『REVIEW』の487.6万枚でアルバム売上記録を更新した翌1998年B’zのベストアルバム『B’z The Best “Pleasure”』が史上初の500万枚突破、1999年には宇多田ヒカル『First Love』が765万枚を突破し、『REVIEW』は歴代3位となった。シングル売上ではこの時期に最高売上を叩き出してミリオンヒットを連発、アルバムは3作連続で200万枚を突破するなど人気絶頂期は2000年まで続いた。
1999年7月31日に開催された野外ライブ「GLAY EXPO ’99 SURVIVAL」では20万人近い動員数で通称”20万人ライブ”として伝説となった。ただ近年は主にHISASHIが面白ネタとして20万人は入ってないだとか16~17万人くらいだったという鉄板トークをしていて何度かニュース記事にもなっているが、実際にはあまりに人数が多すぎて開場が追いつかず正確なカウントが出来なくなったという話を面白おかしく話しているだけでチケットの売れ行きや当日の満員の客席の映像、明らかに会場入りしてない外部から見ようと集まっていた者たちまで含めて推定20万人前後だろうという旨も話しているのだがそっちは記事にされないので、実は16万人しか入ってなかったみたいな話で広まってしまっているのが現状だ。2022年と2024年いずれもHISASHI単独出演のトーク番組での発言が記事になっているのが確認できるのでHISASHIがオモシロ鉄板トークとして持ちネタにしているっぽいが、無意味な功績下げをしてしまっているのでいい加減にしてほしいというファンの声もあるとかないとか…。実際2024年の番組では昨今問題になっているサブスクの収益性の低さに対してサブスクがチャリンチャリン言っているなどとこれまた余計な発言をしていた。それが主にTAKUROの尽力で築き上げたGLAYの現在の環境、特異性によるものである事に無頓着っぽいのは地味に気になった。というのもGLAYには自社アプリGLAY APPのサブスクがあるので中間搾取なしでチャリンチャリンGold Directしている。これが無ければSpotify等で90年代のヒット遺産が回ったところでこんな発言が出るような事態にはならないだろうし、ラルクのtetsuya氏が驚いてうちはそういう仕組みではないと発言するのも当然だろう。tetsuya氏が変えてかなきゃなとぼやいていたが事務所独立&権利買い取りがマストなので今から同じ環境を構築する事は多大な労力がかかってたぶん不可能。
大きくなりすぎたGLAYという存在に対する疲弊も当然あったようで、1999年末「Winter,again」でのレコード大賞受賞を巡って意見が割れ、じゃあ賞を受け取って解散しようという結論に達するが年明けの飲み会で何で解散しなきゃいけないんだっけ?と我に返って撤回。しかし続く2000年のツアー中にJIROが自身を追い込んで煮詰まってしまい脱退・解散の危機に陥るという事もあった。こういった解散危機を乗り越え、20世紀最後を新たなベスト盤『DRIVE』で締めくくった。と、同時にGLAY絶頂期、バブルは泡のようにはじけていったのだった。
2013年に行われた対談レビュー「GLAY シングルレビューX1」も参照
13th 誘惑
1998年4月29日
『SOUL LOVE』との2枚同時発売。8センチCDで短冊形の8センチCDジャケットのサイズだが特殊なケースが採用され、帯付の全面プラケースの色違い(今作は黄緑、「SOUL LOVE」は黒(ブラウン寄り))となっていてプラケースに貼られたシールに写真とタイトルが記載され、歌詞も直接ではなく別紙で封入されていた。
初動84万枚を記録して初登場1位となり、この時点で『SOUL LOVE』と12万枚近い差があった。2週連続1位、最終的に25万枚差まで広がって今作が上回り、100位以内登場週数も20週に達して4週上回った。1998年の年間チャートではSMAP「夜空ノムコウ」との首位争いとなり4万枚差でO社年間1位となったが、『CDTV』ではSMAPが1位で今作は2位だった。Jニーズパワーというわけではなく、O社と『CDTV』の年間1位と2位が入れ替わるのは1996年のMr.Childrenとglobe、1999年のだんご三兄弟(O社では宇多田ヒカルが2種別々で合計すると2位相当だったが『CDTV』では何故か1位になった)でも発生しており珍しい事ではなかった。
誘惑
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
ズダダッダッドドドドッとドラムと重いエレキギターから始まる激しめのロックナンバー。「口唇」のヒットを受けてさらにGLAYのロックを突き詰めたような1曲で激しいながらも確かなメロディーで耳にも残る90年代後半のロックバンドのブームを代表する曲の1つ。グルグル回るPVはこの後そのままラルクが「HONEY」でやったので1998年というのはロックバンドとシングルチャートの頂点だったなと振り返ってみて思う。
当時こういうぎらついたロック路線より爽やかな方が好きだったので今作の良さはイマイチ分からないままだったけど、なんだかんだGLAYと1998年を代表するロックナンバーのヒット作として刻まれる1曲にはなったのかなと。当時はストレートにバンドサウンドだと思っていて全く聞こえてなかったけど、よく聞くとサビで妙な電子音がピヨリロ鳴っていたりとちょっとデジタルちっくな部分があったのはかなり後年気づいた。AnthologyバージョンではMichael Zimmerlingが悪ノリしたのかなんなのかこの電子音がオリジナルより強調されている上、イントロやアウトロの激しいギターのバックで埋もれていた電子音もかなり浮き出て強調されているので相当気づいてほしい部分だったのかもしれない。
『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』では2009年時点でリテイクしているが、GLAYのリテイクは「生きてく強さ」や「彼女の“Modern…”」もそうだったようにこの当時は佐久間正英もそのまま参加してオリジナルに忠実でリアレンジらしい変更はしていない。まだまだ衰えてないどころかパワーアップし、ピヨリロ電子音も無くなっていてよりストレートにロックバンドしていてカッコいい。
★★★☆☆
4thアルバム『pure soul』
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(新録音)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『pure soul Anthology』Ver.)
C/W Little Lovebirds
作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&佐久間正英
『BEAT out!』収録の「週末のBaby talk」以来となるTERU曲。最初から個性全開でC/Wで数曲発表済みのHISASHI、『BELOVED』収録の「SHUTTER SPEEDSのテーマ」がいきなりライブ定番代表曲になったJIRO(JIRO(「カナリヤ」含めて作曲のみ)と比べると「週末のBaby talk」1曲だけではどういう曲を作る人なのかイメージがついていないところがあったが、今作はTAKUROのような聞かせる良メロ系。ていうか最初普通にTAKUROの作曲かと思っていた。激しい「誘惑」に対して聞かせるGLAYの王道と大きく離れていない爽やかなメロディーが印象的でほとんど作曲していなかったTERUがこのクオリティは驚く。20年近く経ってからメインライターとして覚醒して若手のような爽やかアップナンバーを連投する事になるTERUだが、そこに通じる雰囲気があるのは以前だとこれくらいだろうか。なおLovebirdsはインコの事ではなくラブラブなカップルの意味で使用されていると思われ曲中には鳥は一切出てこない。ただ直球の愛が歌われている真心系楽曲である。
当初ドラマーだったというTERUが音源で唯一ドラムを担当した楽曲とは定説になっていてWikiに記載がある。ただシングル盤には作詞作曲編曲クレジットしかないのでクレジットで出た事は無いはず。当時の発言であったのだろうか。
★★★☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
14th SOUL LOVE
1998年4月29日
『誘惑』との2枚同時発売。「誘惑」と同デザインの帯付の全面プラケースの色違い(今作は黒(ブラウン寄り)、「誘惑」は黄緑)となっていてプラケースに貼られたシールに写真とタイトルが記載され、歌詞も直接ではなく別紙で封入されていた。
『誘惑』が1位だったので初登場2位となったが、2位以下の初動売上及び2位の最高売上記録を達成した史上最強の2位シングル。なお記録上は宇多田ヒカル『Automatic/time will tell』が最高2位で200万枚を越えているのでこっちが2位の最高売上じゃないかということになるが、当時のO社は8cm盤と12cm盤を別集計しており、2位だったのは12cm盤のみである。合算した売上が200万枚を越えているものの2種別々では今作に及ばない。また合算していた場合は1週だけ1位を取れていた週が生じていて、最高2位で200万越えという事にはならないため、『Automatic/time will tell』は参考記録的な扱いとなっているようだ。
プラチナムレコードからリリースされたのはこの2シングルが最後となり、続くアルバム『pure soul』では事務所運営のアンリミテッドレコードへと変わった。流通がポリドールなのは変わっていないため品番もそのままで、よく見るとレーベルのロゴや表記が変わっているくらいしか違いはなく、移籍したといちいち発表されるようなことも無かった。ただしこの移籍によってプラチナムレコードのプロデューサーとしてアルバムで毎回表記されていたYOSHIKIの名前は完全に消え去っ
SOUL LOVE
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
爽やかな雰囲気のロックナンバー。春の曲だが初夏くらいの陽気のイメージ。最初に聞いた時により売れ線っぽいのはこっちでダントツだろうと思っていたので終始こっちの方が離されるチャート推移になったのは意外だった。分かりやすい親しみやすさもあるが、それ以上に凄く和気あいあいとしたイメージがあるのはPVがGLAYの仲の良さをそのまま映し出したような内容だったからだろうか。この時期は特にHISASHIとJIROがツンツンヘアーで怖そうなヴィジュアルイメージでカッコよさを前面に出していただけに親しみやすさを見せたのはけっこう大きかったようにも思う。
『pure soul』に収録されているバージョンは2分35秒辺り(間奏ギターソロが始まる部分)に入っているTERUのウォウォーウウォー♪というボーカルが削除されているという違いがある。後のベスト盤では『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』にのみこのアルバムミックスが採用されているがそれ以外のベスト盤ではシングルバージョン。『pure soul Anthology』のRemix & Remastering 2018でもウォウォーウウォー♪を残してのリミックスとなっている。
しかし明らかに今作の方が黄緑、「誘惑」が黒のイメージだと思うんだけどジャケットカラーが逆なのは明らかに意図的に入れ替えているよなぁ…。
★★★★☆
4thアルバム『pure soul』(表記は無いがアルバムミックス)
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』(表記は無いが『pure soul』Ver.)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『pure soul Anthology』Ver.)
C/W アイ
作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&佐久間正英
3曲目となるHISASHI曲。シングル2枚同時4曲でJIROの曲だけ採用されなかった事になるが、JIROの曲はアルバムに収録され、TERUとHISASHIの曲は逆にアルバムに入らなかった。今回も前作同様にデジタル色が強めで近未来っぽさが漂う。ただ『rare collectives vol.2』でこの時期のHISASHI曲が並べられた中ではこの後さらに実験オンリーになる事もあってか、今作は割と普通にギター中心のロックナンバーっぽくも聞こえた。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
YOU MAY DREAM
From 4thアルバム『pure soul』
アルバム1曲目。スタジアムロック、アリーナロック的な大会場のライブのオープニングが見えてくるような爽快な1曲。アルバム1曲目は前々作、前作でどんどん飛躍してきた感があったが、ストレートに今作で登り詰めたように思う。今作はホールで一糸乱れずに観客が手を振っている様子よりもアリーナやそれこそ20万人ライブのような音の到達に時間差が生じる超規模の大会場で自動でウェーブのように観客が“揺れて”いるのが絵になる。
★★★★☆
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
pure soul
From 4thアルバム『pure soul』
「軌跡の果て」と同系統のTAKUROの心情吐露系。アレンジや構成は相当考えたらしく、重くなりすぎず、しかし明るくもなりすぎない程よい聴感の大作に仕上がっていて絶妙。この時期だからこのさじ加減で作れたように思うし、もう少し後だったら時代的にもストリングスで雄大に仕上げてもっと間延びした大作になっていたような気がする。
歌い出しから”何不自由のない暮しだな だけど何か満たされぬ”と20代半ばにして成功者となったTAKUROの飾らない素直な言葉から始まるが、遠くへ行ってしまったとか庶民の感覚とかけ離れてしまったという距離感よりも全体に素直さ、文字通りのピュアなソウルを感じられるのは歌詞全体には率直に誠実に思いを吐露しているような内容で誰もの心に響く部分がちゃんとあるのと何よりこれをTERUが歌うからという不思議な力はあるのかもしれない。
まあ発売当時は中学2年生だったのでさすがに今作は良く分からず、曲自体はまあまあいいけどこの曲で泣けるとか歌詞が素晴らしいという印象は無く、それで盛り上がっている友人もいなかったが(いたら逆に怖ぇ…人生2周目以降だろ…)、そんな当時の友人たちがもう何をしているのかも分からないくらい別々の道を進んでいった当時のメンバーと同世代以降になって分かるようになってきた。それでも改めて20代半ばでこの歌詞に至れるのは凄い。
★★★★☆
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES』
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
I’m in Love
From 4thアルバム『pure soul』
アルバムの最終曲。かねてからTAKUROがギター1本でキャンプファイヤーを見ながら歌えるような曲をやっていきたいという目標を掲げていた事はあちこちで語られていたので有名だが、まさにそれをそのまま近い形で実現したようなGLAYキャンプファイヤーソングの代表作。火こそ囲んでいないが(スタジオなので)、50人くらい知り合いを集めてみんなで演奏してみんなで大合唱という朗らかさは当時の他のロックバンドとも一線を画していた。曲中では「I’m in Love」ではなく、I’m just in loveが連呼される。
クレジットには30人近くの名前が並んでいる。Anthologyバージョンではイントロに合わせて歌うTERUのボーカルやガヤで聞こえる声にしてもオリジナルとは違う音声を拾っているようでかなり変わった印象。
★★★★☆
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
15th BE WITH YOU
1998年11月25日
前作同様に帯が付属する8センチサイズのジャケットだが今回はプラケースではなく分厚くて固い加工厚紙のような特殊ケース。3曲+カラオケ1曲の4トラック仕様となっているが3曲目の「ストロベリーシェイク~It’s dying It’s not dying」は2曲のメドレー形式となっているため実質4曲+カラオケ1曲。この2曲は『rare collectives vol.1』収録時にはトラック分けされて「ストロベリーシェイク」「It’s dying It’s not dying」1曲ずつ収録された。
アルバム『pure soul』に続いてアンリミテッドレコードになって最初のシングル。前述のようにしれっと変わっていたが委託先が変わっていないので品番も変わっていない。
初動55万と前2作より下げたが2週連続1位となり、2週目の1位の際にはZARDの2枚同時発売シングル「GOOD DAY」「新しいドア~冬のひまわり~」を初登場2位3位に追いやった。8週連続トップ10入りして17週ランクインで初動から2倍以上伸ばした117.3万枚となりミリオンを突破した。
当時のO社では12月頭から年度切り替えだったため、1999年の年間チャートにフル集計されて年間8位となった。『CDTV』は12月半ば頃まで集計していたので1998年の年間22位となり、1999年の年間72位と分断された。
BE WITH YOU
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
フジテレビ水曜劇場枠ドラマ『タブロイド』主題歌。常盤貴子主演作で視聴率は15%を下回る推移となり、当時の基準ではさほどヒットしなかったようなビミョーな扱いで(VHSでは出たがその後のDVD化もされていない)今作もドラマ主題歌としてヒットしていたというよりはGLAY人気でミリオンに引っ張った感じだった。いきなりのサビ始まりから実にGLAYらしい真心楽曲で、サビの雄大さもまさにTERUが両手を広げているあのイメージそのままで当時は年末に今年最高のシングルが来たな!と思ったんだけどどうも周囲ではそこまで盛り上がっていなかった感じがある。というのも発売から程なくして関東ローカルではあるがもう次の新曲(Winter,again)がJRのCMで流れ始めて次の新曲が凄そうだという待望の流れになっていた(ファンの友人も心待ちにしていた)のと、前述のようにドラマ誰も見てなくて最終回にかけての盛り上がりみたいなのも皆無だったためだろう。
実際のところ、GLAYサイドでもこれまで以上というよりは盤石の1曲程度だったり、過去には及ばない印象だった様子が伺え、2年後のベスト盤『DRIVE』初回特典として付属した公式のライナーノーツ(メンバーではなくライターが1曲ごとに解説している冊子)では何故か今作のところだけ“GLAY真心系楽曲の中では小振りかな?と感じた”などと書かれている始末。一応その後にライブで見たところ“ステージから放たれるこの曲は「HOWEVER」よりも広がりがあった”とフォローしているんだけど、ファーストインパクトが微妙だった事に変わりはなくこれを読んだ時はそういう扱いの曲だったのかと軽くショックだった。
TERUのボーカルの力でスケールのデカい壮大な曲のように感じていたんだけど、実際アレンジはけっこう抑えめ。メロディーを生かすというよりは本当になんかあんまり演奏がグッと突き抜けてこない感じはあってそういう部分で何気にかなり王道をハズした方向性でアレンジされている。小振り扱いされたのも分からなくはない。
正解が無い曲だったのかは不明だがバージョン違い最多曲でもある。
『HEAVY GAUGE』では演奏ごとリテイクされている。最も分かりやすい違いは2番サビの最後の”守りたいと思うよ”の伸ばし方で、思うよ~~うぉ~♪だったシングルに対してアルバムでは思うよオオオ⤴オオオ!!!!!と無理な高音まで引き上げて絶叫気味に歌唱。
『DRIVE-GLAY complete BEST-』収録時は何も書かれていないが何故か終盤のサビの音程が変わっていて、ボーカルとコーラスを別テイクに差し替えているとされる。
『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』は今度こそシングルバージョンと思いきやサビ始まりのド頭にTERUが息を吸うブレス音が新たに追加された。それ以外はシングルバージョンと同じ。なお冒頭のブレス音は『HEAVY GAUGE』『DRIVE-GLAY complete BEST-』のバージョンにも入っている。ブレス音が入っていないのはシングルバージョンのみである。
という事でシングルバージョンは『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』が初収録でこれにしか収録されていない。
『HEAVY GAUGE Anthology』ではアルバムバージョンのリミックスのほか、デモがまさかの3音源、さらにBlu-rayには本編全曲のGLAY Ver.というラフテイクみたいな別音源も入っている。デモはともかくアレンジ自体はほとんど全部同じなので細かいこだわりで正解が見えない曲だったのだろうか。
★★★★☆
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(album version)
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』(ボーカルが別テイク)
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』(冒頭ブレス音追加)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo 2)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo 3)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『HEAVY GAUGE Anthology』Ver.)
C/W 毒ロック
作詞:HISASHI、作曲:TAKURO、編曲:GLAY
HISASHIが作詞だけという珍しいパターンで、作詞だけなので『rare collectives vol.2』のHISASHI枠ではなく『rare collectives vol.1』の通常枠で扱われている。今作は最初から独立していたが、イントロ部分に「It’s dying It’s not dying」の合唱サビが挿入されていてエンディングは「ストロベリーシェイク」へと繋がっているので実際には3曲の連作形式となっている。3曲とも2分台の短さだが今作が1番短い。
曲自体は割と普通のロックナンバーだが実験曲というか率直にいわゆる捨て曲的な未完成さはある。歌詞はHISASHIらしい独特のサイバー感溢れる言葉遣い。後年ゾンビなシングル曲を発表したHISASHIだがこの頃からある意味変わってないのかもしれない。
★★☆☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
C/W ストロベリーシェイク~It’s dying It’s not dying
作詞作曲:JIRO、編曲:GLAY(ストロベリーシェイク)
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY(It’s dying It’s not dying)
シングルでは1トラックに収録されている。『rare collectives vol.1』収録時は別々に分離された。何故か『HEAVY GAUGE Anthology』では「ストロベリーシェイク」のみとなってしまい、「It’s dying It’s not dying」はカットされた。一方でDISC-2では「毒ロック Demo」がタイトルに反して「毒ロック」のデモ音源に続いて「ストロベリーシェイク~It’s dying It’s not dying」も一緒に収録されているという実質「毒ロック~ストロベリーシェイク~It’s dying It’s not dying Demo」と表記すべき音源になっている。
2曲は全くの別曲で「ストロベリーシェイク」ではJIRO単独ボーカルという唯一の曲。短いわりになかなか歌が始まらずインストが続く上に、ようやく始まっても最初は声もこもり気味に加工されていて良く分からないカッコつけ歌唱のまま盛り上がり切らずに終わっていくなど「毒ロック」同様に未完成デモっぽく実験臭が強い。
「It’s dying It’s not dying」は宗教っぽい怖い雰囲気の合唱風ナンバー。うぃーりーびんゆぅにばぁす♪をお経のように繰り返しながら終わっていくのがなんだか怖い。この曲の印象が強すぎて“『BE WITH YOU』のC/Wは宗教みたいで怖い変なメドレー実験曲が入っていた”という印象が根強く残っていた。改めて聞くと怖い印象は100%「It’s dying It’s not dying」それもうぃーりーびんゆぅにばぁす♪のフレーズ1発で全て持っていっていたんだな…。
★★☆☆☆
★★☆☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(「ストロベリーシェイク」単独)
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(「It’s dying It’s not dying」単独)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(「ストロベリーシェイク」単独/Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(「毒ロック Demo」内に2曲のメドレーデモも収録)
16th Winter,again
1999年2月3日
前作に続いて帯付の分厚い厚紙のような特殊ケース。開いた際のCD収納部が前作は右中央だったのに対して今作は左下に変わっている。
Mr.Children「名もなき詩」に続く当時歴代2位(2010年代にAKB48が軒並み塗り替え)の初動90万枚越えを達成。前作が初動55万からミリオン突破だったのもあり、前評判の高さからも累計では200万枚突破の最高売上シングルになる事が期待されていたが、発売を引っ張りすぎてすぐに冬が終わってしまったのが響いたのか最高売上は達成したが「誘惑」をかろうじて越える164.3万枚に留まった。あれ思ったより…?という感じで、同時期の宇多田ヒカルの大ヒット、「だんご3兄弟」の大ヒットが遥かに上を行ってしまったのも重なって失速感があった。
1999年のO社年間2位(宇多田ヒカルが8㎝、12㎝別集計だったが合算されると3位相当)。前作の8位と合わせて年間トップ10に2作ランクインとなった。『CDTV』では年間4位と後退しているが、「だんご3兄弟」が1位では年間ランキング特番で流す映像もビミョーで締まらないためなのか、何故か宇多田ヒカルを1位にして「だんご3兄弟」を2位、そして何故かO社では3位の浜崎あゆみより下だった坂本龍一「ウラBTTB」が3位で浜崎は6位まで後退させられるなど例年に増してO社と『CDTV』で順位の入れ替えが激しく生じていたので何だか変だなと思った記憶(年末年始の区切りが違うので年末年始付近に出たシングルの位置が大きくずれるのは当然だったが、ほぼ売上確定している曲たちが入れ替わりすぎ)。
今作まで5作連続ミリオン、最高売上となった今作でシングル売上はピークに達した。
Winter,again
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
JR東日本「JR SKI SKI」CMソング。北海道の冬の寒さを表現したような冬の名曲。いきなり一面雪景色が見えるイントロから秀逸。サビが二段階みたいになっている構成も素晴らしかった。確か1998年末からかかっていたように思うが、発売前から凄い名曲が来る、GLAY最大のヒット曲になるのは間違いないだろうという空気があった。大体CMソングで期待が高まっている曲ってフルで聞いてみたらそうでもなかったって事もあるんだけど今作は期待通りどころか期待以上の名曲だった。1月半ばくらいに出せばもっと売れたと思うんだけど、2月になってからではランクインするのは2月半ばだし、ちょっとしたらもう卒業ソングの季節になってしまって旬が過ぎ去ったような感覚もあってやはり発売引っ張りすぎたんじゃないかなと。
PVが途中で変わったのも思い出深い。当初OAされていた雪原のTERUドアップPVの方がたぶん覚えている人多いと思うんだけど、チャートから落ち始めた頃にはスタジオで歌っているPVに変わっていた。ファンの友人曰く“寒い中みんなで頑張ったのにTERUしか映ってないのでケンカになって差し替えになった”というような話をTVで語っていたらしいが、インターネットが無い時代らしく、色々と尾ひれがついて“吹雪でカメラが壊れてTERUのアップのままになっていた”など怪情報が周囲で飛び交っていた。実際にはアップから徐々に遠ざかっていく構成で、序盤はせっかくの雪景色もほとんど見えないような異常なTERUドアップが延々続くのでカメラ壊れた?と思う異常なカメラワークではある。徐々に遠くなっていくんだけど、TERUの顔全体になるまででも1番丸々かかるほど遅く、2番でようやくTERUの顔の横にメンバーが映りこんでいき、一気に全景が映るのは最後のサビになってから。いくらなんでも全景になるまで遅すぎるし、カメラ壊れてたなんて怪情報も出回るわ…。
『HEAVY GAUGE』ではブックレットやパッケージは無表記で発売当時に貼られていたシールには曲名の横にalbum version表記があったが(『HEAVY GAUGE Anthology』ブックレットにはこのシールの写真も掲載されている)、今作にはalbum version表記が無かった。しかし今作もアルバムバージョンになっておりボーカルテイクが異なる(演奏は同じ)。2番の”愛はあの日から動けないと“が”愛はあの日から動けない”に変わっており、“と”をカット。1音空いたので伸ばして”愛はあの日から動けなぁい“と歌っている。
この“と”の有無はよく言われている部分だが、2番Bメロの“遠くを見つめてた”、ラストサビ前Bメロの“雪が積もる頃に”の2ヶ所がシングルでは1番Bメロの同じ部分”雪が積もる頃に”とは異なる上げるメロディーに変えていたのに対して、アルバムバージョンでは全て1番のBメロと同じメロディーになっているという違いもある。
『HEAVY GAUGE Anthology』ではアルバムバージョンがリミックスされているが、『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』ではTERU SELECTに収録されたためシングルバージョンでの収録。
★★★★★
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(表記は無いがalbum version)
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
ミニアルバム『Hope and The Silver Sunrise』(inspired by Hope and The Silver Sunrise)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT
C/W Young oh! oh!
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
佐久間正英も多忙で時間が無かったのかは不明だが前作C/Wに続いて今回もC/W2曲はGLAY単独編曲となっている。
佐久間さんはいつも音を整理整頓する役割を担っていたのかなと思うくらいややがしゃついた感じの荒々しいバンドサウンドになっていて、ノリもなんだか若々しくて楽しそう。アマチュア時代に戻ったみたいな感覚もあったのだろうか。そのまま“若さだね 若さだね”とか歌ってるし、20代後半にして今一度あの頃の感覚に立ち戻っているような感覚もある。
唯一のアルバム収録機会となった『rare collectives vol.2』では収録時間に大幅な余裕があったにも関わらず何故かアウトロ部分が1分近くバッサリカットされてフェードアウトになってしまう。元は4分半だったのが3分半程度にまで短縮されているがそもそも2分半程度でボーカルの出番が終わってからは特に意味もなく延々とガシャガシャ演奏しているだけなので、短縮しても1分近くは延々演奏していてこれでもけっこう長い。シングルのは長すぎると冷静になって削ってしまったのだろうか。しかし『HEAVY GAUGE Anthology』ではシングルバージョン準拠に戻っている。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』(アウトロ大幅カット)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
C/W HELLO MY LIFE
作詞:TAKURO&TERU、作曲:TAKURO、編曲:GLAY
「Winter,again」の季節を越えて春が来る…みたいな穏やかで優しい雰囲気の楽曲。C/Wの隠れた良曲的ポジションだし、圧倒的名曲「Winter,again」を筆頭としたC/W2曲を合わせて3曲のバランスがとてもよく出来たシングルになったと思う。どこかビートルズ的なオールドスタイルな印象を受けるのは単純にドラムが片方に寄っている(左)せいだろうか。厳密にはシンバル系のチキチキ音は右のみにセパレートしており、ベースや中盤頃から鳴り続けるシャカシャカ音は両方から鳴り、ギターも極端に左右に振れている。アンソロジーでは中央に修正したリミックスになっていて特異性は無くなってしまった。
前作の実験的だったC/Wとは一転して今作はメロディーの良さを軸にしつつ王道的な側面が強く、意識して3曲入りシングルの構成を考えていたようだ。しかし今作は今作で初のセルフアレンジで演奏がガシャガシャ長かったり、今作のように極端に左右に振ったミックスにしたりと実験的でもあって、じっくり聞くと当時気づかなかった面白さがあった。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT
VHS サバイバル
1999年5月19日
CDは付属せずVHSのみのビデオシングル。ビデオシングル自体は過去に存在していてL’Arc~en~Cielはビデオシングル『眠りによせて』がメジャーデビュー作であったが、何故か今作が史上初のビデオシングルかのようにも扱われた。1位を連発している状態のトップミュージシャンがビデオのみでシングルを出したというのが初だったためなのか、O社とそれに準じた『CDTV』等のチャート番組でも特例的にこのビデオシングルはシングルCDチャートで扱われ、VHSチャートと二重ランクイン。通常のシングルCDのような扱いだったので普段ミュージックビデオを買わないリスナーもシングルCD感覚で購入する事となり、歴代ミュージックビデオ最高売上を記録した。初動57万から累計89.6万枚とさすがにミリオン連発のシングルCDよりは売上が落ちた…かに思われたが次回作以降を思うと遜色ない売上となった。
今作のヒットを見てビデオシングルって売れるんじゃね?と思ったのかは不明だが、モーニング娘。は8月にリリースした「LOVEマシーン」が大ヒットした直後にすかさずPVを収録したビデオシングル『ザ・ビデオ LOVEマシーン』を発売、これも大ヒットしたがそちらがシングルチャートで加算される事は無かった(以降シングルごとにPVを収録したビデオ(その後DVDへ変更)をリリースするのが慣例となり、シングルにDVDが付属するようになってもシングルには別バージョンを入れて本PVは別売りする形でシングルDVDの発売を2012年まで継続していた)。その後もEE JUMPがVHS付シングルCDを発売するという動きはあったが、2000年になるとVHSからDVDへの切り替えが本格的に進んでいき、2001年以降シングルCDにDVD付属というパターンが急速に浸透した。
アニメーション仕様のミュージックビデオ2-7-D ANIMATION VERSIONと先行して披露していた3月10日の東京ドーム公演でのライブ映像の2バージョンで収録。
既にチラホラDVDも出始めていたが本格普及前の時期(2000年3月のPlayStation 2にDVD再生機能が搭載されて一気に広がった)で、VHSのみのまま今作自体はDVD化されていない。MV集『VIDEO GLAY』シリーズにも未収録だったため2-7-D ANIMATION VERSIONは一時期視聴困難となっていたが2009年の『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』初回盤AのMV集で初DVD化となった。ライブ映像はそもそも先行収録だったので7月に『DOME TOUR pure soul 1999 LIVE IN BIG EGG』としてVHSで発売、2003年にDVD化されている。しかし”ポケモン騒動”で問題になった激しい光の点滅があったため再編集が施されており、オリジナルの編集はVHSのまま封印されたようだ。
サバイバル
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
アニメーション仕様のミュージックビデオ2-7-D ANIMATION VERSIONが一応当時のビデオシングル1曲目ということになるんだけど、このバージョンはオリジナル音源を加工したものでイントロとアウトロはアニメのSEがメインになっていてかなり加工されているほか、曲中でも台詞こそないが随時アニメのSEが混ざっている(シュイインとかシャリーンとかパリーンとかキラキラ音とか水溜りの音とか)。加工無しのオリジナル音源は『DRIVE』収録まで未発売のままで、恐らくラジオなどでOAされていたプロモーション用の音源しか無かったのではないか。当時『CDTV』のランキングでかかっていたのは2-7-D ANIMATION VERSIONSEでよく流れていたサビ部分の女子高生がなんか驚いているっぽい部分でも思いっきりシャリーンというSEが混ざっていた。このアニメーションMV、誰も解説してくれないので正直誰もどういう内容なのか分かってなかった。購入した友人もたぶん良く分からなかったので語りようがなかったようで、ほとんど話題になった記憶がない。冒頭で謎の球体エネルギーの中に主人公の女子高生が入っていて、曲が始まると日々を過ごす今時女子高生がふいに自身を見失っている事に気づき街を彷徨い、幼少期の記憶から自身を取り戻して超人に覚醒する…みたいな超展開の内容。なんか宇宙人か何かに作られた人工生命体が自身を人工生命体と知らずに普通に生活していたけど自分が人間ではない事に気づいて絶望のち覚醒して超人になる(結末は同じ)とも最初は思ったんだけど、意図としては現代社会を揶揄した表現だったのかな。誰も解説してくれていないので見る者に解釈を委ねる系といえる。いわゆるセカイ系?みたいないかにも世紀末全開なSFになっているので確かに良く分からん。
爽快で比較的ポップな印象もあるロックナンバー。自分探し的なブームと世紀末の混沌とした世相、特に1999年7月に世界が滅びるというノストラダムスの大予言がブームとなり、いよいよその時を迎えるという当時の空気感を反映させたようなまさに1999年という時代を生き抜いていこうとする歌詞とサビのまくし立てるような勢いが圧巻。TERUは発音がハッキリとしたタイプではなく普段から活舌が悪くて何を歌っているのか分からないと言われがちだったが、さらに早口なこの曲では普段以上に何言ってるのか分からないとも言われていた。
当時はなんか期待と違う曲だなというのとビデオシングルなせいでちゃんと聞けなかったのもあってあまりいい印象の無い曲だったんだけど、意外と耐用年数が長い曲だったのか段々好きな曲になっていった。適度にロックだが抜群のキャッチーさも感じられるGLAY黄金期のこの時にしか出せない勢いのある1曲だったのかなと思う。
オリジナルバージョンは意外とデジタルな音色も混ざっていてその辺りも混沌としている。当時の周囲での評判は「誘惑」ほどではなく、そもそもビデオなのでレンタル派が入手できなかった事もあり、シングルとしてはやや影が薄かった。
『HEAVY GAUGE』では「SURVIVAL」に改題されて全面的にリメイクされている。CD化されたのはこの音源が最初なので、こっちのバージョンの方が馴染みがある当時のファンは多いのかもしれない。分かりやすい変更は2番サビ前の”生きた”の後にオーイエーが新たに加わっている部分、そして最も有名なのは2番サビの”放れんだ”を”はなれんだ”と間違えていた部分が“ほうれんだ”に修正されている点だろう。全体にロックバンド色を強調してワイルドになった印象で、普通にこっちのバージョンの方が完成度が高いと思う。
オリジナルバージョン「サバイバル」は翌2000年のベスト盤『DRIVE-GLAY complete BEST-』で初CD化となった。前述のように2-7-D ANIMATION VERSIONではアニメ加工されまくっていたので加工無しのスタジオ音源初収録・初CD化であり、1年半近く経ってようやくまともにオリジナルが聞けるるようになった。現在は『THE GREAT VACATION VOL.2』でも同様にオリジナルを聞く事が出来る。
『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECTでは何故か「サバイバル」表記でシングルのエンジニアがクレジットされているが、誤植。実際に収録されているのは「SURVIVAL」HEAVY GAUGE Anthologyバージョンである。
★★★★☆
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(「SURVIVAL」に改題したalbum version)
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(「SURVIVAL」Remix&Remastering 2019)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(「サバイバル」表記だが実際は「SURVIVAL」『HEAVY GAUGE Anthology』Ver.)
サバイバル(LIVE VERSION ‘99.3.10 TOKYO DOME)
作詞作曲:TAKURO、編曲:佐久間正英&GLAY
発売に先駆けて3月10日の東京ドーム公演で演奏されていたライブ映像で7月7日発売のライブビデオ『GLAY DOME TOUR“pure soul”1999 LIVE IN BIG EGG』からの先行収録。
アニメーションと違ってメンバーが出ていて変な加工も無いので、当時はこっちをメインで再生していたファンの方が多かったんじゃないだろうか。映像自体は確か友人に借りて1回くらいは見たような気がするがあまり覚えてない。音源としては律儀にC/W扱いとして『rare collectives vol.1』のライブ音源等を集めたDISC-2に収録されたので現在はお手軽にCD/配信で音源のみを聞く事が可能。YouTubeで公開されているのはこの後の20万人ライブ(7月)のライブ映像で、この3月10日ドーム公演のライブ映像とは異なる。
5月発売のシングルに向けてスタジオレコーディングとこのライブとどっちが先なのかは分からないが、スタジオ音源同様にこのライブでもTERUは”放れんだ”を”はなれんだ”と間違えて歌唱しているので、誰も間違いを指摘していなかったっぽい。ただ2番サビ前の”生きた”の後のオーイエーは既にやっている。
また同じ1999年でもこの映像ではなく、この後の20万人ライブの映像は現在お手軽に視聴可能だが、1999年7月31日の20万人ライブ時点でもまだ”はなれんだ”で歌唱しているのが確認できる。「SURVIVAL」で歌い直してから改めたのかな。
★★★★☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』
17th ここではない、どこかへ
1999年8月25日
ビデオシングルから3ヵ月ぶりだがシングルCDとしては半年ぶりで最後の8センチCD。『誘惑』『SOUL LOVE』から特注の特殊ケースが続いていた中で久々に紙にプラトレイという通常の8センチパッケージとなったが、2面折り畳まれており、裏ジャケと合わせて4面使ってメンバー4人がポーズ決めているという仕掛けのワイドなジャケ写となっている特殊仕様であった。
初動58万枚を記録して『BE WITH YOU』を数万上回る上々の滑り出しで5週トップ10入りしてここまでで88万。やや伸び悩みつつももう少し粘ればミリオンは不可能ではなかったが、ドラマが終わりアルバム発売が迫る中で11~20位をすっ飛ばす急落で一気に10週で100位圏外となったため、残り5週で4万しか上乗せできずに92.1万枚。CDとしても連続ミリオンが途絶えた。月9主題歌タイアップでの伸び悩みミリオン割れはGLAY人気のピークアウトを一気に感じさせる結果となり当時のチャートファンの間ではなかなか衝撃的な出来事であった。
ここではない、どこかへ
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
フジテレビ月9ドラマ『パーフェクト・ラブ!』主題歌。福山雅治主演(相手役は木村佳乃)で福山雅治は吉川忠英、服部隆之と共に音楽を担当し、サントラも2作リリースされ、劇中歌として自身は歌わずに複数の新人に曲提供していた。その中の1曲松本英子「Squall」は9月8日に発売されてロングヒットし、年末には自身のセルフカバーバージョンも『HEAVEN/Squall』両A面シングルとして大ヒット。音楽面でも福山色の強いドラマで当然主題歌も福山雅治になりそうなところで何故に主題歌GLAYという浮いた状態であった。月9主題歌でミリオン割れというここまでのGLAYにしては伸び悩んだ事もあって、売上では圧倒したものの松本英子「Squall」の方がドラマからのヒットとして印象に残るような状態だった。どうもGLAYのドラマ主題歌ってドラマがコケて曲だけ1人歩きしたり、なかなかフィットしない。ドラマは初回でも20%には届かず、最終回に向けても全く視聴率が上がらないままジリ貧してきて終わるという顛末だった。何故か8月4日にいち早くサントラ盤『Rendezvous 1』『Rendezvous 2』がリリースされるも、ドラマも終盤に差し掛かった25日に主題歌である今作、前述のように「Squall」は9月8日…と主題歌/挿入歌の発売はやや後ろにずれこんでいた。一応最終回サブタイトルは「ここでない何処へ」で少し主題歌に寄せてくれてはいたが…。
ここではないどこか、そこに何かあるんじゃないかとなんだか憧れてしまうものだがそんなものは実際には無かったりもする。そんなほろ苦い感傷も含んだようなGLAY青春期、絶頂期が終わりつつあるのを感じるような1曲にもなった。いい曲なんだけどこれまでほどの勢いがなく、メロディーとアレンジがどこか煮え切らない印象。ブレイク以降のシングルでよくやっていた最後のサビで高音炸裂(別名カラオケ殺し)という定番必殺を今作では使っていないし、ゆったりした曲じゃないのにな~んか妙に長くて5分50秒近くもあるせいだろうか。
当時周囲でもどこかイマヒトツな評判で、これまでの曲よりは無理な高音が無いのにみんなカラオケではあまり歌わなかった記憶がある。中学3年生当時、“無邪気な季節は過ぎ今誰もが戦士達”という歌詞が受験勉強に向けてしっくりきて、ここではないどこかへ行きたくなる心情がちょっと理解できたのを記憶している。大人になるにつれてより実感するようになったというか、“そんな仲間と別の途につく”とか“子供のままでは生きてゆけない”とか当時も少し分かってきていたつもりだったけど真の意味で刺さってきたのは学生時代の終盤だった。
『DRIVE』に収録されなかった事でやや影が薄くなった感があり、2009年の『THE GREAT VACATION VOL.2』まで10年シングルバージョンはアルバム未収録のままとなった(このため当時レンタル→カセット録音だったこのシングルは『DRIVE』発売以降に真っ先に補完のために近所に出来たばかりのBOOK OFFでシングル盤を入手)。
『DRIVE』の投票では19位で公表されている上位20位以内に入っていたが収録されなかったので、当時ファンの友人からはこの曲はTAKUROが好きじゃなかったから入れなかったらしいと教えてくれたが真偽は不明。実際には18位の「May Fair」、20位の「RAIN」も外されており、要するに1~17位までは無条件で全曲収録され、残りの7曲のうち「口唇」「グロリアス」「a Boy~ずっと忘れない~」「HAPPY SWING」「彼女の“Modern…”」「ビリビリクラッシュメン」の6曲は上位20位以内ではないが選出、これに投票時発表前の新曲「Missing You」を加えた全24曲となっているのが内訳であった。無条件収録枠は逃していた事になる。
『HEAVY GAUGE』のalbum versionは他のシングルに比べると微妙なミックス違いなのでやや分かりにくいが、最後のサビ前の”愛を語れない~”の部分でジャンジャカ鳴っていたアコースティックギターの演奏が消えているというのが1番分かりやすい部分だと思う。
★★★★☆
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(album version)
18thシングル『HAPPINESS-WINTER MIX-』C/W(GLAY EXPO’99 SURVIVAL LIVE VERSION)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
C/W summer FM
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
1996年からbayfmでやっているTERUのレギュラーラジオ番組『TERU ME NIGHT GLAY』開始5年目を記念して制作された楽曲。歌詞の舞台がbayfm(千葉)周辺となっているほか、締めには“聞くならテルミーSWEET FM”とかなり番組テーマ曲ギリギリのようなフレーズもぶち込まれている。まさに夏のラジオといった感じなので、真夏に海に向かってドライブしながら聞きたくなるような1曲。実験的な曲も多くなってきていたC/Wの中でも『HEAVY GAUGE』に収録された事もあって一際存在感がある。表題曲が無難な評判だったのもあって発売当時周囲での評判も良かったように記憶している。
『HEAVY GAUGE』ではエンディング部分にピアノの伴奏が加えられている。しかし『HEAVY GAUGE Anthology』では聞こえ始めた瞬間にフェードアウトしてしまいほとんど聞けなくなってしまった。代わりにDISC-2に「HAPPINESS SE Demo」と題してこのピアノ演奏部分のみをフルサイズで収録している。元々「summer FM」とは全く関係ないピアノ演奏でなんだこれ…とは思ってたけど「HAPPINESS」のアレンジ演奏だったのこれ…?冒頭部分は確かに「HAPPINESS」っぽいか。
★★★★☆
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(album version)
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(アウトロのSEを何故か「HAPPINESS SE Demo」と表記)
HEAVY GAUGE
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 5thアルバム『HEAVY GAUGE』
アルバム『HEAVY GAUGE』タイトルチューンにしてGLAYが新たな局面に達している事が良く分かるアルバム1曲目。これまでになくやや重めな曲だが、絶頂期を迎えて巨大になりすぎたGLAYという存在を的確に表現したようなスケール感が印象的。また1999年、どん詰まりの1900年代の終わり、世界は滅びなかったけどなんだろうこの終末感…っていう世紀末特有の社会も反映されているような。重めのギターと絡み合うストリングスが絶妙。
一方で『HEAVY GAUGE Anthology』でのリミックスが最もしっくり来ない曲の1つで、なんだかストリングスだけ大袈裟になってバランスがおかしくなってしまった上に特に意味もなく音の定位まで変えているんだけど意図があってこうしたというよりも何か変えなきゃなーと適当にいじった感じがしてしまってどうもなぁ…。
★★★★☆
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
18th HAPPINESS-WINTER MIX-
2000年1月1日
初のマキシシングル。ミックス変更でのシングルカットとライブ音源2曲と表題曲カラオケを収録した新曲ゼロのシングルとなった。当時上映されたドキュメントムービー『GLAY pure soul “MOVIE”~ここではない、どこかへ』の予告編ダイジェストがCD-EXTRAとして収録されている。Windows98の時代の代物なので現在動作するかは不明(当時レンタルしてきたCDをWindows 98のPCに入れたら映像が流れてきてウオオスゲェェェ!!!って友人と騒いだ記憶がある)。
新曲無しのシングルという不利な状況でも同じく元旦発売だったEvery Little Thing『Pray/Get Into A Groove』を10万上回り1位となった。しかしさすがに伸び悩みトップ10は3週、100位以内9週ランクインで累計売上はここ最近初動だけで突破していた50万枚に届かなかった。
HAPPINESS-WINTER MIX-
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
『HEAVY GAUGE』からのシングルカット。当時の録音ミックスエンジニアMichael Zimmerlingが気に入っていて頼んでいないのに別ミックスを制作しており、冬っぽくてなんかピッタリだったという理由で決まったとされている。
ゴスペル風のコーラスが導入されたピアノが印象的な大バラードナンバー。確かにアルバム曲のままにはもったいないシングル級の1曲だった。ピアノ伴奏が目立つのもあって、ピアノはサポートではなくPVやTV出演時はTAKUROがピアノを演奏していた。一方でWINTER MIXってどこが違うの?というのが当時周囲でも話題になっており、誰も何が違うのか分からないで途方に暮れるっていう…。ファンの友人はコーラスが違うらしいとか、メンバーでもどこが違うのか分からないらしいとか色々と出所不明ないくつかの怪情報を仕入れていたが分からないものは分からないのであった。当時レンタル→カセット録音だったのでこれで微細な違いを聞き分けるのはどっちみち無理めだったっぽいけど…。今改めて聞いてもマジでとっかかりすら不明で全く分からんぞコレ…。
同年『DRIVE-GLAY complete BEST-』には原曲で収録され、この時は無条件収録ギリギリの17位で滑り込みを果たした。しかし以降やたらと不遇で2005年の『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』という冬発売のシングル縛りのバラードベストという誰もが今作を思い浮かべたような作品にまさかのスルーから本格不遇が始まった。『THE GREAT VACATION VOL.2』で機械的に収録されたのがWINTER MIXでの初にして唯一のアルバム収録。2014年の20周年企画で『MUSIC LIFE』の豪華盤にファン投票で選出したバラードベスト『BALLADE BEST☆MELODIES』では選曲されず、公式通販G-DIRECT限定盤でメンバーがセレクトした『BALLADE BEST☆MEMORIES』にも当たり前のように選曲されず、『HEAVY GAUGE Anthology』のBlu-rayの2019年最新メンバー個別インタビューでは曲の存在こそさすがに覚えていたもののHISASHIはシングルカットした事をすっかり忘れていてシングルになったと聞いて軽く驚いている始末で(HISASHIさんどのシングルが『HEAVY GAUGE』に収録されているかも全く分かってない様子でへぇこれも入っているんだとかいちいち驚いているのでそもそもアルバム聞き返すとか全くしてなさそうではあった…『HEAVY GAUGE Anthology』のコメント撮影なのに何が入っているのかも確認せず空っぽでインタビューに応じるHISASHIもこんなMAZUI!MAZUI!カナリMAZUI!様子を編集せずにそのまま収録してしまうスタッフも正直どうなのかと思わなくもな)、『REVIEWⅡ』でも4人全員誰1人選曲しなかった…。いやどうしてこんな忘れられたような存在になってしまったんだコレ。バラードシングルの中ではかなり強い存在感の名曲だと思うんだけどなぁ…。
★★★★☆
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(原曲)
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』(原曲)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』(WINTER MIX)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Remix&Remastering 2019)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(SE Demo)(「summer FM」アウトロSE)
アンソロジー『HEAVY GAUGE Anthology』(Demo)
C/W MISERY(GLAY EXPO’99 SURVIVAL LIVE VERSION)
作詞作曲:hide、編曲:GLAY
X JAPAN解散前1996年hideのソロ5thシングルとして発表していた曲のカバー。1998年5月2日にhideが亡くなり、1999年5月1日にリリースされたトリビュートアルバム『hide TRIBUTE SPIRITS』にGLAYは今作で参加。その後1999年7月31日の通称20万人ライブで演奏したのが今作収録のライブバージョン。X JAPAN解散前のシングルも全て20~25万程度の安定したヒットを記録していたんだけど個人的には全く知らなくてhideの存在を知ったのは解散後の1998年hide with Spread Beaverとなって発表した「ROCKET DIVE」がロングヒットになっていた時。5月に亡くなってさらにロングヒットして「ピンクスパイダー」「ever free」が大ヒットしたのは手に取ってないのにほぼフルで把握したくらいよく覚えているんだけど、それ以前のこの曲は全く知らなかった。そもそもGLAYは何をカバーしてもTERUが歌えばGLAYの曲になってしまうという特性があるのでGLAYのロックナンバーだなぁっていう。
『rare collectives vol.1』ではDISC-2に『hide TRIBUTE SPIRITS』収録のスタジオ音源とこのライブバージョンが連続して収録されている。
★★★☆☆
トリビュート盤『hide TRIBUTE SPIRITS』(スタジオ音源)
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(GLAY EXPO’99 SURVIVAL LIVE VERSION)
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(スタジオ音源)
C/W ここではない、どこかへ(GLAY EXPO’99 SURVIVAL LIVE VERSION)
作詞作曲:TAKURO、編曲:佐久間正英&GLAY
前作シングルのライブバージョン。これも1999年7月31日の通称20万人ライブの音源。よってドラマで流れてはいたがシングル発売前の先行披露という事になる。程なくしてこの曲はライブのセットリストから消え去ってしまったようなのでこの曲のライブ音源が残されているというのは何気に貴重だ。まあ確かにライブだと選びにくいかもなぁ。たぶん割とみんな好きではあるんだけど盛り上がらないし、選曲を担うJIROもいい曲だけど選びにくいような事言ってたし。。
★★★★☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』
19th MERMAID
2000年7月19日
半年ぶりのシングルだが前作に新曲が無かったので新曲は『HEAVY GAUGE』以来9ヵ月ぶり(新曲シングルだと11ヶ月ぶり)となる待望の新作。今作より3作連続でパッケージが統一されており、初回盤はロング紙BOXケース仕様。中に通常のマキシサイズのデジパック(歌詞が直接印字された厚めの紙ケース+プラトレイ)が封入されている仕様でこのデジパック部分のみが通常盤となっていた。当時購入した友人曰く、長いだけで邪魔であり、BOXの空白部分は緩衝材で埋められていたので初回封入特典は緩衝材だとぼやいていた。売上がピークアウトし始め、それまでの感覚で生産された初回盤が供給過多に陥った事もあり、発売数ヶ月経ってもCDショップでは初回盤が余ってしまい邪魔そうに転がされていたのを見た記憶がある。
L’Arc~en~Ciel『STAY AWAY』、サザンオールスターズ『HOTEL PACIFIC』とのチャート対決が話題になり、今作が初動55万で1位、ラルクが50万で2位、サザンが離された30万で3位となり、対決を制した。とはいえGLAY、ラルク共に前年からさらに勢いが落ちてミリオンどころか初動50万枚から80万に引っ張れる力もすでになく、累計は今作77万、ラルク73万となった。一方サザンは2週目以降両者を上回って上位に居座り、最終的に初動20万以上の大差をひっくり返して80万枚を突破した。
しかし2000年7月19日発売シングルで最も売れたのは逆転したはずのサザンオールスターズではなかった。この週、既にシングルでトップ10争いできる勢いも無くなっていた中島みゆき『地上の星/ヘッドライト・テールライト』が初登場15位を記録していた。同作はじわじわと売れ続け、2年後の2002年のNHK紅白歌合戦出演をきっかけに2003年1月についに週間1位を記録した。1位になった時点でもまだ66万枚で3作を下回っていたが、そこから数週で一気にまくり上げて3作を抜き去り、ついにはミリオンセラーにまで到達した。2000年7月19日発売シングルで最も売れたのは『地上の星/ヘッドライト・テールライト』となり、初登場1位、初動50万越え、累計70万台である今作は同日発売シングルで3番目というまさかの結果となっている。
MERMAID
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
ワイルドなロックナンバー。シングルとしては「口唇」「誘惑」の系統のアップテンポなロックナンバーだが、これまで以上にサウンドがワイルドになっていて硬派なイメージ。ラブソングではなく時代を生き抜いていこうとするような(内容的には結局何を歌っているのかは正直良く分からない)社会派っぽい雰囲気を醸し出しているせいだろうか。なおタイトルが「MERMAID」だが本文と全く関係が無い。このタイトルのせいでサビで”カモンオーイエスドライマーメイド”と歌っていたように錯覚するが、実際に聞いてみるとハッキリと“カモンオーイエスドライミーマ”と言っていて、マーメイドへの空耳にもなっていない。歌詞を変更してタイトルを変えなかったためという事ながらも一応寄せようとした感じではあるんだけど…。歌詞は“Drive Me Mad”であり、気が狂いそう(”Drive Me Crazy”とほぼ同じ)というような意味合いで使用されていると思われる。なんとなく意味がありそうではあるけどタイトル「MERMAID」が先にあって歌詞の方を少しでも寄せたのか、「Drive Me Mad」に変えるとなんかしっくりこないのでドライミーマ→ミーマ→マーミー→マーメイ→マーメイド→「MERMAID」という無理やりな思考変換を経てそのままという事にしたのか…。
当時カッコいいんだけどこれまでの名曲に比べるとなぁ…という印象だったが、割と30代以降のGLAY王道のロックナンバーって「口唇」「誘惑」よりも今作といった感じがするし、ロックバンドとしてのカッコよさはより磨かれたようには思う。『ONE LOVE』に回され、精神性においては『ONE LOVE』の作風に合っているが、『ONE LOVE』においてはエンジニアを変えた中で今作はそれより前の制作なので今までと同じMichael Zimmerlingが録音ミックスをしていてそのまま収録しているので、『ONE LOVE』のサウンドの中では今作だけ微妙に何かが違っていたりはする。
今作以降の3シングルのA面4曲の中で『DRIVE』投票の上位20曲には「SPECIAL THANKS」しか入っていなかったが、『REVIEW』の時の「口唇」「HOWEVER」同様に前のオリジナルアルバム以降のシングルという枠で「とまどい」「Missing You」も収録された中で今作のみ収録されなかった。次のアルバムの核になるからというTAKUROの意向だったと当時ファンの友人が教えてくれたが実際にそのような発言があったかは不明。公式に掲載されている当時のTAKUROコメントには順位には入っていたけどリーダーの権限で外したという発言はあるので理由はともかくTAKUROの意向だったのは確実なようだ。(順位には入っていたと言っているが直下に記載されている上位20曲には入っていないなど矛盾はある)。
実際次のアルバム『ONE LOVE』に収録され、この関係で2009年の『THE GREAT VACATION』2作では「とまどい」「SPECIAL THANKS」はVol.2(前半)に回した一方で今作はVol.1(後半)に順番を入れ替えている。ほぼリリース順に並べたベストアルバムでも順番を入れ替えられてしまっているので、後追いや長らくアルバム単位でしか聞いてないと実際のリリース順は「HAPPINESS-WINTER MIX-」→「MERAMID」→「とまどい/SPECIAL THANKS」→「Missing You」→「GLOBAL COMMUNICATION」なんだけど、「MERAMID」の位置が早すぎる気がしてしまう。
また1番サビ終わりの歌詞“合図で天国を撃て”が『ONE LOVE』収録時に”合図で天国を打て”に変わっていたが、『THE GREAT VACATION VOL.1』では”撃て”に戻っているばかりか、『ONE LOVE Anthology』でも”撃て”に修正されていたので、『ONE LOVE』ブックレットが誤植だったと思われる。なお”スリルを動脈に打て”は一貫して最初から”打て”のままである。文脈からしても天国は”撃つ”、スリルを動脈になら”打つ”のが正解だろう。
★★★★☆
6thアルバム『ONE LOVE』
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)
C/W ROCK ICON
作詞:TAKURO&TERU、作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TERUが共作で作詞に参加。『pure soul』の「COME ON!!」や『HEAVY GAUGE』の「FATSOUNDS」「LEVEL DEVIL」辺りに通じるような勢い任せの激しいロックナンバーだが、最早キャッチーさもかなり放り投げてストレス発散のみに特化したかのようにひたすら何かをまくし立てている。元々TERUの歌唱は早い曲だと何を言っているのかよく分からないと言われがちな発声だったものの、1度歌詞を見れば分かるレベルではあった。今作は歌詞を見ながら聞いても何言ってるのか分からないほど飛び抜けて発音不明瞭な高音でわめき散らかしていて、そんなわめている声をかき消すかのように演奏はうるさいしで、なんかわめいているだけの激しい曲という印象しか残らない。
実際に記載されている歌詞はかなり社会派な内容で2000年当時の世相を皮肉ったもの。終盤に出てくる“古びたGLAYを爆破”というパワーワードもなかなかだが(一字一句追いながらでないと前述のように聞き取れない)、正直なところそれまで抱えていた大量のライトリスナーを爆破した気がしなくもない。
今回久々に歌詞を見返してみて冒頭に“17の憂鬱?”とあるのを見てそういえばこの頃17歳が危険、キレる17歳みたいな”17歳”を危険視する風潮があったなぁ…と思い出した。これは当時起きた未成年の凶悪犯罪に17歳が多いというイメージになっていた事に起因しているが、2000年というあの時の社会を確かに映し出した1曲なのかもしれない。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
20th とまどい/SPECIAL THANKS
2000年8月23日
前作同様の初回盤はロング紙BOXケース仕様。今作は『SPECIAL THANKS/とまどい』として1,2曲目(+4,5曲目のInstrumental)を入れ替えたバージョンでも発売されたため、通常盤と合わせて4種存在する。公式ディスコグラフィーにおいては『SPECIAL THANKS/とまどい』は半ば無かった事になっていて取り扱われていない。
タイアップになっていた『未来日記』ブームは急速に冷めつつあったが、それでも話題性やタイアップの強さがまだ多少は残っていたのか、曲順入れ替え目当てで複数買うファンも少しいたのか初動は65万枚まで伸びた。トップ10入りは4週、100位以内9週とさほどロングヒットしなかったものの100.9万枚とギリギリでのミリオンを再達成。5作連続ミリオンから4作連続逃してのミリオン返り咲き、会心のヒット作となり、結果的に最後のミリオンヒットシングルとなった。
とまどい
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TBS系バラエティ『ウンナンのホントコ!』内コーナー『未来日記』主題歌。素人の男女がスタッフから渡された日記の通りに行動しなければならないが、それ以外の行動や言動は全て自由でそういった状況での男女の恋愛模様を観察する、というこれまでになかった斬新な企画で程なくして番組本体よりもコーナーが一時的な社会現象級のブームとなった。第3弾より新規の主題歌が用意されるようになり、サザンオールスターズ『TSUNAMI』(Ⅲ、Ⅳ)、福山雅治『桜坂』(Ⅴ)が200万級のメガヒットを記録、続くTUBE「虹になりたい」(Ⅵ)は40万台と大失速したものの当時トップ10前後まで落としていたTUBEとしては大ヒットであった。今作はそれに続く7作目(Ⅶ)の主題歌。
『未来日記』は主題歌がヒットしていた事しか把握しておらず、内容は一切見ていなかったのもあるが、今作は20代最後の年を迎えていたTAKUROが20世紀の最後の年に青春を眩く描写したリアルタイム感のある最後の曲…という印象がなんとなくある。翌年以降明らかにGLAYのモードは変わったし、「グロリアス」「BELOVED」の延長にあるような若者が振り返るもっと若かった頃目線の方向性、GLAYの青春期が終わっていくような、メインで描かれているのは叶わない恋心への決別ではあるけど、”今はもう聞こえない波の音よ”とか誰にも言えない夢の続きを二度と揺り起こす事がなかったり、”空を走る放物線 今でもみんな憶えているかな”と仲間といた日々が過去になっていたりするところに過ぎ去っていく若い日々への感傷が見え隠れする。
最初に聞いた当初、これサビどこ?なんかもう1つ盛り上がり切らないままだなとか友人間での評判も微妙だったんだけど、その後けっこう好きな曲になっていって、当時のメンバーと同世代になった頃には当時よりも遥かに眩しい1曲に変わっていった。
エンディングで唐突に違う演奏が始まるもすぐにフェードアウトしてしまうが、PVではロングバージョンになっていた。『DRIVE』収録のJet the Phanomではこのエンディング部分がPVのものとはまた異なるロングバージョンとなっている。
★★★★★
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』(Jet the Phanom)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
SPECIAL THANKS
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
劇場版『未来日記』主題歌。空前の大ヒットに勢いで映画まで作ってしまったが、既にブームは急速に過ぎ去っていてこの頃にはもうほとんど話題にならずに終わってしまった。VHS化はされたもののDVD化されないまま彼方へと忘れ去られてしまい、最早どんな内容だったのかを把握する事も至難である。TV版と違い、この映画版では『GLAY SONG BOOK』に続いて劇中音楽をTAKUROが佐久間正英プロデュースで手掛けサントラ盤『映画版「未来日記」オリジナル・サウンドトラック』も発売された。
エンディングっぽい夏の終わりのロックバラード。歌詞の内容は君といた過去を振り返り感謝と別れを告げるような内容だが、「とまどい」とのコントラストや流れから今作では青春を完全に締めくくる大エンディングといった趣きがある。夏の向こうにある戻れない夢とは駆け抜けたGLAYの20世紀の栄光の日々でもあったように思う。
★★★★☆
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)
C/W Good Bye Bye Sunday
作詞作曲:JIRO、編曲:GLAY&佐久間正英
「ストロベリーシェイク」以来のJIRO作で作詞と作曲を単独で担当。当時はまだ「ストロベリーシェイク~It’s dying It’s not dying」しか存在せず、分離してのアルバム収録前だったので、完全単独でのJIROの作詞作曲は初だった。この年のツアーでは一時期ファンも異変に気付くほどJIROの様子がおかしく、精神的に参ってしまい脱退や解散の危機だったとされるが、今作からはそのような雰囲気は一切感じられないのんびりとしたアコースティックナンバー。夏がもうすぐ終わる気配が歌詞から漂っており、夏の終わりという共通項からC/Wに選出されたと思われる。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
21st Missing You
2000年11月15日
前2作に続いて初回盤はロング紙BOXケース仕様。前々作が余りまくり、ミリオンに乗せた前作でもなかなか売り切れなかった事もあってか今作の初回盤は極端に生産が絞られたようで当時店頭には並ばなかった。予約せずにフラゲや発売日購入を続けていた友人は今作だけ初回盤を買えなかったというかどの店に行っても売ってなかったと言っており、実際発売日のCDショップでも通常盤しか置いてなかった記憶がある。当時マジで周囲でも誰も見たことが無い幻のアイテムと化しており、雑誌か新譜告知のフリーペーパーだか何かで写真では見たものの本当に存在したのか、都市伝説なんじゃないのかと思うほどであった。
結局中古含めて今作のロングボックスケース仕様は未だに1度も現物を見たことが無いが、オークションの出品に極稀にロングボックス仕様のものが出ているので存在するのは確かなようである。
「Missing You」は2週間後の『DRIVE』先行シングルとなる事が告知されていたが、アルバム未収録となるC/Wが初めて3曲も用意され、TERU以外の3人が1曲ずつ作詞作曲を担当した。新曲4曲収録は初で、後の『G4』シリーズのはしりだったとも言える。
初動40万で1位を獲得し、2週目も2位だったが、3週目『DRIVE』発売週に10位、後は一気に落としていって今回も100位以内9週ランクインとなり、累計は55万となった。当時はまあベスト先行だし仕方ないよねくらいな印象だったが、結果的には翌年一気に累計でも50万に届かなくなり、『Way of Difference』以外で今作以上(50万越え)のヒットは出ていない。
Missing You
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
壮大なストリングスを前面に押し出した激情型バラード。イントロやエンディングはスローバラードだが本編は激しいバンドサウンドと絡み合うストリングスがまるで猛吹雪のようで聞く者を終始圧倒する。「Winter,again」とは全く違う新たな冬の名曲。『DRIVE』最終曲としてGLAYの20世紀を締めくくり、21世紀へ繋いでいくという役割も託されていたが、作風としては2001年以降にほとんど繋がっておらず、どちらかといえばこれまで寄りだけど新境地っぽくもあるので結局どこにも属さない離れ小島のような方向性だった気もする。
エンディングのバラード部分の英語詞は歌詞に記載が無く、何と歌っているのか友人間で話題になったが結局正解が無いので分からずじまい。数年後インターネットが本格普及すると(たぶん)正解とされる確定情報が出回るようになり、Snow is Slowlyだと思ってた冒頭から間違っていた(Snow is fallingだった)事が判明した。
★★★★☆
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』
C/W TIME
作詞作曲:JIRO、編曲:GLAY&佐久間正英
ファンの間ではJIROの代表曲の1つとして扱われているが、これは当時のJIROのドキュメント的な内容の曲になっているため。2000年4~11月まで77公演に及ぶロングツアー『GLAY ARENA TOUR 2000 “HEAVY GAUGE”』を行っていたが、ツアー序盤の仙台や金沢公演の頃にJIROが精神的に参ってしまいステージ上でもほとんどうつむいたまま動かず早めにはけてしまうなど異変が起き、脱退や脱退するなら解散という危機に陥っていたという。この時に支えてくれた彼女とこの後結婚しており、人生の転機にもなったこのタイミングでそんな思いを曲にしたのが今作であったらしい。それを踏まえると確かに色々と深い1曲だが、曲自体はわりかし地味なサビどこ案件でもあって、エピソードを知らなかった当時は正直変な曲ではないが地味な曲という印象しかなかった。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT
C/W WHY DON’T WE MAKE YOU HAPPY
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
つぶやくような超低音で進行するアコースティック風味のさらりとした楽曲。TERUの声のここまで低いところだけ駆使した曲というのもかなり珍しい。いかにもC/Wだからできる小品のような曲ではあるけど、なんだかんだメインライターTAKUROの曲だけあって、メロディーの良さと残りやすさは今回のC/W3曲の中でもまだまだ圧倒的ではあった。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
C/W Surf Rider
作詞作曲:HISASHI、編曲:HISASHI,草間敬&佐久間正英
HISASHIのデジタルサイバーな趣味性がさらに発揮された1曲。ついに編曲がGLAYではなくHISASHIとアレンジャーの連名になってしまい、サウンドもデジタルな打ち込み全開でバンドがほとんど参加していないような勢い。意味不明な歌詞の羅列は英字が数字に置き換えられるなど半ば暗号化している。ナンダコレ…という唖然とした印象しか無く、1人だけGLAYの音楽性と合ってないんじゃないかと凄く思ったのを記憶している。当時TVに出ても喋るのはTAKUROとTERUでこの2人は今とそんなに変わらない雰囲気(つまり素のまま)だったんだけど、JIROとHISASHIは終始クールにキメていて寡黙なキャラをしていたので不機嫌そうにも見えていたのもある。なんかTVでもいつもスカしてるし、楽曲はこんなやりたい放題だし、仲悪そうだし、あの怖そうなギターの人音楽性・方向性の違いとか言ってそのうち脱退すんじゃねーかな…みたいな(実際にはメチャメチャ喋る人でなんならTERUとは別のタイプで言わなくてもいいような余計な発言をするくらいノリがいいのでトーク番組やコメンタリー系の企画ではTAKUROとHISASHI中心にTERUも含めて3人でテンション上がりまくりで盛り上がる中でJIROが冷静みたいな構図が多い印象)。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』
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