ゆず 20周年シングル回顧2~2001-2006~

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ゆず 20周年シングル回顧2~2001-2006~

21世紀を迎えると再び明るい方向性に回帰。今までにない遊び心を見せたり、4週連続1コインシングルリリース、3曲A面など様々な実験的試みや挑戦もこなしながら順調にキャリアを重ねていった。04年には代表曲となる「栄光の架橋」も生まれた。気が付けば2人は「もうすぐ30才」であり、デビュー10周年も迫っていた。

この時期までは北川のA面採用が多いものの、要所要所では岩沢曲がA面を飾っており、両A面の2曲とも岩沢曲という事もなんと2度もあった。

11th 3カウント

3カウント
01年5月23日
詩曲:岩沢厚治
アルバム『トビラ』で全部出し切ったのか、ダークな空気を引きずらずに年が開けるとすっかり以前のさわやかイメージに戻った。この切り替えの早さは驚きだったが、何かきっかけがあったのだろうか。ハーモニカを生かしたアコースティックサウンドはまさに初期イメージのゆずであり、久々に“帰ってきた”感じがあった。これぞゆずと言える王道の1曲だが同時に少し頼もしくなったようにも感じられ、単なる原点回帰以上の勢いがあると思う。

今作の後に6月29日に東京ドームでの弾き語りライブを決行。7月14日にはもうライブアルバムにしてリリースするという色々な意味で離れ業をやってのけたが、結果的に01年の新曲は今作だけだった。
★★★★☆
4thアルバム『ユズモア
2ndベスト『Going[2001-2005]
5thベスト『ゆずイロハ

12th アゲイン2

アゲイン2
02年2月13日
詩曲:北川悠仁
久々の新曲は2週連続リリース。アコースティックを残しつつもロックバンドのようなバンド感を押し出したひたすら前向きなアップテンポナンバー。前作の岩沢曲に呼応するように、北川曲でも前向きさが戻った。暗闇を抜けての頼もしさが垣間見えるのが今までとの違いだろうか。リアルタイムではこれまでも耳には入っていたが、もう少し刺激が足りないと思ってちゃんとCDを手に取っていなかったところ、前作と今作で少しガツンと来る印象があったのでアルバム『ユズモア』を手に取り、ゆずを聞き始めるきっかけになった曲なので思い出深い。系統はだいぶ違ったが同じアコースティックデュオとして活躍していた19の解散発表もこの頃だった。

なお「1」が無いのに「2」になっているのは元々未発表曲「アゲイン」を手直しして今作が出来上がったため。その「アゲイン」は4~6月の期間限定で配信で発売された。配信といっても当時はまだPC配信ではなく、携帯電話も着メロ時代着 う た は ま だ 無 か っ た 。確かファミリーマートなどにある機械で購入するような販売スタイルで分かりにくかったのでほとんど浸透してなかったんじゃなかったか…。07年の『ゆずのね』でめでたくCD化され、手軽に聞けるようになったが…一部アレンジが共通している以外はほとんど別の曲みたいで、明らかに「アゲイン2」の方がメロディーが強くて完成されているという印象。
★★★★☆
4thアルバム『ユズモア
2ndベスト『Going[2001-2005]』』
5thベスト『ゆずイロハ

13th 恋の歌謡日

恋の歌謡日
02年2月20日
詩曲:北川悠仁
2週連続リリースの2作目。北川が女装して北見川潤子、髪が七三になった岩沢演じるムーチョ小岩沢という役として悲恋物語を歌う文字通りの歌謡ナンバー。楽曲の世界観を拡大したストーリー仕立てのMVが制作され、DVDシングルとしても発売された。あまりの異様さに普段ゆずを聞かないリスナーまでもが二度見する勢いで注目を浴びた。突如何が起きたかよく分からなかったのが正直なところだが、現在に通じるゆずはなんでもありを初めて世間に知らしめた重要作といえる。
一方であまりにインパクトが強すぎてオリジナルアルバムに入れようがなく、スルーし続けたまま年月が経過。ベスト盤の収録タイミングでも何故かアルバム未収録の曲は新曲や新録音、特殊販路発売楽曲以外は入れないという謎の制約を守り続けたため、未収録のまま放置されていた。A面アルバム未収録四天王のうち唯一の単独A面曲(他は両A面2曲目)として長年君臨していたが、『ゆずイロハ』でついにアルバム初収録を果たした。メンバーも未収録を気にしていたらしく、他の3曲はもうA面曲だった意識が無さそ『ゆずイロハ』の選曲の際には即座に収録候補に挙がったという。

5thベスト『ゆずイロハ

14th またあえる日まで

またあえる日まで
02年10月17日
詩:アドベンチャーキャンプの子供達&北川悠仁、曲:北川悠仁
大山のぶ代時代のアニメ『ドラえもん』と翌年3月の映画『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』の共にED。近年はあまり子供向けを気にしない曲も多いが、かなりキッズ向けに寄せていったようなほのぼのアコースティック合唱ナンバー。後のNコンやしんちゃんでもそうだったが、あくまで自分たちの曲に作品の雰囲気を混ぜ合わせるというより、作品ありきの楽曲を提供するという逆の発想をしているんじゃないかというくらい合わせていっている印象がある。
今作のキッズ向け路線をそのまま発展させた『ゆずスマイル』というミニアルバムも企画され、その中では新録音されている。新録音バージョンでもそんなに雰囲気は変わっていない。また岩沢はあまりそういうタイアップ等に合わせていくような曲作りはしないためか、この時のキッズ向け路線のコンセプトは完全に北川主導だったのがけっこうあからさまに見える企画でもあった。
★★★☆☆
4thミニアルバム『ゆずスマイル』(新録音)
5thアルバム『すみれ
2ndベスト『Going[2001-2005]
5thベスト『ゆずイロハ

15th 青

青
03年2月5日
詩曲:北川悠仁
紙ジャケットワンコイン(500円)各10万枚の4週連続シングルの第1弾。青春パンク調のアップナンバー。その場のノリでバンドの勢いで録音したような勢いを感じる楽曲で、この4週連続シングルの中では1発目にふさわしい曲だったと思う。青春パンク調に感じたのはほぼ同時期に発表された175Rの大ヒット曲「空に唄えば」とサビメロが酷似していた、というかほとんど同じだったのも大きい。発売は175Rの方が後だったがCMソングとしてのOAではほぼ同時期であり、お互いがパクリスペクトするには時間が無さすぎたので偶然にもほとんど同じサビメロが生まれた…ということになると思われるが…。
いずれにせよどちらもいい曲であり、どっちも好きな曲。ゆずとしては青春パンク寄りの路線が新鮮だったし、『すみれ』はさらっとしたおとなしい曲が多めだったのでその中では特に印象的な1曲だった。
★★★★☆
5thアルバム『すみれ
2ndベスト『Going[2001-2005]
5thベスト『ゆずイロハ

16th 呼吸

呼吸
03年2月12日
詩曲:岩沢厚治
4週連続リリースの第2弾。シンプルでド王道の岩沢バラード。アルバムやC/Wにさらっと入っているなら十分にいい曲だがシングルとしては正直岩沢の高音がひたすら冴えわたるという魅力はあるもののかなり地味。4週連続の企画の中だったからA面になったけど通常だったらこれはシングルにはなっていなかったタイプの曲だと思う。
★★★☆☆
5thアルバム『すみれ
2ndベスト『Going[2001-2005]

17th 3番線/水平線

03年2月19日
3番線 / 水平線
4週連続リリースの第3弾。4作の中で唯一両A面扱いとなっていたが、「水平線」はその後一切アルバムに収録されなかった。今作自体が限定盤だったため、新品での入手が最も困難なA面曲は今作かも…(中古市場価格は底値だけど)。また2曲合わせても4分半程度しか無いというかなり短いシングルでもある。

3番線

詩曲:岩沢厚治
1分40秒程度で終わるゆず史上最短のA面曲。しかし聞いてみると1分40秒間ほぼ全編通してかなりポップでキャッチーなメロディーが展開するので存在感は意外と強い。岩沢曲は真面目な高音バラードが多い印象があるが、キャッチーな曲もちゃんとあるというのを存分に示した1曲だと思う。
★★★★☆
5thアルバム『すみれ
2ndベスト『Going[2001-2005]

水平線

詩曲:岩沢厚治
アルペジオと薄くキーボードがかかっているだけのほぼ弾き語りバラード。高音が冴えわたる岩沢バラードという安定の1曲だが、なぜこれだけ唐突に両A面になったのかはけっこう謎。
★★★☆☆
アルバム未収録

18th スミレ

スミレ
03年2月26日
詩:ゆず、曲:北川悠仁
4週連続リリースの第4弾。アルバム『すみれ』の実質タイトル曲で、1ヵ月しないうちに発売されたアルバムへリスナーを誘う役割も果たした。高音を生かした曲が多いゆずの中では比較的低めに抑えめに歌われるサビメロは少し異色だった。4連続の最後を飾っただけあって「青」に続くA面らしいインパクトはあったが、アルバム『すみれ』自体がアコースティックを生かしたおとなしい雰囲気のアルバムだった事もあってか、どこかパッとしないところもある。『ゆずイロハ』ではこの時期のシングルが集中的に外されてしまったため、ますます影が薄くなってきた感もあるが、確かにこれまでの王道をおとなしくしたような曲が続いたので、少し人気が落ち着いてきていた時期でもあった。
★★★☆☆
5thアルバム『すみれ
2ndベスト『Going[2001-2005]

19th 歩行者優先/濃

歩行者優先/濃
03年10月22日
『3番線/水平線』から1作開けてまたしても2曲とも岩沢曲による両A面曲。徐々にほとんど北川曲メインになっていってしまうが、一時期の暗黒時代を抜けて王道アコースティックイメージに回帰して王道のゆずを堅持していたこの時期に王道を貫き続ける岩沢曲がメインに起用されることが多かったのも必然だったのかもしれない。

歩行者優先

詩曲:岩沢厚治
ポッキーのCMソング。前向きな言葉が並ぶ明るくさわやかな雰囲気のアコースティックナンバー。あまり書くことが無いくらいシンプルだがさらっと聞きやすい安定の1曲。この時期連投された岩沢A面曲では「3番線」と並ぶくらいの好印象ではあるが他の曲と比べると比較的地味な立ち位置になってしまうところはある。
★★★☆☆
6thアルバム『1~ONE~
2ndベスト『Going[2001-2005]

詩曲:岩沢厚治
A面曲のアルバム未収録四天王の最後の1曲(現在はアルバム未収録トリオ)。公共広告機構、いわゆるACジャパンのCMタイアップになっていたのに加えてこの曲、あのNHK紅白歌合戦で歌われた楽曲というかなりデカい箔もついている。この年に紅白に初出場して中継での路上ライブ弾き語りメドレーを披露した際の真ん中の1曲(夏色→濃→またあえる日まで)というもので、それなりに注目される機会があった曲だが…正直それらをもってしてもあまり印象に残っていない。

弾き語り+タンバリンシャカシャカという路上スタイルの楽曲で、デビューミニアルバム『ゆずの素』の世界観、いかにも最初期っぽいんだけど、実際に路上時代の楽曲だったらしい。原点という意味で大事な曲だし、紅白をあえて路上ライブ形式にした事からも原点を大事にしていたのがこの03年という年だったのは確かだと思うけどそこに留まっているだけでは…という空気も同時に感じられる。
★★★☆☆
アルバム未収録

20th 桜木町/シュミのハバ/夢の地図

桜木町 / シュミのハバ / 夢の地図
04年6月2日
初にして唯一の曲名を3つ並べたスタイルの3曲A面シングル。CD売上が急速に落ち、ゆずは一切導入しなかったがCCCDが最盛期を迎えていたこの時期、単なるシングルでは売れないので豪華さを出そうとしてDVD付シングルを始めたりするアーティストが急増。DVD付以外に編み出されたのが両A面を越えた3曲以上のA面シングルだった。曲名を3つ4つ並べる以外にミニアルバムのようにタイトルをつける手法もあったがそちらは主にエイベックスが好んで使っていたように記憶している。時代が生んだ産物だったといえる。

PVが「桜木町」のみだったのでメディアでは「桜木町」1曲の押しが強かったものの、オリジナルアルバム、ベスト盤に相次いで3曲全てが収録され均等に扱われた最初の複数A面シングルでもある。しかし『ゆずイロハ』では「桜木町」1曲のみとなった。

桜木町

詩曲:北川悠仁、編曲:松任谷正隆
寺岡呼人プロデュース体制では編曲表記が無く、プロデュースがゆずと寺岡の連名というクレジット表記だったが、今作で初めて外部アレンジャーとして松任谷正隆を招き、編曲者としてクレジットされた。メンバー2人が学生時代から路上時代の待ち合わせ等、地元の駅として慣れ親しんでいた旧東急東横線の桜木町駅を舞台としている。JRの桜木町駅は今もあるが、2人の思い出になっているのは東急東横線の桜木町駅らしく、そちらはみなとみらい線の開業に伴い04年1月に閉鎖してしまったので、それを受けて思い出を綴った曲として制作された模様。一応過去の恋愛を振り返る形式のラブソングになってはいるけど、サビで別れや感謝を告げているのは駅自体への思い出にもかかっていると思われる。この駅が地元の人ほど思い入れの深さが変わってきそうだが、単独の1曲としても聞きやすい。サビの輪唱みたいな部分が個人的には特に好き。

正直、松任谷正隆を招いてもそんなにイメージが変わったわけではなく、むしろ松任谷正隆がゆずに合わせてきた印象の方が強い。これは同じく松任谷正隆が手掛けた「栄光の架橋」と比べるとよりそう思う。

MVに石原さとみが出演したのも話題になったが、これは前作「歩行者優先」のタイアップ先であるポッキーのCMに石原さとみが出演していた縁でのMV出演になったようだ。
★★★★☆
6thアルバム『1~ONE~
2ndベスト『Going[2001-2005]
5thベスト『ゆずイロハ

シュミのハバ

詩曲:岩沢厚治
バンド感というかドラムの躍動感を押し出したポップでキャッチーな楽曲。これまでの両A面の2曲目に比べるとかなり耳に残りやすい。また趣味の幅を広げようとする歌詞には学生っぽい空気感も漂うが、そういう10代っぽい雰囲気を残した曲ってけっこうこの辺りが最後だったような気がする。
★★★☆☆
6thアルバム『1~ONE~
2ndベスト『Going[2001-2005]

夢の地図

詩曲:北川悠仁
「3番線」みたいなシンプルだけど明るいノリのポップソングを北川も書いてみた!的な印象の1曲。サウンド自体はバンド+装飾音でけっこう派手に彩っており明るく盛り上がる。これまでと違って3曲A面というのをかなり意識しているというか、3曲とも扱い以上に曲自体に勢いが感じられて本当に豪華なシングルだったと思う。
★★★☆☆
6thアルバム『1~ONE~
2ndベスト『Going[2001-2005]

21st 栄光の架橋

栄光の架橋
04年7月22日
詩曲:北川悠仁、編曲:松任谷正隆
NHKアテネオリンピックテーマ曲。選手を称えるような壮大なバラードナンバー。前作「桜木町」に続いての松任谷正隆の起用だが、今作の方が今までにない豪華な感じ、アレンジャーを変えた効果が分かりやすく出ていると思う。ストリングスを導入してのスケールの大きなアレンジはまさにオリンピック級であり、過去最大級のタイアップ曲という感じは確かにあった。

当時は3曲A面で豪華だった前作の初動を下回るなどさほど目立ったタイアップ効果は無かったが、ロングヒットを記録したことで前作累計を2倍以上上回り、「飛べない鳥」以来となる30万枚を突破。21世紀以降では最大ながら「飛べない鳥」以前のシングルは下回ったので、結果的には自身4番目のヒット作となっている。20世紀と異なり、全体の売上が著しく下がっていたので04年の年間チャートでは自身最高の26位、75週に及んだ200位以内へのランクインも自身最大となった(ただし02年以前は100位集計だった)。

記録より記憶を地で行くような楽曲で、オリンピックタイアップとしても後世に多大な影響を残した。大黒摩季「熱くなれ」、ZARD「Get U’re Dream」とアップテンポな曲が続いていたが、この曲以降はオリンピックタイアップは安室奈美恵「Hero」で1番バラード、2番以降をアップテンポという構成にするまで全部ストリングス感動大バラードばかりになったのも分かりやすい影響だった。さらに未だに今作=オリンピックの印象は根強いが、これは当時の体操の中継でアナウンサーが「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」とこの曲に引っ掛けた実況を繰り広げて金メダル獲得という名場面に必ず挙げられるような伝説のシーンが生まれたのも大きい。オリンピックタイアップがその年の紅白で感動的に歌唱されるという定番パターンもこれが最初だった(2016年の安室が辞退して途切れた)。

そんなわけでゆず最大の代表曲として認知されるようになり、後世へ与えた影響もかなり大きいと思われる今作。以降の長すぎて壮大すぎるオリンピックタイアップに比べると今作は当時はゆずとしてはかなり壮大に振り切った印象だったが、改めて聞くと実に適度なサイズにまとめた締まった名曲だと思う。北川メインボーカルなので、岩沢メインの「夏色」や「飛べない鳥」のような超高音に至らず、男性でも割とカラオケで歌いやすい(高いことは高いが)というのも個人的には親しみやすかった(歌ったことないけど)

原曲は歌と同時に曲も終わる潔い構成だが、『1~ONE~』では特に表記は無いがそのあとに派手なエンディングが追加されている。当初はそれが完全版でシングルは短縮版なのかと思ったが、その後『1~ONE~』バージョンがベストに採用されることは無かった。

後にSymphonic Orchestra Versionも制作されオーケストラで派手に盛り上がるが、盛ればいいというものではないというのと原曲の素晴らしさをより実感できる仕上がり。
★★★★★
6thアルバム『1~ONE~』(エンディングが長い)
2ndベスト『Going[2001-2005]
4thベスト『YUZU YOU[2006-2011]』(Symphonic Orchestra Version)
3rdライブアルバム『二人参客 2015.8.15~緑の日~』(ライブ)
4thライブアルバム『二人参客 2015.8.16~黄色の日~』(ライブ)
5thベスト『ゆずイロハ

22nd 超特急/陽はまた昇る

超特急
05年11月9日
これまでを総括するベスト盤2枚を同時発売してから最初の新曲として発売された。このためゆずのニュースタンダードを作る意気込みで今作と続くアルバム『リボン』は制作されたようだ。結果的にはその後で10周年があって、『ゆずのね』でのアルバム曲をまとめての改めての総括、その後徐々に寺岡呼人から離れるという選択で作風を激変させるので、現在ではこれ以前寄りの楽曲として捉えられがち。印象としても過渡期ですらなく、ここまでがデビュー当初からのゆずだと思う。

超特急

詩曲:岩沢厚治
『恋愛観察バラエティ あいのり』主題歌。あいのりタイアップは初代の99年『ゆずえん』収録の「始まりの場所」以来。「始まりの場所」をシングル化しなかったので、2代目のELTからになるがこのタイアップはどれも大ヒットを飛ばしていた。たださすがにこの頃になると番組人気もタイアップ効果も停滞しつつあった。それでも前年のMiの「未来の地図」までは明確にタイアップ効果でヒットしていたが、今作に関しては“いつものゆず”以上でも以下でもないヒットに留まってしまった。

モータウン調のノリの良さはありそうでなかった感じではあるがそれでも確実にゆずらしいと感じられる盤石の1曲。岩沢曲としては「3カウント」の時のように心機一転でまたゆずを始めていく、ゆずの新たなスタンダード、これまでを踏襲しながらもこれまでを越えていくような気概で制作したと思われる。ただどうしてもここまで重ねたキャリアもあって安定感の方が先に立ってしまうし、現在は10周年頃が1番今後に迷っていたとか語られているので、メンバー自身もこの頃から今後どうしていくべきか、マンネリを感じつつはあったのかもしれない。いい曲ではあるんだけど「始まりの場所」が良すぎたのでどうしても同じタイアップとなるとパッとしない印象になってしまったのももったいなかった。歌詞にしてもここまで走ってきてまだまだ止まらないという勢いを感じるし、じっくり聞くとけっこういい曲なんだけどなぁ…。
★★★☆☆
7thアルバム『リボン
4thベスト『YUZU YOU[2006-2011]
5thベスト『ゆずイロハ

陽はまた昇る

詩曲:北川悠仁
『めざましどようび』テーマ曲(05年10~12月)。両A面で岩沢が1曲目、北川が2曲目になる、というのはこれが最後。両A面2曲目としては初めて1曲目と同等の扱いをされ、オリジナルアルバムはもちろんベストアルバムでも仲良く収録された。しかし『ゆずイロハ』ではさすがに外された(「シュミのハバ」「夢の地図」と同じ扱い)。こちらは北川なりのベスト盤を経ての心機一転のゆずといった印象だが、基本的にはこれまでのイメージを踏襲。間奏で入ってくるサックス演奏に何故か90年代ビーイングが垣間見える…気がする。当時は新たな気持ちだったのに2曲通して結果的にはこれまでのゆずを堅持したような守りの印象が強い2曲になったなと思う。
★★★☆☆
7thアルバム『リボン
4thベスト『YUZU YOU[2006-2011]

クリスマスの約束
/ゆずおだ

クリスマスの約束(期間限定生産)
06年11月29日
06年はゆず単独でのシングル発売は無く、年末に今作がリリースされた。小田和正とのコラボレーションによる同タイトルのクリスマス恒例のTBSの番組『クリスマスの約束』の03年(3回目)に披露していた幻の楽曲。当時はユニット名もなかったが3年経過して”ゆずおだ”としてリリースされた。なぜ3年も経過したこのタイミングだったかは不明で、この年の番組にゆずが出演することもなかったため、実質ほぼノンプロモーション状態に陥り、せっかくのコラボも年末のせわしなさに埋もれ、イマイチ話題にならずさほどヒットもしなかった。

ひたすら3人の歌声に浸りたい静かなバラード。けっこうじっくり聞かないと良さが見えてこないので、1度きりの披露から3年も経過したら確実に当時の視聴者からも忘れ去られていたと思われる。個人的にも毎年クリスマスの時期に引っ張り出して聞くようにしていたが、印象に残ってきたのは数年経過してからだった。

C/Wにはお互いの曲を3人でカバーした「大好きな君に」「いつか」の2曲を収録。コラボシングルとしては満足度の高い1作だった。
★★★★☆
アルバム未収録・未配信

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