12th 青い傘で

Beat reC(1998-2001)

12th 青い傘で

B00005EREB
99年5月19日
これより前はあまり記憶に残っていないが『CDTV』でこの曲が30位台にランクインしているのを見て、「DAN DAN心魅かれてく」とか「突然」の人たち今はこんな位置なんだーと思った記憶がある。過去のヒット曲だけ知っていたのが今も活動しているという事実に初めてわずかでも接触した瞬間であり、これが年末の「冬のバラード」購入からの一挙全作制覇へ繋がっていった。

ジャケットは裏も含めてイラスト化されてカラー分けされたメンバーとなっていて傘の要素も雨の要素もあまり無い

青い傘で

作詞:AZUKI 七、作曲:大野愛果、編曲:徳永暁人&FIELD OF VIEW
TBS『筋肉番付』ED。なんかすっかりかかってても耳に入らないタイアップばっかりになっAZUKI 七は2作連続で作詞を担当。織田哲郎が去り、栗林誠一郎が行方不明になり、主力作家がいなくなった中で新たな主力作家として重宝される事になる大野愛果の提供はFOVでは今作のみとなった。同時期にDEEN、ZARD、WANDSへの提供を済ませ、自作している大黒摩季にまで何故か提供、そして年末の倉木麻衣への提供でミリオンヒットを記録すると一挙GIZAの主力作家となった。…が、自身のシンガーソングライターとしてのデビューはかなりおざなりにされ、セルフカバーアルバムの発売に留まっている。「青い傘で」は2002年の『Shadows of Dreams』にて「Blue Umbrella」として英語詞でセルフカバーされているが、メロディーが同じでもほとんど別の曲みたいに変わっていて驚く仕上がり。

今作は提供曲ながらアレンジにはバンド名義で参加。王道の爽やかソングのようで、シンセの印象的な音色による不思議なイントロや、ドラムが中心になっていてギターを片隅に追いやったような独特のミックスなどかなり新鮮な聴感になっていて新たな境地を目指そうとした試行錯誤が伺える。CDがギターを絞り過ぎているためライブで聞くともっと躍動感がある上に、間奏明けでドラムがオフになるラストサビ前半部分は観客に振られて大合唱になる、というのが定番になったので、ライブに行ったことのあるファンであればCDが少し物足りなく感じている人も多いかも。

DVD化されている11月28日の『FINAL LIVE“Live Horizon-SUPERIOR 2002”~Gift of Memories~』ではド頭1曲目を飾っているが、02年12月1日の解散ライブでは本編最後の曲として披露された。当日入口でメンバーへは内緒としてスタッフによりサイリウムと指示書が配布され、「青い傘で」の合唱の時にサイリウムを点灯させて一斉に使用してください、というお達しがあった。指示を理解できない一部ファンが開演直後に点灯させてしまう場面もあったが周囲の観客がそれを全力で阻止してメンバー登場前に隠させる事に成功無事に「青い傘で」まで観客全員がサイリウムを勝手に点灯させることなく、このサプライズが成功。メンバーも本当に知らされていなかったようでかなり驚いていたし、浅岡さんけっこう泣きそうになっていたし、見ているこっちも感涙した思い出。あの「青い傘で」以上の「青い傘で」は存在しないと思う。

25周年ベストの『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』では無表記で聞いた人へのサプライズみたいな隠し仕掛けで別音源が収録された。イントロから特有のシンセ音がグワングワン揺らいでおり、バンドサウンドのミックスも大幅に変更されるなど、事前に公表されていた未発表テイク音源の微細な違いよりもあからさまに違いまくる…というサプライズであった。

具体的にはドラム中心だったミックスを大幅に変更してギター・ベース・ドラムの存在感をほぼ均等に整えたようになっているので、奥へ引っ込んでいた左のエレキギターがかなり前に出てきた。一方で右のアコースティックギターは消え去っている。下記視聴音源だとちょっと進んだところ(ふいに見えた時でも♪の辺り)から鳴っているエレキギターの存在感がグッと前に出てきたのが分かると思う(オリジナルでは聞き逃すくらい片隅で小さかった)。

この頃から小橋がPVのディレクションを担当するようになったとされている。前作に続いて2番カットのショートサイズ…とこのままフルで作られなくなるのかと思いきやショートサイズなのはこの2作のみとなった。
★★★★★
4thアルバム『LOVELY JUBBLY
2ndベスト『FIELD OF VIEW BEST fifteen colours
3rdベスト『Memorial BEST~Gift of Melodies~
4thベスト『complete of FIELD OF VIEW at the BEING studio
販路限定ベスト『FIELD OF VIEW BEST HITS
6thベスト『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』(別音源)

青い傘で
FIELD OF VIEW
2002/10/09 ¥255

青い傘で
FIELD OF VIEW
2020/05/13 ¥255

C/W 抱きしめたい~Everynight everyday~

作詞:浅岡雄也、作曲:小田孝、編曲:大島康祐
1期WANDSメンバーだった大島康祐による初の編曲。バンドが明確に新たな方向性を模索するようになっていたのが良く分かる異色のナンバーで、ダンサブルな大島サウンドを前面に出しつつバンドと融合させたような曲。WANDS時代はかなり特徴的なスパコンスパコンしたサウンドだったがさすがに99年にもなればかなり洗練されていて古さはそんなに感じない。メインにはならない感じの作風ではあるけど、他にはない作風だし、歌詞でも片思いの模様を今まではもっと純情青年っぽかったのがもっと欲望を前面に出すなどイメージを打ち破ろうとしていた事が伺える意欲的な1作。4thアルバムでも2曲関与しているがザッツ大島サウンドなのはこの曲だと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

コメント

タイトルとURLをコピーしました