TUBE 40周年シングル回顧+1~1985-1989~

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ビーイング系のグループながら外部のCBSソニーからデビューしたTUBE。当時はまだビーイングも大きなヒットは無く、現事務所ぐあんばーる社長菅原潤一によれば長戸大幸はCBSソニーにTUBE(当時はパイプライン)の資料を送ったが返事が無いと困っていた(この時点ではビーイングと正式な契約をしていないが出入りはしている”長戸預かり”状態だったとされる)。音楽制作は得意だがマネージメントは不得意だという長戸大幸と、その逆で制作に自信は無いがマネージメントなら自信があるという菅原潤一は協力する事にして菅原潤一がCBSソニーとコンタクトを取って埋もれていた資料を発掘させてデビューさせるのかどうなのか話を進めさせたとされる。こういった経緯から制作はビーイングが行いながらも事務所は外部、レコード会社も外部のCBSソニーでのデビューとなったようだ。

1985年6月1日The TUBEとしてデビュー。当時はTheがついていたが「シーズン・イン・ザ・サン」発売を前にして姓名判断師の助言によりTheを削除したところ見事ヒット。姓名判断の人すげぇ!というより「シーズン・イン・ザ・サン」が売れるべくヒットチューンだったという方が正しそうだが…。メンバーは特に夏や湘南に強いこだわりがあったわけではなかったようだが、ビーイングの戦略により夏のイメージを強調した作品をデビュー当初から発表し続けた。

ただし80年代は夏だけではなく通年営業をしていた。夏と冬に年間2枚のアルバムをリリースし、1987年からは前田・春畑は各自ソロアルバムも制作、さらに渚のオールスターズの活動も並行して行うという激務っぷりだった。

デビュー当初から自作もしていたが、C/Wやアルバム曲に採用される程度で、シングルとして世に出てヒットしていったのはどれも提供楽曲。主に織田哲郎作品になると目立ってヒットしていた。9thシングル『SUMMER CITY』で初めて前田の作詞作曲がシングル化されると、9thアルバム『SUMMER CITY』で初の全曲メンバー作となり(編曲はまだ)、続くシングル『Stories』でついに”作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE”という基本スタイルへ到達した。

80年代TUBEは初のベストアルバム『TUBEst』で締めくくられ、そこまで冬のオリジナルアルバム発売だったタイミングで代わりに発売され、以後冬の活動は無くなり夏に特化していった。『TUBEst』は定番ベストとして90年代になって以降も毎年夏にロングヒットを記録していたが、リマスター再発はされず、この時代の音源は全て再発盤もリマスターされずに貧弱な音源のまま流通している(2003年再発でもそのまま)。2015年『BEST of TUBEst~All Time Best~』で大半のシングルと一部アルバム曲が選曲されたのが初リマスター、2025年『All Singles TUBEst-Blue-』で全シングルがリマスターされた。

※2015年執筆、2020年全面修正+アルバム曲追加『TUBE 35年で61シングル回顧+1~1985-1989~』として公開。
2025年40周年仕様に改題追記修正

1st ベストセラー・サマー

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1985年6月1日
作詞:三浦徳子、作曲:鈴木キサブロー、編曲:武部聡志・鈴木キサブロー
Re-newed編曲:小野塚晃

(チャーン、チャーン、チャッチャラチャラッチャー)ベッセラサマー(どぅっどぅ~るどぅっどぅ~る)♪という冒頭部分に後追いのリスナーが誰だコレ!?と思う事間違いなしの今となっては謎すぎるデビュー作。チェッカーズなど職業作家提供のバンドがトレンドだったという時代背景もあってか、外部の職業作家による提供曲。1stアルバムはビーイング内部の作家で制作しているのにデビューシングルを外注したというのはその方が確実という判断だったのか、シングル曲だけはソニーの方針に逆らえなかったのか(2年後のPRINCESS PRINCESSデビューシングル「恋はバランス」でも鈴木キサブロー先生にお願いしているのでソニーの方針っぽい?)

妙にエロティックなノリはインパクトはあるが、1stアルバム内でさえも何だか浮いている。初期はこういう方向性でしたというのではなく、これ(と次のシングル)だけ違う方向を向いているといった感じ。J-POP以降よりもJ-POP以前の歌謡界の職業作家の人なので後追いほど違和感があるのは仕方ない。それでも当時は一応それなりに狙い通りにいった感じではあったらしく、トップ10入りは逃したものの10万枚を越えるヒットを記録。それなりに華々しいデビューではあったようだ。

大胆にリメイクされたRe-newedは変貌っぷりが凄いが妖しげでアダルティな雰囲気は案外合っているかもしれない。2012年『SUMMER ADDICTION』のアナログ盤限定でAcoustic Versionが収録されたが、配信もされておらず激レア音源となっている。
★★★☆☆
1stアルバム『HEART OF SUMMER
1stベスト『TUBEst
3rdベスト『TUBEstⅢ』(Re-newed)
32ndアルバム『SUMMER ADDICTION』アナログ盤のみ追加収録(Acoustic Version)
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

セイリング・ラヴ

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From 1stアルバム『HEART OF SUMMER
1985年7月1日
作詞:長戸秀介・織田哲郎、作曲:織田哲郎、編曲:長戸大幸
1stアルバム『HEART OF SUMMER』の1曲目。今からシングル盤を最初に聞く人はいないと思われるので最古のアルバムである1stアルバムが時系列では現存する最初の1作になるわけでその1曲目なのでTUBE始まりの1曲というイメージがある。シングルこそ流行歌職業作家の人の曲だったが、アルバムは当時のビーイング社内の制作陣中心にメンバーも含めてOKが出れば採用というスタンスだったようで、今作も早速織田哲郎の楽曲。ただし新曲ではなく1980年に織田哲郎としてはWHYに続くプロデビュー2作目で織田哲郎&9th IMAGE名義でリリースされた唯一のアルバム『DAY&NIGHT』収録曲「Sparking Love-胸につのる想い-」を改題リアレンジしたもの(編曲が織田哲郎だったのが長戸大幸になった)。

書き下ろしではないが、既に「シーズン・イン・ザ・サン」に通じていく爽やかな雰囲気は全開で、後追いで聞けば1st2ndシングルよりも今作の方がTUBEのデビュー曲っぽく聞こえるくらい「シーズン・イン・ザ・サン」に綺麗に繋がっていくような作風だ。声の若さもあって非常に初々しさも漂う。そういう意味では長戸大幸プロデューサーの中でTUBEの夏バンドイメージは当初から割とハッキリしていたのかもしれない。
★★★☆☆

2nd センチメンタルに首ったけ

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1985年10月21日
作詞:三浦徳子、作曲:鈴木キサブロー、編曲:長戸大幸
前作と同じ外部提供に今度はプロデューサー長戸大幸自らが編曲を担当。基本は前作の2番煎じ路線。センチメンタルくびったけぇぇぇ~~~(どぅっどぅ~るどぅっどぅ~る)♪というサビ終わりにインパクトが集約されている。ていうかどぅっどぅ~るどぅっどぅ~るなリズムってそんなにトレンドだったのか。前作とクオリティ面でもインパクト面でも大きな差を感じないが、2番煎じは無かったらしく、大コケ。鈴木キサブロー先生は据え置きだったのに作詞や編曲が行けなかったという事もないと思われ、そもそも前作がまぐれ当たりだったのか冬なのがいけなかったのか、トップ50にすら入れない最高64位というTUBE史上最低位、最低売上となってしまった。デビュー作が売れたのでまとわりついてきていた大人たちもみんな去って行ってしまったそうで、続く2ndアルバムも低迷(LP62位、CT72位)、デビュー1年で天国から地獄状態となり、メンバーもスタッフも早くも危機感を抱いたという話も伝えられている。ただまとわりついていた大人たちがいなくなったことで誰が本当の信頼できるスタッフなのか改めて分かったともメンバー談。

『OFF SHORE DREAMIN’』収録時は冒頭40秒ほどが波音SEになっているので厳密には無表記のアルバムバージョンだが演奏自体はたぶん同じもの。売れなかったとはいえ扱いはよく、30周年でベスト盤にしっかり選曲されたほか、2017年11月にさいたまスーパーアリーナで行われた「TUBE LIVE AROUND 2017 ”Unknown 4” ~冬でもアリ!?ーナ~」ではマニアックなセットリストの中でふいに披露された。
★★★☆☆
2ndアルバム『OFF SHORE DREAMIN’』(OP波音追加)
1stベスト『TUBEst
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-

ス・テ・キ・な サタデーナイト

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From 2ndアルバム『OFF SHORE DREAMIN’
1985年12月1日
作詞作曲:織田哲郎、編曲:長戸大幸
織田哲郎&9th IMAGE『DAY&NIGHT』収録曲「土曜日の夜」の改題リアレンジ楽曲。2ndアルバムでも引き続き織田哲郎のカバーが収録された。かなり陽気でポップなノリの楽曲で印象に残りやすい。渚のオールスターズでもセルフカバーされ『渚のカセットVol.1』では織田哲郎と前田亘輝のデュエットバージョンを聞くことができる。ただ渚のオールスターズでは何故か「ステキなサタデーナイト」と表記されたり、「ス・テ・キ・な サタデーナイト」だったり表記がブレまくっていて“・”をつけるのかつけないのかハッキリさせてほしい。
★★★☆☆
渚のオールスターズ1stアルバム『渚のカセット Vol.1』(織田哲郎・前田亘輝ボーカル)
渚のオールスターズベスト『The Best of NAGISA NO ALLSTARS』(織田哲郎・前田亘輝ボーカル)

3rd シーズン・イン・ザ・サン

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1986年4月21日
作詞:亜蘭知子、作編曲:織田哲郎
The TUBEからTUBEに改名。これまで織田作品はカバーばかりだったがここで織田哲郎がTUBEのために書き下ろした渾身の楽曲をA面投入。既にアルバムではこの路線が標準だったように思うが、前2シングルとはガラッと方向性が変わったさわやかポップなサマーソングで見事に大ブレイク。ヒットメイカー織田哲郎としても初の大ヒットだった。

90年代とは市場規模が異なっていたため、売上31万枚は90年代ピーク時の作品群に及ばず、また2000年頃まではヒット曲を生み出し続けていたため、あくまで初期のヒット曲/ブレイク作であってそこまで絶対的な存在には感じなかったのを記憶している。サザンでいえば「いとしのエリー」、ミスチルで言えば「CROSS ROAD」くらいのポジションみたいな。ヒット当時を知る年配リスナーにとってはずっと最大の代表曲といった印象だったんだろうけど…。00年代以降世間に知られたヒット曲が無くなってくるととりあえず懐古系の番組に出てきたらまずはこれか「あー夏休み」みたいな扱いになっていき、いつの間にかTUBE最大の代表曲(むしろ現在ではこの2つを筆頭にして他にもいくつかある程度しか知られてない勢い)として90年代の一連のヒット曲をぶち抜いて扱われるようになっていた、といった印象。

個人的に『TUBEst』を手に取った段階で知っていた曲はこれ1曲だけだった。CDより先に90年代のTVで耳に入っており、なんかもっとダイナミックな曲だと思っていたのに、CDで聞いたらパーカッションとサックスの音とボーカルが最前面でバンドの音が遥か後方でなんともおとなしかったので驚いた。けっこうバンド感の薄い曲だったんだなと…。

『TUBEstⅢ』に収録されたRe-mix織田哲郎自らリミックスを担当。それ以外にあまり情報が無くて詳細不明なんだけど、リミックスといっても明らかにボーカルが再レコーディングされていて2000年当時の声のイメージになっているほか、原曲ではほとんど聞こえなかったギターがリズミカルに前面で鳴っていて遠かったバンド演奏をだいぶ前に持ってきたようなかなり大きく変えたリミックス&再録音になっている。個人的にこっちの方が最初に持っていたTUBEのイメージに近くて好感触。全盛期のTUBEのイメージとしてもこのRe-mixの方がこれぞTUBEという感覚は多くの人が感じるのではないかと。

『渚のカセットVol.2』では織田哲郎による単独ボーカルバージョンを聞くことができる。正統派の織田哲郎セルフカバーバージョンはまさにこちらで、2006年に織田哲郎が『MELODIES』でカバーしたバージョンは強盗に喉をやられた後、復帰したばかりの頃で声が出ていない時期だったのでかなり渋くて低く暗い仕上がり。

2015年の『Your TUBE』企画で冬の女王広瀬香美がTUBEに夏曲「おかげサマー」を提供した事が話題になったが、実は広瀬香美は全盛期の97年真夏に1stカバーアルバム『Thousands of Covers Disc1』をリリースし、TUBE、サザンオールスターズ、山下達郎と夏男たちのカバーを一挙収録した事がある。そのアルバム1曲目を飾ったのが「シーズン・イン・ザ・サン」であった。現在のハイパー弾き語りYouTuber広瀬香美ほどはじけてはいないがそれでも元々がイケイケな人だったので97年当時でもなかなかハイテンションなカバーで一聴の価値があると思う。

なお初期のシングルは英語表記とカタカナ表記が混在しているシングルが多いが、「ベストセラー・サマー」「シーズン・イン・ザ・サン」「ダンス・ウィズ・ユー」辺りは現状ではカタカナ表記で統一されている。いずれも当時のシングル盤では英語表記とカタカナ表記が両方書かれていたが、後年の正式表記の決め方の基準は正直良く分からない。今作の場合英語表記になるとTHEがついて「THE SEASON IN THE SUN」となるが、この英語表記の『THE SEASON IN THE SUN』は3rdアルバムの通常表記として使用されて残されている。
★★★★☆
★★★★☆(Re-mix Version)
1stリミックスシングル(Special Remixed Seaside Version)
3rdアルバム『THE SEASON IN THE SUN
渚のオールスターズ2ndアルバム『渚のカセット Vol.2』(織田哲郎ボーカル)
渚のオールスターズ1stシングル『Be My Venus』C/W(THE SEASON IN THE SUN(English Disco Version)/織田哲郎ボーカル)
渚のオールスターズ1stシングル『Be My Venus(Long Version)』C/W(THE SEASON IN THE SUN(English Long Version)/織田哲郎ボーカル)
1stベスト『TUBEst
3rdベスト『TUBEstⅢ』(Re-mix Version)
リミックスアルバム『MIX TUBE Remixed by Piston Nishizawa』(Remixed by Piston Nishizawa)
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
1st MIX CD『35年で35曲“夏と恋”~夏の数だけ恋したけど~』(ショートサイズ)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

4th BECAUSE I LOVE YOU

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1986年9月5日
作詞:亜蘭知子、作曲:長戸大幸・西村麻聡、編曲:長戸大幸
英字表記とカタカナ表記が混在していて「ビコーズ・アイ・ラブ・ユー」と表記される事も多い。『TUBEst』『35年で35曲“夏と恋”~夏の数だけ恋したけど~』ではカタカナだったが、『All Singles TUBEst-Blue-』では英語表記で発表されてCDにも英語表記で記載されている。しかし同作でもディスコグラフィー掲載の曲目ではカタカナのままになっているほか配信版(DL/ST)もカタカナであり、今作だけが現在でも英語表記なのかカタカナ表記なのか統一されていない。アルバム『BOYS ON THE BEACH』は一貫して全曲が大文字英語表記で当時から統一されているようで配信でも「BECAUSE I LOVE YOU」である。

プロデューサー長戸大幸が自ら作曲にまで関与したミディアムナンバー。90年代以降は作詞作曲編曲に名前を出すことは無くなったのであまり知られていないが元々は長戸大幸も作家であった。恐らく当時の長戸大幸は純粋な音楽好きであり、優秀な作家が集まってきたので自らが書くよりも自分より才能のある作家たちに任せて自分はプロデュースに徹して判断を下していこうと考えたのかなと思っている。作曲に名前を出さなくなってからもデモのメロディーをガシガシ変えたりもしていたようだが、名前を頻繁に出していたこの頃と違いがあるのかは不明。実際悪くは無い曲ではあるが、何か違うというか歌謡曲的な雰囲気なども含めて織田哲郎や栗林誠一郎の洗練された感じに比べるとどこかこれをメインでやってたらすぐに時代に置いてかれていただろうなという感じもある。

タイトルを連呼するサビは昔のコーラスグループみたいだが、過ぎゆく夏の侘しさのようなものを感じられ、夏の終わりとか真夏でもふいに気温が下がった雨の日なんかに聞くとけっこうしんみり浸れるナンバー。ヒット曲に挟まれた地味曲みたいなポジションになってしまい、30周年ベストにもスルーされて王道からは逸れるもののふいに聞きたくなる曲。

『TUBEst』以降の収録が無く、長年リマスター音源が存在しなかったが(厳密には一部のみ2020年『35年で35曲“夏と恋”~夏の数だけ恋したけど~』でリマスターされている)、2025年『All Singles TUBEst-Blue-』でようやくリマスターが聞けるようになった。
★★★☆☆
4thアルバム『BOYS ON THE BEACH
1stベスト『TUBEst
1st MIX CD『35年で35曲“夏と恋”~夏の数だけ恋したけど~』(ショートサイズ)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

BOYS ON THE BEACH

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From 4thアルバム『BOYS ON THE BEACH
1986年12月1日
作詞:亜蘭知子、作編曲:織田哲郎
4thアルバム『BOYS ON THE BEACH』1曲目。「シーズン・イン・ザ・サン」の制作陣によるサックスを生かした爽やかポップナンバー。描かれている夏は”永遠の夏”だったり”終わらない夏”を思うという冬発売らしい違う季節に思う夏路線。10代から大人へなっていく心情を歌っているので振り返る夏は去りゆく少年時代の夏でもある。若き日の必死にもがいていた時代のメンバーだからこそ響くところもある。
★★★☆☆
渚のオールスターズ1stアルバム『渚のカセット Vol.1』(亜蘭知子・前田亘輝・栗林誠一郎ボーカル)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

5th SUMMER DREAM

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1987年4月10日
作詞:亜蘭知子、作編曲:織田哲郎
Re-newed編曲:吉川忠英

「シーズン・イン・ザ・サン」と同じ制作陣で前年に続くヒットを着実に狙いに行ったさわやかサマーポップ。よりポップに明るく磨き上げたような爽やかさがたまらない。目論見通りにヒットし、80年代の代表曲の1つとなった。冒頭にある“渚のカセット”という歌詞から当時の制作陣が集結した渚のオールスターズへとつながっていった。「シーズン・イン・ザ・サン」しか知らなかった『TUBEst』を最初に聞いた当時、次に好印象で覚えたのがこの曲だった。

渚のオールスターズ『渚のカセットVol.1』では前田亘輝・亜蘭知子・織田哲郎という作家陣が全員集合した3人ボーカルを聞ける。何故か歌うごとにキーが上がっていき、織田哲郎の登場時にはかなりヤバいキーになっていて当時の織田哲郎ですら他で聞けないような限界ギリギリの高音で歌わされる(最後の”抱きしめたい”はさすがに裏声)という何の罰ゲームなのか分からない状態になっていてカオス。『渚のカセットVol.1』では冒頭にカセットの再生ボタンを押す音と波音のSEが入ってからイントロが始まり歌の最中も波音が聞こえてくるが、『The Best of NAGISA NO ALLSTARS』ではこれらの演出をカットした再編集が施されている。渚のオールスターズでのみ表記がカタカナの「サマードリーム」となっている。『SONGS』での織田哲郎カバーでは自然なキーで歌う織田哲郎バージョンを聞ける。ていうかそもそもTUBEのオリジナルバージョンもAメロから異様に高くないかこれ。”渚のカセット”から早くも一般男性がくじけそうな高さまで行っているような…。

年間2枚のアルバムを制作しながら前田・春畑のソロ活動を開始し、さらに渚のオールスターズも始動させるとか、いくらなんでもそこらのブラック企業も優しく見えるほどの激務。働かせすぎだったんじゃないかと今更ながら思う。
★★★★☆
2ndリミックスシングル(Special Remixed Seaside Version)
5thアルバム『Summer Dream
渚のオールスターズ1stアルバム『渚のカセット Vol.1』(SEあり/前田亘輝・亜蘭知子・織田哲郎ボーカル)
1stベスト『TUBEst
渚のオールスターズベスト『The Best of NAGISA NO ALLSTARS』(SEカット/前田亘輝・亜蘭知子・織田哲郎ボーカル)
3rdベスト『TUBEstⅢ』(Re-newed)
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
1st MIX CD『35年で35曲“夏と恋”~夏の数だけ恋したけど~』(ショートサイズ)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-

SA・YO・NA・RA…

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From 5thアルバム『Summer Dream
1987年5月21日
作詞:亜蘭知子、作編曲:織田哲郎
5thアルバム『SUMMER DREAM』の1曲目。静かに始まり徐々に開けていくように広がっていく曲構成、聞かせるメロディー、サックスを生かしつつ爽やかなアレンジ…と「シーズン・イン・ザ・サン」から始まったド王道のTUBE×織田哲郎による期待を裏切らない路線。「シーズン・イン・ザ・サン」「BOYS ON THE BEACH」「SUMMER DREAM」をいいと思ったなら今回も絶対に外さないというようなこの路線でさらにもう1曲といった装い。織田哲郎によるアルバム1曲目というパターンは今作が最後で、最多にして最も深く関与した『Beach Time』でも1曲目に織田曲は持ってきていない。とにかく楽曲数が多いので、近い路線の曲もたくさんあるのがTUBEの特徴だが、それでも同じ方法論で繰り返すのはここで打ち止めにしたという事かも。
★★★☆☆
渚のオールスターズ1stアルバム『渚のカセット Vol.1』(織田哲郎ボーカル)

6th ダンス・ウィズ・ユー

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1987年8月26日
作詞:亜蘭知子、作曲:栗林誠一郎、編曲:長戸大幸
「シーズン・イン・ザ・サン」同様にカタカナ表記固定で「Dance With You」と表記される事はなくなっているが、当時のジャケットは思いっきり「Dance With You」表記であった。前年のアルバム『Summer Dream』で作家デビューしていた栗林誠一郎が表題曲採用。これまたヒット作に挟まれた方向性の異なる曲…といったポジションになってしまっている曲で比較的80年代歌謡曲っぽい。後年のZARDにおいて織田哲郎に続く2番手のような扱いをされていた栗林誠一郎だが、その流れは既に始まっていたような気がしなくもない。ただ「BECAUSE I LOVE YOU」のような歌謡寄りよりは洗練されていて作家として90年代に重宝されるようになる才能の片鱗は存分に感じられる1曲だ。黒いジャケットも異色で、30周年ベストではユニーク枠に回された。確かに他にあまり見当たらない曲調だけどユニークかこれ…?

今作まではレコード/カセットでのリリース。89年に8センチCD化された際はA面を2曲ずつ両A面スタイルで収録して3枚でまとめられてしまった。これによりアルバムに収録されていなかったC/Wはアルバム未収録以前に未CD化で取り残された。いい加減BOXとか出してほしいが出したら出したで5万じゃ済まないくらいの高額膨大な内容になりそうだしなぁ…。
★★★☆☆
6thアルバム『Twilight Swim
渚のオールスターズ1stアルバム『渚のカセット Vol.1』(栗林誠一郎・亜蘭知子・前田亘輝ボーカル)
1stベスト『TUBEst
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

7th Beach Time

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1988年4月30日
作詞:亜蘭知子、作編曲:織田哲郎
織田哲郎最後のシングル提供作。アルバム『Beach Time』収録時は「Beach Time」だったが、『TUBEst』でのみ「ビーチ タイム」のカタカナ表記になっていた。これ以外は英語表記が基本。

期待通りのさわやか路線でTUBE=夏を完全確立。「シーズン・イン・ザ・サン」→「SUMMER DREAM」→今作と続けて聞くとどんどんバンド感を出すようになってロック色が強まっていくのが良く分かる。今作はエレキギターも鳴り響き、これまでに比べるとロックバンド感と爽快さがより前面に出ているように思う。80年代の3番手ヒットシングルという感じで、そんなに毎回TV披露されてはいなかったが30周年頃からはTV出演時に複数曲メドレーで披露される際に割と登場しやすい1曲になっている(というか異様に「あー夏休み」以外の90年代ヒットが冷遇されるように…)。2020年のTBS「音楽の日」でも「シーズン・イン・ザ・サン」「いただきSummer」と続けて披露された(2020年「あー夏休み」という状況ではないのと海岸の特設ステージだったので「Beach Time」というまんまな理由もあったと思う)。

ここまで織田哲郎作品が3作綺麗に大ヒットし、合間の他の作家のシングルがあまりヒットしない(夏でもない)という事から本格的に夏バンドのイメージが定着すると同時にさあどうする?織田哲郎の3作を越えるヒットを今後生み出せるのか?という戦いも始まった。

今作以降レコード/カセットだけでなく8センチCDでもリリースされるようになったがここからのレコード消滅までは早かった。過去2年12インチレコードとカセットでしかリリースされなかったリミックスシングルは今作では一転して8センチCDでしかリリースされなかった。
★★★★☆
3rdリミックスシングル(Special Remixed Seaside Version)
7thアルバム『Beach Time
1stベスト『TUBEst
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
1st MIX CD『35年で35曲“夏と恋”~夏の数だけ恋したけど~』(ショートサイズ)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

Hot Night

1988年5月21日
From 7thアルバム『Beach Time
作詞作曲:織田哲郎、編曲:春畑道哉
アルバム『Beach Time』4曲目同時発売織田哲郎のアルバム『Season』収録曲「HOT NIGHT!」のカバー。本人とカバーが同時発売となったが、織田哲郎が作家としてブレイクするもソロシンガーとしては一向に売れない中でTUBEの方がダントツでヒットしてライブ定番曲として人気ナンバーとなった事で最早TUBEの曲としてしか知られていないような勢い。恐らくファンでも織田哲郎バージョンが同時発売だった事を知らずにいつも通りに提供か、知ってても後でセルフカバーしたと思っている人も多いかも。なお織田哲郎バージョンには前田亘輝がスペシャルゲスト扱いで参加していて織田哲郎や葉山たけしらと一緒にホッホッナイ♪している。また渚のオールスターズ『渚のカセットVol.3』では両バージョンとも表記が異なる「HOT NIGHT」として正式に織田・前田のデュエットとしてセルフカバーされている。

2020年のMIX CD『35年で35曲“涙と汗”~涙は心の汗だから~』に選曲はされていないが1曲目の「-花火-」冒頭に本来のサビメロとはメロディーの異なるホッホッホッ!ホッナァ~イ♪という謎の連呼が切り貼りされている。これはTUBE版/織田版にはないパートであり、これがあるのは渚のオールスターズ版のみ。どうやら渚のオールスターズバージョンの間奏とアウトロで連呼されているホッホッホッ!ホッナァ~イ♪のボーカルトラックのみを切り取って貼り付けて後半には新たなリズムトラックを追加したものと思われる。渚のオールスターズでは終始演奏が入っているので声だけ引っこ抜くのは至難でありトラックメイカーではないDJ和がそんな手の込んだ作業を行えるとは思えない(というかミックス前のボーカルだけのトラックを持ってこないと作れないのでミキシングエンジニアの領域だろう)。DJ和の芸風を考えるとTUBE側のエンジニアがミックス前の段階の音源に遡ってボーカルトラックだけ取り出して新たなリズムを加えた新規トラックを用意していてDJ和は渡されたその素材を「-花火-」の冒頭に張り付けるくらいしかやれないんじゃないかと思うが…(その部分全く関わってなくてDJ和には全て編集済みの音源が渡されていた可能性も…)。

シングル以外で『BEST of TUBEst~All Time Best~』に選曲された曲としては最古の楽曲。80年代のアルバム曲では1番有名な曲だと思うけど文字通りにホットな楽曲なのでこれはライブで熱い人気ナンバーになったというのもうなずける。
★★★☆☆
渚のオールスターズ3rdアルバム『渚のカセット Vol.3』(織田哲郎・前田亘輝ボーカル)
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

8th Remember Me

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1988年12月1日
作詞:前田亘輝、作曲:栗林誠一郎、編曲:明石昌夫
前田亘輝の作詞が初めてA面に起用された初の自作詞シングル。壮大なバラード。アルバムではあったが、シングルにおけるバラードのTUBEとしては最古の代表曲。名曲ではあるけど派手なのでそうお気軽に何度も聞く気分にもなれず長らくあまり好きになれなかったんだけど、徐々に印象が上がっていった。12月発売だがやはり夏よりも誰もいない冬の海岸のイメージが1番ハマるんじゃないかと思う。

アルバム『Remember Me』では表記は無いが微妙に歌い回しが異なるアルバムバージョン、1994年の『Melodies&Memories』ではTUBEの編曲で新録音されストリングス隊により壮大さが増し、2000年の32nd『Truth of Time』C/Wでは英語詞バージョンとしても再録音されている(同時期のハワイ公演記念でハワイ限定で発売したシングル『SHA LA LA/Remember Me』と同じ音源)。20世紀の間に複数のバージョンが制作されて以降は御無沙汰だったが、2024年TUBE×GACKTのコラボシングル『サヨナラのかわりに』C/Wでは「Remember Me-TUBE×GACKT–」としてキー下げでリメイクされた。バージョン違いが地味に多い。20世紀の間に作られたバージョンはその都度歌い方も多少変わっているが、アレンジの変更自体はそんなにされていなくて大枠の印象はどのバージョンも割と同じだったりもする。TUBE×GACKTでのリメイクはさすがに年数経過によるキー下げ(GACKTがそもそもキーが低いのもある)に伴いかなり別の味わいに変わった。
★★★☆☆
8thアルバム『Remember Me』(ボーカル別テイク)
渚のオールスターズ3rdアルバム『渚のカセット Vol.3』(英語詞Ver./栗林誠一郎・近藤房之助ボーカル)
1stベスト『TUBEst
渚のオールスターズベスト『The Best of NAGISA NO ALLSTARS』(英語詞Ver./栗林誠一郎・近藤房之助ボーカル)
1stバラードベスト『Melodies&Memories』(新録音)
TUBE with Friendsハワイ限定シングル『SHA LA LA/Remember Me』(English Version)
32ndシングル『Truth of Time』C/W(English Version)
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
3rd MIX CD『35年で35曲 “愛と友”~僕のMelody 君のために~』(ショートサイズ)
TUBE×GACKTコラボシングル『サヨナラのかわりに』C/W(TUBE×GACKT)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-

Keeping The Face

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From 8thアルバム『Remember Me
1988年12月21日
作詞:前田亘輝、作編曲:春畑道哉
アルバム『Remember Me』5曲目。後追いだとあまり分からないが、このアルバム制作時ベースの角野は同乗者の恋人が死亡する交通事故を起こして活動を自粛していた。ライブのベースは栗林誠一郎が代役をしていたとされているが、アルバム『Remember Me』ではメンバークレジット表記をせず、サポートベースの表記もせずにベースを誰が弾いているかは表記しない方針を取っていた。このアルバムではメンバー写真も無く、わたせせいぞうによるイラストで構成されているが、このイラストが現状と未来を示唆していて、ジャケットの冬の海のイラストでは椅子が4つあるのに1つ空席になっており、男性3人(サーフボードも3つ)。ブックレット内のイラストでも男性3人のイラストが2枚あるが、ブックレット内の最後のイラストは4人になっている。そしてブックレット裏のイラストはジャケットと場所は同じながら季節や天候や時間が来夏を思わせるものに変わっており、サーフボードを掲げた3人に向かって手前からサーフボードを掲げた4人目の男性がやってくるといった来夏の角野復帰を暗示するようなイラストになっていた。

そして楽曲面で角野不在の状況が反映されているのがまさにこの曲で基本的には単なる応援歌のような言葉が並んでいるものの、曲終盤に出てくる”あせることないぜ””君のかわりは””誰にもできないから”といったフレーズから休養中の角野に捧げた曲と思われる。こういったメンバー4人の絆を感じさせる部分と、90年代前田の得意路線の1つとなった聞き手を熱く鼓舞する負けるなソング、いよいよメイン作家として開花前夜のような春畑道哉のグッドメロディーも合わさって90年代へと繋がっていく重要な曲になったといえる。『BEST of TUBEst~All Time Best~』でも80年代はアルバム9枚に対して2曲しか選曲してない中の1曲として選曲されていて「Hot Night」に続く2番目に古い曲となっている。
★★★☆☆
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~

9th SUMMER CITY

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1989年6月1日
作詞作曲:前田亘輝、編曲:和泉一弥
Re-newed編曲:島英二

作詞のみだった前作から今度は作曲も前田亘輝の楽曲が採用された初の自作曲シングル。アルバムでも一気に全曲自作になったがアレンジはまだ参加したりしてなかったりで今作もアレンジは和泉一弥。ビーイングとはあまり接点のない作家でこれ以外はZARDのアルバム曲「好きなように踊りたいの」を作曲した程度。しかし数は多くないが長年活動していて、2016年にはHKT48「最高かよ」の作曲でNo.1ヒットを放ったりもしている。

織田哲郎に必死に追いつこうとしていたという当時のメンバーにとって自作への移行は大きな目標であり踏み切ったのは大きな転機、第2のデビューだったと思われるが、2002年の本『終わらない旅』での前田曰く”織田ワールドのTUBE版”という、織田哲郎のヒットナンバーを踏襲したようなサマーポップナンバー。織田哲郎の3シングルよりも陽気さが前に出ていて海というよりそのまま“80年代の都会”っぽいイメージ。海のイメージで3ヒット織田シングルに被せていかずにCITYにしている辺りに工夫が見える。ただちょっと軽い印象が先に立ってしまい、十分にいい曲ながら織田哲郎一連のヒット曲を超えるまでは行かなかった感じか。『TUBEstⅢ』のリメイクには選ばれた事があるが、『TUBEst』の10作のシングルのうち「BECAUSE I LOVE YOU」と共に『BEST of TUBEst~All Time Best~』に外されてしまった2曲のうちの1曲となった。初の自作シングル、これが実質デビュー作と考えれば十分にTUBEらしいし、いい曲だとも思うのだが…。

この9枚目までシングル枚数=オリジナルアルバム枚数っていうのが地味に凄い。また早くもEP(レコード)でも発売されたのは今作が最後となった。
★★★☆☆
9thアルバム『SUMMER CITY
1stベスト『TUBEst
3rdベスト『TUBEstⅢ』(Re-newed)
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)

10th Stories

B00005G3J7
1989年12月1日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE
作詞の初起用、作曲の初起用に続いて今作では編曲もTUBE名義(『TUBEst』収録時はカタカナで“チューブ”表記)。作詞が前田、作曲が春畑、編曲TUBEという1990年以降の基本編成でリリースされた初の完全自作シングル。ベスト盤の先行シングルだったのでオリジナルアルバム未収録。バラード調でさらっと始まるが、サビになると良メロさわやかポップスに変貌する。曲の始まりがかなり印象薄いというかさらっと音が鳴って静かに歌い始めるのでイントロが弱すぎる気はするが、その分サビの伸びやかさが気持ちいい。

それまでボツ喰らいまくっていた春畑が初めて誉められてA面に採用されたというだけの事はあり、サビのメロディーは特に気合入っていると思う。春畑道哉も思い出深い曲としてインタビューでよく挙げている。ここまでの春畑は曲を書いていなかったわけではなくそれまで散々ボツ喰らいまくってきて自分の曲の良さが分からないなんてと憤慨することもあったという。しかし次のシングルはこれで行こうと長戸大幸に認められてシングルに採用された事、これからは春畑がどんどん曲を書けと言われて認めてもらえた事は大きな出来事だったようだ。言葉通り、作曲家としての春畑道哉はこれ以降開花してほぼ1人で作曲を担当し続けて数々のヒット曲を生み出し、ZARDへの提供でも採用された。長戸大幸氏の判断基準は絶対的すぎて恐らくそこまでは色々思うところもあったとは思うんだけどその反骨精神が実を結んだともいえるし、当時の長戸大幸のプロデュースワークと育成術が大当たりした一例だと思う。GIZA以降KANONJIになってからは慧眼がそうでもなくなり、名前を戻して以降はなんだかすっかり…うん…。

『Melodies&Memories』での新録音ではアレンジを落ち着いたアコースティック調にガラッと変えていて印象がかなり異なる。

EPから8センチCDへの移行期もそこそこに今作から8センチCDに完全移行したが、CD対応のカーステレオのCMタイアップだった…というのも時代を反映している。そして今やカーステレオにCDプレイヤーはつかない時代になって久しい。2019年購入のマイカーにはまだギリでデフォでついていたが、確かにウォークマンのBluetooth接続とラジオメインでCD再生はほとんどしていない(だってカーステレオってニュイーンと差し込むからこのニュイーンの動作で盤面に傷がつきやすいんだもん)
★★★★☆
1stベスト『TUBEst
1stバラードベスト『Melodies&Memories』(新録音)
4thベスト『BEST of TUBEst~All Time Best~
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-
5thベスト『All Singles TUBEst-Blue-』DISC-3『TUBE-Blue-[1995-1999]ノンストップMix by DJ和』(ショートサイズ)


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