GLAY 30周年シングル回顧3~2001-2005~

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『DRIVE-GLAY complete BEST』の260万ヒットを経て迎えた21世紀。引き続き新たにGLAY EXPOを掲げて大規模な活動方針を示したものの、路線変更の影響や急速なCD不況の進行に伴い…というかそれ以上の超速で売上は大幅ダウンしてシングルは50万枚にも届かなくなってしまう。直近のトップミュージシャンだったGLAYの売上超急落はCD不況を象徴するものとなり、続くアルバム『ONE LOVE』も大規模プロモーションを展開したのに60万台というまさかの超不振(当時の感覚)に陥り、GLAYバブルは完全にはじけてしまった。

「Way of Difference」の大ヒット以外は基本的に減りゆく固定ファンが聞いているだけのような推移が続くようになり、この数年で20万程度まで落ち込んでいった。早い人だとこの時期からもうほとんど知らない、もう少し流れで聞き続けていたならまだ聞き覚えのある曲そこそこある最後の時期になるだろうか。

またこの時期より独立に向けての準備を進めていたようでやがてメディアからやや干され気味になるのは覚悟の上ではあったようだ。

2024.6~9 新規執筆

22nd GLOBAL COMMUNICATION

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2001年4月25日
特殊ケースが続いていたが通常のアルバムサイズの10mmプラケースでの発売。「HAPPINESS-WINTER MIX-」は薄型マキシケースだったし、アルバムでも『REVIEW』以降カラーケースが続いていたので、『BELOVED』通常盤以来の普通のアルバムCDプラケース採用となった(シングルでは初)。発売当日に記者会見を行い「GLAY EXPO 2001 GLOBAL COMMUNICATION」開催を大々的に発表

表題曲Instrumental(カラオケ)が今作では何故かLet’s! 耳コピ Versionと題されている。歌うというより耳コピして演奏してねと言う事だったのかもしれない。

GLAYとしては『Winter,again』をピークとして、シングル売上は落ちつつあったが、それでも前年も『とまどい/SPECIAL THANKS』でミリオンを達成しており、ベスト盤『DRIVE』も2番ヒットの260万枚越え大ヒットを記録しており、21世紀1作目のシングルにはまだまだ注目も集まっていた。しかし今作は初動が30万台まで落ち込み、まさかの累計50万割れに終わってしまった。

2001年になると急速にCDが売れなくなり、これまで毎年年間トップ10を埋めていたミリオンヒットが一気に出なくなってしまった。とはいえ、この時点ではまだそこまで異変を感じるほどではなく、年末の浜崎あゆみ『M』、1月の宇多田ヒカル『Can You Keep A Secret?』がミリオンヒットになり、3月にリリースされたCHEMISTRY『PIECES OF A DREAM』もやがてミリオンに到達するなど、例年より少なかったもののまだミリオンは出ていた。結果的にはこの後桑田佳祐が突破しただけで本当にミリオンヒットが出なくなってしまったが、GLAYの場合は人気のピークアウトと重なって規模も大きかったため、全体の売上ダウンの流れの中でもかなり目立つ激減っぷりになってしまった。しかも新鋭のミュージシャンに抜かれるなら時代の流れで仕方ないところ、桑田佳祐やMr.Children、B’zなど一時期は完全に圧倒して上回った諸先輩勢が逆に盛り返す流れも重なったのも大きかった。

今作より佐久間正英プロデュースはそのままに録音ミックスのエンジニアを一時的にJohn Smithに交代した。『ONE LOVE Anthology』制作時にリミックスをお願いしようと思っていたが連絡が取れず消息不明になっていた事が明かされている。

GLOBAL COMMUNICATION

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
テンテテンテテ…と刺すようなシンセ音から爽快なギターサウンド、妙に陽気なウ~イェァ♪とAメロに突入する前から21世紀のGLAYは今までとは別物だと感じられる…というかGLAY急にどうした?え?ウ~イェァ♪って何!?陽気過ぎない!?と戸惑いでいっぱいになる楽曲。多くのライトリスナーが一瞬で離脱してしまったのは数字からも明らかだったが、ちょっといきなり振り切りすぎたようには思う。具体的に何が違うという事は分からないものの、音の感じが明らかに変わったのは単純に曲調が今までと違うというのもあるが、Michael ZimmerlingからJohn Smithへとエンジニアを交代したり、NYレコーディングで世界の空気に触れた影響もあったと思う。

同日に行われた「GLAY EXPO 2001 GLOBAL COMMUNICATION」開催記者会見も何だかド派手なイベントを開催するみたいな空気感だったが、これは東京スタジアム、北海道と九州の特設ステージの全国3か所で行った3会場のべ30万人近い動員となる大規模ライブで、九州会場はアジアの玄関口としてアジア圏のアーティストがゲスト出演するなどグローバルなコミュニケーションが展開。アジアだとか世界進出的か感じで派手になっていくのか、なんか遠くなっていくなとおぼろげに感じたのは記憶している(今と違ってCDを欠かさず購入するだけのファンが圧倒的大多数でライブにまで行くのはその中の何十分の1、場合によってが何百分の1以下の時代であり、ファンの友人でも高校生になってからもライブには行っていなかった)。EXPOってのも大きく出たなぁ…と。実際には1999年にEXPOとつけたライブを開催しているんだけど、通称20万人ライブとして広まったためあまりEXPOという言葉が浸透せず、EXPOという言葉が前面に出たのはこの時が最初だった。翌年の「日中国交正常化三十周年特別記念コンサートGLAY~ONE LOVE in 北京」や2004年の「GLAY EXPO 2004」の開催や記者会見もそれなりの報道はされたけど、2000年までの勢いの名残で報道が派手だったのはこの辺りまでが最後だったような気もする。また結果的にはこの後も国内のファンを大事にしており、世界進出だとかアジア進出だとかそこまで積極的に打って出る事もなかったが、今作が出た時はマジでGLOBALなCOMMUNICATIONで世界に行ってしまうのかとも思った。

“楽しみなこれからは”ともあるように基本的にはファンとのコミュニケーションをこれまで以上に楽しんでいこうぜという感じで、巨大になりすぎたGLAYが自分たちが楽しく音楽活動をする事を改めて宣言するようないいきっかけになった曲でもあったと思う。なんだかんだ馴染んだ曲にはなったし、21世紀の新しいGLAYの始まりを象徴する曲にはなったのかなと。

一方で2021年の『ONE LOVE Anthology』では衝撃のデモバージョンが公開されており、”たった1つでも誇れる事アナタに今見せてあげたい”に続く歌詞がデモ段階では“日本中の駅名ならいつでも言えるバ・イ・ブ・ル”だったり、”GROWING UP GROWING UP 言葉を越え”のサビ終わりのくだりも“ジョービナジョービナ ジョッッジョ!ジョービナ!”、締めも“ジョビジョビナー”とどんだけジョビジョビ言うんだよという勢いで爆笑必至。デモ音源を録音した時の一時的な仮歌詞なのかと思いきやBlu-rayに収録されたレコーディングドキュメントでも延々とジョビジョビ繰り返しながら大真面目にアレンジ作業を進めていてシュールさが凄い。こんだけジョビに支配されたら歌詞のジョこか(どこか)にジョビがジョビ(残)りそうなものだが、完成した歌詞からはジョビジョビ全部消えてたのもまたスゴイ。
★★★☆☆
6thアルバム『ONE LOVE
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

C/W GOOD MORNING N.Y.C

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TERUが扮したエルヴィス・プレスリーの仮装パロディ、テルビス(TELVIS)のテーマ曲…という完全にネタに振り切った遊び曲。作中では英語でもカタカナでもなく“てるびす”とひらがなで最初と最後に登場している。ライブでも仮装して登場したらしいが、そんなことは知らずにCDでだけ聞いた当時は最早何をふざけているのかも良く分からないただうるさいだけの曲が入っていてC/Wで遊びすぎだろなんだよコレ…とドン引きした記憶しかない。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2

23rd STAY TUNED

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2001年7月4日
1年前のGLAY、ラルク、サザンとの三つ巴チャート対決に続いて今回はソロ名義での桑田佳祐「波乗りジョニー」との一騎打ちとなった。1年前はGLAYが50万台、サザンが30万だったが、今回は桑田佳祐が50万、今作が30万と綺麗に初動売上がそっくり入れ替わって初登場2位。『誘惑』『SOUL LOVE』同時発売での『SOUL LOVE』の2位を除くと1位を逃したのは『a Boy~ずっと忘れない~』以来となった。「波乗りジョニー」は3作で止まっていた2001年のミリオンシングルの4作目となって大ヒット、1人無双モードとなる中で、今作は7週ランクインに留まって累計売上が衝撃の38.4万枚。シングルカットやアルバム直前先行でもないのに初動30万から8万ちょっとしか上乗せできない(2週目8位4万、残り5週でもう4万)という閉鎖的な売れ行きになってしまった。

発売時の店頭特典がスピードくじになっていて当たるとビデオプレゼントだったらしい。友人は普通に外し、さらに陽気な路線変更も相まってさすがにファン熱がぐらつき始めた様子であった。

前作に続いて表題曲Instrumental(カラオケ)が今回はGuts! 耳コピ Versionと題されている。この謎のノリは2作で終わった。

STAY TUNED

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
GLAYのジャケットと全く判別できないような謎の外人サーファージャケット、再生するとFMラジオ風の英語のDJ(早すぎて何言ってるのか分からない)…と手に取って再生するまでの過程でも戸惑いだらけの当時としては攻めまくりのシングル曲。曲自体は爽快なサマーソングだが、夏のワクワク感をストレートに表現した内容に深みは無くとにかく楽しもうぜというイケイケなノリ。後にポルノグラフィティもアラサーであえて開き直ったような「NaNaNa サマーガール」という曲をシングルにしたが、精神性としては通じるものがある。若者と呼ばれなくなる30歳という節目はやはりみんな思うところがあり、あえてはじけるパターンの好例といえるだろう。先行して聞いていたファンの友人がなんとも微妙な反応をしていて何度も聞いていればいい曲に思えてきた…思えてきたんだ…と絞り出すような自身に言い聞かせるようなコメントをしていたので聞いてみたらそれが確かに理解できた。20世紀までのGLAYの感覚で聞くと何だこの変なはじけっぷり…っていうかこれシングルになっちゃうのかよ…としか思えないが、ノリ自体はいいので何度か聞いていると馴染んではくるし、夏が来るたびにとりあえず何もなくても1回は思い出すか聞いておきたい曲ではある。
★★★☆☆
6thアルバム『ONE LOVE
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

C/W BACK-UP

作詞作曲:TERU、編曲:GLAY&佐久間正英
久々のTERU曲。“気がつけばもう 人生の3分の1だ”から始まるように30歳を迎える自身の心境をそのまま落とし込んだような歌詞になっており、まだまだ行けるぜ的な前向きさ一直線な素直さでリスナーが思わず顔をほころばせるような実にTERUらしいなと感じる内容だ。一方で曲自体はメロディーが残りにくいうるさい系のロックナンバー。戸惑い続きの中でキャッチーでもないC/Wの連投は正直ちょっときつかった。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

C/W Super Ball 425

作詞:TERU、作曲:TAKURO、編曲:GLAY
前作の発売日であり、EXPO記者会見をした日でもある4月25日に地元北海道の赤レンガ前広場でフリーライブを行っており、「STAY TUNED」のPVはその時のライブ映像を使用しているが、今作もタイトルの”425″はこの日を指す。また冒頭と最後の「誘惑」のイントロが立て続けに始まる部分は当日のライブ音源を使用しているようだ。演奏本編では歓声が聞こえないので「ACID HEAD」と同じパターン(最初と最後にライブの音源をミックスする)だろうか。

今作も押せ押せのロックナンバー。「BACK-UP」よりはまあ…という程度でC/W2曲とも勢い先行かよ…と正直げんなりしてしまったが、このC/W2曲を聞くとイマイチだと思った「STAY TUNED」がとんでもなくキャッチーでシングル表題曲として確かなオーラをまとっていた事が分かる。というか「STAY TUNED」にほとばしるシングル級オーラ(?)が確かに見える気分になる(幻視)。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2

24th ひとひらの自由

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2001年9月19日
初回完全限定生産シングル。表題曲+先行して披露されていたライブバージョンの2トラックのみで、カラオケ(Instrumental)は未収録。公式には300,000枚限定と書かれているが、当時35万枚限定とも言われていて、1年前なら品切れ騒ぎになったと思われるが既に急速に購入者がいなくなっていたのですぐに売り切れる事もなく、2週目も4位に残るなど急がずとも購入可能であったがそれでもわずか6週ランクインで35.3万枚となり完売はしたと思われる。

当時のTAKUROの疲弊した心情が長文で綴られた曲にまつわるメッセージが封入されている。”2000年という年が僕らにとってなんだかとてもどっちつかずでボンヤリとした冷却期間のような日々だとしたらこの曲に歌われている出来事はそんなエアポケットの象徴なのかもしれないね。” とか”あまりに多くの「何か」を失い過ぎてもう何も感じなくなるギリギリの所に立っていたんだと思う”など人気絶頂の裏での虚無感が率直に綴られているので必見と言えば必見かも。

ひとひらの自由

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
謎のまったりレゲエナンバー。前2作の妙にはじけた明るいノリに続けて今度は謎のまったりレゲエでしつこいくらいにドンウォリドンウォリドンウォリドンウォリ連呼しまくって長い。今作では最早いいも悪いもなくリアルに「…。」という言葉でない感じ。前2作は賛否両論で話題になってたけど今作はもうナニコレどうしちまったんだGLAY…という言葉にならないような空気でとりあえずみんな知っているという状態だった前年からファンの友人しか聞かなくなって一般的にGLAYの新作が話題に上がらなくなり、ファンの友人としかGLAY新曲の話題ができなくなったが、そのファンの友人も戸惑いまくっててとりあえず去年までの流れで買い続けているみたいなそんな状況だった。この後の『ONE LOVE』が大々的に発売されるも200万ヒット3連発からの66万という当時としては衝撃的なまでの超コケはかなりショッキングだったが、それがここまでの3シングルに対する率直すぎる世間の答えだったともいえる。

ピークの果ての虚無というか、1度限りの大ヒットではなく大ヒットを連発して大規模ライブも成功させて確実に日本の音楽業界の頂点を極めても全てを手に出来たわけでもなければ救いきれないものがある無力感に支配されている。そういう栄光の後の孤独が反映されたような1曲。しついいくらいにドンウォリドンウォリ連呼されても全く大丈夫な気がしないし、それでも振り向かずに前に進んでいくしかないという痛みを伴う歌詞がどこか強く胸を打つ。最初の印象の悪さからけっこう早い段階でドハマりしてしまい、けっこう聞いた回数の多い曲になった。また発売直前に発生した911テロの衝撃と新世紀21世紀ってこんなんなの?という暗い世相も重なったところもあったと思う。

シングルバージョンは『THE GREAT VACATION VOL.1』のみ。johnny the peace mixでは別ミックスといった感じで大きくは変わらないが全体の響きが異なる。『ONE LOVE Anthology』では一律に新規リミックスであるため、バージョン名は破棄されている。
★★★★☆
6thアルバム『ONE LOVE』(johnny the peace mix)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

C/W ひとひらの自由(GLAY EXPO 2001“GLOBAL COMMUNICATION” IN KYUSHU VERSION)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
GLAY EXPO 2001の最終公演として2001年8月11日に福岡県北九州市マリナクロス新門司特設ステージにてアジアのゲストアーティストも招いて夜9時から翌朝5時までのオールナイトで開催されたライブで先行披露されていた最新ライブ音源。7月の東京公演から既に演奏されていたようで、GLAY EXPO 2001の共通セットリストとなっていた。というかこの曲自体は2000年の”HEAVY GAUGE”ツアー最終3公演のWアンコールでも演奏されていたようだ。『HEAVY GAUGE Anthology』のBlu-rayでもツアー中にステージでこの曲をセッションしている様子が映し出されている。その時点でレゲエ調のアレンジもほぼ完成していて、このライブバージョンもスタジオバージョンと大きな違いはない。

これで分かりやすくアレンジが異なっていればまた違ったんだろうけど、このシングルでは長い同じ曲をスタジオとライブ同じアレンジで2連続聞く事になり、たぶん最初にシングルを再生した時点で好みに関係なくドンウォリドンウォリドンウォリドンウォリの曲、という認識は持てるとは思うんだけど、他にC/Wも無いというのは逃げ場が無さすぎだ。
★★★★☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1

ALL STANDARD IS YOU

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY,佐久間正英&dj honda
編曲:HISASHI(ONE LOVE~ALL STANDARD IS YOU reprise~)
編曲:TAKURO&dj honda(END ROLL)

From 6thアルバム『ONE LOVE
アルバムの1曲目。音数抑えめのトラックで進行しつつ突如爆音ロックになるという緩急のついたこれまでとは一味違う21世紀のGLAYを感じられるオープニングナンバー。メンバーも気に入っていたのか別バージョンがやたら多く、最終曲にはHISASHI単独アレンジによるインストバージョン「ONE LOVE~ALL STANDARD IS YOU reprise~」が収録され、次回作『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』の最終曲にはTAKURO&dj hondaによるリアレンジ「ALL STANDARD IS YOU~END ROLL~」も収録された。また『REVIEWⅡ』ではHISASHI SELECTに収録されたので再録音されている。

Anthologyシリーズでは静かな部分と激しい部分の落差をより強調すべきというリミックス担当者の競紀行の意向で静かな部分の音量がかなり絞られている。競紀行のリミックスはオリジナルを尊重していてかなり好印象だがこの静かな部分を極端に絞るやり方だけはしっくりこなかった。また「ONE LOVE~ALL STANDARD IS YOU reprise 2021~」は競紀行は関与せずdj hondaによる別音源に変えられてしまいインストですら無くなってしまったのも謎だった。Anthologyシリーズを勘違いしたのか、元からある素材を使ってミックスし直すのではなく1人だけ新規のトラックメイカーリミックス始めちゃってるし…。

このように別バージョンが多いものの結局1番最初の『ONE LOVE』1曲目オリジナル音源が完成形だったと思う。
★★★★☆
6thアルバム『ONE LOVE』(ONE LOVE~ALL STANDARD IS YOU reprise~)
7thアルバム『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』(END ROLL)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(ONE LOVE~ALL STANDARD IS YOU reprise 2021~)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(ONE LOVE~ALL STANDARD IS YOU reprise 2021 ver.2~)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(END ROLL/Remix&Remastering 2023)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(END ROLL/Live Ver. from Ichikawa(2022))

嫉妬(KURID/PHANTOM mix)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 6thアルバム『ONE LOVE
『ONE LOVE』リード曲の1つ。アレンジに名前は無いが歌詞の下にManipulatorとして草間敬がクレジットされている。いきなりKURID/PHANTOM mixというアルバムバージョンを思わせる表記がついているがオリジナルバージョンが発表されていない。恐らく当初完成していた音源に草間敬が少し手を加えてKURID/PHANTOM mixになったんじゃないかと思うが…。

「口唇」「誘惑」に続くロックナンバーとしてTAKUROが制作してシングル候補に挙げたがメンバーからボツにされたという。新しいモードに行きたいというのが先行して却下になったのかもしれないが、ポップな「Fighting Spirit」と両軸でリード曲になっているのでGLAYらしい曲という認識はメンバーにもあっただろうし、シングルがこの2作だったらあんなに人気急落は無かったかもしれない。ドラムが打ち込みっぽく、「口唇」「誘惑」に比べても全体にデジタル感が強め。系統は同じだし、もう少し生っぽいサウンドにしていれば本当に「口唇」「誘惑」のような曲になっていたと思うけど、今までと違う方向に向かおうとしていた当時としてはこれが正解だったのだろう。
★★★☆☆
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

Fighting Spirit

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 6thアルバム『ONE LOVE
サントリー「ダイエット(生)」CMソング。当時の総理大臣小泉純一郎の息子である小泉孝太郎が芸能界入りする事が話題となり、その最初の仕事がこのCM出演だったため、CM自体がかなり大きな話題になっていた。「GLOBAL COMMUNICATION」「STAY TUNED」、そしてアルバムからは「嫉妬」「君が見つめた海」にもCMタイアップはあったものの、小泉孝太郎効果で注目度が桁違いであり、アルバムの中では1番のリード曲っぽい役割になっていたように思う。曲調も今作だけは「BELOVED」系統のアコースティックギターが聞こえるような爽やか系、生きる事を歌った歌詞の内容も含めて以前のGLAYっぽさを多分に残したような方向性だったので当時は安心感のある1曲でもあった。ややおとなしめな曲調ではあるので全盛期並とまでは行かずともシングルにしていたら先行3シングルよりはウケが良かったんじゃないかとは思う。

リード曲として「嫉妬」と連作で秘宝ONE LOVEを追い求めるメンバー主演のストーリー仕立てのMVが制作された。今作が前半で「嫉妬」が後半となるが、思いのほか台詞も入って冒険ストーリーが展開するため、そっちに集中してしまって曲がBGM状態になってしまう上、一続きのストーリーに全くタイプの違う2曲を当てているのもあって別にこの2曲じゃなくても…というか曲と映像にあまり親和性は無かったように思う。このMVは1年後の『VIDEO GLAY 5』に収録されたが、『THE GREAT VACATION VOL.1』には選曲されなかったので初回盤のMV集DVDには入らず、『ONE LOVE Anthology』のBlu-rayの収録内容にもまさかの入ってない…という事態となったが実際には「TOWER RECORDS SHIBUYA Presents GLAY FILM EVENT ONE LOVE」と題されたイベント映像を丸ごと収録した部分にしっかり収録されていた(16,17チャプター)。
★★★★☆
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

THINK ABOUT MY DAUGHTER

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 6thアルバム『ONE LOVE
生まれた頃からの娘の成長を見守ってきた父親目線の楽曲で”今日からは~幸せつかんで信じたあの人を”というくだりから結婚式当日の父親の心情である事が伺える。あれTAKURO結婚してたっけ?と思ったが当時TAKUROは娘どころかまだ未婚であった。スピード感のあるロックナンバーだが、けっこう泣きメロで曲数が多すぎて1曲1曲が残りにくかったアルバムの中でも比較的早い段階で印象に残った曲の1つ。

確か当時バンドを組んだばかりの人にコピーしてもらいたいのでギターソロも入れずにとにかく難しいフレーズも極力無くして仕上げたので是非演奏してほしいみたいな事を言っていたのがこの曲の事だったような…。いや演奏しやすくてもTERUの高音出せるボーカリストがなかなかいないじゃん…と思ったのだけ記憶している。
★★★★☆
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

君が見つめた海

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 6thアルバム『ONE LOVE
長すぎてダレてくるアルバム後半にふいに収録されているシングル越えの名曲。“彼女”がもう亡くなっている事が示唆されていて感動的な泣ける歌詞が印象的だが、TAKUROの祖母の事を書いた個人的な曲だったらしく、”彼女”とは祖母を指している。2番の後の大サビ部分でコーラスのような違う声が歌っている部分があるがTAKUROが部分的にメインボーカルを取っていて思い入れの深さが伺えるが、物凄く個人的な内容というよりは祖母との普遍的な思い出に誰もが重ねられるようになっているので、少なからず祖母との思い出があるリスナーであれば感情移入できるんじゃないかなと。
★★★★☆
56thシングル『愁いのPrisoner/YOUR SONG』C/W(from GLAY×HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Remix & Remastering 2021)
アンソロジー『ONE LOVE Anthology』(Demo)

25th Way of Difference

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2002年2月27日
フジテレビ系恋愛観察バラエティ『あいのり』タイアップでは前年のEvery Little Thing「fragile」が大ヒットし、番組人気もピークに達していたため発売前から前評判が高く久々の大ヒットになる事が予想されていた。期待通りに「Missing You」以来の初動40万突破となり、70万枚を越える大ヒットを記録。50,60万台を飛び越えて21世紀以降でダントツ最大のヒット作となった。前年からさらに全体の売上が落ち込み、シングルでのまともなミリオンヒットは夢か幻かという状況になり、2000年まではミリオン売っても年間トップ10に入れなかったのに50万台でも年間トップ10に入れる時代へと急速にシュリンクしていたため、そんな中での70万台は2年前までとは数字の持つ意味が違っていた。

そんなわけで1999年以来の年間トップ10入りを果たし、2002年の年間5位を記録、2002年を代表する大ヒット作となった。一方で30万枚以上のシングルは今作が最後

Way of Difference

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
フジテレビ系恋愛観察バラエティ『あいのり』テーマ曲。これまでの楽曲どころか以降でも他に似たような系統の曲が無いかなり異色の楽曲。切なさを強調するようにあまり声を張らないギリギリの高音を駆使して、演奏も抑えに徹している。間奏のギターソロは後半で急にとてつもなくノイジーになったりと正直どこかしっくり来ないところもあったが、新鮮ではあった。紛れもなく21世紀GLAYダントツ最大のヒット曲でありながらもそこまで代表作っぽくなっていないのは異色すぎたのもあるのかもしれないが、ファン以外のところで単発でヒットしたためだろうか。

『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』では特に表記は無いが、冒頭サビ始まりをカットしてイントロ部分を改変したアルバムバージョン。『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』でもこのバージョンがリミックスされている。
★★★☆☆
7thアルバム『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』(冒頭サビをカットしたアルバムバージョン)
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Remix&Remastering 2023)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Demo)

C/W 卒業まで、あと少し

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
実験曲続きの中で久々にメロディーをじっくり聞かせる良メロ系バラードナンバー。逆に突然どうしたんだというくらい普通にメロディーを聞かせる曲がC/Wに回ってきたが、基本的に押せ押せの曲ばかり収録した『ONE LOVE』と対になる『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』用に取っておいた曲という感じがするし、単に卒業シーズンの発売だったのでそれに合わせた曲を選んだというだけだったのかもしれない。

「卒業まで、あと少し」というタイトルだが、歌詞は明らかに遠い学生時代、遠い過去を振り返る視点になっており、卒業まであと少しだった遠いあの頃を回想しているという事でいわゆる卒業ソングとはちょっと違った内容になっている。

2014年の『MUSIC LIFE』付属のバラードベスト企画ではファン投票でもメンバーセレクトでも選曲されていなかったので凄く人気があるわけではないと思われるが、この時期のC/Wとしては唯一となるオリジナルアルバム収録を果たしてその直後にC/W集『rare collectives vol.2』に連続収録されたので当時から存在感があった。Anthologyシリーズの3年前にも『REVIEWⅡ』JIRO SELECTで選曲されたりもしている。
★★★☆☆
7thアルバム『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Remix&Remastering 2023)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Demo)

26th またここであいましょう

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2002年7月24日
2週連続シングルリリースの1作目。2001年以降アルバムと同じケース(10㎜)が続いていたが今作では「HAPPINESS-WINTER MIX-」以来の薄型マキシシングルケースとなった。またカラオケ(Instrumental)が収録されていない

初動はついに20万割れとなり、浜崎あゆみの3A面シングル『H』に届かず初登場2位となり、2年連続で夏シングルで1位を持っていかれる事となった。6週ランクインで25万枚を越えた程度となり、前作はヒットしたものの実人気はさらに落としていた。

またここであいましょう

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
久々にGLAYらしいド王道のポップロックナンバー。「BE WITH YOU」の『DRIVE』ライナーで書かれていた“小振りかな?と感じた”というのはこの曲で感じたところがあって、90年代の王道っぽいんだけどさらっとしていてあの頃の無敵のオーラはだいぶ弱くなったなというか。それでもイントロやアウトロのピアノもいいし、21世紀になってからこれぞGLAYという曲をわざとハズしまくってきていたのでこういうのがそろそろ聞きたかったところにストレートに応えてくれたような爽やかGLAYの王道の1曲だったと思う。

『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』は情緒的な曲やおとなしい曲ばかりなので爽やかなこの曲だけ明らかに浮いていた印象だが、逆にシングルで出た時よりもバリバリに目立っていてアルバム自体に馴染めなかった事もあって結果的にこの曲の印象だけ一段以上跳ね上がった。
★★★★☆
7thアルバム『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Remix&Remastering 2023)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Demo)

C/W GIANT STRONG FAUST SUPER STAR

作詞作曲:HISASHI、編曲:HISASHI,草間敬&佐久間正英
アルバム『ONE LOVE』では実験性を抑えてアルバム内でもさほど浮かない良曲を提供していたHISASHIだが、C/Wでは引き続きやりたい放題を極めた。編曲も個人名義で行っており、歌詞も何を言っているか分からない。

シングル盤では歌詞がスペースなしで一塊にぎっしり記載されていて“対訳:GIANT HISASHI”と最後に書いてある上、記載通りに歌われないという分かりにくさであった。『rare collectives vol.2』のブックレットではさすがにブロック分けは行われており、一塊ぎっしりだった歌詞は3ブロックに分けられて適度な改行もされている(“対訳:GIANT HISASHI”の表記はそのまま)ので見やすくなった。

GIANT STRONGというキャラクターの活躍を描いたような内容にはなっていて曲中では声優によるキャラボイスが随所で挟まれる。実際にDr.MOOG:山寺宏一、GIANT STRONG:緑川光、CAPSULE KEI:西田裕美と3人の声優が起用されているが、アニメの予告プロモーションムービーの断片的な場面場面の台詞を切り取ったみたいな感じで、曲を聞いてもストーリーは一切不明だし、台詞も断片的過ぎて意味不明。とりあえずGIANT STRONGがヒーローで、応援するヒロインがCAPSULE KEI、そして敵役がDr.MOOGっぽいという事くらいしか分からずなんかそれっぽい(予告っぽい)だけだがそれ以上の細かい設定はあるんだろうか。HISASHIの漫画・アニメ趣味が前面に出た記念すべき1曲。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Remix&Remastering 2023)

27th 逢いたい気持ち

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2002年7月31日
2週連続シングルリリースの2作目。なんと2週目の浜崎あゆみ『H』にも届かず今作も初登場2位となり、同じシングルに2作連続で1位を阻まれる事態となった。1週目は無理にしても浜崎あゆみの2週目にも及ばないくらいGLAY人気は落ちてしまったのか…と衝撃的な結果だった。『H』は2002年誰も出せなくなっていたミリオン狙いでプロモーションされており、年間1位独走となっていたが、O社集計でのミリオンにギリギリで届きそうになくなってきたのでミリオンヒット記念盤を追加販売してO社ミリオンを達成するというマッチポンプ商法で無理やり達成させるなど、ミリオン売る事を宿命づけられたシングルだったので売り方の気合が尋常じゃなかった…というのはある…。

初動売上も前作と同等だったがドラマタイアップ効果もあって今作の方が粘り、10週ランクインで前作を上回る28万枚の売上を記録した。最後の20万越えヒットシングル

逢いたい気持ち

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
テレビ朝日系ドラマ『サトラレ』主題歌。思念波として考えている事が全て周囲に丸聞こえになってしまう”サトラレ”はが天才的才能を持つため国の方針として本人にその事実を悟られないように対策チームが動いているという設定だが、原作漫画をだいぶ改変して、中心人物ではないサトラレを主人公に据えての安藤政信主演で『サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS』として2001年3月に映画化、1年後に安藤政信が演じたのと同じサトラレを主人公に据えたドラマ版として鶴田真由とオダギリジョー主演で制作したのが今作。映画版は当時友人と見に行ってとても良かったので、ドラマ版で別設定の物語を見る気がしなくてスルーしたんだけど、GLAYファンでもあった友人はドラマも完走、伝え聞いた話によれば映画の方が良かったらしい。

主題歌として聞いていた友人は馴染んで評価高めだったが、個人的には曲自体も過去最高に間延びしてパッとしないバラードだなぁ…と。サビがダラダラ続く感じで明確な聞かせどころがなくて印象に残りにくいしかったるい。それでも年月を経てじわじわ良さが見えてくる事もあるんだけど今作に限っては当時からずっと印象が変わらないまま。久々に聞いてもやっぱりかったるかった…。

『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』の雰囲気には合いそうだったが何故か未収録となったため、C/Wの方が先にアルバムに収録される(『rare collectives vol.2』)事態となったが、3年後にようやく『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』でアルバム初収録を果たした。『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』では収録時間に余裕があったため、C/W共々追加収録されている。

「Way of Difference」もサビで会いたくて会いたくて歌っていて前作と合わせて2002年の3シングルはやたら会いたい曲が続いたため、会いたい3部作とも言われている。当時のTAKUROがそういう心境だったという事なんだろうけどC/Wやアルバムではそうでもないのと3シングル中2曲がタイアップでもあるので会いたい曲ばかり作っていたというわけではないと思う。
★★☆☆☆
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Remix&Remastering 2023)
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Demo)

C/W BROTHEL CREEPERS

作詞:HISASHI&TAKURO、作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TAKUROの曲に共作で作詞だけHISASHIが参加しているため、歌詞にHISASHIっぽいサイバー感が混ざっているという不思議な質感の曲。ほとんど叫び倒すように猪突猛進で突き進むような勢いの荒々しいロックナンバー。メロディアスさはほとんどなく、激しいだけのストレス発散系。”俺達はつまり~””君達はつまり~”とサビ頭のメロディーに”つまり”を重ねてくるところ(「とどのつまり」がタイトル候補だったなんて話も…)とサビ終わりの”王様だ”を歌詞には無いが“王様だ王様だ王様だ”と連呼するなど2000年以降のC/Wでのストレス発散系ロックナンバーの中では部分的に引っ掛かりポイントがあるのが印象的。

C/Wが実験曲だし、これ『とまどい/SPECIAL THANKS』の時みたいに『またここであいましょう/逢いたい気持ち』の両A面にしてC/Wも2曲まとめて収録(『Missing You』スタイル)の4曲で良かったように思う。
★★☆☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
アンソロジー『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY Anthology』(Remix&Remastering 2023)

道産子シーサー
/GALAY

2002年8月14日(6,7日イベントで配布)
作詞:ゴリ・ボンジュール、作曲:鼻キューピット、編曲:Doc.Ioc works
お笑いコンビガレッジセールがテレビ朝日水曜深夜にやっていた冠番組『Gallage Vanguard』の企画で結成されたGLAYとガレッジセールのコラボユニットによる企画シングル。番組イベントで1000枚配布されただけの幻のシングルとされている。表記は8月14日になっているが実際には8月6日と7日のイベントで配布されたのみらしく、これが前作のちょうど翌週になるため実は3週連続だった事に…。

後に『rare collectives vol.2』に収録された事で広く入手可能となった。C/Wには別ミックス、TERUパートのみ(ガレッジセールの声を抜いただけなのでTERUが全部歌っているわけではない)、コーラスを抜いた完全なインスト、コーラスを残したインストなどが収録されているがこれらはいずれもシングル盤でしか聞けない。オークションでは万越えの価格で常時誰かしら出品しているので金さえ積めば現在でも入手は出来る状況のようだ。

企画の第2弾として翌月には今度はガレッジセールとSOPHIAで結成したGaphia名義でチェッカーズのカバー「I Love you, SAYONARA」をリリースしているが、そちらは一般流通でリリースされたためチャートインもしており、比較的入手しやすくなっている。このようにロックバンドとの連続コラボで盛り上がりを見せたが番組自体は直後に終了してしまっているようで最早ガレッジセールのWikipediaにすら非掲載でどんな番組だったのかも良く分からない。

メンバーはメインボーカル兼リーダーのゴリ・ボンジュール(ゴリ)、メインボーカル兼副リーダーのヒロキ(川田広樹)、ボーカルのテルオ(TERU)、ギターの鼻キューピット(TAKURO)、そのまんまヒサシ(HISASHI)、ベースの銀焼酎(JIRO)で6人。曲中で“GALAYの6人”と言っているのはここまでを指すが、ライブではサポートメンバーも色メガネ(TOSHI)、キーボード色違い(SHIGE)と設定されていた模様。

TERUよりもガレッジセールに合わせている感じで、歌い出しはガレッジセールが順番に歌い、TERUはBメロに登場、サビでも3番手だ。特にゴリは高音が通る美声を響かせていて1番目立っている。歌詞はギャグ多めでかなりふざけていて、珍妙なワードが連発される上、色々な要素をぶち込んでいるので時代性も強い。沖縄出身のガレッジセールが『北の国から』(北海道の)ネタで“日焼けした純と蛍”と歌ったり、シーサーにひっかけてサミー・ソーサと当時の大リーガー(1998年にマーク・マグワイアとシーズン最多本塁打記録争いで共に60本越えを記録したため日本でもよく報道されていたがその時は本塁打王を逃している。この2002年には49本で本塁打王を獲得したが本数がそこまででもなかったので1998年当時ほど騒がれてはいなかった)を出したりと時代性が強いので後追いで聞くほど良く分からない部分が増えているのではないか。

シーサーシーサー道産子シーサーを連呼するくだりなんかは完全にコミックソングの悪ノリだし、エンジョイプレイ→エンジョイグレイ→エンジョイガレイの3段活用を連呼するサビもガレッジセールのギャグから来ているがこのエンジョイプレイのサビのメロディーは王道のGLAY節であり、ふざけてばかりではない優れたメロディーメイカーっぷりも存分に発揮。かなり面白くて耳に残る絶妙な1曲に仕上がっている。限定販売ではなく、一般発売していたらもっと後年に残るお笑い系ヒットシングルの1つになったかも。
★★★★☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2

DVD いつか

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2003年3月5日
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2月5日にリリースされていたC/W集アルバム『rare collectives vol.1』『rare collectives vol.2』に1曲ずつ収録されていた新曲「幸せになる、その時に。」「いつか」には1~3月クールのドラマ『刑事☆イチロー』挿入歌&主題歌となった。このうち主題歌である「いつか」をDVDシングルとしてシングルカット。CD付属は無くビデオシングル「サバイバル」に続く映像のみシングル作品となったが今作はDVD作品としてしか扱われていないためDVDチャートへのランクインのみだった。メンバー4人それぞれが別の場所で撮影した4分割画面が繋がっていく演出のMVになっており、DVDにはメイキングとメンバーソロバージョン映像を収録していた。

C/W集『rare collectives vol.1』『rare collectives vol.2』よりUNLIMITED RECORDSの流通が担うのがポニーキャニオンから東芝EMIへ移動となった。また2001年にXXC品番で再発したばかりの『灰とダイヤモンド』~『REVIEW』までのアルバム5枚のうち『SPEED POP』『BEAT out!』『BELOVED』の3作のみが東芝EMIから再発され、『灰とダイヤモンド』と『REVIEW』はそのまま廃盤になった。

CDでシングルカットされたなかったもののC/W集の新曲のままではもったいないGLAY王道を詰め込んだようなシングルチューン。いわゆる真心系と公式に形容された事のあるメロディー重視の王道と「口唇」「誘惑」のロックな方向性、そして『ONE LOVE』でロックバンドとしてさらに次の段階へ進んだGLAYの全てが1曲に濃縮されたような曲で、適度にメロディアスさもあれば激しさもある。割と泣きの聞かせるメロディーラインながら攻撃的でもあるという絶妙なバランスで、似たような曲は案外ないんだけどこれぞGLAYと言える究極の1曲

ドラマ自体が1話短縮打ち切りの低視聴率だったのでタイアップヒットは難しかったかもしれないが、シングルCDで出ていたらもう少し注目されていたかも。
★★★★★
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~

28th BEAUTIFUL DREAMER/STREET LIFE

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2003年10月16日
シングルCDとしては今作よりEMIとなった。品番は通常のEMI品番「TOCT」となり、UNLIMITED RECORDS特有の表記は無くなった(ポニーキャニオンの時はPCCAではなくPCCUだった)。

3月にエイベックスが先陣を切ってCDが売れなくなったのは違法コピーの影響としてユーザーに不便を強いるコピーコントロールCD(頭文字を取ってCCCD)発売を強行。東芝EMIは宇多田ヒカルには拒否されたので採用しなかったがそれ以外には積極採用したのでGLAYも今作でCCCDの餌食となった。

ネット上ではCCCDは音質が落ちる、プレイヤーに過度な負担を与えるとして検証・糾弾サイトが多数立ち上がり、当初は意識していなかったアーティストサイドも徐々に意思を表明し始める動きも若干あった(佐野元春のように抗議の末に決裂して長年在籍したEPICを離れて独立する例もあったし、新人のASIAN KUNG-FU GENERATIONは抗議するも採用されてしまいその怒りを歌詞に込めたのが代表曲「リライト」となった)。GLAYメンバーからは特に反応は無かったが、当時プロデューサー佐久間正英は自身のホームページに掲示板を設置しており、GLAYファンが押し寄せる事態となった。佐久間正英はその声を受けてCCCDを検証して音質劣化を認識したとして今後プロデュースするアーティストでは可能な限りCCCDを採用しないように働きかけることを宣言。以後CCCD反対派としてメディアへの取材に応じるなど頼もしい姿勢を見せてくれた。結果的にGLAYでCCCDは2度と採用されることは無かったが、佐久間プロデュース全てが回避できたわけではなく、採用強行されてしまうものもあった。

前2作で逃した1位を獲得したものの、25万を越えていた前2作から一気に20万割れとなった。それでも今作以降のシングルの中で18万台の今作と次回作が2トップである。

BEAUTIFUL DREAMER

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「幸せになる、その時に。」「いつか」はあったので、1年以上新曲が無かったわけではないが、シングルCDは1年3ヵ月ぶりという過去最長ブランクだったのでかなり久々の新曲、新始動!という印象が当時あった。90年代から地続きだった感じが無くなって、現在まで続く21世紀のGLAYが始まったのも今作辺りからというイメージがある。周囲みんなが聞いている知っているという感じもすっかりなくなって落ち着いてきて、一挙一動が注目されたり、何かやるたびに記者会見開いて大々的に報道されるとかそういう事も無くなってきた一方でより自由になってきたというか先を見据えたような新たな始まりを感じられる1曲だ。

バンドとストリングスが共存して走り抜けるようなイントロが秀逸。サビと同等のレベルでこのイントロ部分は耳に残る。また2002年2月に開設した当サイト『Beautiful Dreamer』2年目に同じ名前の曲が出てきた事もあって思い出深い。10周年頃のオフ会一時連投期ではなんとなくやはりこれは入れないといかんだろうという感じもあって、テーマ曲のようにカラオケで毎回入れていたが、そもそも高くて歌えないし歌った事もないのに無理やり歌っているのでボロボロすぎてキツかった(笑)しかしそのおかげで再度よく聞くようになり、いつの間にか2000年代前半GLAY筆頭な印象にまで成長した。

『THE FRUSTRATED』収録時は特に表記は無いがエンディングが変更されており、演奏終了時にストリングスだけ終わらずにそのまま繰り返し続けてフェードアウトしていく。Anthologyではこの処理が無くなりシングルバージョンと同じ終わり方に変更されている。
★★★★★
8thアルバム『THE FRUSTRATED』(エンディングのストリングスが残る)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

STREET LIFE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「pure soul」に続くTAKUROの心情吐露系ナンバー。雰囲気も似ているが以前よりも苦悩や迷いの色が強く、序盤からどこかへ旅立とうとしていたり、最後のサビで少しだけ何か間違えたかな?と問いかけたりと全体に重め。青春期を過ぎ、人気絶頂期も過ぎ、同時代を生きたバンドがどんどん解散していった喪失感や911テロやイラク戦争など21世紀始まって数年でこんな未来のはずじゃなかったという感覚は実感として強くあったのかもしれない。刺さる部分は確かにあるんだけど、当時はちょっと曲自体も重くてかったるく感じてきてしまい、名曲っぽいんだけど名曲風なだけでそんなに何度も聞く曲にはならなかった。こういう痛みも確かに分かるけれどそうそう何度も浸りたい曲にはならなかった。
★★★☆☆
8thアルバム『THE FRUSTRATED
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

C/W CHILDREN IN THE WAR(Live From HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2003)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY
イラク戦争に対する反戦歌。当時TAKURO個人が戦争反対を強く掲げて新聞広告を出したり、この曲を作ってライブで演奏したりしていたので様々な賛否を呼んだとされる。そのライブで披露されていたライブ音源のまま収録されたが結局その後改めてスタジオレコーディングされることが無く、このライブ音源のみのままとなった。けっこうストレートに戦争への思いを綴っている事もあって、他に置き場がなく、この時限りというところではあったのかもしれない。歌詞自体は少なめだが7分越えという大作でもあり、そう何度も聞きたいと思える曲でもない。とはいえ7分を越えるのはライブ音源ゆえの演奏の締めが長いせいでアウトロが長いだけならなんとか6分台にはなる。エンディングでは次の曲「pure soul」のイントロ演奏開始と同時にフェードアウトする。

賛否を踏まえてか戦争反対の思いだけがあまりに先行しすぎたためかしばしこれっきりとなっていたが、同じツアータイトルを採用し、ゴーストのような曲に陽の目を当てるというコンセプトでレア曲を披露した2023年の「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2023 -The Ghost of GLAY-」ではこの時以来のライブ演奏をしたという。
★★★☆☆
スタジオ音源なし
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(Live From HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2003)

29th 時の雫

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2004年1月28日
2004年になるとCCCD問題は深刻化してソニーレーベルがアルバムにまで採用を開始してさらに採用数が膨大になっていったり、同じEMIでもQUEENのベスト盤『ジュエルズ』に採用されて日本のファンの批判の声がブライアン・メイに届いてブライアン・メイがCCCD批判する、同じ佐久間正英プロデュースの175RではCCCD採用が続くといった厳しい状況の中で、佐久間正英の宣言通りにGLAYのCCCDは前作の1作限りとなり普通のCDで発売された。前年大ブレイクした時点で175Rの売上はGLAYを上回っていたが(175Rが垂直急降下してしまったので2004年には再逆転)、それでも175Rで採用が続きGLAYが拒否できたのはキャリアの差によるところが大きかったのだろうか。

前作に続いて1位、18万台の売上を記録。

時の雫

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英、Strings Arrangement:溝口肇
テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『スカイハイ2』主題歌。釈由美子の代表作となったドラマでちょうど1年前に放送されていた1作目の続編。この間に2003年秋には映画版も公開されていた。事故や殺された人がやってくる怨みの門の門番である釈由美子演じるイズコが毎回ゲストに死んだ理由やその後の世界を見せ、死者に天国へ行き再生(転生)を待つか、現世を彷徨うか、誰か1人呪い殺して地獄へ逝くかを選ばせるという内容。1作目ではイズコの正体と交代が描かれ、映画版ではドラマとは異なる設定で釈由美子がイズコになるまでが描かれ、このドラマ2作目も1作目と映画版とは直接の繋がりは無いという同じ釈由美子が演じているイズコが全部パラレル設定だった(1作目の6話死者ゲストとして出演した森本レオがこの2作目では現世のレギュラーキャラとして別人で出演している)。主人公は同じなんだけど3作とも別時空設定って分かりにくい…。

1作目はOPとEDが別々に用意されていたが(ポルノグラフィティ「渦」がOPでおどろおどろしく始まってエンディングのwyolica「Mercy Me~いつか光を抱けるように~」で穏やかに締める)、この2作目は実質エンディングである今作のみが主題歌として使用された。作風自体も後味の悪いものが多かった1作目からやや暖かみのある内容にシフトしていたので、主題歌としては今作の方がハマっていたように思う。11時15分からのドラマで0時過ぎにかかるエンディングとして心地よかった。当時はそこまででもなかったし、まだお疲れ気味バラードの良さが分かる頃合いでも無かったが、発売から20年の間にじわじわ上がってきて2000年代以降のGLAYバラードでは個人的に最高峰にある1曲になった。

当時はこういう落ち着いたシングル曲が珍しかったのと、ここから穏やか系のバラードが増えたのでなんとなく疲れた感じがするなという事でお疲れ気味バラードと勝手に呼んでいた。
打ち込みと生ドラムが混在したサウンドになっているがシングル盤ではRentaro TakayasuがDrum&Drunk Programingとしてクレジットされていて、Toshi Nagaiは不参加(「そして、これからも」のみ参加)という表記だったが、『THE FRUSTRATED』収録時は一括クレジットでドラムがToshi Nagai、ProgramingがRentaro Takayasuと書いてあるだけとなっていた。『THE GREAT VACATION VOL.1』ではシングル盤に準じたクレジットに戻っているのでやはりToshi Nagaiは今作にドラムで参加していないで合っているようだ。
★★★★☆
8thアルバム『THE FRUSTRATED
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』(表記は無いがRadio edit)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』JIRO SELECT
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

C/W そして、これからも

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
C/Wの方向性が大きく変わり、ここ数年実験的だったりほとんど叫び倒すばかりのような激しい曲を連発していたのが一転して優しく聞かせるミディアム~バラード系ばかりになった。久々にメロディーを前面に出したミディアム系のラブソングだったので逆に凄く驚いたのを記憶している。
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3

C/W HOWEVER(inspired by HIGHCOMMUNICATIONS)

作詞作曲:TAKURO、編曲:TERU
12thシングルのリアレンジバージョン。TERUによる単独編曲でinspired by HIGHCOMMUNICATIONSと題されているがこれは2003年のツアー「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2003」でTERUがキーボード弾き語りで演奏しており、そのバージョンを基にスタジオ音源化したため。キーを下げた静かなピアノ伴奏のみのシンプルなバージョン。暗いといえば暗いがメロディーの良さはこの形でも伝わる。

当時ライブDVDもリリースされていたが、『THE FRUSTRATED Anthology』のBlu-rayはアルバム本編ではなくそれより1年前の「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2003」を何故か取り上げていて、このせいで「MAKING OF HIGHCOMMUNICATIONS 2003」「“ROCK SHOCK PART Ⅲ” Digest 2003.5.14 函館・金森ホール」の2つの映像内でまさにinspired by HIGHCOMMUNICATIONSなTERUの弾き語りライブ映像が2本収録される事となった。
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3

C/W 時の雫(Radio edit)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英、Strings Arrangement:溝口肇
イントロとアウトロのストリングスのみの演奏部分をカットして7分20秒→5分54秒に短縮したバージョン。タイトル通りラジオOA用に制作されたものだがついでにMVもこっちのバージョンで制作された。ラジオでフルサイズでかけるのに6分近い長さは十分に長いので、番組の判断で途中で終了する事は多々あったのではないかと思われる。歌詞にある最後のサビを歌いきった後の最後のラララパートでフェードアウト処理にでもしてしまえば5分前後で終わらせる事も出来たが…(手動でそうしていたラジオ局多そう)。

GLAY APPやApple Musicなどシングル盤を配信しているところでもこのバージョンはカットされているようだ。表記は無いが74分を越える収録時間となった『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』収録時のみこのバージョンを採用しているので配信では『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』でこのバージョンを聞く事が出来る。。
★★★★☆
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』(表記は無いがRadio edit)

HIGHCOMMUNICATIONS

作詞TAKURO、作曲:Kombinat-12、編曲:GLAY&佐久間正英
From 8thアルバム『THE FRUSTRATED
『THE FRUSTRATED』1曲目。2003年のツアータイトルでもあり、未発売の新曲としてライブでも演奏されていた。Kombinat-12というのはTAKUROとHISASHIの共作名義と明かされているが、次の曲「THE FRUSTRATED」と続けて2曲クレジットされたっきりでその後使用される事はなかった。

歌詞には”HIGHCOMMUNICATIONS!”と2行書かれているだけだが全英語詞で他の歌詞もある。キャッチーな曲ではないが、さらなる進化を見せたようなロックナンバーでウォッウォオウォッウォオウォウウォオオの繰り返しととりあえずタイトルの連呼はそこそこ耳に残る。

以降も不定期にHIGHCOMMUNICATIONS TOURが開催されており、そのツアーでは必ず演奏されているようだ。
★★★☆☆

THE FRUSTRATED

作詞TAKURO、作曲:Kombinat-12、編曲:GLAY&佐久間正英
From 8thアルバム『THE FRUSTRATED
アルバム2曲目でタイトル曲。2作連続のKombinat-12名義。今作もほぼ英語詞で、/で区切られた英単語と一部短い英文がひたすら並ぶという独特のものとなっていて、冒頭2曲で今までとは違う進化を感じられる仕上がりになっている。1番最初に出てくる単語「X-RATED」はアルバム発売前にアルバム全曲を演奏するツアータイトルになっていた。ライブとの連動が強くなっていたのでライブに行かないCDだけ買うファン(この当時でもそっちの方が圧倒的大多数)はこの辺りなんだか良く分からないところではあった。
★★★☆☆

30th 天使のわけまえ/ピーク果てしなく ソウル限りなく

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2004年5月19日(通常盤)
B000228XBY B000228XC8 B000228XCI B000228XCS B000228XD2 B000228XDC B000228XDM B000228XDW
2004年5月25日(地方盤8種)
両A面シングルだが、この2曲とは全く無関係に発売形態が物議を醸した問題作目に見える窓口が他に無いからってCCCDに続いて佐久間さんの掲示板で今回の売り方は残念だとお気持ち表明したり批判したってしょうがないだろ…と思った記憶。

通常盤の1週間後に地方盤8種を一斉発売。1種ごとに別集計となったため、2週目の通常盤と初登場の地方盤8作の9作が別々にランクイン。通常盤は初登場1位だったがさすがに地方盤についていくファンはわずかで、15~27位にかけて断続的に8種が並ぶ事態となった。

地方盤は北海道盤、東北盤、北陸盤、関東盤、東海盤、関西盤、中国盤、九州盤の8種。地方限定ではなく全種全国発売だった。2~3月にかけて開催されたばかりの『THE FRUSTRATED』発売前にアルバムの曲を演奏するという「GLAY CONCERT TOUR 2004 X-RATED」ツアー各地、北海道盤であれば北海道厚生年金会館、東北盤であればZepp仙台などその地方の会場での最新ライブ音源2曲ずつが収録されており、8種16曲でアルバム『THE FRUSTRATED』全14曲と「天使のわけまえ」「ピーク果てしなく ソウル限りなく」が揃う仕掛けとなっている。通常盤収録の「BEAUTIFUL DREAMER」「時の雫」の2曲は重複しているが、「BEAUTIFUL DREAMER」は北海道盤、「時の雫」は九州盤に収録されているので、東京公演のライブ音源である通常盤とは異なる地方でのライブ音源となっている。また関東盤は通常盤と同じ東京公演からの選曲だが2曲とも別曲であり、同じ音源は1つもない。

現在の公式ディスコグラフィーでは8種をX-RATED AREA EDITION1ページのみで処理しており、詳しい曲目も記載していない。

ライブバージョンもしっかり収録していたC/W集アルバム『rare collectives』シリーズでは通常盤の2音源含めて今作のライブ音源は全曲未収録となった。また今作は通常盤準拠ですらなく、表題2曲のみでC/Wを全カットした状態でしか配信していない(公式アプリも同様)。今作に関しては当時もかなり批判的な意見が多かったし、さすがに9種も大量に買わせたことを申し訳なく思い、全てのライブ音源は当時の購入者のためだけという事で他には収録も配信もしない、ディスコグラフィーにも詳細を載せないという形で半ば封印作としてケジメをつけたのかもしれない。

当時のレンタル屋はまだまだ元気だったので確か地方盤も入荷しているのを見た記憶があるが、通常盤しか手に取らなかったし、ファンの友人も買わずレンタルでも手に取ってはいなかった(地方盤どれも数万しか売れていないので財力のあるコアファンしか動いてない)。今にしてみると貴重なチャンスだったな…。中古でもほとんど出回らなくなった…というか中古のシングルコーナーが壊滅した現在では揃って入手できる機会は実店舗ではほぼ皆無となり、ネットで入手する以外の選択肢は取りにくくなっているはず。

天使のわけまえ

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
ギラギラとしたロックナンバー。ジャガジャガジャガジャガジャガジャガ!ジャガジャガジャガジャガジャガジャガ!ジャガジャガジャガ!ジャガジャガジャ!といきなり連打されるイントロがインパクト抜群。全体に怪しげな雰囲気が漂うGLAYには珍しい雰囲気で、どっちかというとちょっとラルクっぽいなと思った記憶がある。穏やかな曲が並んだ前作の反動というのもあったのかもしれないが、他に見かけない刺激的なロックナンバーだった。結果的にこの後2作も穏やかな曲調だったのでシングル並べると物凄く浮いた立ち位置になった感じがある。

バラード続きの流れの中では浮いてしまい、しばらくオリジナルアルバムが出なかった事もあり、アルバム未収録のままとなり、2009年の『THE GREAT VACATION VOL.1』で初収録となった。
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

ピーク果てしなく ソウル限りなく

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
『THE FRUSTRATED』の「BLAST」にも参加していた東京スカパラダイスオーケストラを再度招いての陽気で明るいロックナンバー。しかしなんだか妙に明るくはじけすぎちゃった変なテンションの高さもあって最初に聞いた時は戸惑った。ライブでは定番曲となり盛り上がる1曲になったらしく、ハマればハマる曲なんだろうなとは思うがちょっと陽気すぎて上滑りしている感じがしてしまってこの時期のシングルの中では聞いた回数が1番少ないかも…。

「天使のわけまえ」とその後の扱いも全く同じとなり、一緒にアルバム未収録のままとなり、一緒に2009年の『THE GREAT VACATION VOL.1』で初収録になりシングルバージョンはそれっきり、一緒に『THE FRUSTRATED Anthology』で追加収録され、一緒にデモ音源も収録された。いつもいっしょ
★★★☆☆
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

通常盤C/W BEAUTIFUL DREAMER(Live from X-RATED TOKYO BAY NK HALL 2004.3.15)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY、Strings Arrangement:島健
通常盤には前2作のシングルの3月15日TOKYO BAY NK HALL公演のライブ音源を収録。関東盤には同日のライブから「BLAST」「ピーク果てしなく ソウル限りなく」が選曲されている。当時映像化はされなかったが、2011年のC/W集第3弾『rare collectives vol.3』初回盤DVDとして3月15日TOKYO BAY NK HALL公演が初めて映像化されており、通常盤の「BEAUTIFUL DREAMER」「時の雫」と関東盤の「BLAST」「ピーク果てしなく ソウル限りなく」の4曲は映像でも見る事ができるようになった模様。

この音源ではストリングスをカットしたりシンセで代用したり同期や少人数編成で再現したりではなく、24名のストリングス隊が実際に参加しており、生のオーケストラとの共演でのライブ音源になっているので迫力がある。
★★★★☆

通常盤C/W 時の雫~Overture(Live from X-RATED TOKYO BAY NK HALL 2004.3.15)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY、Strings Arrangement:島健
ストリングスアレンジはシングルとほぼ同じアレンジに聞こえるが、「BEAUTIFUL DREAMER」と同じく島健がクレジットされていてオリジナルの溝口肇ではない。前述のように24名のストリングスが実際に参加していて島健がライブのアレンジを担当していたという事か。Radio editのようにバッサリカットせずストリングスのイントロが少しだけ入ってから他の演奏が入る仕様でエンディングは新たにラララ歌唱を加えてみんなで大合唱しているので演奏終了時点で9分半、そこから少し間を開けてストリングス演奏のみの「Overture」も一緒に収録されている。「Overture」で奏でられているメロディーは何故か「またここであいましょう」。全て終了すると12分半を越える長尺となっている。さすがに長い。
★★★☆☆

31st Blue Jean

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2004年8月4日
今作で再びアルバムサイズCDケースに戻った。また「Way of Difference」以来となる表題曲カラオケ(Instrumental)が復活した。

初回盤はデニム仕様のスリーブケースが付属。タイトルにひっかけての遊び心だったようだ。

Blue Jean

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英、Strings Arrangement:佐久間正英
爽やかサマーポップナンバー。『THE FRUSTRATED』や前作がロック路線だったのでそこから一転してここまでロック色抑えて爽やかに徹する!?と驚くほどアコースティックサウンドやストリングスなど柔らかい音が前面に出ていてシングル史上最高に爽やか。青春時代の恋人と久々に再会して主人公は愛が再燃するが伝えられないまま夏が過ぎていく…という歌詞の内容は切ないものとなっているが、サウンドが爽やかなのであまり切なくは聞こえない。暑すぎる夏に涼し気な風が吹き抜けるような1曲。シングルの中では異色な作風ではあったと思う。

バラードではないがバラッド(抒情詩)ではあるという事なのか『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』でアルバム初収録となりオリジナルアルバムには未収録。しかもシングルバージョンが聞けるアルバムはこれのみである。『THE GREAT VACATION VOL.1』ではJet the Phantom Mixにミックス変更されており、音の響きが違う…が、具体的に何がどう違うかというと明確な違いを言葉にするのが難しく、同じバージョン名がついた「とまどい」のようにエンディングが長くなっているみたいな構成の違いはない。とりあえず連続して聞けば確かに違う事が分かるくらいには響きが違うが、全くの別バージョンというわけではないのでバージョン名を伏せて聞くとどっちがどっちだったか分からなくなる。『THE FRUSTRATED Anthology』には追加収録され、これが3バージョン目。このバージョンではイントロ部分でTERUがHa-Ah-と口ずさんでいるような未発表テイクが使用されていて違いが分かりやすい。
★★★★☆
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(Jet the Phantom Mix)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

C/W 南東風~PEACEFUL SESSION~

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
THE FRUSTRATED』収録曲のシングルカット。原曲にコーラス参加していたくず、YUKIの出番が増えたバージョン。オリジナルは終始TERUメインボーカルだったが、1番のサビ前にかけてくずの2人のボーカルがかなり強調される、2番では歌い出し部分をYUKIがTERUに代わって単独歌唱しているという違いがある。くずというのは2000~2006年まで放送されたフジテレビ系バラエティ『ワンナイR&R』のコントで雨上がり決死隊の宮迫博之、DonDokoDonの山口智充の2人が牢獄の囚人HIROとANIKIに扮して音楽を通じて更生するという設定で誕生し、実際に2001年にシングル『ムーンライト』でデビュー。ゆずのパロディでくずというネーミングで曲自体も終盤ふざけるというものだったが、ANIKI(山口)の作詞作曲ギターと2人の美声ボーカルワークは本格デュオのような存在感で人気となり番組終了の2006年までシングル5枚、アルバム1枚を残す人気ユニットとなった。2003年のアルバムではTERUとTAKUROがゲスト参加しており、そのお返しのような形で今作に登場したようだ。YUKIはJUDY AND MARY時代の1996年に「週末のBaby talk」にコーラス参加した事があった。

オリジナルではせっかく有名ゲスト2組が参加してるのにコーラス程度でYUKIは女性の声が混ざればコーラス程度でも多少目立っていたとはいえ、くずの声はどこに混ざっているのかほとんど声が聞こえずなんだかもったいなかったので、2組の存在感が増した今作の方がコラボ曲としても完成形といった印象。楽曲自体も攻撃的な曲が多めのアルバム内では飛び抜けて人懐っこくてポップな仕上がりでまさにキャンプファイヤーソング。筆頭にあった「I’m in Love」を個人的には越えた名曲だなと思った。『THE FRUSTRATED』の頃までは中学時代からのGLAYファンの友人との交流が続いていて(アルバムも彼に借りた)、その関係でドライブとかでかけたりもしていたのでGLAYを共有している感があった最後のアルバムでもあったんだけど、そろそろ以前ほどではなく積極的には聞かれなくなっている中でアルバムの中では今作が飛び抜けて好評だった記憶がある。

『THE FRUSTRATED Anthology』では原曲準拠のリミックスになっているので全編TERUボーカル。
★★★★☆
8thアルバム『THE FRUSTRATED』(原曲)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(PEACEFUL SESSION)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Remix&Remastering 2024)
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

C/W すべて、愛だった-Lavie d’une petite fille-

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英、Strings Arrangement:佐久間正英
これまたストリングスを生かしたメロディー主体のナンバー。表題曲でメロディー重視に行ったのでC/Wは実験曲だろうと思っていたら徹底してロックサウンドを抑えた方向で驚いたがこの辺りからシングルでもC/Wだから自由にやる、遊ぶというよりもトータル性を重視する考え方に変わってきたのだろうか。

『THE FRUSTRATED Anthology』では収録時間の限界で収録不可能となり、デモ音源のみがDISC-2に収録されたが、公式サブスク「GLAY APP」限定で前作C/W「そして、これからも」と共にRemix&Remastering 2024が追加配信されている。正直そこはアプリ課金者だけ優遇ではなく、9130円払った『THE FRUSTRATED Anthology』購入者をまずは優先すべきであり、酷いやり方だなと思った。
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3
アンソロジー『THE FRUSTRATED Anthology』(Demo)

C/W すべて、愛だった-Lavie d’une petite fille-(Acoustic Version)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英、Strings Arrangement:佐久間正英
演奏時間もオリジナルと全く同じで別アレンジというよりバンドサウンドを間引きしたようなピアノとストリングスを前面に出したバージョン。アコースティックバージョンとなっているようにギターはアコースティックギターなんだけど序盤いないし、出てきてもストリングスとピアノが最前面なのでバック演奏程度の存在感しかない。いい曲ではあるんだけど、次回作以降に収録するとかではなく、続けて収録されるというのは珍しい。
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT

32nd ホワイトロード

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2004年12月8日
バラードベストアルバム『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』の1ヶ月前先行シングル。

当時のO社は年間の区切りを11月20日前後の週に設定していたため、今作は2004年ではなく2005年度のシングルとして扱われた。これに伴い、2005年はGLAY×EXILEだけで単独シングルの発売が無い唯一の1年となったが、O社の記録上は2005年度の初登場ランクインは今作で達成した事になり、1996年からの連続トップ10入り年数記録は継続扱いとなっている(メンバーもこの記録は意識してシングルCDリリースを継続しているようだ。なおこのTERUの発言自体は間違いで該当作品はアルバム扱いとなったがそもそもこの前のシングルで2023年分は達成済みという勘違いであった)。

ホワイトロード

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「Winter,again」「Missing You」に続くメンバーの地元北海道を思わせるウィンターソングのシングルとなるが、吹雪、猛吹雪を思わせた2曲とは対極のゆっくり雪が降り積もっているようなイメージの穏やかに歌い上げるバラード。時期的に鐘の音っぽい音も聞こえて冒頭の歌詞にもクリスマス感も漂う。2作連続で穏やかな曲が来た上に、かつてと違う落ち着きっぷりに当時はお疲れ気味バラードと呼んでいたが、当時のメンバーと同じくらいの年齢になれば自然な響きに聞こえるようになってくると思う(実感)。激動の時代を経て落ちついた大人の領域に達したんだな…と遠い目にもなるが、実際はこの時期には落ち着くどころか、先を見据えて自分たちの権利を自分たちで管理するための完全独立体制への道へと本格的に進もうとしていた。

売上的にはさっぱり伸びず、いい曲だけどなんだかすっかり固定ヒットだけで全く広がらなくなっちゃったな…とは思ったんだけど周囲での評判は上々だったし、この後の『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』がC/W集と『THE FRUSTRATED』で3作連続25万前後だったところ、40万越えまで伸ばすヒットになったので先行シングルとしての役割は大いに果たしたっぽい。正直またベストかという感じではあったし、状況次第ではオリジナルアルバム以下の売上になってもおかしくないくらい固定ファンしか買わなくなっていた中で、40万越えは起死回生のヒットだった。この後の『THE GREAT VACATION』2作はその前のオリジナルアルバムと全く変わらない数字で20万に届かなかったし、余計に『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』のヒットは際立った。
★★★★☆
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT

C/W 笑顔の多い日ばかりじゃない

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
これまた実験も遊びも激しさも無い、直球勝負のポップロックナンバー。タイトルや歌詞の内容は辛い事もあるけど頑張っていこうとするような程よい励ましと元気をくれるものとなっていて少し疲弊した状況にこそ響くような1曲。

2000年頃からの実験連発だったC/Wですっかりシングル聞く事から離れてしまったリスナーも多かったと思うんだけどシングル聞き続けて良かったなと思える2004年の締めくくりであった。
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』HISASHI SELECT(再録音)

つづれ織り~so far and yet so close~

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』のラストに唯一収録された2005年唯一の単独新曲2003年のツアーのエンディングでかかっていたという未発表曲。主人公が女性目線(私)っぽくなっているラブソングで「ホワイトロード」とも対になっているようにも聞こえるし、ファンとGLAYの関係性を重ねる事も出来るような内容。お疲れ気味バラード的な落ち着きで、90年代のGLAYとは違う、30代になった大人のGLAYが歌うバラード曲という感じはするし、新たな到達点だったようにも思う。

結果的に楽曲の権利を全てTAKUROが個人事務所で買い取るという交渉に動いたり、かつて提携していたバーニングが著作権使用料の支払いを滞らせたため裁判を起こして勝利した事務所アンリミテッドが今度はGLAYへの印税支払いを滞らせるようになったのでアンリミテッド相手に訴訟沙汰になる…など裏側で色々起こっていたこともあって、完全独立へ動いていき、2005年はGLAY単独での新作は年明けの今作のみとなった。

2014年の『BALLADE BEST☆MELODIES』に収録された辺りで改めて人気が再燃、ツアー「Miracle Music Hunt 2014-2015」で演奏されたライブ音源が52ndシングル3A面3曲目として収録され、まさかの発売10年越しのシングルカットとなった。表記上は長くなりすぎるためか『HEROES/微熱Ⓐgirlサマー/つづれ織り~so far and yet so close~』となっているが、収録されたのはライブバージョン「つづれ織り~so far and yet so close~(Live from Miracle Music Hunt 2014-2015)」となる。
★★★★☆
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES
52ndシングル3A面3曲目(Live from Miracle Music Hunt 2014-2015)

SCREAM
/GLAY×EXILE

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2005年7月20日
GLAYとEXILEのコラボシングル。EXILEが所属するエイベックスからの発売だが、先輩のGLAYを立てたのか”GLAY×EXILE”となっている。

当時のEXILEはボーカルのSHUN、ATSUHIパフォーマーのHIRO、MATSU、USA、MAKIDAI6人組。現在は第1章と呼ばれる編成での晩年であった(翌2006年春にSHUNが脱退、パフォーマーも2013年末でHIRO勇退に続いて2015年末で3人も一気に引退、1人残っていたATSUSHIは一時ソロ専念後に2020年に正式な勇退を表明したが、ツアーへの限定復帰を経て2022年に正式復帰したので現在はATSUSHIのみが現役メンバーとして活動中)。初動だけで30万枚を叩き出し、累計54.5万枚2005年の年間5位の特大ヒットとなった。GLAYにとっては2002年の「Way of Difference」以来となる大ヒットで21世紀になってからの50万突破は「Way of Difference」しか無く、30万突破すら「Way of Difference」以来であった。EXILEもシングルでの1位は前年に1回取っただけで、今作でダントツ最高売上を一挙更新、かなり好調だった今作の前後のシングルでも20万前後だったが、次の次のシングルとなる年末の「ただ…逢いたくて」で今作をわずかに上回る売上を記録していた。EXILEは明確に上り調子の時期で今作きっかけでさらに1ランク上がった感じ(その後にSHUN脱退で仕切り直してさらにプロジェクトをスケールアップさせた)。

初回30万枚限定盤はPVとレコーディング風景、PVメイキング映像を収録したDVD付。ジャケットは半分の5人が写っていて残り5人は裏ジャケにいる。
5万枚限定プレミアムフォトジャケットはメンバー10人全員がジャケットに写っている仕様でDVDはPVのみの収録。
通常盤は初回盤とジャケ写どころか品番も全く同じだがDVDはPVのみの収録。

このような変則的な3種発売で3種とも価格は同じ、全てCD+DVDでCDのみでの発売は無かった。

SCREAM

作詞:SHUN,TAKURO、作曲:TAKURO、編曲:GLAY,EXILE&原田憲
SHUN、ATSUHI、TERUの3人ボーカル編成でGLAYの演奏という事になるが、編曲にはEXILEとエイベックスの原田憲が参加、佐久間正英は不参加となっているので普段のGLAYとはかなり異なり、ロックとダンスミュージックの融合のような方向性に仕上がっている。キャッチーというよりもガラが悪い感じ怖いお兄さんたちに囲まれて演奏するGLAY…みたいな。イメージはかなり当時のEXILE寄り。

あまりのガラの悪さとそもそも曲もなんだかパッとしない…という事でこのシングル、リアルタイムでレンタルせずにスルーしてしまい聞かなかった唯一のシングルだった。しかしそれとは裏腹に50万越えの大ヒットとなり、人気上昇中だったEXILEの勢いがさらに増すきっかけの1つにもなった。正直これがヒットするのかぁ…という意外だった印象しか残っていない。異色コラボとしか言いようがなく、3人のボーカルも色が異なっていてどうにも混ざり切っていないがそれがいい味になっているともいえるのか。割とソロパートは均等だがサビで3人揃った際は一応作詞もしたSHUNのボーカルを中心に持ってきている感じなのかな。シングルバージョンよりもアルバムバージョンの方がややギターが目立っていて少しロックバンドっぽい方向に寄せてミックスし直したか追加録音したっぽい。

EXILE側ではSHUN在籍時の最後のアルバム『ASIA』にシングルバージョンで収録され、その後SHUN脱退→TAKAHIRO加入に伴い、SHUN在籍時の主要楽曲は2008年にEXILE PERFECT YEAR 2008と銘打って1年で3作リリースした『EXILE CATCHY BEST』『EXILE ENTERTAINMENT BEST』『EXILE BALLAD BEST』でTAKAHIROボーカル参加バージョンで軒並み再録音され、以後全て再録音バージョンでのベスト収録となり、SHUN在籍時の全音源は2024年9月まで配信からもずっと外されていた。TAKAHIROでの再録音ではアレンジも少し変わっていてデジロック色が増しているが、GLAYをもう1回呼び出して再録音したのだろうか。このバージョンではTERUの存在感が減退していて小さくなっているし、ちょっとなんだかなぁ…という感じはある。

GLAYサイドではボーカルがSHUNの音源をアルバムバージョンにして収録しており、SHUN脱退後であった『THE GREAT VACATION VOL.1』でも差し替えせずSHUN参加のアルバムバージョン音源を使用していて配信にも出ていたが、シングルバージョンはGLAYアルバム未収録。シングルバージョンは長らく未配信のままとなり、シングル盤か『ASIA』のCDを探してこないとオリジナルバージョンを聞く事が出来なかったが、2024年9月27日(EXILEのデビュー記念日)にSHUN時代の楽曲の配信が解禁され、今作も聞けるようになった。

PVバージョンではパフォーマーの見せ場を増やすため間奏が長くなっている

今作についてTAKUROが語る時に当時から何故かSHUNにだけちゃん付けで”SHUNちゃん”と呼ぶのが地味に謎。当時のインタビューでもSHUNちゃんSHUNちゃん連呼していたんだけど、2022年のシングル『Only One,Only You』Blu-ray/DVDで全シングルを振り返るメンバーコメンタリーでも”SHUNちゃん”のままだったのでTAKUROの中ではずっと”SHUNちゃん”なのだろう。”ATSUSHIちゃん”とは呼ばないのでどこに違いがあったのだろう(同じ1980年生まれだがSHUNが1月でATSUSHIが4月なので学年ではSHUNが1つ上)。作詞の共作で交流が深かったのでかわいい後輩みたいな感じになったのかな。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』(album ver.)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(album ver.)
EXILE4thアルバム『ASIA』(シングルバージョン)
EXILEベスト『EXILE ENTERTAINMENT BEST』『EXTREME BEST』(TAKAHIRO参加の再録バージョン)

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