3rd 彼女の“Modern…”

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3rd 彼女の“Modern…”

1994年11月16日
当時3枚目でブレイクというパターンが多かった事からブレイクを狙うも不発で初登場45位、4週ランクインで2.1万枚とさらに半減以下になってしまったためメンバー会議が行われたという逸話も。後年人気曲になった後も1番売れなかった曲としてメンバー(TAKURO)自らネタにする事もある。長らくワースト2位が『ずっと2人で…/GONE WITH THE WIND』の4.0万枚だったが、2010年代後半にはシングル売上がいよいよ数万程度まで落ち込んできたため、ワースト2位の更新が相次いだ。2020年代に入るといよいよ2万台前半まで下がってきていて出すたびにワースト2位争いという状況になっているが、それでも30周年時点でまだ2.1万枚を下回ることは無く、今作が最低売上シングルのままとなっている(執筆時点での最新作『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-/シェア』も92位にランクインした4週目でなんとか突破した)。

今作ではプロデューサーに佐久間正英を採用。佐久間正英の手腕にしっくり来たようで以降欠かせない固定プロデューサーとして2013年にセルフへ移行するまで共同作業が続いた。

GLAYのシングルはカラオケの収録は表題曲のみでほぼ統一されているがまだフォーマットが定まっていなかったのか気まぐれか、今作だけC/Wのカラオケも収録されている。

彼女の“Modern…”

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
今回も『灰とダイヤモンド』収録曲のリメイク。当時のヒットの登竜門的タイアップだったカメリアダイヤモンドCMタイアップ狙いだったが採用されなかったとされ、そのままタイアップ無しでリリースされた。脱退したAKIRAの幼馴染だったため既に顔見知りだったNOBUMASAに正規ドラマーをお願いしていた時期で、ライブでは既にサポート、準メンバー的立ち位置で参加していたようだが、事務所側が正規採用を渋っていたようでテスト期間のような時期が続いていたためか、ドラムはサポートを入れてレコーディングされており、湊雅史が担当。MVでドラムを叩いている人物はNOBUMASAのようだ。

最低売上シングルとなったがライブでよく演奏され続け『REVIEW』に収録された事で知名度が爆上がりし、早い段階で初期の代表曲として定着した。けっこう激しめのロックナンバーで『SPEED POP』の中では最も攻撃的で、『灰とダイヤモンド』においては同等に激しい曲もあるけどメロディーの強さは随一。売れなかったとはいえ確かに初期の代表的1曲ではあると思う。当時の雑誌インタビュー( 公式サイトと『灰とダイヤモンド Anthology』ブックレットにも掲載)だとTAKUROがハードコアのつもりで作ったと発言したところ、インタビュアーのライターがどこがハード・コアなんだよ、こんなポップな曲!(笑)と笑いとばす強めなツッコミを入れたり、HISASHIもスーパーポップだと言っているので当時こんなのはポップスであって崇高なロック様ではないとするようないかにもプロリスナーな風潮が根強くあった模様。さすがにハードコアではないかもしれないが、身内であるメンバーまで一緒になって総ツッコミでポップだポップだスーパーポップだと攻め立てるほどポップではないと思うし、十分ロックなのではないか。

『灰とダイヤモンド』収録バージョンは前2作のようにGLAY VERSIONの表記が無い。しかしシングルとは異なり、AKIRAがドラムを担当している。荒々しい以外は歌詞もほぼそのままでシングルバージョンとそこまで大きな違いはない。佐久間正英が元々のGLAYの持っている音楽性を尊重しつつも自身の知識を生かしてより良くなるようにブラッシュアップするような丁寧なプロデュースを手掛けた事が良く分かる仕上がりだし、「真夏の扉」の改変っぷりと比較してもGLAYが佐久間正英を長年のプロデューサーに迎えたのも物凄く納得できる

『灰とダイヤモンド Anthology』に収録された際はDEMO歌詞Ver.に差し替えられ、こちらは「真夏の扉」ほど違いはないものの、”パントマイムでJOKE”がまだ無い(JOKEではなく“Uh”)ほか、“君はドレスに♪”のくだりは完全に別の表現になっている。ドレスに裸足のままで奇跡の海を華麗に泳いでいるおなじみの部分がデモ歌詞では“君のドレスはボロボロで折れたヒールを世界が笑う”という”彼女”がズタボロ状態で嘲笑されているような描写になっているのでこれだけでだいぶ”彼女”の印象が異なる。

2010年に42ndシングル『Precious』C/Wで再録音されているが、『灰とダイヤモンド Anthology』ではRecording 2011と年号が1年ズレて記載されている。この音源がアルバム初収録となった『rare collectives vol.4』の発売年と間違えたためと思われる。
★★★★☆
インディーズアルバム『灰とダイヤモンド』(原曲)
1stアルバム『SPEED POP
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
42ndシングル『Precious』C/W(再録)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(MEET&GREET VACATION Live ver.)
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』(再録/42ndシングル『Precious』C/W収録Ver.)
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(原曲のデモ歌詞Ver. Remix & Remastering 2014)
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(Recording 2011/42ndシングル『Precious』C/W収録Ver.)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)
56thシングル『愁いのPrisoner/YOUR SONG』C/W(feat.EXILE NESMITH(from LUNATIC FEST. 2018))
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『SPEED POP Anthology』Ver.)
62ndシングル『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-/シェア』C/W(QUEEN+ADAM LAMBERT『THE RHAPSODY TOUR』 in SAPPORO DOME)

C/W INNOCENCE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
前作同様にC/Wまで完全に決め打ちでレコーディングを行っていたのか、今作も湊雅史がサポートを担当。表題曲とは一転してじっくり聞かせる良メロ系のミディアムナンバー。早くもこれぞGLAYなブレイク期の王道路線を確立しており、佐久間正英との相性の良さも感じられる。ただけっこうじっくり進行してなかなかサビまで到達せず(2分半近くかかる)、サビでもひたすら雄大に聞かせるので6分越えの大作。隠れ名曲っぽくはあるんだけど、少々かったるい。
★★★☆☆
1stアルバム『SPEED POP
6thシングル『Yes,Summerdays』C/W(LIVE VERSION)
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(LIVE VERSION ‘95.6.12 IN SHIBUYA KOKAIDO/6thシングルC/W収録Ver.)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)

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