MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004

No タイトル 区分 オリジナル発売日 備考
1 BACK TO THE STREET 1stアルバム 1980年4月21日  
2 Heart Beat 2ndアルバム 1981年2月25日  
3 SOMEDAY 3rdアルバム 1982年5月21日  
4 VISITORS 4thアルバム 1984年5月21日  
5 Cafe Bohemia 5thアルバム 1986年12月1日  
6 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 6thアルバム 1989年6月1日  
7 TIME OUT! 7thアルバム 1990年11月9日  
8 SWEET 16 8thアルバム 1992年7月22日  
9 THE CIRCLE 9thアルバム 1993年11月10日  
10 FRUITS 10thアルバム 1996年7月1日  
11 THE BARN 11thアルバム 1997年12月1日  
12 STONES AND EGGS 12thアルバム 1999年8月25日  
13 THE SUN 13thアルバム 2004年7月21日  
14 ROCK & ROLL NIGHT LIVE AT THE SUNPLAZA 1983 ライブアルバム 2013年12月25日 『No Damage』DELUXE EDITIONのDISC-2
15 LIVE 'VISITORS' 1985 ライブアルバム 2014年10月29日 『VISITORS』DELUXE EDITIONのDISC-3
16 HEARTLAND 1stライブアルバム 1988年4月21日  
17,18,19 THE GOLDEN RING 2ndライブアルバム 1994年8月26日  
20 THE BARN LIVE '98 ライブアルバム 2018年3月28日 『THE BARN』DELUXE EDITIONのBlu-ray収録ライブ映像の初CD化
21 No Damage 14のありふれたチャイム達 1stベスト 1983年4月21日  
22,23 MOTO SINGLES 1980-1989 2ndベスト 1990年5月12日  
24 SLOW SONGS 3rd(バラード)ベスト 1991年8月28日 バラードベスト
25 NO DAMAGEU 4thベスト 1992年12月9日  
26,27 THE 20TH ANNIVERSARY EDITION 5thベスト 2000年1月21日  
28 GRASS 6thベスト 2000年11月22日  
29 SPOKEN WORDS COLLECTED POEMS 1985-2000 7thベスト 2000年12月21日 公式通販限定商品 ポエトリーリーディング集

※各アルバム感想は順次更新予定

リリースデータ

2021年6月16日 初登場23位 売上0.3万枚 Producer:佐野元春
Compilation produced for reissue by Motoharu Sano Archives Committee
EPIC RECORDS

佐野元春アルバムBOX。1980年のデビューからEPICを離脱した2004年までの全オリジナルアルバム12作ライブアルバム2作ベストアルバム7作に加えて後にデラックスエディションで発売した際に付属したライブアルバム2作Blu-rayの初CD化1作を収録した全29枚を収録。CCCD問題をきっかけにEPICを離脱して自主レーベルへ移籍して発売した2004年の『THE SUN』も何故か一緒に収録されているが、元々EPICで出すつもりで制作していてアルバム収録のシングルまではEPIC在籍だったためとThe Hobo King Bandでの制作がここまでで区切りになっていたからと思われる。当初3月13日発売と告知されていたがより良いクオリティに仕上げるべく、細かな手作業など含め予定より製造期間を要することが判明したとして4月21日に延期、さらにブックレットの素材が経年劣化する恐れがある事が判明したためにブックレットの仕様を変更するとしてさらに2ヶ月延期されて最終的に6月16日発売となった。

徹底したコンパクト化志向で制作され、CDは全て薄い紙ケース収納(袋無しのCD直入れ仕様)、全作の歌詞は400Pの豪華ブックレットにまとめて掲載し、さらにライターによる解説もぎっしり記載された1冊の本となっている。加えてタロット風のカード3枚、佐野元春本人へのインタビュー冊子(「ハートランドからの手紙」の特別版扱い)封入。BOXには3cm弱の隙間が生じており、空き箱で穴埋めされている。これは欠陥仕様ではなく、何か新たな作品が出たら入れてもらえれば、とのこと。

オリジナルアルバム12作は今作のために新たにTed Jensenによるリマスターが施されていると明言されている。クレジット上はTed Jensenに続けて前田康二、坂元達也がマスタリングエンジニアとして一括表記されている。オリジナルアルバム以外は彼ら2人が担当しているものと思われるが明言されていない(デラックスエディションでマスタリングされていたライブ音源などそのままの可能性もある)。

オリジナルアルバム、ライブアルバムだけでなく、ベストアルバムもそのまま全て収録しているため(04年までのベスト盤ではEPICのシリーズ企画ベストで03年発売の『THE LEGEND』のみ未収録)、一部楽曲には重複もある。ベストアルバム限定の別バージョンは余すことなく網羅できる一方で、これらの作品に収録された事のないシングルバージョン、B面(C/W)曲、05年以降のエピック発売のベスト盤に収録された別バージョン(06年のベスト『THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004』に収録した「ガラスのジェネレーション2006」)、各アルバムのデラックスエディション発売時に追加収録された音源のうち今作に収録された3作のライブアルバム以外の音源などは全て未収録となった。

個人的には佐野元春を知ったきっかけは98年の猿岩石『昨日までの君を抱きしめて』の作詞作曲に名前があったため。両親に誰この人?と聞いたら揃ってちゃんと聞いたことがないので名前と代表曲くらいしか知らず代表曲が「サムデイ」だというのはこの時に知ったが曲自体は聞いていなかった。また92年の「約束の橋」の大ヒットは把握していなかった。その後04年の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』にて挿入歌としてその「SOMEDAY」が使用された(主人公が聴いていたラジオからリクエストで流れた曲という使われ方)のをきっかけに再度興味を持って、『THE 20TH ANNIVERSARY EDITION』を聞いたり、『THE LEGEND』を聞いたりして代表曲をざっとチェック。「昨日までの君を抱きしめて」は「シーズンズ」というタイトルに改題されて『THE 20TH ANNIVERSARY EDITION』にも選曲されていた。

その後『THE SINGLES』を聞いたり、09年までには『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』までの8枚(ベスト・ライブ盤含む)を図書館で借りてきて(主に92年盤)当時簡易に感想を書いていた『レビュー予備軍』コーナーに掲載するも、当時色々あって余裕が無くなってしまい中断。2010年には30周年ベスト『ベリー・ベスト・オブ・佐野元春「ソウルボーイへの伝言」』を購入、翌年のセルフカバーアルバム『月と専制君主』をレンタルしてくるもこれを最後に掘り下げて聞くのは完全に止まってしまっていた。『ベリー・ベスト・オブ・佐野元春「ソウルボーイへの伝言」』がコンパクトに1枚でまとまっていて満足してしまったのと、次のアルバム『ZOOEY』以降はレンタル追放となってしまい、気軽に聞けなくなってしまったのも理由だった。

そのうちもう1度ちゃんと聞きたいと思いつつ、2020年にはボリューミーなベスト2作が発売されたりもしていたがボリューミーなベストに手を出すよりは1stから順番に聞いていきたい…が、デラックスエディション的なのも多くてなかなかハードルが…と思っているうちに今作の発売を知り、ここだ!という事でこのBOXで一気に聞くことにした。3rdアルバム以降、発売20周年や30周年で発売されているデラックスエディション的な作品に収録されているレア音源までは聞けないが、オリジナルアルバムが最新リマスターで揃って、リミックスが施されているベスト盤の類も揃う、解説もついているというのが決め手だった。値は張るが恐らく少数生産後で入手するほうが高くつくと見て予約したが結果的に読みは当たったようだ。

欲を言えば今作はスタジオ音源網羅のBOXにして、ライブ音源は別作品でまとめる形の方が良かったかなという感じはあった(ライブ盤だけで7CDあるし、ベスト盤でも他と被っている音源を削ってアルバム未収録音源をまとめていけば曲数自体は減るはず)。

 

パッケージ全体について
29枚とは思えない徹底したコンパクト志向は何かとLPサイズにしがちな昨今の今時パッケージでほしいリスナーはデカければ豪華で満足だろ?的な発想とは真逆だが個人的にはここのスタッフめっちゃ分かってるな!と物凄く感動した。デカいのは取り出しにくいし置き場に困るんだよ…。今作はそれなりに豪華さはちゃんと漂いながらも徹底してコンパクトにしているので相当な努力の形跡が伺えるし、紙質が良くなかったとかで発売延期して作り直したくらいにはこだわっていて素晴らしい姿勢だなと。

ただその弊害としては紙ケースにCD直入れ仕様というのがあり(洋楽の輸入盤のようだ…)、当然何度も取り出せばケースで擦れて盤面には傷が生じていく。保護用のシートが無いというのは唯一惜しい点だった。1枚モノはいいんだけど『THE GOLDEN RING』とか3枚組なので3面に直入れなんだけど、構造上とてつもなく出し入れしにくいのでさすがに困った。

作品のチョイスについて
全オリジナルアルバム、ライブ盤、そして主要なベスト盤というチョイスでまとめている一方でアルバム未収録C/Wや12インチシングルのリミックス等は全て切り捨てられた。ベスト盤はオリジナルアルバムや他のベスト盤との被りも多い。例えば代表曲「SOMEDAY」はスタジオ音源だけで4回出てくるが、明確にミックスが異なる別バージョンは『THE 20TH ANNIVERSARY EDITION』だけだ(ただし『No Damage』バージョンは冒頭で音が鳴りだす前のホワイトノイズが削られているという違いはある)。ベスト盤において曲を編集したり別バージョンにしている事もあるのでそういった音源までしっかり網羅できるのはありがたいとはいえ、些細な変更程度のものも多い。シングル、ライブは別のBOXにするとか、ベスト盤は収録せずに被りを除いた別バージョン音源だけをまとめて新規編集するとか、別バージョンを各アルバムにボーナストラックで配置するとかの方が分かりやすかったように思うが、予算的にも既存作からチョイスしてそのまま入れるのが限度だったのかもしれない。

ブックレットについて
主に全体解説作品を追いながらのヒストリー的な解説各アルバムごとのレビュー、バックバンドTHE HEARTLANDとThe Hobo King Bandの解説やメンバー入れ替わりの一覧、その他コラムなど読み応えのある内容でコンパクトにまとめながらも素晴らしい情報量。一方でこのブックレットにはクレジットが無い。各アルバムの演奏ミュージシャンの表記はしっかりされているのに作詞作曲は各作品の最後に小さく英字で一括表記されているのみで編曲表記は完全に抜け落ちてしまっている。何故か作詞作曲編曲はCDレーベル面に記載(外部アレンジャーが参加している1st、2ndはきっちり1曲ごと)。まあ編曲が外部なのは初期だけで基本的にクレジットは「作詞作曲編曲:佐野元春」なのでいちいちブックレットに書く必要も無かったんだろうけど…。

あとTHE HEARTLANDに関してはデビュー年から存在していて当初は流動的だったと解説されているものの、2ndアルバム『Heart Beat』でTHE HEARTLANDとしてクレジットされているバンドメンバーはTHE HEARTLANDの特集ページの歴代メンバー一覧からは外されているというのがややこしかった。『Heart Beat』の演奏メンバーはTHE HEARTLANDと命名されていたものの正式にはTHE HEARTLANDではないということになるが、特集ページでは最初期のTHE HEARTLANDメンバーはライブ参加者のみを扱っているようで『Heart Beat』の演奏メンバーはライブ時には入れ替わっていたという事だろうか。

リマスターについて
リマスターに関しては公式にアナウンスされたのはオリジナルアルバムはTed Jensenというだけ。オリジナルアルバムのシャッキリしたサウンドに対してベスト盤になると同じ曲(かつあまり編集されてないほぼ同じ音源)でも明らかに音が小さくなったりするのでTedのリマスターとそれ以外では傾向がけっこう異なる感じはした。

曲名表記について
既発の各作品のブックレットでは英字表記、カタカナ表記は曲ごとに異なっている一方で、公式サイトではカタカナ表記ばかりだったりと以前から英字表記とカタカナ表記が正式な表記の統一はされていなかったが、今作では全曲に日本語タイトルだけでなく英訳タイトルを併記する形式をとっている。これに伴い英字表記だった楽曲も基本的に全てカタカナ表記にされている。「SOMEDAY」が「サムデイ Somday」、「VISITORS」が「ヴィジターズ Visitors」、「COMPLICATION SHAKEDOWN」が「コンプリケイション・シェイクダウン Complication Shakedown」、「WILD HEARTS -冒険者たち-」が「ワイルドハーツ-冒険者たち- Wild Heats」となっている等…。

アルバムタイトルは全て大文字英語表記で統一されており、当時の表記が『Heart Beat』だった2ndアルバムも『HEARTBEAT』表記で統一されている。

特に80年代は英語タイトルをカタカナ表記にすることが一般的でカタカナ表記連発&突如英字表記が正式な曲も混ざっているというのはREBECCA、TUBEなんかでもあったが…。ソニーのサイトでも例えばアルバム『SOMEDAY』収録曲は英字無しで全曲カタカナなのに、『Heart Beat』や『VISITORS』はカタカナ無しで英字表記としている、これ以外には曲によって英字表記とカタカナ表記の曲が混在するなど作品によって異なる。そして何より公式サイトではアルバムタイトルでさえも基本オールカタカナメイン表記スタイルで統一していて今作ではそっちに準拠、そして新たに英訳タイトルを付加させたらしい。この英訳タイトルは英語タイトルの場合はそのまま英字にしただけだが、日本語タイトルの場合は英訳したタイトル、そして英語と日本語サブタイトルの場合などは英語部分のみで日本語のサブタイトルは英訳もせずに表記カット。ここに来て見た目がダサいカタカナタイトルで統一した挙句に馴染みのない英訳タイトルくっつけた新表記にされてもなぁ…というところはある。「サムデイ」じゃなくて「SOMEDAY」だろ、「ヴィジターズ」じゃなくて「VISITORS」だろう!というファンは多そう

一応各作品感想で曲タイトルを全部カタカナ表記にすると何とも言えない感じになってしまうため、なるべく単独発売盤のブックレットに記載されている表記に準拠する形で記載している。

B08SGY2HMN 

印象度★★★★☆

2021.8.8更新

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