどちらのキースさんなのかはよく分からない

サウンド面ではけっこうギターが鳴っているけど抑えめに仕上げている辺りが前後のアルバムとは全く異なる。これがJOHNIE FINGERSプロデュースの作風なのかも。
★★★☆☆
8thアルバム『LINDBERGⅧ

C/W Ring My Bell

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:JOHNIE FINGERS,LINDBERG,井上龍仁
フジテレビ系『めざましテレビ』2代目(1995年度)テーマソング。前作「Cute or Beauty」から引き継いで2年連続LINDBERGの起用となった。この頃には占いコーナー目当てでチャンネルを変えていたのが徐々にそのままになり、軽部アナの芸能ニュースコーナーとかも普通に見るようになっていたし、曲名もおぼろげに記憶していたが肝心の曲はすっかり失念しており、2000年代になって『LINDBERGⅧ』を聞いた頃には聞いても思い出せないくらい知らない曲になっていた。

かなり淡々としていて「Cute or Beauty」よりは硬派なロックナンバーだが、JOHNIE FINGERSによる洗練されたサウンドメイクによりかなり小さくまとまってしまったのは否めずインパクトが無い。『WORKS COMPOSER’S BEST』ではリマスターによりもう少し派手にはなっているが…。

歌詞は彼氏とケンカ中の彼女の心情を歌った内容で絶賛3日間音信不通状態な事がサビで歌われており、平日毎朝テーマ曲として”もう3日も何も言ってこない”、”この週末どうするつもりなの”と1年間かかり続けていたわけで朝から何聞かされてたんだオイ…。翌年度以降は朝のテーマソングっぽい曲をみんな用意するようになったんだなぁ…。朝の曲として覚えているのはやはり翌年の森高千里の「ララサンシャイン」以降だったもんな。
★★★☆☆
8thアルバム『LINDBERGⅧ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST

きっと銀の針のような雨が

B08DPV5RPS
From 8thアルバム『LINDBERGⅧ
作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:JOHNIE FINGERS,LINDBERG
バラードの代表曲にまで上り詰めたこの時期には珍しいアルバム曲。『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ』に選曲されたのに始まり解散ライブでも演奏されるなど中期以降のアルバム曲の中では最上位クラス。それだけずば抜けている…とは思わないが、ストレートにメロディー勝負のバラード曲で、バラードを連発するバンドではなかったのもあって印象に残りやすかったところもあったと思う。バラードの中では代表的な1曲で2000年代以降だったら普通にシングルにしていたと思う。JOHNIE FINGERSのプロデュースはこういう落ち着いたバラード曲においてはとても相性が良かった。明るい曲だと前後の作風に比べてまとまりすぎてて地味に聞こえてしまうが、繊細なバラードナンバーでは派手過ぎず地味すぎずな絶妙な塩梅だ。
★★★☆☆
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
10thベスト『SUPER BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

コメント

タイトルとURLをコピーしました