GLAY 30周年シングル回顧1~1994-1997~

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1988年に小中学校の同級生だったTAKUROとTERUでGLAYを結成。その少し前からドラムをやっていたので当初TERUはドラマーだったがTERUの歌声を聞いたTAKUROが驚愕してボーカルとなったとされる。ただTERU本人は自身のボーカリストとしての資質の高さをあまり自覚していなかったのと代わりのドラマーがなかなか見つからなかったので一時期ドラムとボーカルを兼任していた際もドラムを見つけたらボーカルに専念ではなくボーカルを見つけたらドラムに専念する意向だったという。すぐにTAKUROの高校の同級生HISASHIが加入。このためTAKURO、TERU、HISASHIは同学年JIROは1年後輩でTAKUROと幼稚園が同じであるなど同郷ではあったが、学年が違うので地元にいた時に加入する話にはなっていない。3人が1990年に上京した後、地元に凱旋した際にJIROはTAKUROからアドバイスももらっていたというが、3人から1年後の高校卒業を気にJIROも別のバンドで上京、そのバンドは解散したが1992年になってベースがいなくなっていたGLAYに加入した。同じ地元ではあったが上京後の加入という事になる。ドラムはなかなか定まらず、JIROの加入する少し前にAKIRAが加入。JIRO加入後はこの5人でデビューを目指していった。

そんな中でX JAPANのYOSHIKIに見初められて当時YOSHIKIが主催していたインディーズレーベルのエクスタシーレコード、そして新たに立ち上げるメジャーレーベルプラチナムレコードからのインディーズ/メジャー同時デビューが決定。『灰とダイヤモンド』制作の過程でボーカルとメロディーを重視するスタッフのやり方に疑問を抱いていたAKIRAとスタッフ間に軋轢が発生、それ以前にレコーディング当日にAKIRAが寝坊して遅刻した事も素行不良を大きく印象付けていたと思われ、続けて予定されていたLAでの1stシングル『RAIN』にAKIRAは同行しないように言われ、メンバーはスタッフを説得して慰留したが結局自ら脱退を宣言。これにより『灰とダイヤモンド』はAKIRA含む5人組として発売されたが、同時発売の『RAIN』は4人組で発売され、2ndシングル『真夏の扉』は既にレコーディング済みだったのでAKIRAのドラムをそのまま使って4人で発売となった。

続けて入ったNOBUMASAはサポート扱いを経て正規メンバー入りが発表されるもレコーディングに1度も参加させてもらえず、やはり辞めさせられてしまった。1stアルバム『SPEED POP』に名前と写真があるのみとなる。ドラマーが定まらずデビュー前後の時期に立て続けに脱退が続いたこともあってか、メンバーは正式メンバーとしてのドラマー探しを辞め、サポートキーボードのD.I.E.同様にサポートメンバーとしてのドラマーを探す事にしてスタッフの紹介で氷室京介のサポートをしていた永井利光と出会う。年上の永井利光の人間性と何よりGLAYに合ったドラムプレイを目の当たりにして以後永井利光(Toshi Nagai)は現在まで続く固定のサポートドラマーとなった。

佐久間正英という最良のプロデューサーに出会い、ようやくバンドの体制が整ってからは一気に飛躍していき、ライブ規模はどんどん拡大、売上も一気に伸びていき、程なくして大ブレイクを迎えた。アルバム『BELOVED』がミリオンヒットを記録し、シングルでも『口唇』でミリオン目前、『HOWEVER』でついにミリオンを達成。この最良のタイミングで少々早すぎる印象だったベストアルバム『REVIEW-BEST OF GLAY』を発売。ブレイク真っ只中のリリースだった事と年々アルバム売上が伸びていき、90年代初頭は誰が最初に200万枚突破をするかで争っていたのが、300万枚突破の世界に突入するCD爆売れ全盛期だった事も重なり、なんと史上初の初動だけで200万枚突破を達成。そこからさらに2倍以上の売上が伸びていき、前年に初の400万枚突破を果たしていた『globe』の記録を塗り替えて490万枚に迫る空前の大ヒットとなり、時代の頂点に立ったのだった。

2024.5~7 新規執筆
2013年に行われた対談レビュー「GLAY シングルレビューX1」も参照

1st RAIN

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1994年5月25日
X JAPANのYOSHIKIに見初められてのデビューとなったため、YOSHIKI主催のインディーズレーベルエクスタシーレコードからインディーズアルバム『灰とダイヤモンド』、YOSHIKI主催のメジャーレーベルプラチナムレコードからシングル(今作)を同時発売。これまでインディーズ経営だけだったYOSHIKI主催レーベルだが、メジャーレーベルも立ち上げる事になりプラチナムレコードはGLAYが第1弾アーティストとなった。これによりインディーズデビューとメジャーデビューを同時に果たすという異色のデビューとなった。C/Wは無く、1曲+カラオケの2トラック仕様。

『灰とダイヤモンド』のレコーディング時はドラムのAKIRAが在籍しており、『灰とダイヤモンド』のジャケットは5人写っていて、AKIRAもGLAYメンバーとしてクレジットされている。このアルバムのレコーディング前日に飲み過ぎて寝過ごしたAKIRAはレコーディング日に大遅刻してこの時点でスタッフからやる気があるのかと疑われ、ボーカルとメロディーを前面に出すというスタッフ側が示していた方向性もしっくり来ないままなんとかレコーディングを終えるも、LAでの「RAIN」のレコーディングにはスタッフからけっこう明確に来るなという態度を示されたらしく、同行せずに国内に残ったという。現地で聞いたメンバーはスタッフと話をしてAKIRA脱退話を一旦保留させ、帰国後メンバーから次々と一緒にやろうと言われるも、AKIRAは熟考の末にやはり脱退すると宣言。今作には参加していなかったのでシングル盤ではメンバーは現4人となっている。

初登場29位から2週目に最高26位を記録、下位でロングヒットして100位以内11週ランクインで10万枚の売上を記録。デビュー作からそこそこのヒット作となった。

YOSHIKI案件色が前面に出ていたものの、結果的にYOSHIKIプロデュースはこれだけとなった。当時はYOSHIKIの七光りとも言われたそうで、破格の待遇がやっかみを生んで界隈では叩かれていたそうなので(当時ネットがあったらマジで戦闘民族インターネッツの罵詈雑言が飛び交ってリアルに潰されてたかも)、なるべく早期にYOSHIKIプロデュース・弟分・部下的なイメージが定着しきってしまう前に自分たちの力でヒットを出したいという意向は強かったと思われる(一応プラチナムレコード時代のアルバムにはレコード会社のプロデューサーとして毎回YOSHIKIの名前は入っていた)。

以後YOSHIKIと交流が途絶えたわけではなく、2015年にはライブで「RAIN」を共演した事もあるが、基本的にはYOSHIKIとGLAYは一定の距離感を保っている。LUNA SEAのSUGIZOがX JAPANに兼任メンバーとして加入したり、L’Arc~en~CielのHYDEがYOSHIKIのバンドやユニットのボーカルとして重宝されたり、YOSHIKIが2023年の紅白のために多数の後輩ロックミュージシャンに声をかけた際にもGLAYメンバーは全く参加していない。

RAIN

作詞:YOSHIKI、作曲:YOSHIKI&TAKURO、編曲:YOSHIKI
4~12月まで放送されていたアニメ『ヤマトタケル』前期エンディング、7月公開の実写映画『ヤマトタケル』主題歌。発売当時はアニメタイアップに合わせてのリリースで、その後夏に公開された実写映画の主題歌にもスライドして起用された。実写映画『ヤマトタケル』は”VSゴジラシリーズ”がハリウッド版制作が決定したので『ゴジラVSメカゴジラ』で終了する予定で、新たなシリーズを立ち上げようという気合の元でゴジラシリーズの制作陣がほぼそのままスライドして参加した。…が、あまりヒットせず1作ポッキリで企画は消え去ってしまい、さらにアメリカ版制作が遅れる事になり(1998年になった)、VSゴジラシリーズが同年も制作されることが決定、しかしスタッフがみんなこっちに回っていたので『ゴジラVSスペースゴジラ』は新規のスタッフ陣で制作される事になったとされ、VSゴジラシリーズファンの間では『ゴジラVSスペースゴジラ』の作風がちょっと違う理由としてこの実写映画『ヤマトタケル』の存在自体はそこそこ知られている。え?内容?全く知ら

YOSHIKI案件でのLAレコーディングで、前述のようにドラムのAKIRAがLAに同行しなかったため、ドラムは現地のMike Bairdが担当。元々はTAKUROが高校時代に作った楽曲「JULIA(reason for so long)」が原曲で、1993年に販売した最後のデモテープ『SPEED POP』(メジャー1stアルバムと同タイトル)に収録されていた曲をYOSHIKIが手を加えてリメイク。歌詞は全面的に書き直され、YOSHIKI主導でアレンジ、LAレコーディングが決行されるというデビュー作にして異様に豪華な仕上がりとなっている。

原曲「JULIA」はボーカルとエレキギターをジャンジャラ弾いているだけの未完成っぽいシンプルな仕上がりだが、原曲とすぐ分かるくらいにメロディーは「RAIN」と同じであった。

同時発売の『灰とダイヤモンド』に収録されたGLAY VERSIONは編曲:GLAY、Piano:NAOKI ICHIKAWAとなっていてピアノ演奏にYOSHIKIが参加していない(ただ『灰とダイヤモンド』自体この曲の作詞作曲以外にYOSHIKIはクレジットされていないが実際はノンクレジットでガッツリ指示していたという話もあるので”Piano:NAOKI ICHIKAWA”のクレジットが果たして本当にそうなのかは謎である)。Piano:NAOKI ICHIKAWAの伴奏にうす~くシーケンスがかかっている程度で2コーラス進行、間奏でアコースティックギターとシンセっぽいストリングスが入るが、3番以降はまたピアノだけでTERU以外のメンバーがほぼ不参加(間奏の一瞬だけHISASHIかTAKUROがアコースティックギターを演奏?)。『灰とダイヤモンド Anthology』ではRemix & Remastering 2014となったが、さすがに音数が少なすぎて変化に乏しい。それでも音はクリアに大きくなり、より生々しい歌唱が聞ける…感じではあるか。

シングルバージョンは一転して前述のようにLAレコーディングでの豪華編成。YOSHIKI唯一絶対神様的な(?)存在感を放っている。ただ3コーラスもあって長く、間奏を極力省いて歌い続けても原曲の2倍の7分近くに達する長さだけに正直けっこうかったるい。TERUのボーカルこそ初々しいものの、全体には新人らしさ皆無の高すぎる完成度がどうにもアンバランスだし、1曲だけ浮いた存在になっているのは否めない。発売当初からライブでやらなかった(YOSHIKIが見に来る時に今日はやらなきゃまずいだろうとなってセットリストに入れたなんて話も…)というし、メンバーの中でも自分たちの曲ではない感覚は最初からあった事は伺える。

シングルバージョンでは冒頭に雷交じりの雨音が23秒ほど挿入されており、その分だけ長い。『SPEED POP』収録時には冒頭の雨音がバッサリカットされいきなり歌から始まる。以後ベスト盤に収録されたのは1回ポッキリで『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』収録時にはシングルではなく『SPEED POP』バージョンが採用された。

『SPEED POP Anthology』におけるRemix&Remastering 2015では冒頭の雨の音が復活しており、シングルバージョンをリミックスしている。ただし冒頭雨の音を前曲「JUNK ART」のエンディングに被せて収録しているのとエンディングが変更されている。元の音源ではストリングスとピアノのアウトロからストリングスが先にフェードアウトして残ったピアノがすっとフェードアウトして終わるが、リミックスでは最後までストリングスとピアノが一緒に鳴り続けてフェードアウトせずピアノもちゃんと最後の1音を演奏して終了する。

また『SPEED POP Anthology』DISC-2には2015年5月31日のYOSHIKIがゲスト参加したライブ音源(Miracle Music Hunt Forever Ver.)も収録されている。YOSHIKIがエンディングで2分以上延々とピアノソロを演奏するため、8分半に達する「RAIN」史上最長の音源となった。

原曲「JULIA」は長年一般流通していなかったが、『rare collectives vol.3』でライブで演奏したアコースティックバージョンが初めてCD化され、『灰とダイヤモンド Anthology』にはデモテープ『SPEED POP』音源が正式収録された。これにより以前より遥かにお手軽に原曲を聞く事ができるようになったが…もっとメロディーも違うものだと思っていたらメロディーがそのままだったので驚いた。確かに歌詞はまるっきり変わっているので作詞:YOSHIKIになったのは当然だ。これは分かる。

しかし「JULIA」のメロディーは「RAIN」そのままであり、これで”作曲:YOSHIKI&TAKURO”はYOSHIKI…ズルくないか…?作詞と編曲にはかなり手を入れ、メンバーが無謀にもピアノ弾いてください!とお願いしたのを快く引き受けて渾身のピアノソロを弾いてくれる気概は素晴らしい先輩ミュージシャン、プロデューサーっぷりだったと思うんだけど、作曲クレジットにまで出しゃばったのは…。ほとんどTAKUROの原曲メロディーなので作曲はTAKURO単独でいいくらいだと思うんだけど感謝料(?)として”作曲:TAKURO&YOSHIKI”のTAKUROを前にする並びが限度じゃないだろうか。まさか終盤のTERUの音域完全無視のムチャぶり高音部分は俺が作った!なんて主張するつもりじゃないよな
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
インディーズアルバム『灰とダイヤモンド』(GLAY VERSION)
1stアルバム『SPEED POP』(シングルVer.の冒頭の雨の音をカット)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』(シングルVer.の冒頭の雨の音をカット)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(原曲「Julia」(THE GREAT VACATION in NISSAN STUDIAM Live ver.))
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(GLAY VERSIONのRemix & Remastering 2014)
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(原曲「Julia」)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(シングルVer.のRemix&Remastering 2015)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Miracle Music Hunt Forever Ver.)

2nd 真夏の扉

1994年6月15日
前作から1ヶ月未満でのリリース。前作より先に制作されており、品番もPODH-7001で今作の方が先(前作はPODH-7002)になっている。一風堂の土屋昌巳プロデュース。これ1作ポッキリとなったので、YOSHIKIプロデュースで『灰とダイヤモンド』制作後、「RAIN」もYOSHIKIで制作する事が決まっていた一方でその先を見据えて土屋昌巳プロデュースをお試ししてとりあえずシングル1枚作ってみたといったところだったのだろうか。初登場24位を記録し前作を上回ったが5週でチャートアウトしたため前作の半分以下となる4.3万枚に留まった。

前作より前に制作されているので今作はAKIRA在籍時にレコーディングされていて今作のドラムはAKIRA。実質5人時代のシングルである。発売時点では脱退しているのでジャケットには登場していないが、後のアルバム収録時にもサポート扱いのドラマーとしてクレジットされている。

真夏の扉

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&土屋昌巳
アニメ『ヤマトタケル』前期OP。『灰とダイヤモンド』にGLAY VERSIONとして収録した楽曲を土屋昌巳をプロデューサー、共同アレンジャーに迎えてリメイクしたもの。ドラムは脱退したAKIRAのままで、Additional Electric Guitarとして土屋昌巳も参加、シンセで川島バナナ(川島裕二)が参加している。

ウォッオッオッ ウォッオッオッ ウォッオッオッオッ オープンザニューゲイツ♪の連呼はキャッチーでサビ以上に耳に残るほか、“歴史の徒花~♪”のサビの部分には大ヒット期のGLAYの片鱗も垣間見える。ただ何かどこか違う感じがするのはプロデュースの影響だろうか。特にウォッオッオッの部分とAメロで入ってくるプァンプァプァプァァァン♪、サビではやや薄めながらずっと鳴っている同じ音色のプァンプァンしたシンセが超絶にダッセェ…。なんでこんな悪目立ちする変な音色のシンセを加えたのか謎だが、インパクト狙いだったのだろうか。土屋昌巳プロデュースが1回限りだった理由はこういう部分にあったんじゃないかとなんか勝手に思ってしま

『灰とダイヤモンド』収録のGLAY VERSIONは荒々しいがストレートなバンドサウンドでまとめられていて、そっちを聞くとメジャー仕様で随分変えちゃったんだな…と改めて思う。また2番のAメロの”争いの果てに~貴方を迎えに行こう”の部分はシングルバージョンでは2番Aメロ短縮に伴いカットされていた事が分かる。

『灰とダイヤモンド Anthology』に収録された際はDEMO歌詞Ver.に差し替えられ、こちらはほぼ全面的に歌詞が異なっている。デモ歌詞の方がよりV系っぽい世界観(?)な感じはするものの、なんとなく濃厚な世界観っぽいだけで何を言っているのかは良く分からない。注目すべきはデモ歌詞Ver.2番Aメロ2に”真夏の扉”とタイトルが唯一登場していた事。GLAY VERSIONの時点で丸々違う歌詞に書き換えられてしまい、シングルバージョンでは2番Aメロ短縮に伴ってパートごと削られて無くなってしまった部分だがそんな真っ先に消された歌詞の中にタイトルがあったとは…。
★★★☆☆
インディーズアルバム『灰とダイヤモンド』(GLAY VERSION)
1stアルバム『SPEED POP
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(GLAY VERSIONのDEMO歌詞Ver.でRemix & Remastering 2014)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)

C/W Life~遠い空の下で~

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&土屋昌巳
インディーズで発表されていない楽曲だが「真夏の扉」と同じ体制でレコーディングされていて、AKIRA、土屋昌巳、川島バナナ(川島裕二)のクレジットは「真夏の扉」と同じ。

ゆったりした雰囲気のミディアム系。荒々しかった『灰とダイヤモンド』から一転して後年のメロディー重視の真心系(?)の王道の兆しを感じる曲。初期にこんな曲をやっていたのは少し意外にも思えるが、初期の方が実験色の無いストレートなC/W曲が多い。ただけっこうのんびり進行するのでそんなド・バラードというほどスローな曲ではないのにいつまでも曲が終わらず6分50秒近くに達するのは長すぎてちょっとかったるい。『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』ではTERUがセレクトしているが、TERUの選曲コンセプトは“函館を散歩しながら聴きたいGLAY”だったので、コンセプトにはハマっている曲調だったと思う。

『SPEED POP Anthology』のリミックスでは主にドラムの響きが変更されていてオリジナルよりさっぱりした感じ。また最後のフェードアウトが10秒ほど早くなって短くなった。しかし短くなっても6分40秒なのであまり変わらない。
★★★☆☆
1stアルバム『SPEED POP
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT

3rd 彼女の“Modern…”

1994年11月16日
当時3枚目でブレイクというパターンが多かった事からブレイクを狙うも不発で初登場45位、4週ランクインで2.1万枚とさらに半減以下になってしまったためメンバー会議が行われたという逸話も。後年人気曲になった後も1番売れなかった曲としてメンバー(TAKURO)自らネタにする事もある。長らくワースト2位が『ずっと2人で…/GONE WITH THE WIND』の4.0万枚だったが、2010年代後半にはシングル売上がいよいよ数万程度まで落ち込んできたため、ワースト2位の更新が相次いだ。2020年代に入るといよいよ2万台前半まで下がってきていて出すたびにワースト2位争いという状況になっているが、それでも30周年時点でまだ2.1万枚を下回ることは無く、今作が最低売上シングルのままとなっている(執筆時点での最新作『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-/シェア』も92位にランクインした4週目でなんとか突破した)。

今作ではプロデューサーに佐久間正英を採用。佐久間正英の手腕にしっくり来たようで以降欠かせない固定プロデューサーとして2013年にセルフへ移行するまで共同作業が続いた。

GLAYのシングルはカラオケの収録は表題曲のみでほぼ統一されているがまだフォーマットが定まっていなかったのか気まぐれか、今作だけC/Wのカラオケも収録されている。

彼女の“Modern…”

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
今回も『灰とダイヤモンド』収録曲のリメイク。当時のヒットの登竜門的タイアップだったカメリアダイヤモンドCMタイアップ狙いだったが採用されなかったとされ、そのままタイアップ無しでリリースされた。脱退したAKIRAの幼馴染だったため既に顔見知りだったNOBUMASAに正規ドラマーをお願いしていた時期で、ライブでは既にサポート、準メンバー的立ち位置で参加していたようだが、事務所側が正規採用を渋っていたようでテスト期間のような時期が続いていたためか、ドラムはサポートを入れてレコーディングされており、湊雅史が担当。MVでドラムを叩いている人物はNOBUMASAのようだ。

最低売上シングルとなったがライブでよく演奏され続け『REVIEW』に収録された事で知名度が爆上がりし、早い段階で初期の代表曲として定着した。けっこう激しめのロックナンバーで『SPEED POP』の中では最も攻撃的で、『灰とダイヤモンド』においては同等に激しい曲もあるけどメロディーの強さは随一。売れなかったとはいえ確かに初期の代表的1曲ではあると思う。当時の雑誌インタビュー( 公式サイトと『灰とダイヤモンド Anthology』ブックレットにも掲載)だとTAKUROがハードコアのつもりで作ったと発言したところ、インタビュアーのライターがどこがハード・コアなんだよ、こんなポップな曲!(笑)と笑いとばす強めなツッコミを入れたり、HISASHIもスーパーポップだと言っているので当時こんなのはポップスであって崇高なロック様ではないとするようないかにもプロリスナーな風潮が根強くあった模様。さすがにハードコアではないかもしれないが、身内であるメンバーまで一緒になって総ツッコミでポップだポップだスーパーポップだと攻め立てるほどポップではないと思うし、十分ロックなのではないか。

『灰とダイヤモンド』収録バージョンは前2作のようにGLAY VERSIONの表記が無い。しかしシングルとは異なり、AKIRAがドラムを担当している。荒々しい以外は歌詞もほぼそのままでシングルバージョンとそこまで大きな違いはない。佐久間正英が元々のGLAYの持っている音楽性を尊重しつつも自身の知識を生かしてより良くなるようにブラッシュアップするような丁寧なプロデュースを手掛けた事が良く分かる仕上がりだし、「真夏の扉」の改変っぷりと比較してもGLAYが佐久間正英を長年のプロデューサーに迎えたのも物凄く納得できる

『灰とダイヤモンド Anthology』に収録された際はDEMO歌詞Ver.に差し替えられ、こちらは「真夏の扉」ほど違いはないものの、”パントマイムでJOKE”がまだ無い(JOKEではなく“Uh”)ほか、“君はドレスに♪”のくだりは完全に別の表現になっている。ドレスに裸足のままで奇跡の海を華麗に泳いでいるおなじみの部分がデモ歌詞では“君のドレスはボロボロで折れたヒールを世界が笑う”という”彼女”がズタボロ状態で嘲笑されているような描写になっているのでこれだけでだいぶ”彼女”の印象が異なる。

2010年に42ndシングル『Precious』C/Wで再録音されているが、『灰とダイヤモンド Anthology』ではRecording 2011と年号が1年ズレて記載されている。この音源がアルバム初収録となった『rare collectives vol.4』の発売年と間違えたためと思われる。
★★★★☆
インディーズアルバム『灰とダイヤモンド』(原曲)
1stアルバム『SPEED POP
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
42ndシングル『Precious』C/W(再録)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(MEET&GREET VACATION Live ver.)
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』(再録/42ndシングル『Precious』C/W収録Ver.)
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(原曲のデモ歌詞Ver. Remix & Remastering 2014)
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(Recording 2011/42ndシングル『Precious』C/W収録Ver.)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)
56thシングル『愁いのPrisoner/YOUR SONG』C/W(feat.EXILE NESMITH(from LUNATIC FEST. 2018))
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『SPEED POP Anthology』Ver.)
62ndシングル『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-/シェア』C/W(QUEEN+ADAM LAMBERT『THE RHAPSODY TOUR』 in SAPPORO DOME)

C/W INNOCENCE

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
前作同様にC/Wまで完全に決め打ちでレコーディングを行っていたのか、今作も湊雅史がサポートを担当。表題曲とは一転してじっくり聞かせる良メロ系のミディアムナンバー。早くもこれぞGLAYなブレイク期の王道路線を確立しており、佐久間正英との相性の良さも感じられる。ただけっこうじっくり進行してなかなかサビまで到達せず(2分半近くかかる)、サビでもひたすら雄大に聞かせるので6分越えの大作。隠れ名曲っぽくはあるんだけど、少々かったるい。
★★★☆☆
1stアルバム『SPEED POP
6thシングル『Yes,Summerdays』C/W(LIVE VERSION)
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(LIVE VERSION ‘95.6.12 IN SHIBUYA KOKAIDO/6thシングルC/W収録Ver.)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)

4th Freeze My Love

1995年1月25日
初登場19位を記録して、5週ランクインで7万枚突破、前2作を上回り復調の兆しを見せた。

ライブサポート扱いが続いていたNOBUMASAだが、メンバーは信頼を置いていたようで、ここまでのライブを見て1度は事務所サイドも正式メンバーとして了承していたとされる時期だが(現公式でも1994年11月のツアー『THE SPEED POP LIVE ’94』でNOBUMASAが正式メンバーとして加入という記述がある)、レコーディングには相変わらず参加しておらずサポートドラムはそうる透が担当。今作のジャケットも4人のままだ。

この後の1stアルバム『SPEED POP』ではしれっとメンバーが5人に増えており、NOBUMASAがドラマーとしてついにクレジットされていたが、結局アルバムは前任ドラマーのAKIRAが残していた音源とその後のサポートドラマーだけで完成していた。名前と写真があるだけでNOBUMASAはレコーディング不参加だった。

Freeze My Love

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
テレビ朝日バラエティ『リングの魂』OP。後に1998年1月クールのドラマ『略奪愛・アブない女』OPに起用され、EDには前年8月発売の「HOWEVER」が起用され、音楽をTAKUROが担当。新規の書き下ろしではなく過去の楽曲をインストアレンジにした劇中音楽は『GLAY SONG BOOK』としても発売されたがあまり話題にならなかった(コッテコテの関西弁である主演の赤井英和と”アブない女”に該当すると思われる鈴木紗理奈の2人が揃って標準語の役だったものの関西訛りが消しきれてないというツッコミは当時も目にした記憶)

ここにきてインディーズで発表済みの曲ではなく新曲がシングルとなった。前作ほど激しくはないがロックバンドっぽさを前面に出したスリリングなスピード感とシンフォニックでド派手なイントロもインパクトがある。シングルの中でも珍しいV系っぽい曲調だが、当時の少し怖そうな見た目のイメージからするとむしろこういう曲をもっとやってそうではある。ちょっと王道とはズレるんだけどこのような鋭い雰囲気は他にない。

『REVIEW』に収録されていたので個人的には比較的存在感が強いイメージだったが、『DRIVE』では外されているので、『DRIVE』世代だと一気に影が薄いシングルになっているかも。
★★★★☆
1stアルバム『SPEED POP
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)

C/W REGRET

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
一転して躍動感のあるポップでロックなナンバー。表題曲よりもこっちの方が90年代GLAYの一連のヒット曲に通じる親しみやすさが感じられる。6分越えの前2作に対して4分台にまとまって一気に聞きやすくもなった。
★★★☆☆
1stアルバム『SPEED POP
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)

5th ずっと2人で…/GONE WITH THE WIND

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1995年5月17日
SPEED POP』から2ヶ月でのシングルカット「ずっと2人で…」と1994年3月というデビュー直前の時期にコンピ盤『an Optic』で発表していた「GONE WITH THE WIND」のリメイクの両A面シングル。加えて新曲「ACID HEAD」をC/Wとして収録した8センチシングルでは珍しい歌入り3曲収録のシングル。7分台2曲と5分半1曲と3曲とも長く、3曲で20分近くに達して8センチCDの容量限界のためカラオケは収録されていない

初登場34位から5週ランクインで4万枚程度の売上に留まった。『REVIEW~BEST OF GLAY~』発売後に「ずっと2人で…」人気に火がつき、90年代後半のカラオケランキングでは上位に居座る人気曲となったが、シングルチャートでの今作の再浮上は無かった。

「GONE WITH THE WIND」はアルバムにも収録されず、2002年にC/W集『rare collectives vol.1』でようやくアルバム初収録となるなど完全にC/W扱いになってしまった。しかし2009年の『THE GREAT VACATION VOL.2』ではシングル曲として選曲され、忘れられていなかった事が判明、A面扱いへと復権した。

公式に1995年4月2日のライブ「SPEED POP STANDING GIG」でNOBUMASAは脱退。結果シングルだけ並べるとずっと4人のままで、唯一『SPEED POP』に名前と写真が載っただけレコーディング参加ゼロのままあっさり脱退(クビ)となった。AKIRA脱退後にその友人で顔見知りだったNOBUMASAにメンバーが懇願して入ってもらったのにめてもらう事になった経緯はハッキリしていないが、NOBUMASAが後年残した書籍によればメンバーはNOBUMASAを推していたがスタッフがなかなか正規契約せずに仮メンバー扱いのような状態が続いた後に、1994年11月のライブ中にメンバーが正規メンバー入りを発表、押される形でスタッフも了承して1度は確かに正規メンバーとなった。1stアルバムにはメンバーとしてクレジットされていながらも不参加だった事からも事務所サイドはやはり認めていなかったのかNOBUMASAだと売れるのに3年かかるとメンバーに辞めさせるように迫ったようでTAKUROとJIROが渋々了承して2人からNOBUMASAに伝え、TERUとHISASHIは反対していたとされる。AKIRAは自らの意志で辞める形に持っていかれていたが、NOBUMASAの場合は本人が知らないところで事務所からメンバーに辞めるように言わせるというちょっと酷な出来事だったようだ。

ずっと2人で…

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
結婚するTERUの姉のためにTAKUROが書き下ろした曲というかなり初期から存在した曲。歌詞は何度か書き直されていたそうで、『SPEED POP Anthology』に収録されているデモ音源では歌詞が異なっているほか、同作に収録されている2015年のライブ音源GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.2 Ver.ではわざわざこの初期の歌詞を復刻して歌唱している。

ウェディングソングの定番といえる大バラードナンバー。現代では比較的オーソドックスなストバラに聞こえるが、当時は初のバラードシングルだし、そもそもストリングスを用いたバラードなんてのは頻出するようなものではなく、ここぞという勝負所で出す特別な意味合いを持つようなやり方だったし、特別感は強かった。有名になったのは『REVIEW』収録以降で、ここから数年間カラオケランキング上位に居座り、連続して年間ランキングに入っていたのを記憶している。実際JOYSOUNDの平成カラオケランキングで47位でトップ50には他に21位「HOWEVER」だけというくらいGLAYの曲の中でもみんな歌っていた。まあこれは90年代のヒットシングルの中ではたぶんこの曲が1番歌いやすくて最後のサビ終わりさえ勢いで乗り切れば爆死はしないという事でも歌いやすさもあったとは思うけど…(当時周囲では歌いやすいのでこの曲、2番サビ以降爆死覚悟で「HOWEVER」に挑んで2番の終わりで全員撃墜が鉄板)

またMr.Children「抱きしめたい」とこの曲は”初期の名曲”という評価が定説になっていて、誰にというわけではないけどそう教えられたような記憶があり、最初に『REVIEW』で聞いた時点でこれが初期の名曲かと思いながら聞いた。長いんだけど長さを感じさせない、名曲と呼ぶにふさわしい名曲。しかしこれを凌駕する名曲が以後たくさん生まれ、あくまで“初期の名曲”であって、GLAY最大の名曲ではない。

ラストの英語詞の部分を歌い終えた後にギターソロと共に長いアウトロで演奏終了する…というのが当たり前になっているが初出である『SPEED POP』収録時のみ最後まで演奏されず、英語詞の後のギターソロを弾いている最中にフェードアウトしてしまっていた。シングルカットの際にフルバージョンになり、以後全てのベスト盤がフルバージョン(シングルバージョン)収録となった。普通はシングルには長いのでシングルバージョンはフェードアウトや短縮で出して、アルバムでフルバージョンというパターンだけど、この曲の場合逆なのが面白い。
★★★★☆
1stアルバム『SPEED POP』(フェードアウト)
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~』(シングルバージョン)
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-』(シングルバージョン)
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-』(シングルバージョン)
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』(シングルバージョン)
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES』(シングルバージョン)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(未発表デモ)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.2 Ver.)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT(シングルバージョン)

GONE WITH THE WIND

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
NHK-BS2アニメ『バイカーマイス』OP。GLAYの単独作品には初収録となるが、メジャーデビュー直前の1994年3月にコンピ盤『an Optic』に収録されていた曲を佐久間正英を迎えてアレンジし直したものとなる。佐久間正英存命プロデュース中にも「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2007-2008」でインディーズ時代のアレンジで演奏したライブ音源を『SAY YOUR DREAM』のシークレットトラック3種のうちの1種として収録したほか、2023年にはHISASHIがインディーズ時代のアレンジでの再録音をリクエストし、『HC 2023 episode 1-THE GHOST/限界突破-』にGen 3として収録している(Gen 3なのはインディーズ、今作に続く3度目のレコーディングだから)。

長年C/W扱いで、90年代の人気全盛期にはアルバム未収録だったので『REVIEW』『DRIVE』どころか、2002年の『UNITY ROOTS&FAMILY,AWAY』までの全アルバムを買い集めてもこの曲には当たらない状態だった。2003年に『rare collectives vol.1』が出るまで8センチシングルを入手しないと聞けない曲だったので知名度はべらぼうに低い。『rare collectives vol.1』ではC/W扱いだったし、あまり印象に残っていなかった。2009年の『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』で初めてA面曲扱いされて、黄金のヒットシングルと並んでこの曲を聞いたリスナーが大半だと思うけど、馴染み度が違い過ぎたし、A面には弱過ぎじゃね?と思ってしまったのが正直なところ。

インディーズ時代の曲として、『灰とダイヤモンド』の曲たちと並べて聞くと、それなりにキャッチーだし、SPEEDとPOPという二大要素を兼ね備えた方向性なので何よりも『SPEED POP』にふさわしい曲だったんじゃないかとも思えてくる。ただなんかアレンジというかミックスがどうもしっくり来ない。なんでこんなドラムの響きが高めナンダ…?

前述のようにまだ佐久間さんと組んでいた「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2007-2008」ツアーの時点でインディーズ時代のアレンジに戻して演奏してシークレットトラックとはいえ音源化もしていた。2023年にはHISASHIは特にこの佐久間版アレンジは当時から不満だったとインタビューでも公言して元のアレンジを長年推し続けていた事を明かし、Gen3としてのリメイク(というよりリバイバル)を実現させた。

元の『an Optic』収録版は『灰とダイヤモンド Anthology』で手軽に聞けるようになっている。佐久間正英は基本的にはインディーズ時代の曲もブラッシュアップする方向性でプロデュースしていてそういった元の良さを生かす、変えすぎないやり方からプロデューサーとして固定して長年タッグを組むことになったというのが大方の見方だと思うし、実際他の曲はそうだと思うんだけどこの曲は原曲を聞くと随分とポップな印象に変えたなぁ…という印象はある。佐久間さんのやり方からしてここまで率先して改変するとも思えないので、当時のTAKUROの意向もけっこう強くてそれに沿ってこのように変えたんじゃないかなとは思うんだけど…。なんというか…ドラムの音が妙に高いからロックっぽさが消え去ってしまい、かといって凄い爽やかポップな曲というわけでもないし、基本的には勢いのある曲なのでもっとガツンと重めでいいんじゃないかなとは思う。

『SPEED POP Anthology』ではシングルバージョンが本編に追加収録されてリミックスされているが、この時点でドラムの変な高さなどは修正され、楽曲全体の浮ついたサウンドも重心が普通になってだいぶロックナンバーっぽく生まれ変わった。
★★★☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『灰とダイヤモンド Anthology』(原曲=コンピ盤『an Optic』収録Ver.)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)

C/W ACID HEAD

作詞:TAKURO&TERU、作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
初収録の新曲。ノリ1発勝負のようなあまりメロディアスではない曲でライブでひたすら盛り上がる系のナンバー。実際冒頭は大歓声と共にTERUの曲紹介から始まるなどライブ風音源が織り交ぜられており、演奏が始まるとスタジオ音源になるが、エンディングでは再度大歓声がミックスされているなど疑似ライブバージョン的な加工が施されている。ライブ定番曲になったようだが、音源だけ聞いているとアシッヘッ!アシッヘッ!と連呼しまくっている以外にあまりメロディーラインの印象は残らない。GLAYリスナーでライブに一切行かない者は既に希少人種になっていると思われ、ライブに行くファン一般的には馴染み深い曲の1つなのだろうとは思う。

『THE GREAT VACATION VOL.2』で再録音された際はライブ音源風の小細工が無くなっている。また同じ音源が『SPEED POP Anthology』DISC-2にRecording 2009として同じ音源が収録された…と思いきやRecording 2009では1分近い演奏がイントロに新たに追加されていた(追加部分は1度演奏終了して元のイントロが再度始まる仕様)。2009年に録音したが使わなかった部分だったのだろうか。
★★★☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』(再録音)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Remix&Remastering 2015)
アンソロジー『SPEED POP Anthology』(Recording 2009/『THE GREAT VACATION VOL.2』収録Ver.にさらにイントロ追加)

6th Yes,Summerdays

B00005FNAD
1995年8月9日
初登場13位と躍進し、トップ20前後をうろついて存在感を示して10週ランクイン20万枚を突破してついに「RAIN」を上回るヒットとなった。

Yes,Summerdays

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
カメリアダイヤモンドCMソング。90年代前半当時このカメリアダイヤモンドCMに起用されると(大量OAされるので)売れると言われており、「彼女の“Modern…”」の頃にも狙っていたが採用されず、今作でついに採用された。この曲の母の借金を返済して実家の金の苦労を自分の力で解決出来た事が嬉しかったと後年TAKUROが自著で述べているように思い入れはあったと思われるが何故か『REVIEW』にも『DRIVE』にも選曲されなかったので『BEAT out!』までは聞いていなかった周囲でもこの曲の知名度はずっと低いままだった。2009年の『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』でようやくベスト初収録、この時点では既にみんなGLAY聞いてなかっただろうから、『REVIEW』『DRIVE』のブームで聴いていた人たちは知らないままなんてことも少なくなさそうだ。

V系っぽい色合いが残っている最後の曲かなぁという感じはするんだけど、なんかGLAYの王道からは確実に外れているけど、初期っていう感じでもない、『灰とダイヤモンド』の頃よりはブラッシュアップされているんだけど、この方向には行かなかったなっていうどこか浮いた立ち位置のシングル曲。90年代どころか、2010年辺りまで(複数A面や『G4』シリーズ連投しまくって1シングルの印象が必然的に薄れるより前)のシングルの中でも1番パッと思い出せない曲のままかも…。2009年まで『BEAT out!』でしか聞かなかった上、アルバム内での印象は完全にいちアルバム曲程度の存在感で2曲目の今作より1曲目の「More than Love」の方がよっぽどシングルっぽい。

なおこの曲ではまだToshi Nagaiがレコーディングに参加しておらず、アルバム『SPEED POP』に続いてそうる透がドラムを担当している。アルバムの「月に祈る」もそうる透なので同時期にレコーディングされていたものと思われる。
★★★☆☆
2ndアルバム『BEAT out!
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(AG Demo)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)

C/W INNOCENCE(LIVE VERSION ‘95.6.12 IN SHIBUYA KOKAIDO)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
3rdシングル『彼女の“Modern…”』C/W、1stアルバム『SPEED POP』収録曲のライブバージョン。1995年4月2日の「SPEED POP STANDING GIG」でNOBUMASA脱退後、Toshi Nagaiをサポートドラマーとして迎えて最初に行ったツアー「SPEED POP GIG ’95」全10公演の最終日6月12日渋谷公会堂でのライブ音源。このライブバージョンがToshi NagaiのGLAYでの初音源化曲となった。

音源自体はオリジナルに忠実に演奏されているし、ライブで盛り上がるタイプの曲でもない。C/Wとアルバムで2度も出ていた曲を短期間でライブバージョンでもう1回C/Wに入れるなんて、よほど気に入っていたのだろうか。初のライブ音源ならもっとライブ感のあるアップテンポな曲でも良かったように思うけど…。この後のクリップ集『VIDEO GLAY』でもPVが無い曲なのにエンディングでメイキング映像等に被せてこの曲を収録しているのでこの当時かなり特別な1曲であったことは伺える。
★★★☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(LIVE VERSION ‘95.6.12 IN SHIBUYA KOKAIDO)

7th 生きてく強さ

B00005FNAE
1995年11月8日
初登場19位、9万枚の売上で前作を大幅に下回った。NOBUMASA脱退直後のツアーからサポートしていたToshi Nagai(永井利光)が新たなレコーディングドラマーとしても参加、以降レコーディングでもライブでも固定ドラマーとなった。現在まで長年続くサポートとなったものの、メンバーになったドラマーが立て続けに辞めたり辞めさせたりしなければいけなくなった経験からか、ドラマーを正規メンバーとしてを迎える事は無く、正規メンバーは4人のままとなった。

生きてく強さ

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
テレビ朝日系『かざあなダウンタウン』テーマソング。後追いで聞くとここから大ヒット期のGLAYに通じていく飛躍の1曲という印象のポップで前向きなロックナンバー。これぞ90年代のJ-POPのロックバンドといった印象も受けるが、実は前作より大幅に売れていなかったというのは驚愕。収録未収録で明暗を分けた『DRIVE』発売後にはもう知名度も人気も逆転していたと思う。

前向きでストレートに勇気づけられる歌詞から、2004年のツアー中に新潟県中越地震が起きた際はセットリストに無かったこの曲を新潟公演でのみ披露したり、特に2011年の東日本大震災の後は改めてこの曲の持つ力を再認識したかのように演奏機会が増えたようだ。偶然にも東日本大震災の数日前にリリースした『rare collectives vol.4』には再録音バージョンも収録していた。

1番好きな曲というわけではないけど、これぞGLAYといえる曲を1曲選べと言われたら「誘惑」や「HOWEVER」よりもポップとロックのバランス感が絶妙な今作が真っ先に浮かんでくる

『BEAT out!』収録時は次の「週末のBaby talk」と繋げた編集で収録しているため単独で聞くと最後の余韻で音が途切れる。『rare collectives vol.4』での再録音はアレンジはほぼそのままだがちょっと早い(演奏時間が短い)。
★★★★☆
2ndアルバム『BEAT out!
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
4thコンセプトアルバム『rare collectives vol.4』(再録)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)

C/W Cynical

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&佐久間正英
HISASHIの初採用曲。元々は『BEAT out!』用に制作していたがアルバムの中でのバランスが難しくアルバム未収録のC/Wにしようという事でリリース時点で既にアルバムに入れない事は決まっていたらしい。若干のデジタル要素はあるし、完全に隠しきれていないところはあるものの、まだ個性を隠しているというか趣味に走らずに採用されそうなGLAYっぽい曲を出して採用された…といった感じ。どちらかというと今作では歌詞の方で個性を発揮しているように思うし、そういうところも含めてシニカルな曲なのかもしれない。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)

8th グロリアス

B00005FNAF
1996年1月17日
2ndアルバム『BEAT out!』1ヶ月前先行シングル。『BEAT out!』は元々1995年に出す予定だったのが先行シングルがもう1曲欲しいと言われてアルバム発売も延期になったとされている。初のトップ10入りとなる初登場4位を記録し、先行シングルだったにも関わらず2週連続7位、5週連続11~16位をうろついてシングル単位でも売れに売れて60万枚に迫る売上を記録。この勢いで『BEAT out!』は一気に初の1位となり、最終的に80万枚を突破し、一挙大ブレイクとなった。

グロリアス

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「’96 Victoria」CMソング。前作で飛躍したと思ったら一気に何段もすっ飛ばしてとんでもない高みへ登り詰めてしまったような歌詞もメロディーもアレンジもハマりにハマりまくった青春の大名曲。左右にパララララ振られたイントロが秀逸で一気に引き込まれる。10代の日々へと思いを馳せた歌詞は年齢を重ねるほどに眩しく響く。何かそんなに輝いていたわけではなくても、10代という若さこそが栄光だったなという眩しさがとても良く出た1曲だと思う。当時のTAKUROが24歳でまだ10代がそこまで遠くない、でもだいぶ経ったと感じ始めるような時期だったのも絶妙だったのかも。ただこの歌詞は自身を反映させたものではなく“自分以外の誰かを主人公にした初めての曲”と明言していた。より売れる曲を、万人に受け入れられる曲という意識で書いたもので、自身を強く反映したものではないようだ。

リアルタイムではまだJ-POPを聞き始める直前の時期なので(1996年8月頃より『CDTVリピート』を毎週見るようになった)、当時ヒット曲として認識してはいないがたぶんスキー場でかかりまくっていたのでどこかで耳にした事はあり、後追いで認識したというより『REVIEW』で初めてちゃんと聞いた時点で既に知っていた曲の1つだった。アルバム発売を延期して作られた曲という事で流れ的には次の『BELOVED』で「BELOVED」と一緒に入っているオリジナルアルバムというのも聞いてみたかった気はする。

Aメロにある“土曜の午後の青空”というフレーズは土曜日は午前だけ学校があったので”土曜の午後”になっていると思うんだけど、この感覚は現代では失われているものだ。90年代序盤までは土曜は午前授業で、90年代の間に第2土曜だけ休みとか第2,4土曜は休みとか段階的に土曜休みが増えていって、2000年代序盤で完全に週休2日制に移行したはず。この曲がリリースされた頃は土曜休みの実施が始まった頃だったので、まだまだ誰もが実感できるフレーズだったと思うんだけど、この曲がリリースされた頃に生まれた子供がちょうど境目になるだろうか。当時は学校終わって遊びに行く土曜日を描写したものだったが、現代では1日中遊んでいる中での後半の土曜の午後、遅寝して昼過ぎ集合の土曜の午後といったところだと思うがちょっと青空の感じが変わってくるなぁ…。短縮授業とか終業式の日とか午前で終わって午後フリーな日の”青空”っていうちょっといつもと違う開放感なら現代の学生にも通じるだろうか。あの感覚が毎週あった、それが”土曜の午後の青空”だったのである。
★★★★★
2ndアルバム『BEAT out!
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TERU SELECT

C/W Believe in fate

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
C/Wっぽい曲ではあるんだけど一聴するとポップで王道的な1曲。ただなんだか曲調にヘンテコな雰囲気が感じられるがこれはTAKUROによる”ヘンな曲にしたい”という意向によるもの。”それを悟られないような、玄人がニヤリとするような曲を作りたかった”という事でメロディーはキャッチーなのに”スゴク変態的な転調をする”構成になっているらしく、転調とか良く分からないけどなんだかどこか普通じゃない感じがするのはこのためと思われる。
★★★☆☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)

More than Love

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 2ndアルバム『BEAT out!
アルバム1曲目。これぞGLAYな王道J-POPなビートでロックなナンバー。けっこうガツンとしたロックチューンなんじゃないかというイントロからいざ歌が始まるととても親しみやすくキャッチーなサビメロが実にGLAY。先行してリリースされていたシングル「生きてく強さ」「グロリアス」に続いて一気に軸が定まったようにも感じるバンド感。アルバムから聞くとここから一気にGLAYの飛躍が始まったのを確信するナンバーだ。『REVIEW』に選曲されていた事もあって、アルバム2曲目に続く「Yes,Summerdays」よりもシングル曲っぽさがある。

『BEAT out! Anthology』のリミックスではMichael Zimmerlingの悪ノリ?なのかは分からないが冒頭からいきなり謎のマヌケなピヨピヨ電子音が鳴り響き、間奏部分でも似たような変な音が混じり、エンディングでもまたピヨピヨ…と妙なピヨピヨ音が追加されている。元の録音素材に無い音を勝手に追加するはずはないのであった音なんだろうけど、なんでこんなピヨピヨ音がレコーディングトラックに含まれていたのかは謎過ぎる。
★★★★☆
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Live ver. From 東京厚生年金会館)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(AG Demo)

軌跡の果て

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
From 2ndアルバム『BEAT out!
『BEAT out!』では最後の1つ前に収録されていて「More than Love」と共に『REVIEW』に選曲され、そちらでは最終曲。TAKUROの苦悩、内面が描写されたような曲はこの後も続くが、その始まりの1曲。夢を叶えるために突っ走ってきた軌跡は決して順調でも成功続きだったわけでもなく、そのために捨てなければならないものも多かったと思われ、そんな若き日々のドキュメントのような内容が胸を打つ。また多くのバンドはボーカルが作曲をしない場合でも作詞はメインで担い自分の言葉を歌うのがセオリーみたいになっているが、GLAYの場合はTERUが作詞作曲を行う事はほぼ無くてTAKUROが一手に作詞作曲を担っていた。TAKUROの個人的な思いを乗せた歌詞をTERUが歌うという構図はGLAY特有のもので、本人の言葉ではない故の重くなりすぎない、個人的な歌になりすぎないところはあると思う。

畳みかけるサビの連発、終盤でTERUの声が掠れて一瞬声が裏返る部分もあるが、修正せずにそのまま採用されており、これが逆に良い。ブラスアレンジを生かした曲調は比較的ポップで明るめなので全体に重くなりすぎないのも絶妙。またアルバム発売時点ではブレイクし始めた上り調子の時期だったので更なる成功を収めてついにミリオンアーティストとなった『REVIEW』でラストに配置した時の方が当時よりもさらにしっくりハマる状況になっていて、その『REVIEW』が史上初の500万枚突破で文字通り天下を取った事でより“果て”まで至った感が強まった(同時に痛みも…)というのもドラマティックすぎる。
★★★★☆
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
13thアルバム『MUSIC LIFE』G-DIRECT限定豪華盤付属『BALLADE BEST☆MEMORIES』
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Remix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(AG Demo)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)

9th BELOVED

B00005FNAH
1996年8月7日
前作とアルバムが大ヒットする中でドラマタイアップもあって初登場3位から8週連続トップ10入り(2~5週目まで4週連続6位)、翌年まで25週ランクインで84.1万枚の大ヒット。推移はミリオン級だったが、初動が15万弱とまだそこまで爆発的ではなかったためミリオンまでは届かなかった。リリース直後から9月にかけて行われたツアー「BEAT out! reprise」の最終公演9月9日にはついに日本武道館へと到達した。

同名アルバム発売は3ヶ月後だったが、アイスランドにて今作のMVやアルバムジャケット撮影が行われた。アイスランドでのドキュメント映像は後年『BELOVED Anthology』のBlu-rayに収録されている。

BELOVED

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
ドラマ『ひと夏のプロポーズ』主題歌。初期からメロディーがしっかりしていると評されていた(らしい)GLAYだが、「生きてく強さ」→「グロリアス」と来て今作でさらにメロディーに磨きがかかって売れ線・ブレイクの波を完全に捉えた感のある大名曲人生の岐路を描いた歌詞も幅広く若者の共感を呼ぶ内容で、特に10代の頃は卒業でその時々の仲間たちと別々の道を行く事になるたびにテーマ曲のように浮かんでくる曲の1つになっていた。

夢から覚めてもあなたを愛していると結論が恋愛になってしまう歌詞はちょっと良く分からないなと思っていたが、メンバーへの思いも込めて書いたと後年明かしているので、広く外に向けてラブソング的な結末にしつつも、何があってもGLAYへの思いは変わらないという意味も含ませていたのかなと。

この頃になると特に意識してないけど気がつけば聞いたことのある曲になっていたので最初にいつ聞いたのかはあまり定かではない。ただ小6の秋の修学旅行のバス内でクラスメイトがカラオケでこの曲を熱唱していたのは強く印象に残っている。『CDTV』を見始めたのがこの夏頃からだったのでチャートで見ていたからだと思うけどこの時に既にサビは知っている曲だった。ちゃんと聞いたのは翌年の『REVIEW』をレンタルしてカセットテープに録音して聞いた時なので発売1年くらいはクラスメイトのカラオケVer.の印象だった事になる…。いかにも歌いたい気持ちいいメロディーだけに『REVIEW』以降はカラオケ人気も高く、「HOWEVER」ほど確実死ではないけど、やはり段々声が出なくなっていって瀕死の喉で最後の”どんなときぃもぉぉ”の高音に正面衝突して見事に撃沈…というのが一般男子の規定コースだったので個人的にはあまり手を出さないようにしていた記憶。それでも特にこの時期のGLAYの曲はどれもとても歌いたくなるような最高に気持ちいいメロディーの連発だったな。

最初のアルバム収録である『BELOVED』収録時に表記も無くさらっとミックス変更されている。Wikiにもアルバムバージョンとか”シングルと微妙にバージョンが異なる”とかいつの間にやら記載されていたものの何がどう違うのかミックス変更なのか演奏が違うのかも書いてないので長年良く分かっていなかった。イヤホンでじっくり聞いてみたところ、シングルバージョンは終始左寄りにいるアコースティックギターがジャンジャカジャンジャカ鳴っているのがよく聞こえるが、『BELOVED』収録バージョンは左右共にエレキギターが強め(間奏ギターソロも大きめ)で、アコースティックギターが意識しないと分からないくらいに埋もれ気味になっている。また1番Aメロの音数が少ない歌い出し部分のバックでけっこう大きめに聞こえるファーファーファーとコードに合わせて(?)鳴っているバックのシーケンスの音がアルバムバージョンではかなり小さくなっているなど演奏が違うというより音のバランスを再調整したアルバムミックスの類のようだ。このバージョンは『BELOVED』のみで以降のベストアルバム収録時は全てシングルバージョン。

『BELOVED Anthology』でのリミックスはどの楽器も少し距離が出来たような感じ(というかどれも目立たず均一)、ドラムが変に響いて聞こえたりと、シングルとアルバムミックスの違いよりも全体に響きが変わっているが、アコースティックギターの聞こえ具合はちょうど中間くらいだろうか。『REVIEWⅡ』ではTAKURO SELECTで選曲されているのでAnthologyバージョンだが、新たに前田康二がリマスターした音源となっているため、マイケルリマスターの『BELOVED Anthology』よりは音に迫力がある。
★★★★★
3rdアルバム『BELOVED』(表記は無いがアルバムミックス)
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』(ROCK AROUND THE WORLD Live ver.)
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Remix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『BELOVED Anthology』Ver.)

C/W Together(new version with orchestra)

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
『BEAT out!』収録の大作バラードナンバーにオーケストラを加えた新バージョン。佐久間正英にオーケストラアレンジを任せたとしているので基本的に元の演奏にオーケストラを新たに加えたもので全面リメイクではない…っぽい?

オリジナルでは30秒ほどのピアノ演奏があってから若干の無音を経てイントロが始まっていたが、このバージョンでは冒頭が壮大なオーケストラ50秒に差し替えられてイントロに繋がり、後半にかけてオーケストラが派手に盛り上がる。まあ2000年代半ば以降だったら最初からこのアレンジだろうなというような壮大なストバラだが、当時ストリングスバラードはそんなに溢れていたものではなかったので通常時よりも特別豪華なバージョンという認識だったと思う。

現代の感覚だとストリングス無しでピアノ含むバンド演奏で壮大に盛り上げられた原曲アレンジの方に価値があるように思う。なんというか『Let It Be…Naked』(「The Long and Winding Road」にフィルスペクターのオーケストラアレンジが無いバージョン)のようなありのままの尊さが原曲アレンジにはあるんじゃないかなと。『BEAT out! Anthology』では何事も無かったかのように表記も無しにnew version with orchestraに差し替えてリミックスされていた。『BEAT out!』に入っていたのはオリジナルなわけでオリジナルが破棄されてしまったのは残念だった。

オリジナルはストリングス無しでもドラマティックで壮大なバラードナンバーは作れるというのを証明するような貴重なバラードナンバーとして現代では大きな価値があると思う。メリハリも効いていて原曲の方がいいと思うんだよな。
★★★☆☆
2ndアルバム『BEAT out!』(原曲)
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1』(new version with orchestra)
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES』(原曲)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(new version with orchestraのRemix & Remastering 2016)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(AG Demo)
アンソロジー『BEAT out! Anthology』(Demo)

10th a Boy~ずっと忘れない~

B00005FNAJ
1996年11月11日
3rdアルバム『BELOVED1週間前先行シングル。C/W「neuromancer」はアルバム未収録だったとはいえさすがに1週間前では伸びようがなく、初登場2位を記録して最高位は更新するも2週目25位まで急落した。しかし30~40位台では粘り、なんだかんだ14週もランクインして27万枚のヒット。

3rdアルバム『BELOVED』は初のミリオンヒットを記録した。翌年にかけて行われたツアーはさらに規模が拡大、1996年9月に到達したばかりだった日本武道館公演をツアー途中にあっさり2days行った後にさらに追加公演だけで全国7公演も回るもう1回全国ツアー状態、その最終地は2daysから1ヶ月程度でまた日本武道館…とイケイケドンドンであった。

a Boy~ずっと忘れない~

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
「BELOVED」系統の楽曲だが、より爽やかであっさりしている。ここまでの上がり調子のシングル続きの中ではさっぱりしすぎて地味目なのは否めず(この後も「口唇」「HOWEVER」と続くし)、アルバムリード曲になりうる曲も「GROOVY TOUR」や「RHAPSODY」など複数あったし、無理に1週前シングルで出さなくても良かったような気はする。ただのアルバム曲になっていたらそれはそれでなんか凄い良メロのアルバム曲があるとか何故かシングルカットされなかった名曲とか言われていたのかもしれない。ただアルバム内でも次に「春を愛する人」も控えていたりと、本当にこの時期凄すぎるのでこれだけの良曲でもなんだか地味になってしまうというのが異常事態だった。

『REVIEW』に外されたので周囲では知名度は低めだったけど本格ブレイク後ではあったので全く聞いたことない初期2シングルや「Yes,Summerdays」よりは得体が知れている曲、みたいなポジションだった。『DRIVE』に選曲されてようやく聞けたというところではあったけど曲数が多い中ではやはりいい曲なんだけど埋もれる感じではあった。サビが低くて落ち着いているせいだろうか(その割にサビ後半で急に高音に跳ねあがるのでこれならいけるっしょとカラオケで入れた奴は口笛が吹けな(高音出ずに爆死))。今になってみるとこの落ち着きが良かったりもする。
★★★☆☆
3rdアルバム『BELOVED
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Remix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『BELOVED Anthology』Ver.)

C/W neuromancer

作詞作曲:HISASHI、編曲:GLAY&佐久間正英
2曲目となるHISASHI曲。まだ趣味を抑えていた前作から一転してデジタルサイバー感が前面に出ていて、これまでにないデジタルな異色楽曲に。実際に“俺の趣味に走っちゃった曲”とHISASHIが明言しているように個性を全開にしている。バンドとの兼ね合いを見つけるのに苦労し、1度バンドでやってみたもののしっくり来なくて、結局スタジオに居残ったHISASHIがD.I.E.、Toshi Nagaiといったサポートメンバー陣と打ち込み作業をして完成させたという。一応バンドサウンド風のアレンジではあるがリズム音が全体的に機械的な固い音色なのはそういうミックスではなく打ち込みだからのようだ。

少し前だったらいくらC/Wでも趣味に走りすぎてGLAYらしくない曲は採用しなかったと思うんだけど、ブレイクしてやりたい事をやれる状況になってきた事や、最初から「グロリアス」「BELOVED」より更なる大ヒットは最初から期待されていないアルバム先行シングルのC/W(アルバムにも収録しない)”空き枠”だったのでより自由が効く状況ではあったのかも。
★★★☆☆
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Remix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo)

GROOVY TOUR

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
キーボードのD.I.E.、ドラムのToshi Nagaiが固定のサポートメンバーとして定着してライブとレコーディングも絶好調、ライブ規模もどんどん拡大していった上がり調子の時期のライブの一夜を映し出したライブ感の溢れるロックナンバー。アルバム1曲目にふさわしく、前2作よりさらにバンドの規模が拡大している事を感じられる。歌詞中にはD.I.E.がそのまま登場し、“時間どおりに待ち合わせに着いたって D.I.E.はいつでも僕らを悩ませるのさ”と遅刻癖がネタにされている。D.I.E.はToshi Nagaiと同じ1964年生まれ(メンバーより7,8歳上)だが2月生まれなので学年は1つ上で当時のツアーメンバーの中では最年長だったが、そんな年上もイジれるくらいの関係性を築いていた事が伺える。
★★★★☆
3rdアルバム『BELOVED
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Remix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo)

RHAPSODY

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
3rdアルバムの最終曲。バラード系で締めるのではなく、ビートでロックなアップテンポナンバー。なんならアルバム1曲目に置かれそうなナンバー。MVが制作され、『REVIEW』にも選曲されていたので、当時~『REVIEW』世代にとってはシングルと同格以上の存在感だったと思う。ただその後は1度も選曲されなかったため、『DRIVE』世代以降だと『BELOVED』の最後に入ってた曲以上の印象はない(『BELOVED』聞いてないもしくはそんなに聞きこんでなければそもそも知らない曲の1つ)かもしれない。高校時代に憧れていてメンバー全員が好きだった80年代のビートロックをそのままやったので、どこか照れくささがあったのか究極の開き直りと称したり、シングル候補に挙がったもののシャレがきつすぎるという理由で却下した旨を語っている。それでも正統派で明るく勢いのある曲だし、シングルっぽい曲だなという印象はずっとある。『REVIEW』当時でもその憧れていたロックとか世代じゃないので知らなかったし。
★★★★☆
3rdアルバム『BELOVED
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Remix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo)

11th 口唇

B00005FNAL
1997年5月14日
半年ぶり待望のシングル。SMAP『セロリ』とのチャート対決が話題になり、SMAP初動20万に対して初動27.7万枚で見事に勝利して初登場1位累計99.4万枚とミリオン寸前まで伸ばした(200位集計なら達成していたはず)。C/W「春を愛する人」は『BELOVED』からのそのままのシングルカット。

「口唇」だと「こうしん」と本来読むが(検索するとこの曲以外は概ね口唇ヘルペスの情報ばかりヒットする)「くちびる」というのが正式な読みとなっていて歌詞中でも“口唇”が全て”くちびる”と歌われている。これじゃ“くちくちびる”じゃね?と中1当時周囲でも話題に。細かい事は気にするな。

口唇

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
ブレイク以降、メロディー重視の聞かせるナンバーが続いていた事もあってここらでロックな側面もガツンと見せてやるといった気概が前面に出たロックナンバー。既に無敵モードに突入していたためか、ここ数作とは一転した作風だったにも関わらずさらにファン層が拡大して売上が伸びたのだから凄い。今だとなかなかこういうことは起こらないだろうから、CDが売れる時代にはバンドドリームがあった。この曲のヒットが「誘惑」に繋がったように思う。当時は正直あまり好きではなく、前述のように「BELOVED」や「グロリアス」は耳に入ってきていたので興味が沸きつつあったが、ロックナンバーが苦手だった当時は拒否反応が出たのと、SMAP「セロリ」の1位を阻止しやがったのでしばらくキライだった(笑)

現在でも「誘惑」もそうだけどそんなに好きではない。メロディアスな部分では90年代が凄すぎて及ばなくなってくるが、この手のロックナンバーだと2000年代以降の方がより充実してパワーアップした曲があるようには思う。

いきなりのサビ始まりだけキーが低いという構成は面白い。このキーのままだったらたぶんみんなカラオケで歌えた。

次回作「HOWEVER」と合わせてオリジナルアルバムに収録されず、『REVIEW~BEST OF GLAY~』に収録された。『DRIVE』収録時もそのまま収録されていたが、次の2009年『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』収録時に何の表記も無く聞き覚えのない50数秒のピアノイントロが新たに追加された。曲本編とはあまり繋がりを感じないバラード風のピアノソロ+ドラムとなっていて急にサビに突入する構成。

アンソロジーシリーズでは『BELOVED Anthology』に収録された。この際はイントロピアノ追加バージョンがリミックスされていたが『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』に選曲された際はイントロピアノを再度カットしてオリジナルと同じサビ始まりの構成に戻したAnthologyバージョンという細かいバージョン違いで収録されている。またリマスターをやり直しているせいかズンズンした厚みのある音像に変わっており、同じ曲であれば基本的には最も迫力があるTed Jensenリマスターの『THE GREAT VACATION VOL.2』よりも迫力が増している。『REVIEWⅡ』のTAKURO SELECTにはアンソロジー音源を使用したとされているのに「HOWEVER」もアンソロジーからさらに変えているし、他にも気づかないだけで変わっている曲はあるのかもしれない。
★★★☆☆
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』(イントロピアノ追加)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(イントロピアノ付のRemix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo Ver.1)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo Ver.2)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『BELOVED Anthology』のイントロピアノカットリミックスVer.)

C/W 春を愛する人

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
3rdアルバム『BELOVED』からのシングルカット。アイスランドで先行していたシングルやアルバムのジャケット撮影、写真集撮影をした際に触れた大自然に触発されて書いた曲とされており、アルバム制作の中では後半(ジャケット撮り終えた後)に出来上がった曲だったようだ。

爽やかなポップロックナンバーで全編サビのよう…というかサビを繰り返しまくる上、時々出てくるサビ以外もキャッチーなのでとにかく親しみやすくて覚えやすい。一方でメロディーは同じながらサビ頭の歌詞がほぼ全部違う(最初と最後のSunshine以外全部違う)ので何度も同じパートを繰り返しているという印象がそんなにない。『REVIEW』には選曲されなかったが『DRIVE』に選曲された際にはファンの友人が「春を愛する人」は名曲だと力説しており、それで確かピックアップして聞いたのが最初だったように記憶している(『BELOVED』以前のアルバムはその後で手に取ったはず)。その後『rare collectives vol.1』に入ってたのでC/Wだったの!?と驚いた。よく調べたらシングルカットだったんだけど、C/Wの中ではずば抜けてダントツNo.1だと思うし、全曲の中でも最上位付近に位置するような普遍的な名曲

しかし春を起点にしていて春に戻って来るからといって四季を巡るような歌詞なのに「春を愛する人」ってこれ別に春だけ好きな人の曲ではないよなぁ仮タイトルみたいなタイトルだよなぁと思ったら本当に仮タイトルのまま本採用になったらしい。意外と的確なタイトルをつけるのが難しい歌詞かも。
★★★★★
3rdアルバム『BELOVED
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Remix & Remastering 2017)
アンソロジー『BELOVED Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『BELOVED Anthology』Ver.)

12th HOWEVER

B00005FNAN
1997年8月6日
初登場1位から134.2万枚初のミリオンセラーを達成。100位以内35週ランクインは自身最長の登場週数となった。ロングヒット中に『REVIEW~BEST OF GLAY~』が発売され当時の歴代最高となる487.6万枚のメガヒットを記録したため、これが無ければ最低でも150、160万枚は当然として場合によっては200万近い最大のヒットになっていたかもしれない。

HOWEVER

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
TAKUROが4月の休みの際にロンドンに行った際に当初はJIROとホテルに泊まっていたがJIROが帰国したので宿代がもったいねぇと当時ロンドンにいたLUNA SEAの“SUGIZOさんちで留守番してるときに書いた曲”で、その後NYに行ってアレンジを考えたと語られている。世界規模かよ。歌詞もメロディーもアレンジも妙にスケールがデカかったり、なんか色々な空気が混ざっている感じがするのは作られた環境のせいなのだろうか。ただ当初のデモテープはとてつもなく暗かったので最初のメンバーの評判は極めて悪く、TAKUROがメンバーを接待して必死にレコーディングまでこぎつけたという逸話も。原因はTAKUROがメチャメチャ低いキーで弾き語りで歌っていたためでそりゃ暗くなるだろうなとは容易に想像がつく。最終的にレゲエっぽいリズムでレゲレゲとした(?)いかにもレゲエなまったり感を出さず、壮大さに結び付けているところは今までにない新境地で、奇跡的な1曲になったような気がする。

当時カラオケでみんな入れまくってたけど誰もが2番のサビ途中までしかまともに歌えず、2番最後・最後のサビで2回訪れる跳ね上がる高音が全く出せずに墜落していった。それでも入れたがる。そんな名曲だった。

両手を広げて高らかに雄大に歌う片目に前髪がかかったTERUという全盛期のイメージは基本的には今作のPVによるところが8割以上を占めているものと思われる。

年明けにドラマ『略奪愛・アブない女』主題歌に起用された。ドラマ主題歌としては正直あまり記憶されていないと思う。ドラマ自体も若干珍作扱いされてたし…(赤井英和と鈴木紗理奈というコテコテの関西弁の人が無理やり標準語の台詞を喋っているのが不自然だと話題というか”笑い”に…)

『pure soul Anthology』バージョン(一般サブスクでは聞けない)が『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』に収録されている…はずだったが、『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』では何故かイントロのストリングスが消え去ってピアノとボーカルだけになっており、その後の盛り上がりどころでもストリングスらしきラインが聞こえてこない。つまり『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』収録音源は『pure soul Anthology』でのリミックスをさらにリミックスし直してストリングスを全カットしたっぽい。公式では”ストリングスが抑えられていたり、全体的にベースが前に出ていたりと、よりバンドらしさが強調されている”とあるので演奏に埋もれてうす~く鳴っているのかもしれないが…少なくともイントロ部分は抑えた以前にストリングスいないぞ。それにそもそも元の『pure soul Anthology』バージョン(一般サブスクでは聞けない)では抑えた様子もなくストリングスは原曲と同じように鳴っていたのだから…。
★★★★★
1stベスト『REVIEW~BEST OF GLAY~
2ndベスト『DRIVE-GLAY complete BEST-
3rd(バラード)ベスト『WHITE ROAD-Ballad Best Singles-
5thベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~
13thアルバム『MUSIC LIFE』豪華盤付属『BALLADE BEST☆MELODIES
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)
6thベスト『REVIEWⅡ~BEST OF GLAY~』TAKURO SELECT(『pure soul Anthology』Ver.のストリングスカット)

C/W I’m yours

作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
賑やかなロックナンバー。なんとなくイメージ的にはこの3年ほど前のWANDS「世界が終わるまでは…」C/Wだった「Just a Lonely Boy」に通じるような普段あまりやらないような異色の合唱系で、妙にキャッチーな曲がふいにC/Wに入っていた的な1曲。シングルとして最初に聞いたのが今作だったのもあってけっこう思い出深い(まもなくC/Wが実験ナンバー連投になってくるし)。

『rare collectives vol.2』のHISASHI曲を集めたDISC-2にふいに今作のリミックスKnightmare mix ’99が入っているが、同作には何の説明もなく、リミックスを担当したのがHISASHIだという記載すらない(オリジナルの作詞作曲編曲をそのまま記載)。現在は公式サイトに”Remixed by HISASHI、1st issue 1999.7.31 GLAY EXPO 99会場にて披露”という記載があり、最低限の情報が判明している。
★★★★☆
1stコンセプトアルバム『rare collectives vol.1
2ndコンセプトアルバム『rare collectives vol.2』(knightmare mix ’99)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Remix & Remastering 2018)
アンソロジー『pure soul Anthology』(Demo)

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