THE YELLOW MONKEY 30周年シングル回顧 1992-2001,2016

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THE YELLOW MONKEY 30周年シングル回顧 1992-2001

1992年デビュー。吉井和哉(Vocal,Guitar)、菊地英昭(Guitar)、廣瀬洋一(Bass)、菊地英二(Drums)による4人組で菊地英昭・英二は実の兄弟

シングル24枚、アルバム8枚を2001年までにリリースした後に活動休止。そのままバンドは終わっている事を痛感した吉井の意向もあって2004年に正式に解散を発表した。

作詞作曲をメインで手掛けていたのは吉井だが、アルバムではメンバーの作曲もごくたまに存在していた。ただ実質的に吉井が方向性含めてバンド活動を積極的にリードしていくワンマン体制だった事は、Produced by THE YELLOW MONKEYが1度も表記されずに、Produced by KAZUYA YOSHIIと吉井単独でのプロデュース(TRIAD時代はディレクターと吉井の共同名義、ファンハウス移籍以降でプロデューサーを招いた際も吉井とプロデューサーの共同名義)となっていた事からも伺える。ただしある程度は吉井がリードしてもちゃんと4人でアイデアを出し合ってやっていたものと思われ、アレンジはTHE YELLOW MONKEY名義になっていて、末期にソロ色が強いメンバー不参加になっているような楽曲に限って吉井単独名義での編曲になるなどしていた。

ミリオンが大ヒットの基準だった90年代CD売上黄金期においてシングルでは60万台が最高で、1位獲得もピークを越えた後の1回ポッキリであったが、24作中17作は10万枚越えのヒットを記録しており、当時を知るリスナーであればヒット曲を多数持っているというくらいの認識は持たれていたと思う。また代表曲「JAM」は売上以上に当時のミリオンセラーにも匹敵するくらいの知名度はあるんじゃないかとも思う。アルバムにおいてはミリオンを達成できるタイミングで移籍してしまったために非公認でリリースされたベストアルバムのみがミリオンを達成してダントツ最大ヒットを記録する一方で、オリジナルアルバムはシングル同様の60万台が最高に落ち着いており、90年代の人気ロックバンドとしてはそこまですさまじい売上記録を残してはいないのが実際のところではある。

個人的には中高生の頃にけっこう周囲でもシングルを曲単位で聞かれているような状態で流行っていたのでGLAY、ラルク、LUNA SEA、スピッツなんかに続くくらい人気のある印象ではあった。長らくシングルのみ聞いている状態だったので過去曲回顧で取り上げられる状態ではあったものの、シングルしか知らないのに取り上げるのもなぁ…という事で見送っていたがこのたびアルバム全部聞いたのと30周年を記念してついに過去曲回顧で取り上げる時が来た。

2022.2~3新規執筆
再結成以降の配信シングル群はどうにもまだ馴染んでおらずシングルCDのみに限定。

1st Romantist Taste

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92年5月21日
100位圏外に終わったデビュー作。グラムロック全開のナンバー。再生すると遠くから徐々にドタドタした演奏がやってくるというフェードイン処理で曲が始まる。そのままドタドタしたノリのまま50秒過ぎでようやく歌に突入するが変なノリのまま進行していく上に、わざと軽めに仕上げたというトホホ感全開な音像で後追いで聞くと何かがビミョーに違う感じがする初期の中でもさらに質感が異なる1曲。やたらカタカナが飛び交う歌詞も結局何を言っているのか抽象的で良く分からないが、部分的にインパクトはあるのでサイケニュロォン♪だとかギミヨナァ♪だとか部分的には妙に耳に残る。ラヴ・ポーションで強引にシャドウ♪ラヴ・ポーションで妖艶にシャドウ♪と繰り返されるフレーズも意味不明だがサビ頭よりも最も思い出すこの曲のインパクトポイントになっている。
★★★☆☆
1stアルバム『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE(夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー)
2ndベスト『TRIAD YEARS actⅡ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION

2nd アバンギャルドで行こうよ

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93年3月1日
2ndアルバム『EXPERIENCE MOVIE』と同時発売。そのままアルバムにも収録され、C/W「SUCK OF LIFE」はアルバムにはAlbum Versionで収録された。引き続き100位圏外。前作のような極端な音の軽さは無くなったが今度は妙に陽気なノリでグラムロック色と歌謡曲の要素がミックスされたような独特の濃さが漂う1曲。特に恋する乙女の~♪の部分に歌謡曲臭が漂っているような…。DING DANGのくだりか、最後のタイトル連呼の部分なのかいずれもそこそこのインパクトはあるが結局どこがサビだったのかは良く分からない
★★★☆☆
2ndアルバム『EXPERIENCE MOVIE(未公開のエクスペリエンス・ムービー)
7thシングル『追憶のマーメイド』C/W(Live Version)
1stベスト『TRIAD YEARS actⅠ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION

3rd 悲しきASIAN BOY

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94年2月21日
ギリギリのランクインではあったが、今作で初めて97位にランクイン。前2作からガラッと変わったわけではないが、前2作のような陽気なノリはそのままにより明確なサビを用意してシングルとしてヒットを意識したようなキャッチーなメロディーの楽曲。シングルが全部収録される時以外ではメンバー自選にしてもファン投票にしてもベスト盤に選曲されるシングルは今作以降となっているなど非常に分かりやすくここから扱いが変わっているので、現在に連なるTHE YELLOW MONKEYは今作から本格的に始まっている感じもある。
★★★☆☆
3rdアルバム『jaguar hard pain 1944-1994
2ndベスト『TRIAD YEARS actⅡ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブバージョン)
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年1月12日日本武道館ライブバージョン)
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

4th 熱帯夜

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94年7月21日
アルバムは売れるようになってきてライブ動員も会場規模も伸びていくがシングルヒットが出ない中で、TRIADディレクターでTRIAD時代は吉井と共にプロデュサーとして連名表記されていた宗清裕之との話し合いで10万枚で終わるか、1位を目指すのかと今後の方針を問われたメンバーは1位と回答、ヒット曲を目指したよりキャッチーな楽曲作りを志向して路線変更を行ったとされる。ベスト10ヒットを目指すも59位で伸びなかったのでショックだったとか。

今作ではこれまでのグラムロック色や陽気なノリが抑えられ、よりカッコいい日本のロックバンドを目指したような感じがするが、キャッチーさにおいては正直前作の方がヒットしそうな分かりやすさがあったように思う。重さが増してロックバンドとしてカッコいいのは今作かなとは思うのだが…。
★★★☆☆
4thアルバム『smile
2ndベスト『TRIAD YEARS actⅡ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年7月21日のNHKホールライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

5th Love Communication

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95年1月21日
今作制作にあたってはもう1度「悲しきASIAN BOY」のような路線を要求するスタッフと、それでは結果が出なかったし違う方向を目指したいという吉井との間にズレがあったようだが、スタッフの説得により納得した吉井が求めているのはこういうことかと作ってきたのが今作だったという。スタッフ間でもやはり「熱帯夜」よりも「悲しきASIAN BOY」の方が…という感触があったと思われるエピソードで、不満を持ちながらも作ってきてしまう吉井の才能を褒めているが、実際今作でさらにブレイクの芽を掴んできた感じはある。とはいえ最初はディスコ風のノリを想定していたようなのでだいぶ思ってたのと違う明るめのロックナンバーに仕上がった感はあるようだ。

活動休止後に『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001』に続いて「太陽が燃えている」「JAM」「SPARK」目当てで『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』を聞いた際にはほとんどの楽曲がとっつきにくく、それ以上聞き進める気が無くなってしまった中で、「『TRIAD YEARS actⅠ』で1曲目を飾っている今作は1曲目に置かれているだけあって好印象で「太陽が燃えている」「JAM」「SPARK」と「追憶のマーメイド」に続いて初期シングル群では早い時期に覚えた1曲になった。
★★★☆☆
4thアルバム『smile
1stベスト『TRIAD YEARS actⅠ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年7月21日のNHKホールライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

6th 嘆くなり我が夜のFantasy

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95年3月1日
アルバム『smile』から1ヶ月後のシングルカット。シングルカットながら前作よりは多少下げつつも数万枚のヒットを記録した。

インディーズ時代のアルバムには入っていないがインディーズ時代からあるライブの人気曲を一部歌詞を変えて音源化したもの。これ以前のシングルよりも昔からあった曲だというのにここまでを踏まえて路線変更しながら進化してきたこの時点でのTHE YELLOW MONKEYにピッタリハマっているのが不思議。なんだかんだその気になればヒット曲を書けるタイプの才能の持ち主だったという事か。
★★★☆☆
4thアルバム『smile
1stベスト『TRIAD YEARS actⅠ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年7月21日のNHKホールライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

7th 追憶のマーメイド

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95年7月21日
初のトップ20入りを果たし(19位)、100位以内で13週粘るロングヒットとなったため売上は一気に10万枚を越えた躍進作。一般的にトップ10入りした次の「太陽が燃えている」でブレイクしたと扱われる事が多いが売上的には2万弱しか差が無い。当時多くのヒットを出していたカメリアダイアモンドのCMタイアップを目指して制作(採用はされなかった)したとされており、アングラなバンドからメジャーなロックバンドへと飛躍していくのがこれまで以上に感じられるような勢いに満ちた1曲。

『FOUR SEASONS』収録時はアルバムをロンドンで制作したため現地でミックスし直して一部ギターの再録音やタンバリンをカットするなどの変更が施されたAlbum Version。『TRIAD YEARS actⅡ』にもAlbum Versionで収録され、『SINGLE COLLECTION』でようやくシングルバージョンがアルバム初収録となった。これらは当時非公認であったためシングルバージョンが公認アルバム初収録になったのは『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-』が最初。

解散時の『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3にはOriginal Lyric Versionとして一部歌詞が異なる未公開バージョンで収録された。元々こっちの歌詞だったのが過激すぎるとして書き直したのがシングルバージョンだったらしい。こちらの方が歌詞が重め。歌詞変更が不本意だったためかは不明だが、当時のTV出演とフェスで披露した以外は解散までライブで演奏しなかったという。Apple Musicでは下記のようにこのOriginal Lyric VersionがDemo表記になっており「太陽が燃えている-Demo-」と同じ表記に誤表記されてしまっているようだ。
★★★★☆
5thアルバム『FOUR SEASONS』(Album Version)
2ndベスト『TRIAD YEARS actⅡ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』(Album Version)
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』(Album Version)
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3(Original Lyric Version)
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(ナゴヤドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

8th 太陽が燃えている

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95年9月30日
初登場9位を記録して初のトップ10ヒット。今作でブレイクしたと扱われているが前作から売上は2万弱の上昇でそんなに伸びてはいない。今作もヒットチャートを意識したキャッチーなロックナンバー。それなりに厚みはあるが重さは無くけっこうライトに聞きやすい1曲で、TRIAD時代では「SPARK」と並んで入口にしやすい1曲でもあると思う。

『FOUR SEASONS』には「Overture~太陽が燃えている」として収録され、前奏が追加された。

当時デモ音源のほうが歌が上手かったと吉井は感じていてデモのボーカルに変えてくれとけっこう本気でお願いしていたものの結局本番テイクのボーカルで商品化されたが、『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3に収録されたDemoはまさにその時の上手かったというデモ音源。一部歌詞が変わっているのも分かるが演奏の粗さも含めてやはりデモだなぁという感じでボーカルは確かに仮歌感は無いもののこっちの方がうまいのかどうかは正直良く分からない。
★★★★☆
5thアルバム『FOUR SEASONS』(Overture~太陽が燃えている)
2ndベスト『TRIAD YEARS actⅡ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』(演奏開始前のカウント追加)
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』(演奏開始前のカウント追加)
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3(Demo)
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年7月21日のNHKホールライブバージョン)
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

9th JAM/Tactics

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96年2月29日
初の両A面シングル。新曲「JAM」と『FOUR SEASONS』からのシングルカット「Tactics」の2曲を収録。初登場7位から6位→8位→10位→13位→10位…とロングヒットを記録して100位以内に21週ランクインして60万枚を越える自身2番目のヒット(後に「BURN」が越えた)を記録した。

MVが制作されたのが「JAM」だけで基本的にチャート番組では「JAM」ばかりかかっていた事もあってか、両A面でのヒットというよりかは「JAM」単独でのヒットのように扱われている事が多く、代表曲としても「JAM」が筆頭級に挙げられている。

JAM

残酷な現実を目の当たりにしながらもそれでも君に逢いたいと願い、最後は明日を待っていると希望を込めて終わっていく哀しみと強さが共存したようなとても心に残る渾身のバラードナンバー。終盤でのほぼアドリブで1発録音したという”外国で飛行機が~”からのくだりは特に圧巻。魂の叫びというのはまさにこういうことなんだろうなと思う。

名曲…に間違いはないが、このタイミングでバラードをシングルにするというのはなかなかの英断だったと思うし、案の定スタッフは売れないと反対していたというエピソードも伝えられているが、熱いプロモーターがいたそうで彼の後押しもあってシングルとしての発売がかなったようだ。そのプロモーター中原繁のエピソードも有名で2000年にライブ会場で急死しているのを発見された時に会場で演奏されていたのがこの曲のカバーだったとか、彼が亡くなったことでTRIADレーベルは結束を失って失速したとも言われている。またバンドにとっても最重要な1曲として2004年の解散発表後のフィルムコンサート最終日にメンバーがあいさつに登場する事は知らされていたが告知なしでこの曲1曲だけをその場で演奏。吉井は演奏を終えた時にバンドは終わらないという言葉が出てこないかと自身の中に期待もしていたが演奏しながらもうバンドは終わっている事を強く実感してしまったとも振り返っていた。

そこから時を経て復活。この曲に限らず当たり前のようにもう1度4人が当時の様々な名曲と新曲を届けてくれているのだから人生は分からない。だからこそまた明日を待っているのかもしれない。
★★★★★
1stベスト『TRIAD YEARS actⅠ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブ)
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年7月21日のNHKホールライブバージョン)
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(東京ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

Tactics

アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』初代エンディング(1~12話)。5thアルバム『FOUR SEASONS』からのシングルカット。OPは3回のみでEDの方が変わる回数が多く、OPは全部ソニー系だったがEDはソニー含めて色々なレコード会社から起用されていた。「JAM」のインパクトが強く両A面曲としてもあまり知られていない感はあるが、エンディングテーマとして見ていた視聴者にはある程度の馴染みがあるものと思われる。

適度なキャッチーさとロック具合と歌謡具合がいい感じに混ざり合ったような売れる方向へ路線変更してからの標準的なイエモン流のロックナンバーといった印象。るろ剣を見ていなかったのでるろ剣発のヒットとは認識していなかったので正直シングル曲としてはかなり馴染みが薄く、馴染んできたのはかなり後年になってからだった。というかTRIAD時代のイエモンを押さえておこうと思って借りてきた『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』になんと今作ハブられてしまっていて入ってなかった。後でシングルディスコグラフィーを眺めていてあれ?この「JAM」と両A面扱いになっているこの曲聞いてないぞ…?となって『SINGLE COLLECTION』を借りてきた次第。TRIAD的にはあまり代表曲扱いしていなかったのだろうか…。一方でバンド公式側としてはライブ盤『SO ALIVE』に選曲したり、解散時メンバー選曲の『MOTHER OF ALL THE BEST』に選曲したりしていたので扱いは良かった。
★★★☆☆
5thアルバム『FOUR SEASONS
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブ)
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

10th SPARK

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96年7月10日
初登場3位を記録して前作に続く50万越えのヒットとなり(最終的に3番ヒット作)、前作で本格ブレイクした勢いを決定づけたキラーチューン。バラードで攻めた前作に対してこちらはレコード会社側が期待するこれぞイエモン、これぞヒット間違いなしのロックチューンといった装いで実際吉井も「JAM」の次はきっちりヒット曲を書こうという意識で書いたらしい。この際に「楽園」も聞かせたが拒否られてこっちになったとも語っているが、宗清裕之氏は記憶にないと否定している。

まあこの曲は本当にこれぞTHE YELLOW MONKEYっていう、初期からのファンには違うイメージになってしまった感じではあるのかもしれないけど後追いで聞いてもこれだよこれ!と思ったし、BMG移籍以降のスケールが大きくなっていった後に迷い始めたり重くなる感じも無くてドストレートに爽快にロックしていて聞きやすい。THE YELLOW MONKEYどれか1曲最初に提示するなら?という問いには今作か「楽園」を選ぶだろう。

これを最後に移籍してしまったため「JAM」「SPARK」は次のアルバムに収録されず、非公認ベスト『TRIAD YEARS actⅠ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』に収録されこの非公認ベストがバンド史上唯一にしてダントツ最大のミリオンヒットにまで至ってしまう皮肉な事態となった。メンバー公認のアルバムにようやく収録されたのは解散時の『MOTHER OF ALL THE BEST』だった。
★★★★★
1stベスト『TRIAD YEARS actⅠ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
現行盤1st&2ndベスト『TRIAD YEARS Ⅰ&Ⅱ THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY
3rdベスト『SINGLE COLLECTION
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
企画シングル『Romantist Taste 2012』(96年7月21日のNHKホールライブバージョン)
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(名古屋ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

11th 楽園

B00005EKAG
96年11月25日
ファンハウスへ移籍しての1作目。後にBMGに買収されてBMGファンハウスになったところまでで活動休止になったがさらにファンハウスの名称完全消滅でBMG JAPANになったと思ったら今度はソニーに完全買収されたりしているので2013年リマスター盤アルバムの時はAriola Japanになっていた。前2作には及ばなかったが初登場3位を記録して50万枚に迫るヒットを記録した。

ドラマ『新・木曜の怪談』エンディング。木曜の20時枠(最初は19時30分からの1時間半だったが1時間枠に縮小)で放送されていたティーン向けのオムニバスドラマ方式のドラマで1話完結の短編もあったが、連続でシリーズ化した作品もいくつかあり、毎週複数の作品が放送されていた。また怪談モノだけではなくSF的な作品も多かった。滝沢秀明、今井翼、川野直輝、野村佑香、前田愛が出演していた「怪奇倶楽部」が最も人気で長期シリーズ化していて小学生編から中学生編と進学してストーリーが進行。一方で視聴率があまりよくなかったり、頻繁に野球で放送が吹っ飛んだりしていたせいか、1年経って一旦終了してリニューアルされたのがこの『新 木曜の怪談』であった。この後もさらに迷走し、97年1月には早くも『木曜の怪談 ファイナル』と後がない事を思わせるタイトルに変更、しかし持ち直したのか5月からは『木曜の怪談’97』となって9月まで粘った後に本当に終了した。

『新 木曜の怪談』では「怪奇倶楽部」シリーズの結果的に最終章となった「学校の七不思議編」と堂本光一が留学中にテロで重傷を負って死にかけサイボーグに改造されることで復活し、帰国してサイボーグである事を周囲に隠しながら犯罪者を成敗する超戦士として戦うという最早怪談でも何でもないSFアクション「サイボーグ」、これらが終了した後に人気シリーズだった『MMR』の続編『MMRスペシャル ノストラダムスの大予言 地球最後の日』が2週連続放送されて終了した。

当時断続的にこの枠を見ていたが「怪奇倶楽部」はあまり覚えていないが(これより前のシリーズの印象の方が強かった)、堂本光一の「サイボーグ」はインパクトがあったのでなんとなく覚えている。KinKi Kidsデビュー前だったが既に「若葉のころ」で馴染みがありKinKi Kidsは覚えていた時期で一般レベルでもCDデビューが待ち望まれていた時期で既にかなりの人気だったはず。ただヒロインが竹内結子だったのは全く覚えていなかった。あのヒロインの子って竹内結子だったのか…。で、エンディングでなんかスゲー名曲がかかっている!となったのがまさにこの曲であった。当時始めたばかりのCDレンタルで初めて手に取ったTHE YELLOW MONKEYのシングルとなった。以降もリアルタイムでチャートで見かけていたが手には取らなかったので今作だけ単発でタイアップ効果で聞いているんだけどそれだけに非常に馴染み深い。必然的にダントツで聞いた回数も思い入れも強い。

この当時はこのようにエレキギターがガンガン鳴っている曲はあまり好きではなかったんだけどそれ以上にスケールの大きなメロディーに圧倒されてハマったんだと思う。この曲は本当にメロディーが素晴らしいと思っていたんだけど大人になっていくにつれて“いつか僕らも大人になり老けてゆくMAKE YOU FREE 永久に碧く”のフレーズを年々実感するようになっていった。楽園とはどこにあるのだろうか…なんとも遠い目になってしまう。また1番では普通に碧くゥゥゥ…イェー♪なんだけど最後は音程が上がってあーおおくーーと高らかに伸びていくところもなんか好き。
★★★★★
6thアルバム『SICKS
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(京セラドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

12th LOVE LOVE SHOW

B00005EKB1
97年4月19日
6thアルバム『SICKS』の後の最初のシングル。TRIADが非公認ベスト第2弾『TRIAD YEARS actⅡ~THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』を勝手に同日発売にぶつけてきた。初登場4位で初動は前作の半分程度まで落ち込んだが(前作17万に対して8万台)5週連続トップ10に居残った上に2週目7万台とさほど落とさず、3週目に初動とほぼ同じ売上まで持ち直すなど巻き返しまくったため最終的な売上は前作をわずかに上回り、代表ヒットの1つとなった。タイアップも無く、純粋に楽曲の評判が良かったという事だったと思われる。

そんな感じでヒットしていたので当時から耳には残っていたんだけど前作とは傾向の異なる陽気なロック路線はあまり当時好みではなかったのでそのままスルーし、結局イエモンはシングルヒットは耳には入っているけど手には取らないという感じでリアルタイム進行していった。ここからはヒット曲として当時の印象はあるけど手に取ってフルで聞いてはいない。

陽気でイケイケなノリの良さもあって当時は好きではなかったが、改めて聞くとこういうノリのいいシングルは案外無いし気がつけば苦手意識は無くなっていた。Album Versionではテンポアップしてさらに勢いが増しているが、Album Versionの方が好きかも。次のシングル『BURN』C/WにはEnglish Versionも収録されているが、英訳ではなく日本語に近い発音の英単語を持ってきていたり、一部日本語のまま歌っていたりとなかなか面白い仕上がり。
★★★☆☆
13thシングル『BURN』C/W(English Version)
7thアルバム『PUNCH DRUNKARD』(Album Version)
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブ)
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3(English Version)
2ndライブアルバム『Live Loud』(名古屋ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

13th BURN

B00005EKBI
97年7月24日
ドラマ『職員室』主題歌。そんなドラマあったっけ?というくらいドラマの存在を認識しておらずドラマ主題歌だった事は当時知らなかった(視聴率も10%台前半で当時としてはヒットドラマとは言えない低視聴率)が、楽曲自体は大ヒットして初登場2位を記録して66.7万枚の売上となり、「JAM」を越えての最大ヒット作となった。初動売上も「楽園」を越える19万枚を記録していたので1位を獲得してもおかしくなかったが、KinKi Kids「硝子の少年」の前ではどうしようもなかった…。今作も5週連続トップ10入りしてバッチリ存在感を示してはいたものの、この当時はそれ以上の大ヒットがドッカドカ出回っていて「硝子の少年」を筆頭にLe Couple「ひだまりの詩」、B’z「Calling」がミリオンヒット、河村隆一「BEAT」もロングヒットで今作以上の存在感と売上を記録、この少し後にはGLAY「HOWEVER」が…という感じだったのでそれ以上が多すぎ。ていうかこれで60万台って不当に売上低くね?と思えてくるほど。

これまで以上にダイナミックでスケールの大きなロックナンバー。最大ヒット作、バンドの頂点にふさわしいような高みに達した感があり、貫禄としては「JAM」もそうだけど120万枚くらいのヒット作のような感じはある。オリジナルアルバムでミリオンを出せていればシングル売上ももう少し伸びていたんじゃないかとも思うが…。なお当時はかなりいいなと思って手に取ろうと思っていたのに結局レンタルし忘れてスルーしてしまったという思い出。

サビの”思い出は”が明らかに“思いディは”と歌っているように聞こえるが、吉井が意図してそうしたことだと語っており曲を作った時点でこの部分は“思いディ”と歌うと決めていたらしい。なんだか妙なインパクトがあって引っ掛かりポイントになっていると思う。

Album Versionではベースを再録音してミックス変更しているらしく、全体に音の響きが何か違うように聞こえる。
★★★★☆
7thアルバム『PUNCH DRUNKARD』(Album Version)
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブ)
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(名古屋ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

14th 球根

B00005EKC7
98年2月4日
『PUNCH DRUNKARD』への1ヶ月前先行シングルでタイアップはNHK「ポップジャム」エンディング。初動は15万程度で前後の週では30万とか50万での1位獲得がドッカンドッカン出ていたがたまたま谷間にあたり、4週目も14万叩き出していたSMAP「夜空ノムコウ」をなんとかかわしての初の1位を獲得。非常にヘビーな楽曲だったため、こういう曲で1位を取れるとは凄いという論調もあったが、前述のように完全にたまたまであり、一般受けも良くはなかった。何より先行シングルというのもあったが、それでもこれまではトップ10にも何週もランクインして存在感を示していたのに今作は2週目にはもう14位まで急落。後年ほど珍しくも無くなったが当時は1位から2週目にトップ10圏外まで吹き飛んでいくのはかなり珍しかった。実際レコード会社側は今作を思ったより売れなかったと判断し、これがアルバムから1曲シングルカットしようというメンバーも疑問に思う愚行へと繋がったとされる。

イエモン唯一の1位獲得曲ではあるが代表作というよりかはバンドがピークを越えて肥大化、後期に向かっていくヘビーな1曲といった印象。当時は正直あまり好きな曲ではなく、あまり聞いていなかったが近年印象が上がった曲の1つ。タイトル通りに根を張るようなギャンギャン鳴り響くバンドサウンドがたくましい。英語バージョン「BULB」もなかなかカッコいい。
★★★★☆
7thアルバム『PUNCH DRUNKARD
16thシングル『SUGAR FIX』C/W(英語バージョン「BULB」)
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブ)
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3(英語バージョン「BULB」)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

15th 離れるな

B00005EKCM
98年6月3日
アルバム『PUNCH DRUNKARD』からのシングルカット。C/W「ゴージャス」もシングルカットで、「離れるな」のカラオケ以外に新規収録音源が無かったためタイトルに反してファンが離れてしまってトップ10落ち(15位)、結果的に人気も頭打ちになるきっかけのようにもなってしまった。過去のインタビューや吉井の自伝によれば今作のシングルカットには乗り気ではなかったという。前作が1位になったものの売上が伸びなかったためにレコード会社の要請でシングルカットが決まったそうで、選曲もスタッフや有線やライブでの受けが良かったとの理由で決まったとのことだが、メンバーの予感通りに裏目に出る結果となった。メンバーはシングルカットの時点で疑問、後年の『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-』で行われたファン投票では公表された50位までにも入らないという散々な結果となっていて当時本当にライブで人気があったのかも今となっては謎である。

離れるな離れるな♪とまるで呪文のように繰り返すので不思議な魅力と引っ掛かりはあるものの、全体に重い上にシングル最長の6分越えで長い。シングルカットで何をどうしたかったのはレコード会社の思惑が不明で中長期的に見て大失敗、短期的にもトップ10落ちの惨敗だったのは確かだろう。まさか「球根」でリスナーが離れたので離れるなと言いたくてこの曲に決めたわけでもないだろうし。

シングルとしてではなく『PUNCH DRUNKARD』の1曲として聞くとヘビーなロックアルバムというアルバム全体のイメージにも合っているし、十分にいい曲に思える。
★★★☆☆
7thアルバム『PUNCH DRUNKARD
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001

16th SUGAR FIX

B00005EJOQ
98年8月21日
イギリスで7月に『PUNCH DRUNKARD』と一緒に発売されたイギリス向けシングルの日本盤。8センチシングルは日本独自の文化だったため海外仕様で初のマキシシングル形態が採用された。『PUNCH DRUNKARD』収録曲の「甘い経験」の英語バージョン。C/Wには「球根」の英語バージョン「BULB」、アルバムから日本語のままシングルカットされた「見して見して」を収録し、日本盤では「パンチドランカー」のライブバージョンが追加された。シングルカットではあったが、英語バージョンとしてリメイクされたものであったため、日本では初登場5位を記録し、不調だった前作よりはヒットした。吉井は「BULB」をメインにしたかったが、イギリスでは新人なんだからキャッチーなのにしろと言われて「SUGAR FIX」にしたとされる。その後イギリスでのリリースが続いたという話が無く、イギリスでの展開がどうなかったのかは一切触れられていないが、好評だったら続いていただろうから…まあ…うん

けっこう陽気なロックナンバーで、“My Baby Sweet Baby”を繰り返すサビは確かにキャッチーでインパクトもある。これは英語の方が完成度が上がっているように思う。「甘い経験」での”甘い経験 甘いBABY”よりもハマりが良く聞き取りやすい。「甘い経験」だと字数の関係でマイ経験、マイベイベーと歌っているようにも聞こえてしまうのと歌詞が直接的すぎるのもあって英語詞の方が雰囲気で聞けるのも良い。

どういうわけか「BULB」でさえ『MOTHER OF ALL THE BEST』初回盤DISC-3に収録されたというのに今作はアルバム未収録のまま。『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001』と『SINGLE COLLECTION』でシングルA面を手っ取り早く集めた後に今作だけ抜け落ちているのでシングル盤を探してきて補完したため、今作のみシングル盤を現物所持している。
★★★☆☆
アルバム未収録
7thアルバム『PUNCH DRUNKARD』(日本語バージョン「甘い経験」)

17th MY WINDING ROAD

B00005EKCU
98年10月21日
『SUGAR FIX』からは2ヶ月だが、新曲のシングルとしては『球根』から8ヶ月ぶり。1年かけて113本に及ぶロングツアー『PUNCH DRUNKARD TOUR』の最中という多忙の中での制作だった。シングルカットと英語詞リメイクと2作連続で通常より売上が見込めないシングルが続いたこともあってか今作でも回復しきれず、思ったより売れなかった扱いされた『球根』にも7万程度及ばない売上となったがここから3作連続で20万前後の売上で安定した。

締めにIt’s my disco It’s my discoと連呼しているようにディスコ風のロックナンバー。過酷なツアーの中で重いバラードを制作する予定だったがバラード続きになると反対されて、逆に以前からやりたかったというディスコ風に振り切ったようだ。「Love Communication」でもディスコ風に挑むも結局ディスコ風味はほとんど残らなかったため今作でやりたかったことが出来たとか。いかにもライブでミラーボールがギラギラ回って盛り上がりそうなノリの曲だが実際にミラーボール演出は行われたらしい。

シングルを並べて聞いていくとやはりけっこう異色なシングルだったなという印象ではあるが、バンドがどんどんスケールアップしていった後にヘビーな方向になってきていたのでここでリセットされた感はある。ただバンドが方向性を見失って末期化していく迷いの入り口にもなっていたのかもしれないとも思う。

次回作「SO YOUNG」と並んで次のアルバム『8』では本編に収録されずに、無表記でなんか唐突に付属した初回盤ボーナスCDに2曲放り込まれて片づけられるという異例の扱いとなった。恐らくアルバムの雰囲気に合わないとか時期が違い過ぎるという事で未収録になったが、レコード会社の要請で入れる事になり、作品の雰囲気を壊したくないのでこういう雑な扱いになったものと思われるが、真意は吉井の自伝でも触れられておらず不明。第一期THE YELLOW MONKEY最後の曲という意向から、本来第二期のスタートとなるはずであった『8』本編には入ってはいけないという事だったとも語られているが…それにしても扱いが雑なんだよなぁ。
★★★☆☆
8thアルバム『8』初回盤ボーナスCD
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

18th SO YOUNG

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99年3月3日
前作同様にロングツアー『PUNCH DRUNKARD TOUR』の最中に制作され、ツアーとは別の12月28日の年末恒例ライブ『メカラ ウロコ・9』で初披露(前日27日も同じ日本武道館でライブをやっているがそちらはツアーの1本で別ライブだった)、年明け以降のツアーでは最終曲として披露されていて、ツアー終了直前で発売された。初披露から3ヶ月ほどでの発売だったため、年末以降のライブに行っていたファンには待望の発売だったと思われる。今作が最後の8センチCD

ミディアム寄りでやや暗めの曲調ながら比較的穏やかでもある聞きやすいサウンドで青春をテーマにしている。ツアーを青春に例えて説明したり、ファンとの関係を歌ったとも説明されているが、終わりゆく青春を歌っているようにも聞こえてきて年齢を重ねるごとにどこか感傷的な気分で響くような1曲になっていった。

当時はGLAYやラルク、ミスチルを聞いていた友人間でのイエモンはそれよりは熱心度が低かったが気に入ったシングルがあれば買うくらいの聞き方をしていたようで、友人2人が今作と次回作に妙にハマっていてお互い貸し借りしてカラオケでほぼ毎回歌っていた。このため『CDTV』でのランクインのサビ部分以外のフルサイズは友人2人のどちらかのカラオケ歌唱バージョンがフルでの初聞きであり、『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001』でちゃんと聞くまではそっちの印象の方が強い。今改めて感じるこの曲で歌われる青春とすっかり会わなくなった当時の思い出もリンクしてより終盤の歌詞が刺さる。現実的に考えればあの日僕らが信じたものは正直まぼろしだったという事になるんだけど、それはまぼろしじゃない ない なぁぁあぁぁぁぃ SO YOUNGというラストフレーズにもとても共感できる。確かにまぼろしじゃなかったんだよ。SO YOUNG

ツアー終盤で最終曲として披露していた事もあってかツアーからベスト選曲されたライブ盤『SO ALIVE』ライブバージョンで収録されたが、『8』には前作同様に初回盤ボーナスCD送りでひっそり収録された。「第一期THE YELLOW MONKEY最後の曲だから、第二期に入ってはいけないんだ」という説は某ロック誌社長が解釈したもののようで、吉井本人は自伝でも特にそうだとは明言していない。
★★★★★
8thアルバム『8』初回盤ボーナスCD
1stライブアルバム『SO ALIVE』(ライブ)
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

19th バラ色の日々

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99年12月8日
前作から9ヶ月のブランクで年末に発売された。今作よりマキシシングルとなり、これまでのC/W+表題カラオケの3曲フォーマットからC/WとRAM JAM WORLD REMIXというリミックスバージョン収録に変わったが、今作と次回作ではカラオケ収録が廃止された。外部からプロデューサーを招いてのコラボレーション展開となり、ここからの3作を実験3部作とかコラボレーション3部作と称していた。今作では朝本浩文を共同プロデュースに起用。この時点では90年代前半のTHE BOOMの「月さえも眠る夜」「帰ろうかな」「手紙」などを手掛けたほか、最も有名だったのはUAの一連の有名曲で「情熱」「甘い運命」「悲しみジョニー」といった代表作は全て作曲も朝本浩文だった。アイドル女優系への提供もけっこうやっていてこの1年ほど前には広末涼子「ジーンズ」の作編曲もやっていたのでリアルタイムでは「ジーンズ」で初めて名前を見たと記憶している。

この時点で既にシングル候補に「聖なる海とサンシャイン」があったとされているが休養明けには地味として却下、今作も当初はもっと歌詞が暗かったが書き直してファンとのテーマソングというような内容になったという。コラボレーションシリーズ3シングルはバンドの次なる方向性を模索してもっと大きく変えてもらいたかったがみんなそのままでいいとしてあまり変えてもらえなかったとも振り返られており、失敗というかうまく行かなかったという意識が強かったようでその後しばし扱いが悪い曲が多く、特にメンバー選曲の『MOTHER OF ALL THE BEST』には3曲全てスルーされてしまう始末だったが、今作は3作の中ではその後最も扱いが良くなっていて、吉井がソロになって初めてライブで披露したイエモン時代の曲がこの曲だったり、『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-』ファン投票では堂々1位、2016年の再結成後初のTV出演となった『THE MUSIC DAY』では「SPARK」と今作を披露、再結成後のFC名が今作のラストフレーズからBELIEVER.となるなど、すっかりバンドとファンのテーマ曲としての地位を確立している。

やや複雑さを増したのはプロデューサー効果かなとも思うがそこまでイメージが大きく変わる事は無くイエモンらしい曲というのが当時の印象でそれでいいんじゃないかとも思う。前作同様に今作も友人2名が競い合うようにカラオケで毎回歌っていたのでそのイメージが強く、終盤のI WANT POWER辺りからのラストスパートが苦しそうだったなとかこの曲を聴くと今でも少し思い出す。やはりあの頃素直に「バラ色の日々」だったよね。

RAM JAM WORLD REMIX朝本浩文のユニットRam Jam Worldによるリミックスだがかなり複雑怪奇なオリジナル要素皆無でボーカルも加工したやりたい放題のリミックスで正直イエモン作品に収録された楽曲の中では最も意味不明。世紀末だったからなのか、この混沌混迷全開なサウンドなのは…。
★★★★☆
C/W(RAM JAM WORLD REMIX)
8thアルバム『8』(Album Version)
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(東京ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

20th 聖なる海とサンシャイン

B00005EJPY
00年1月26日
前作リリース時に吉井が推していたもののロングツアーからの休養明け1作目に今作では地味という事で前作が先に発表されて年明けに今作が発売された。00年1月26日、あの伝説のTSUNAMI週であり、1位2位をサザンオールスターズ「TSUNAMI」とモーニング娘。「恋のダンスサイト」が60万オーバーで争い、3位4位には椎名林檎のこんな時に2枚同時で出さんでも…な「ギブス」「罪と罰」で40万弱、まだまだ健在ぶりを見せるも上位勢の圧倒的勢いに落ち目感漂ってしまう5位には鈴木あみ「Don’t need to say good bye」がこれまた30万近く叩きだす…と1~5位が初登場でとんでもない枚数を叩き出し、6位には前週1位のL’Arc~en~Ciel「NEO UNIVERSE/finale」が25万、7位には上昇ロングヒットモードに突入した倉木麻衣「Love, Day After Tomorrow」が先週5位7万から14万へと売上を倍増させながら何故か2ランクダウンする異常事態、8位には先々週1位のMr.Children「口笛」が3週目も10万越え…となんと8位まで10万を越えるハイレベル週となり、10万枚に届かなかった今作は9位と沈んだ(12位にはポルノグラフィティ「ヒトリノ夜」が初登場しており、彼らにとって唯一のトップ10落ち)。「離れるな」で15位に落ちた以外はここのところ4位5位辺りが定位置で、次回作では久々の3位も記録しているだけに順位だけ見ると今作は地味な曲だったので売れなかったと思われがちだが売上は次回作よりは高い。ただ3作連続20万前後から15万を割ったのでさらに一段人気が落ちつつはあった。

前作に続いて朝本浩文をプロデューサーに迎えての楽曲だが全体に地味で暗めで確かにヒットチャート向きの曲ではない。しかし何故か妙に引き込まれるものがあり、正直当時もチャートアクションの悪さやその後の扱いの異常な悪さ(ベスト収録が機械的な『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001』収録1回ポッキリ)からもどんどん地味なポジションのシングル曲になっていったにも関わらず、サビ以外までけっこうしっかり覚えていて今回改めて聞いたら久々だったはずなのにやたら馴染んでいて驚いた。じわじわ浸透していたらしい。

今作が面白いのはアレンジに正解が無かった事で、なんとC/Wに4バージョンも収録。このうちSunnyside of winter mixは弾き語りバージョンに近い雰囲気、jaz raser drive mixは解体系のリミックスに近い変え方をしているが、Suspend Minnow VersionSunshine表題曲候補のような別の可能性を感じられる内容。

Suspend Minnow Versionの特徴としてはエレキのリフが消されてアコースティックギターとピアノがメインに鳴っているほかオリジナルのドラムが弱めなのに対してドラムがかなり前に出ているところ。また歌い回しが異なっていてサビの締めのサンシャインをオリジナルで高らかに歌い上げていたが、このバージョンでは溜めて低く歌い上げるように歌っている。

Album VersionはwikiにはSuspend Minnow Versionを基にしたと書かれているがこれはたぶんボーカルテイクの事で前述の歌い回し含めてボーカルはSuspend Minnow Versionを踏襲しているがアレンジはオリジナルやSunshineの方が近いものがあると思う。

Sunshineは全体にやや軽量なサウンド。サビが3回になっていて(オリジナルでは2番途中で間奏に入ってからBメロになってそのまま最後のサビに突入するのでサビは2回)2番途中で間奏に入らずにサビに突入してから間奏に入って最後のサビに突入、サビ1回分丸々増えているので5分を越えて長くなっている。このようにアレンジやミックスを変えながら色々やっている実験オブ実験曲で1曲に色々な可能性を見せているのでなかなか面白いシングルになっている。

ただ前述のように『8』までで6バージョン制作したっきり、解散時の『MOTHER OF ALL THE BEST』に選曲しないし、ファンも『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-』で選ばないし、その後ライブ音源が選曲されたりもしないなど不遇な状態が続いた。このままスルーされっぱかと思いきや『30Years 30Hits』の枠には入っていた
★★★★☆
C/W(Suspend Minnow Version)
C/W(Sunshine)
C/W(Sunnyside of winter mix)
C/W(jaz raser drive mix)
8thアルバム『8』(Album Version)
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

聖なる海とサンシャイン (Remastered)
THE YELLOW MONKEY

21st SHOCK HEARTS

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00年4月5日
実験3部作のラストで今作では森俊之をプロデュースアレンジに招いている。『バラ色の日々』C/W「HEARTBREAK」で笹路正徳と森俊之を招いての制作となっていたのでそれに続く参加となるが、今作のC/W「DEAR FEELING」では笹路正徳を単独で招いていて、結局3人呼んだアレンジャーのうち笹路正徳はC/W参加のみとなった。正直なところ当時新進気鋭のアレンジャーだった亀田誠治を呼ぶとかならまだしもUNICORNPRINCESS PRINCESSを手掛けて当時はスピッツを離れたばかり翌年はコブクロを手掛けている笹路正徳はさすがにイエモンとは合わないんじゃないかとは思った。朝本さんは当時の活躍っぷりからなかなか面白かったけど、森俊之や笹路正徳では吉井が期待するような大胆な変革はそもそもしなさそうなイメージなんだよな…。変えたいならもっと主張激しいアレンジャーを呼ぶべきでなんか人選が違っていたような気はする。

「チオビタドリンク」CMソング。当時ヒット曲としてというよりチオビタのCMでOH YEAH!あのさ♪とよくかかっていた印象が強く、サビだけは早い段階から馴染んでいた。触発とSHOCK HEARTSを引っかけたおやじギャグみたいなタイトルや妙にはじけたノリ、やや過激なイラストジャケットも含めて(アドセンス規約違反になりそ)前2作よりもイエモンどうした?という異様な感じが出ていると思う。森俊之氏もかなり奮戦したものと思われるがこれであんまり期待していた効果が得られなかったとか言われてもそれはそれで困るよな…。今作に関しては先の友人たちも微妙だったらしく、カラオケで歌っていた記憶がなく、終始周囲でもスルー気味だった。しかしサビのキャッチーさは随一でもあると思う。

その後の扱いが激悪で、機械的に収録された『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001』を最後に全ベスト、ライブ盤スルー。同様の状態にあった「聖なる海とサンシャイン」「BRILLIANT WORLD」は『30Years 30Hits』に選曲されたが、今作だけはまたしてもスルーされてしまった。
★★★☆☆
8thアルバム『8
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001

22nd パール

B000059O1L
00年7月12日
吉井のセルフプロデュースに戻ってのアルバム『8』先行シングル。一応”目がくらむ朝に”のくだりがサビに該当すると思われるがド頭から全編サビのように疾走していくストレートなロックナンバー。ギターも一緒に歌っているかのようなサビ部分といい、ライブでは盛り上がりそうだし、何かこう迷いを抜けてどこまでも突き抜けていくような爽快感がたまらない。非常にストレートなロックナンバーなのでさほど聞き込まずともすぐにこれはいいな、好きだなと思える1曲だった。

車の免許を取ってから“ハイウェイ ただハイウェイ”の部分を高速道路を自分で運転しながら聞くというのは免許取ったらやってみたいあるあるの1つ(他にはGLAYの高速道路大渋滞♪というサビの某曲をまさにその瞬間に流すとか)だった。国境は越えられないが県境を越える瞬間に”ハイウェイはやがて国境を越える”とか物凄くテンションが上がる。たださすがに県境越えピンポイントで国境を越えるぅぅぅ♪に綺麗に当てた事は無いが…。

吉井は「JAM」のマジックがもう一度起こるようにと願いながら作っただとか今作の出来に非常に満足しているようなコメントを残しており、『MOTHER OF ALL THE BEST』にもきっちり選曲。『MOTHER OF ALL THE BEST』には末期のシングルがことごとく外されていて「バラ色の日々」すら外してしまったくらいなので、「SO YOUNG」の次に新しいシングル、00年代以降唯一、19th以降のシングルで収録されたの今作だけだったのでかなりお気に入りだった事が伺える。
★★★★☆
8thアルバム『8
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
5thベスト『MOTHER OF ALL THE BEST
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(東京ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

23rd BRILLIANT WORLD

B000056B4L
00年11月1日
『8』の後の最初のシングルとなったが次回作含めて出すタイミングを話し合っていただけで制作時期はほぼ同じだったとされる。今作リリース時は活動休止を発表していなかったが、妙に積極的にTV出演をこなしていた。既にバラエティ色が強くなってきていた『うたばん』にも出演してもっと色々バラエティ的な事をやってもいいんだけど(イメージがあるから)事務所がやらせてくれない、俺たちは何でもやれますよみたいな事を言っていてけっこう明るい人たちなんだなと思った記憶がある。それまではキメキメのロックミュージシャンという怖いイメージがあったので、このフランクな雰囲気から少し親しみが出たのもあってか、実に「楽園」以来シングルをレンタルしてきて聞き始めた。この頃には「SO YOUNG」「バラ色の日々」にハマっていた友人2名も熱が冷めてきたのかあまり触れなくなっていたのと高校でバラバラになり、1人は徐々に疎遠になっていったので、この曲の良さを共有した記憶はあまりない。しかしまさかちゃんと聞き始めた途端に終了直前だったとは…。確か『CDTV年越しプレミアライブ』に急遽出演が決定して出てきたと思ったら来年からプー太郎になる発言をして休止する事を知った記憶がある。

共同アレンジャーとしてJON JACOBS・DAVID MAURICEが参加。王道の分厚いギターロック系ではなく比較的抑えめのシンプルなバンドサウンドで聞きやすくてポップな印象の楽曲。最高な世界へ♪を繰り返すサビ部分も恐ろしくシンプルだが伸びやかさと確かな希望を感じられ、そういった聞きやすさに惹かれて当時手に取ったのだと思う。テーマとしても21世紀への希望であり、同種のテーマであった19「背景ロマン」、サザンオールスターズ「この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~」と並んで間もなく訪れる新世紀への何となくな未来感や期待感を思い出す1曲。世紀末は混沌とした難解な方向に向かう傾向も強かったけど、1年前のミレニアムの時よりもシンプルに希望が前面に出た曲が並んでいたかなと。他にも「恋愛レボリューション21」とかも大ヒットしてたし。

「プライマル。」のところで触れているようにメインで練習していたのは「プライマル。」だったが、1つ前のこの曲も簡単じゃね?という事で今作のギターもちょっと練習したのでこっちもちょっとは弾けるようになった。
★★★★☆
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

24th プライマル。

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01年1月31日
2000年はSPRING TOURを行った後は『8』を引っ提げてのツアーも無くフェス出演のみだったが、12月28日恒例だった「メカラ ウロコ」シリーズの「メカラ ウロコ・8」は年明け1月4日の大阪と8日の東京に分けて開催され、この1月8日東京ドーム公演が休止前最後のライブとなった。この1月8日のライブをもって休止という扱いだったため、1月末にリリースされた今作は休止後であり、置き土産的な休止前ラストシングルとなった。MVにもメンバーが出演しているが全て休止前に制作完了していて年明けはライブ2本のみだったものと思われる。

卒業祝いの言葉が出てくるなど卒業ソングっぽい内容になっているが歌詞の内容は正直良く分からない。一応歌詞を見ないと分からない仕掛けとして1番も2番も冒頭からサビの途中までは全て「」で括られていて“紅塗った君がなんか”からのサビ最後の2行とラストサビ前のBメロ2行のみが主人公の視点になっている。曲の大半が「」で括られた”君”の言っている事という事になっているようだ。それにしても脈絡が無くて何を言っているのかイマイチ分からない。タイトルとの繋がりも希薄だし…これが何故にプライマルなのか。その”。”はなんなのか。モーニング娘。的な”。”なのか、活動に区切りをつけた”。”なのか。

サウンド面では前作同様にシンプルなロックナンバー。Tony Viscontiが共同アレンジで参加してブラスアレンジも加えているのでけっこう華やかな雰囲気もある。

バレーコード連発なので押さえるのが大変ではあるがギターソロ以外は何らテクニカルなところがないギター、初心者&初見でさえもある程度弾けるようになってしまうほど異様に簡単なベース(Bメロは少し違うがAメロとサビはただコード進行に合わせてベべべベベベベベデデデデデデデデと刻んでいくだけ)、ドラムもさほど難しいところがあるわけではない、という事で高校に入ったらバンドをやろう!と盛り上がっていた友人間でこの曲が簡単だ!という事で正直当時大して好きな曲ではなかったものの簡単だという理由で今作の練習を開始。友人たちが演奏を習得していく中でこの1年後くらいにMOMAとか名乗りだす奴が不器用すぎてソロ以外は習得するもギターソロがきちんと習得できず、医者も分からないという謎の喉の不調で歌えなくなり…と散々な足の引っ張りようで結局スタジオ1回入って練習しただけでグダグダになって解散したという正直申し訳ない思い出しかない。あの時せめてまともに歌えていたらなぁ…という遠い挫折の思い出の1曲でもある。

と、何気に思い出としてはNo.1級に色々思い出深い1曲にはなっている。あまり好きな曲ではなかったが練習のためにかなり聞いたので聞いた回数ではたぶん他の曲を大きく上回っている。その後の20年間でさすがに「楽園」や「SPARK」辺りの方が聞いた回数は逆転しているとは思うけど、あの頃に集中的に聞いていた印象は強いな。
★★★☆☆
4thベスト『GOLDEN YEARS SINGLES 1996-2001
6thベスト『イエモン-FAN’S BEST SELECTION-
セルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』(セルフカバー)
2ndライブアルバム『Live Loud』(東京ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

Romantist Taste 2012

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12年10月10日
5月の20周年を過ぎた秋になって突如リリースされたデビュー作のリミックスシングル。紙ジャケ仕様で1996年のライブ音源12曲が収録されたライブアルバムのような1作として発売。定義上はO社では4曲までがシングルだがカラオケはノーカウントでライブ音源やリミックスも同様にカウント除外になるため「Romantist Taste 2012」とC/Wにライブ音源を収録したシングルとして扱われた。

この年は全アルバム&ビデオクリップ一斉配信を行う事となりこれは事務所やレコード会社が勝手に行ったものではなくちゃんと吉井も関与していたため、デビュー日にリミックスが出たらどうなるかななどとシャレで発言したのを、その後のデビュー20年を祝う食事会の席で改めてスタッフが話を切り出したところ、メンバー間でも盛り上がり実現したという。

リミックスはメンバーが立ち会う中で原曲と同じ山口州治が担当し、Ted Jensenがマスタリングを担当。1stアルバムでは吉井の意向でロック的な方向性でのミックスを拒否して昭和歌謡のような雰囲気にするように主張していたというだけあってなんともいえないダサい感じの音像になっていたが、今作では割とスタンダードにロック的な音像に生まれ変わってかなりシャッキリした印象。また徐々にやってくるフェードインだったイントロ部分が普通に始まると言った分かりやすい変更も施された。

まあヘンテコな雰囲気の曲なのはミックスを変えたところでやっぱりヘンテコな曲だなとは思うんだけど久々に聞くイエモンもこの曲もとても新鮮だった。メンバーも同じような感触を得たのかは分からないが、1度は終わったバンドが過去となり時間を経た事で何か感じる事があったのか、徐々に復活への機運が高まっていく事となった。
★★★☆☆
アルバム未収録

25th 砂の塔

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16年10月19日
2016年1月8日に再結成を発表後、満を持しての最初のシングルCD作品。結果的にシングルは配信へ移行してしまったため再結成以降でのシングルCDは今作ポッキリとなっている。初回盤には再結成後の最新ツアー「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016」から12曲のライブ音源を収録通常盤にはC/W共々Instrumental(カラオケ)を収録。通常盤に5曲のライブDVDを付属させたFC限定盤でも販売。満を持しての新作だった事もあって、初登場2位を記録して最終的に10万枚を越え、なんと現役時代の「SHOCK HEARTS」や「パール」を上回る快挙を達成した(2019年のアルバム『9999』でもほぼ同等の売上までしか出なかったので初回盤がライブアルバム状態だったのもあるが再結成熱もピークに達していたものと思われる)。

ドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』主題歌。初めて船山基紀をアレンジャーの招いていてストリングスアレンジを担当。同年夏にKinKi Kids「薔薇と太陽」を吉井が提供した際にアレンジを担当したのが船山基紀だったという縁があったという。元々歌謡曲好きだった吉井にとっても7,80年代の歌謡曲のヒットを多く手掛けてきた船山基紀は憧れの人であり、楽曲との相性も良かったようだ。というかなんで現役時代のコラボの時に声をかけなかったのだろうか。雲上人過ぎたのか。この効果もあってかだいぶ歌謡臭の強いロックナンバーとなり、従来のイエローモンキーのロックサウンドよりもストリングスの存在感が大きく、ありそうだけど全然無かったような1曲に仕上がっている印象。なんだかんだ長い年月を重ねてきたんだなという感じであの頃のイエモンが帰ってきた感じは正直あまり今作からはしなかった。
★★★☆☆
9thアルバム『9999
2ndライブアルバム『Live Loud』(京セラドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

C/W ALRIGHT

再結成発表後に最初に発表された曲。再結成告知動画で使用されていたのもこの曲のイントロ部分で、2月にはラジオで流され、FC向けにストリーミング配信、3月には一般向けにYouTubeでMV公開も行っていたが何故か一向に発売される気配が無く、結局10月まで待たされてC/W収録へと落ち着いた。

再始動に向けて書き下ろした楽曲だけあってストレートなロックナンバーで、今作の方が「プライマル。」以来15年ぶりにイエローモンキーが復活した感のある新曲になっていると思う。引っ張った挙句にC/Wで済まされてしまったのはなんだかもったいなかった。せめて両A面だろこれは…。個人的にTHE YELLOW MONKEYのシングル史上初めてC/Wの方が明確に好きなシングルになった。また当初は「未来はみないで」の予定だったとされており、結局「未来はみないで」は30周年ツアーの際に初披露、FCのツアー参加者に送られた『30th Anniversary Memorial Gift』でCDとして配布され、20年3月に一般配信されるなどかなり先送りされた。

再結成後の配信シングル曲はどうもなかなか印象に残ってこないんだけど「ALRIGHT」「未来はみないで」は個人的に再結成後のダントツ2トップでこれぞという2曲だがこれが両方とも再始動に向けて準備した時の曲だというのは興味深い。
★★★★☆
9thアルバム『9999
2ndライブアルバム『Live Loud』(名古屋ドームライブバージョン)
ストリーミング配信限定ベスト『30Years 30Hits

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