湾岸スキーヤー/少年隊

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長野オリンピック開催20周年記念、想い出のテーマ曲シリーズ第3弾。

現存するジャニーズのグループで最年長な少年隊。近年全く活動している気がしないが、気がしないのではなく実際に全く活動しなくなって久しい。新作リリースも90年代になると滞るようになったが、アルバムは99年、シングルは06年が今のところ最後。ライフワークになるかと思われた1986年から続いていた主演のミュージカル「PLAYZONE」も08年で終幕。これ以降は周年でも全く動きが無くなっており、解散もしなければ活動もしない、しかし確かにジャニーズに3人とも所属したまま…という状況が続いている。ベスト盤くらい出してもよさそうなものだが、なんと活動途中の88年に出した1枚ポッキリ。煽れば懐かし需要もかなり沸きそうなものなのに…。

そんな少年隊、全盛期は当然世代じゃないので知らない。よくTVで「君だけに」とか歌っている場面は目にするが、リアルタイムで少年隊をヒットチャートで長く見かけたのはこの「湾岸スキーヤー」1作だけだ。トップ10入りこそ逃した(15位)ものの、そこそこ粘り、最後の10万越えヒットを記録している。しかしこの曲、なかなか複雑な経歴を持つ曲でもあった…。

湾岸スキーヤー

作詞:秋元康、補作詞:山下達郎/Alan O’Day、作曲:山下達郎/Alan O’Day、編曲:井上鑑、コーラスアレンジ:山下達郎
フジテレビ系「長野オリンピック」イメージソング。少年隊としては95年12月以来の新作。クレジットがやたらと複雑だが、これは元々山下達郎のCMソングだったものに手を入れてフル尺に改作したためである。

元々は93年に「ららぽーとスキードームSSAWS」(通称ザウス)のCMソングとして山下達郎が制作した楽曲でCMサイズ(サビしかない)だった。ザウスは千葉の船橋にあった巨大な屋内スキー場02年に閉鎖され現在は跡形もないが、世界最大の屋内スキー場であった。00年3月の中学卒業時にカーネル・S・マルオ氏含む当時の仲間たちと行ったことがあるが、実際とんでもない規模であった。屋内なのに4人乗りリフトが両サイドに2つかかり、コースも2本。下部は緩やかだが、上部はかなりの急斜面で、時間が経つにつれてけっこうハードなコブ斜面へと変化。上部は初心者初級者では滑走不能で、結局スキー経験者である俺ともう1人しか上半分では滑走できなかったほどだ。在りし日のザウスの姿はSPEEDの1stベスト『MOMENT』付属のフォトブックでも拝むことができる。このフォトブックでSPEEDメンバーが雪遊びしているのはザウスのベース部分(1番下)だが、屋内スキー場とは思えない空間の広さを感じられると思う。

この曲、とにかくSpring,Summer,Autumn,and Winter,and You,の連呼が印象的だが、湾岸スキーヤーというキャッチーなワードと共に実にCMソングである。要するに屋内スキー場であるザウスは春夏秋冬いつでもスキーができる。そして立地は湾岸といって良いような場所であった。実にザウスのCMソングだ。

そんな曲を何故5年も経って少年隊に歌わせようという事になったのか分からないが、スキーというワードが入っていたこともありそのままオリンピックのテーマ曲にしたものと思われる。正直全くオリンピック関係ないし、応援すらしていないが、Spring,Summer,Autumn,and Winter,and You,の連呼がキャッチーだったのでそれだけで十分に耳に残った。というかほぼこの部分だけで、一応平メロはあるんだけど恐ろしくとってつけのような歌詞とメロディーなので全く印象に残らない。井上鑑による凝ったアレンジには聞き応えがあるが、良くも悪くもSpring,Summer,Autumn,and Winter,and You,のためによるSpring,Summer,Autumn,and Winter,and You,のためのSpring,Summer,Autumn,and Winter,and You,な1曲だと思う。オッオッ!湾岸スキーヤー!
★★★★☆

元々1曲+カラオケの500円8センチシングルだったが2013年にマキシ化されて再発されている模様。

湾岸スキーヤー
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