LINDBERG 35周年シングル回顧3+~1995-1999 TEICHIKU~

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95年12月、デビュー以来の徳間JAPANを離れてテイチクが親会社のTMC新レーベル246RECORDSを作って移籍。デビュー曲「ROUTE 246」を忘れていなかったのだ。迷走の極みと思われた捨て身の1発「もっと愛しあいましょ」が超絶なインパクトでまさかの大ヒットを記録するとバンド史上唯一となるシングル3作連続30万枚突破となり、移籍を機に持ち直すどころか再度の黄金期を迎えたかに思われた。

しかし一転して1997年以降は路線選択を誤った事でファン離れが超加速してしまい、トップ10にも2度と入れなくなるほど止まらない低迷が始まってしまった。10周年を迎えて原点回帰を図るも時既に遅く、ベスト盤で最後のトップ10ヒットを放つも一瞬でトップ50レベルにまで落ち込んでしまった。渡瀬マキの産休を機に2000年は初めて新作がリリースされない1年となり、そのままテイチク時代は終了する。

過去曲回顧初期に大元執筆、2009年再結成後に改訂していたものをほぼ破棄
2024.3~5 C/W全曲追加&アルバム曲一部追加で執筆

23rd もっと愛しあいましょ

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1995年11月1日
半年ぶりの新作でデビュー以来の徳間JAPANからTMC(テイチク)に新レーベル246RECORDSを作って移籍。2作連続でトップ10入りを逃していたのがこの移籍により大復活を果たして初登場5位を記録。この時点で初動12万枚を叩き出していて前作の累計売上を突破していたが、100位以内に14週ランクイン(前3作の2倍)で最終的に35.2万枚を記録し、起死回生の大ヒットとなった。100位内14週は「BELIEVE IN LOVE」「今すぐKiss Me」「Dream On 抱きしめて」に続く自身4番目(「JUMP」と同じ)となり、ブレイク期以来のロングヒットだった。また売上も自身7番目となった(当時6番ヒットで次回作が上回った)。

移籍で気合が入っていたのか8センチシングルの仕様が少し変わっていて表紙の部分が袋状になっている上に小窓になっていてそこに歌詞カード兼ジャケットが別紙で封入されている。封入時には花を咥えたメンバーしか見えないが文字に隠れた部分には素顔のメンバー4人が隠れているという仕掛け。

徳間時代後期に引き続き、今作でもC/Wのカラオケが収録されていたが、C/Wのカラオケ収録は今作が最後となった。

もっと愛しあいましょ

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,井上龍仁
おふざけに徹した怪作。前年の低迷からして捨て身でリリースされたとしか思えないおふざけっぷりだが、前作が中途半端にかわいらしく遊び心を見せて滑っていたので、ふざけるのであればここまでの潔さは必要ではあったのかもしれない。声まで違うので一聴してLINDBERGだとは分からない楽しくキャッチーな曲で1度聞いたら忘れられないようなインパクトはある。トップ10復帰どころか奇跡の大当たりになってしまったのだから本当に何が起こっても変じゃないそんな時代(と某バンドが歌ったのは同年5月)であった。

ヒゲダンスのようなノリのサウンドに合わせてPVでは徹底してふざけ倒していて曲以上に超絶噴飯ものな仕上がり。まずまともな格好のメンバーが一切出てこず全て仮装状態、演奏シーンも無くサビでは4人でダンスをして、サビ終わりでは狂ったように暴れ回る。サビにしか踊りが無いのでサビ以外は学ランリーゼント姿の4人がどっしりと構えている映像を紙人形風に傾けたり回したりと驚愕の映像加工が炸裂。間奏ではついに胴体と首を切り離してグルグル回転させるという戦慄加工まで施す始末。サビのダンスシーンはグラサンスーツのエージェント、ガングロギャル、水戸黄門と部下、お姫様と御付きの者などいちいち本気仮装しているので最早誰だか分からない。特にギャル姿でのサビ終わりの暴れっぷりは完全にトリップしてしまっている。

このおふざけがウケてまさかの復活ヒットという確かすぎる実績が、翌年の迷走を招いて壊滅的な人気急降下に繋がった事まで考えると奇跡は1度きりだったのかもしれない。

歌詞の中で“たしかイチローが満塁ホームラン打った時以来会ってないわよね”とさらっとイチローが登場する事でも知られていた。プロ4年目のこの年は首位打者・打点王・盗塁王・最多安打・最高出塁率で五冠を達成する大活躍であった。イチローというとシーズン200本以上の安打のイメージが強いが、この年は自身シーズン最多の25本塁打も記録。本塁打王まで3本差、リーグ3位の本塁打数でもあった。実際にこの1995年シーズンは4月と6月に2回満塁ホームランも打っていたらしいので、歌詞を書いた時期と合わせると会ってない日数も割とリアルな感じだったのかもしれない。そのイチロー、LINDBERGが解散した頃には大リーグ2年目、2009年に再結成した時もまだまだ年間200安打を毎年達成していた頃でしかもこの2009年4月に久々にして最後の満塁ホームランを放っていたので、再結成ライブで演奏した際も物凄くリアルタイム感のある歌詞になるという奇跡が発生。そして2014年に永続再結成を宣言した際にもまだ現役選手として活躍していた(2018年シーズン開始1ヶ月ほどで残り試合出場なしのスペシャルアシスタントアドバイザーになり、2019年3月の日本で行われた開幕2連戦で正式引退)。

『LINDBERGⅨ』のRemixではイントロがカットされいきなり歌から入るがこの部分の音が軽めに加工されておりサビ終わりから本格的に音が入ってくる仕様。
★★★☆☆
9thアルバム『LINDBERGⅨ』(Remix)
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
10thベスト『SUPER BEST
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT
3rdライブアルバム(ライブ会場/公式通販限定)『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~』(LIVE/2014/4/25 Zepp DiverCity Tokyo)

C/W パラシュート

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
ブラスも交えたポップロックナンバー。新風を感じさせる作風が多いこの時期においてはどちらかというと徳間時代末期の抑えめで地味な方向性を引き継いでいるような印象(その中では割と勢いがある方ではある)。運命の人に巡り合えて浮かれまくる主人公の心情が歌われているが、“パラシュート空からふってきたみたいに恋しちゃったみたい”の例えば正直良く分から…
★★★☆☆
アルバム未収録

24th 君のいちばんに…

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1996年5月1日
半年ぶりのシングル。前作の好調を維持して初登場6位から前作を上回る37万枚のヒットとなり前作で更新した自身6番ヒット作を更新した。テイチク移籍以降での最大ヒット作となる。登場週数は10週で前後作を下回る。

何故かジャケット裏の曲目に2曲しか書かれておらずカラオケの記載がないが、「君のいちばんに…」カラオケはちゃんと収録されておりCDレーベル面には記載されている。今作よりC/Wのカラオケ収録は無くなり、表題曲カラオケのみとなった。

君のいちばんに…

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,井上龍仁
おふざけなし、久々にアップテンポのギターロック。以前はどっちかというとアメリカンなロックな感じだったが、今作はUKロックっぽい風味になり、90年代後半以降のロックバンド然とした佇まいへとシフトチェンジに見事に成功している。90年代前半のままの音作りをしていると一気に廃れてしまう時期で、既に少し先を行く面々は軒並み解散するかチャート上位から姿を消していただけに今作と次回作は見事に時代に適応してヒットを飛ばせたんじゃないかと思う。翌年以降の失速を思うとどうしたのかというくらいにキレが良すぎる鮮やかな低迷突破劇であった。

ギターベースドラムそれぞれの切れ味も爽快で気持ちよく、一聴して応援歌に聞こえる歌詞も秀逸だった。“もう少し もう少しだけ 明日こそ今度こそ強くなりたい 大丈夫 大丈夫だよ 自分に言い聞かせながら”と歌われるサビに何度勇気づけられたか分からない。

しかしタイトルが「君のいちばんに…」であり、大サビで“君のいちばんにほんとはなりたかった”と全文が明かされるように、実は失恋から立ち直ろうしている主人公の心情が歌われている。実際平メロでは失恋ソング(人生そのものに置き換えられる箇所もあるにはある)なので、サビだけ取り出した時とだいぶ印象が変わる。サビが失恋に限定せずに聞こえるように意図していたのかは分からないけど、いずれにせよしんどい時に響く言葉が並んでいる事は間違いない。サウンドも含めて1番好きな1曲

MVは少々変わった雰囲気で、メンバー4人が車の整備士として働く工場での様子と原っぱでの屋外演奏シーンの2軸で構成。工場シーンでは渡瀬マキはメガネ三つ編みツインテールで誰だか分からない地味な風貌となっているが、演奏シーンでは一転してやたらとやさぐれたケバい雰囲気でもっと誰だか分からない状態になっているのは謎。地味と派手の両極端な姿を描きたかったのかもしれないが、派手の方向性を間違っていたように思えてならない。

『LINDBERGⅨ』のRemixでは間奏ギターソロを変更している。また余韻が短く処理されていて5秒ほど短い。
★★★★★
9thアルバム『LINDBERGⅨ』(Remix)
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
2ndライブアルバム『FINAL FLIGHT』(2002/8/24 渋谷公会堂)
10thベスト『SUPER BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W Move out your Love

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,井上龍仁
やや抑えめのポップロックナンバー。オシャレ系の雰囲気もあるのでサウンド面の効き応えはあるがそれでもやはりやや地味か。引っ越して失恋を吹っ切ろうとするもさっぱり吹っ切れずに”まだすきよ すき”となってしまう立ち直れない失恋ナンバー。表題曲もそうだったが今作以降何故かこの手の失恋の痛手ナンバーがやたら連投される。
★★★☆☆
アルバム未収録

25th every little thing every precious thing

B00005GDMH
1996年7月1日
B000S6KA6K
2007年8月1日(マキシ化再発)
初登場5位ながら初動は前作より大きく落としていたが、やや粘る推移で前作を上回る12週ランクインで31.1万枚を記録。前2作に続く8番ヒットとなった、移籍以降の3シングル連続で30万枚突破となり、一気に6~8番ヒットを更新した。ブレイク期でも先行シングルや連続リリース、シングルカットなどがあって売上にかなり凸凹があったため3作連続の30万枚突破は自身初で、復調どころか全盛期が来たかのような勢いとなった。

2000年代半ば頃から阪神の藤川球児の登場曲として再注目を集めていたタイミングで2007年シーズン開幕時には渡瀬マキと藤川球児の対談がTVで企画されるという動きがあり、満を持して8月に藤川ジャケット&マキシ化して再発売された。LINDBERGとしては解散して5年経過していて渡瀬マキもようやくソロでの音楽活動を再開しようかというくらい動きの無い頃だったが、藤川効果のみで初登場38位からロングヒットして最高30位、2万枚を越えてリバイバルヒットとなった。同時発売でテイチクから『SUPER BEST』『Supporters’ songs』も発売されたが、非公認作でメンバーは知らなかった模様。

every little thing every precious thing

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,神長弘一,井上龍仁
シングルでのバラードというと「GLORY DAYS」くらいしか無かったが、今作は壮大なロックバラード。バンドとオーケストラとの共演的な正統派のストリングスロックバラードとなっているが、2000年代型ストリングスバラードとは違ってバンドとストリングスのバランス感覚が素晴らしく、ライトに感動的な仕上がり。ここに来てのまさに大勝負バラード、飽和も何もないほとんど初めて聞くようなLINDBERGのロックバラードシングルをこの持ち直したタイミングで放ったわけでこりゃヒットするし残る曲になるだろうなというのも納得な名曲ちょっとあまりにも終着点的な極致に行き着いて極まりすぎてしまったのがこの後の直角レベルでの売上急落の要因でもあるか?

元々は陸上短距離高野進1991年の世界陸上400m走で日本人初の決勝進出で7位入賞を果たした際に妻が「金メダルは取れなかったけど、私が金メダルをあげます」と言っている特別番組を渡瀬マキがたまたま見ていて印象に残っていたのを妻の目線で歌詞にしたものとされている。当時はパナソニックハイビジョンCMソング、そして発売後の8月末に放送された『第16回全国高等学校クイズ選手権』エンディングとしても使用された。アトランタオリンピックが7月19日~8月4日に開催されるタイミングでもあったのでパナソニックのCMを通してのオリンピック応援歌的な雰囲気はあったのかもしれない。

2作連続誰だか分からない仮装状態のPVだったが今作ではオーケストラと共演してのホールでの演奏シーンで久々に素の状態のメンバーが登場。スタジアムでのナイターシーンでは渡瀬マキ単独で歌唱しているが、イメージシーンとして陸上競技のスタートの映像が差し込まれており、これは高野進氏のエピソードから着想を得た名残と思われる。

…と、このようにスタジアムといっても陸上競技を前提にしたイメージなので(サッカーならまだありだったかもしれない)、この曲に野球の要素は無かったが、藤川球児の長年に渡る活躍と登場曲としての使用により阪神ファンの間ではすっかり塗り替えられて藤川球児のテーマ曲へと変化したのだから何が起きるか分からない。

シングルではフェードアウトだが『LINDBERGⅨ』のRemixでは最後まで演奏される。
★★★★★
9thアルバム『LINDBERGⅨ』(Remix)
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
31stシングルC/W(another version)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
9thベスト『Supporters’ songs
10thベスト『SUPER BEST
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT
11thベスト『BEST FLIGHT』(’98 LIVE VERSION)
12thベスト『LINDBERG★BEST
3rdライブアルバム(ライブ会場/公式通販限定)『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭~これからもよろちくね~』(LIVE/2014/4/25 Zepp DiverCity Tokyo)

C/W アジサイ

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,須貝幸生,井上龍仁
ストリングスも交えた軽快なポップナンバー。今作ではだいぶ前向きになってきているが、前作C/W「Move out your Love」の続きか?というくらいなんとまたしても失恋引きずりソング。

『LINDBERGⅨ』でのRemixはこのアルバムで変更された他の曲に比べると違いが分かりにくいが、間奏明けの囁きボイスで歌唱される”くやんでばかりじゃダメ 自分許してあげなきゃ きっと私 前にすすめないね”の部分で囁きと通常ボーカルの切り替えのタイミングが異なる。シングルでは”自分許してあげなきゃ”の部分から通常ボーカルが沸いてきて囁きと通常が共存するが、Remixでは”自分許してあげなきゃ”まで囁き1本で”きっと私”から通常ボーカルへと一気に切り替わる
★★★☆☆
9thアルバム『LINDBERGⅨ』(Remix)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST

26th Green eyed Monster

B00005GDMI
1996年8月19日
前作から1ヶ月ちょっとでの『LINDBERGⅨ』先行シングル。初動は前作と同等で初登場5位を記録したが売上は17.5万枚と落とした。しかしここまでの4シングルを収録した『LINDBERGⅨ』は前作を2倍以上上回る40万越えのヒットを記録し、3rd~6thまでに続く売上となった。移籍大成功で低迷からの復活ヒット連発、アルバムも売れて第2の黄金期を迎えた…かに思われたが…。

シングルでのトップ10ヒット、10万越えはまさかの今作が最後となり、1997年以降は信じられない角度で超速低迷していくことに…。

Green eyed Monster

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,神長弘一,井上龍仁
勢い全開で駆け抜けていくややポップ寄りのロックナンバー。歌詞はOLの日常路線ではあるが増えていたお気楽恋愛路線や失恋路線ではなく、日々に忙殺されてお疲れ気味の主人公の日々何かに追われて自分を見失いそうになっている危機感が表現されている。サビで歌われている“この街でみんなを狙っているアイツ”ことGreen eyed Monster=緑の眼をした怪物が何者なのかは一切明言されておらずその存在は曖昧だが、言うなればそれは社会であり裏を返せば自分を見失って自分ではないものに変わっていってしまう自分の心の中に巣食ったモンスターという詞的な表現と思われる。こういう表現は今までになくかなり新しかったような…。アップテンポで勢いのあるサウンドが日々の忙しなさを醸し出しているが、歌詞の内容ほどには追い詰められている感じはなく、聞き終えると割と爽快感もある。これもまた名曲

ロックバンドとしてしっかりヒットしたここまでの3シングルの路線を中心に続けてくれればよかったのに『LINDBERGⅨ』では同系統の正統派のロック路線がほとんどなく、翌年のシングルでは自由で楽しいとっちらかったパーティーロック路線を迷走してしまったのは残念だった。

『LINDBERGⅨ』でのRemixではドラムと歌が入る前のキーボードによるイントロがカットされている。このため前曲の「every little thing every precious thing(Remix)」がシングルと異なり最後まで演奏された直後に急にダターンと鳴って目を光らせながら♪と一気に曲に入る仕様。

PVは当時最先端だったと思われる全編CGアニメで制作。後年見るとあまりにもコンピューターコンピューターした(初代プレイステーションみたいな感じ?)動きももっさり規則性のある動きしかしない代物で苦笑いだが当時としては手間をかけた大作だったと思われる。デフォルメされたメンバー4人が登場し、Green eyed Monster=緑の眼をした怪物に支配された街を救うために立ち上がるという正統派ヒーローモノ。女の子(渡瀬マキ)はGreen eyed Monsterにより怪物と化した周辺機器に幽閉されてしまい、飛行性能と銃性能のあるギターを複数持つ平川達也、飛行性能とビーム砲搭載バイクを所持して天使の羽根を開発中の川添智久、ドラムから電撃を出せる小柳昌法は渡瀬マキの異変に気付き立ち上がるというストーリーが展開。しかし電撃ドラマーはモンスターを電撃で倒せるもののすぐ復活されてしまうので疲弊して逆に追い込まれてしまい、ギター乗り(平川)に救出されるなどあまりいいところがない。女の子は飛行バイク(川添)に救出され、4人が合流。女の子は天使の羽根を受け取り4人でGreen eyed Monsterの元へと向かう…が、向かっている時点で既に最後のサビに差し掛かっており、何故か移動シーンを無駄に長く展開している間になんと歌が終わってしまいアウトロに…。アウトロでGreen eyed Monsterと対峙すると4人全員いきなり一撃必殺ぶち込んで瞬殺して即エンドロール。まるで打ち切りENDかのような超速結末を迎える。どうしてそうなった。時間配分おかしいだろが

あと電撃ドラマーだけ活躍少なくない?1人だけ一貫して空を飛ぶアイテムが無いので女の子と同じ助けられる側になってしまうし(前半)、女の子が天使の羽根で飛行能力を授かって自力で飛べるようになってからは1人だけ飛べないので飛行バイクの後ろに乗せてもらってるし、ドラム持ってるから前向きに乗れなくて後ろ向きだし、Green eyed Monsterの元に落下する時も1人だけケツから落下してるし。
★★★★★
9thアルバム『LINDBERGⅨ』(Remix)
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
6thベスト『BEST OF SINGLES
7thベスト『FINAL BEST
10thベスト『SUPER BEST
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W かなしそうな顔

B00005GDMI
作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,神長弘一,井上龍仁
ロックバラード。変な曲の多いアルバムの中で、比較的正統派のロックバラードだがこれまでにはあまりなかった退廃的な雰囲気になっていて新鮮。また終始声を張らない消え入りそうな歌い方に変えているせいかやたら枯れた味わい。そしてここでもまたサヨナラソング。この時期なんでこんなに失恋曲ばかり連投していたのだろうか。

シングルはバンドサウンドのままフェードアウトしていくが『LINDBERGⅨ』のRemixでは25秒程度長くなっていてリズム隊は最後まで演奏され、ギターとキーボードが残っている中でフェードアウトする仕様。
★★★☆☆
9thアルバム『LINDBERGⅨ』(Remix)
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
11thベスト『BEST FLIGHT

ねむりたい

B00005GDM7
作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,神長弘一,井上龍仁
アルバム冒頭1曲目からにぎやかなパーティーロック路線。前作の落ち着きから一転して攻めに転じた勢いと新たなチャレンジへの意欲も感じられるのも確か。WA Oh oh WA Oh ohがかなり印象的だが何だかこの曲は全てWA Oh oh WA Oh ohのインパクトだけのような気もする。
★★★☆☆
9thアルバム『LINDBERGⅨ

渚の新郎BAD

B00005GDM7
作詞:マキ♡チェリー、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,神長弘一,井上龍仁
LINDBERG史上最大の怪作。みんなでコーラスしているような曲はあったが、渡瀬マキ以外が本格歌唱を披露する唯一の楽曲でドラムの小柳昌法(チェリー)と渡瀬マキのツインボーカル共作詞による超絶歌謡曲。これはヤバイ。基本的にはいつもの渡瀬マキのキーに合わせて作られているのでチェリーは歌謡曲っぽくわざとらしく作った感じの地声で歌唱。前半は新婚早々相手にウンザリしてけちょんけちょんな女性と一途な愛を歌い続ける男性との落差がすさまじく成田離婚一直線な匂いしかしないが、最終的には時が流れて子供も生まれてなんだかんだ平和に家族やっている様子が描かれて終結。リアルに新郎BADのまま終わるとさすがにギャグのノリでも笑えないので無理やり回収した感じもしなくもない。

なお渡瀬マキが翌年に結婚したのはギターの平川達也だった。
★☆★☆★(測定不能)
9thアルバム『LINDBERGⅨ

27th YAH! YAH! YAH!

B00005GDMJ
1997年2月13日
1997年はシングル3枚、アルバム1枚を上半期だけで連続でリリース。その1作目となった今作だが前年の絶好調から一転していきなり初登場15位。急降下して5週ランクインに留まり8万枚にも届かない売上に。前作の半分以下、前2作の初動に毛が生えた程度の売上まで落としてしまった。ここから超速で人気急落していく事に…。

YAH! YAH! YAH!

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,神長弘一,月光恵亮
まだ4年前だったCHAGE&ASKAに真っ向からタイトル被りを挑んだ?無謀極まりない1作。一応“!”つけてるけど、明らかに意識してつけてるよな…。歌詞の表記では”YAH! YAH! YAH!…”と”SHALALALA…”といずれも“…”が加えられており、実際の歌唱ではヤーヤーヤーヤー、シャララララーとどちらも1回ずつ多い4回、“…”の部分がそのまま1つ多いヤとラに相当する。YAH! YAH! YAH! YAH!じゃねーか!最初から4つで良かったんじゃないかと思わなくもないが”…”で省略して3つ表記にしたのはやはり被せにいったか、3つくらいがちょうどいいということだろうか。それこそあちらさんもYAH3つどころの騒ぎではなくサビ全部YAHなのでYAH7個が2行の合計14連続だし。まあ歌詞表記は個数正確に書いてるけど。今作が歌詞表記で1つ分だけ”…”にしたのはちょっと解せない。もっと連打するなら分かるが1つだけ置きかえって。

「もっと愛しあいましょ」のヒットを意識して楽しげなパーティーロックっぽい方向性にはなっているが、サウンドはけっこう厚みがあってギターロックバンドしているのが今作に限らず10thアルバム全体の特徴。このためカラオケバージョンで演奏だけ聞くとけっこうカッコいい。メッビベッビヤーヤーヤーヤーハッピベッビシャララララーと繰り返されるるサビもポップで覚えやすい。恋に御無沙汰な主人公が運命の人を待ちわびるという恋愛脳な歌詞の内容は深みも何もなく、ラストはオーマイダーリーン♪チゥゥゥッ…パッ!と恐ろしくわざとらしいキス音で終わるなどけっこうおふざけしているのがどうにも滑り気味。何より気になるのがけっこう派手にギターロックしているのに全編通して歌い方がかなりキュート方面に振り切ったままで終始フワフワしているのがどうにもミスマッチ。メッビベッビヤーヤーヤーヤーハッピベッビシャララララーの部分はそれでいいと思うんだけど(カラオケでも残っているパートだし)それ以外の部分はもっと張り上げる…というか普通に歌った方が締まったのでは…。
★★★☆☆
10thアルバム『LINDBERGⅩ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W いい感じだね

作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,神長弘一,月光恵亮
彼氏と温泉旅行に行っていい感じだねというお気楽ラブソングなポップロックナンバー。普通に日記のように旅行の経過が綴られているだけなので正直一体何を聞かされているんだろう…というこの時期らしい浮かれ具合の中でもおいてけぼり具合が強めな1曲。いい感じだねとのろけられてもそうなんだね!としか返しようがないっていうかなんていうか…。
★★★☆☆
アルバム未収録

28th 明日は明日の風が吹く

B00005GDMK
1997年4月16日
前作から2ヶ月でのリリース。初登場15位4週ランクインと前作より1週減り、売上は早くも5万枚を割り込み当時としては危機的状況に…。

C/Wが異色で初のリミックス2曲とカラオケの4トラックとなった。

メンバーの上半身が上下逆さまで上の方に写っているという謎のジャケットとなっているが裏側にはメンバーの下半身が写っていて川添だけ何故かパンツ(短パン?)というシュールなギャグが炸裂している。

明日は明日の風が吹く

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,神長弘一,月光恵亮
彼氏との遠距離恋愛が決定した主人公が寂しさを乗り越えて前向きに考える様子が描かれている“OLの日常恋愛路線”のど真ん中なポジティブ応援歌。相変わらず意外とバンドサウンドはガツンとしているんだけど今作に関してはイントロなどで出てくるパパララパーパパーパラーパーパというチープなブラス風シンセの安っぽさで壮大にずっこける。お気楽感が凄すぎてリアルタイムでLINDBERGに励まされてきた4thを学生時代に直撃していたメインのファン層が見切りをつけていくのもやむなしというくらいに完全に滑ってる感が…。一方で今作では歌い方は割と張りのある元気な歌声に戻しておりこの点は良かった。前作の声でこの曲歌われてもな…。
★★★☆☆
10thアルバム『LINDBERGⅩ

C/W 明日は明日の風が吹く”escape free mix”

Remixed by R.A.M
唐突に登場した初のトラックメイカー系リミックス。”Remixed by R.A.M”としか表記されておらず所属先も何も無いし、後にも先にも出てこないし、RAMも含めると時代時代で複数のシンガーやDJが存在するがいずれも時代が合っておらず、どちらのR.A.Mさんなのかも不明である。

典型的なトラックメイカー系のリミックスオブリミックス曲。ボーカルが加工されているものの曲自体は通常通りに進行はするので普通に聞けるが時流に乗ってリミックスに手を出してみた以上の意味は感じられない。
★★☆☆☆
アルバム未収録

C/W もっと愛しあいましょ”a rise mix”

Remixed by R.A.M
23rdシングルのリミックス。元々ダンス調のサウンドだったのでリミックスにより違和感が無いのはこっちの方だろうか。
★★☆☆☆
アルバム未収録

29th Sugar Free

B00005GDML
1997年5月28日
前作から1ヶ月でのリリースで『LINDBERGⅩ』先行シングル初登場20位3週ランクインとさらに1週減ってしまいついに3万枚台に…。これが最後のトップ20ヒットとなる。今作はC/Wも含めて2曲ともアルバムに収録された。

LINDBERGⅩ』はかろうじて初登場4位を記録したがオリジナルアルバムでは最後のトップ10ヒットとなった。8thで20万ちょいまで低迷していたのが9thで40万越えまで倍増し、10thで10万ちょっとなので結局移籍前より遥かに低迷してしまう事態となった。この時のツアー「CONCERT TOUR ’97 YAH! YAH! YAH!」29公演もある長めのホールツアーで最終地は日本武道館だったが解散までに細かく全国のホールを回れたのはこれが最後、武道館公演もこれが最後となった。1996年の復調からしてもここまで急落するのは予想外だったはずで、この状況でこの規模のツアーが満員御礼でやれたとは到底翌1998年は10周年ツアーなのに1ヶ月で終わる全6公演まで大幅縮小された。

Sugar Free

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,神長弘一,月光恵亮
迷走3部作の最終章。ジャケットやMVでもいつになく本格ロックバンドのような締まった格好でカッコよくキメており、楽曲を再生すればいきなりベースとリズムがズンドコズンドコと過去最高にズンズン響く重心低めのロックサウンドが炸裂。LINDBERG史上最重量クラスのロックサウンドの予想外のカッコ良さにしびれまくり。

しかし歌い始めると…?去年のクリスマスにフラれて以来ヌケガラ状態で過食して太ってしまったというOLのシュガーフリーな心情描写が延々と続く超珍曲と化す。これだけカッコいい重厚サウンドに“試着室で戦う あがらない銀のファスナー”とか“おねえさんそんな目で見ないでよ 誤解しないでこれは全部筋肉なの”などといった歌詞を乗せ、PVではあくまでクールに徹して歌いきるとか正気の沙汰とは思えない絶句必至な迷曲。

無駄に音がカッコいいのでカラオケバージョンで聞くと全く別の味わいがある。前2作ではサビ頭のフレーズがコーラス扱いでそのまま残されていたが今作では完全なインストとして楽しめるのもポイントだ。カラオケバージョンを1番聞いたのは「君のいちばんに…」と今作が2トップかもしれない。真面目な歌詞バージョンも制作してほしかった…。シュガァフリィ!フリィソッグッ!!ファイッ!!(コーラスなのでこの部分はカラオケにも残る)
★★★☆☆
10thアルバム『LINDBERGⅩ

C/W 懲りない恋

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,神長弘一,月光恵亮
今作はアルバムにも収録された。懲りずにまた恋をしてしまうという失恋からの復活系ラブソングで歌詞は相変わらずだが、サウンドや勢いは王道路線の元気サウンドが炸裂するので1997年の楽曲群の中では格段にしっくりくるものがある。別にホッとするような内容の曲ではないが、あまりにおかしなノリのシングルが続いたのでこの曲で何故か少しホッとする。
★★★☆☆
10thアルバム『LINDBERGⅩ

30th 風

B00005GDMM
1998年3月4日
10thアルバムから9ヵ月ぶりの新曲。1997年は上半期までにすべてのリリースを終え、続くツアーを7~9月に終えて以降しばらく活動が無かった。この間にLAレコーディングを行ってアルバムを制作。1998年は結成からの10周年を掲げての活動となり、前半に新作をリリースしてツアーを行ってから後半はベスト盤をリリースする流れとなった。1998年結成、1989年デビューなので10周年を1年前倒しするほど焦っていたとも取れるが(実際20周年以降は1989年デビュー年起点で掲げている)、結果的には1999年に10周年をやろうとしていたらベスト盤でもトップ10ヒットは難しかったかもしれないし、渡瀬マキの妊娠により記念ツアーやプロモーション活動も困難だったと思われるので前倒しは正解だった。

前年全てが滑り倒して著しく人気を落としたのは売上や動員数でも目に見えて明らかとなったためなのか、今作以降シングルを1年に複数リリースする事が無くなり、先行シングル1枚のみとなった。ツアーの規模も大幅縮小された。初登場27位3週でチャートアウトして2万枚の売上。毎回の大幅ダウンにより何かしらの”最後の○○”になってしまっていたが、今作が最後の5ケタ(1万以上)売上シングルとなった。11thアルバムでもついに初登場20位まで大暴落し、アルバムでの連続トップ10入りも途絶えた。

デビュー以来続いていた月光恵亮プロデュース、8センチCDでのリリースも今作が最後となった。

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,月光恵亮
バンドサウンドが前面に押し出されており元気ロック路線完全復活を果たした原点回帰の1曲。歌詞も凄く久しぶりの応援歌。さすがにノー天気に1997年の方向性を継続しようとする流れではなかっただろうし、結成10周年での原点回帰というのもあったと思われるが、迷走の果てに”どこまでも行けるはずさ”などと割と根拠のない応援歌を今更になって歌われても往年のファンの幻滅が深まるだけだったのか(なんかリアルタイムのリスナーでもう自分たちも大人になったのにこんな歌詞では響かないみたいなそういうレビュー書かれているのを2000年代初頭に見かけた記憶)、既に完全に手遅れで全く聞かれなくなっていたのか…。

往年に匹敵するまでは行かずともLINDBERGらしい十分に良い曲だとは思うんだけど、なまじ王道路線だけに過去を越えていけない感じも出てしまったのも否めないのか。後追いで聞いたせいもあるかもしれないが、迷走があったからこそ原点回帰として輝く曲だと思うし、根拠がない前向きさも時に必要だともう少し大人になれば分かるぞきっと。けっこう好きな曲。

延々と海外の大自然が展開する空撮で撮られたPVは迫力があったが、メ ン バ ー が 出 て こ な い 。よく見ると何度か旗を持って走っている4人が見えるがハッキリ写らずどうやらメンバーに見せかけた 偽 者 4 人 のようだ。これはアルバム収録の「太陽のかけら」をシングルとして現地で撮影もしてきたのに発売直前に急遽今作に差し替えの英断が下され、メンバー不在で仕立て上げたということだったっぽい。
★★★★☆
11thアルバム『LINDBERGⅩⅠ
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERⅢ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
7thベスト『FINAL BEST
9thベスト『Supporters’ songs
11thベスト『BEST FLIGHT

C/W girl

作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,月光恵亮
前年までの浮ついた感じが全く無い妙にクールかつ孤独を感じている主人公の心情が綴られた重めのロックナンバー。曲の大半が打ち込みっぽい加工されたリズム音と重めだけど抑えめに鳴り響くギターベースで終始バンド全開にならないまま進行し、最後のサビでようやく本格的にドラムインしてガツンとロックサウンドが展開するという異色の構成。「かなしそうな顔」辺りからは割と地続きな作風ではあると思うんだけど、本当に1997年が悔やまれる…。

2000年の作家別の3枚組ベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』は男性メンバー1人につき1枚と他のベスト盤より選曲の枠が拡大していた事もあって、今作が選曲され唯一のアルバム収録を果たしている。ただ冒頭からドラムがどっしりしているような…?各楽器の音が聞き取りやすくなっててリマスター効果でここまで変わるか…?というくらいには聞こえ方が変わっていた。

上がシングル盤で下が『WORKS COMPOSER’S BEST』。これだけ違えばそりゃ聞こえ方も変わってくるか。ドラムの音は右に寄っているんだけど右トラックの波形がアルバムの方が幅がかなり広がっているのでやはりアルバムの方がドラムの音が強くなっているようだ。リマスターというよりこれだけリミックスしていた?残念ながらシングルが配信されていないので8㎝シングルを探してこないと聞き比べが出来ず、意外と発見困難かも(8cmの中では1stに続いて2番目に売れてないので)。
★★★☆☆
シングルミックスアルバム未収録
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(別ミックス)

夕焼け

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作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,月光恵亮、Strings Arraneged by DAVID CAMPBELL
アルバム冒頭を飾ったストリングスとストレートなバンドサウンドが融合した雄大なナンバー。LAレコーディングが存分に生かされており、現地のアレンジャーがストリングスアレンジを手掛け、演奏も現地の演奏陣。ややキーが低めになってきた気がするが、一時期に比べればかつてに雰囲気は近く、10thでおかしな世界に行ってしまったLINDBERGがパワーアップして戻ってきた事を感じる。
★★★★☆
11thアルバム『LINDBERGⅩⅠ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST』(LIVE)

太陽のかけら

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作詞:渡瀬マキ、作曲:平川達也、編曲:LINDBERG,月光恵亮
元々先行シングルは「風」ではなく、今作の予定だったとされ、現地でメンバー出演のMVも制作してきたので結果的にはアルバムのリード曲のようになった。「風」の方が往年のLINDBERGっぽいので分からなくもないが、同じ応援歌路線でも今作の方が年月を重ねた貫禄もある進化したLINDBERGを示せたんじゃないかと思う。落ち込んでも”もうすぐ雨はやむよ 何度も立ち上がり歩こう”と前向きではあるが、「風」よりも歌詞も曲調も地に足がついている

アルバム曲でこれほどの名曲は本当に久々にして最後となったが元がシングル予定だったならそれも当然か。こっちがシングルでも正直前年の失速をフォローできなかったとは思うけど、「風」よりは往年のファンも納得したんじゃないかなとは思う。
★★★★★
11thアルバム『LINDBERGⅩⅠ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST

星に願いを

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作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,月光恵亮
ヒットシングルが出なくなった1997年以降を後期とすると後期では最大の代表曲。『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』にライブ音源が収録され、解散ライブ会場のみで発売されていた『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』後期唯一収録され、2009年にも『LINDBERGⅩⅩ』で改めてリメイクされるなど最高の扱いを受けている。

『LINDBERG BESTⅡ』のライブバージョンは抑えめの平メロにサビでガンガン演奏が鳴り響く緩急のついたストレートなロックバラードで、2002/2009リメイクいずれもこのライブバージョンを基にしているが、初出であった11thアルバム収録のオリジナルは妙にまったりしたレゲエ調の謎アレンジだった。正直このままだったら人気も何も無かったと思う。発売後のツアーでもうロックバラードのアレンジに変えているだけに、オリジナルバージョンでライブでやった事無いんじゃないかと思うんだけど、そんなにすぐに変えるくらいだったら何故スタジオ音源がこんなことになっていたのか…。
★★☆☆☆(原曲)
★★★★☆(ライブ以降のアレンジ)
11thアルバム『LINDBERGⅩⅠ
4thベスト『LINDBERG BESTⅡ FLIGHT RECORDERⅣ』(’98 LIVE VERSION)
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
解散ライブ会場限定ベスト『FLIGHT RECORDER-FINAL MEMORIES-』(再録音/2002)
20周年リテイクベスト『LINDBERGⅩⅩ』(再録音/2009)

31st 願いがかなうように

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1999年10月21日
初のマキシシングル。今作からはデビュー以来のプロデューサー月光恵亮から離れることになりセルフプロデュースへ移行した。また在籍していたテイチク子会社のTMCが消滅して親会社のテイチクに吸収されてしまい、246RECORDSレーベルのロゴは残ったものの品番はTMCLからテイチクのメイン品番TECNに変更になった。

渡瀬マキの妊娠中にアルバム制作が行われており、11月6日に出産。早産だったと後に語っているが、結果的に出産と前後してのシングル、アルバム発売となった事もあってプロモーションしている余裕はなかった。初登場40位、ついに1万割れとなった。

12thアルバムを引っ提げてのツアーは行われなかったが、2000年7月には全4本の「LINDBERG LIVE 2000 “Happy Go Lucky!”」(東名阪のライブハウス+渋谷公会堂)を開催してライブ復帰を果たした。その一方で2000年の新作発売は無かった。

願いがかなうように

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,前野知常
「風」以上にシンプルな応援歌。パッと聞いた感じ、過去の焼き直しのようだし、曲自体もそんなに盛り上がらずどこか淡々としている気もするので最初は過去の劣化版としか思ってなかった。だが聞き込むとシンプルさの中に芯の強さがあり、ここまで来てそれでもなお信じて進むんだという力強い意志を感じる。まさにここまで続けたから出来たような円熟味のある1曲といえる。一通りやり切った後、それでもまだもうひと踏ん張りしたい時に強さを発揮するようなそんなストイックさのある1曲だ。大学受験期は色々な応援歌を景気づけに聴いていたが、最終的に当日に1番響いたのはこの曲だったかも。パーティーロックみたいな路線を迷走するよりもこういうのをメインにしてほしかった。既に遅かった…というところも含めて隠れ気味の名曲

テイチク管轄でベスト盤の収録範囲になる最後のシングルとなっているが、前年の『LINDBERG BEST』『LINDBERG BESTⅡ』の後にリリースされているため、この2作を基にしている後年の『BEST OF SINGLES』『SUPER BEST』『BEST FLIGHT』には選曲されていない(『BEST OF SINGLES』はトップ10ヒットが条件なのでその時点で対象外)。
★★★★☆
12thアルバム『LINDBERGⅩⅡ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
7thベスト『FINAL BEST
9thベスト『Supporters’ songs

C/W シアワセ

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、編曲:LINDBERG,前野知常
冒頭で”君は元気かな?”とあるので現在は1人で生きている様子の主人公だが、1人で寂しいとか過去形の幸せだったとか失恋ナンバーではなく、フラれてもまた恋して転んでもまた立ち上がってそんな繰り返しで暮らしていくすぐそばに「シアワセ」があり作っていくものなんじゃないか(超訳)というポジティブ思考が地に足のついた前向きナンバー。これに合わせてメロディーもブラスの効いたアレンジもひたすら明るくポップな雰囲気。12thアルバムは「願いがかなうように」に代表されるように今も夢を追い続けるストイックさが前面に出たロックナンバーが多いので、明るすぎる今作はC/Wだけになってしまったのも分からなくもないが、少し前まであったお気楽さとは違うし、ポップさにおいては6th頃のキレも戻っているように思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W every little thing every precious thing(another version)

作詞:渡瀬マキ、作曲:川添智久、Arrange&Sound Architect:浦田恵司
25thシングルのリメイク。リアレンジというよりボーカルとストリングスだけ残し、キーボード少々と空間系の加工を施したようなリミックスに近い。ストリングスの演奏はシングルバージョンではなく、最後まで演奏される9thアルバムのRemixが採用されている。1番はモノラルのような一塊のこもった音像だが2番になると空間が広がる…が、無駄に広がりすぎてリバーブMAXのボワンボワンな音像に切り替わる。最後までバンドメンバー3人の演奏は使用されていないような…。
★★★☆☆
アルバム未収録バージョン

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作詞:渡瀬マキ、作曲:小柳昌法、編曲:LINDBERG,前野知常
アルバム冒頭を飾る名曲。後期の中では最大の名曲だと思う。文字通りに花のように根付いてる応援歌。初期のようながむしゃらな若さ溢れる勢いはもう出てこなくなっている。しかしここまで来たからこその年月の説得力があって、とても力強い。結局色々悩んだりしたところで答えはシンプルなところ“前に進めるかどうかでしょ””前を向けるかどうかでしょ”に戻ってくるのだ。音だけ聞いていると分からないがサビ終わりの”はなのように”は4ヵ所全部名称が違う花(向日葵、紫陽花、蒲公英、菫)を”はな”と読ませている細かい演出が地味に好き。

12thアルバム曲では唯一ベスト盤に選曲されていて、時系列ではベスト収録で最も発売が後の曲という事になる。
★★★★★
12thアルバム『LINDBERGⅩⅡ
5thベスト『WORKS COMPOSER’S BEST
9thベスト『Supporters’ songs

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